(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161164
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】文房具
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20221014BHJP
B42F 21/02 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B42D15/00 301A
B42F21/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065763
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】521148692
【氏名又は名称】荒山 義彦
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】荒山 義彦
(57)【要約】
【課題】記録された情報を検索しやすい文房具を提供する。
【解決手段】文房具は、第1のカードと、第1のカードの表に裏が接する第2のカードと、第1のカードに第1の接続部を介して設けられた第1のガイドと、第2のカードに第2の接続部を介して設けられた第2のガイドと、第1のカードと第1のガイドとの間および第2のカードと第2のガイドとの間に少なくとも位置し、第1のカード及び第2のカードが表を見せて配置されるベースと、を備える。第1のガイド及び第1の接続部の少なくとも一部は、ベースに沿って第2のガイド及び第2の接続部の少なくとも一部の所定の方向に重なり、第1のカードの所定の方向の端は、第2のカードの所定の方向の端よりも所定の方向にずれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカードと、
前記第1のカードの表に裏が接する第2のカードと、
前記第1のカードに第1の接続部を介して設けられた第1のガイドと、
前記第2のカードに第2の接続部を介して設けられた第2のガイドと、
前記第1のカードと前記第1のガイドとの間および前記第2のカードと前記第2のガイドとの間に少なくとも位置し、前記第1のカード及び前記第2のカードが表を見せて配置されるベースと、を備え、
前記第1のガイド及び前記第1の接続部の少なくとも一部は、前記ベースに沿って前記第2のガイド及び前記第2の接続部の少なくとも一部の所定の方向に重なり、
前記第1のカードの前記所定の方向の端は、前記第2のカードの前記所定の方向の端よりも前記所定の方向にずれている文房具。
【請求項2】
前記ベースの一部および前記第1のガイドは、前記第1のカードの裏側に位置し、
前記ベースの一部および前記第2のガイドは、前記第2のカードの裏側に位置する請求項1記載の文房具。
【請求項3】
前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記第1のカード及び前記第2のカードの前記所定の方向に垂直な方向に間隔をあけてそれぞれ2つ設けられ、
前記ベースの一部は、前記2つの第1の接続部の間および前記2つの第2の接続部の間に配置されている請求項2記載の文房具。
【請求項4】
前記第1のカードは、前記第2のカードが前記ベースに配置された状態で、前記ベースに着脱可能に配置されている請求項1から3のいずれかに記載の文房具。
【請求項5】
前記ベースから突出するストッパを備え、
前記ストッパは、前記第2のガイド、前記第2の接続部および前記第2のカードの少なくとも一つの、前記所定の方向の反対側に配置される請求項1から4のいずれかに記載の文房具。
【請求項6】
前記ベースの前記所定の方向の端に開閉可能に設けられた表紙を備え、
前記表紙が閉じた状態では、前記ベースに配置された前記第1のカード及び前記第2のカードに前記表紙が重なる請求項1から5のいずれかに記載の文房具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報が記録される文房具に関する。
【背景技術】
【0002】
情報が記録される文房具として、複数枚のメモ用紙を綴じたものは知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1の技術では、メモ用紙の複数に情報が記録されている場合に、重なった上のメモ用紙をめくらないと下のメモ用紙に記録された情報を見ることができないので、情報を検索し難いという問題点がある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、情報を検索しやすい文房具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の文房具は、第1のカードと、第1のカードの表に裏が接する第2のカードと、第1のカードに第1の接続部を介して設けられた第1のガイドと、第2のカードに第2の接続部を介して設けられた第2のガイドと、第1のカードと第1のガイドとの間および第2のカードと第2のガイドとの間に少なくとも位置し、第1のカード及び第2のカードが表を見せて配置されるベースと、を備える。第1のガイド及び第1の接続部の少なくとも一部は、ベースに沿って第2のガイド及び第2の接続部の少なくとも一部の所定の方向に重なり、第1のカードの所定の方向の端は、第2のカードの所定の方向の端よりも所定の方向にずれている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の文房具によれば、第1のガイド及び第1の接続部の少なくとも一部が、ベースに沿って第2のガイド及び第2の接続部の少なくとも一部の所定の方向に重なり、第1のカードの所定の方向の端は第2のカードの所定の方向の端よりも所定の方向にずれている。これにより第2のカードをめくらなくても、第1のカードのずれた部分に記録された情報を見ることができる。第2のカードや第1のカードのずれた部分に記録された情報を一目で見ることができるので、情報を検索しやすくできる。
【0008】
請求項2記載の文房具によれば、第1のカードの裏側にベースの一部および第1のガイドが位置し、第2のカードの裏側にベースの一部および第2のガイドが位置するから、第1のカードや第2のカードから横にはみ出るガイドやベースを少なくできる。よって請求項1の効果に加え、文房具の幅を小さくできる。
【0009】
請求項3記載の文房具によれば、2つの第1の接続部の間および2つの第2の接続部の間にベースの一部が位置するから、請求項2の効果に加え、ベースの構造を簡易にできる。
【0010】
請求項4記載の文房具によれば、第2のカードがベースに配置された状態で、第1のカードはベースに着脱可能に配置されているから、請求項1から3のいずれかの効果に加え、カードの入れ替えができる。
【0011】
請求項5記載の文房具によれば、第1のカード及び第2のカードの所定の方向とは反対側への移動が、ストッパによって制限される。よって請求項1から4のいずれかの効果に加え、第1のカード及び第2のカードをベースから抜け難くできる。
【0012】
請求項6記載の文房具によれば、第1のカード及び第2のカードの所定の方向への移動が、表紙によって制限される。表紙は第1のカード及び第2のカードに重なるので、請求項1から5のいずれかの効果に加え、カードに記録された情報を表紙によって隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)は第1実施の形態における文房具の斜視図であり、(b)は
図1(a)のIb方向から見た文房具の側面図である。
【
図3】(a)は
図1(b)のIIIa-IIIa線における文房具の断面図であり、(b)は第2実施の形態における文房具の断面図であり、(c)は第3実施の形態における文房具の断面図である。
【
図4】第4実施の形態における文房具の分解立体図である。
【
図5】第5実施の形態における文房具の分解立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1(a)は、第1実施の形態における文房具10の斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)のIb方向から見た文房具10の側面図である。
図1(b)ではベース20の一部の図示が省略されている。
【0015】
図1(a)に示すように文房具10は、ベース20と、ベース20に配置された第1のカード30及び第2のカード40と、を備えている。文房具10は、例えば手のひらの上にベース20を乗せてカード30,40をめくったりずらしたりできる程度の大きさである。
【0016】
ベース20は、縦方面の第1の端21から第2の端22までの距離が、横方面の端から端までの距離よりも長い部材である。ベース20の第2の端22に表紙27が接続されている。ベース20、表紙27及びカード30,40の材料は、紙、布、合成樹脂、金属が例示される。カード30,40は、本実施形態では矩形の紙製であり、同一の寸法および材料からなる。
【0017】
この明細書では、文房具10を構成する各部分の寸法を、ベース20の縦方面と同じ方面の距離を「長さ」といい、ベース20の横方面と同じ方面の距離を「幅」という。ベース20の縦方面の第1の端21と第2の端22とを通る方向(Lを付した矢印の方向)を「長さ方向」といい、ベース20の横方面の端と端とを通る方向(Wを付した矢印の方向)を「幅方向」という。
【0018】
ベース20及び表紙27は、本実施形態では矩形の合成樹脂製のシートである。ベース20の長さはカード30,40の各々の長さよりも十分に長く、ベース20の幅はカード30,40の幅とほぼ同じである。一枚のシートを折り曲げてベース20及び表紙27が形成されている。表紙27の大きさはベース20の大きさとほぼ同じである。表紙27は、ベース20の第2端22を中心に、ベース20に対して開閉する。
【0019】
図1(b)に示すように文房具10は、ベース20、カード30、カード40の順に重なっている。カード30,40は、それぞれカード30,40の裏32,42をベース20の表面23に向けてベース20に配置されている。カード30,40以外の1枚または2枚以上のカードを、カード40の上に配置したりベース20とカード30との間に配置したりしても良い。
【0020】
カード30,40の表31,41には、筆記や印刷等によって、それぞれ情報が記録される。ベース20にカード30,40が配置された状態でカード30,40に情報を記録しても良いし、ベース20に配置される前のカード30,40に情報を記録した後、そのカード30,40をベース20に配置しても良い。
【0021】
ベース20に沿ってカード30を案内するためのガイド部材50がカード30に取り付けられている。同様にベース20に沿ってカード40を案内するためのガイド部材60がカード40に取り付けられている。
【0022】
図2は文房具10の分解立体図である。第1のカード30及びガイド部材50はそれぞれ第2のカード40及びガイド部材60と同じものなので、
図2ではカード40及びガイド部材60を説明し、カード30やガイド部材50の説明は省略する。
図3(a)から
図5においても同様にカード30等の説明は省略する。カード30やガイド部材50には、カード40やガイド部材60の各部に対応する符号を付す。
【0023】
図2に示すようにカード40の長さ方向の第1の端43には、支持部44が接続されている。支持部44の長さは、カード40の長さよりも短い。本実施形態では、1枚のシートを折り曲げてカード40及び支持部44が形成されている。シートの折り目にはミシン目や溝が設けられている。シートを折り曲げてカード40と支持部44が作られるので、カード40を丈夫にできる。
【0024】
支持部44には、第1の端43から離れた位置に粘着層45が設けられている。粘着層45によって支持部44はカード40に接着され、必要に応じて支持部44をカード40から剥がすことができる。支持部44はカード40の端43につながっているので、支持部44がカード40から切り離されている場合に比べ、端43の付近の粘着層を省略できる。カード40に貼り付けられた支持部44がカード40の裏42の一部を構成するので、カード40を丈夫にできる。
【0025】
ガイド部材60は、カード40の幅方向(矢印Wの方向)に延びるガイド61と、ガイド61の幅方向の両端に設けられた接続部62と、接続部62によってガイド61の両端につながる2つの取付部63と、を備えている。ガイド部材60の材料は、紙、布、合成樹脂、金属が例示される。ガイド部材60の材料は、カード40の材料よりも機械的強度が高いものが望ましい。本実施形態ではガイド部材60は合成樹脂製である。
【0026】
ガイド61の幅は、カード40の幅よりも僅かに長く、ガイド61の長さ(矢印Lの方向の寸法)は、支持部44の長さよりも短い。2つの取付部63は、幅方向の内側に向き合っている。取付部63とガイド61との間の距離は、ベース20の厚さよりも長い。取付部63の長さは、カード40の端43と粘着層45との間の距離よりも短い。
【0027】
ガイド部材60を弾性変形させて、粘着層45によってカード40に接着された支持部44とカード40との間にガイド部材60の取付部63が差し込まれ、第2の接続部62を介して第2のカード40の裏側に第2のガイド61が設けられる。ガイド部材60を弾性変形させる代わりに、ガイド61と取付部63との間に支持部44を差し込んだ後、粘着層45で支持部44をカード40に貼り付けて、カード40にガイド61を設けても良い。
【0028】
同様にガイド部材50(
図1(b)参照)を弾性変形させて、粘着層(図示せず)によってカード30に接着された支持部34とカード30との間にガイド部材50の取付部(図示せず)が差し込まれ、第1の接続部52を介して第1のカード30の裏側に第1のガイド51が設けられる。ガイド部材50を弾性変形させる代わりに、ガイド51と取付部との間に支持部34を差し込んだ後、支持部34をカード30に貼り付けても良い。この逆の操作を行えば、カード30からガイド部材50を取り外し、カード40からガイド部材60を取り外すことができる。
【0029】
ガイド部材50,60がそれぞれ取り付けられたカード30,40は、第1のカード30、第2のカード40の順にベース20に配置される。カード40は、第1の端43の反対のカード40の第2の端46をベース20の第2の端22に向け、カード40とガイド61との間にベース20を差し込んでベース20に配置される。同様にカード30は、カード30の第2の端36(
図1(b)参照)をベース20の第2の端22に向け、カード30とガイド51との間にベース20を差し込んでベース20に配置される。
【0030】
図3(a)は
図1(b)のIIIa-IIIa線における文房具10の断面図である。ベース20はカード40とガイド61との間に位置する。同様にベース20はカード30(
図1(b)参照)とガイド51との間に位置する。これによりベース20にカード30,40を固定できる。
【0031】
さらにベース20及びガイド61は、カード40の裏側に位置する。カード40の裏側とは、カード40の表41に垂直な方向からカード40を見たときに、カード40の影に隠れる範囲をいう。これによりカード30,40の幅方向の外にはみ出るガイド51,61を少なくできる。よって文房具10の幅を小さくできる。
【0032】
さらにベース20は、ガイド61の両端につながる2つの接続部62の間に配置されている。よってベース20の構造を簡易にできる。またカード30,40の幅方向の外にベース20がはみ出ないようにできる。
【0033】
図1(b)に戻って説明する。カード40の裏42にカード30の表31が接するように、カード30,40は重ねてベース20に配置される。カード30とガイド51とをつなぐ接続部52は、カード40とガイド61とをつなぐ接続部62に対して、ベース20に沿ってベース20の第2の端22(
図1(a)参照)の方向(
図1(b)右方向)に重なっている。これは、ベース20の第2の端22からベース20と平行に接続部52を見たときに、接続部62に接続部52の一部が重なって見えるという意味である。
【0034】
カード40に取り付けられたガイド61は、ベース20に沿ってガイド51を乗り越えたりくぐったりできないから、ガイド61とガイド51との間の距離Aだけ、カード40の端46に対して、カード30の端36の位置がベース20の第2の端22の方向にずれる。カード30の表31の多くの部分はカード40に隠れるが、距離Aの分だけカード30の表31の一部が現れる。
【0035】
例えば、カード30の表31のうちカード40に隠れた部分に、ウェブサイトのログインIDとパスワードを記録し、カード30の表31のうちカード40からはみ出た部分にウェブサイトの「表題」を記録しておくことができる。ベース20の長さはカード30,40の各々の長さよりも十分に長く、さらにカード30,40は距離Aだけずれた状態で重なっているから、カードが互いに重ならないようにベース20にカードを配置する場合に比べ、ウェブサイトの情報が記録された多くのカード(カード30,40を含む)をベース20に配置できる。カード30,40は距離Aだけずれているから、カードのずれた部分に記録された多数の「表題」を一目で見ることができる。必要な表題が記録されたカードを見つけたら、そのカードを隠しているカードをめくったりずらしたりすれば、隠れていたカードに記録されている必要な情報を得ることができる。よって情報を検索しやすくできる。
【0036】
ベース20の裏面24には、ベース20の端21の付近に、ベース20から突出するストッパ26が設けられている。ストッパ26は、ベース20の裏面24から離れるにつれてベース20の第2の端22に近づくように傾斜している。ストッパ26は例えば合成樹脂製である。ベース20の裏面24に向かう力をストッパ26に加えるとストッパ26は傾倒し、力を取り除くと復元力によって元の状態に戻る。
【0037】
ストッパ26は、ストッパ26に力が加えられていない状態では、ベース20に配置されたガイド61に対してベース20の第1の端21の方向に重なる。これは、ベース20の第2の端22からベース20と平行にガイド61を見たときに、ストッパ26にガイド61の一部が重なって見えるという意味である。
【0038】
カード40とガイド61との間に第1の端21からベース20を差し込むときは、ガイド61がストッパ26に加える力によってストッパ26が倒れるので、ストッパ26に妨げられることなく、カード40はベース20に配置される。ベース20に配置されたカード40をベース20の第1の端21から取り外すときは、ストッパ26はカード40に取り付けられたガイド61のスライドを規制するから、ベース20の第1の端21からカード40が外れないようにできる。カード40がベース20の第1の端21から外れなければ、カード30もベース20の第1の端21から外れない。ストッパ26を傾倒してガイド51,61のスライドを妨げないようにすれば、カード40、カード30の順にベース20の第1の端21からカード30,40を取り外すことができる。
【0039】
ベース20にカード30,40が配置された状態で、ガイド部材50の弾性変形または支持部34の剥離によりガイド部材50をカード30から取り外せば、ベース20にカード40を配置したまま、ベース20からカード30を取り外すことができる。また、ベース20にカード40が配置された状態で、ベース20とカード40との間にカード30を差し込み、カード30にガイド部材50を取り付ければ、ベース20にカード40を配置したまま、ベース20にカード30を取り付けることができる。これによりカードの順番を任意に入れ替えたり、要らなくなったカードを任意に取り除いたりできる。
【0040】
ベース20の第2の端22に接続された表紙27を閉じると、表紙27は、ベース20に配置されたカード30,40に重なる。表紙27によってカード30,40に記録された情報を覆い隠すことができる。さらにベース20の第2の端22に表紙27が接続されているので、第2の端22からカード30,40を外れ難くできる。
【0041】
ベース20に重ねて配置されたカード30,40は、カード30,40間の摩擦およびガイド51,61による互いの長さ方向の位置規制により、一体となってベース20をスライドさせることができる。従って、別のベースをカード30,40とガイド51,61との間に差し込めば、カード30,40を一度に別のベースに移し替えることができる。
【0042】
図2に示すように、ベース20の表面23と裏面24とをつなぐ側面25のうちベース20の端21と端22との間の部分には、側面25の長さ方向に等間隔に、複数の突起28が設けられている。突起28の間隔は、第1の接続部52及び第2の接続部62の長さ方向の大きさよりわずかに大きい。突起28の間に接続部52,62が入ると、カード30,40が位置決めされ、カード30,40が整列する。突起28の高さや形は、カード30,40やガイド部材50,60に、長さ方向の一定以上の力を加えないと突起28を越えてカード30,40やガイド部材50,60が移動しない程度に適宜設定される。
【0043】
図3(b)を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施形態では、ベース20及びガイド61がカード40の裏側に設けられる場合について説明した。これに対し第2実施形態では、ベース74及びガイド71が、カード40の幅方向の両端の外側に設けられる場合について説明する。第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図3(b)は第2実施の形態における文房具70の断面図である。
図3(b)ではストッパの図示が省略されている(
図3(c)においても同じ)。
【0044】
文房具70は、第2のカード40に設けられたガイド71が、カード40の幅方向の両端から幅方向の外側へ向かってそれぞれ延びている。2つのガイド71と取付部73とをつなぐ接続部72は、ガイド71の幅方向の内側の縁からカード40の厚さ方向へ延びている。取付部73は、カード40の幅方向へ延び、カード40の裏42に接着されている。
【0045】
ベース74は、ガイド71の厚さ方向の両側、かつ、接続部72の幅方向の外側に位置し、カード40の幅の外側にそれぞれ配置されている。ベース74はカード40の長さ方向(
図3(b)紙面に垂直な方向)に延びている。連結部75はベース74をつないでいる。
【0046】
文房具70は、第1のガイドが設けられた第1のカード(いずれも図示せず)が、第2のカード40の裏42の一部に接した状態で、第2のカード40の長さ方向(
図3(b)紙面に垂直な方向)にずれて配置される。第1のガイドは、ベース74の中で、ベース74が延びる方向に第2のガイド71と重なっている。よって第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。
【0047】
図3(c)を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施形態では、ガイド71及びベース74がカード40の幅方向の外側に設けられる場合について説明した。第3実施形態では、ガイド81及びベース84が、カード40の裏側に設けられる場合について説明する。第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図3(c)は第3実施の形態における文房具80の断面図である。
【0048】
文房具80は、第2のカード40に設けられたガイド81が、カード40の幅方向の中央付近から幅方向の外側へ向かってそれぞれ延びている。ガイド81と取付部83とをつなぐ接続部82は、ガイド81の幅方向の内側の縁からカード40の厚さ方向へ延びている。取付部83は、カード40の幅方向へ延び、カード40の裏42に接着されている。
【0049】
ベース84は、接続部82の幅方向の外側、かつ、ガイド81とカード40との間に位置し、カード40の幅の内側にそれぞれ配置されている。ベース84はカード40の長さ方向(
図3(c)紙面に垂直な方向)に延びている。連結部85はベース84をつないでいる。
【0050】
文房具80は、ガイドが設けられた第1のカード(いずれも図示せず)が、第2のカード40の一部に重なった状態で、カード40の長さ方向(
図3(c)紙面に垂直な方向)にずれて配置される。第1の接続部は、ベース84の幅方向の内側で、ベース84が延びる方向に第2の接続部82と重なっている。よって第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。
【0051】
図4を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施形態から第3実施形態では、ガイド61,71,81がカード40に取り付けられる場合について説明した。第4実施形態では、ガイド91がカード40につながっている場合について説明する。第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
【0052】
図4は第4実施の形態における文房具90の分解立体図である。文房具90は、第2のカード40に設けられたガイド91が、カード40の幅方向の中央付近から幅方向の内側へ向かって延びている。ガイド91と取付部93とをつなぐ接続部92は、ガイド91の幅方向の外側の縁からカード40の厚さ方向へ延びている。取付部93は、カード40の端43につながっている。ガイド91、接続部92及び取付部93は、一枚のシート(本実施形態では厚紙)の2か所に幅方向に延びる切込みを入れ、残った部分を端が重なり合うように曲げて作られる。重なり合った部分に鉤91aが設けられている。鉤91aは、重なり合った部分を着脱可能に結合する。カード40の端43は切込みの部分である。
【0053】
ベース94は、ガイド91とカード40との間、かつ、2つの接続部92の幅方向の内側に位置し、カード40の裏側に配置されている。ベース94の幅方向の両側に補助部95が並んでいる。ベース94と補助部95とを合わせた幅は、カード40の幅とほぼ等しい。補助部95は省略できる。ベース94は複数(本実施形態では2枚)が綴じられている。文房具90は表紙27とほぼ同じ大きさの裏表紙96が設けられている。
【0054】
文房具90は、第1のガイドが設けられた第1のカード(いずれも図示せず)が、第2のカード40の裏42の一部に接した状態で、第2のカード40の長さ方向にずれて配置される。第1の接続部は、ベース94の幅方向の外側で、ベース94が延びる方向に第2の接続部92と重なっている。よって第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。
【0055】
文房具90によれば、一枚のシートからカード40,ガイド91、接続部92及び取付部93が作られるので、ガイド91、接続部92及び取付部93を別の部材で作る場合に比べ、部品点数を削減できる。ベース94が複数綴じられているので、ベース94の数の分だけ、文房具90が備えるカードの枚数を増やすことができる。裏表紙96を閉じると、ガイド91を保護できる。
【0056】
図5を参照して第5実施の形態について説明する。第1実施形態から第3実施形態では、ガイド61,71,81がカード40に取り付けられる場合について説明した。第5実施形態では、ガイド101がカード40につながっている場合について説明する。第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
【0057】
図5は第5実施の形態における文房具100の分解立体図である。文房具100は、第2のカード40、ガイド101、接続部102及び取付部103が、1枚のシート(本実施形態では厚紙)を折り曲げて作られている。シートの折り目43はカード40の端43と一致する。折り目43の幅方向の中央に、幅方向に細長く延びる穴43aが設けられている。穴43aの幅は、ベース104の幅より僅かに大きく、穴43aの長さは、ベース104の厚さより大きい。
【0058】
穴43aを挟んでカード40の反対側にガイド101が設けられている。ガイド101の幅方向の両側に、ガイド101とカード40とをつなぐ接続部102が設けられている。接続部102には、接着層からなる取付部103がそれぞれ設けられている。取付部103の幅方向の間隔は、ベース104の幅より大きい。取付部103を介してカード40に接続部102を貼り付けると、カード40の裏側にガイド101が設けられる。
【0059】
カード40は、カード40の第2の端46をベース104の第2の端22に向け、カード40とガイド101との間にベース104を差し込み、穴43aにベース104を入れてベース104に配置される。ベース104は、ガイド101とカード40との間、かつ、2つの接続部102の幅方向の内側に位置し、カード40の裏側に配置される。
【0060】
文房具100は、第1のガイドが設けられた第1のカード(いずれも図示せず)が、第2のカード40の裏42の一部に接した状態で、第2のカード40の長さ方向にずれて配置される。第1のガイドは、ベース104の裏で、ベース104が延びる方向に第2のガイド101と重なっている。第1の接続部は、ベース104の幅方向の外側で、ベース104が延びる方向に第2の接続部102と重なっている。よって第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。文房具100は一枚のシートからカード40,ガイド101、接続部102及び取付部103が作られるので、それらを別々に作る場合に比べ、部品点数を削減できる。
【0061】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこれらに何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0062】
実施形態では、カード30,40が矩形の場合について説明したが、カードを他の形にすることは当然可能である。他の形としては、円形、三角形、ハート形など任意の形が例示される。また、カード30,40が同一の寸法および材料からなる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。カード30,40を異なる寸法や材料にすることは当然可能である。
【0063】
実施形態では、カード30,40の端33,43の近く又は端33,43に隣接してガイド51,61が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。カード30,40の端36,46の近く又は端36,46に隣接してガイド51,61を設けたり、カード30,40の長さ方向の中央にガイド51,61を設けたりすることは当然可能である。
【0064】
実施形態では、ベース20,94,104の裏面にストッパ26を設け、ストッパ26がガイド51,61,91,101の移動を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えばカード30,40の移動を規制するストッパをベース20,94,104の表面に設けたり、ガイド71の移動を規制するストッパをベース74の中に設けたり、接続部72の移動を規制するストッパをベース74の外に設けたりすることは当然可能である。ストッパの形状や強度は、ストッパを設ける位置などに応じて適宜設定される。
【0065】
実施形態では、ベース20,94,104の第1の端21の付近にストッパ26を設け、ベース20,94,104の第2の端22に表紙27を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。表紙27に代えて、ベース20,94,104の第2の端22の付近にもストッパ26を設けたり、ストッパ26に代えて、ベース20,94,104の第1の端21にも表紙27を設けたりすることは当然可能である。
【0066】
第1実施形態では、ガイド51,61がカード30,40の幅方向の端から端まで連続している場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。カード30,40の幅方向の中央でガイド51,61を2つに分けることは当然可能である。
【0067】
第4実施形態で説明した複数綴じたベース94や裏表紙96を、他の実施形態における文房具10,70,80,100にあてはめることは当然可能である。ベースを綴じる代わりに、ベース20,74,84,94,104をそれぞれつなげてつづら折りにしても良い。
【符号の説明】
【0068】
10,70,80,90,100 文房具
20,74,84,94,104 ベース
26 ストッパ
27 表紙
30 第1のカード
31 第1のカードの表
36 第1のカードの端
40 第2のカード
42 第2のカードの裏
46 第2のカードの端
51 第1のガイド
52 第1の接続部
61,71,81,91,101 第2のガイド
62,72,82,92,102 第2の接続部