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特開2022-161133アクセスポイント制御システム、アクセスポイント制御方法、及びアクセスポイント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161133
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】アクセスポイント制御システム、アクセスポイント制御方法、及びアクセスポイント
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/12 20090101AFI20221014BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20221014BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221014BHJP
【FI】
H04W88/12
H04W84/12
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065718
(22)【出願日】2021-04-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】淺沼 和之
(72)【発明者】
【氏名】新本 誠
(72)【発明者】
【氏名】田邊 雅宣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 信
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067AA34
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE35
5K067EE55
(57)【要約】
【課題】アクセスポイント制御システムを提供する。
【解決手段】アクセスポイント制御システムは、無線端末とともに移動する、ビーコン信号を発信するビーコン装置と、無線端末と通信可能で、無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、ビーコン信号を受信する第2無線通信部と、ビーコン信号に基づいてコンテナの接近を検知した場合に、第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する制御部と、を備えるアクセスポイントと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末とともに移動する、ビーコン信号を発信するビーコン装置と、
前記無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、
前記ビーコン信号を受信する第2無線通信部と、
前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する制御部と、
を備えるアクセスポイントと、
を備える、アクセスポイント制御システム。
【請求項2】
前記ビーコン装置は、複数の前記無線端末を収容する可搬型のコンテナに設けられる、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ビーコン信号に基づいて、前記アクセスポイントと前記コンテナの距離が所定値以下になったことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更する、
請求項1または2に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記ビーコン信号の信号強度が所定値以上になったことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更する、
請求項1ないし3の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1無線通信部の出力を前記第1状態から前記第1状態よりも大きい前記第2状態に変更する、
請求項1ないし4の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1無線通信部が使用するチャンネルを前記第1状態から前記第1状態と異なる前記第2状態に変更する、
請求項1ないし5の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項7】
前記ビーコン信号は、チャンネルを指定するデータを含み、
前記制御部は、前記第1無線通信部が使用するチャンネルを、前記第2状態としての前記ビーコン装置により指定されるチャンネルに変更する、
請求項1ないし6の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項8】
前記ビーコン装置により指定されるチャンネルは、前記コンテナに収容される前記無線端末に設定されたチャンネルと同じである、
請求項7に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項9】
複数の前記コンテナにそれぞれ設けられる複数の前記ビーコン装置を備え、
複数の前記ビーコン装置は、互いに異なるチャンネルを指定する、
請求項7または8に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項10】
複数の前記アクセスポイントを備え、
複数の前記アクセスポイントのうちの隣接するアクセスポイントは、前記第1無線通信部の出力が前記第2状態である場合に互いに異なるチャンネルを使用する、
請求項5に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項11】
複数の前記アクセスポイントを備え、
複数の前記アクセスポイントは、前記第1無線通信部の出力が前記第1状態である場合に共通のチャンネルを使用する、
請求項5または10に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項12】
前記ビーコン信号は、前記ビーコン装置の加速度を表すデータを含み、
前記制御部は、前記ビーコン信号に基づいて、前記アクセスポイントに前記コンテナが接近し、且つ前記コンテナが停止したことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更する、
請求項1ないし11の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項13】
無線端末とともに移動するビーコン装置により、ビーコン信号を発信し、
前記無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、前記ビーコン装置と通信可能な第2無線通信部と、を備えるアクセスポイントの前記第2無線通信部により、前記ビーコン信号を受信し、
前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの前記アクセスポイントへの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する、
アクセスポイント制御方法。
【請求項14】
無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、
前記無線端末とともに移動するビーコン装置から発信されたビーコン信号を受信する第2無線通信部と、
前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する制御部と、
を備える、アクセスポイント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイント制御システム、アクセスポイント制御方法、及びアクセスポイントに関する。
【背景技術】
【0002】
学校の授業を支援するためのシステムにおいて、タブレット型の端末が充電キャビネットに収納されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6528921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、学校の教室などの各部屋にアクセスポイントが設置される場合、カバーエリア(電波が届く範囲)が部屋よりも大きいため、電波干渉が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電波干渉を抑制することが可能なアクセスポイント制御システム、アクセスポイント制御方法、及びアクセスポイントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の態様のアクセスポイント制御システムは、無線端末とともに移動する、ビーコン信号を発信するビーコン装置と、前記無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、前記ビーコン信号を受信する第2無線通信部と、前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する制御部と、を備えるアクセスポイントと、を備える。これによれば、電波干渉を抑制することが可能となる。
【0007】
上記態様において、前記ビーコン装置は、複数の前記無線端末を収容する可搬型のコンテナに設けられてもよい。これによれば、複数の無線端末を収容するコンテナの接近を検知することができる。
【0008】
上記態様において、前記制御部は、前記ビーコン信号に基づいて、前記アクセスポイントと前記コンテナの距離が所定値以下になったことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更してもよい。これによれば、ビーコン装置の距離に応じてコンテナの接近を検知することができる。
【0009】
上記態様において、前記制御部は、前記ビーコン信号の信号強度が所定値以上になったことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更してもよい。これによれば、ビーコン信号の信号強度に応じてビーコン装置の接近を検知することができる。
【0010】
上記態様において、前記制御部は、前記第1無線通信部の出力を前記第1状態から前記第1状態よりも大きい前記第2状態に変更してもよい。これによれば、ビーコン装置が接近したときに出力を大きくすることができる。
【0011】
上記態様において、前記制御部は、前記第1無線通信部が使用するチャンネルを前記第1状態から前記第1状態と異なる前記第2状態に変更してもよい。これによれば、ビーコン装置が接近したときにチャンネルを変更することができる。
【0012】
上記態様において、前記ビーコン信号は、チャンネルを指定するデータを含み、前記制御部は、前記第1無線通信部が使用するチャンネルを、前記第2状態としての前記ビーコン装置により指定されるチャンネルに変更してもよい。これによれば、ビーコン装置が接近したときに、ビーコン装置により指定されるチャンネルに変更することができる。
【0013】
上記態様において、前記ビーコン装置により指定されるチャンネルは、前記コンテナに収容される前記無線端末に設定されたチャンネルと同じであってもよい。これによれば、無線端末をアクセスポイントに迅速に接続することができる。
【0014】
上記態様において、複数の前記コンテナにそれぞれ設けられる複数の前記ビーコン装置を備え、複数の前記ビーコン装置は、互いに異なるチャンネルを指定してもよい。これによれば、複数のアクセスポイントにビーコン装置がそれぞれ接近するときに、電波干渉を抑制することが可能となる。
【0015】
上記態様において、複数の前記アクセスポイントを備え、複数の前記アクセスポイントのうちの隣接するアクセスポイントは、前記第1無線通信部の出力が前記第2状態である場合に互いに異なるチャンネルを使用してもよい。これによれば、隣接するアクセスポイントにビーコン装置がそれぞれ接近するときに、電波干渉を抑制することが可能となる。
【0016】
上記態様において、複数の前記アクセスポイントを備え、複数の前記アクセスポイントは、前記第1無線通信部の出力が前記第1状態である場合に共通のチャンネルを使用してもよい。これによれば、隣接するアクセスポイントにビーコン装置がそれぞれ接近する前にも、電波干渉を抑制することが可能となる。
【0017】
上記態様において、前記ビーコン信号は、前記ビーコン装置の加速度を表すデータを含み、前記制御部は、前記ビーコン信号に基づいて、前記アクセスポイントに前記コンテナが接近し、且つ前記コンテナが停止したことを検知した場合に、前記第1無線通信部を前記第1状態から前記第2状態に変更してもよい。これによれば、無線端末の使用が開始される状態をより精度良く検知することが可能となる。
【0018】
また、本発明の他の態様のアクセスポイント制御方法は、無線端末とともに移動するビーコン装置により、ビーコン信号を発信し、前記無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、前記ビーコン装置と通信可能な第2無線通信部と、を備えるアクセスポイントの前記第2無線通信部により、前記ビーコン信号を受信し、前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの前記アクセスポイントへの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する。これによれば、電波干渉を抑制することが可能となる。
【0019】
また、本発明の他の態様のアクセスポイントは、無線端末と通信可能で、前記無線端末に通信網への接続を提供する第1無線通信部と、前記無線端末とともに移動するビーコン装置から発信されたビーコン信号を受信する第2無線通信部と、前記ビーコン信号に基づいて前記コンテナの接近を検知した場合に、前記第1無線通信部を第1状態から第2状態に変更する制御部と、を備える。これによれば、電波干渉を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係るアクセスポイント制御システムの例を示す図である。
図2】実施形態に係るアクセスポイントの構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るアクセスポイント制御方法の手順例を示すフロー図である。
図4】アクセスポイントの動作を説明するための図である。
図5】アクセスポイントの動作を説明するための図である。
図6】アクセスポイントの動作を説明するための図である。
図7】アクセスポイントの動作を説明するための図である。
図8】変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、実施形態に係るアクセスポイント制御システム100の例を示す図である。アクセスポイント制御システム100は、複数のアクセスポイント1A~1E及び複数のビーコン装置2A~2Bを備えている。
【0023】
アクセスポイント制御システム100は、複数の教室R1~R5を備える学校などの建物において用いられる。アクセスポイント1A~1Eは、複数の教室R1~R5にそれぞれ設けられる。
【0024】
ビーコン装置2A~2Bは、複数の充電カートC1~C2にそれぞれ設けられている。ビーコン装置2A~2Bは、BLE(Bluetooth Low Energy)の規格に基づくビーコン信号を定期的に発信する。
【0025】
充電カートC1~C2は、複数の無線端末Tを収容し、充電し、搬送する。充電カートC1~C2は、可搬型のコンテナの一例である。無線端末Tを可搬であれば、コンテナの態様は特に限定されない。
【0026】
アクセスポイント1A~1Eは無線LANアクセスポイントであり、無線端末Tは無線LANクライアントである。アクセスポイント1A~1Eは、無線端末Tに有線LAN等の通信網(不図示)への接続を提供する。
【0027】
例えば、充電カートC1~C2は、1学級の生徒数分の無線端末Tを収容し、授業開始前に教室R1~R5へ運ばれる。無線端末Tは、授業開始時に充電カートC1~C2から取り出され、授業終了時に充電カートC1~C2に戻される。
【0028】
以下、アクセスポイント1A~1Eを総称して「アクセスポイント1」といい、ビーコン装置2A~2Bを総称して「ビーコン装置2」といい、教室R1~R5を総称して「教室R」といい、充電カートC1~C2を総称して「充電カートC」ということがある。
【0029】
図2は、実施形態に係るアクセスポイント1の構成例を示すブロック図である。アクセスポイント1は、制御部10、第1無線通信部11、第2無線通信部12、及び有線通信部13を備えている。
【0030】
制御部10は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。制御部10のCPUは、ROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。プログラムは、光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、インターネット又はLAN等の通信網を介して供給されてもよい。
【0031】
第1無線通信部11は、無線LANの規格に基づく無線通信を行う無線通信部である。第1無線通信部11は、無線端末Tと通信可能で、有線通信部13に接続された有線LAN等の通信網(不図示)への接続を無線端末Tに提供する。
【0032】
第2無線通信部12は、BLE(Bluetooth Low Energy)の規格に基づく無線通信を行う無線通信部である。第2無線通信部12は、ビーコン装置2と通信可能で、ビーコン装置2から定期的に発信されるビーコン信号を受信する。
【0033】
なお、ビーコン装置2及び第2無線通信部12が使用する通信規格はBLEに限られない。第1無線通信部11が使用する無線LANよりも消費電力が少なく、通信距離が短い通信規格であれば、好適に使用できる。
【0034】
図3は、アクセスポイント制御システム100において実現される、実施形態に係るアクセスポイント制御方法の手順例を示すフロー図である。アクセスポイント1の制御部10は、プログラムに従って同図に示す情報処理を定期的に実行する。
【0035】
図4に示すように、教室Rに充電カートCがない段階では、各アクセスポイント1は、教室R外で検知できないほど出力が微弱で、且つ共通のチャンネルch1を使用する。この状態を「第1状態」とする。アクセスポイント1の出力及びチャンネルとは、第1無線通信部11(図2参照)の出力及びチャンネルを指す。
【0036】
図3に示すように、制御部10は、第2無線通信部12がビーコン装置2からのビーコン信号を受信すると(S11:YES)、充電カートCが接近したか否か判定する(S12)。充電カートCが接近したか否かは、アクセスポイント1と充電カートCの距離が所定値以下になったか否かにより判定される。より詳しくは、ビーコン信号の信号強度が所定値以上になったか否かにより判定される。
【0037】
充電カートCが接近した場合(S12:YES)、制御部10は、第1無線通信部11が使用するチャンネルを変更するとともに(S13)、第1無線通信部11の出力を大きくする(S14)。この状態を「第2状態」とする。
【0038】
本実施形態では、ビーコン信号が、チャンネルを指定するデータを含んでおり、制御部10は、第1無線通信部11が使用するチャンネルを、ビーコン装置2により指定されるチャンネルに変更する。ここで、ビーコン装置2により指定されるチャンネルは、ビーコン装置2が設けられた充電カートCに収容される無線端末Tに設定されたチャンネルと同じである。
【0039】
以上により、アクセスポイント制御方法の一連の手順が終了する。
【0040】
図5は、ビーコン装置2Aが設けられた充電カートC1が教室R2に入った場合の動作例を示している。ビーコン装置2Aは、チャンネルch2を指定するビーコン信号を送信し、教室R2に設けられたアクセスポイント1Bは、ビーコン装置2Aからビーコン信号を受信すると、チャンネルch2に変更するとともに出力を大きくする。
【0041】
このとき、教室R2に隣接する教室R1,R3のアクセスポイント1A,1Cは、出力が微弱であり、且つチャンネルch1を使用しているので、アクセスポイント1Bの電波は、隣接する教室R1,R3のアクセスポイント1A,1Cの電波と干渉しない。
【0042】
また、充電カートC1に収容された無線端末Tにはチャンネルch2が予め設定されているので、充電カートC1に収容された無線端末Tは、アクセスポイント1Bと迅速に通信を開始することができる。
【0043】
図6は、ビーコン装置2Bが設けられた充電カートC2が教室R3に入った場合の動作例を示している。ビーコン装置2Bは、チャンネルch3を指定するビーコン信号を送信し、教室R3に設けられたアクセスポイント1Cは、ビーコン装置2Bからビーコン信号を受信すると、チャンネルch3に変更するとともに出力を大きくする。
【0044】
このとき、教室R3に隣接する教室R2のアクセスポイント1Bは、出力が微弱であり、且つチャンネルch1を使用しているので、アクセスポイント1Cの電波は、隣接する教室R2の電波と干渉しない。
【0045】
また、充電カートC2に収容された無線端末Tにはチャンネルch3が予め設定されているので、充電カートC2に収容された無線端末Tは、アクセスポイント1Cと迅速に通信を開始することができる。
【0046】
図7は、ビーコン装置2Aが設けられた充電カートC1が教室R2に入り、ビーコン装置2Bが設けられた充電カートC2が教室R3に入った場合の動作例を示している。アクセスポイント1B及び1Cの動作は、上記図5及び図6の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態では、ビーコン装置2A,2Bは、互いに異なるチャンネルch2,ch3を指定する。言い換えると、各ビーコン装置2A,2Bは、固有のチャンネルch2,ch3を有している。
【0048】
このため、隣接する教室R2,R3に設けられたアクセスポイント1B,1Cの出力が同時に大きくなっても、アクセスポイント1Bが使用するチャンネルch2とアクセスポイント1Cが使用するチャンネルch3が互いに異なるため、アクセスポイント1Bの電波とアクセスポイント1Cの電波は干渉しない。
【0049】
図8は、変形例を説明するための図である。アクセスポイント1A~1Cの符号に付した括弧書きは、矢印の左側が第1状態で使用するチャンネルを表し、矢印の右側が第2状態で使用するチャンネルを表す。
【0050】
アクセスポイント1A~1Cは、第1状態においては、上記図4と同様に、出力が微弱で、且つ共通のチャンネルch1を使用するように設定されている。
【0051】
一方、アクセスポイント1A~1Cは、第2状態においては、隣接するアクセスポイントが互いに異なるチャンネルを使用するように設定されている。
【0052】
具体的には、隣接する教室R1,R2に設けられたアクセスポイント1A,1Bは、第2状態において互いに異なるチャンネルch2,ch3を使用する。同様に、隣接する教室R2,R3に設けられたアクセスポイント1B,1Cも、第2状態において互いに異なるチャンネルch3,ch2を使用する。
【0053】
このように設定されることで、隣接する教室R1,R2に設けられたアクセスポイント1A,1Bの出力が同時に大きくなっても、アクセスポイント1Aが使用するチャンネルch2とアクセスポイント1Bが使用するチャンネルch3が互いに異なるため、アクセスポイント1Aの電波とアクセスポイント1Bの電波は干渉しない。
【0054】
同様に、隣接する教室R2,R3に設けられたアクセスポイント1B,1Cの出力が同時に大きくなっても、アクセスポイント1Bが使用するチャンネルch3とアクセスポイント1Cが使用するチャンネルch2が互いに異なるため、アクセスポイント1Bの電波とアクセスポイント1Cの電波は干渉しない。
【0055】
なお、水平方向に隣接する教室に設けられたアクセスポイントだけでなく、鉛直方向に隣接する教室に設けられたアクセスポイントも同様に、第2状態において互いに異なるチャンネルを使用するように設定されることが好ましい。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。
【0057】
上記実施形態では、制御部10は、ビーコン信号に基づいて充電カートCが接近したことを検知した場合に、第1無線通信部11の状態を変更したが、これに限らず、ビーコン信号を受信したことのみを以て、第1無線通信部11の状態を変更してもよい。
【0058】
例えば、制御部10は、ビーコン信号に含まれるビーコン装置2の個体情報又は加速度等のセンシング情報に基づいて、第1無線通信部11の状態を変更してもよい。
【0059】
また、制御部10は、ビーコン装置2の加速度を表すデータを含むビーコン信号に基づいて、アクセスポイント1に充電カートCが接近し、且つ充電カートCが停止したことを検知した場合に、第1無線通信部11の状態を変更してもよい。
【0060】
なお、上記実施形態では、アクセスポイント制御システム100を学校に適用した例について説明したが、これに限らず、例えばオフィス又は住宅等において各部屋に設けられたアクセスポイントを無線端末の移動に伴って制御するために適用されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1(1A~1E) アクセスポイント、10 制御部、11 第1無線通信部、12 第2無線通信部、13 有線通信部、2(2A~2B) ビーコン装置、100 アクセスポイント制御システム、R(R1~R5) 教室、C(C1~C2) カート、T 無線端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8