(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161146
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】医用画像診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A61B6/03 360Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065734
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】錦織 瞭
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 達也
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 潤
(72)【発明者】
【氏名】湊谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】奥田 良
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA33
4C093FB12
4C093FF17
4C093FF42
4C093FF50
4C093FG16
(57)【要約】
【課題】医用画像を収集した後の対応を適切に行うこと。
【解決手段】実施形態に係る医用画像診断装置は、収集部と、送信部と、受信部と、表示部とを備える。収集部は、医用画像を収集する。送信部は、医用画像に基づいて疾患を解析する医用画像処理装置に対して医用画像を送信する。受信部は、医用画像処理装置から解析結果を受信する。表示部は、解析結果に基づく警告情報を表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を収集する収集部と、
前記医用画像に基づいて疾患を解析する医用画像処理装置に対して前記医用画像を送信する送信部と、
前記医用画像処理装置から解析結果を受信する受信部と、
前記解析結果に基づく警告情報を表示する表示部と、
を備える、医用画像診断装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記医用画像が収集された被検体が疾患を有する可能性があることを示す警告情報を表示する、請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記医用画像が収集された被検体が接触した領域を示す警告情報を表示する、請求項1又は2に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記解析結果において、前記医用画像が収集された被検体に致死の疾患の疑いが示された場合に、当該被検体が退室したか否かを確認するための情報を表示する、請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記被検体が退室していた場合に、当該被検体の帰宅を防ぐための情報をネットワーク上の装置に送信する、請求項4に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
医用画像診断装置によって収集された医用画像を受信する受信部と、
前記医用画像に基づいて疾患を解析する解析部と、
前記医用画像診断装置に対して解析結果を送信する送信部と、
を備える、医用画像処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記解析結果において、前記医用画像が収集された被検体に感染症の疑いが示された場合に、所定の時間内に前記被検体を検査した医用画像診断装置に対して、前記解析結果を送信する、請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記医用画像診断装置は、X線CT装置であり、
前記解析部は、前記X線CT装置によって収集された3次元位置決め画像から解析用画像を生成し、前記解析用画像に基づいて疾患を解析する、
請求項6又は7に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
医用画像診断装置によって収集された医用画像を受信する受信部と、
前記医用画像に基づいて疾患を解析する解析部と、
前記医用画像診断装置による検査を実行する室内に配置された表示装置に対して解析結果を送信する送信部と、
を備える、医用画像処理装置。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1つに記載の医用画像診断装置と、
請求項6~9のいずれか1つに記載の医用画像処理装置と、
を備える、医用画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像診断装置は、撮像を終えた被検体が感染症や致死の疾患(killer disease)を有している可能性があるか否かを判断する機能を有していない。一方、鑑別診断支援を行う技術として、Computer-Aided Diagnosis(CADx)のような解析アプリケーションが知られており、医師の診断をサポートする目的として利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、医用画像を収集した後の対応を適切に行うことを可能にすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用画像診断装置は、収集部と、送信部と、受信部と、表示部とを備える。収集部は、医用画像を収集する。送信部は、前記医用画像に基づいて疾患を解析する医用画像処理装置に対して前記医用画像を送信する。受信部は、前記医用画像処理装置から解析結果を受信する。表示部は、前記解析結果に基づく警告情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムによって送受信されるデータの一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムにおける処理の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理システムにおける処理の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、第3の実施形態に係る医用画像処理システムにおける処理の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第4の実施形態に係る医用画像処理システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、第4の実施形態に係る医用画像処理システムにおける処理の一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、第5の実施形態に係る解析機能による処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用画像診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理システムの実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理システムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、医用画像処理システム100は、HIS(Hospital Information System)1と、RIS(Radiology Information System)2と、医用画像診断装置3と、医用画像処理装置4とを含み、ネットワーク200を介して相互に通信可能に接続される。例えば、医用画像処理システム100は、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)により構築される。なお、
図1に示すネットワーク200には、その他種々の装置及びシステムが接続される場合でもよい。
【0009】
HIS1は、HISサーバと端末装置とを含み、ネットワーク200に接続された他の装置及びシステムとそれぞれ接続され、種々の情報を相互に送受信する。例えば、HIS1は、患者情報やオーダ情報を各装置及び各システムに送信し、各装置及び各システムで実施された実施結果のレポートを受信する。また、HIS1は、各装置及び各システムからの要求に応じて、実施結果や参照情報などを送信する。
【0010】
RIS2は、RISサーバと端末装置とを含み、ネットワーク200に接続された他の装置及びシステムとそれぞれ接続され、種々の情報を相互に送受信する。例えば、RIS2は、検査業務に関する種々の情報などを、各装置及び各システムとの間で送受信する。また、RIS2は、各装置及び各システムからの要求に応じて、検査結果などを送信する。
【0011】
医用画像診断装置3は、被検体に対する検査を行う種々の装置である。例えば、医用画像診断装置3は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波検査装置、内視鏡検査装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等である。医用画像診断装置3は、被検体から画像データ(医用画像)を収集して、収集した画像データを医用画像処理装置4に送信し、画像データの解析結果を医用画像処理装置4から受信する。
【0012】
医用画像処理装置4は、医用画像診断装置3から画像データを受信して、画像データを解析し、解析結果を医用画像診断装置3に送信する。例えば、医用画像処理装置4は、サーバやワークステーション、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ機器によって実現される。
【0013】
以下、本実施形態に係る医用画像診断装置3及び医用画像処理装置4の詳細な構成について説明する。なお、本実施形態では、医用画像診断装置3として、X線CT装置3aを一例に挙げて説明する。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置3aの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置3aは、架台装置10と、寝台装置20と、コンソール装置30とを有し、カメラ51及び投光器52と接続される。
【0015】
カメラ51は、X線CT装置3aが設置された検査室内を撮影する。具体的には、カメラ51は、X線CT装置3a周辺の画像を収集して、収集した画像をX線CT装置3aに送信する。投光器52は、X線CT装置3aによる制御のもと、検査室内に光を照射する。具体的には、投光器52は、被検体及び操作者が接触した検査室内の位置に対して、光を照射する。
【0016】
架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS(Data Acquisition System)18とを有する。
【0017】
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有し、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。
【0018】
X線検出器12は、X線を検出する検出素子を複数有する。X線検出器12における各検出素子は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャンネル方向(チャネル方向)に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。なお、X線検出器12は、間接変換型でもよく、或いは、直接変換型でもよい。
【0019】
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管11が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。
【0020】
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、入力インターフェース42からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置20の動作制御を行う。
【0021】
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。例えば、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタである。コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
【0022】
DAS18は、X線検出器12が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS18は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS18は、例えば、プロセッサにより実現される。
【0023】
寝台装置20は、撮影対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台21と、寝台駆動装置22と、天板23と、支持フレーム24とを有する。基台21は、支持フレーム24を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置22は、被検体Pが載置された天板23を、天板23の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム24の上面に設けられた天板23は、被検体Pが載置される板である。
【0024】
コンソール装置30は、メモリ31と、ディスプレイ32と、入力インターフェース33と、処理回路34とを有する。
【0025】
メモリ31は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ31は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。また、例えば、メモリ31は、X線CT装置3aに含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0026】
ディスプレイ32は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ32は、処理回路34によって生成された各種の画像を表示したり、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。また、ディスプレイ32は、医用画像処理装置4による解析結果を表示する。なお、医用画像処理装置4による解析結果については、後に詳述する。例えば、ディスプレイ32は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。ここで、ディスプレイ32は、コンソール装置30に含まれるディスプレイの他、架台装置10に備えられたディスプレイを含む。なお、ディスプレイ32は、表示部の一例である。
【0027】
入力インターフェース33は、操作者から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路34に出力する。また、例えば、入力インターフェース33は、スキャン条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像データから後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を操作者から受け付ける。
【0028】
例えば、入力インターフェース33は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース33は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース33は、コンソール装置30本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース33は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置30とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路34へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース33の例に含まれる。
【0029】
処理回路34は、X線CT装置3a全体の動作を制御する。例えば、処理回路34は、収集機能341、送受信機能342及び制御機能343を実行する。ここで、例えば、
図2に示す処理回路34の構成要素である収集機能341、送受信機能342及び制御機能343が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ31内に記録されている。処理回路34は、例えば、プロセッサであり、メモリ31から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路34は、
図2の処理回路34内に示された各機能を有することとなる。
【0030】
なお、
図2においては、収集機能341、送受信機能342及び制御機能343の各処理機能が単一の処理回路34によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路34は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路34が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0031】
収集機能341は、入力インターフェース33を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データの収集に関する各種処理を制御する。具体的には、収集機能341は、架台装置10で行なわれるCTスキャンを制御する。例えば、収集機能341は、X線高電圧装置14、X線検出器12、制御装置15、DAS18及び寝台駆動装置22の動作を制御することで、架台装置10におけるCTスキャンを制御する。より具体的には、収集機能341は、位置決め画像(スキャノ画像)を収集する位置決めスキャン及び診断に用いる画像を収集する撮影(本スキャン)における投影データの収集処理及び投影データに基づく画像生成処理をそれぞれ制御する。
【0032】
例えば、収集機能341は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施して投影データを生成する。また、収集機能341は、投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。また、収集機能341は、CT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像やレンダリング処理による3次元画像等のCT画像に変換する。なお、収集機能341は、収集部の一例である。
【0033】
送受信機能342は、ネットワーク200に接続された各装置及び各システムとの間で、各種情報を送受信する。具体的には、送受信機能342は、ネットワーク200に接続された各装置及び各システムに対して、X線CT装置3aによる処理結果を送信する。また、送受信機能342は、ネットワーク200に接続された各装置及び各システムから種々の情報を受信する。例えば、送受信機能342は、医用画像処理装置4に対してCT画像データを送信する。また、送受信機能342は、医用画像処理装置4から解析結果を受信する。なお、送受信機能342は、送信部及び受信部の一例である。
【0034】
制御機能343は、メモリ31が記憶する各種画像データや、送受信機能342によって受信した解析結果に関する情報などをディスプレイ32に表示するように制御する。また、制御機能343は、カメラ51から画像を取得し、取得した画像に基づいて投光器52による光の照射を制御する。
【0035】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4の構成の一例を示す図である。医用画像処理装置4は、被検体に関する各種の情報処理を行う。具体的には、医用画像処理装置4は、ネットワークを介して医用画像診断装置3から画像データを取得し、当該画像データを用いて各種の情報処理を行う。例えば、医用画像処理装置4は、通信インターフェース41と、入力インターフェース42と、ディスプレイ43と、メモリ44と、処理回路45とを備える。
【0036】
通信インターフェース41は、医用画像処理装置4と、ネットワークを介して接続された他の装置との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インターフェース41は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0037】
入力インターフェース42は、医用画像処理装置4の操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース42は、処理回路45に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路45に出力する。例えば、入力インターフェース42は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース42は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース42の例に含まれる。
【0038】
ディスプレイ43は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ43は、処理回路45に接続されており、処理回路45から出力された各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ43は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0039】
メモリ44は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。メモリ44は、例えば、医用画像診断装置3から受信した画像データを記憶する。また、例えば、メモリ44は、医用画像処理装置4に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0040】
処理回路45は、医用画像処理装置4の全体を制御する。例えば、処理回路45は、制御機能451、送受信機能452及び解析機能453を実行する。ここで、例えば、
図3に示す処理回路45の構成要素である制御機能451、送受信機能452及び解析機能453が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ44内に記録されている。処理回路45は、例えば、プロセッサであり、メモリ44から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路45は、
図3の処理回路45内に示された各機能を有することとなる。
【0041】
なお、
図3においては、制御機能451、送受信機能452及び解析機能453の各処理機能が単一の処理回路45によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路45は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路45が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0042】
制御機能451は、メモリ44からデータを読み出し、ディスプレイ43に表示するように制御する。送受信機能452は、通信インターフェース41を介して、ネットワーク200に接続された各装置及び各システムとの間で各種情報を送受信する。例えば、送受信機能452は、医用画像診断装置3(例えば、X線CT装置3a)から画像データを受信する。また、送受信機能452は、解析機能453による解析結果を医用画像診断装置3(例えば、X線CT装置3a)に送信する。なお、送受信機能452は、送信部及び受信部の一例である。
【0043】
解析機能453は、医用画像診断装置3(例えば、X線CT装置3a)から受信した画像データに基づいて、当該画像データが収集された被検体における疾患の有無を解析する。例えば、解析機能453は、CADx(Computer-Aided Diagnosis)などの解析アプリケーションによる解析を実行する。一例を挙げると、解析機能453は、画像データを定量的に解析し、疾患(感染症及びkiller disease)の鑑別診断(例えば、ある画像所見が存在する確率を数値化して示す)に関する解析結果を取得する。例えば、解析機能453は、部位ごと、及び、画像データの種別ごとの解析アプリケーションを実行して、解析結果を取得する。
【0044】
以上、本実施形態に係る医用画像処理システム100の構成について説明した。係る構成のもと、本実施形態に係る医用画像診断装置3、医用画像処理装置4、及び、医用画像処理システム100は、医用画像を収集した後の対応を適切に行うことを可能にする。
【0045】
臨床現場では被検体の臨床症状等からある程度疾患が予測されている場合は、医療スタッフは事前に対応策を講じて検査に臨むことができる。しかしながら、無症状で感染症やkiller diseaseのような疾患を有している場合があり、この場合、医用画像診断装置が撮像を終えた被検体が感染症やkiller diseaseを有している可能性があるか否かを判断する機能を有していないため、検査をしている操作者に依存した対応が取られることとなる。すなわち、操作者が、感染症やkiller diseaseの読影に精通している場合はすぐにそれらの重要所見に気づくことができるが、そうでない場合は上記疾患を有している被検体に気付かず、医療従事者への感染、病院内での感染拡大、killer diseaseの放置による容態の急変等を招く恐れがある。
【0046】
そこで、本実施形態に係る医用画像診断装置3(X線CT装置3a)は、収集した画像データを医用画像処理装置4に送信し、解析アプリケーションによる解析結果を受領して、解析結果に基づく警告情報を表示することで、医用画像を収集した後の対応を適切に行うことを可能にする。
【0047】
以下、第1の実施形態では、被検体が感染症に罹患している場合の処理について説明する。なお、本実施形態における処理は、検査前に既に感染症に罹患していることが確定されている被検体の検査については対象外とする。
【0048】
図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100による処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図4におけるステップS101は、処理回路34が、収集機能341に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS102は、処理回路34が、送受信機能342に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS106は、処理回路34が、制御機能343に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS103は、処理回路45が、解析機能453に対応するプログラムをメモリ44から読み出して実行することで実現される。また、ステップS104及びS105は、処理回路45が、送受信機能452に対応するプログラムをメモリ44から読み出して実行することで実現される。
【0049】
ここで、医用画像処理システム100におけるデータの送受信は、各装置が、常時データの受信をモニタし、データの受信に応じて処理を実行する。例えば、医用画像処理システム100は、
図5に示すデータを送受信する。
図5は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100によって送受信されるデータの一例を説明するための図である。
【0050】
例えば、医用画像処理システム100で送受信されるデータは、
図5に示すように、「データ形式」で示される「Message ID」と、「IPv4」或いは「IPv6」に準拠する「送信元IP」と、「数値/文字列」で示される「送信元装置ID/送信元装置名称」と、「IPv4」或いは「IPv6」に準拠する「送信先IP」と、「数値/文字列」で示される「送信先装置ID/送信先装置名称」とを有する。また、医用画像処理システム100で送受信されるデータは、
図5に示すように、フラグ「Flag_urgency」として「URGENT/WARNING/INFOのいずれか」を有する。すなわち、
図4に示す処理において送受信されるデータは、その他のデータと比較して優先的に送信される。
【0051】
また、医用画像処理システム100で送受信されるデータは、
図5に示すように、「文字列」で示されるデータを「メッセージ内容」として有し、「文字列」で示される「関連する検査ID」及び「関連する被検体ID」を有する。
【0052】
例えば、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、
図4に示すように、まず、X線CT装置3aにおける処理回路34が、CT画像を収集して(ステップS101)、収集したCT画像を医用画像処理装置4に送信する(ステップS102)。なお、X線CT装置3aから送信されるCT画像は、再構成処理によって得られたCT画像データであってもよく、或いは、CT画像データに対して画像処理を行うことで得られたCT画像であってもよい。
【0053】
X線CT装置3aからCT画像を受信すると、医用画像処理装置4の処理回路45は、CT画像を解析して(ステップS103)、感染症の疑いが有るか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、処理回路45は、CT画像の受信に応じて、自動で解析アプリケーションを起動させ、感染症を鑑別するための解析アプリケーションによる解析を実行する。より具体的には、処理回路45は、受信したデータのデータ形式やデータ内容に基づいて、受信したデータに対して用いることができる全ての解析アプリケーションを選択し、選択した解析アプリケーションによる解析を実行する。
【0054】
例えば、処理回路45は、撮像された部位及び画像の種別に応じて、適用可能な全ての解析アプリケーションを選択し、選択した解析アプリケーションによる解析を実行する。一例を挙げると、処理回路45は、胸部の単純CT画像に対して適用可能な全ての解析アプリケーションを選択して解析を実行する。
【0055】
そして、処理回路45は、解析アプリケーションによって解析した結果、感染症の疑いがあるか否かを判定する。すなわち、処理回路45は、実行した解析アプリケーションの全ての結果において感染症の疑いが示されたか否かを判定する。
【0056】
ここで、感染症の疑いが無い場合(ステップS104、否定)、処理回路45は、解析結果をRIS2に送信する。一方、感染症の疑いが有る場合(ステップS104、肯定)、処理回路45は、感染症の疑い有の結果を、X線CT装置3a及びRIS2に送信する(ステップS105)。なお、RIS2は、医用画像処理装置4から受信した解析結果を被検体の情報に対応付けて管理する。
【0057】
X線CT装置3aにおいて、医用画像処理装置4から解析結果を受信すると、処理回路34は、解析結果に基づく警告情報をディスプレイ32に表示させる(ステップS106)。具体的には、ディスプレイ32は、CT画像が収集された被検体が疾患を有する可能性があることを示す警告情報を表示する。また、処理回路34は、カメラ51によって撮影された画像に基づいて、被検体及び/或いは操作者が接触した検査室内の位置を特定し、特定した位置に対して投光器52から光を照射する。
【0058】
図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム100における処理の一例を示す模式図である。例えば、医用画像処理システム100においては、X線CT装置3aが撮影を行うことでCT画像を収集して、医用画像処理装置4における解析アプリケーションにCT画像を送信する。同時に、X線CT装置3aは、収集したCT画像を読影端末に送信する。
【0059】
医用画像処理装置4における解析アプリケーションは、感染症に罹患している可能性を検出する。そして、医用画像処理装置4は、検出した感染症の疑い有の情報を、X線CT装置3aに送信する。同時に、医用画像処理装置4は、解析結果に関するレポートを読影端末に送信する。
【0060】
医用画像処理装置4から感染症の疑い有の情報を受信すると、X線CT装置3aは、ディスプレイ32にアラートを表示する。例えば、X線CT装置3aの処理回路34は、
図6に示すように、感染の可能性を示す情報と、被検体の名前と、日時とを示すアラートをディスプレイ32に表示させる。
【0061】
また、処理回路34は、被検体が接触した検査室内の位置を示す情報としてリスクマップをディスプレイ32に表示させる。例えば、処理回路34は、X線CT装置3aの外観図(例えば、X線CT装置3aの装置モデルの図)において、被検体が触った箇所を強調して表示するように制御する。なお、処理回路34は、被検体が接触した位置の情報に加えて、操作者が接触した位置の情報を、同様のリスクマップとして表示させることも可能である。
【0062】
ここで、処理回路34は、検査の実施状況に応じて警告情報の表示形態を変化させることができる。具体的には、処理回路34は、スキャン中か否かに応じて、警告情報の表示形態を変化させる。例えば、スキャンが終了している場合、処理回路34は、
図6に示すように、ディスプレイ32における操作画面の全体に警告情報を表示させる。一方、スキャンが終了していない場合、処理回路34は、X線の照射を優先させた警告情報の表示を行う。一例を挙げると、処理回路34は、スキャン中、操作画面の右上などに警告情報をポップアップ表示させる。
【0063】
さらに、処理回路34は、検査室内で被検体が触った箇所に対して投光器52から光を照射させ、被検体の接触位置を明示するように制御する。例えば、処理回路34は、
図6に示すように、検査室に設置されたX線CT装置3aの天板23において、被検体の手が触れた位置に対して投光器52から光を照射させる。また、処理回路34は、
図6に示すように、X線CT装置3aの架台装置10において、被検体の手が触れた位置に対して投光器52から光を照射させる。なお、処理回路34は、当該被検体の検査中、操作者が手で触れた位置に対しても投光器52から光を照射させるように制御することができる。
【0064】
X線CT装置3aによって警告情報が表示されると、操作者は、当該被検体が感染症を有している可能性があるという情報を確認することができる。その結果、操作者は、まだ検査室内に被検体がいる場合には感染症対策を行って被検体の対応を行うことができる。また、操作者は、必要に応じて被検体を検査室内に留めるように対応することもできる。
【0065】
また、被検体が検査室から退出したのち、投光器52によって光が照射された位置に対して、適切な清掃を行うように対応することもできる。
【0066】
上述したように、第1の実施形態によれば、収集機能341は、CT画像を収集する。送受信機能342は、医用画像に基づいて疾患を解析する医用画像処理装置4に対してCT画像を送信し、医用画像処理装置4から解析結果を受信する。ディスプレイ32は、解析結果に基づく警告情報を表示する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置3aは、検査室内の操作者に対して解析結果に基づく警告情報を提示することができ、医用画像を収集した後の対応を適切に行うことを可能にする。
【0067】
また、第1の実施形態によれば、ディスプレイ32は、医用画像が収集された被検体が疾患(感染症)を有する可能性があることを示す警告情報を表示する。したがって、第1の実施形態に係るX線CT装置3aは、検査室内の操作者に対して被検体が疾患(感染症)に罹患している可能性があることを示す警告情報を提示することができ、感染症を有する被検体に対する適切な対応を取ることを可能にする。
【0068】
例えば、操作者が画像の読影に精通していない場合でも、感染症の可能性に気づくことができ、操作者自身の感染リスクを減らすことが可能となる。また、例えば、操作者が画像の読影に精通していない場合でも、感染症の可能性に気づくことができ、検査後の被検体の行動をコントロールすることにより、不必要な感染拡大を防ぐことができる。また、被検体の重要所見の見落としを減少させることができ、より早い段階での治療の介入が可能となる。また、被検体の重要所見の見落としを減少させることができ、医療スタッフの過誤による訴訟リスクを低減することが可能となる。
【0069】
また、第1の実施形態によれば、ディスプレイ32は、医用画像が収集された被検体が接触した領域を示す警告情報を表示する。したがって、第1の実施形態に係るX線CT装置3aは、病原体に汚染された可能性がある位置に対して適切な清掃を行うことができ、感染の拡大を抑止することを可能にする。
【0070】
また、第1の実施形態によれば、送受信機能452は、X線CT装置3aによって収集された医用画像を受信する。解析機能453は、医用画像に基づいて疾患を解析する。送受信機能452は、X線CT装置3aに対して解析結果を送信する。したがって、第1の実施形態に係る医用画像処理装置4は、検査室内の操作者に対して被検体が疾患(感染症)に罹患している可能性があることを示す警告情報を提示させることができ、感染症を有する被検体に対する適切な対応を取ることを可能にする。
【0071】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、感染症の疑い有の解析結果をX線CT装置3aに送信する場合について説明した。第2の実施形態では、感染症の疑い有の解析結果をその他の医用画像診断装置3に送信する場合について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、送受信機能452による処理が異なる。以下、これを中心に説明する。
【0072】
第2の実施形態に係る送受信機能452は、解析結果において、医用画像が収集された被検体に感染症の疑いが示された場合に、所定の時間内に被検体を検査した医用画像診断装置3に対して、解析結果を送信する。例えば、送受信機能452は、同一の被検体が24時間以内に検査を受けた医用画像診断装置に対して、感染症の疑い有の解析結果を送信する。
【0073】
図7は、第2の実施形態に係る医用画像処理システム100による処理の流れを示すシーケンス図である。ここで、
図7は、
図4に示す第1の実施形態の処理の流れにステップS107~S109を追加したものである。ステップS107及びS108は、RIS2における処理回路が、対応するプログラムを読み出して実行することで実現される。また、ステップS109は、医用画像診断装置3における処理回路が、対応するプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0074】
例えば、第2の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、
図7に示すように、まず、X線CT装置3aにおける処理回路34が、CT画像を収集して(ステップS101)、収集したCT画像を医用画像処理装置4に送信する(ステップS102)。X線CT装置3aからCT画像を受信すると、医用画像処理装置4の処理回路45は、CT画像を解析して(ステップS103)、感染症の疑いが有るか否かを判定する(ステップS104)。
【0075】
ここで、感染症の疑いが無い場合(ステップS104、否定)、処理回路45は、解析結果をRIS2に送信する。一方、感染症の疑いが有る場合(ステップS104、肯定)、処理回路45は、感染症の疑い有の結果を、X線CT装置3aに送信する(ステップS105)。X線CT装置3aにおいて、医用画像処理装置4から解析結果を受信すると、処理回路34は、解析結果に基づく警告情報をディスプレイ32に表示させる(ステップS106)。
【0076】
また、感染症の疑いが有る場合(ステップS104、肯定)、処理回路45は、感染症の疑い有の解析結果をRIS2に対して送信する。ここで、処理回路45は、RIS2に対して解析結果を送信することで、送信した解析結果を他のモダリティに送信させる。
【0077】
RIS2において、医用画像処理装置4から解析結果を受信すると、該当する被検体を24時間以内に検査したモダリティを抽出する(ステップS107)。例えば、RIS2は、受信したデータの被検体IDに基づいて、当該被検体が24時間以内に検査したモダリティを抽出する。そして、RIS2は、抽出したモダリティに対して感染症の疑い有の結果を送信する(ステップS108)。
【0078】
医用画像診断装置3において、RISから解析結果を受信すると、X線CT装置3a以外の他の医用画像診断装置3の処理回路は、解析結果に基づく警告情報を自装置のディスプレイに表示させる(ステップS109)。ここで、他の医用画像診断装置3の処理回路は、該当する被検体が感染症を有する可能性があることを示す警告情報を表示したり、被検体及び/或いは操作者が接触した検査室内の位置を特定し、特定した位置の情報を表示したりする。
【0079】
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理システム100における処理の一例を示す模式図である。例えば、
図8に示すように、第2の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、医用画像処理装置4における解析アプリケーションによって、感染症に罹患している可能性が検出されると、医用画像処理装置4は、検出した感染症の疑い有の情報を、その日被検体が受けた他のモダリティ(X線CT装置3a以外の医用画像診断装置3)に送信する。
【0080】
医用画像処理装置4から感染症の疑い有の情報を受信すると、X線CT装置3a以外の医用画像診断装置3は、ディスプレイ32にアラートを表示する。例えば、X線CT装置3aの以外の医用画像診断装置3は、
図6に示すように、感染の可能性を示す情報と、被検体の名前と、日時と、リスクマップとを示すアラートを自装置のディスプレイに表示させる。さらに、X線CT装置3aの以外の医用画像診断装置3は、検査室内で被検体が触った箇所に対して投光器から光を照射させ、被検体の接触位置を明示するように制御することもできる。
【0081】
X線CT装置3aの以外の医用画像診断装置3によって警告情報が表示されると、当該医用画像診断装置3が設置された検査室における医療スタッフは、該当する被検体が感染症を有している可能性があるという情報を確認することができる。その結果、適切な清掃を行うなどの対応をとることができる。
【0082】
ここで、医用画像処理システム100は、感染症の疑い有と判定した被検体と接触の疑いのある他の被検体を特定することもできる。医用画像処理システム100においては、Modality Performed Procedure Step(MPPS)によって各モダリティから検査の実施状況がRIS2に通知される。例えば、医用画像診断装置3は、検査の実施状況について、実施済み(Completed)、中止(Discontinued)あるいは進行中(In Progress)の状態をRIS2に通知する。
【0083】
そこで、医用画像処理装置4の処理回路45は、感染症の疑い有の情報を含むデータをRIS2に送信して、当該データに含まれる検査ID及び被検体ID以降に検査された被検体を割り出すことで、感染症の疑い有と判定した被検体と接触の疑いのある他の被検体を特定することができる。
【0084】
上述したように、第2の実施形態によれば、送受信機能452は、解析結果において、医用画像が収集された被検体に感染症の疑いが示された場合に、所定の時間内に被検体を検査した医用画像診断装置3に対して、解析結果を送信する。したがって、第2の実施形態に係る医用画像処理装置4は、該当する被検体を検査した全ての医用画像診断装置3において警告情報を提示させることができ、感染症の拡大をより抑止することを可能にする。
【0085】
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、感染症の有無を解析する場合について説明した。第3の実施形態では、致死の疾患(killer disease)の有無を解析する場合について説明する。なお、第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と比較して、制御機能343による処理内容と、解析機能453による処理内容とが異なる。以下、これらを中心に説明する。
【0086】
医用画像処理装置4において、第3の実施形態に係る解析機能453は、killer diseaseを鑑別する解析アプリケーションを実行して、解析結果を取得する。具体的には、解析機能453は、X線CT装置3aから受信したCT画像に対して解析アプリケーションを実行することで、killer diseaseの疑いがあるか否かを解析する。送受信機能452は、解析機能453による解析結果をX線CT装置3aに送信する。
【0087】
X線CT装置3aにおいて、第3の実施形態に係る制御機能343は、解析結果に基づく警告情報をディスプレイ32に表示させる。具体的には、ディスプレイ32は、CT画像が収集された被検体が疾患(killer disease)を有する可能性があることを示す警告情報を表示する。
【0088】
図9は、第3の実施形態に係る医用画像処理システムにおける処理の一例を示す模式図である。例えば、第3の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、X線CT装置3aが撮影を行うことでCT画像を収集して、医用画像処理装置4における解析アプリケーションにCT画像を送信する。同時に、X線CT装置3aは、収集したCT画像を読影端末に送信する。
【0089】
医用画像処理装置4における解析アプリケーションは、killer diseaseに罹患している可能性を検出する。そして、医用画像処理装置4は、検出したkiller diseaseの疑い有の情報を、X線CT装置3aに送信する。同時に、医用画像処理装置4は、解析結果に関するレポートを読影端末に送信する。
【0090】
医用画像処理装置4からkiller diseaseの疑い有の情報を受信すると、X線CT装置3aは、ディスプレイ32にアラートを表示する。例えば、X線CT装置3aの処理回路34は、
図9に示すように、killer diseaseの可能性を示す情報と、被検体に対する対応とを示すアラートをディスプレイ32に表示させる。一例を挙げると、処理回路34は、「患者を寝かせた状態で維持してください」や、「主治医が許可するまで、患者を動かさないでください」とする警告情報をディスプレイ32に表示させる。
【0091】
X線CT装置3aによって警告情報が表示されると、操作者は、当該被検体がkiller diseaseを有している可能性があるという情報を確認することができる。その結果、操作者は、被検体をむやみやたらに移動させないように対応をとることができる。また、操作者は、ストレッチャー等の搬送用機器を用意したり、刺激を避けるような行動をとったりすることもできる。
【0092】
上述したように、第3の実施形態によれば、ディスプレイ32は、医用画像が収集された被検体が疾患(killer disease)を有する可能性があることを示す警告情報を表示する。したがって、第3の実施形態に係るX線CT装置3aは、検査室内の操作者に対して被検体が疾患(killer disease)に罹患している可能性があることを示す警告情報を提示することができ、killer diseaseを有する被検体に対する適切な対応を取ることを可能にする。
【0093】
例えば、操作者が画像の読影に精通していない場合でも、killer diseaseの可能性に気づくことができ、その後の患者の行動をコントロールすることにより、状態の悪化を防ぐことが可能となる。また、被検体の重要所見の見落としを減少させることができ、より早い段階での治療の介入が可能となる。また、被検体の重要所見の見落としを減少させることができ、医療スタッフの過誤による訴訟リスクを低減することが可能となる。
【0094】
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、killer diseaseを有している可能性がある被検体が検査室から退出する前の状況での処理について説明した。第4の実施形態では、killer diseaseを有している可能性がある被検体が検査室から退出した場合について説明する。なお、第4の実施形態では、第3の実施形態と比較して、送受信機能342及び制御機能343による処理内容が異なる。以下、これについて説明する。
【0095】
第4の実施形態に係る制御機能343は、killer diseaseを有している可能性があることを示す解析結果を受信すると、被検体が検査室から退出しているか否かを判定する。例えば、ディスプレイ32は、解析結果において、医用画像が収集された被検体にkiller diseaseの疑いが示された場合に、当該被検体が退室したか否かを確認するための情報を表示する。そして、送受信機能342は、被検体が検査室から退出している場合に、被検体が帰宅しないように、ネットワーク上の種々の装置に情報を送信する。
【0096】
図10は、第4の実施形態に係る医用画像処理システム100による処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図10におけるステップS201は、処理回路34が、収集機能341に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS202、S209、S210は、処理回路34が、送受信機能342に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS206~S208は、処理回路34が、制御機能343に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで実現される。また、ステップS203は、処理回路45が、解析機能453に対応するプログラムをメモリ44から読み出して実行することで実現される。また、ステップS204及びS205は、処理回路45が、送受信機能452に対応するプログラムをメモリ44から読み出して実行することで実現される。また、ステップS211は、HIS1に含まれるHISサーバの処理回路が、対応するプログラムをメモリから読み出して実行することで実現される。
【0097】
ここで、第4の実施形態に係る医用画像処理システム100におけるデータの送受信においても、各装置が、常時データの受信をモニタし、データの受信に応じて処理を実行する。例えば、医用画像処理システム100は、
図5に示すデータを送受信する。
【0098】
例えば、第4の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、
図10に示すように、まず、X線CT装置3aにおける処理回路34が、CT画像を収集して(ステップS201)、収集したCT画像を医用画像処理装置4に送信する(ステップS202)。なお、X線CT装置3aから送信されるCT画像は、再構成処理によって得られたCT画像データであってもよく、或いは、CT画像データに対して画像処理を行うことで得られたCT画像であってもよい。
【0099】
X線CT装置3aからCT画像を受信すると、医用画像処理装置4の処理回路45は、CT画像を解析して(ステップS203)、killer diseaseの疑いが有るか否かを判定する(ステップS204)。例えば、処理回路45は、撮像された部位及び画像の種別に応じて、適用可能な全ての解析アプリケーションを選択し、選択した解析アプリケーションによる解析を実行する。
【0100】
そして、処理回路45は、解析アプリケーションによって解析した結果、killer diseaseの疑いがあるか否かを判定する。すなわち、処理回路45は、実行した解析アプリケーションの全ての結果においてkiller diseaseの疑いが示されたか否かを判定する。
【0101】
ここで、killer diseaseの疑いが無い場合(ステップS204、否定)、処理回路45は、解析結果をRIS2に送信する。一方、killer diseaseの疑いが有る場合(ステップS204、肯定)、処理回路45は、killer diseaseの疑い有の結果を、X線CT装置3a及びRIS2に送信する(ステップS205)。なお、RIS2は、医用画像処理装置4から受信した解析結果を被検体の情報に対応付けて管理する。
【0102】
X線CT装置3aにおいて、医用画像処理装置4から解析結果を受信すると、処理回路34は、解析結果に基づく警告情報をディスプレイ32に表示させる(ステップS206)。具体的には、ディスプレイ32は、CT画像が収集された被検体が疾患(killer disease)を有する可能性があることを示す警告情報を表示する。
【0103】
そして、処理回路34は、検査が終了しているか否かを判定する(ステップS207)。ここで、検査が終了していない場合には(ステップS207、否定)、処理回路34は、警告情報の表示を継続する。一方、検査が終了している場合には(ステップS207、肯定)、処理回路34は、被検体が退出済みか否かを確認するための確認ダイアログをディスプレイ32に表示させ(ステップS208)、確認ダイアログに対する入力を受け付けることで、退出済みか否かを判定する(ステップS209)。
【0104】
ここで、退出済みではない場合(ステップS209、否定)、処理回路34は、警告情報の表示を継続する。一方、退出済みである場合(ステップS209、肯定)、処理回路34は、killer diseaseの疑い有の結果を、HIS1に送信する(ステップS210)。HIS1において、X線CT装置3aからkiller diseaseの疑い有の結果を受信すると、HIS1は、HIS1に含まれる各端末に結果を通知する(ステップS211)。
【0105】
図11は、第4の実施形態に係る医用画像処理システム100における処理の一例を示す模式図である。例えば、第4の実施形態に係る医用画像処理システム100においては、医用画像処理装置4からkiller diseaseの疑い有の情報を受信すると、X線CT装置3aは、ディスプレイ32にアラートを表示する。そして、処理回路34は、検査が終了している場合、
図11に示すように、退出済みか否かを確認するための確認ダイアログをディスプレイ32に表示させ、確認ダイアログに対する入力を受け付けることで、退出済みか否かを判定する。
【0106】
ここで、被検体が検査室から退出済みである場合、処理回路34は、killer diseaseの疑い有の情報をHIS1に送信する。killer diseaseの疑い有の情報を受信すると、HIS1におけるHISサーバは、
図11に示すように、例えば、精算時に用いられる端末装置に対して、killer diseaseの疑い有の情報を送信する。そして、HISサーバは、「名前」、「日時」、「確認事項があるため、該当患者を留めてください」とする警告情報を端末装置のディスプレイに表示させることで、被検体の帰宅を阻止する。
【0107】
また、HISサーバは、
図11に示すように、該当する被検体の主治医の端末装置に画像の確認依頼、帰宅可否の判断を促す通知を送信する。
【0108】
上述したように、第4の実施形態によれば、ディスプレイ32は、解析結果において、医用画像が収集された被検体にkiller diseaseの疑いが示された場合に、当該被検体が退室したか否かを確認するための情報を表示する。したがって、第4の実施形態に係るX線CT装置3aは、killer diseaseの疑いが示された被検体の所在を確認して、対応することを可能にする。
【0109】
(第5の実施形態)
第1~第4の実施形態では、X線CT装置3aの本スキャンによって収集されたCT画像を対象として解析を行う場合について説明した。第5の実施形態では、X線CT装置3aの位置決めスキャンによって収集されたCT画像を対象として解析を行う場合について説明する。第5の実施形態においては、第1~第4の実施形態と比較して、解析機能453による処理内容が異なる。以下、これを中心に説明する。
【0110】
第5の実施形態に係る解析機能453は、X線CT装置3aによって収集された3次元位置決め画像から解析用画像を生成し、解析用画像に基づいて疾患を解析する。具体的には、X線CT装置3aが、本スキャンのスキャン範囲を決めるための3次元の位置決めスキャン(3Dスキャノ)を実行する。そして、X線CT装置3aにおける送受信機能342が、3次元の位置決めスキャンで収集されたCT画像を、医用画像処理装置4に送信する。
【0111】
解析機能453は、3次元の位置決めスキャンで収集されたCT画像から解析用画像を生成して、生成した解析用画像を対象に解析アプリケーションを実行する。ここで、解析機能453は、例えば、機械学習に基づく学習済みモデルによって解析用画像を生成する。
図12は、第5の実施形態に係る解析機能453による処理の一例を説明するための図である。
【0112】
例えば、解析機能453は、
図12の上段の学習ステップに示すように、3DスキャノのCT画像(低品質画像)を入力画像とし、同一被検体の本スキャンのCT画像(高品質画像)を教師画像とした機械学習を複数被検体分実行することで、学習済みモデルを生成する。
【0113】
そして、解析機能453は、
図12の下段の利用ステップに示すように、3Dスキャノで収集されたCT画像を、生成済みの学習済みモデルに入力することで、解析用画像(高品質相当画像)を生成する。さらに、解析機能453は、生成した解析用画像に対して解析アプリケーションを実行することで、疾患(感染症及びkiller disease)の有無を判定するための解析結果を取得する。
【0114】
上述したように、第5の実施形態によれば、解析機能453は、X線CT装置3aによって収集された3次元位置決め画像から解析用画像を生成し、解析用画像に基づいて疾患を解析する。したがって、第5の実施形態に係る医用画像処理装置4は、3Dスキャノを実施した時点で感染症もしくはkiller diseaseを検知できるため、より早い段階での対応を可能にする。また、医用画像処理装置4は、3DスキャノのCT画像のみで解析ができる場合、本スキャンが不要となるケースが存在し、不要被ばくを防ぐことを可能とする。
【0115】
(他の実施形態)
上述した実施形態では、医用画像診断装置3として、X線CT装置3aを用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、X線診断装置、MRI装置、超音波診断装置などの他のモダリティが用いられる場合でもよい。かかる場合には、各モダリティにおける処理回路が、医用画像の送信、解析結果の受領、警告情報の表示などをそれぞれ行う。
【0116】
また、上述した実施形態では、医用画像診断装置3から医用画像処理装置4への医用画像の送信、解析アプリケーションの起動が自動で実行される場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、医用画像診断装置3から医用画像処理装置4への医用画像の送信、解析アプリケーションの起動が手動で実行される場合でもよい。
【0117】
また、上述した実施形態では、医用画像処理装置4が、医用画像診断装置3に対して解析結果(感染症の疑い有の情報、killer diseaseの疑い有の情報)を送信する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、検査室内に配置されたディスプレイを制御する制御装置に対して、解析結果が送信される場合でもよい。
【0118】
かかる場合には、医用画像処理装置4における送受信機能452は、医用画像診断装置3による検査を実行する室内に配置された表示装置に対して解析結果を送信する。例えば、検査室には、監視モニタや、HIS1、RIS2の情報が表示されるモニタなどが設置されている場合がある。送受信機能452は、それらのモニタに対して、解析結果を送信することで、それらのモニタに警告情報を表示させる。したがって、医用画像処理装置4は、検査室にいる医療スタッフに対して、警告情報を広く確認させることを可能にする。
【0119】
また、上述した実施形態では、医用画像処理装置4が、解析アプリケーションによる解析を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、医用画像診断装置3において、解析が実行される場合でもよい。かかる場合には、例えば、X線CT装置3aのメモリ31に解析機能453に対応するプログラムが記憶される。そして、処理回路34が、解析機能453に対応するプログラムをメモリ31から読み出して実行することで、上述した解析機能453と同様の処理を実行する。
【0120】
なお、上述した実施形態では、本明細書における収集部、送信部、受信部、及び、解析部を、それぞれ、処理回路の収集機能、送受信機能、及び、解析機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における収集部、送信部、受信部、及び、解析部は、実施形態で述べた収集機能、送受信機能、及び、解析機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0121】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0122】
ここで、プロセッサによって実行される医用画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)やメモリ等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この医用画像処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用画像処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0123】
また、上述した実施形態及び変形例において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0124】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0125】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、医用画像を収集した後の対応を適切に行うことができる。
【0126】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0127】
1 HIS
2 RIS
3 医用画像診断装置
3a X線CT装置
4 医用画像処理装置
32 ディスプレイ
34、45 処理回路
341 収集機能
342、452 送受信機能
453 解析機能