(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161046
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】NK細胞能力アップ方法
(51)【国際特許分類】
C12N 5/0783 20100101AFI20221014BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20221014BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221014BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20221014BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20221014BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221014BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20221014BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20221014BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20221014BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221014BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20221014BHJP
C07K 14/54 20060101ALN20221014BHJP
C07K 14/55 20060101ALN20221014BHJP
C07K 14/545 20060101ALN20221014BHJP
【FI】
C12N5/0783
A61K35/17 Z
A61P3/10
A61P37/08
A61P17/00
A61P29/00
A61P19/02
A61P11/06
A61P31/14
A61P35/00
A61P37/04
C07K14/54
C07K14/55
C07K14/545
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065554
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】519092200
【氏名又は名称】グラドコフ・アレクセイ
(71)【出願人】
【識別番号】519092211
【氏名又は名称】グラドコワ・ニナ
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】グラドコフ・アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】グラドコワ・ニナ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AA94X
4B065BB19
4B065BB25
4B065BD39
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA03
4C087BB37
4C087BB64
4C087NA14
4C087ZA59
4C087ZA89
4C087ZA96
4C087ZB09
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4C087ZB15
4C087ZB26
4C087ZB33
4C087ZC35
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA02
4H045DA03
4H045DA04
4H045EA20
4H045EA29
4H045EA34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与することが可能なNK細胞能力アップ方法を提供する。
【解決手段】投与対象者の白血球からNK細胞を選択的に誘導し、誘導したNK細胞と所定のNK培地とを容器に収容し、容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ6~12時間静的に放置し、NK細胞を増殖分化させることなくNK細胞を活性化させ、活性化したNK細胞が収容された容器に、投与対象者の疾患の原因となっている特定の病原体への攻撃性をNK細胞に学習させる所定のファミリーサイトカインを収容するとともに、容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ18~24時間静的に放置し、特定の病原体への攻撃性を誘導初期のNK細胞群のすべてに学習させ、NK細胞が増殖分化することなくNK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与する方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を投与する投与対象者の該NK細胞の活性を上げ、前記投与対象者の特定の疾患の原因となっている特定の病原体に対する攻撃性向を該投与対象者のNK細胞に付与し、又は、前記投与対象者のNK細胞の前記特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げるNK細胞能力アップ方法において、
前記NK細胞能力アップ方法が、前記投与対象者から所定量の血液を採取し、採取した前記投与対象者の血液から白血球を分離するとともに、前記白血球から該投与対象者のNK細胞を選択的に誘導するNK細胞誘導工程と、
前記NK細胞誘導工程によって誘導した前記NK細胞と所定のNK培地とを所定容積の容器に収容する第1収容工程と、
前記第1収容工程によってNK細胞とNK培地とを収容した容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ6~12時間静的に放置し、前記NK細胞を増殖分化させることなく該NK細胞を活性化させるNK細胞活性化工程と、
前記NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞が収容された容器に、前記投与対象者の疾患の原因となっている特定の病原体への攻撃性を該NK細胞に学習させる所定のファミリーサイトカイン又は前記投与対象者の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げる所定のファミリーサイトカインを収容する第2収容工程と、
前記第2収容工程によってNK細胞とNK培地とファミリーサイトカインとを収容した容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ18~24時間静的に放置して前記NK細胞を増殖分化させることなく該NK細胞の性能を上げるNK細胞性能向上工程とを有し、
前記NK細胞性能向上工程では、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞が前記ファミリーサイトカインによって刺激されることにより、前記特定の病原体への攻撃性を該誘導初期のNK細胞群のすべてが学習し、前記NK細胞が増殖分化することなく前記NK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞群に前記特定の病原体への攻撃性向が付与され、又は、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞が前記ファミリーサイトカインによって刺激されることにより、該NK細胞が増殖分化することなく前記NK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞群の前記疾患への抗疾患効果(治癒能力)が上がることを特徴とするNK細胞能力アップ方法。
【請求項2】
前記NK細胞能力アップ方法が、前記投与対象者から採取した血液から該投与対象者の自己血漿を分離し、分離した自己血漿を不活化する血漿分離工程を含み、前記第1収容工程が、前記NK細胞と前記NK培地とともに前記投与対象者の不活化した自己血漿を前記容器に収容する請求項1に記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項3】
前記第1収容工程が、前記NK細胞と前記NK培地と前記自己血漿との総質量を100%としたときに該総質量に対して2~5%の不活化した該自己血漿を前記容器に収容する請求項2に記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項4】
前記第2収容工程が、前記NK細胞と前記NK培地と前記自己血漿と前記ファミリーサイトカインとの総質量を100%としたときに該総質量に対して0.2~2%の該ファミリーサイトカインを前記容器に収容する請求項3に記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項5】
前記NK細胞性能向上工程では、前記容器を18~24時間静的に放置する間において3~6時間経過する度毎に前記容器に所定量のファミリーサイトカインを補給する請求項1ないし請求項4いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項6】
前記特定の病原体が、腫瘍細胞であり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群に前記腫瘍細胞への攻撃性を学習させて前記すべてのNK細胞群に該腫瘍細胞への攻撃性向を付与し、該NK細胞群の抗腫瘍効果を上げるIL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つである請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項7】
前記特定の病原体が、AIDSウイルス又は新型コロナウイルスであり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群に前記AIDSウイルス又は前記新型コロナウイルスへの攻撃性を学習させて前記すべてのNK細胞群に該AIDSウイルス又は該新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与し、該NK細胞群の抗ウイルス効果を上げるIL-7(インターロイキン-7)である請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項8】
前記投与対象者の特定の疾患が、気管支喘息であり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の前記気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つである請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項9】
前記投与対象者の特定の疾患が、関節リウマチであり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の前記関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL1(インターロイキン1)、IL6(インターロイキン6)、IL8(インターロイキン8)のうちの少なくとも1つである請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項10】
前記投与対象者の特定の疾患が、アトピー性皮膚炎であり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の前記アトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)である請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【請求項11】
前記投与対象者の特定の疾患が、糖尿病であり、前記ファミリーサイトカインが、前記NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の前記糖尿病への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-15(インターロイキン-15)である請求項1ないし請求項5いずれかに記載のNK細胞能力アップ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NK細胞能力アップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
造血幹細胞又は前駆細胞の集団が拡大し、かつ、拡大することの間にその造血幹細胞又は前駆細胞の集団内の複数の造血幹細胞又は前駆細胞がNK細胞に分化するように、インターロイキン-15(IL-15)、並びに任意に幹細胞因子(SCF)及びインターロイキン-7(IL-7)のうちの1つ又は複数を含み、IL-15並びに任意のSCF及びIL-7が培地の不確定成分に含まれない、第一の培地中に、集団を播種する工程(a)、並びに、工程(a)由来の細胞をインターロイキン-2(IL-2)を含む第二の培地中で拡大し、活性化NK細胞の集団を産生する工程(b)を含む活性化ナチュラルキラー(NK)細胞の集団を産生する方法が開示されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の活性化ナチュラルキラー(NK)細胞の集団を産生する方法は、その方法によって産生された活性化ナチュラルキラー(NK)細胞が特定の病原体への攻撃性を学習することはなく、活性化ナチュラルキラー(NK)細胞に特定の病原体への攻撃性向が付与されることはない。従って、活性化ナチュラルキラー(NK)細胞が投与されたとしても、その活性化ナチュラルキラー(NK)細胞が特定の病原体を攻撃することはなく、活性化ナチュラルキラー(NK)細胞を利用して特定の病原体が原因の特定の疾患の症状を緩和することができず、特定の病原体が原因の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができない。又、その方法によって産生された活性化ナチュラルキラー(NK)細胞の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができず、その活性化ナチュラルキラー(NK)細胞を利用して特定の疾患の症状を緩和することができず、特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができない。
【0005】
本発明の目的は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させることができ、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与することができるNK細胞能力アップ方法を提供することにある。本発明の他の目的は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させることができ、投与対象者の活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができるNK細胞能力アップ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を投与する投与対象者のNK細胞の活性を上げ、投与対象者の特定の疾患の原因となっている特定の病原体に対する攻撃性向を投与対象者のNK細胞に付与し、又は、投与対象者のNK細胞の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げるNK細胞能力アップ方法である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、NK細胞能力アップ方法が、投与対象者から所定量の血液を採取し、採取した投与対象者の血液から白血球を分離するとともに、白血球から投与対象者のNK細胞を選択的に誘導するNK細胞誘導工程と、NK細胞誘導工程によって誘導したNK細胞と所定のNK培地とを所定容積の容器に収容する第1収容工程と、第1収容工程によってNK細胞とNK培地とを収容した容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ6~12時間静的に放置し、NK細胞を増殖分化させることなくNK細胞を活性化させるNK細胞活性化工程と、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞が収容された容器に、投与対象者の疾患の原因となっている特定の病原体への攻撃性をNK細胞に学習させる所定のファミリーサイトカイン又は投与対象者の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げる所定のファミリーサイトカインを収容する第2収容工程と、第2収容工程によってNK細胞とNK培地とファミリーサイトカインとを収容した容器を温度36.5~37.5℃に保持しつつ18~24時間静的に放置してNK細胞を増殖分化させることなくNK細胞の性能を上げるNK細胞性能向上工程とを有し、NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞がファミリーサイトカインによって刺激されることにより、特定の病原体への攻撃性を誘導初期のNK細胞群のすべてが学習し、NK細胞が増殖分化することなくNK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向が付与され、又は、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞がファミリーサイトカインによって刺激されることにより、NK細胞が増殖分化することなくNK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞群の疾患への抗疾患効果(治癒能力)が上がることにある。
【0008】
本発明の一例としては、NK細胞能力アップ方法が、投与対象者から採取した血液から投与対象者の自己血漿を分離し、分離した自己血漿を不活化する血漿分離工程を含み、第1収容工程が、NK細胞とNK培地とともに投与対象者の不活化した自己血漿を容器に収容する。
【0009】
本発明の他の一例としては、第1収容工程が、NK細胞とNK培地と自己血漿との総質量を100%としたときに総質量に対して2~5%の不活化した自己血漿を容器に収容する。
【0010】
本発明の他の一例としては、第2収容工程が、NK細胞とNK培地と自己血漿とファミリーサイトカインとの総質量を100%としたときに総質量に対して0.2~2%のファミリーサイトカインを容器に収容する。
【0011】
本発明の他の一例として、NK細胞性能向上工程では、容器を18~24時間静的に放置する間において3~6時間経過する度毎に容器に所定量のファミリーサイトカインを補給する。
【0012】
本発明の他の一例としては、特定の病原体が、腫瘍細胞であり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群に腫瘍細胞への攻撃性を学習させてすべてのNK細胞群に腫瘍細胞への攻撃性向を付与し、NK細胞群の抗腫瘍効果を上げるIL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つである。
【0013】
本発明の他の一例としては、特定の病原体が、AIDSウイルス又は新型コロナウイルスであり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性を学習させてすべてのNK細胞群にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与し、NK細胞群の抗ウイルス効果を上げるIL-7(インターロイキン-7)である。
【0014】
本発明の他の一例としては、投与対象者の特定の疾患が、気管支喘息であり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つである。
【0015】
本発明の他の一例としては、投与対象者の特定の疾患が、関節リウマチであり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL1(インターロイキン1)、IL6(インターロイキン6)、IL8(インターロイキン8)のうちの少なくとも1つである。
【0016】
本発明の他の一例としては、投与対象者の特定の疾患が、アトピー性皮膚炎であり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群のアトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)である。
【0017】
本発明の他の一例としては、投与対象者の特定の疾患が、糖尿病であり、ファミリーサイトカインが、NK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の前記糖尿病への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-15(インターロイキン-15)である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るNK細胞能力アップ方法によれば、活性化した誘導初期のNK細胞がファミリーサイトカインによって刺激されることにより、特定の病原体への攻撃性を誘導初期のNK細胞群のすべてが学習し、NK細胞が増殖分化することなくすべてのNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向が付与されるから、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与することができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって特定の病原体への攻撃性向を付与されたNK細胞を投与対象者に投与することで、そのNK細胞が投与対象者の特定の疾患の原因となっている特定の病原体を集中的に攻撃し、そのNK細胞を利用して特定の病原体が原因の特定の疾患の症状を緩和させることができ、そのNK細胞を利用して特定の病原体が原因の投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。NK細胞能力アップ方法は、活性化した誘導初期のNK細胞がファミリーサイトカインによって刺激されることにより、NK細胞が増殖分化することなくすべてのNK細胞群の疾患への抗疾患効果(治癒能力)が上がるから、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、投与対象者の活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができ、NK細胞能力アップ方法によって特定の疾患への抗疾患効果が上がったNK細胞を投与対象者に投与することで、NK細胞を利用して特定の疾患の症状の緩和を緩和させることができ、NK細胞を利用して投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0019】
投与対象者から採取した血液から投与対象者の自己血漿を分離し、分離した自己血漿を不活化する血漿分離工程を含み、第1収容工程がNK細胞とNK培地とともに投与対象者の不活化した自己血漿を容器に収容するNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の不活化した自己血漿を利用することで、NK培地と自己血漿とによって誘導初期のNK細胞を活性化することができ、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与することができ、又は、活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。
【0020】
NK細胞とNK培地と自己血漿との総質量を100%としたときに総質量に対して2~5%の自己血漿を容器に収容するNK細胞能力アップ方法は、総質量に対して2~5%の自己血漿を容器に収容し、不活化したその自己血漿を利用することで、NK培地と自己血漿とによって誘導初期のNK細胞を活性化することができ、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を付与することができ、又は、活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。
【0021】
NK細胞とNK培地と自己血漿とファミリーサイトカインとの総質量を100%としたときに総質量に対して0.2~2%のファミリーサイトカインを容器に収容するNK細胞能力アップ方法は、総質量に対して0.2~2%のファミリーサイトカインを利用することで、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を確実に付与することができ、又は、活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、0.2~2%のファミリーサイトカインによって特定の病原体への攻撃性向が付与されたNK細胞を利用し、特定の病原体が原因の投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができ、0.2~2%のファミリーサイトカインによって特定の疾患への抗疾患効果が上がったNK細胞を利用し、投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0022】
NK細胞性能向上工程において、容器を18~24時間静的に放置する間において3~6時間経過する度毎に容器に所定量のファミリーサイトカインを補給するNK細胞能力アップ方法は、3~6時間経過する度毎に所定量のファミリーサイトカインを容器に補給するから、ファミリーサイトカインが枯渇することはなく、ファミリーサイトカインを利用することで、投与対象者の活性化したNK細胞群に特定の病原体への攻撃性向を確実に付与することができ、又は、活性化したNK細胞群の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、ファミリーサイトカインによって特定の病原体への攻撃性向が付与されたNK細胞を利用し、特定の病原体が原因の投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができ、ファミリーサイトカインによって特定の疾患への抗疾患効果が上がったNK細胞を利用し、投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0023】
特定の病原体が腫瘍細胞であり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群に腫瘍細胞への攻撃性を学習させてすべてのNK細胞群に腫瘍細胞への攻撃性向を付与し、NK細胞群の抗腫瘍効果を上げるIL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つであるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つを利用して投与対象者の活性化したNK細胞群に腫瘍細胞への攻撃性向を付与することができる。NK細胞能力アップ方法は、腫瘍細胞への攻撃性向を付与されたNK細胞を投与対象者に投与することで、そのNK細胞が投与対象者の特定の疾患の原因となっている腫瘍細胞を集中的に攻撃し、そのNK細胞を利用して腫瘍細胞が原因の特定の疾患の症状を緩和させることができ、そのNK細胞を利用して腫瘍細胞が原因の投与対象者の特定の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0024】
特定の病原体がAIDSウイルス又は新型コロナウイルスであり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性を学習させてすべてのNK細胞群にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与し、NK細胞群の抗ウイルス効果を上げるIL-7(インターロイキン-7)であるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL-7(インターロイキン-7)を利用して投与対象者の活性化したNK細胞群にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与することができる。NK細胞能力アップ方法は、AIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与されたNK細胞を投与対象者に投与することで、そのNK細胞が投与対象者のAIDS又は新型コロナの原因となっているAIDSウイルス又は新型コロナウイルスを集中的に攻撃し、そのNK細胞を利用して投与対象者のAIDS又は新型コロナの症状を緩和させることができ、そのNK細胞を利用してAIDSウイルス又は新型コロナウイルスが原因の投与対象者のAIDS又は新型コロナの治癒を目指した治療を行うことができる。
【0025】
投与対象者の特定の疾患が気管支喘息であり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つであるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つを利用して投与対象者の活性化したNK細胞群の気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって気管支喘息への抗疾患効果が上がったNK細胞を投与対象者に投与することで、NK細胞を利用して投与対象者の気管支喘息の症状を緩和することができ、NK細胞を利用して投与対象者の気管支喘息の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0026】
投与対象者の特定の疾患が関節リウマチであり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL1(インターロイキン1)、IL6(インターロイキン6)、IL8(インターロイキン8)のうちの少なくとも1つであるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL1(インターロイキン1)、IL6(インターロイキン6)、IL8(インターロイキン8)のうちの少なくとも1つを利用して投与対象者の活性化したNK細胞群の関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって関節リウマチへの抗疾患効果が上がったNK細胞を投与対象者に投与することで、NK細胞を利用して投与対象者の関節リウマチの症状を緩和することができ、NK細胞を利用して投与対象者の関節リウマチの治癒を目指した治療を行うことができる。
【0027】
投与対象者の特定の疾患がアトピー性皮膚炎であり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群のアトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-4(インターロイキン-4)であるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL4(インターロイキン4)を利用して投与対象者の活性化したNK細胞群のアトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によってアトピー性皮膚炎への抗疾患効果が上がったNK細胞を投与対象者に投与することで、NK細胞を利用して投与対象者のアトピー性皮膚炎の症状を緩和することができ、NK細胞を利用して投与対象者のアトピー性皮膚炎の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0028】
投与対象者の特定の疾患が糖尿病であり、ファミリーサイトカインがNK細胞活性化工程によって活性化した誘導初期のNK細胞群の糖尿病への抗疾患効果(治癒能力)を上げるIL-15(インターロイキン-15)であるNK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、IL5(インターロイキン5)を利用して投与対象者の活性化したNK細胞群の糖尿病への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって糖尿病への抗疾患効果が上がったNK細胞を投与対象者に投与することで、NK細胞を利用して投与対象者の糖尿病の症状を緩和することができ、NK細胞を利用して投与対象者の糖尿病の治癒を目指した治療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図5】NK細胞性能向上工程後のNK細胞(NK細胞群)の投与対象者への投与を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一例として示すNK細胞分離工程の概略図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るNK細胞能力アップ方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、第1収容工程の一例を示す概略図であり、
図3は、NK細胞活性化工程の一例を示す概略図である。
【0031】
NK細胞能力アップ方法は、NK細胞10(ナチュラルキラー細胞)を投与する投与対象者11のNK細胞の活性を上げ、投与対象者11の特定の疾患の原因となっている特定の病原体に対する攻撃性向を投与対象者11のNK細胞10に付与し、又は、投与対象者11のNK細胞10の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げる。
【0032】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者11(血液採取者)から所定量(15~16cc)の血液を採取し、採取した投与対象者11の血液から白血球12を分離するとともに、白血球12から投与対象者11のNK細胞10を選択的に誘導する(NK細胞誘導(抽出)工程)。更に、投与対象者11から採取した血液から投与対象者11の自己血漿13を分離し、分離した自己血漿13を不活化する(血漿分離工程)。
【0033】
投与対象者11から採取された血液は、
図1に示すように、上下方向へ長いガラス試験管14(分離容器)内に注入(収容)される。ガラス試験管14を遠心分離器に設置し、遠心分離器によってガラス試験管14内の血液を自己血漿13、白血球12、赤血球15(3層)に遠心分離する。血液を自己血漿13、白血球12、赤血球15に層状に分離させた後、注射器(図示せず)又はピペット(図示せず)を利用して白血球12を抽出(吸引)し、抽出した白血球12から投与対象者11(血液採取者)のNK細胞10を選択的に誘導するとともに(抽出するとともに)、注射器又はピペットを利用して自己血漿13を抽出(分離)し、抽出(分離)した自己血漿13を不活化する。
【0034】
尚、NK細胞10は、投与対象者11から採取された血液(白血球12)から単核球を分離する工程によって抽出(採取)することができる。例えば、NK細胞10を免疫磁気ビーズを用いて採取することができ、又は、細胞表面マーカーに対する特異的抗体で免疫蛍光染色を行い、FACS(Fluorescence activated cell sorter)又はフローサイトメーターを用いて単離・同定することができる。
【0035】
NK細胞分離工程によって白血球12からNK細胞10を誘導(抽出)し、血漿分離工程によって自己血漿13を分離した後、投与対象者11のNK細胞10と不活化した自己血漿13と所定のNK培地16とを所定容積の扁平容器17(容器)に収容する(第1収容工程)。扁平容器17は、
図2に示すように、透明なガラス又は透明なプラスチックから作られ、小容量かつ所定面積の底面を有する平面形状が略正四角形の扁平な容器である。扁平容器17の注入口は、蓋によって水密(気密)に閉塞されている。扁平容器17は、その容量が約20~30cc(好ましくは、25cc)であり、その底面の面積が約25~36mm
2であるとともに、その一辺の長さが5~6mmである。尚、扁平容器17として小容量かつ所定面積の底面を有する平面形状が円形や楕円形の扁平な容器を使用することもできる。
【0036】
第1収容工程では、NK細胞10とNK培地16と自己血漿13との総質量を100%としたときに、その総質量に対して2~5%の質量の不活化した自己血漿13を扁平容器17に収容する(加える)。総質量に対する自己血漿13の質量が2%未満では、不活化した自己血漿13を十分に利用することができず、NK培地16と自己血漿13とを利用して誘導初期のNK細胞10を活性化することができないとともに、NK細胞10(NK細胞群)に特定の病原体への攻撃性向を付与することができず、又は、NK細胞10(NK細胞群)の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができない。
【0037】
NK細胞能力アップ方法は、総質量(100%)に対して2~5%の質量の自己血漿13を扁平容器17に収容し、不活化したその自己血漿13を利用することで、NK培地16と自己血漿13とによって誘導初期のNK細胞10を活性化することができ、投与対象者の活性化したNK細胞10(NK細胞群)に特定の病原体への攻撃性向を付与することができ、又は、活性化したNK細胞10(NK細胞群)の特定の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができる。
【0038】
NK培地16には、KBM501培地(コージンバイオ株式会社、IL-2を1,750JRU/ml含む。ヒトNK細胞Primary Culture用)、CellGro SCGM培地(セルジェニックス、岩井化学薬品株式会社)、X-VIVO15培地(ロンザ、タカラバイオ株式会社)、コスメディウム008 (コスモバイオ。IL-2を1,750JRU/ml含む。ヒトNK細胞Primary Culture用)、CTS AIM V Medium GibcoTM CTSTM AIM VTM Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック。T細胞および樹状細胞を増殖・操作するための既知組成の無血清培地)、CTS OpTmizer T Cell Expansion Basal Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック。ヒトTリンパ球の成長および増殖用)、IMDM、MEM、DMEM、RPMI-1640等を使用するが、それらに限定されず、他のNK培地を使用することもできる。
【0039】
NK培地16には、投与対象者の自己血清、BioWhittaker社から入手可能なヒトAB型血清、日本赤十字社から入手可能な献血ヒト血清アルブミンが添加される場合がある。自己血清およびヒトAB型血清は、1~10%の濃度で添加されることが好ましく、より好ましくは5~7%の濃度である。献血ヒト血清アルブミンは、1~10%の濃度で添加されることが好ましく、より好ましくは5~7%の濃度である。NK培地16として無血清培地を使用することもできる。無血清培地には、血清アルブミン、トランスフェリン、インスリンが含まれていることが好ましい。
【0040】
第1収容工程によってNK細胞10とNK培地16と自己血漿13とを扁平容器17に収容した後、
図3に示すように、扁平容器17を恒温恒湿器18の中に収容し、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を6~12時間静的に放置し、NK細胞10を活性化させる(NK細胞活性化工程)。NK細胞活性化工程では、扁平容器17に収容されたNK細胞10を増殖分化させることなく、NK培地16及び自己血漿13によってNK細胞10が活性化し、すべてのNK細胞10(NK細胞群)の活性が上がる。
【0041】
図4は、第2収容工程の一例を示す概略図であり、
図5は、NK細胞性能向上工程後のNK細胞10(NK細胞群)の投与対象者11への投与を示す図である。NK細胞活性化工程によってNK細胞10(NK細胞群)を活性化した後、恒温恒湿器18から扁平容器17を取り出し、活性化したNK細胞10(NK細胞群)を収容した扁平容器17に所定のファミリーサイトカインを収容する(第2収容工程)。ファミリーサイトカインは、投与対象者11の疾患の原因となっている特定の病原体への攻撃性をNK細胞10に学習させてNK細胞10に特定の病原体への攻撃性向を付与し、又は、NK細胞10の投与対象者11の疾患への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)。
【0042】
特定の病原体が腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)である場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(刺激物質)の一例は、IL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)であり、それらインターロイキンのうちの1種類、又は、それらインターロイキンのうちの複数種類を利用する。
【0043】
IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)への攻撃性を学習させてすべてのNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)への攻撃性向を付与し、NK細胞10(NK細胞群)における腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)の細胞死誘導性を高める。
【0044】
第2収容工程では、NK細胞10とNK培地16と自己血漿13とファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)との総質量を100%としたときに、その総質量に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0045】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性向を付与することができず、NK細胞10(NK細胞群)における腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)の細胞死誘導性を高めることができない。
【0046】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)によって低下する場合がある。
【0047】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性向を確実に付与することができる。
【0048】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0049】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)を適宜補給し、それらファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(それらインターロイキン)によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0050】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)やIL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)によって刺激されることにより、腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性を分離初期のNK細胞10(NK細胞群)のすべてが学習し、NK細胞10が増殖分化することなくNK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)への攻撃性向が付与される。
【0051】
NK細胞性能向上工程によって腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)への攻撃性向が付与されたNK細胞10(NK細胞群)は、
図5に示すように、投与対象者11に点滴19によって投与され、腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)を原因とした投与対象者11の癌の治療に利用される。NK細胞能力アップ方法によって腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性向を付与されたNK細胞10(NK細胞群)は、腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)の細胞死を誘導する。
【0052】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL2,IL7,IL12,IL15,IL18,IL27(IL-2(インターロイキン-2)、IL-7(インターロイキン-7)、IL-12(インターロイキン-12)、IL-15(インターロイキン-15)、IL-18(インターロイキン-18)、IL-27(インターロイキン-27)のうちの少なくとも1つ)を利用して投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)に腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性向を付与することができ、NK細胞10(NK細胞群)における腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)の細胞死誘導性を高めることができる。
【0053】
NK細胞能力アップ方法は、腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)(特定の病原体)への攻撃性向を付与されたNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、そのNK細胞10(NK細胞群)が投与対象者11の癌(特定の疾患)の原因となっている腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)を集中的に攻撃し、そのNK細胞10(NK細胞群)を利用して腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)が原因の癌(特定の疾患)の症状を緩和(悪性腫瘍細胞を縮小)させることができ、そのNK細胞10(NK細胞群)を利用して腫瘍細胞(悪性腫瘍細胞)が原因の投与対象者11の癌(特定の疾患)の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0054】
図6は、第2収容工程の他の一例を示す概略図である。特定の病原体がAIDSウイルス又は新型コロナウイルスである場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL7(刺激物質)は、IL-7(インターロイキン-7)を利用する。IL-7(インターロイキン-7)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性を学習させてすべてのNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向を付与し、NK細胞10(NK細胞群)におけるAIDSウイルス又は新型コロナウイルスの細胞死誘導性を高める。
【0055】
第2収容工程では、NK細胞10とNK培地16と自己血漿13とファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))との総質量を100%としたときに、その総質量に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0056】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性向を付与することができず、NK細胞10(NK細胞群)におけるAIDSウイルス又は新型コロナウイルスの細胞(ウイルス)死誘導性を高めることができない。総質量100%に対するファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))によって低下する場合がある。
【0057】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性向を確実に付与することができる。
【0058】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL7とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し(
図3参照)、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0059】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))を適宜補給し、ファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0060】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))によって刺激されることにより、AIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性を分離初期のNK細胞10(NK細胞群)のすべてが学習し、NK細胞10が増殖分化することなくNK細胞性能向上工程後のすべてのNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向が付与される。
【0061】
NK細胞性能向上工程によってAIDSウイルス又は新型コロナウイルスへの攻撃性向が付与されたNK細胞10(NK細胞群)は、投与対象者11に点滴19によって投与され(
図5参照)、AIDSウイルス又は新型コロナウイルスを原因とした投与対象者11の疾患の治療に利用される。NK細胞能力アップ方法によってAIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性向を付与されたNK細胞10(NK細胞群)は、AIDSウイルス又は新型コロナウイルスの細胞(ウイルス)死を誘導する。
【0062】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者11の誘導初期のNK細胞10を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL7(IL-7(インターロイキン-7))を利用して投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)にAIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性向を付与することができ、NK細胞10(NK細胞群)におけるAIDSウイルス又は新型コロナウイルスの細胞(ウイルス)死誘導性を高めることができる。
【0063】
NK細胞能力アップ方法は、AIDSウイルス(特定の病原体)又は新型コロナウイルス(特定の病原体)への攻撃性向を付与されたNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、そのNK細胞10(NK細胞群)が投与対象者11の疾患の原因となっているAIDSウイルス又は新型コロナウイルスを集中的に攻撃し、そのNK細胞10(NK細胞群)を利用してAIDSウイルス又は新型コロナウイルスが原因の疾患の症状を緩和(ウイルスの減少)させることができ、そのNK細胞10(NK細胞群)を利用してAIDSウイルス又は新型コロナウイルスが原因の投与対象者11の疾患の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0064】
図7は、第2収容工程の他の一例を示す概略図である。投与対象者11の特定の疾患が気管支喘息である場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL4,IL5(刺激物質)の一例は、IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)であり、それらインターロイキンのうちの1種類、又は、それらインターロイキンのうちの2種類を利用する。IL-4(インターロイキン-4)やIL-5(インターロイキン-5)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)の気管支喘息(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)。
【0065】
第2収容工程では、NK細胞とNK培地と自己血漿とファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)との総質量を100%としたときに、その総質量に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5))を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5))は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0066】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の気管支喘息(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができず、投与対象者11の気管支喘息の治癒を目指した治療にそのNK細胞10を利用することができない。総質量100%に対するファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL4,IL5(それらインターロイキン)によって低下する場合がある。
【0067】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL4,IL5(それらインターロイキン)の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の気管支喘息(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。
【0068】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL4,IL5(それらインターロイキン)とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し(
図3参照)、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0069】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)を適宜補給し、それらファミリーサイトカインIL4,IL5(それらインターロイキン)によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0070】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)によって刺激されることにより、NK細胞10が増殖分化することなく活性化したNK細胞10(NK細胞群)の気管支喘息(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)が上がる(向上する)。NK細胞性能向上工程によって気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)が上がったNK細胞10(NK細胞群)は、投与対象者11に点滴19によって投与され(
図5参照)、投与対象者11の気管支喘息の治療に利用される。
【0071】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者11の誘導初期のNK細胞10を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL4,IL5(IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)のうちの少なくとも1つ)を利用して投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の気管支喘息への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)ことができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって気管支喘息への抗疾患効果が上がったNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の気管支喘息の症状を緩和することができ、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の気管支喘息の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0072】
図8は、第2収容工程の他の一例を示す概略図である。投与対象者11の特定の疾患が関節リウマチである場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(刺激物質)の一例は、IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)であり、それらインターロイキンのうちの1種類、又は、それらインターロイキンのうちの複数種類を利用する。IL-1(インターロイキン-1)やIL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)の関節リウマチ(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)。
【0073】
第2収容工程では、NK細胞とNK培地と自己血漿とファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)との総質量を100%としたときに、その総質量に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8))を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8))は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0074】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の関節リウマチ(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができず、投与対象者11の関節リウマチの治癒を目指した治療にそのNK細胞10を利用することができない。
【0075】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(それらインターロイキン)によって低下する場合がある。
【0076】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(それらインターロイキン)の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の関節リウマチ(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。
【0077】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(それらインターロイキン)とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し(
図3参照)、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0078】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)を適宜補給し、それらファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(それらインターロイキン)によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0079】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)によって刺激されることにより、NK細胞10が増殖分化することなく活性化したNK細胞10(NK細胞群)の関節リウマチ(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)が上がる(向上する)。NK細胞性能向上工程によって関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)が上がったNK細胞10(NK細胞群)は、投与対象者11に点滴19によって投与され(
図5参照)、投与対象者11の関節リウマチの治療に利用される。
【0080】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者11の誘導初期のNK細胞10を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL1,IL6,IL8(IL-1(インターロイキン-1)、IL-6(インターロイキン-6)、IL-8(インターロイキン-8)のうちの少なくとも1つ)を利用して投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の関節リウマチへの抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)ことができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって関節リウマチへの抗疾患効果が上がったNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の関節リウマチの症状を緩和することができ、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の関節リウマチの治癒を目指した治療を行うことができる。
【0081】
図9は、第2収容工程の他の一例を示す概略図である。投与対象者11の特定の疾患がアトピー性皮膚炎である場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL4(刺激物質)の一例は、IL-4(インターロイキン-4)を利用する。IL-4(インターロイキン-4)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞1(NK細胞群)のアトピー性皮膚炎(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)。
【0082】
第2収容工程では、NK細胞10とNK培地16と自己血漿13とファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))との総質量を100%としたときに、その総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0083】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)のアトピー性皮膚炎(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができず、投与対象者11のアトピー性皮膚炎の治癒を目指した治療にそのNK細胞10を利用することができない。総質量100%に対するファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))によって低下する場合がある。
【0084】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)のアトピー性皮膚炎(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。
【0085】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し(
図3参照)、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0086】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))を適宜補給し、ファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0087】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))によって刺激されることにより、NK細胞10が増殖分化することなく活性化したNK細胞10(NK細胞群)のアトピー性皮膚炎(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)が上がる(向上する)。NK細胞性能向上工程によってアトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)が上がったNK細胞10(NK細胞群)は、投与対象者11に点滴19によって投与され(
図5参照)、投与対象者11のアトピー性皮膚炎の治療に利用される。
【0088】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者11の誘導初期のNK細胞10(NK細胞群)を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL4(IL-4(インターロイキン-4))を利用して投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)のアトピー性皮膚炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)ことができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によってアトピー性皮膚炎への抗疾患効果が上がったNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11のアトピー性皮膚炎の症状を緩和することができ、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11のアトピー性皮膚炎の治癒を目指した治療を行うことができる。
【0089】
図10は、第2収容工程の他の一例を示す概略図である。投与対象者11の特定の疾患が糖尿病である場合、第2収容工程において扁平容器17に収容されるファミリーサイトカインIL15(刺激物質)の一例は、IL-15(インターロイキン-15)を利用する。IL-15(インターロイキン-15)は、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)を刺激し、活性化した分離初期のNK細胞10(NK細胞群)の糖尿病(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)。
【0090】
第2収容工程では、NK細胞10とNK培地16と自己血漿13とファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))との総質量を100%としたときに、その総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))を扁平容器17に収容する(加える)。ファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))は、NK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在する。
【0091】
総質量100%に対するファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))の質量が0.2%未満では、投与対象者11の活性化したNK細胞19(NK細胞群)の糖尿病(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を上げることができず、投与対象者11の糖尿病の治癒(血糖値のコントロール)を目指した治療にそのNK細胞10を利用することができない。総質量100%に対するファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))の質量が2%を超過すると、NK細胞活性化工程によって活性化したNK細胞10(NK細胞群)の活性がファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))によって低下する場合がある。
【0092】
NK細胞能力アップ方法は、総質量100%に対して0.2~2%の質量のファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))を利用し、NK培地16におけるファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))の濃度を20~200ng/mLに保持し、投与対象者11のNK細胞10(NK細胞群)の活性を保持しつつ、投与対象者11の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の糖尿病(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)を確実に上げることができる。
【0093】
第2収容工程によってファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))を扁平容器17に収容した後、NK細胞10と自己血漿13とNK培地16とファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))とを収容した扁平容器17を恒温恒湿器18の中に再び収容し(
図3参照)、恒温恒湿器18において扁平容器17を温度36.5~37.5℃に保持しつつ、扁平容器17を18~24時間静的に放置し、NK細胞10の活性を保持しつつ、NK細胞10(NK細胞群)の性能を上げる(NK細胞性能向上工程)。
【0094】
NK細胞性能向上工程では、ファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))がNK培地16中に20~200ng/mLの濃度で存在するように、扁平容器17を18~24時間静的に放置する間において、放置初期から3~6時間経過する度毎に扁平容器17に所定量のファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))を適宜補給し、ファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))によってNK細胞10を常時刺激可能な状態に保持する。
【0095】
NK細胞性能向上工程では、NK細胞活性化工程によって活性化した分離初期のNK細胞10がファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))によって刺激されることにより、NK細胞10が増殖分化することなく活性化したNK細胞10(NK細胞群)の糖尿病(特定の疾患)への抗疾患効果(治癒能力)が上がる(向上する)。NK細胞性能向上工程によって糖尿病への抗疾患効果(治癒能力)が上がったNK細胞10(NK細胞群)は、投与対象者11に点滴19によって投与され(
図5参照)、投与対象者11の糖尿病の治療に利用される。
【0096】
NK細胞能力アップ方法は、投与対象者の誘導初期のNK細胞10(NK細胞群)を活性化させつつ、ファミリーサイトカインIL15(IL-15(インターロイキン-15))を利用して投与対象者の活性化したNK細胞10(NK細胞群)の糖尿病炎への抗疾患効果(治癒能力)を上げる(高める)ことができる。NK細胞能力アップ方法は、その方法によって糖尿病への抗疾患効果が上がったNK細胞10(NK細胞群)を投与対象者11に投与することで、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の糖尿病の症状(高血糖)を緩和することができ、NK細胞10(NK細胞群)を利用して投与対象者11の糖尿病の治癒(血糖値のコントロール)を目指した治療を行うことができる。
【符号の説明】
【0097】
10 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
11 投与対象者
12 白血球
13 自己血漿
14 ガラス試験管(分離容器)
15 赤血球
16 NK培地
17 扁平容器
18 恒温恒湿器
19 点滴
IL1,IL2,IL4,IL5,IL6,IL7,IL8,IL12,IL15,IL18,IL27 ファミリーサイトカイン