(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161161
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/264 20210101AFI20221014BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20221014BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20221014BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20221014BHJP
【FI】
H01M50/264
H01M50/209
H01M50/262 S
H01M50/242
H01M50/262 M
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065759
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC12
5H040CC34
(57)【要約】
【課題】拘束部材の接続作業を不要としつつ拘束部材の強度を高めて、高い拘束力で複数の蓄電セルを拘束する。
【解決手段】積層された複数の蓄電セル100と、複数のシームレス環状金属部材300とを備える。複数のシームレス環状金属部材300の各々は、積層された状態の複数の蓄電セル100と嵌合し、複数の蓄電セル100を積層方向に挟持している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の蓄電セルと、
積層された状態の前記複数の蓄電セルと嵌合し、前記複数の蓄電セルを積層方向に挟持している複数のシームレス環状金属部材とを備える、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記複数のシームレス環状金属部材の各々は、前記積層方向に延在する1対の第1辺部と、前記積層方向に直交する方向に延在して前記1対の第1辺部を互いに接続する1対の第2辺部を含み、
前記1対の第2辺部の各々の厚みは、前記1対の第1辺部の各々の厚みより厚い、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記複数の蓄電セルの各々は、開口を有する外装体、および、前記開口を封口する封口板を含み、
前記1対の第1辺部において、前記複数の蓄電セルの封口板側に位置する第1辺部の厚みは、前記複数の蓄電セルの前記外装体の底部側に位置する第1辺部の厚みより厚い、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記複数の蓄電セルの各々は、前記積層方向から見て、1対の長辺と1対の短辺とからなる矩形状の主面を有し、
前記1対の第2辺部の各々は、前記積層方向から見て、前記1対の長辺と直交している、請求項2または請求項3に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記複数の蓄電セルの前記積層方向の両側に、前記主面を覆うエンドプレートが配置されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記エンドプレートに、前記複数のシームレス環状金属部材の位置決め用突起が形成されている、請求項5に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記複数のシームレス環状金属部材は、押し出し成形された金属パイプから切断されて形成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーモジュールの構成を開示した先行文献として、特開2011-134699号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたバッテリーモジュールは、電池ユニットと、エンドプレートと、固定バンドとを備える。電池ユニットにおいては、複数の電池が連結されている。エンドプレートは、電池ユニットの端部に設置されている。固定バンドは、電池ユニットとエンドプレートとの組立体を取り囲んで固定させる。固定バンドは、熱膨張後に収縮しつつ、電池ユニットとエンドプレートとを引き締める。固定バンドには、閉ループ状をなすように両端を連結した結合部が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の蓄電セルの拘束部材に接続部がある場合、拘束部材の接続作業が必要になるとともに、拘束部材において接続部が最も強度の弱い部分となり、拘束部材によって得られる複数の蓄電セルの拘束力は接続部の強度によって制限される。
【0005】
本技術は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、拘束部材の接続作業を不要としつつ拘束部材の強度を高めて、高い拘束力で複数の蓄電セルを拘束することができる、蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に基づく蓄電モジュールは、積層された複数の蓄電セルと、複数のシームレス環状金属部材とを備える。複数のシームレス環状金属部材の各々は、積層された状態の複数の蓄電セルと嵌合し、複数の蓄電セルを積層方向に挟持している。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、拘束部材の接続作業を不要としつつ拘束部材の強度を高めて、高い拘束力で複数の蓄電セルを拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1の組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
【
図3】組電池における電池セルの構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係るエンドプレートの構成を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係るシームレス環状金属部材の構成を示す図である。
【
図6】シームレス環状金属部材を形成する状態を示す図である。
【
図7】本実施の形態に係る樹脂プレートの構成を示す図である。
【
図8】
図1の組電池を矢印VIII方向から見た図である。
【
図9】電池セルを冷却する冷却板が配置された場合の冷却板とシームレス環状金属部材との位置関係を示す図である。
【
図10】実施の形態2に係るエンドプレートの構成を示す図である。
【
図11】実施の形態2に係る組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
【
図12】実施の形態2の変形例に係る組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。「集電部」は正極集電部材および負極集電部材を総称し得る。
【0013】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電モジュール」は、電池セルないし電池モジュールに限定されず、キャパシタセルないしキャパシタモジュールを含み得る。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、組電池の基本的構成を示す図である。
図2は、
図1の組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
図3は、組電池における電池セルの構成を示す図である。
【0015】
図1~
図3に示すように、「蓄電モジュール」の一例としての組電池10は、電池セル100と、エンドプレート200と、シームレス環状金属部材300と、樹脂プレート400とを備える。なお、組電池10は、エンドプレート200を必ずしも備えていなくてもよい。
【0016】
図1および
図2に示すように、複数の電池セル100は、Y軸方向(配列方向)に並ぶように設けられる。これにより、電池セル100の積層体が形成される。電池セル100同士の間には、図示しないセパレータが介装されている。
【0017】
図3に示すように、電池セル100は、電極端子110と、筐体と、ガス排出弁140とを含む。筐体は、開口121を有する外装体120と、開口121を封口する封口板130とから構成されている。
【0018】
筐体は、略直方体形状に形成されている。具体的には、複数の電池セル100の各々の筐体は、Y軸方向(積層方向)から見て、1対の長辺123と1対の短辺124とからなる矩形状の主面122を有している。筐体には、図示しない電極体および電解液が収容されている。
【0019】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを含む。電極端子110は、封口板130上に形成されている。ガス排出弁140は、封口板130上において、正極端子111と負極端子112との中間の位置に形成されている。ガス排出弁140は、筐体内の圧力が閾値以上となった際に破断する。これにより、筐体内の可燃性ガスが筐体外に排出される。
【0020】
図2に示すように、Y軸方向(積層方向)に隣り合う電極端子110同士は、バスバー500によって互いに電気的に接続されている。これにより、複数の電池セル100が電気的に直列または並列に接続されている。
【0021】
図1および
図2に示すように、エンドプレート200は、Y軸方向(積層方向)において組電池10の両端に配置されている。すなわち、エンドプレート200は、複数の電池セル100のY軸方向(積層方向)の両側に配置されている。
【0022】
2つのエンドプレート200は、複数の電池セル100においてY軸方向(積層方向)の両端に位置する2つの電池セル100の主面122をそれぞれ覆っている。
【0023】
図4は、実施の形態1に係るエンドプレートの構成を示す図である。
図1、
図2および
図4に示すように、実施の形態1に係るエンドプレート200は、平板部210および突起220を有している。平板部210は、組電池10の幅方向(X軸方向)および上下方向(Z軸方向)に延在し、直方体状の外形を有している。突起220は、平板部210の電池セル100と接する側とは反対側の面のX軸方向の中央部に形成され、Z軸方向に延在している。突起220は、直方体状の外形を有している。
【0024】
図5は、実施の形態1に係るシームレス環状金属部材の構成を示す図である。
図1、
図2および
図5に示すように、シームレス環状金属部材300は、矩形環状の形状を有している。具体的には、シームレス環状金属部材300は、Y軸方向(積層方向)に延在する1対の第1辺部310と、Y軸方向(積層方向)に直交する方向に延在して1対の第1辺部310を互いに接続する1対の第2辺部320を含む。
【0025】
1対の第2辺部320の各々の厚みT2は、1対の第1辺部310の各々の厚みT1より厚い。本実施の形態においては、1対の第1辺部310において、複数の電池セル100の封口板130側に位置する第1辺部310Aの厚みは、複数の電池セル100の外装体120の底部側に位置する第1辺部310Bの厚みと同一である。
【0026】
図6は、シームレス環状金属部材を形成する状態を示す図である。
図6に示すように、複数のシームレス環状金属部材300は、押し出し成形された金属パイプ30からカットラインCLにて切断されて形成されている。シームレス環状金属部材300は、無端状の環状部材である。シームレス環状金属部材300は、アルミニウムまたは鉄鋼材料などの金属で形成されている。
【0027】
図7は、本実施の形態に係る樹脂プレートの構成を示す図である。
図1および
図7に示すように、樹脂プレート400は、複数の電池セル100の上側に配置されている。樹脂プレート400と複数の電池セル100との間には、機能的に区分けされた複数の空間が形成されている。
【0028】
具体的には、幅方向(X軸方向)の中央部には、ガス排出弁140から排出された可燃性ガスの流路となるガスダクトエリアTGが形成されている。幅方向(X軸方向)において、ガスダクトエリアTGの両側に、複数の電池セル100の各々と電気的に接続された配線が配置される配線エリアTLが形成されている。幅方向(X軸方向)において、2つの配線エリアTLの各々の外側に、バスバー500が配置されるバスバーエリアTBが形成されている。
【0029】
樹脂プレート400において、ガスダクトエリアTGおよび配線エリアTLに位置する天面410は平坦面であり、バスバーエリアTBに位置する天面420は下側に傾斜した傾斜面である。天面420には、複数の電池セル100にバスバー500を取り付ける際に開閉可能な開閉部421が形成されている。
【0030】
図8は、
図1の組電池を矢印VIII方向から見た図である。
図1、
図2および
図8に示すように、2つのシームレス環状金属部材300の各々は、エンドプレート200を介して積層された状態の複数の電池セル100と嵌合し、複数の電池セル100をY軸方向(積層方向)に挟持している。
【0031】
具体的には、複数の電池セル100およびエンドプレート200の積層体に対してY軸方向の圧縮力を作用させた状態でシームレス環状金属部材300をエンドプレート200に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、シームレス環状金属部材300に引張力が働く。その反作用として、シームレス環状金属部材300は、2つのエンドプレート200を互いに近づける方向に押圧する。その結果、複数の電池セル100は、2つのエンドプレート200の間で拘束されている。なお、シームレス環状金属部材300の数は、2つに限られず、3つ以上でもよい。
【0032】
本実施の形態においては、シームレス環状金属部材300の1対の第2辺部320の各々は、Y軸方向(積層方向)から見て、電池セル100の1対の長辺123と直交している。具体的には、シームレス環状金属部材300の1対の第1辺部310の各々はY軸方向(積層方向)に延在し、1対の第2辺部320の各々は上下方向(Z軸方向)に延在している。
【0033】
2つのシームレス環状金属部材300を組み付ける際には、一方のシームレス環状金属部材300をX軸方向の一方側から複数の電池セル100に嵌め合わせ、他方のシームレス環状金属部材300をX軸方向の他方側から複数の電池セル100に嵌め合わせる。この際、樹脂プレート400の天面420が傾斜面であることにより、2つのシームレス環状金属部材300を容易に嵌め合わせることができる。
【0034】
2つのシームレス環状金属部材300の各々の第2辺部320が、エンドプレート200の突起220と接触するまで、2つのシームレス環状金属部材300の各々は複数の電池セル100に嵌め込まれる。すなわち、エンドプレート200の突起220は、2つのシームレス環状金属部材300の位置決め用突起として機能する。
【0035】
2つのシームレス環状金属部材300の各々が複数の電池セル100に嵌め込まれた状態において、樹脂プレート400は、2つのシームレス環状金属部材300の各々から押圧されて複数の電池セル100に対して押しつけられている。これにより、ガスダクトエリアTGに可燃性ガスが流入した際に、可燃性ガスの圧力によって樹脂プレート400が脱落することを抑制することができる。
【0036】
図8に示すように、2つのシームレス環状金属部材300を組み付けた状態において、2つのシームレス環状金属部材300の各々は、幅方向(X軸方向)において配線エリアTLが位置する範囲内に位置している。そのため、2つのシームレス環状金属部材300を組み付けた後において、開閉部421を開閉して、バスバー500を複数の電池セル100に取り付けることが可能である。
【0037】
図9は、電池セルを冷却する冷却板が配置された場合の冷却板とシームレス環状金属部材との位置関係を示す図である。
図9に示すように、複数の電池セル100が冷却板600上に載置されている場合、シームレス環状金属部材300の下部は、冷却板600の上面に形成された凹部610内に位置している。これにより、冷却板600によって複数の電池セル100を効果的に冷却することができる。
【0038】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、複数のシームレス環状金属部材300の各々は、積層された状態の複数の電池セル100と嵌合し、複数の電池セル100をY軸方向(積層方向)に挟持している。シームレス環状金属部材300には接続部がないため、拘束部材であるシームレス環状金属部材300の接続作業を不要としつつシームレス環状金属部材300の強度を高めて、高い拘束力で複数の電池セル100を拘束することができる。
【0039】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、シームレス環状金属部材300の1対の第2辺部320の各々の厚みT2は、1対の第1辺部310の各々の厚みT1より厚い。これにより、複数の電池セル100に拘束力を作用させる第2辺部320の剛性を確保しつつ、第1辺部310を薄くして軽量化することができる。
【0040】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、複数の電池セル100の各々は、Y軸方向(積層方向)から見て、1対の長辺123と1対の短辺124とからなる矩形状のc122を有しており、シームレス環状金属部材300の1対の第2辺部320の各々は、Y軸方向(積層方向)から見て、電池セル100の1対の長辺123と直交している。これにより、シームレス環状金属部材300によって樹脂プレート400を複数の電池セル100に対して押しつけて樹脂プレート400が脱落することを抑制することができる。
【0041】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、2つのエンドプレート200は、複数の電池セル100においてY軸方向(積層方向)の両端に位置する2つの電池セル100の主面122をそれぞれ覆っている。これにより、シームレス環状金属部材300による拘束力を電池セル100の主面122全体に作用させることができるため、電池セル100が発熱により膨張して変形することを抑制することができる。
【0042】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、エンドプレート200に、シームレス環状金属部材300の位置決め用突起として機能する突起220が形成されている。これにより、組電池10においてシームレス環状金属部材300を一定の位置に配置することができる。たとえば、シームレス環状金属部材300を、幅方向(X軸方向)において配線エリアTLが位置する範囲内に配置することができる。なお、組電池10および冷却板600に2つのシームレス環状金属部材300を嵌め合わせて、すなわち、冷却板600が2つのシームレス環状金属部材300の内側に配置される構成として、冷却板600に2つのシームレス環状金属部材300の位置決め用の突起を設けてもよい。
【0043】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、シームレス環状金属部材300は、押し出し成形された金属パイプ30からカットラインCLにて切断されて形成されている。これにより、同一形状を有する複数のシームレス環状金属部材300を容易に製造することが可能である。
【0044】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る蓄電モジュールについて図を参照して説明する。実施の形態2に係る蓄電モジュールは、エンドプレートおよびシームレス環状金属部材の各々の構成が、実施の形態1に係る蓄電モジュールと異なるため、異なる部分についてのみ説明を行ない、実施の形態1に係る蓄電モジュールと同様の構成については説明を繰り返さない。
【0045】
図10は、実施の形態2に係るエンドプレートの構成を示す図である。
図10に示すように、実施の形態2に係るエンドプレート200Aは、平板部210および突起220Aを有している。突起220Aは、平板部210の上面のX軸方向の中央部に形成され、Z軸方向に延出している。突起220Aは、直方体状の外形を有している。
【0046】
図11は、実施の形態2に係る組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
図11に示すように、実施の形態2に係るシームレス環状金属部材300Aの1対の第1辺部310において、複数の電池セル100の封口板130側に位置する第1辺部310Aの厚みT1Aは、複数の電池セル100の外装体120の底部側に位置する第1辺部310Bの厚みT1Bより厚い。
【0047】
2つのシームレス環状金属部材300Aを組み付ける際には、2つのシームレス環状金属部材300Aの各々の第1辺部310Aが、エンドプレート200Aの突起220Aと接触するまで、2つのシームレス環状金属部材300Aの各々は複数の電池セル100に嵌め込まれる。すなわち、エンドプレート200Aの突起220Aは、2つのシームレス環状金属部材300Aの位置決め用突起として機能する。なお、2つのシームレス環状金属部材300Aを位置決めする構成としては、組電池10の上面にバスバー500を保持するバスバーホルダを配置し、当該バスバーホルダに2つのシームレス環状金属部材300Aの位置決め用の突起を設けてもよい。
【0048】
本実施の形態に係る蓄電モジュールにおいては、複数の電池セル100の封口板130側に位置する第1辺部310Aの厚みT1Aは、複数の電池セル100の外装体120の底部側に位置する第1辺部310Bの厚みT1Bより厚い。これにより、複数の電池セル100に対して離間している第1辺部310Aの曲げ剛性を高くして、シームレス環状金属部材300Aが複数の電池セル100から受ける反力によって曲げ変形することを抑制することができる。ひいては、シームレス環状金属部材300Aによって複数の電池セル100を高い拘束力で拘束して、電池セル100が発熱により膨張して変形することを抑制することができる。
【0049】
図12は、実施の形態2の変形例に係る組電池の樹脂プレートを除いた状態を示す図である。
図12に示すように、実施の形態2の変形例に係るシームレス環状金属部材300Bにおいては、第1辺部310Aと第2辺部320との間の角部にリブ330が形成されている。第1辺部310Aの厚みT1Aは、第1辺部310Bの厚みT1Bより厚くてもよいし、同一でもよい。
【0050】
2つのシームレス環状金属部材300Bを組み付ける際には、2つのシームレス環状金属部材300Bの各々のリブ330が、エンドプレート200Aの突起220Aと接触するまで、2つのシームレス環状金属部材300Bの各々は複数の電池セル100に嵌め込まれる。
【0051】
本変形例においては、第1辺部310Aと第2辺部320との間の角部にリブ330が形成されていることにより、第1辺部310Aの曲げ剛性を高くして、シームレス環状金属部材300Bが複数の電池セル100から受ける反力によって曲げ変形することを抑制することができる。ひいては、シームレス環状金属部材300Bによって複数の電池セル100を高い拘束力で拘束して、電池セル100が発熱により膨張して変形することを抑制することができる。
【0052】
上記の実施の形態の各構成において互いに組み合わせ可能な構成を組み合わせてもよい。
【0053】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
10 組電池、30 金属パイプ、100 電池セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 外装体、121 開口、122 主面、123 長辺、124 短辺、130 封口板、140 ガス排出弁、200,200A エンドプレート、210 平板部、220,220A 突起、300,300A,300B シームレス環状金属部材、310,310A,310B 第1辺部、320 第2辺部、330 リブ、400 樹脂プレート、410,420 天面、421 開閉部、500 バスバー、600 冷却板、CL カットライン、TG ガスダクトエリア、TL 配線エリア。