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  • 特開-ブレース構造 図1
  • 特開-ブレース構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161084
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】ブレース構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
E04B1/58 B
E04B1/58 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065629
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓未
(72)【発明者】
【氏名】大堀 太志
(72)【発明者】
【氏名】中平 和人
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA33
2E125AB02
2E125AC15
2E125BB01
2E125BE08
2E125CA03
(57)【要約】
【課題】ブレースの軸方向に作用する荷重に対して十分な強度を確保し易いブレース構造を提供する。
【解決手段】ブレース3を柱5の通り芯Fに対して面外方向Zにずらした状態で柱5に接合する接合部10を有するブレース構造1において、接合部10に、柱5に対して面外方向Zから面接触する面外面接触部21と、柱5に対して面内方向Yから面接触する面内面接触部22とを有する面接触部23を備えている。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレースを柱の通り芯に対して面外方向にずらした状態で前記柱に接合する接合部を有するブレース構造であって、
前記接合部は、前記柱に対して前記面外方向から面接触する面外面接触部と、前記柱に対して面内方向から面接触する面内面接触部とを有する面接触部を備えているブレース構造。
【請求項2】
前記柱は、円柱状に形成され、
前記面接触部が、前記柱の外形に応じた円弧状に形成されている請求項1に記載のブレース構造。
【請求項3】
前記面内方向における前記接合部から前記ブレースが延びる側を内側、その反対側を外側として、
前記面接触部は、前記面内方向における前記柱の中心に対して前記外側にある外側部分に、前記接合部を前記柱に接合するためのワンサイドボルトを挿通させる挿通孔を備えている請求項2に記載のブレース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレースを柱に接合する接合部を有するブレース構造で、特に、ブレースを柱の通り芯に対して面外方向にずらした状態で前記柱に接合する接合部を有するブレース構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブレース5を柱1に接合する接合部(台座3)を備えたブレース構造が示されている。このようなブレース構造では、柱1の通り芯上には壁等の躯体が施工されている場合があり、躯体を避けてブレース5を設置するために、ブレース5を柱1の通り芯に対して面外方向にずらした状態で柱1に接合されている。そして、ブレース5を接合部によって柱1に接合する場合に、接合部の面接触部を柱に対して面外方向に面接触させた状態でPC鋼材4を用いて接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-061982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のように、柱1に面外方向に接触させた接合部によってブレース5を柱1に接合している場合、PC鋼材4のせん断耐力で応力伝達を行っているためPC鋼材4が破損し易く、接合部と柱との接合箇所において強度が不足する虞があった。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、ブレースの軸方向に作用する荷重に対して十分な強度を確保し易いブレース構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、ブレースを柱の通り芯に対して面外方向にずらした状態で前記柱に接合する接合部を有するブレース構造であって、
前記接合部は、前記柱に対して前記面外方向から面接触する面外面接触部と前記柱に対して面内方向から面接触する面内面接触部とを有する面接触部を備えている点にある。
【0007】
本構成によれば、柱の通り芯に対して面外方向にずらしたブレースを、接合部の面外面接触部を柱に対して面外方向に面接触させた状態で、接合部によって柱に接合することができるため、柱の通り芯に対してずらしたブレースを接合部によって柱に接合し易くなる。また、接合部は、柱に対して面内方向から面内面接触部が面接触しており、面内面接触部と柱との面接触による支圧によって、偏心したブレースと柱との間で応力伝達を行える。そのため、接合部と柱との接合箇所において十分な強度を確保し易くなる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記柱は、円柱状に形成され、
前記面接触部が、前記柱の外形に応じた円弧状に形成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、柱が円柱状であったとしても、面接触部が柱に面接触しており、柱の通り芯に対して面外方向にずらしたブレースを柱に接合し易くしながら、円柱状による大きな捩じれ剛性により、ブレースが偏心していることによる柱に作用する捩じれ力に対して、十分な強度を確保し易くなる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記面内方向における前記接合部から前記ブレースが延びる側を内側、その反対側を外側として、
前記面接触部は、前記面内方向における前記柱の中心に対して前記外側にある外側部分に、前記接合部を前記柱に接合するためのワンサイドボルトを挿通させる挿通孔を備えている点にある。
【0011】
本構成によれば、ワンサイドボルトによって接合部を柱に接合することで、面外方向の一方側からの作業により接合部を柱に接合することができる。
そして、円弧状に形成された接合部の面接触部は、面内方向における柱の中心に対して外側にある外側部分では、面外方向で柱に近づくに従って面内方向で柱の中心から離れる形状となっており、その外側部分に備えられている挿通孔に挿通されたワンサイドボルトは、面外方向で柱に近づくに従って面内方向で柱の中心に近づく姿勢となっている。そのため、ワンサイドボルトを挿通孔に挿通させて接合部を柱に接合した状態では、ブレースの軸方向における引っ張り側(面内方向における内側)に作用する荷重は、ワンサイドボルトを挿入する方向に作用するため、ブレースの軸方向における引っ張り側に作用する荷重に対する強度を確保し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ブレース構造の正面図
図2】ブレース構造の要部を拡大した正面図
図3】ブレース構造の横断平面図
図4】ブレース構造の縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すブレース構造1は、柱梁架構2の内側にブレース3を設置した構造である。本実施形態では、ブレース構造1は、建築物に備えられた柱梁架構2に対して耐震補強のための改修工事を実施して、アングル鋼等の鋼材で構成されたブレース3を設置した構造としている。
【0014】
図1に示すように、柱梁架構2は、柱5と梁6と土間コンクリート7とでこれらの内側に矩形状の空間が形成されており、この矩形状の空間に壁8が設置されている。壁8は、図3に示すように、柱5や梁6の前後方向Zの幅内にあり、柱梁架構2の構面内に設置されている。柱5の通り芯Fは、壁8の前後方向Zの幅内に位置している。図1に示すように、ブレース3は、前後方向視で柱梁架構2の内側に設置されている。また、図3及び図4に示すように、ブレース3は、壁8に対して前後方向Zにずらした位置に設置されている。本実施形態では、ブレース3は、壁8に対して前側Z1に設置されている。柱5は、円柱状に形成されている。本実施形態では、柱5は、中空の円柱状、つまり円筒状に形成されている。柱5として、左側柱5Aと、この左側柱5Aに対して右側Y2にある右側柱(図示せず)とがあり、ブレース3は、左側柱5Aと右側柱とに亘って架設されている。
【0015】
以下、ブレース構造1について説明を加えるが、梁6と土間コンクリート7とが並ぶ方向を上下方向Xとし、左側柱5Aと右側柱とが並ぶ方向を左右方向Yとし、上下方向X及び左右方向Yに対して直交する方向を前後方向Zとしている。また、前後方向Zにおける壁8に対してブレース3が存在する側を前側Z1とし、その反対側を後側Z2としている。
【0016】
ブレース構造1は、ブレース3を柱5の通り芯Fに対して前後方向Z(面外方向)にずらした状態で柱5に接合する接合部10を備えている。また、ブレース構造1は、ブレース3における軸方向の中央部を保持する保持フレーム11を備えている。耐震補強のための改修工事では、ブレース3の先端部を接合部10によって柱5に接合して、ブレース3を柱5の通り芯Fに対して前後方向Z(面外方向)にずらした位置に設置し、ブレース3の軸方向の中央部を保持フレーム11に接合する。ブレース3は、柱5の通り芯Fより前側Z1に設置されている。本実施形態では、ブレース3は、柱5の前端や梁6の前端よりも前側Z1に設置されており、壁8の前面よりも前側Z1に設置されている。
このようにブレース3を設置することで、柱梁架構2に対して前後方向Zの一方側(前側Z1)からのみの施工で耐震補強のための改修工事を行うことができる。また、ブレース3の軸方向の中央部が保持フレーム11によって保持されているため、ブレース3の垂れ下がりを防止することができる。
【0017】
保持フレーム11は、H形鋼等の鋼材で構成されたフレーム本体16と、保持フレーム11における上下方向Xの中央部にブレース3を接合するブレース用接合部17と、フレーム本体16の上端部を梁6に接合する梁用接合部18と、フレーム本体16の下端部を土間コンクリート7に接合する土間用接合部19とを備えている。
梁用接合部18は、梁6から前側Z1に突出する状態で梁6の前面に接合されている。フレーム本体16は、梁用接合部18における前側Z1の端部に接合されており、壁8に対して前側Z1に位置している。ブレース用接合部17は、フレーム本体16における上下方向Xの中央部に接合されており、フレーム本体16に対して左右方向Yの両側に突出する板状に形成されている。
【0018】
ブレース3として、第1ブレース13と第2ブレース14とがある。
第1ブレース13は、軸方向の一方側の端部が接合部10によって左側柱5Aの上端部に接合され、軸方向の他方側の端部が接合部10によって右側柱の下端部に接合されており、左側柱5Aの上端部と右側柱の下端部とに亘って架設されている。また、第1ブレース13は、軸方向の中央部が保持フレーム11に接合されており、軸方向の中央部が保持フレーム11によって保持されている。
また、第2ブレース14は、軸方向の一方側の端部が接合部10によって左側柱5Aの下端部に接合され、軸方向の他方側の端部が接合部10によって右側柱の上端部に接合されており、左側柱5Aの下端部と右側柱の上端部とに亘って架設されている。また、第2ブレース14は、軸方向の中央部が保持フレーム11に接合されており、軸方向の中央部が保持フレーム11によって保持されている。
【0019】
保持フレーム11に対するブレース3の接合について説明を加える。
第1ブレース13は、左上ブレース部13Aと右下ブレース部13Bとに軸方向に2分割構成とされている。そして、左上ブレース部13Aは、軸方向の一方側の端部が左側柱5Aの上端部に接合され、軸方向の他方側の端部がブレース用接合部17におけるフレーム本体16から左側Y1に突出している部分に接合されている。右下ブレース部13Bは、軸方向の一方側の端部がブレース用接合部17におけるフレーム本体16から右側Y2に突出している部分に接合され、軸方向の他方側の端部が右側柱の下端部に接合されている。
【0020】
また、第2ブレース14は、左下ブレース部14Aと右上ブレース部14Bとに軸方向に2分割構成とされている。そして、左下ブレース部14Aは、軸方向の一方側の端部が左側柱5Aの下端部に接合され、軸方向の他方側の端部がブレース用接合部17におけるフレーム本体16から左側Y1に突出している部分に接合されている。右上ブレース部14Bは、軸方向の一方側の端部がブレース用接合部17におけるフレーム本体16から右側Y2に突出している部分に接合され、軸方向の他方側の端部が右側柱の上端部に接合されている。
【0021】
接合部10は、柱5に対して面接触する面接触部23を備えている。面接触部23は、柱5の外形に応じた円弧状に形成されている。左右方向Yにおける接合部10からブレース3が延びる側を内側U(図2及び図3における右側Y2)とし、その反対側を外側S(図2及び図3における左側Y1)として、面接触部23は、左右方向Yにおける柱5の中心Pに対して外側Sにある外側部分28を備えている。そして、面接触部23は、外側部分28に、接合部10を柱5に接合するためのワンサイドボルト31を挿通させる挿通孔32を備えている。
本実施形態では、面接触部23は、外側部分28に加えて、左右方向Yにおける柱5の中心Pに対して内側Uにある内側部分29と、左右方向Yにおいて外側部分28と内側部分29の間に位置して左右方向Yにおいて柱5の中心Pの同じ位置にある中央部分30とを備えている。そして、面接触部23は、外側部分28に加えて、中央部分30にも、ワンサイドボルト31を挿通させる挿通孔32を備えている。尚、内側部分29には、ワンサイドボルト31を挿通させる挿通孔32を備えていない。
【0022】
外側部分28は、柱5の外側Sで且つ前側Z1にあり、柱5に対して外側S及び前側Z1から面接触している。また、内側部分29は、柱5の内側Uで且つ前側Z1にあり、柱5に対して内側U及び前側Z1から面接触している。そのため、これら外側部分28及び内側部分29は、柱5に対して左右方向Yから面接触する横接触部22としての機能と、柱5に対して前後方向Zから面接触する前接触部21としての機能とを備えている。
また、中央部分30は、左右方向Yにおいて柱5の中心Pと同じ位置にあり且つ柱5の前側Z1にあり、柱5に対して前側Z1から面接触している。そのため、この中央部分30は、柱5に対して前後方向Zから面接触する前接触部21として機能を備えている。
このように、接合部10は、柱5に対して前後方向Z(面外方向)から面接触する前接触部21(面外面接触部に相当)と柱5に対して左右方向Y(面内方向)から面接触する横接触部22(面内面接触部に相当)とを有する面接触部23を備えている。
【0023】
次に、図2から図4に基づいて、第1ブレース13を左側柱5Aの上端部に接合する左上の接合部10を例に説明を加える。尚、接合部10として、左上の接合部10の他に、第2ブレース14を左側柱5Aの下端部に接合する左下の接合部10と、左上の接合部10の他に、第1ブレース13を右側柱の下端部に接合する右下の接合部10(図示せず)と、第2ブレース14を右側柱の上端部に接合する右上の接合部10(図示せず)とがあるが、これらの接合部10についての説明は省略する。また、左下の接合部10は、左上の接合部10に対して、後述する被接合部25の形状が異なる点以外は同様に構成されている。また、右上の接合部10は、左上の接合部10に対して左右方向Yに反転させた形状となっており、右下の接合部10は、左下の接合部10に対して左右方向Yに反転させた形状となっている。
【0024】
左上の接合部10は、前接触部21及び横接触部22を形成する円弧状部分24と、第1ブレース13が接合される被接合部25と、円弧状部分24と被接合部25との間に介在してこれらを接合する介在部分26とを備えている。
【0025】
介在部分26は、左右方向Y及び前後方向Zに沿う姿勢の板状に形成された複数の横部材34と、上下方向X及び前後方向Zに沿う姿勢の板状に形成された複数の縦部材35とを格子状に組み合わせて構成されている。複数の横部材34及び複数の縦部材35のそれぞれは、後側Z2の端部が円弧状部分24に接合され、前側Z1の端部が被接合部25に接合されている。
【0026】
被接合部25は、介在部分26から左下側にむけて突出する形状に形成されており、被接合部25における介在部分26から突出した部分にブレース3の端部が接合されている。被接合部25は、柱5、梁6及び壁8に対して前側Z1にあり、この被接合部25に接合されているブレース3の左上ブレース部13Aも、柱5、梁6及び壁8に対して前側Z1にある。
【0027】
円弧状部分24は、中央部分30と、中央部分30に対して左側Y1にある外側部分28と、中央部分30に対して右側Y2にある内側部分29とを備えている。外側部分28は、左側柱5Aの左側Y1で且つ前側Z1にあり、柱5に対して左側Y1及び前側Z1から面接触している。また、内側部分29は、柱5の右側Y2で且つ前側Z1にあり、柱5に対して右側Y2及び前側Z1から面接触している。また、中央部分30は、左側柱5Aの前側Z1にあり、柱5に対して前側Z1から面接触している。
【0028】
円弧状部分24の外側部分28と中央部分30とに、ワンサイドボルト31を挿通させる挿通孔32が形成されている。ワンサイドボルト31は、挿通孔32に挿通した状態でスリーブ31Bが拡径することで抜け止めとなり、挿通孔32に対して前側Z1にあるナット31Aを締め付けることで、一方側(本実施形態では前後方向Zの一方側である前側Z1)からの作業のみで締結可能となっている。
【0029】
挿通孔32は、柱5や円弧状部分24の径方向に沿って貫通する孔となっており、この挿通孔32に挿通したワンサイドボルト31は、柱5や円弧状部分24の径方向に沿う姿勢となっている。つまり、中央部分30の挿通孔32に挿通されたワンサイドボルト31は、上下方向視で左右方向Y(通り芯Fが沿う方向)に対して直交する姿勢となっており、このワンサイドボルト31のナット31Aは、中央部分30の挿通孔32に対して前側Z1に存在している。
そして、外側部分28の挿通孔32に挿通されたワンサイドボルト31は、上下方向視で左右方向Y(通り芯Fが沿う方向)に対して交差する姿勢となっており、このワンサイドボルト31のナット31Aは、外側部分28の挿通孔32に対して前側Z1で且つ左側Y1(外側S)も存在している。そのため、ワンサイドボルト31を外側部分28の挿通孔32に挿通させて接合部10を柱5に接合した状態では、第1ブレース13の軸方向における引っ張り側(左右方向Yにおける内側U)に作用する荷重は、ワンサイドボルト31を挿入する方向に作用するため、第1ブレース13の軸方向における引っ張り側に作用する荷重に対する強度を確保し易くなっている。
【0030】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0031】
(1)上記実施形態では、柱5を中空の円柱状(円筒状)に形成する構成を例として説明した。しかし、柱5の形状は適宜変更してもよい。具体的には、柱5を四角柱状や中実の円柱状に形成してもよく、また、柱5をH形鋼材によって構成してもよい。
【0032】
(2)上記実施形態では、前接触部21及び横接触部22を、円弧状に形成する構成を例として説明した。しかし、前接触部21及び横接触部22の形状は適宜変更してもよく、例えば、前接触部21を上下方向X及び左右方向Yに沿う平面状に形成してもよく、横接触部22を、上下方向X及び前後方向Zに沿う平面状に形成してもよい。
【0033】
(3)上記実施形態では、面接触部23を、柱5の外形に応じた円弧状とする構成を例として説明した。しかし、面接触部23を、円柱状の柱5に対して、面接触部23を上下方向視でコ字状に形成する等、柱5の外形に応じた形状としなくてもよい。
【0034】
(4)上記実施形態では、ワンサイドボルト31によって接合部10を柱5に接合する構成を例として説明した。しかし、溶接によって接合部10を柱5に接合する等、ワンサイドボルト31以外によって接合部10を柱5に接合してもよい。
【0035】
(5)上記実施形態では、面接触部23における外側部分28と中央部分30とに挿通孔32を備える構成を例として説明した。しかし、面接触部23における外側部分28のみに挿通孔32を備える、面接触部23における外側部分28と内側部分29と中央部分30とに挿通孔32を備える等、面接触部23における挿通孔32を備える位置は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ブレース構造
3 ブレース
5 柱
10 接合部
21 前接触部(面外面接触部)
22 横接触部(面内面接触部)
23 面接触部
28 外側部分
31 ワンサイドボルト
32 挿通孔
C 内側
E 外側
F 通り芯
P 中心
Y 左右方向(面内方向)
Z 前後方向(面外方向)
図1
図2
図3
図4