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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161134
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】消しゴム
(51)【国際特許分類】
   B43L 19/00 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B43L19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065719
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏和
(72)【発明者】
【氏名】渡利 幸治
(57)【要約】
【課題】概略直方体状(四角柱状)をなし、細かい部分を消す要望に対応しつつ、広い部分を面的に消すという他の要望に対応することもできる消しゴムを提供する。
【解決手段】概略形状が略直方体状である消しゴムE1において、正面視した場合において、仮想矩形Rの頂点及びその近傍を形成する角部3と、互いに隣接する角部3間に位置し中心に向かってへこんでいる凹部5aを有する面部5とを備え、角部3が他の部位と比較して硬質な材料により形成された硬質部分Hである構成を採用する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
概略形状が略直方体状であり、正面視した場合において、仮想矩形の頂点及びその近傍を形成する角部と、互いに隣接する角部間に位置し中心に向かってへこんでいる1または複数の凹部を有する面部とを備えており、前記角部が他の部位と比較して硬質な材料により形成された硬質部分である消しゴム。
【請求項2】
前記角部の硬質部分が長手方向に延伸している請求項1記載の消しゴム。
【請求項3】
正面視した場合において対角線上に位置する前記角部の硬質部分同士が中間の硬質部分により接続されている請求項2記載の消しゴム。
【請求項4】
概略形状が略直方体状であり、正面視した場合において、仮想矩形の頂点及びその近傍を形成する柱状体の角部と、これら角部間を接続し中心に向かって凹んでいる1または複数の凹部を有する面部とを備えている消しゴム。
【請求項5】
柱状体の角部が仮想矩形の頂点及びその近傍を形成するものであって、前記角部を形成する柱状体が四角柱又は円柱である請求項1、2、3又は4記載の消しゴム。
【請求項6】
消しゴム本体を直方体状かつ筒状のケースに収納してなるものであって、前記ケースが角部の硬質部に摺接しつつスライド可能なものであるとともに、前記ケースの面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体に接触しスライドが抑制される請求項1、2、3、4又は5記載の消しゴム。
【請求項7】
消しゴム本体の面部の全体が中心に向かってへこんでおり、前記ケースの面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体の面部の表面に接触する請求項6記載の消しゴム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として概略直方体状をなす消しゴムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、細かい部分を消す要望に対応すべく、種々の形状を有する消しゴムが考えられてきている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
しかし、前記特許文献1及び2記載の形状の消しゴムは、確かに細かい部分を消す要望に対応することはできるものの、以下の点で問題を有している。
【0004】
すなわち、前記引用文献1記載の消しゴムは、正面視概略矩形状で、四辺の全体が中央に向かって凹んでおり、角部が鋭角をなして外方に突出している。このような形状では、角部の先端部が細くとがっているので、耐久性に難があるという問題が存在する。
【0005】
また、前記特許文献2記載の消しゴムは、一般的に流通している直方体状をなす消しゴムと異なる形状を有している。すなわち、形状が特殊であって一般的な用途に使用可能であるとは必ずしもいえないという問題が存在する。また、このような形状では広い部分を面的に消すという他の要望に対応可能であるとは必ずしもいえないという問題も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭50-140550号公報
【特許文献2】特開2016-120688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上に述べた点を踏まえてなされたもので、概略直方体状(四角柱状)をなし、細かい部分を消す要望に対応しつつ、広い部分を面的に消すという他の要望に対応することもできる消しゴムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係る消しゴムは、概略形状が略直方体状であり、正面視した場合において、仮想矩形の頂点及びその近傍を形成する角部と、互いに隣接する角部間に位置し中心に向かってへこんでいる1または複数の凹部を有する面部とを備えており、前記角部が他の部位と比較して硬質な材料により形成された硬質部分であるものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係る消しゴムは、請求項1記載のものであって、前記角部の硬質部分が長手方向に延伸しているものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係る消しゴムは、請求項2記載のものであって、正面視した場合において対角線上に位置する前記角部の硬質部分同士が中間の硬質部分により接続されているものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係る消しゴムは、概略形状が略直方体状であり、正面視した場合において、仮想矩形の頂点及びその近傍を形成する柱状体の角部と、これら角部間を接続し中心に向かって凹んでいる1または複数の凹部を有する面部とを備えているものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係る消しゴムは、請求項1、2、3又は4記載のものであって、柱状体の角部が仮想矩形の頂点及びその近傍を形成し、前記角部を形成する柱状体が四角柱又は円柱であるものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係る消しゴムは、請求項1、2、3、4又は5記載のものであって、消しゴム本体を直方体状かつ筒状のケースに収納してなるものであり、前記ケースが角部の硬質部に摺接しつつスライド可能なものであるとともに、前記ケースの面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体に接触しスライドが抑制されるものである。
【0014】
請求項7記載の発明に係る消しゴムは、請求項6記載のものであって、消しゴム本体の面部の全体が中心に向かってへこんでおり、前記ケースの面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体の面部の表面に接触するものである。
【0015】
なお、本明細書中において、「矩形」とは、長方形及び正方形を含む概念である。また、正面視とは、消しゴムの長手方向両端面のいずれかから見た状態を示す概念である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、概略直方体状(四角柱状)をなし、細かい部分を消す要望に対応しつつ、耐久性を確保し、広い部分を面的に消すという他の要望に対応することもできる消しゴムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図2】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
図3】同実施形態に係る消しゴムの使用の態様を示す説明図。
図4】本発明の第2実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図5】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
図6】本発明の第3実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図7】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
図8】本発明の第4実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図9】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
図10】本発明の第5実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図11】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
図12】本発明の第6実施形態に係る消しゴムを示す全体斜視図。
図13】同実施形態に係る消しゴムを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
<第1実施形態(図1図3)>
本実施形態に係る消しゴムE1は、消しゴム本体1を直方体状かつ筒状のケース2に収納してなるものである。なお、消しゴム本体1の全体をわかりやすく示すべく、ケース2は想像線で示している。
【0020】
消しゴム本体1は概略形状が略直方体状のものであり、正面視した場合において、仮想矩形Rの頂点及びその近傍を形成する角部3と、仮想矩形Rの対角線に沿って形成され、対角線の両側に位置する角部3間を接続する対角接続部4と、仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部2間に位置する面部5とを備えている。
【0021】
角部3は、本実施形態では消しゴム本体1の長手方向に延伸する柱状体、すなわち図1及び図2の仮想直方体RRを形成している。また、この角部3の両外面3aは、正面視した場合に図1及び図2の仮想矩形Rの各辺の端部に一致しており、互いに直交している。なお、角部3の両外面3aは、略または完全に直交しているものであればよい。
【0022】
対角接続部4は、上述したように仮想矩形Rの対角線に沿って形成され、角部3と一体的に成形されている。
【0023】
面部5は、上述したように仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部2間に位置しており、その表面の全体が滑らかな凹曲面状をなす凹部5aを形成している。
【0024】
また、この消しゴムは、硬質な材料により作られている硬質部分Hと、この硬質部分Hを形成する材料よりも軟質な材料により作られている軟質部分Sとからなる。なお、図面中では、硬質部分Hにパターン(薄く塗りつぶした部分)を付している。なお、「硬質な材料」とは、可塑剤の配合割合が少ない、及び/又は炭酸カルシウム(CaCO)等の硬質な添加剤の含有割合が多い材料を示しており、逆に、「軟質な材料」とは、可塑剤の配合割合が多い、及び/又は炭酸カルシウム(CaCO)等の硬質な添加剤の含有割合が少ない材料を示している。
【0025】
本実施形態の消しゴム本体E1は、前記角部3を含む部位、具体的には角部3及び対角接続部4が硬質部分Hであるとともに、その他の部位、具体的には面部5が軟質部分Sである。ここで、角部3が請求項2の「角部の硬質部分」であり、対角接続部4が請求項3の「中間の硬質部分」である。
【0026】
一方、ケース2は、消しゴム本体1の角部3に摺接しつつスライド可能なものであり、例えば紙製の角筒状のものである。また、このケースの内周面2aは、前述した仮想矩形Rを底面とする四角柱(直方体)の外周面と一致しており、この消しゴムE1を把持する操作を受けていない状態では消しゴム本体1の面部5の凹部5aとは離間している。
【0027】
この消しゴムE1は、主に以下に述べるような態様で使用される。
【0028】
すなわち、細かい部位を消す場合には、角部3を所望の部位に当ててこする。このとき、角部3に隣接する部位は面部5の凹部5aとなっているので角部3のみが筆記面に接する。また、使用を続けると、角部3が外方に張り出した状態のまますり減るので角部3が所望の部位に当たる。換言すれば、例えば図3に示すような状態では、領域Aが所望の部位に当たることとなる。
【0029】
一方、広い部位を面状に消す場合には、ケース2の面部5に対応する部位を把持しつつ、消しゴム本体1の一辺を面的に筆記面に当ててこする。このとき、当該ケース2が変形して消しゴム本体1の面部5に接触し、ケース2の消しゴム本体1に対するスライドが抑制される。
【0030】
以上に述べたように、本実施形態によれば、角部3を利用して細かい部分を消すことができるとともに、角部がとがった形状である特許文献1記載の消しゴムと比較して耐久性に優れており、さらにケース2の面部5に対応する部位を把持しつつ消しゴム本体1の一辺を面的に紙面に当てるようにすることにより広い部位を面状に消すこともできる。
【0031】
また、硬質部分Hである角部3が長手方向に延伸しているので、角部3が摩耗しても硬質部分Hが露出し続け、消しゴムとしての耐久性をより効果的に確保することができる。
【0032】
さらに、正面視した場合において対角線上に位置する角部3同士が硬質部分である対角接続部4により接続されているので、角部3を用いて消す操作が繰り返され消しゴム本体1が摩耗しても硬質部分Hが安定した幅で露出し続ける。
【0033】
そして、角部3が仮想直方体RRを形成しているので、形状が比較的単純であり消しゴム本体1を製造しやすい。
【0034】
<第2実施形態(図4図5)>
本実施形態に係る消しゴムE2は、以下に述べる点で前述した第1実施形態に係る消しゴムE1と異なり、その他の点では同様の構成を有している。そのため、第1実施形態に係るものに対応する部分には対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
この消しゴムE2は、角部3のみが硬質部分Hを形成しており、その他の部分は軟質部分Sを形成している。すなわち、硬質部分Hはそれぞれ直方体状をなす4箇所の角部3である。一方、軟質部分Sは、仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部3間を接続する面部5と、各面部5間を更に接続する中央軟質部6とにより構成されている。
【0036】
本実施形態の構成によっても、角部3を利用して細かい部分を消すことができるとともに、ケース2の面部5に対応する部位を把持しつつ消しゴム本体1の一辺を面的に紙面に当てるようにすることにより広い部位を面状に消すこともできる。
【0037】
また、硬質部分Hである角部3が長手方向に延伸しているので、角部3が摩耗しても硬質部分Hが露出し続け、消しゴムとしての耐久性を確保することができる。
【0038】
そして、角部3が直方体状であるので、形状が比較的単純であり消しゴム本体1を製造しやすい。
【0039】
<第3実施形態(図6図7)>
本実施形態に係る消しゴムE3は、以下に述べる点で前述した第2実施形態に係る消しゴムE2と異なり、その他の点では同様の構成を有している。そのため、第1及び第2実施形態に係るものに対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
この消しゴムE3も、角部3のみが硬質部分Hを形成しており、その他の部分は軟質部分Sを形成している。すなわち、硬質部分Hはそれぞれ直方体状をなす4箇所の角部3である。一方、軟質部分Sは、仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部3間を接続する面部5と、各面部5間を更に接続する中央軟質部6とにより構成されている。
【0041】
また、この消しゴムの面部5も表面の全体が凹部5aを形成しているが、その中間部が平面視した場合に仮想長方形Rの対応する辺と平行である平面状の底面部5a1であり、角部3に隣接する部分は面取り部5a2となっている。
【0042】
本実施形態の構成によっても、上述した本発明の主要な効果を得ることができる。
【0043】
<第4実施形態(図8図9)>
本実施形態に係る消しゴムE4は、以下に述べる点で前述した第2実施形態に係る消しゴムE2と異なり、その他の点では同様の構成を有している。そのため、第1及び第2実施形態に係るものに対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
この消しゴムE4も、角部3のみが硬質部分Hを形成しており、その他の部分は軟質部分Sを形成している。すなわち、硬質部分Hはそれぞれ直方体状をなす4箇所の角部3である。一方、軟質部分Sは、仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部3間を接続する面部5と、各面部5間を更に接続する中央軟質部6とにより構成されている。
【0045】
また、この消しゴムの面部5は、仮想矩形Rの短辺の両側に位置する角部3間の部分、及び仮想矩形Rの長辺の両側に位置する角部3に隣接する部分にのみ正面視した場合に半円弧状となる凹部5aが設けられており、仮想矩形Rの長辺の中間部に対応する部分は、正面視した場合に仮想長方形Rの辺と一致する平面部5bとなっている。
【0046】
本実施形態の構成によっても、上述した本発明の主要な効果を得ることができる。
【0047】
<第5実施形態(図10図11)>
本実施形態に係る消しゴムE5は、前述した第4実施形態におけるものとほぼ同様の構成を有しているが、凹部5aの形状が半円弧状でなくV字状である。以下、第1、第2及び第4実施形態に係るものに対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
本実施形態の構成によっても、上述した本発明の主要な効果を得ることができる。
【0049】
なお、上述した第3~第5実施形態について、前述した第1実施形態に係るものと同様に、仮想矩形の対角線上にある角部同士を接続する対角接続部を備え、角部及び対角接続部により硬質部分を形成する態様を採用してもよい。
【0050】
<第6実施形態(図12図13)>
本実施形態に係る消しゴムE6も、消しゴム本体1を直方体状かつ筒状のケースX2に収納してなるものである。
【0051】
消しゴム本体1は、概略形状が略直方体状であり、正面視した場合において、仮想矩形Rの頂点及びその近傍を形成する柱状体、具体的には円柱状の角部X3と、これら角部X3間を接続し中心に向かって凹んでいる面部5とを備えている。本実施形態では、正面視した場合に各面部5の表面が仮想矩形Rの各辺の中間部分と一致しており、角部X3の一部が仮想矩形Rの外側に張り出した形状となっている。換言すれば、各面部5の表面は、角部X3の突出端から中心に向かって凹んでおり、凹部5aを形成している。
【0052】
また、この消しゴムE6も、角部X3のみが硬質部分Hを形成しており、その他の部分は軟質部分Sを形成している。すなわち、硬質部分Hはそれぞれ直方体状をなす4箇所の角部X3である。一方、軟質部分Sは、仮想矩形Rの辺に沿って互いに隣接する角部X3間を接続する面部5と、各面部5間を更に接続する中央軟質部6とにより構成されている。
【0053】
一方、本実施形態のケースX2は、正面視した場合において四隅にアールを設けている概略直方体状かつ筒状のものであり、その内面X2aのうち四隅のアールを設けた部分が消しゴム本体1の角部X3に摺接しており、その他の部分は平面状をなしている。そして、消しゴム本体1の凹部5aは、このケースX2の内面X2aから離間している。
【0054】
本実施形態の構成によっても、角部X3を利用して細かい部分を消すことができるとともに、ケース2の面部5に対応する部位を把持しつつ消しゴム本体1の一辺を面的に紙面に当てるようにすることにより広い部位を面状に消すこともできる。
【0055】
また、硬質部分Hである角部X3が長手方向に延伸しているので、角部X3が摩耗しても硬質部分Hが露出し続け、消しゴムとしての耐久性を確保することができる。
【0056】
そして、角部X3が円筒状であるので、形状が比較的単純であり消しゴム本体1を製造しやすい。
【0057】
この第6実施形態についても、前述した第1実施形態に係るものと同様に、仮想矩形の対角線上にある角部同士を接続する対角接続部を備え、角部及び対角接続部により硬質部分を形成する態様を採用してもよい。
【0058】
なお、本発明は以上に述べた各実施形態に限らない。
【0059】
例えば、概略形状が略直方体状であって、全体を同一の材料で形成しつつ、正面視した場合において、仮想矩形の頂点及びその近傍を形成する柱状体の角部と、これら角部間を接続し中心に向かって凹んでいる1または複数の凹部を有する面部とを備えているように構成したものであってもよい。
【0060】
さらに、概略形状が略直方体状であり、正面視した場合に矩形の角部が外方に張り出した形状のものであってもよい。
【0061】
これらのようなものであっても、角部を用いて細かい部分を消すことができるとともに、筆記面に線的または面的に押し当ててこすることにより広い部分を消す使用態様にも対応することができる。
【0062】
また、消しゴム本体の角部を硬質部分として形成する場合、上述した実施形態に示したような四角柱又は円柱以外の柱状体に形成してもよい。但し、前述したように、四角柱状又は円柱状に形成すれば、角部の形状が単純であるのでこのような角部を有する消しゴム本体を容易に形成できる。
【0063】
加えて、必ずしも消しゴム本体をケースに収納してなるものである必要はなく、また、ケースが、消しゴム本体の面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体の面部の表面に接触するようなものである必要もない。但し、消しゴム本体をケースに収納してなるもので、ケースが角部の硬質部に摺接しつつスライド可能なものであれば、消しゴム本体の角部がケースをスライドさせるためのガイドとして機能する。その上で、前記ケースの面部に対応する部位が把持されると当該ケースが変形して消しゴム本体、特に面部の表面に接触しスライドが抑制されるものであれば、消しゴム本体を把持する把持力及びケースと消しゴム本体との間の摩擦力を利用してケースのスライドを効果的に抑制することができる。
【0064】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0065】
E1~E6…消しゴム
1…消しゴム本体
2…ケース
3…角部(角部の硬質部分)
4…対角接続部(中間の硬質部分)
5…面部
5a…凹部
R…仮想矩形
H…硬質部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13