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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161137
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】波力発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/24 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
F03B13/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065723
(22)【出願日】2021-04-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】593214501
【氏名又は名称】株式会社ナカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 富市
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA04
3H074AA12
3H074BB10
3H074BB15
3H074CC03
(57)【要約】
【課題】設置場所の自由度を高くできる波力発電システムを提供すること。
【解決手段】圧縮空気発生装置2と、圧縮空気を貯留する貯留タンク3と、圧縮空気を用いて発電する発電装置4とを備えた波力発電システム1であって、圧縮空気発生装置2は、波の影響を受けて垂直方向および水平方向に揺動する浮体21と、浮体21と一体に揺動する第1ケース221と、第1ケース221の内部に摺動可能に配置される第1ピストン部222と、先端側が第1ピストン部222に接続する棒状部材23と、棒状部材23に取り付けられて水中に配置され、棒状部材23を介して第1ピストン部222を支持する水中支持部材24と、発生させた圧縮空気を貯留タンクに導入させる導入通路部材25とを有し、水中支持部材24により支持された第1ピストン部222に対して、第1ケース221が摺動することで第1ケース221の内部に圧縮空気を発生させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波力を利用して圧縮空気を発生させる圧縮空気発生装置と、前記圧縮空気発生装置にて発生させた圧縮空気を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気を用いて発電する発電装置とを備えた波力発電システムであって、
前記圧縮空気発生装置は、
水面に配置され、波の影響を受けて揺動する浮体と、
前記浮体と接続されて前記浮体と一体に揺動するケースと、
前記ケースの内部に摺動可能に配置されるピストン部と、
先端側が前記ピストン部に接続される棒状部材と、
前記棒状部材に取り付けられて水中に配置され、前記棒状部材を介して前記ピストン部を支持する水中支持部材と、
発生させた圧縮空気を前記貯留タンクに導入させる導入通路部材とを有し、
前記水中支持部材により支持された前記ピストン部に対して、前記ケースが摺動することで前記ケースの内部に圧縮空気を発生させる
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の波力発電システムにおいて、
前記圧縮空気発生装置を複数備える
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の波力発電システムにおいて、
前記圧縮空気発生装置は、前記導入通路部材に配置され、一次側から導入された圧縮空気を所定圧力に調整して二次側に排出させる圧力調整装置を備える
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波力発電システムにおいて、
前記水中支持部材は、内部が中空とされ、かつ、内部と外部とを連通させる連通孔が形成される
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の波力発電システムにおいて、
前記発電装置は、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気により回転されるタービンと、前記タービンの回転を電力に変換する発電機とを有する
ことを特徴とする波力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波力発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、波のエネルギーを利用して発電する波力発電装置が知られている(例えば、特許文献1など)。
特許文献1では、海面に配置された浮き体が受けた波のエネルギーを空気ポンプに伝達させ、伝達された波のエネルギーにより空気ポンプを作動させて圧縮空気を発生させている。そして、当該圧縮空気により発電装置を作動させて発電している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-127296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、波のエネルギーを受ける浮き体に接続されるラインを、海底に設けられる案内車に連絡させる必要がある。すなわち、浮き体が受けたエネルギーを伝達するために、海底に構造物を設ける必要がある。そうすると、水深が深い場所では、このような海底構造物を設けることが困難であるので、波力発電装置を設置できる場所が制限されてしまうといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、設置場所の自由度を高くできる波力発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の波力発電システムは、波力を利用して圧縮空気を発生させる圧縮空気発生装置と、前記圧縮空気発生装置にて発生させた圧縮空気を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気を用いて発電する発電装置とを備えた波力発電システムであって、前記圧縮空気発生装置は、水面に配置され、波の影響を受けて揺動する浮体と、前記浮体と接続されて前記浮体と一体に揺動するケースと、前記ケースの内部に摺動可能に配置されるピストン部と、先端側が前記ピストン部に接続される棒状部材と、前記棒状部材に取り付けられて水中に配置され、前記棒状部材を介して前記ピストン部を支持する水中支持部材と、発生させた圧縮空気を前記貯留タンクに導入させる導入通路部材とを有し、前記水中支持部材により支持された前記ピストン部に対して、前記ケースが摺動することで前記ケースの内部に圧縮空気を発生させることを特徴とする。
【0007】
本発明では、圧縮空気発生装置は、ピストン部に対して、ケースが波の影響を受けて揺動することで、内部に圧縮空気を発生させる。この際、ピストン部は、水中に配置された水中支持部材により支持されているので、水の底に構造物を設けなくても、波のエネルギーを圧縮空気に変換することができる。そのため、水深が深い場所でも圧縮空気発生装置を設置できるので、波力発電システムの設置場所の自由度を高くすることができる。
また、本発明では、波エネルギーを用いて発生させた圧縮空気を貯留タンクに貯留し、貯留した圧縮空気にて発電を行うので、波が不規則に発生したとしても、波エネルギーの変動を貯留タンクにて緩衝させることができる。そのため、波エネルギーによる発電を安定化させることができる。
【0008】
本発明の波力発電システムにおいて、前記圧縮空気発生装置を複数備えることが好ましい。
この構成では、圧縮空気を発生させる圧縮空気発生装置を複数備え、複数の圧縮空気発生装置で発生させた圧縮空気を貯留タンクに貯留するので、より多くの波エネルギーを圧縮空気に変換させることができる。そのため、1台の圧縮空気発生装置が受ける波エネルギーが小さかったとしても、発電装置による発電量を増大させることができる。
【0009】
本発明の波力発電システムにおいて、前記圧縮空気発生装置は、前記導入通路部材に配置され、一次側から導入された圧縮空気を所定圧力に調整して二次側に排出させる圧力調整装置を備えていることが好ましい。
この構成では、圧縮空気発生装置は圧力調整装置を備えているので、所定の圧力に調整した圧縮空気を貯留タンクに送ることができる。そのため、貯留タンクの内部圧力に関わらず、圧縮空気発生装置から貯留タンクに圧縮空気を送ることができる。
【0010】
本発明の波力発電システムにおいて、前記水中支持部材は、内部が中空とされ、かつ、内部と外部とを連通させる連通孔が形成されることが好ましい。
この構成では、水中支持部材に連通孔が形成されるので、水中支持部材の外部の水を支水中支持部材の内部に導入させることができる。そのため、水中支持部材の外部の水と、水中支持部材とを略おなじ密度にすることができるので、水中支持部材が浮上したり、沈降したりすることを抑制することができる。したがって、水中に配置した水中支持部材でピストン部を適切に支持することができる。
【0011】
本発明の波力発電システムにおいて、前記発電装置は、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気により回転されるタービンと、前記タービンの回転を電力に変換する発電機とを有することが好ましい。
この構成では、発電装置は、貯留タンクに貯留された圧縮空気が一定圧力に達した時に空気を放出してタービンを回転させることにより発電することができる。そのため、圧縮空気を効率良く電力に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る波力発電システムの概略構成を示す図。
図2】前記実施形態の波力発電システムの概略を示す平面図。
図3】前記実施形態の圧縮空気発生装置の一部を拡大した平面図。
図4】前記実施形態の圧縮空気発生装置の一部を拡大した断面図。
図5】第1空気ポンプによる圧縮空気の発生方法を示す図。
図6】第1空気ポンプによる圧縮空気の発生方法を示す図。
図7】第2空気ポンプによる圧縮空気の発生方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
本発明の一実施形態に係る波力発電システム1を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態の波力発電システム1は、例えば、海上等に設置され、波のエネルギーを圧縮空気に変換させて発電を行うシステムである。
図1は、本実施形態の波力発電システム1の概略構成を示す図であり、図2は、波力発電システム1の概略を示す平面図である。
図1、2に示すように、波力発電システム1は、圧縮空気発生装置2と、貯留タンク3と、発電装置4と、ベース構造体5とを備える。なお、本実施形態の波力発電システム1は、海上に設置される。
【0014】
[圧縮空気発生装置2]
圧縮空気発生装置2は、海上に設置され、波のエネルギーを用いて圧縮空気を発生させる装置である。本実施形態では、波力発電システム1は、8台の圧縮空気発生装置2を備えている。具体的には、波力発電システム1は、ベース構造体5を中心に、8台の圧縮空気発生装置2が放射状に配置されている。これにより、海上に設置された波力発電システム1を安定化させることができる。
また、本実施形態では、圧縮空気発生装置2は、浮体21、第1空気ポンプ22と、棒状部材23と、水中支持部材24と、導入通路部材25と、圧力調整装置26と、第2空気ポンプ27とを備える。
【0015】
[浮体21]
浮体21は、第1空気ポンプ22と連結され、海面(水面)に浮上可能に構成される部材である。また、浮体21には、複数の第2空気ポンプ27が配置されている。本実施形態では、1台の圧縮空気発生装置2に対してドーナツ状に構成された浮体21が設けられている。また、本実施形態では、浮体21は、浮体部211と、浮体板212と、連結部213とを有する。
浮体部211は、内部が中空とされたドーナツ状に形成され、海面に浮上可能に構成される。これにより、浮体部211は、波の影響を受けて揺動可能とされている。なお、このような浮体部211は、例えば、ゴム部材や樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよく、海面に浮上して波の影響を受けて揺動可能に構成されていればよい。
浮体板212は、浮体部211と連結部213との間に配置される板状の部材であり、浮体部211と連結部213とを接続させる部材である。また、浮体板212には、中央部に孔部212Aが形成されている。
連結部213は、浮体板212と後述する第1空気ポンプ22の第1ケース221とを連結させる部材である。具体的には、連結部213は、棒状の部材であり、先端側が浮体板212に連結され、基端側が第1ケース221に連結される。なお、このような連結部213は、樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよく、浮体板212と第1ケース221とを連結可能に構成されていればよい。
【0016】
[第1空気ポンプ22]
第1空気ポンプ22は、波のエネルギーを用いて圧縮空気を発生させるポンプである。本実施形態では、第1空気ポンプ22は、第1ケース221と、第1ピストン部222とを有する。
第1ケース221は、内部が中空とされ、円筒状に形成されている。本実施形態では、第1ケース221には、流入機構223と、流出機構224と、連結孔225とが設けられている。また、前述したように、第1ケース221は連結部213を介して浮体板212に連結されている。これにより、第1ケース221は、波の影響を受けて浮体部211および浮体板212と一体に揺動可能とされている。なお、第1ケース221は、樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよい。
【0017】
第1ピストン部222は、第1ケース221の内部に配置され、第1ケース221の軸方向に沿って摺動可能に構成されている。そして、本実施形態では、第1ピストン部222は円柱状とされ、第1ピストン部222の外周面と第1ケース221の内周面との間は、図示略の封止部材により封止されている。これにより、第1ケース221と第1ピストン部222とが、第1ケース221の軸方向に沿って相対的に移動することにより、第1ケース221と第1ピストン部222とで規定された空間Sの空気が圧縮される。すなわち、第1空気ポンプ22は、第1ケース221と第1ピストン部222との相対移動により圧縮空気を発生させる。
【0018】
流入機構223は、第1ケース221の内部に外部の空気を流入させる機構である。具体的には、流入機構223は、第1ケース221の外部から内部に流入する空気は通過させ、第1ケース221の内部から外部へと流出しようとする空気は遮断する。すなわち、流入機構223は、所謂逆止弁として機能する。
流出機構224は、第1ケース221の内部の空気を外部に流出させる機構である。具体的には、流出機構224は、第1ケース221の内部から外部に流出する空気は通過させ、第1ケース221の外部から内部へと流入しようとする空気は遮断する。すなわち、流出機構224は、所謂逆止弁として機能する。
【0019】
[棒状部材]
棒状部材23は、一方の端部が第1ピストン部222に接続され、他方の端部が後述する水中支持部材24に接続される棒状の部材である。さらに、棒状部材23には、後述する第2空気ポンプ27の第2ピストン部272が接続される。本実施形態では、棒状部材23は、中実棒状部材231と、中空棒状部材232とを有する。
中実棒状部材231は、円柱状に形成され、第1ケース221の連結孔225に挿通されている。これにより、中実棒状部材231は、第1ケース221に対して摺動可能とされている。
中空棒状部材232は、内部が中空とされ、水中支持部材24と接続される側の端部に底面が設けられた有底筒状に構成される。これにより、中空棒状部材232に作用する浮力によって、接続される水中支持部材24を略一定の位置に維持させることができるようにしている。さらに、中空棒状部材232には、後述する第2空気ポンプ27のベアリング部材274が接続されている(図3図4参照)。なお、中実棒状部材231および中空棒状部材232は、樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよい。
【0020】
[水中支持部材24]
水中支持部材24は、水中に配置され、棒状部材23を介して第1ピストン部222を支持する部材である。本実施形態では、水中支持部材24は、上部に複数個の第1連通孔241と、下部に複数個の第2連通孔242とを有する。これにより、水中支持部材24の内部には、水中設置時に第1連通孔241および第2連通孔242を介して水が充填される。そのため、水中支持部材24の密度は水中の密度と略同じとされるので、水中支持部材24が水中で浮上したり、沈降したりすることが抑制される。このように、本実施形態では、第1空気ポンプ22の第1ピストン部222を、水中で略一定の位置で維持される水中支持部材24により支持するので、海底に構造物を設けなくても、第1空気ポンプ22を作動させることができる。
【0021】
[導入通路部材25]
導入通路部材25は、圧縮空気発生装置2で発生させた圧縮空気を貯留タンク3に送る部材であり、所謂パイプ部材やホース部材により構成される。本実施形態では、導入通路部材25は、基端側が第1ケース221の流出機構224に接続され、先端側が貯留タンク3の流入部32に接続される。
【0022】
[圧力調整装置26]
圧力調整装置26は、導入通路部材25の途中に配置され、一次側から導入された圧縮空気を所定圧力に調整して二次側に排出させる所謂レギュレータとして構成される。本実施形態では、圧力調整装置26は、第1ケース221から流出された圧縮空気を増圧し、当該圧縮空気を貯留タンク3側に排出する。
【0023】
[第2空気ポンプ27]
図3は、圧縮空気発生装置2の一部を拡大した平面図であり、図4は、圧縮空気発生装置2の一部を拡大した断面図である。
図3図4に示すように、第2空気ポンプ27は、前述した第1空気ポンプ22と同様に、波のエネルギーを用いて圧縮空気を発生させるポンプである。本実施形態では、第2空気ポンプ27は、浮体板212に形成された孔部212Aを囲むように、6個配置されている。
また、本実施形態では、第2空気ポンプ27は、第2ケース271と、第2ピストン部272と、ロッド部材273と、ベアリング部材274と、弾性部材275とを有する。
【0024】
第2ケース271は、前述した第1ケース221と同様に、内部が中空とされ、円筒状に形成されている。本実施形態では、第2ケース271には、図示略の流入機構、流出機構、連結孔等が設けられている。なお、第2ケース271は、樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよい。
【0025】
第2ピストン部272は、第2ケース271の内部に配置され、第2ケース271の軸方向に沿って摺動可能に構成されている。そして、本実施形態では、第2ピストン部272は円柱状とされ、第2ピストン部272の外周面と第2ケース271の内周面との間は、図示略の封止部材により封止されている。これにより、第2ケース271と第2ピストン部272とが、第2ケース271の軸方向に沿って相対的に移動することにより、第2ケース271と第2ピストン部272とで規定された空間の空気が圧縮される。すなわち、第2空気ポンプ27は、前述した第1空気ポンプ22と同様に、第2ケース271と第2ピストン部272との相対移動により圧縮空気を発生させる。
なお、第2空気ポンプ27にて発生させた圧縮空気は、図示略の導入通路部材を介して、貯留タンク3のタンク本体31に送られる。
【0026】
ロッド部材273は、一方の端部が第2ピストン部272に接続され、他方の端部がベアリング部材274に接続される棒状の部材である。本実施形態では、ロッド部材273は、一方の端部側が第2ケース271の連結孔(図示略)に挿通されている。これにより、ロッド部材273は、第2ケース271に対して摺動可能とされている。
ベアリング部材274は、所謂ボールベアリングを用いて構成されている。本実施形態では、ベアリング部材274は、前述したように、ロッド部材273の他方の端部に接続されるとともに、中空棒状部材232に接続されている。そして、ベアリング部材274は、中空棒状部材232に対するロッド部材273の垂直方向の揺動が可能なように構成されている。これにより、第2空気ポンプ27が配置された浮体板212が中空棒状部材232に対して垂直方向に移動したとしても、ベアリング部材274を支点としてロッド部材273が垂直方向に揺動するので、第2空気ポンプ27が損傷してしまうことを抑制することができる。
【0027】
弾性部材275は、伸縮可能とされた所謂バネ部材を用いて構成されている。本実施形態では、弾性部材275は、孔部212Aを囲うように配置されており、6本のロッド部材273に接続されている。なお、弾性部材275は、上記のように構成されることに限られるものではなく、例えば、6本のロッド部材273のそれぞれと、中空棒状部材232との間に配置される、すなわち、弾性部材275が6個設けられていてもよい。
【0028】
[貯留タンク3]
貯留タンク3は、圧縮空気発生装置2で発生させた圧縮空気を貯留する。本実施形態では、貯留タンク3は、タンク本体31と、流入部32と、流出部33とを有し、ベース構造体5に配置されている。
【0029】
タンク本体31は、圧縮空気を貯留する所謂圧力タンクである。なお、タンク本体31は、樹脂部材により形成されていてもよく、あるいは、金属により形成されていてもよく、圧縮空気を貯留可能に構成されていればよい。
流入部32は、8台の圧縮空気発生装置2に対してそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態では、貯留タンク3のタンク本体31には、8つの流入部32が設けられている。これにより、それぞれの圧縮空気発生装置2で発生させた圧縮空気が、流入部32を介してタンク本体31に送られる。また、それぞれの流入部32には、圧縮空気の逆流を防止する逆止弁が配置されている。
流出部33は、タンク本体31に貯留された圧縮空気を流出させる所謂吐出口である。本実施形態では、タンク本体31には、1つの流出部33が設けられている。そして、貯留タンク3の内部の圧縮空気が所定の圧力に達したら、流出部33が開放されて、圧縮空気が噴出することで、後述する発電装置4のタービン41が回転する。
【0030】
[発電装置4]
発電装置4は、貯留タンク3に貯留された圧縮空気を用いて発電する装置である。
本実施形態では、発電装置4は、タービン41と、発電機42とを有し、ベース構造体5に配置されている。
【0031】
タービン41は、貯留タンク3の流出部33から流出された圧縮空気により回転される部材である。本実施形態では、タービン41は、貯留タンク3の流出部33に接続されている。
発電機42は、タービン41の回転を電力に変換する装置である。本実施形態では、発電機42は、一般的な発電機と同様に、ロータ、ステータ、永久磁石、発電コイル等を備え、タービン41の回転によりロータの永久磁石を回転させて、発電コイルにより発電を行う。
【0032】
このように、本実施形態では、発電装置4は貯留タンク3に貯留された圧縮空気を用いて発電を行うので、波が不規則に発生したとしても、波エネルギーの変動を貯留タンク3にて緩衝させることができる。そのため、波エネルギーによる発電を安定化させることができる。
【0033】
[ベース構造体5]
ベース構造体5は、海上に設置され、貯留タンク3や発電装置4を支持する構造物である。本実施形態では、ベース構造体5は、ベース部材51と、覆蓋部材52とを備える。
ベース部材51は、海上に浮上可能に構成される構造物である。本実施形態では、ベース部材51は、平面視で矩形状とされ、貯留タンク3および発電装置4を支持可能に構成されている。
覆蓋部材52は、ベース部材51に設けられ、貯留タンク3や発電装置4を覆う所謂覆蓋として構成される。これにより、貯留タンク3や発電装置4が覆われて露出しないので、例えば、降雨や波により貯留タンク3や発電装置4が劣化することを抑制できる。
【0034】
[第1空気ポンプ22による圧縮空気の発生方法]
次に、第1空気ポンプ22による圧縮空気の発生方法について説明する。
図5および図6は、第1空気ポンプ22による圧縮空気の発生方法を示す図である。なお、図5は、波の山部分に圧縮空気発生装置2の浮体21が位置する場合を示しており、図6は、波の谷部分に圧縮空気発生装置2の浮体21が位置する場合を示している。
【0035】
図5に示すように、浮体21が波の山部分に位置する場合、浮体21が波によって持ち上げられている。そうすると、連結部213を介して浮体21と連結されている第1ケース221も持ち上げられる。この際、第1ピストン部222は水中支持部材24により支持されており、当該水中支持部材24は海水と略同じ密度にされて浮上したり沈降したりすることを抑制されているので、第1ピストン部222は波の影響を受けず、ほぼ一定の位置に留まっている。そのため、第1ケース221が第1ピストン部222に対して、第1ケース221の軸方向に沿って上向きに移動するので、第1ケース221の内部の空間Sの体積が大きくなる。そうすると、当該第1ケース221の内部の空間Sに、流入機構223を介して空気が流入される。
【0036】
次に、図5に示す状態から、図6に示すように、浮体21が波の谷部分に位置した場合、浮体21が波とともに図6中の下方向に移動する。そうすると、連結部213を介して浮体21と連結されている第1ケース221も図6中の下方向に移動する。この際、前述したように、水中支持部材24に支持された第1ピストン部222はほぼ一定の位置に留まるので、第1ケース221が第1ピストン部222に対して、第1ケース221の軸方向に沿って下方向に移動する。そのため、第1ケース221の内部の空間Sの体積が小さくなるので、空間Sの空気が圧縮される。このように、本実施形態では、第1空気ポンプ22は、垂直方向の波力を利用して、圧縮空気を発生させる。
【0037】
そして、第1ケース221および第1ピストン部222によって圧縮された圧縮空気は、流出機構224から導入通路部材25に送られる。すなわち、本実施形態では、第1空気ポンプ22は、単動型のポンプとして構成される。
ここで、流出機構224は所謂逆止弁として機能するので、流出機構224と圧力調整装置26との間の圧縮空気は、圧力調整装置26により圧力が調整される。そして、圧力調整装置26によって圧力が調整された圧縮空気が貯留タンク3に送られる。
【0038】
[第2空気ポンプ27による圧縮空気の発生方法]
次に、第2空気ポンプ27による圧縮空気の発生方法について説明する。
図7は、第2空気ポンプ27による圧縮空気の発生方法を示す図である。
先ず、図3に示す状態の浮体板212に対して、図3中の右側の方向、つまり、水平方向に波力が作用すると、浮体板212は、中空棒状部材232に対して右側に移動して、図7に示す状態となる。この際、図7中の弾性部材275の左側部分は圧縮され、弾性部材275の右側部分は引っ張られる。なお、前述したように、中空棒状部材232は水中支持部材24によって支持されているので、ほぼ一定の位置に留まっている。
【0039】
そうすると、図7中の左側に配置された2つの第2空気ポンプ27では、第2ピストン部272は、ロッド部材273およびベアリング部材274を介して中空棒状部材232に間接的に接続されているので、第2ケース271が第2ピストン部272に対して相対的に移動する。これにより、第2ケース271の内部の空間の体積が小さくなる。そのため、図7中の左側に配置された2つの第2空気ポンプ27では、圧縮空気が発生する。そして、第2空気ポンプ27にて発生した圧縮空気は、図示略の導入通路部材を介して、貯留タンク3に送られる。
【0040】
また、図7中の右側に配置された2つの第2空気ポンプ27では、第2ケース271が第2ピストン部272に対して相対的に移動して、第2ケース271の内部の空間の体積が大きくなる。そのため、第2ケース271の内部の空間に、図示略の流入機構を介して空気が流入される。
【0041】
その後、水平方向に対する波力が小さくなると、浮体板212は、ロッド部材273に接続された弾性部材275に付勢・消勢されて、図3に示す状態に戻るように移動する。すなわち、浮体板212には、図7に示す状態とは反対方向の力が作用する。そうすると、図3中の右側に配置された2つの第2空気ポンプ27では、第2ケース271の内部の空間の体積が小さくなるので、圧縮空気が発生する。そして、第2空気ポンプ27にて発生した圧縮空気は、図示略の導入通路部材を介して、貯留タンク3に送られる。
また、図3中の左側に配置された2つの第2空気ポンプ27では、第2ケース271の内部の空間の体積が大きくなるので、空気が流入される。
このように、本実施形態では、第2空気ポンプ27は、水平方向の波力を利用して、圧縮空気を発生させる。なお、第2空気ポンプ27は、前述した第1空気ポンプ22と同様に、単動型のポンプとして構成される。
【0042】
以上のような第1実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、圧縮空気発生装置2は、第1ピストン部222に対して、第1ケース221が波の影響を受けて揺動することで、内部に圧縮空気を発生させる。この際、第1ピストン部222は、水中に配置された水中支持部材24により支持されているので、水の底に構造物を設けなくても、波のエネルギーを圧縮空気に変換することができる。そのため、水深が深い場所でも圧縮空気発生装置2を設置できるので、波力発電システム1の設置場所の自由度を高くすることができる。
また、本実施形態では、波エネルギーを用いて発生させた圧縮空気を貯留タンク3に貯留し、貯留した圧縮空気にて発電を行うので、波が不規則に発生したとしても、波エネルギーの変動を貯留タンク3にて緩衝させることができる。そのため、波エネルギーによる発電を安定化させることができる。
【0043】
(2)本実施形態では、圧縮空気を発生させる圧縮空気発生装置2を8台備え、8台の圧縮空気発生装置2で発生させた圧縮空気を貯留タンク3に貯留するので、より多くの波エネルギーを圧縮空気に変換させることができる。そのため、1台の圧縮空気発生装置2が受ける波エネルギーが小さかったとしても、発電装置4による発電量を増大させることができる。
【0044】
(3)本実施形態では、圧縮空気発生装置2は圧力調整装置26を備えているので、所定の圧力に調整した圧縮空気を貯留タンク3に送ることができる。そのため、貯留タンク3の内部圧力に関わらず、圧縮空気発生装置2から貯留タンク3に圧縮空気を送ることができる。
【0045】
(4)本実施形態では、水中支持部材24に第1連通孔241および第2連通孔242が形成されるので、水中支持部材24の外部の水を水中支持部材24の内部に導入させることができる。そのため、水中支持部材24の外部の水と、水中支持部材24とを略おなじ密度にすることができるので、水中支持部材24が浮上したり、沈降したりすることを抑制することができる。したがって、水中に配置した水中支持部材24で第1ピストン部222を適切に支持することができる。
また、水中支持部材24は、内部が中空のため軽く、水中支持部材24への水の導入は水中設置時に第1連通孔241と第2連通孔242とを介して自然に行われるので、圧縮空気発生装置2を現場に設置する際、作業が容易となる。
さらに、一般的に波の運動により水中支持部材24は揺動するが、水中支持部材24の容積を大きくすることにより水中支持部材24の揺動周期を小さくすることができる。これにより、水中支持部材24の揺動周期を波の揺動周期よりも小さくすることで、波の運動と水中支持部材24の運動とを逆位相とすることができる。すなわち、波が下降する際に水中支持部材24が上昇し、波が上昇するとき水中支持部材24は下降するようにできる。換言すれば、「逆向き効果」を生じさせることができる。そして、この「逆向き効果」によって第1空気ポンプ22は水中支持部材24が静止状態に在るときよりも圧力の高い圧縮空気を生じさせることができる。
【0046】
(5)本実施形態では、発電装置4は、貯留タンク3に貯留された圧縮空気が一定圧力に達した時に空気を放出してタービン41を回転させることにより発電することができる。そのため、圧縮空気を効率良く電力に変換することができる。
【0047】
(6)本実施形態では、ベース構造体5を中心に、8台の圧縮空気発生装置2が放射状に配置されている。これにより、海上に設置された波力発電システム1を安定化させることができる。
【0048】
(7)本実施形態では、圧縮空気発生装置2は、垂直方向の波力を利用して圧縮空気を発生させる第1空気ポンプ22に加えて、水平方向の波力を利用して圧縮空気を発生させる第2空気ポンプ27を備えている。そのため、波のエネルギーを効率的に発電に利用することができる。
【0049】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0050】
前記実施形態では、波力発電システム1は、8台の圧縮空気発生装置2を備えていたが、これに限定されない。例えば、波力発電システムは、7台以下の圧縮空気発生装置を備えていてもよく、あるいは、9台以上の圧縮空気発生装置を備えていてもよい。
【0051】
前記実施形態では、貯留タンク3のタンク本体31には、各圧縮空気発生装置2に対応するように、流入部32が8つ設けられていたが、これに限定されない。例えば、導入通路部材の先端側をヘッダー管により連結させ、タンク本体31には、当該ヘッダー管に接続される流入部が1つ設けられていても良い。
【0052】
前記実施形態では、第1空気ポンプ22および第2空気ポンプ27は、単動型のポンプとして構成されていたが、これに限定されない。例えば、第1空気ポンプおよび第2空気ポンプは、複動型のポンプとして構成されていてもよい。
【0053】
前記実施形態では、水中支持部材24には、第1連通孔241および第2連通孔242を介して海水が充填されていたが、これに限定されない。例えば、水中支持部材には、海水と略同じ密度の充填物が充填されていてもよく、あるいは、水中支持部材を海水と略同じ密度になるように形成していてもよい。
【0054】
前記実施形態では、発電装置4は圧縮空気により回転されるタービン41を備えていたが、これに限定されない。例えば、発電装置は、圧縮空気により動作するピストン等を備えていてもよく、圧縮空気を電力に変換可能に構成されていればよい。
【0055】
前記実施形態では、波力発電システム1は、海上に設置されていたが、これに限定されない。例えば、波力発電システムは、波が発生する湖上に設置されていてもよく、波の影響を受けることができる位置であればよい。
【0056】
前記実施形態では、圧縮空気発生装置2は、ドーナツ状の浮体21を有していたが、これに限定されない。例えば、圧縮空気発生装置は、任意の形状の浮体を複数個有していてもよい。
【0057】
前記実施形態では、第1空気ポンプ22の第1ケース221は、円筒状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、空気ポンプのケースは、四角筒状に形成されていてもよく、あるいは、六角筒状に形成されていてもよい。
同様に、第2空気ポンプ27の第2ケース271は、円筒状に形成されていたが、これに限定されない。例えば、第2空気ポンプの第2ケースは、四角筒状に形成されていてもよく、あるいは、六角筒状に形成されていてもよい。
【0058】
前記実施形態では、圧縮空気発生装置2は、垂直方向の波力を利用して圧縮空気発生させる第1空気ポンプ22と、水平方向の波力を利用して圧縮空気を発生させる第2空気ポンプ27とを備えて構成されていたが、これに限定されない。例えば、圧縮空気発生装置は、第1空気ポンプおよび第2空気ポンプのいずれか一方のみを備えて構成されていてもよい。
【0059】
前記実施形態では、第2空気ポンプ27は、浮体板212に6個配置されていたが、これに限定されない。例えば、第2空気ポンプは、7個以上配置されていてもよく、あるいは、5個以下であってもよい。
【0060】
前記実施形態では、ベース構造体5は、貯留タンク3や発電装置4を覆う覆蓋部材52を有していたが、これに限定されない。例えば、ベース構造体に覆蓋部材が設けられない場合も、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…波力発電システム、2…圧縮空気発生装置、3…貯留タンク、4…発電装置、5…ベース構造体、21…浮体、22…第1空気ポンプ、23…棒状部材、24…水中支持部材、25…導入通路部材、26…圧力調整装置、27…第2空気ポンプ、31…タンク本体、32…流入部、33…流出部、41…タービン、42…発電機、51…ベース部材、52…覆蓋部材、211…浮体部、212…浮体板、212A…孔部、213…連結部、221…第1ケース、222…第1ピストン部、223…流入機構、224…流出機構、225…連結孔、241…第1連通孔、242…第2連通孔、271…第2ケース、272…第2ピストン部、273…ロッド部材、274…ベアリング部材、275…弾性部材、S…空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波力を利用して圧縮空気を発生させる圧縮空気発生装置と、前記圧縮空気発生装置にて発生させた圧縮空気を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気を用いて発電する発電装置とを備えた波力発電システムであって、
前記圧縮空気発生装置は、
水面に配置され、波の影響を受けて揺動する浮体と、
前記浮体と接続されて前記浮体と一体に垂直方向に揺動する第1ケースと、前第1ケースの内部に摺動可能に配置される第1ピストン部と、を備える第1空気ポンプと
前記浮体と接続されて前記浮体と一体に水平方向に揺動する第2ケースと、前記第2ケースの内部に摺動可能に配置される第2ピストン部と、を備える第2空気ポンプと、
先端側が前記第1ピストン部および前記第2ピストン部に接続される棒状部材と、
前記棒状部材に取り付けられて水中に配置され、前記棒状部材を介して前記第1ピストン部および前記第2ピストン部を支持する水中支持部材と、
発生させた圧縮空気を前記貯留タンクに導入させる導入通路部材と、を有し、
前記水中支持部材により支持された前記第1ピストン部に対して、前記第1ケースが摺動することで前記第1ケースの内部に圧縮空気を発生させ、
前記水中支持部材により支持された前記第2ピストン部に対して、前記第2ケースが摺動することで前記第2ケースの内部に圧縮空気を発生させる
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の波力発電システムにおいて、
前記圧縮空気発生装置を複数備える
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の波力発電システムにおいて、
前記圧縮空気発生装置は、前記導入通路部材に配置され、一次側から導入された圧縮空気を所定圧力に調整して二次側に排出させる圧力調整装置を備える
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の波力発電システムにおいて、
前記水中支持部材は、内部が中空とされ、かつ、内部と外部とを連通させる連通孔が形成される
ことを特徴とする波力発電システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の波力発電システムにおいて、
前記発電装置は、前記貯留タンクに貯留された圧縮空気により回転されるタービンと、前記タービンの回転を電力に変換する発電機とを有する
ことを特徴とする波力発電システム。