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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161219
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20221014BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221014BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20221014BHJP
   G09G 3/00 20060101ALI20221014BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221014BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20221014BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20221014BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALN20221014BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 641C
G09G3/34 J
G09G3/20 621A
G09G3/20 680G
G09G3/20 612A
G09G3/20 C
G09G3/00 C
G09G3/00 D
G09G3/20 660U
G09G3/20 611E
G09G3/20 611C
G09G3/20 633P
G09G3/20 633S
G09F9/00 302
G09F9/00 350Z
G09F9/00 346A
G09F9/00 348Z
G09F9/00 347Z
G02F1/133 535
G02F1/13357
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065858
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】501166371
【氏名又は名称】株式会社交通電業社
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】立山 幹男
(72)【発明者】
【氏名】上村 大輔
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
2H391
5C006
5C080
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA55
2H189BA10
2H189MA15
2H193ZG03
2H193ZG14
2H193ZG50
2H391AA03
2H391AB04
2H391AC13
2H391CB12
5C006AA02
5C006AA22
5C006AF50
5C006AF51
5C006AF67
5C006AF71
5C006BB29
5C006BC02
5C006BF16
5C006BF25
5C006BF46
5C006EA01
5C006EC09
5C006FA16
5C006FA23
5C006FA32
5C006FA43
5C006FA51
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD06
5C080DD10
5C080DD12
5C080DD22
5C080DD27
5C080EE01
5C080EE17
5C080EE19
5C080EE28
5C080FF03
5C080JJ02
5C080KK20
5C080KK34
5C080KK36
5C080KK38
5C080KK39
5G435AA18
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE32
5G435HH05
5G435LL17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示部及び必要最小限の制御部を複層ガラス部内に配置することができるため、美的外観に優れた表示装置にすることができる。また、表示部の筐体が不要となることから軽量化することができる。
【解決手段】表示装置10は、中空層8aを有する複層ガラス部8を含む車両の行先に関する表示指令信号に基づいた映像を表示する薄型の表示部12と、表示指令信号を受け取り表示部12に映像を表示させるための映像信号を出力するLCD駆動部を含む第1制御部16と、第1制御部16から伝送される映像信号に基づいて表示部12に表示される映像の明るさを調整するためのPWM信号を出力するPWM信号生成部を含む第2制御部14とを備え、表示部12及び第2制御部14は複層ガラス部8の中空層8a内に配置され、第1制御部16は車両内における複層ガラス部8から離れた場所に設けられ第2制御部16とケーブル部により電気的に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空層を有する複層ガラス部を含む車両に設けられ、表示指令信号に基づいた映像を表示する薄型の表示部と、
前記表示指令信号を受け取り、前記表示部に前記映像を表示させるための映像信号を出力するLCD駆動部と、前記映像信号の電圧レベルを増幅する第1リピータ部とを含む第1制御部と、
前記第1制御部から伝送される前記映像信号を受信して電圧レベルを安定化する第2リピータ部と、前記映像信号の周波数と干渉しない周波数で調光のための信号を出力するPWM信号生成部とを含む第2制御部と、
を備え、
前記表示部及び前記第2制御部は、前記複層ガラス部の前記中空層内に配置され、
前記第1制御部は、前記車両内における前記複層ガラス部から離れた場所に設けられ、前記第2制御部とケーブル部により電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記第1制御部及び前記第2制御部に電力を供給し、前記複層ガラス部から離れた場所に設けられる電源部を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示装置において、
前記表示部は、液晶パネル部とバックライト部とを含み、
前記PWM信号生成部が出力するPWM信号は、前記バックライト部を駆動するためのDuty比が設定された信号であり、
前記PWM信号の周波数は、前期映像信号の周波数と干渉しない周波数に制御していることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記ケーブル部は、前記第1制御部及び前記第2制御部が配置される基板のグランドに接続されるシールド線を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電車やバスなどにおいて、行先を表示するための行先表示器、停車駅を表示するための案内表示器、広告を表示するための広告表示器、運賃を表示するための運賃表示器などが設置されている。近年、液晶パネルなどの薄型の表示装置の普及により、これらの表示器においてデジタル化が進んでいる。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、液晶パネルと、バックライトと、上記液晶パネルおよび上記バックライトを制御する制御装置と、を備えており、上記制御装置は、上記液晶パネルの光透過率を変化させている時間帯において、上記バックライトを、第1レベルから第N(Nは2以上の整数)レベルまでのN段階の発光強度レベルを有する点灯パターンで点灯させることを特徴とする表示装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ガラス板と、前記ガラス板の一方の面に設けられている透過型ディスプレイパネルと、前記透過型ディスプレイに対向するように前記ガラス板と中空層を介して対向配置されているガラスからなる導光板と、前記ガラスからなる導光板の外周縁に設けられた光源と、を有することを特徴とするディスプレイ付き複層ガラスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-101368号公報
【特許文献2】特開2016-210638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の発明では、表示制御部と表示部を離れた別々の場所に設置することができず、一体でなければならないという課題がある。また、特許文献2では、表示制御装置を外部に設置するための具体的な構成や方法が記載されていないことが課題である。
【0007】
本発明の目的は、デザイン性の優れた表示器を提供することである。また、本発明の別の目的は、軽量化に寄与する表示器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電車やバスなどの車両に設置される表示装置は、中空層を有する複層ガラス部を含む車両に設けられ、表示指令信号に基づいた映像を表示する薄型の表示部と、前記表示指令信号を受け取り、前記表示部に前記映像を表示させるための映像信号を出力するLCD駆動部と、前記映像信号の電圧レベルを増幅する第1リピータ部とを含む第1制御部と、前記第1制御部から伝送される前記映像信号を受信して電圧レベルを安定化する第2リピータ部と、前記映像信号の周波数と干渉しない周波数で調光のための信号を出力するPWM信号生成部とを含む第2制御部と、を備え、前記表示部及び前記第2制御部は、前記複層ガラス部の前記中空層内に配置され、前記第1制御部は、前記車両内における前記複層ガラス部から離れた場所に設けられ、前記第2制御部とケーブル部により電気的に接続されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置において、前記第1制御部及び前記第2制御部に電力を供給し、前記複層ガラス部から離れた場所に設けられる電源部を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る表示装置において、前記表示部は、液晶パネル部とバックライト部とを含み、前記PWM信号生成部が出力するPWM信号は、前記バックライト部を駆動するためのDuty比が設定された信号であり、前記PWM信号の周波数は、前期映像信号の周波数と干渉しない周波数に制御していることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る表示装置において、前記ケーブル部は、前記第1制御部及び前記第2制御部が配置される基板のグランドに接続されるシールド線を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示部及び必要最小限の制御部を複層ガラス部内に配置することができるため、デザイン性に優れた表示装置にすることができる。また、電車やバスなどの移動体に装着した場合には、これまでディスプレイを収納していた筐体を無くすことができるため、軽量化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る実施形態の表示装置を車両内に設置している様子を示す図である。
図2】本発明に係る実施形態の表示装置の構成図である。
図3】本発明に係る実施形態の表示装置において、第1制御部と第2制御部とがケーブル部で接続されている様子を示す図である。
図4】本発明に係る実施形態の表示装置において、表示部に映像を表示させる手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0015】
図1は、本発明に係る実施形態の表示装置10を車両内に設置している様子を示す図である。複層ガラス部8は、例えば車両の車窓または車両内に設置されたディスプレイであり、行き先、停車駅、広告、運賃などの映像や静止画を表示する。図2は、表示装置10の構成図である。
【0016】
図3は、表示装置10において、第1制御部16と第2制御部14とがケーブル部40で接続されている様子を示す図である。
【0017】
表示装置10は、表示部12と、第2制御部14と、第1制御部16と、電源部18とを備えている。表示部12は、中空層8aを有する複層ガラス部8の内部に設置され、車両位置を示す情報及び表示の輝度レベルに関する情報などを含む表示指令信号に基づいて映像を表示する薄型表示装置である。
【0018】
複層ガラス部8は、対向する第1の主面と第2の主面を有するガラス板で構成されており、第1の主面と第2の主面との間には、乾燥空気が封入された中空層8aが形成されている。乾燥空気が封入されて断熱効果を高めることで、結露を抑えるほか、防音効果も有している。中空層8aの厚みは、ここでは、16mmに設定されるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0019】
第1の主面及び第2の主面を構成するガラス板は、車両の窓ガラスに用いられる普通ガラス板、強化ガラス板、部分強化ガラス板等が挙げられる。これらのガラス板は透明性が損なわれない程度に着色されたものであってもよい。ガラス板は、例えば、公知のフロート法で製造されたガラス板が好ましいが、もちろん、その他の手法で形成してもよい。
【0020】
表示部12は、液晶パネル部20とバックライト部22とを含んで構成される。液晶パネル部20は、垂直方向及び水平方向のそれぞれに沿って、複数の画素(表示素子)がマトリクス状に配列されている。液晶パネル部20は、不図示の液晶層を含んでいる。また、液晶パネル部20は、不図示のカラーフィルタを含んでいてもよい。
【0021】
バックライト部22は、液晶パネル部20に白色光などの光を照射する機能を有する。バックライト部22は、液晶パネル部20の背面側に、液晶パネル部20と重なるように配置されている。
【0022】
バックライト部22は、複数のLEDを光源として有している。バックライト部22には、LEDから発せられた光を拡散する拡散シートが設けられてもよい。LEDの発光強度を制御することで、バックライト部22の発光面の発光強度、すなわち、バックライト部22の発光状態を制御できる。
【0023】
第1制御部16は、第1リピータ部32と、外部I/F34と、LCD駆動部36と、映像信号制御部37と、バックライト制御部38と、CFCARD39とを備えている。LCD駆動部36が出力する映像信号の周波数(水平同期信号の周波数、垂直同期信号の周波数)と、PWM信号生成部28が出力するPWM信号の周波数は、干渉しない周波数に制御されている。
【0024】
第1リピータ部32は、映像信号の電圧レベルを増幅させる機能を有している。第1リピータ部32は、入力された映像信号を受信し、LVDS規格に準じた波形を出力する。ここで、第1リピータ部32は第2リピータ部24の受信電圧がLVDS規格に準拠した±100mV以上となるよう±250mV以上で電圧レベルを増幅して出力する。
【0025】
外部I/F34は、上位システムから送信されてくる表示指令信号を取得するインタフェース回路である。上位システムから送信されてくる表示指令信号とは、輝度レベルに関する情報(「明」「暗」「OFF」)の他、車両の位置情報などを含む。
【0026】
LCD駆動部36は、表示部12に車両の行先等に関する映像を表示するための映像信号を出力する。LCD駆動部36が出力する映像信号の周波数は、垂直同期信号が約60Hz、水平同期信号が数十kHzである。これに対し、PWM信号生成部28が出力するPWM信号の周波数は、これらに干渉しない数百Hzに制御されている。
【0027】
LCD駆動部36には、外部I/F34を介して表示部12による表示の対象となる画像データに関する情報及び輝度レベルに関する情報を含む表示指令信号が入力される。
【0028】
LCD駆動部36は、表示指令信号に基づいて、CFCARD39から表示対象と成る表示データを読み込み、映像信号を生成する。映像信号とは、液晶パネル部20の表示タイミングを制御する垂直同期信号と水平同期信号である。
【0029】
映像信号制御部37は、第2制御部14側の映像信号制御部25より出力されるEnable信号を受信すると第1リピータ部32の電源をONにする。第1リピータ部32の電源をONからOFFに切り替えた後に、表示部12に表示させるための映像信号を第2制御部14に出力する。
【0030】
バックライト制御部38は、上位システムから送信されてくる表示指令信号に基づいて、バックライト部22の輝度レベル(「明」「暗」「OFF」)を設定する機能を有する。外部I/F15を介して上位システムから表示指令信号を受信し、輝度レベルに関する情報を生成して第2制御部14に送信する。
【0031】
CFCARD39は、表示部20に表示するための映像や静止画などの表示データが格納されている。
【0032】
第2制御部14は、第2リピータ部24と、映像信号制御部25と、バックライト制御部26と、PWM信号生成部28と、バックライト電源部30とを備えている。
【0033】
第2リピータ部24は、第1制御部16から出力されたLVDS規格に準拠した±100mV近くまで減衰した映像信号を受信し、これを±100mVに安定化して液晶パネル部20に出力する。
【0034】
映像信号制御部25は、第2制御部14の電源が入るとイニシャライズが開始され、当該イニシャライズが正常に終了することで第1制御部16に対してEnable信号を送信するとともに、第2リピータ部24の電源をONにする機能を有している。
【0035】
バックライト制御部26は、第1制御部16のバックライト制御部38で設定した輝度レベルの情報を受信し、PWM信号生成部28のDuty比を設定する機能を有する。なお、バックライト部22は、PWM信号のDuty比により調光されている。
【0036】
PWM信号生成部28は、第1制御部16から伝送される映像信号に基づいて表示部12に表示される映像の明るさを調整するための調光制御信号であるPWM信号を出力する。PWM信号生成部28により生成されたPWM信号によって、表示部12に表示される映像の明るさが調整される。
【0037】
PWM信号生成部28が出力するPWM信号の周波数は、LCD駆動部36が出力する映像信号の周波数(水平同期信号の周波数、垂直同期信号の周波数)と干渉しない周波数に制御されている。PWM信号は、バックライト部22を駆動するためのDuty比が設定されたPWM信号である。
【0038】
PWM信号生成部28は、バックライト制御部26から受信した輝度レベルを示す情報に基づいて、PWM信号を生成する。PWM信号は、バックライト電源部30がバックライト部22のLEDを駆動するための信号である。
【0039】
バックライト電源部30は、バックライト部22の複数LEDに接続され、PWM信号生成部28から送信されてくるPWM信号に基づいて、各LEDの出力を制御する機能を有している。
【0040】
電源部18は、第1制御部16及び第2制御部14に電力を供給し、複層ガラス部8から離れた場所に設けられる。電源部18は、直流電源を所望の電圧に昇圧又は降圧するDC/DCコンバータを含んで構成される。電源部18によって安定化された直流電源が第1制御部16及び第2制御部14へと供給される。
【0041】
表示部12及び第2制御部14は、複層ガラス部8の中空層8a内に配置される。表示部12は、例えば車両の外部から車両の行先等の映像を視認できるように車窓の外側に位置する第1の主面に直接貼り付けて装着される。第2制御部14は、表示部12の近傍において、複層ガラス部8に貼着されている。
【0042】
第1制御部16は、車両内における複層ガラス部8から離れた場所に設けられ、第2制御部14とケーブル部40により電気的に接続されている。公共交通機関として利用される鉄道車両の設置環境下では、一般的にケーブル部40は10m以上のケーブル長が必要となることが多い。
【0043】
ケーブル部40は、第1制御部16及び第2制御部14が配置される基板のグランドに接続されるシールド線を含む。ここでは、ケーブル部40を介して信号を伝送するための通信インタフェースはLVDS規格(EIA/TIA-644)であり、データ形式は液晶ディスプレイ等のフラットパネル用デジタルインターフェースの標準規格(JEIDA-59-1999)であるものとして説明するが、もちろん、その他の規格にも適用可能である。
【0044】
図3に示されるように、ケーブル部40は、STP(Shielded Twisted Pair)で構成され、シールド線は、第1制御部16及び第2制御部14の双方の基板のSG(Signal Ground)に接続され、機器間のSGを強化している。なお、各SGは、基板内層のSG(グランド)プレーンに接続されている。
【0045】
続いて、上記構成の表示装置10の作用について説明する。図4は、表示部12に映像を表示させる手順を示すフローチャートである。
【0046】
最初に、第2制御部14において、映像信号制御部25の電源がONとなると(S2)、イニシャライズが開始され(S4)、DINの状態が確認される(S6)。ここで、DINとは、第1制御部16より入力されるDigital Inputの略語であり、輝度レベル(明・暗・OFFの3レベル)の設定情報である。
【0047】
S6の工程の後は、輝度レベルが「明」又は「暗」のいずれかの状態であるか否かを判断する(S8)。S8の工程において、輝度レベルが確認できない、すなわち、「OFF」の状態の場合は、所定の時間を経過させた後、再びS6の工程へと戻る。
【0048】
S8の工程において、輝度レベルが「明」又は「暗」のいずれかの状態であると判断された場合には、PWM信号生成部28において、PWM信号が出力される(S10)。このとき、輝度レベル(「明」又は「暗」)の設定に応じたDuty比にて出力される。
【0049】
S10の工程の後は、第1制御部16に対してEnable信号が出力される(S12)。そして、映像Repeaterとして機能する第1リピータ部32の電源をONにする(S14)。これにより、第1制御部16の第1リピータ部32によって増幅された映像信号が第2制御部14の第2リピータ部24に対して出力される。
【0050】
その後、第2リピータ部24の電源がONとなり(S16)、第1リピータ部32から増幅して伝送した映像信号を第2リピータ部24が安定化して表示部12に対して出力される。
【0051】
S16の工程の後は、バックライト電源部30に対してEnable信号を出力し(SS18)、PWM信号生成部28から送信されてくるPWM信号に基づいて、各LEDが制御されて液晶パネル部20で映像が表示される(S20)。
【0052】
このように、表示装置10によれば、表示部12を制御するため制御部を第1制御部16と第2制御部14とに分け、ノイズの影響を受けやすい第2制御部14を表示部12の近傍に配置してノイズの影響を最小限に抑えるとともに、ノイズの影響が受けにくい第1制御部16を表示部12から離れた位置に設置する。また、電源部18も表示部12及び第2制御部14から離れた場所に設置することができる。
【0053】
このように、表示部12の近傍に配置する制御機能を必要最小限にして小型化にすることで、表示部12と第2制御部14とを複層ガラス部8の中空層8a内に設置することができるため、視認性の向上とともにデザイン性の向上に寄与するという顕著な効果を奏する。また、表示装置10を電車やバスなどの移動体に設置することで、これまでディスプレイを収納していた筐体を無くすことができるため、軽量化に寄与することができる。
【0054】
なお、第1制御部16と第2制御部14とを分割したため、映像信号/バックライトの制御部を双方に持たせることにより、第1制御部16又は第2制御部14のいずれか一方に異常が発生していないかを常時確認している。
【0055】
また、表示部12と第2制御部14とを複層ガラス部8内に内包させるため、鉄粉、ほこり等によるショートを発生することがなく、コーティング材などを塗布する必要がなくコストメリットがあるなどという利点がある。
【0056】
上述したように第1制御部16と第2制御部14とは分割されており、10m以上のケーブル長を有するケーブル部40によって接続されている。一般的に、ケーブルに長さ分だけ電圧降下するが、第1制御部16のLCD駆動部36から出力される映像信号は、第1リピータ部32によって電圧レベルが増幅されているため、第2制御部14側でデータを受信できるように工夫している。
【0057】
さらに、第1リピータ部32によって増幅された映像信号をそのまま液晶パネル20に入力するのではなく、第2制御部14内においても第2リピータ部24において電圧レベルを安定化させてから表示部12内に入力している。これにより、きれいな波形を入力することができるため、きれいな映像を表示し得る。
【0058】
また、ケーブル長は10m以上あることにより、ノイズの影響が懸念されるが、ケーブル部40は、STPケーブルが採用され、シールド線が第1制御部16及び第2制御部14内の基板に接続することで、SG(Signal Groud)を強化しているため、ノイズによる影響を最大限抑制することができる。
【0059】
なお、上記のように、表示装置10は、例えば車両の行先表示に関する映像を表示する行先表示器であるが、その他の内容を表示するものであってもよく、電車やバスの停車駅等を表示するための案内表示器、乗車料金を表示する運賃表示器、動画を使った広告等を表示する広告表示器であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
8 複層ガラス部、8a 中空層、10 表示装置、12 表示部、14 第2制御部、16 第1制御部、18 電源部、20 液晶パネル部、22 バックライト部、24 第2リピータ部、25 映像信号制御部、26 バックライト制御部、28 PWM信号生成部、30 バックライト電源部、32 第1リピータ部、36 LCD駆動部、37 映像信号制御部、38 バックライト制御部、39 CFCARD、40 ケーブル部。
図1
図2
図3
図4