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特開2022-161217車両用解錠制御装置、車両用解錠制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161217
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】車両用解錠制御装置、車両用解錠制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20221014BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20221014BHJP
   G08B 13/00 20060101ALI20221014BHJP
   G08B 13/22 20060101ALI20221014BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20221014BHJP
   H04B 1/3822 20150101ALI20221014BHJP
【FI】
E05B49/00 J
B60R25/24
G08B13/00 B
G08B13/22
G08B21/00 U
H04B1/3822
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065848
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 克彰
【テーマコード(参考)】
2E250
5C084
5C086
5K011
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
2E250JJ05
2E250LL01
5C084AA04
5C084AA10
5C084BB31
5C084CC19
5C084DD07
5C084EE06
5C084HH01
5C084HH03
5C084HH07
5C084HH09
5C084HH10
5C084HH20
5C086AA26
5C086AA28
5C086BA22
5C086CA06
5C086DA40
5C086FA01
5C086FA02
5C086FA11
5C086FA17
5C086FA18
5C086FA20
5K011JA01
5K011KA16
5K011KA17
(57)【要約】
【課題】リレーアタックの被害を受けることを抑制すること。
【解決手段】車両用解錠制御装置40は、車両のドアを解除するリモートコントロールキー10から、ドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御部41と、リモートコントロールキー10からリモートコントロールキー10の位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御部42と、解錠情報を示す第一無線信号を受信したときの、位置情報を示す第二無線信号に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定部44と、車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御部45と、を備え、施錠制御部45は、解錠判定部44の判定結果に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から閾値未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御部と、
前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御部と、
前記第一受信制御部が前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御部が受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定部と、
前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御部と、
を備え、
前記施錠制御部は、前記解錠判定部の判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する、
車両用解錠制御装置。
【請求項2】
前記解錠判定部の判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値以上の距離に位置する場合、警告を出力する警告制御部、
を備える請求項1に記載の車両用解錠制御装置。
【請求項3】
前記解錠判定部は、前記リモートコントロールキーが前記車両から第二閾値以上第一閾値未満の距離に位置するか否か、及び、前記リモートコントロールキーが前記車両から第二閾値未満の距離に位置するか否かを判定し、
前記施錠制御部は、前記解錠判定部の判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から第二閾値以上第一閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠し、前記リモートコントロールキーが前記車両から第二閾値未満の距離に位置する場合、前記車両の解錠とともにドアを開放し、
前記第一閾値は、前記閾値であり、
前記第二閾値は、前記第一閾値より小さい
請求項1または2に記載の車両用解錠制御装置。
【請求項4】
車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御ステップと、
前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御ステップと、
前記第一受信制御ステップによって前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御ステップによって受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定ステップと、
前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御ステップと、
を含み、
前記施錠制御ステップは、前記解錠判定ステップの判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する、
車両用解錠制御方法。
【請求項5】
車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御ステップと、
前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御ステップと、
前記第一受信制御ステップによって前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御ステップによって受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定ステップと、
前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御ステップと、
を含み、
前記施錠制御ステップは、前記解錠判定ステップの判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する、
コンピュータが実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用解錠制御装置、車両用解錠制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるキーレスエントリーおよびスマートキーなどのような車両用のリモートコントロールキーでリレーアタックを防止するために、リモートコントロールキーを振動させて、通信の起動モードを開始する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-016840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、意図しない動きでも振動と見なされ、通信の起動モードが開始するおそれがある。ところが、ユーザが気付かない意図しない動きで通信の起動モードが開始されたときは、リレーアタックを防止することは難しい。このように、リモートコントロールキーを使用した車両の安全な解錠には改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リレーアタックの被害を受けることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両用解錠制御装置は、車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御部と、前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御部と、前記第一受信制御部が前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御部が受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定部と、前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御部と、を備え、前記施錠制御部は、前記解錠判定部の判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する。
【0007】
本発明に係る車両用解錠制御方法は、車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御ステップと、前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御ステップと、前記第一受信制御ステップによって前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御ステップによって受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定ステップと、前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御ステップと、を含み、前記施錠制御ステップは、前記解錠判定ステップの判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する。
【0008】
本発明に係るプログラムは、車両のドアを解除するリモートコントロールキーから、前記車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する第一受信制御ステップと、前記リモートコントロールキーから前記リモートコントロールキーの位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する第二受信制御ステップと、前記第一受信制御ステップによって前記解錠情報を示す前記第一無線信号を受信したときの、前記第二受信制御ステップによって受信した前記位置情報を示す前記第二無線信号に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置するか否かを判定する解錠判定ステップと、前記車両のドアの施錠状態を制御する施錠制御ステップと、を含み、前記施錠制御ステップは、前記解錠判定ステップの判定結果に基づいて、前記リモートコントロールキーが前記車両から閾値未満の距離に位置する場合、前記車両のドアを解錠する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リレーアタックの被害を受けることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置を有する車両用解錠システムの構成例を示す概略図である。
図2図2は、リモートコントロールキーの位置の閾値を説明する概略図である。
図3図3は、第一実施形態に係る車両用解錠システムにおける処理の流れを説明する図である。
図4図4は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図6図6は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置を有する車両用解錠システムの構成例を示す概略図である。
図7図7は、第二実施形態に係る車両用解錠システムにおける処理の流れを説明する図である。
図8図8は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用解錠制御装置、車両用解錠制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
[第一実施形態]
(車両用解錠システム)
図1は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置40を有する車両用解錠システム1の構成例を示す概略図である。車両用解錠システム1は、車両の運転者および運転者以外の搭乗者を含むユーザはリモートコントロールキー10を使用して、車両の解錠を行う。車両用解錠システム1は、リモートコントロールキー10と、車両用解錠装置30とを備える。
【0013】
(リモートコントロールキー)
リモートコントロールキー10は、車両のドアの施錠および解錠を行うリモートコントローラ型のキーである。リモートコントロールキー10は、車両のユーザによって携帯される。リモートコントロールキー10は、施錠情報または解錠情報を示す第一無線信号を送信する。本実施形態では、リモートコントロールキー10から送信された第一無線信号は、車両用解錠装置30の車両用解錠制御装置40の施錠制御部45で受信される。リモートコントロールキー10は、警告部33の警告を停止させる停止信号を送信する機能を有していてもよい。
【0014】
リモートコントロールキー10は、送信部11と、GPS(Global Positioning System)受信部12と、送信制御装置20とを有する。
【0015】
送信部11は、通信ユニットである。送信部11は、車両用解錠装置30とデータを送受信可能に接続する。送信部11は、例えば、Bluetooth(登録商標)を含む近距離無線通信が可能である。送信部11は、第一送信部111と第二送信部112とを有する。第一送信部111と第二送信部112との通信方式は同じでも異なるものでもよい。なお、同じ通信方式である場合、周波数帯が重ならないようにする。
【0016】
第一送信部111は、後述する第一無線信号を送信する。第一送信部111は、送信制御装置20の第一送信制御部21によって送信が制御される。
【0017】
第二送信部112は、後述する第二無線信号を送信する。第二送信部112は、送信制御装置20の第二送信制御部24によって送信が制御される。
【0018】
GPS受信部12は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部12は、受信した電波の信号を送信制御装置20の位置情報取得部22へ出力する。
【0019】
(送信制御装置)
送信制御装置20は、リモートコントロールキー10から車両用解錠装置30への第一無線信号の送信を制御する。送信制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。送信制御装置20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。送信制御装置20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは送信制御装置20におけるデータの一時記憶などに用いられる。送信制御装置20は、第一送信制御部21と、位置情報取得部22と、暗号化処理部23と、第二送信制御部24とを有する。
【0020】
第一送信制御部21は、車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の送信を制御する。第一送信制御部21は、第一送信部111を介して、常時、解錠情報を示す第一無線信号を送信する。第一送信制御部21は、例えば、リモートコントロールキー10の本体に設けられた施錠操作部がユーザによって操作されたときに、第一送信部111を介して、解錠情報を示す第一無線信号を送信してもよい。
【0021】
また、第一送信制御部21は、車両のドアを施錠する施錠情報を示す第一無線信号の送信を制御する。第一送信制御部21は、例えば、リモートコントロールキー10の本体に設けられた施錠操作部がユーザによって操作されたときに、第一送信部111を介して、施錠情報を示す第一無線信号を送信してもよい。
【0022】
位置情報取得部22は、GPS受信部12が受信した電波に基づいて、リモートコントロールキー10の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。
【0023】
暗号化処理部23は、位置情報取得部22が取得した位置情報を、暗号鍵を用いて暗号化する。暗号鍵を用いて暗号化する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0024】
暗号鍵は、図示しない送信制御装置20の記憶部に記憶されている。暗号鍵は、所定時間間隔で更新されることが好ましい。暗号鍵は、暗号化を実行するたびに更新されることが好ましい。暗号鍵は、リモートコントロールキー10が車両内に入り、エンジンを起動するとき、エンジンを停止したとき、または、ドアの開閉時に更新してもよい。また、暗号鍵の更新は、車両用解錠装置30の記憶部とともに送信制御装置20の記憶部に記憶されている暗号鍵も同時に更新する。
【0025】
第二送信制御部24は、位置情報取得部22が取得した、リモートコントロールキー10の位置情報を示す第二無線信号の送信を制御する。本実施形態では、第二送信制御部24は、第二送信部112を介して、暗号化した位置情報を示す第二無線信号の送信を制御する。
【0026】
(車両用解錠装置)
車両用解錠装置30は、車両に搭載されている。車両用解錠装置30は、リモートコントロールキー10からの第一無線信号に基づいて、車両のドアを施錠または解錠する。車両用解錠装置30は、受信部31と、電子錠32と、警告部33と、車両用解錠制御装置40とを備える。
【0027】
受信部31は、通信ユニットである。受信部31は、リモートコントロールキー10とデータを送受信可能に接続する。受信部31は、例えば、Bluetoothを含む近距離無線通信が可能である。受信部31は、第一受信部311と第二受信部312とを有する。第一受信部311と第二受信部312との通信方式は同じでも異なるものでもよい。なお、同じ通信方式である場合、周波数帯が重ならないようにする。
【0028】
第一受信部311は、後述する第一無線信号を受信する。第一受信部311は、車両用解錠制御装置40の第一受信制御部41によって受信が制御される。
【0029】
第二受信部312は、後述する第二無線信号を受信する。第二受信部312は、車両用解錠制御装置40の第二受信制御部42によって受信が制御される。
【0030】
電子錠32は、車両の各ドアに配置されている。電子錠32は、車両のドアの施錠および解錠を制御する。電子錠32は、リモートコントロールキー10からの施錠情報または解錠情報を示す第一無線信号を受信することにより、ドアを解錠または施錠する。電子錠32は、リモートコントロールキー10の本体に設けられた施錠操作部または車両に設けられた施錠操作部がユーザにより操作されることにより、ドアを解錠または施錠する。電子錠32は、車両用解錠制御装置40の施錠制御部45からの制御信号に基づいて、ドアを解錠または施錠する。
【0031】
警告部33は、車両のドアを不法に解錠とする行為に対して、警告を出力する。警告部33は、例えば、スピーカ、表示装置、発光体、ブザー、バイブレータなどである。警告部33は、車両に配置される。警告部33は、また、図示していない第三無線信号を介して不法に解錠している行為をリモートコントロールキー10に配置している図示していない警告部に対して送信し、リモートコントロールキー10のユーザに警告部33を用いてメッセージ等で警告させてもよい。警告部33は、車両用解錠制御装置40の警告制御部46からの制御信号に基づいて警告を出力する。
【0032】
警告部33は、車両のドアを解錠できない場合に、警告を出力する。より詳しくは、警告部33は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10が車両から閾値以上の距離に位置する場合、車両のドアを不法に解除する行為を行った場合、警告を出力する。
【0033】
警告部33は、警告を出力した後、ユーザによる図示しない操作部に対する所定の操作が検出された場合に、警告を停止してもよい。警告部33は、警告を出力した後、リモートコントロールキー10からの停止信号を受信した場合に、警告を停止してもよい。
【0034】
(車両用解錠制御装置)
車両用解錠制御装置40は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。車両用解錠制御装置40は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。車両用解錠制御装置40には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは車両用解錠制御装置40におけるデータの一時記憶などに用いられる。車両用解錠制御装置40は、第一受信制御部41と、第二受信制御部42と、復号化処理部43と、解錠判定部44と、施錠制御部45と、警告制御部46とを有する。
【0035】
第一受信制御部41は、車両のドアを解除するリモートコントロールキー10から、ドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する。より詳しくは、第一受信制御部41は、第一受信部311を介して、リモートコントロールキー10の第一送信部111から送信された解錠情報を示す第一無線信号を受信する。
【0036】
また、第一受信制御部41は、車両のリモートコントロールキー10からドアを施錠する施錠情報を示す第一無線信号の受信を制御する。より詳しくは、第一受信制御部41は、第一受信部311を介して、リモートコントロールキー10の第一送信部111から施錠情報を示す第一無線信号を受信する。
【0037】
第二受信制御部42は、リモートコントロールキー10からリモートコントロールキー10の位置情報を示す第二無線信号の受信を制御する。より詳しくは、第二受信制御部42は、第二受信部312を介して、リモートコントロールキー10の第二送信部112から位置情報を示す第二無線信号を受信する。本実施形態では、第二受信制御部42は、リモートコントロールキー10の第一送信部111から解錠情報を示す第一無線信号を第一受信制御部41が受信した場合、第二受信部312を介して、リモートコントロールキー10の第二送信部112から位置情報を示す第二無線信号を受信する。
【0038】
復号化処理部43は、第二受信制御部42が受信した位置情報を暗号化と同じ暗号鍵を用いて復号化する。暗号化と同じ暗号鍵を用いて復号化する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0039】
暗号鍵は、図示しない車両用解錠装置30の記憶部に記憶されている。暗号鍵は、所定時間間隔で更新されることが好ましい。暗号鍵は、復号化を実行するたびに更新されることが好ましい。また、暗号鍵の更新は、車両用解錠装置30の記憶部とともに送信制御装置20の記憶部に記憶されている暗号鍵も同時に更新する。
【0040】
解錠判定部44は、解錠情報を示す第一無線信号を受信したときのリモートコントロールキー10と車両の位置情報に基づいて、車両のドアを解錠するか否かを判定する。より詳しくは、解錠判定部44は、第一受信制御部41が解錠情報を示す第一無線信号を受信したときの、第二受信制御部42が受信した位置情報に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値(閾値)R1未満の距離に位置するか否かを判定する。R1は、例えば10mである。解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両の近くに位置する場合、車両のドアを解錠すると判定する。解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両の近くに位置しない場合、車両のドアを解錠しないと判定する。解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離に位置する場合、第一受信制御部41によって解錠情報を示す第一無線信号を受信しても、その後の処理を行わなくてもよい。
【0041】
第二受信制御部42が受信した位置情報が、車両に配置した車両用解錠装置30を中心に半径第一閾値R1以内に存在しない場合、受信した信号は、いわゆるリレーアタックであると判断される。リレーアタックでは、送信元であるリモートコントロールキー10の微弱な電波を増幅して送信する。リレーアタックでは、信号は、中継されて車両に届いている。このため、第二受信制御部42が十分に増幅された信号を受信しているにも関わらず、位置情報が車両を中心に半径第一閾値R1以内に位置していない場合、リレーアタックであると判断される。リレーアタックであると判断された場合、後述するように、車両のドアを不法に解錠しようとする行為に対して警告を行う。
【0042】
解錠判定部44は、解錠情報を示す第一無線信号を受信したときの位置情報に基づいて、車両のドアを解錠するか否か、および、車両のドアを開放するか否かを判定してもよい。より詳しくは、解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の距離に位置するか否か、及び、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2未満の距離に位置するか否かを判定してもよい。R2は、R1より小さい。R2は、例えば2mである。解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠すると判定する。解錠判定部44は、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2未満の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両のすぐ近くにいる場合、車両のドアを解錠するとともに開放すると判定する。
【0043】
図2は、リモートコントロールキー10の位置の閾値を説明する概略図である。車両に配置した車両用解錠装置30を中心にして半径R1より内側にリモートコントロールキー10が位置する場合は、ドアが解錠される。車両を中心にして半径R2より内側にリモートコントロールキー10が位置する場合は、ドアが開放される。
【0044】
施錠制御部45は、電子錠32の開閉を制御する。施錠制御部45は、車両のドアを施錠または解錠する信号に基づいて、車両のドアの施錠状態を制御する。本実施形態では、施錠制御部45は、リモートコントロールキー10からの制御信号に基づいて電子錠32を施錠または解錠する。施錠制御部45は、図示しない施錠操作部からの制御信号に基づいて電子錠32を施錠してもよい。
【0045】
施錠制御部45は、車両のドアの施錠状態を制御する。施錠制御部45は、解錠判定部44の判定結果に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠する。施錠制御部45は、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両の近くに位置する場合、車両のドアを解錠する制御信号を出力する。
【0046】
施錠制御部45は、解錠判定部44の判定結果に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2以上第一閾値未満R1の距離に位置する場合、車両のドアを解錠し、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠するとともに開放してもよい。施錠制御部45は、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2未満の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両のすぐ近くにいる場合、車両のドアを解錠し開放する制御信号を出力する。
【0047】
警告制御部46は、車両のドアを解錠できないことを警告部33から警告する。警告制御部46は、解錠判定部44の判定結果に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から閾値以上の距離に位置する場合、警告を出力する。
【0048】
警告制御部46は、スピーカからの音声の出力を制御して、車両のドアを不法に解錠とする行為に対して警告を行う。警告制御部46は、警告音声を出力させる音声信号をスピーカに出力する。警告制御部46は、表示装置の表示を制御して、警告を行う。警告制御部46は、警告映像を出力させる映像信号を表示装置に出力する。警告制御部46は、発光体の発光を制御して、警告を行う。警告制御部46は、発光体を発光させる制御信号を出力する。警告制御部46は、ブザーを制御して、警告を行う。警告制御部46は、ブザーを鳴動させる制御信号を出力する。警告制御部46は、バイブレータを振動させて、警告を行う。警告制御部46は、バイブレータを振動させる制御信号を出力する。
【0049】
警告制御部46は、警告部33から警告を出力することに限定されない。警告制御部46は、例えば、リモートコントロールキー10の所有者が使用するスマートフォンまたはパーソナルコンピュータなどの電子機器などに対して、インターネットなどの通信網を介してメール等で警告情報を送信してもよい。警告制御部46は、例えば、リモートコントロールキー10の所有者が使用する固定電話へ音声メッセージを発信してもよい。警告制御部46は、例えば、ホームセキュリティ等に通報してもよい。
【0050】
(車両用解錠システムにおける処理)
次に、図3ないし図5を用いて、車両用解錠システム1における処理の流れについて説明する。図3は、第一実施形態に係る車両用解錠システム1における処理の流れを説明する図である。図4は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5は、第一実施形態に係る車両用解錠制御装置40における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【0051】
図3を用いて、リモートコントロールキー10によって駐車中の施錠された車両を解錠する場合の車両用解錠システム1における処理について説明する。
【0052】
送信制御装置20は、第一無線信号を送信する(ステップS101)。より詳しくは、送信制御装置20は、第一送信制御部21によって、第一送信部111を介して、車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号の送信を制御する。車両用解錠制御装置40は、ステップS102へ進む。
【0053】
車両用解錠制御装置40は、第一無線信号を受信する(ステップS201)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、第一受信制御部41によって、第一受信部311を介して、リモートコントロールキー10の第一送信部111から解錠情報を示す第一無線信号を受信する。
【0054】
送信制御装置20は、位置情報を取得する(ステップS102)。より詳しくは、送信制御装置20は、位置情報取得部22によって、GPS受信部12が受信した電波に基づいて、リモートコントロールキー10の現在の位置情報を算出する。
【0055】
送信制御装置20は、位置情報を暗号化する(ステップS103)。より詳しくは、送信制御装置20は、暗号化処理部23によって、位置情報取得部22が取得した位置情報を、暗号鍵を用いて暗号化する。
【0056】
送信制御装置20は、第二無線信号を送信する(ステップS104)。より詳しくは、送信制御装置20は、第二送信制御部24によって、第二送信部112を介して、位置情報取得部22が取得した、リモートコントロールキー10の位置情報を示す第二無線信号を送信する。
【0057】
車両用解錠制御装置40は、第二無線信号を受信する(ステップS202)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、第二受信制御部42によって、第二受信部312を介して、リモートコントロールキー10の第二送信部112から位置情報を示す第二無線信号を受信する。
【0058】
車両用解錠制御装置40は、位置情報を復号化する(ステップS203)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、復号化処理部43によって、第二受信制御部42が受信した位置情報を暗号化と同じ暗号鍵を用いて復号化する。
【0059】
車両用解錠制御装置40は、解錠判定処理を実行する(ステップS204)。
【0060】
つづいて、図4を用いて、ステップS204の解錠判定処理の一例を説明する。車両用解錠制御装置40は、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であるか否かを判定する(ステップS211)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、第一受信制御部41が解錠情報を示す第一無線信号を受信した後、第二受信制御部42が受信した位置情報に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置するか否かを判定する。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定する場合(ステップS211でYes)、ステップS212に進む。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定しない場合(ステップS211でNo)、ステップS213へ進む。
【0061】
リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定する場合(ステップS211でYes)、車両用解錠制御装置40は、車両のドアを解錠する(ステップS212)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、施錠制御部45によって、車両のドアを解錠する制御信号を出力する。
【0062】
リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定しない場合(ステップS211でNo)、車両用解錠制御装置40は、警告する(ステップS213)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、警告制御部46によって、車両のドアを不法に解錠とする行為に対して車両のドアを解錠できないことを警告部33から警告する。
【0063】
つづいて、図5を用いて、ステップS204の解錠判定処理の他の例を説明する。ステップS222、ステップS224の処理は、図4に示すフローチャートのステップS213、S212と同様の処理を行う。
【0064】
車両用解錠制御装置40は、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離の範囲に位置するか否かを判定する(ステップS221)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、第一受信制御部41が解錠情報を示す第一無線信号を受信した後の、第二受信制御部42が受信した位置情報を示す第二無線信号に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離の範囲に位置するか否かを判定する。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離の範囲に位置すると判定する場合(ステップS221でYes)、ステップS222に進む。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離の範囲に位置すると判定しない場合(ステップS221でNo)、ステップS223へ進む。
【0065】
リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離の範囲に位置すると判定しない場合(ステップS221でNo)、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R2未満の範囲であるか否かを判定する(ステップS223)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、第一受信制御部41が解錠情報を示す第一無線信号を受信したときの、第二受信制御部42が受信した位置情報を示す第二無線信号に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の距離に位置するか否かを判定する。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10の位置が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の範囲であると判定する場合(ステップS223でYes)、ステップS224に進む。車両用解錠制御装置40は、解錠判定部44によって、リモートコントロールキー10の位置が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の範囲であると判定しない場合(ステップS223でNo)、ステップS225へ進む。
【0066】
リモートコントロールキー10の位置が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の範囲ではないと判定する場合(ステップS223でNo)、車両用解錠制御装置40は、車両のドアを解錠し、ドアを開放する(ステップS225)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40は、リモートコントロールキー10の位置が車両から第二閾値R2未満の範囲である場合、施錠制御部45によって、車両のドアを解錠する制御信号を出力する。車両用解錠制御装置40は、施錠制御部45によって、車両のドアを開放する制御信号を出力する。
【0067】
(効果)
上述したように、本実施形態は、車両の停止中に、車両のドアを解錠する解錠情報を示す第一無線信号と、リモートコントロールキー10の位置情報を示す第二無線信号とを、リモートコントロールキー10から車両用解錠装置30へ送信する。本実施形態では、リモートコントロールキー10が車両から閾値R1未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠する。これに対して、リレーアタックは、リモートコントロールキー10から送信された信号(第一無線信号または第二無線信号)を単に増幅する。リレーアタックを車両が受けた場合、リモートコントロールキー10が車両から閾値R1未満の距離に位置すると判定されないので、車両のドアが解錠されない。本実施形態によれば、リレーアタックの被害を受けることを抑制して、車両のドアを安全に解錠することができる。
【0068】
本実施形態は、リモートコントロールキー10が車両から閾値R1以上の距離に位置する場合、警告を出力する。本実施形態は、リレーアタックを車両が受けた可能性が高い場合、車両のドアを不法に解錠とする行為に対して警告することができる。本実施形態によれば、車両の安全性を高めることができる。
【0069】
本実施形態は、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2以上第一閾値R1未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠し、リモートコントロールキー10が車両から第二閾値R2未満の距離に位置する場合、車両のドアを解錠するとともに開放する。本実施形態によれば、リモートコントロールキー10と車両との距離に応じて、ドアを解錠したり開放したりすることができる。
【0070】
本実施形態は、第二無線信号は、暗号鍵を用いて暗号化されている。本実施形態は、リレーアタックによる第二無線信号の増幅があっても、リモートコントロールキー10の位置情報が傍受されるおそれが低減される。
【0071】
[第二実施形態]
(車両用解錠システム)
図6は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置40を有する車両用解錠システム1Aの構成例を示す概略図である。図7は、第二実施形態に係る車両用解錠システム1Aにおける処理の流れを説明する図である。図8は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、第二実施形態に係る車両用解錠制御装置40における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。図6に示すように、車両用解錠システム1Aは、車両用解錠装置30Aが第一実施形態と異なる。より詳しくは、車両用解錠装置30Aは、カメラ34Aと認識辞書記憶部35Aと撮影判定部51Aと撮影制御部52Aと認識部53Aと受信判定部54Aと通知制御部55Aとを有する点と、施錠制御部45Aと警告制御部46Aにおける処理とが第一実施形態と異なる。
【0072】
カメラ34Aは、車両の周辺を撮影するカメラである。カメラ34Aは、車両の周囲の全周を撮影する全方位カメラである。カメラ34Aは、全方位カメラに代わって、複数のカメラによって全方位を撮影可能であってもよい。カメラ34Aは、例えば、車両の天井の中央部に下方を向いて配置されている。カメラ34Aは、撮影制御部52Aからの制御信号に基づいて、撮影開始と終了とが制御される。カメラ34Aは、撮影した映像データを車両用解錠装置30Aの認識部53Aへ出力する。
【0073】
認識辞書記憶部35Aは、映像データから人物および所定動作を認識するための辞書データを記憶している。認識辞書記憶部35Aは、例えば、映像データに含まれる人物および所定動作を認識可能な認識辞書を記憶している。認識辞書記憶部35Aは、例えば、映像データに含まれる車両の運転者および運転者以外の搭乗者などのユーザを認識可能な人物認識辞書を記憶していてもよい。認識辞書記憶部35Aは、例えば、映像データに含まれる車両のユーザの音声を認識可能な音声認識辞書を記憶していてもよい。認識辞書記憶部35Aは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0074】
(車両用解錠制御装置)
撮影判定部51Aは、第二受信制御部42が受信した位置情報を示す第二無線信号に基づいて、車両の周辺を撮影するカメラ34Aによる撮影を開始するか否かを判定する。より詳しくは、撮影判定部51Aは、第二受信制御部42が受信した位置情報に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置するか否かを判定する。撮影判定部51Aは、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両の近くに位置する場合、撮影を開始すると判定する。撮影判定部51Aは、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1以上の距離に位置する場合、言い換えると、車両のユーザが車両の近くに位置しない場合、撮影を開始しないと判定する。
【0075】
撮影制御部52Aは、カメラ34Aによる撮影の開始と停止とを制御する。撮影制御部52Aは、撮影判定部51Aの判定結果に応じて、カメラ34Aによる撮影開始を制御する。本実施形態では、撮影制御部52Aは、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置する場合、カメラ34Aに対して撮影を開始する制御信号を出力する。撮影制御部52Aは、撮影を開始してから所定時間が経過すると、撮影を終了するよう制御する。
【0076】
撮影制御部52Aは、リモートコントロールキー10の位置する方向を撮影するようにしてもよい。
【0077】
認識部53Aは、カメラ34Aが撮影した映像データから、認識辞書記憶部35Aが記憶した認識辞書を用いて、車両の周辺の人物の所定動作を認識する。認識部53Aは、カメラ34Aが撮影した映像データに対して、認識辞書記憶部35Aが記憶している認識辞書を用いたパターンマッチングを行って、人物を認識して、その人物の所定動作を認識する処理を行う。映像データから、人物を認識して、その人物の動作を認識する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0078】
車両の周辺の人物とは、例えば、車両から第一閾値R1未満の距離にいる、リモートコントロールキー10を所有した人物、または、リモートコントロールキー10を所有した人物の近傍にいる人物である。車両の周辺の人物とは、カメラ34Aが撮影した方向に位置する人物である。
【0079】
所定動作は、車両のドアを解錠するための特定の動作である。所定動作は、例えば、足、腕または首などの身体の部位を所定の方向に動かすといった、あらかじめ決められた身体の動作である。所定動作は、例えば、「ドア開けて」のような、あらかじめ決められた所定の言葉を発することである。所定動作は、第三者が偶然行う可能性が低い動作であることが好ましい。所定動作は、認識辞書記憶部35Aに記憶されている。
【0080】
認識部53Aは、映像データから、人物認識辞書を用いて、車両の周辺の人物が車両のユーザであるか否かを認識してもよい。車両のユーザは、例えば車両の運転者および運転者以外の搭乗者を含む。車両のユーザは、例えばリモートコントロールキー10を所有した人物、またはリモートコントロールキー10を所有した人物の近傍にいる人物を含む。
【0081】
認識部53Aは、車両用解錠装置30Aが備える図示しないマイクロフォンで収音した音声データから、車両のユーザの音声を認識してもよい。
【0082】
受信判定部54Aは、認識部53Aの認識結果に基づいて、第一受信制御部41によってリモートコントロールキー10から解錠情報を示す第一無線信号を受信するか否かを判定する。本実施形態では、受信判定部54Aは、車両の周辺の人物の所定動作を認識した場合、解錠情報を受信すると判定する。受信判定部54Aは、認識部53Aによって車両の周辺の人物の所定動作が検出された場合、第一無線信号を受信すると判定する。受信判定部54Aは、認識部53Aによって所定動作が検出されない場合、第一無線信号を受信しないと判定する。
【0083】
受信判定部54Aは、車両の周辺の人物が車両のユーザであり、かつ、ユーザの所定動作を認識した場合、解錠情報を受信すると判定してもよい。これにより、車両のユーザ以外の所定動作により、解錠することを規制できる。
【0084】
通知制御部55Aは、ユーザに対して、撮影判定部51Aが撮影を開始すると判定した場合に、所定動作を行うように促す通知をする。通知制御部55Aは、例えば、車両のドドアハンドルやサイドミラー等、ユーザから見える場所に配置した発光体を使って知らせる。具体的には、発光体の発光させ方で、発光は撮影判定部51Aが所定動作を受け付けることを知らせる。点滅はユーザに対して所定動作を行うよう促している。消灯は、所定動作を受け付けないことを知らせてもよい。
【0085】
施錠制御部45Aは、第一受信制御部41が受信した解錠情報を示す第一無線信号に基づいて、車両のドアの施錠状態を制御する。施錠制御部45Aは、リモートコントロールキー10から第一無線信号として受信した、車両のドアを施錠または解錠する信号に基づいて、車両のドアの施錠状態を制御する。
【0086】
警告制御部46Aは、通知制御部55Aによって通知情報を送信した後、所定時間以内に、認識部53Aによって動作が認識されない場合、警告を行ってもよい。
【0087】
(車両用解錠システムにおける処理)
次に、図7ないし図8を用いて、車両用解錠システムAにおける処理の流れについて説明する。
【0088】
図7を用いて、リモートコントロールキー10によって駐車中の施錠された車両を解錠する場合の車両用解錠システムAにおける処理について説明する。
【0089】
送信制御装置20は、位置情報を取得する(ステップS111)。ステップS111は、ステップS102と同様の処理を行う。
【0090】
送信制御装置20は、位置情報を暗号化する(ステップS112)。ステップS112は、ステップS103と同様の処理を行う。
【0091】
送信制御装置20は、第二無線信号を送信する(ステップS113)。ステップS113は、ステップS104と同様の処理を行う。
【0092】
車両用解錠制御装置40Aは、第二無線信号を受信する(ステップS231)。ステップS113は、ステップS202と同様の処理を行う。
【0093】
車両用解錠制御装置40Aは、位置情報を復号化する(ステップS232)。ステップS232は、ステップS203と同様の処理を行う。
【0094】
車両用解錠制御装置40Aは、撮影判定処理を行う(ステップS233)。
【0095】
つづいて、図8を用いて、撮影判定処理の一例を説明する。車両用解錠制御装置40Aは、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であるか否かを判定する(ステップS241)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40Aは、撮影判定部51Aによって、第二受信制御部42が受信した位置情報に基づいて、リモートコントロールキー10が車両から第一閾値R1未満の距離に位置するか否かを判定する。車両用解錠制御装置40Aは、撮影判定部51Aによって、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定する場合(ステップS241でYes)、ステップS242に進む。車両用解錠制御装置40Aは、撮影判定部51Aによって、リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定しない場合(ステップS241でNo)、ステップS244へ進む。
【0096】
リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定する場合(ステップS241でYes)、所定動作を行うように促す通知をする(ステップS242)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40Aは、通知制御部55Aによって、例えば、車両のドドアハンドルやサイドミラー等、ユーザから見える場所に配置された発光体を使って知らせる。
【0097】
車両用解錠制御装置40Aは、カメラ34Aの撮影を開始する(ステップS243)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40Aは、撮影制御部52Aによって、カメラ34Aの撮影を開始する。車両のユーザは、所定動作を行う。
【0098】
リモートコントロールキー10の位置が車両から閾値R1未満の範囲であると判定しない場合(ステップS241でNo)、車両用解錠制御装置40Aは、警告する(ステップS244)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40Aは、警告制御部46Aによって、車両のドアを解錠できないことを警告部33から警告する。
【0099】
車両用解錠制御装置40Aは、受信判定処理を行う(ステップS234)。
【0100】
つづいて、図9を用いて、受信判定処理の一例を説明する。
【0101】
車両用解錠制御装置40Aは、所定動作を認識したか否かを判定する(ステップS251)。より詳しくは、車両用解錠制御装置40Aは、受信判定部54Aによって、認識部53Aの認識結果に基づいて、第一受信制御部41によってリモートコントロールキー10から解錠情報を示す第一無線信号を受信するか否かを判定する。本実施形態では、車両用解錠制御装置40Aは、受信判定部54Aによって、認識部53Aによる車両の周辺の人物の所定動作を認識した場合(ステップS251でYes)、ステップS252へ進む。車両用解錠制御装置40Aは、受信判定部54Aによって、認識部53Aによる所定動作が認識されない場合(ステップS251でNo)、ステップS253へ進む。
【0102】
車両の周辺の人物の所定動作を認識した場合(ステップS251でYes)、第一無線信号を送信する(ステップS252)。このステップS252の処理は、図7におけるステップS235である。
【0103】
認識部53Aによる所定動作が認識されない場合(ステップS251でNo)、警告を出力(ステップS253)して処理を終了する。
【0104】
送信制御装置20は、第一無線信号を送信する(ステップS114)。ステップS114は、ステップS101と同様の処理を行う。
【0105】
車両用解錠制御装置40Aは、第一無線信号を受信する(ステップS235)。ステップS235は、ステップS201と同様の処理を行う。
【0106】
(効果)
上述したように、本実施形態では、受信した位置情報を示す第二無線信号に基づいて、カメラ34Aによる撮影を開始する。本実施形態は、カメラ34Aが撮影した映像データの認識結果に基づいて、解錠情報を示す第一無線信号を受信するか否かを判定する。本実施形態によれば、リモートコントロールキー10からの信号に加えて、カメラ34Aが撮影した映像データの認識結果に基づいて解錠を制御することができる。本実施形態は、リレーアタックを車両が受けた場合でも、所定動作が認識されないため、解錠されない。本実施形態によれば、車両を安全に解錠することができる。
【0107】
本実施形態は、映像データから車両の周辺の人物の所定動作を認識した場合、解錠情報を受信すると判定する。本実施形態は、リモートコントロールキー10からの信号に加えて、車両の周辺の人物の所定動作が認識された場合に解錠をする。本実施形態によれば、車両をより安全に解錠することができる。
【0108】
本実施形態は、カメラ34Aによる撮影を開始すると判定した場合に、ユーザに対して所定動作を行うように促す通知をする。本実施形態は、通知をユーザにのみ通知することができる。本実施形態は、車両をより安全に解錠することができる。
【0109】
本発明に係る車両用解錠システムは、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。
【0110】
図示した車両用解錠システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0111】
車両用解錠システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0112】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0113】
上記では、リモートコントロールキー10に搭載されたGPS受信部12によって位置情報を取得するものとして説明したがこれに限定されない。例えば、屋内駐車場等でGPS受信部12が電波を受信できない場合、例えばWi―Fi測位、ビーコン測位等の公知の方法でリモートコントロールキー10の位置情報を求めてもよい。
【0114】
上記において、第二無線信号は、位置情報とともに位置情報を取得した時刻情報を含んでもよい。解錠判定部44は、位置情報に基づいた判定を行う際に、さらに時刻情報が現在時刻であるか否かを判定する。そして、位置情報とともに取得された時刻情報が現在時刻ではない場合、解錠しないとしてもよい。これにより、例えば、リモートコントロールキー10を持ったユーザが車両の近くに位置し、車両から閾値R1未満の範囲でリモートコントロールキー10からの信号を傍受された場合、ユーザが車両から離れた後でリレーアタックを受けても、時刻情報が異なるために解錠することができない。
【0115】
上記では、リモートコントロールキー10からの第一無線信号、第二無線信号の送信と、車両用解錠装置30および車両用解錠装置30Aの第一無線信号、第二無線信号の受信並びに処理とは時系列で説明されているが、同時に送信し、同時に受信し処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 車両用解錠システム
10 リモートコントロールキー
11 送信部
12 GPS受信部
20 送信制御装置
21 第一送信制御部
22 位置情報取得部
23 暗号化処理部
24 第二送信制御部
30 車両用解錠装置
31 受信部
32 電子錠
33 警告部
40 車両用解錠制御装置
41 第一受信制御部
42 第二受信制御部
43 復号化処理部
44 解錠判定部
45 施錠制御部
46 警告制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9