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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161195
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】食パン焼成用紙製容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20221014BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B65D85/50 100
B65D5/54 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065805
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】500037964
【氏名又は名称】伊藤景パック産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098198
【弁理士】
【氏名又は名称】旦 武尚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 景太
(72)【発明者】
【氏名】西久保 健中
【テーマコード(参考)】
3E035
3E060
【Fターム(参考)】
3E035AA20
3E035BA01
3E035BC01
3E035BC02
3E035BD04
3E035BD06
3E060AA03
3E060BB01
3E060BC04
3E060CE05
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE27
3E060CF05
3E060DA26
3E060EA13
(57)【要約】

【課題】
本発明は、四角形状の食パンの製造用の焼成用容器に関し、紙製の食パン焼成用容器を提供することを課題としており、焼成用容器の洗浄などの手間を除くと共に簡単に製造できる焼成用紙製容器の提供を課題とする。
併せて特に焼成時の容器の変形を低減させ、食パンの焼成を可能とすると共に焼成用容器内から食パンを取り出しやすい焼成用紙製容器の提供を課題とする。
【解決手段】
上部に開口を有する四角形状の食パンの食パン焼成用容器であって、該容器の対向する両側面の外側に折り返し部を有すると共に該容器が紙により形成する食パン焼成用紙製容器である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有する四角形状の食パンの焼成用容器であって、
該容器の対向する両側面の外側に折り返し部を有すると共に
該容器が紙により形成することを特徴とする食パン焼成用紙製容器。
【請求項2】
折り返し部に代えて重ね部を有することを特徴とする請求項1に記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項3】
折り返し部を複数層形成することを特徴とする請求項1記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項4】
重ね部を複数層形成することを特徴とする請求項2記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項5】
四角形状の食パンの食パン焼成用容器が直方体形状よりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項6】
四角形状の食パンの食パン焼成用容器が立方体形状よりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項7】
該折り返し部のない対向する両側面には容器の上部から底部方向にスリット部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項8】
容部の上部から底部方向に形成したスリット部の容器上端部には切れ込み部を有することを特徴とする請求項7に記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項9】
四角形状の食パンの食パン焼成用容器の内面に樹脂層を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項10】
食パン焼成用紙製容器が一の紙製シートを折り込んで形成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項11】
折り込みにより容器内側に位置する一の紙製シートの面に樹脂層を形成することを特徴とする請求項10記載の食パン焼成用紙製容器。
【請求項12】
一のシートで折り込んで食パン焼成用容器を形成すると共に該一のシート中に該容器の底部を形成する底部表面部を有し、
該底部表面部にはその外周部の一部に突出部を有するものであり、
該突出部が該容器の壁部に設けた差し込み用孔に差し込んで容器の成形を行うことを特徴とする請求項10又は11のいずれかに記載の食パン焼成用紙製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンの焼成用の紙製容器であって、パンの種を該紙製容器内に収納した状態で焼成することによってパンを得るためのパン焼成用紙製容器であって、特に四角形状の食パンの焼成に用いる食パン焼成用紙製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より食パンの焼成に関しては、上部開口のある四角形状の金属製焼成用容器に食パンの種を収納した上で焼成窯等を用いて焼成して食パンを焼き上げるものであった。
パン種は発酵で膨らむと共に加熱により膨らんだ状態となり焼き上がることから、焼成用の容器が変形せずに焼き上げるために金属製の焼成用容器を用いるものである。
しかし、菓子やパン種を焼成するために紙製容器も用いられている。
例えば特開2011-88637号(特許文献1)に示す紙製容器がある。
【0003】
これは襞付き容器であり、焼き上がりのパン種のふくらみを考慮して容器の変形により対処するものである。
また紙製容器入りの生パンとしては特開2006-282272号(特許文献2)により示す先行技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-88637号
【特許文献2】特開2006-282272号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の様に、パンに関しての通常は金属製の焼成用容器を用いてパンの焼成を行うものであるが、一定の場合には紙製の容器で焼成する場合がある。
特に焼きあがったパンが任意の形状でよい場合には例えば襞付きの紙製容器を用いて焼成するものであってもよいものである。
或いは板紙状に種を載置して焼成するものなどが存在している。
しかし、一般的に食パンとして認識する長方形状の食パンや四角形状の食パンに関しては、パン種の焼成に際しての膨らみに対して、所定の形状に焼き上げる必要性から変形する容器ではなく、変形しない金属製容器が一般には用いられているものである。
【0006】
これに対して、この金属製の焼成容器は焼成ごとに洗い上げて再使用されるものであり、その手間が極めて大きいものであった。
更に焼成後には販売時に別途包装などして販売することが必要であった。
従ってより手軽にかつ、焼成後の洗浄の手間などを排除できる食パンの焼成用容器が求められるものである。
更には販売時に、食パンを包装するために別途包装することが必要となるものであり、焼成後にも何らかの包装がされている食パンの提供が求められるものである。
【0007】
このように洗浄などの必要のない使い捨てで用いることができると共に簡単に成型でき、且つ焼成可能な容器が求められるものとなる。
これに対して容器入りの生パンとして特許文献2に示す構成も存在する。
しかしこれは、保存用のパンに関する構成であって、スチール缶の軽量化を図るために紙製容器に包装した生パンである。
特に円筒形の特殊形状のパンの製造のための生パンであり、この容器内で発酵させると共に容器の底と側面部とを別構成として分離させているものであり、又底部はカップ状に形成しているものである。
【0008】
更にはパン全体を包みながら上部にY字型切れ込みとフリルギャザー加工されたグラシン紙を使用する紙製容器入り生パンである。
従って、非常時の非常食や通常時とは異なる外出時などに持ち運べる特殊容器の生パンを示すものである。
更に四角形状の食パンと異なる特殊形状のパンとなってしまう。
このことより食パンとは異なると共に一般的に販売に供される食パンの製造用の焼成用容器とは異なる特殊形状の紙製容器に過ぎない。
従ってこのような特殊形状の生パンでは一般的に小売りされている食パンの焼成用には合致するものではなく、より容易にかつ、簡単に製造できる食パン焼成用紙製容器が求められているものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
係るため請求項1に係る発明は上部に開口を有する四角形状の食パンの食パン焼成用容器であって、該容器の対向する両側面の外側に折り返し部を有すると共に該容器が紙により形成する食パン焼成用紙製容器からなり、係る発明により前記課題を解決できる。
また請求項2に係る発明は、折り返し部に代えて重ね部を有する食パン焼成用紙製容器であり、係る発明を用いてもよい。 或いは請求項3に係る発明のように折り返し部を複数層形成する食パン焼成用紙製容器であっても、或いは請求項4に係る発明のように重ね部を複数層形成する食パン焼成用紙製容器でもよい。
【0010】
これらの場合請求項5に係る発明のように四角形状の食パンの食パン焼成用容器が直方体形状よりなる食パン焼成用紙製容器でも、或いは請求項6に係る発明のように四角形状の食パンの食パン焼成用容器が立方体形状よりなる食パン焼成用紙製容器でもよい。
更に、請求項7に係る発明のように該折り返し部のない対向する両側面には容器の上部から底部方向にスリット部を有する食パン焼成用紙製容器でもよい。
また、請求項8に係る発明のようにスリット部の容器上端部には切れ込み部を有する食パン焼成用紙製容器でもよい。
【0011】
これらの場合請求項9に係る発明のように四角形状のパン焼成用容器の内面に樹脂層を有する食パン焼成用紙製容器でもよい。
更に請求項10に係る発明のように食パン焼成用紙製容器が一の紙製シートを折り込んで形成する食パン焼成用紙製容器を用いてもよく、この場合請求項11に係る発明のように折り込みにより容器内側に位置する一の紙製シートの面に樹脂層を形成する食パン焼成用紙製容器を用いてもよい。
これらの場合請求項12に係る発明のように一のシートで折り込んで食パン焼成用容器を形成すると共に該一のシート中に該容器の底部を形成する底部表面部を有し、該底部表面部にはその外周部の一部に突出部を有するものであり、該突出部が該容器の壁部に設けた差し込み用孔に差し込んで容器の成形を行う焼成用容器を用いるものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように構成したことから、まず請求項1に係る発明により食パン用の焼成用容器を紙で構成できるものとなる。
特に両側面の外側に折り返し部を有することにより食パンの種が焼成時に膨らんでも強度をもって変形の防止ができるものとなる。
従って焼成時の変形を防止できる紙製の焼成用容器の提供を可能とする。
次に請求項2に係る発明によって、折り返し部ではなく重ね部をもって容器の変形を防止するものであってもよい。
また請求項3に係る発明によって折り返し部を複数層に形成することによって側面の強度を高く保つことができ、焼成時の容器の変形の防止ができる。
従って紙製の容器によっても食パンの焼成用容器を形成できるものである。
【0013】
更に請求項4に係る発明のように重ね部を複数層用いても同様に焼成時に変形しない紙製焼成用容器の提供ができる。
更に請求項5に係る発明によって四角形状の食パンの食パン焼成用容器が直方体形状よりなる食パン焼成用容器からなるものであってもよく、また請求項6に係る発明の様に立方体形状よりなるものであってもよい。
四角形状の食パンが任意の四角形状であってもよく、その焼成用容器として各種の四角形状に合致させることができる。
更に請求項7に係る発明によって折り返し部のない対向方向の両側面にスリット部を有することから、このスリットを用いて焼成後に容器を引き裂くことができ、簡単に食パンを取り出せるものとなる。
【0014】
更に請求項8に係る発明によってスリット部の容器上端部に切れ込み部を有するものであり、この部分から簡単に包丁などのナイフを切り込むことができ、任意の幅をもって食パンをカットすることができることとなる。
特に容器内にある焼成した食パンを任意幅に切り分けられると共にスリット部によって、そのカットも所定の方向に切り込むことができる。
請求項9に係る発明によって食パン焼成用容器の内面に樹脂層を有することによって焼き上げた食パンの容器へのくっつきを低減できるものとなる。
請求項10に係る発明によって一の紙製シートを折り込んで形成することができるものであり、簡単に低価格で成型できるものとなる。
【0015】
更に請求項11に係る発明によって容器の内側となる一の紙製シートの面に樹脂層を形成することによって、食パン焼成時の食パンのくっつきの低減が図れると共に、容器製造時の簡単に製造できるものとなる。
請求項12に係る発明によって一のシートを食パン焼成用容器に簡単に折り込んで成形できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る食パン焼成用紙製容器の一例を示す図。
図2】本発明に係る食パン焼成用紙製容器の他の一例を示す図。
図3】本発明に係る食パン焼成用紙製容器であって一枚の紙製シートからなる食パン焼成用紙製容器を展開した状態の一例を示す図。
図4図3に示す一枚の紙製シートを折り込んでいる状態の一例を示す図。
図5図3に示す一枚のシートをもちいて本発明に係る食パン焼成用容器を組み立てた状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の食パン焼成用紙製容器に係る発明の一例を示す図である。
現在多用されている食パンの焼成用容器の一例である。
長尺状の食パンの種を入れた状態で窯などを用いて焼成するものである。
本容器は紙例えば、ライナ紙間に段繰りを有する段繰り紙を接着部材で貼着したダンボールの加工紙であるいわゆる段ボール紙によって成形された紙或いは若干の厚みを有する紙等によって成形されている。
更に、必要に応じて内面に焼成後の食パンが容器にくっつくことを防止するために剥離性のある樹脂層が塗布或いはラミネートされているものである。
【0018】
例えば耐熱性の高い樹脂層等が最適である。
更に本容器の対向する二面の側面1の外面には折り返された折り返し部10を有する。
本図においては長辺によって形成されている両側壁部である両側面1の外側面には本体から折り返された折り返し部10を有する。
即ち本図構成においては長辺部の側面1である側壁を更に上部迄延在させて外側に折り込んで折り返し部10を形成しているものである。
この折り返し部10によってその面の壁部の強度を高めることができ、食パン焼成時のふくらみを防ぐことができる。
【0019】
更に、この折り返し部10には必要に応じて多数層の折り返し部を形成するものであってもよい。
また、折り返しではなくこの部分の壁部である両側面1には更に紙部材を重ねて二層或いは複数層として重ね部分を有するものであってもよい。
例えば折り返し部を有したうえ更に紙製部材を重ねて重ね部を形成するものであってもよい。
従って必要に応じて両側の外側側壁部分に複数層を重ねて折り返し部又は重ね部を形成するものであってもよい。
【0020】
このように形成することにより壁部の強度を高められ、焼成時の焼成用容器の変形を防止できる。
次に短辺からなる両側部である壁部即ち折り返し部を有していない対向する両側部2の両側壁部自体には焼成後に焼き上げられたパンの取り出しを容易にするための容器の切り裂き用にスリット部20を有する。
該スリット部20は容器の上端部から底部方向に形成しているものである。
本図では底部方向では容器の側辺部方向に屈曲して形成されている。
このように形成することによってスリット部20の切り裂きにおいて長辺部の切り取りを容易にできる。
【0021】
もとよりこのような屈曲ではなく、まっすぐに底部方向に延びるスリットであってもよい。
従ってこのスリット部20を切り裂くことによって容器を切り開くことができ、焼成した食パンの取り出しを容易にする。
尚、該スリット部20の上部の容器上端部には切れ込み部20aを有する。
以上のように食パン焼成用紙製容器を用いることにより、紙製容器で食パンの焼成ができると共に、該容器は一回の使用で用途を使い切ることができるものとなり、使い回し用の焼成容器の洗浄などの手間を除くことができる。
従って手間をかけずに焼成作業ができると共に、一回ごとに容器を使い切ることから衛生的な焼成用容器の使用ができる。
【0022】
次に図2は、長尺状の食パンではなく、略立方体形状の食パンの焼成用紙製容器の一例を示す。
現在特に長尺状ではなく少人数用の食パンも求められているものであり、特にこの使用人数用の食パンの焼成用容器も求められている。
従ってこのように食パンの焼成用容器に最適な一例を示す。
まず本焼成用容器は紙製からなり、例えば厚紙に限らず若干厚めの紙を用いてもよい。
またこの紙はダンボール紙を用いて形成するものであってもよい。
【0023】
次にこの立方体状の容器の対向する二面の壁部である側面1の外面には折り返し部10を有する。
この折り返し部10は複数層の折り返し部10を形成するものであってもよい。
又必要に応じて折り返し部10に代えて重ね部を有するものであってもよい。
この重ね部に関しても複数層有するものであってもよい。
この折り返し部10又は重ね部を有することによって、焼成用容器の強度を高めることができ、パン種の焼成時のふくらみによっても容器の変形を防止できる。
従って形の良い食パンの焼成を可能とする。
【0024】
尚、この折り返し部10又は重ね部は該側面1の開口部方向の上部から下部方向に掛けて任意の長さで形成するものである。
従って該側面1全面に有するものに限らず任意の長さで形成して該側面1の外面の一部に有するものであってもよい。
次にこの折り返し部10又は重ね部を有する側面とは異なり、該折り返し部10等を有する側面1同士の間にある対向する他の両側面2である壁面にはそれぞれ切り込み部20aとスリット部20を有する。
切れ込み部20aには包丁などを用いて、該位置から容器内の食パンを切ることができる。
【0025】
例えばこの切れ込み20aをそれぞれ両側の壁部上部に等間隔に入れると、食パンを任意の厚さできることができる。
次に側面にスリット部20を有するが、このスリットにより該側面の該壁部を切り開くことができ、容器内の食パンの取り出しを容易にする。
本図のように切れ込みの先端部分からスリット部20が容器底部方向に形成すると、例えば包丁での切り分けのために食パンの切断を容易に行えることとなる。
【0026】
図3は、略立方体形状の食パンの焼成用紙製容器の一例であって、一枚の紙を一定の形状に切り取ると共に、この紙を折り込み、必要個所を接着することにより略立方体形状の食パンの焼成用紙製容器を成型できる一例を示す。
まず、壁部四面を有する紙本体には、そのうち間を一つ明けた2か所には上部方向に折り返し部10を有する。
更に、底部を形成するための底部片30、31、32と底部全体の最上面である表面となる面を形成するための底部片の一つである底部表面部33を有する。
【0027】
この底部片30、31、32、33は夫々容器の内部方向に折り込むものであるが、該底部片の最上面に底部表面部33を位置させる。
これによって該容器の底部のうち食パンの種に接する面をこの底部表面部33と接することとなる。
従ってひとつの平らな面が底部に位置することから食パンの底部をきれいな面として焼き上げることができる。
底部表面部33の先端部分には突出部33aを有しているが、この突出部33aは容器を組み上げた段階で該底部表面部に対向する壁部にその差し込み用孔4を有する。
【0028】
この突出部を差し込み用孔4に差し込むことによって本容器の底部をきっちりと定位置である底部に形成できる。
従って、この突出部33aは底部表面部33を組み立てて本容器の底面一に定置させるための爪としての役割を有するものであって、この突出部33aを該差し込み用孔4に差し込むことによって成形するものとなる。
尚、底部片30、31、32、33は成形時に必要に応じて接着部材などで接着してもよく、或いは他端に折り込んで略立方体状に容器を組み立てたものであってもよい。
【0029】
図4は、上部の折り込み返し部10を折り込むために折り曲げた状態の一例を示している。
更に、底部は容器内方向に底部表面部33が折り込まれている状態の一例を鎖線で示しており、特に底部表面部33の折り込む前の状態を二点鎖線で明示している。
またその外側方向にはそれぞれの壁部の下方向に形成している底部片30、31、32が折り込まれている状態態の一例を示しているものであり、夫々焼成用容器が折り込まれて成形する前段階の折り曲げている最中の状態の一例を示す。
【0030】
以上のように一の紙製シートを一定形状に形成したうえで折り込むことによって、食パン焼成用紙製容器を形成できるものであり、低廉且つ簡単に焼成用紙製容器を成型できる。
更に一枚のシートから形成できることから不必要な漏れなどを少なくできる。
尚、一のシートにより形成する際に該シートの容器の本体内方向に一面に焼成したパンの不必要なくっつきを防止できはがれやすくするための樹脂層をラミネート或いは塗布するものであってもよい。
【0031】
少なくとも容器成型時に内側に位置する該シートの面に樹脂層を形成するものであればよい。
尚、底部表面部33の突出部33aは本容器を組み立てた際に、壁部に形成している差し込み用孔4に差し込むことができ、これによって本容器の折り込みによる組み立てに際して容器をきっちりのくみ上げることができるものであり、この差し込み用孔4から突出部33aが不用意に外れることがなく、容器の形状を維持できるものであって、特に焼成時に容器の形状が崩れるようなことを防止できる。
【0032】
次に図5は、一枚のシートを折り込んで本発明に係る食パンの焼成用紙製容器を組み立てて成型した状態の一例を示す図である。
従って一枚のシートを必要な形状に形成した後このシートを組み立てることにより本発明に係る食パン焼成用紙製容器を成型できるものである。
このように形成することにより紙シートからなる焼成用を形成できると共にいわゆる使い捨ての簡易容器を簡単に成型できるものである。
このことより、焼成ごとの洗浄が不要であって衛生的に使用できるものとなる。
【0033】
更に紙シートの組み立てによって簡単にかつ低廉で成型できるものとなる。
また紙製でありながら十分に焼成に耐えると共に焼成時の膨らみにも対処でき、所定の形状に焼き上げることのできる食パン焼成用紙製容器を提供できる。
更に前記の通り、底部表面部33の突出部33aを壁部の差し込み孔4に挿入することによって、本容器の形態をきっちりとかつ簡単に組み上げられると共に不用意に外れることがなく、容器の成型を崩すことを防止できる。
【符号の説明】
【0034】
1 側面
10 折り返し部
2 側面
20 スリット部
20a 切れ込み部
30 底部片
31 底部片
32 底部片
33 底部表面部
33a 突出部
4 差し込み用孔
図1
図2
図3
図4
図5