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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161243
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20221014BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065899
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 由芳
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF22
5H181KK01
5H181KK08
(57)【要約】
【課題】一時的に割当てを受けて使用する車両を、ユーザが探し出す作業を適切に支援する。
【解決手段】制御装置は、車両の位置を示す車両位置情報を継続的に取得すると共に、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を継続的に取得し、車両又はユーザの位置に基づいて周囲の地図情報を読み出す位置管理部と、車両位置情報とユーザ位置情報とに基づいて、車両装置とユーザ装置とが所定の距離以内に存在すると判断し、且つ地図情報に基づき、ユーザから車両までの間に当該車両の視認を妨げる障害物がないと判断した場合に、車両に所定の報知動作を実行させる報知管理部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を示す車両位置情報を継続的に取得すると共に、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を継続的に取得し、前記車両又は前記ユーザの位置に基づいて周囲の地図情報を読み出す位置管理部と、
前記車両位置情報と前記ユーザ位置情報とに基づいて、前記車両と前記ユーザとが所定の距離以内に存在すると判断し、且つ前記地図情報に基づき、前記ユーザから前記車両までの間に当該車両の視認を妨げる障害物がないと判断した場合に、前記車両に所定の報知動作を実行させる報知管理部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記所定の報知動作は、前記車両が備える灯火装置のうち、前記車両を基準として前記ユーザが存在する方向の灯火装置の点灯又は点滅である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記地図情報は、他の車両の位置を含む周囲の状況を示す情報を含み、
前記報知管理部は、前記ユーザから前記車両までの間に当該車両の視認を妨げる障害物があると判断した場合であって、前記車両を移動させることで前記ユーザの位置から視認可能になると判断したときは、前記車両に移動と前記所定の報知動作を実行させる
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記報知管理部は、前記ユーザから前記車両までの間に障害物がある場合でも、当該障害物が前記ユーザによる車両の視認を妨げないと判断した場合には、前記車両に所定の報知動作を実行させる
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
所定の乗車場所へ前記車両を移動させるための情報を送信する、走行管理部をさらに備え、
前記走行管理部は、前記乗車場所及び当該乗車場所までの経路に走行を妨げる障害が存在しない場合に、前記車両を移動させる
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
コンピュータが、 車両の位置を示す車両位置情報を継続的に取得すると共に、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を継続的に取得し、前記車両又は前記ユーザの位置に基づいて周囲の地図情報を読み出し、
前記車両位置情報と前記ユーザ位置情報とに基づいて、前記車両と前記ユーザとが所定の距離以内に存在すると判断し、且つ前記地図情報に基づき、前記ユーザから前記車両までの間に当該車両の視認を妨げる障害物がないと判断した場合に、前記車両に所定の報知動作を実行させる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末機器と車両に搭載された通信装置を有する、車両の位置を探し出す車両探索システムが提案されている(例えば、特許文献1)。本技術では、携帯端末機器はスクリーンを備えており、地図情報を取り込んで携帯端末機器の現在位置を地図の上に表示する。また、携帯端末機器は、通信装置から車両の現在位置を取得して、車両の位置と携帯端末機器の位置を、地図の上に同時に表示する。そして、携帯端末機器の位置が、車両から所定範囲内になると、携帯端末機器は、車両のホーン及びライトを作動させるための操作ボタンをスクリーンに表示するとされている。すなわち、車両ホーン及びライトを動作させることにより、使用者は目的の車両を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-170000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的の車両から所定の範囲内に使用者の携帯端末が位置するとしても、例えば駐車場の構造により使用者から車両が見えないため車両のライトやホーンを動作させる報知処理を行うのは適切でないこともある。そこで、本技術は、一時的に割当てを受けて使用する車両を、ユーザが探し出す作業を適切に支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る制御装置は、車両の位置を示す車両位置情報を継続的に取得すると共に、ユーザの位置を示すユーザ位置情報を継続的に取得し、車両又はユーザの位置に基づいて周囲の地図情報を読み出す位置管理部と、車両位置情報とユーザ位置情報とに基づいて、車両とユーザとが所定の距離以内に存在すると判断し、且つ地図情報に基づき、ユーザから車両までの間に当該車両の視認を妨げる障害物がないと判断した場合に、車両に所定の報知動作を実行させる報知管理部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本技術によれば、一時的に割当てを受けて使用する車両を、ユーザが探し出す作業を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係るシステムの構成及び利用方法の一例を説明するための図である。
図2図2は、システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る報知処理の一例を示す処理フロー図である。
図4図4は、管理装置の記憶装置に格納される情報の一例を示す図である。
図5図5は、報知処理の変形例を示す図である。
図6図6は、ユーザ装置及び車両の位置と、案内の一例を示す図である。
図7図7は、ユーザ装置及び車両の位置と、報知動作の一例を示す図である。
図8図8は、迎車処理の一例を示す処理フロー図である。
図9図9は、迎車処理の変形例を示す図である。
図10図10は、ユーザ装置及び車両の位置と、迎車処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るシステムの構成及び利用方法の一例を説明するための図である。本実施形態において、ユーザは、例えばシェアカーやレンタカーのような、複数のユーザが使用する車両40(図1においては40A、40B及び40C)を、例えば予約して利用するものとする。なお、車両40はいわゆる自動運転車であってもよく、少なくとも他のコンピュータからの通信に応じて車載コンピュータが灯火装置を動作させることができるものとする。灯火装置は、前照灯(ヘッドライト)、方向指示器(ウィンカー)、尾灯(テールライト)又は制動灯(ブレーキライト)等である。特に小型の車両を駅周辺や商業施設の駐車場に複数駐車しておき、手軽に利用できるサービスを提供する場合、ユーザは複数の車両から自己に割り当てられた目的の車両を探し出すために労力がかかる。すなわち、小型の車両の場合、周囲の障害物や、隣の車両等に隠れてしまう可能性が高く、探すのに手間がかかる。また、シェアカーやレンタカーのように、ユーザの所有物でない車両を探す場合、ユーザが車両の外観や駐車場所を把握していないときは探すのに手間がかかる。特に、シェアカーやレンタカーにおいて同一車種の車両が並んでいる場合は、ユーザにとっては目的の車両の判別が難しい。なお、本発明は、シェアカーやレンタカーに限らず、ユーザが所有する車両を外出先で探す場合にも適用できる。また、小型以外のサイズの車両にも適用可能である。
【0009】
図1のシステム1は、ユーザが所持するユーザ装置2と、本システムを管理する管理装置3と、車両40に搭載され、車両40の動作を制御する車両装置4(図1に図示せず)とを含み、これらの構成要素がネットワーク5を介して通信可能に接続されている。なお、車両40の各々は、車両装置4を備えているものとする。ネットワーク5は、有線又は無線で接続される電気通信回線網であり、例えばインターネット網やいわゆるキャリア網を含む。ユーザ装置2は、例えばスマートフォンやタブレット、携帯電話機等であり、GPS(Global Positioning System)のような衛星測位システムやWiFi(登録商標)
、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、携帯電話の基地局、UWB(Ultra Wide Band)、その他の通信モジュール又はセンサーの少なくともいずれかを用いて、ユー
ザ装置2の位置情報を取得し、管理装置3へ送信する。また、車両装置4も、衛星測位システムやWiFi、BLE、携帯電話の基地局、UWB、その他の通信モジュール又はセンサー等を用いて車両装置4の位置情報を取得する。なお、位置情報は、例えば緯度及び経度、海抜高度等を含むデータであってもよい。なお、車両装置4は、車載カメラ、レーダー、LIDAR(Light Detection and Ranging、又はLaser Imaging Detection and Ranging)、レーザースキャナー等を用いて車両装置4の周囲の状況を検出するようにしてもよい。また、車両40が駐車されている駐車場に設けられたセンサー類やカメラ、通信設備等の少なくともいずれかと接続された監視用コンピュータ(図示せず)が、車両40の周囲の状況に関する情報を収集し、管理装置3へ送信するようにしてもよい。周囲の状況は、例えば周囲に存在すると判断された車両等の位置や大きさを含むものであってもよい。そして、車両装置4は、既存のセンサフュージョン技術によって得られた位置情報や周囲の状況に関する情報を管理装置3へ送信する。管理装置3は、ユーザ装置2の位置情報と、車両装置4の位置情報及び周囲の状況に関する情報とを用いて、ユーザ装置2と車両装置4とが所定の位置関係にあるとき、車両装置4に、自車両の位置を、ユーザ装置2を所持するユーザに報知するための動作をさせる。報知動作は、例えば、灯火装置の点滅又は点灯、ホーン(クラクション)の吹鳴等である。また、所定の位置関係は、例えばユーザ装置2と車両装置4との距離が所定の閾値以下であり、且つユーザ装置2と車両装置4との間にユーザによる車両40の視認を妨げる障害物がないことである。本実施形態では、管理装置3は、駐車場等のダイナミックマップを読み出すことができ、ダイナミック
マップを用いて、ユーザ装置2と車両40Bが備える車両装置4との間に障害物がないか判断する。このようにすれば、適切なタイミングで報知動作をさせることができ、目的の車両をユーザが探し出す作業を適切に支援することができる。なお、ダイナミックマップは、例えば、駐車場の構造や地形、駐車区画を示す静的情報のレイヤーや、車両や歩行者等を示す動的情報のレイヤーを含む地図情報である。また、ダイナミックマップは、駐車場内の領域を示す情報と対応付けて、予め定められた乗降場所や、ホーンの使用可否、自動運転による走行の可否等をいずれかのレイヤーに保持していてもよい。
【0010】
図1の例では、ユーザ装置2を所持するユーザが車両40の貸出しを予約する操作を行い、管理装置3は、ユーザ装置2のユーザに対し車両40Bを割り当てたものとする。ユーザは、自己が利用する車両40B(以下、「目的の車両」とも呼ぶ)を探しつつ、複数の車両40が駐車されている駐車場を移動する。そして、管理装置3は、ユーザ装置2と車両装置4とが所定の距離以下になったことを検知すると、ユーザ装置2と車両40Bが備える車両装置4との間に所定の障害物がないか判断し、障害物がないと判断された場合、車両40Bに報知動作をさせる。図1の例では、車両40Bの車両装置4は、車両40Bのヘッドランプを点滅させている。
【0011】
また、管理装置3は、車両40の周囲の状況に応じて車両40を移動させるようにしてもよい。例えば、車両40とユーザ装置2との間に他の車両が駐車されている場合であって、車両40を前方へ所定の距離だけ移動させることでユーザ装置2のユーザは報知動作を視認できると判断されたときは、管理装置3は車両装置4に対して車両40の移動及び報知動作の実行を指示する。なお、管理装置3は、車両40を所定の乗車場所へ移動させたうえで、ユーザ装置2が車両装置4に接近したときに報知動作を実行させるようにしてもよい。
【0012】
また、管理装置3は、ユーザ装置2の表示装置上に案内を表示させるようにしてもよい。例えば、目的の車両40が駐車されている駐車場の外にユーザ装置2が存在する場合や、立体駐車場において、目的の車両40が駐車されているフロア以外にユーザ装置2が存在する場合に、ユーザが向かうべき出入口や階層等の場所を表示させる。
【0013】
図2は、システムの構成の一例を示すブロック図である。図2には、ユーザ装置2と、管理装置3と、車両装置4とを示している。
【0014】
<ユーザ装置>
ユーザ装置2は、スマートフォンやタブレット、携帯電話機等の一般的なモバイルコンピュータである。ユーザ装置2は、通信インターフェース(I/F)21と、記憶装置22と、入出力装置23と、プロセッサ24と、位置取得部26とを備え、これらの構成要素が配線25を介して接続されている。通信I/F21は、例えば通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク5を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、及びHDD(Hard-Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)である。主記憶装置は、プロセッサ24が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ24の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ24が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置23は、例えば、タッチパネル等のユーザインターフェースである。プロセッサ24は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより
本実施形態に係る各処理を行う。図2の例では、プロセッサ24内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ24は、例えば所定のプログラムを実行することにより、位置通知部241、要求処理部242及び表示制御部243として機能する。
【0015】
位置通知部241は、位置取得部26が出力する位置情報を、通信I/F21を介して管理装置3へ送信させる。要求処理部242は、入出力装置23を介してユーザの操作を受け付け、通信I/F21を介して管理装置3との間で車両40の貸出しを予約する処理を行う。また、要求処理部242は、車両40の所定の乗車場所まで迎車(出迎え)を要求する処理を行うようにしてもよい。迎車によっても、ユーザが自己に割り当てられた車両を探す作業を軽減することができる。また、表示制御部243は、通信I/F21を介して管理装置3からの指示を受け、例えばタッチパネルの液晶パネルである入出力装置23に、ユーザに対し目的の車両40が駐車されている区画や所定の乗車場所を案内するための表示を出力させる。
【0016】
位置取得部26は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機等のようなモ
ジュールであり、所定の測位衛星からの信号を受信し、時刻、ユーザ装置2が存在する緯度及び経度、海抜高度、測位に利用した衛星に関する情報等を出力する。また、位置取得部26は、例えば携帯電話の基地局、WiFi、UWBの信号や、BLE等を利用したいわゆるビーコンからの信号を併用して、測位の精度を向上させるものであってもよい。
【0017】
<管理装置>
管理装置3は、サーバコンピュータ等の一般的なコンピュータである。なお、管理装置3は、1以上のクラウドサーバが提供する仮想的なサーバであってもよい。管理装置3は、通信I/F31と、記憶装置32と、入出力装置33と、プロセッサ34とを備えており、これらの構成要素が、バス35を介して接続されている。通信I/F31は、例えばネットワークカードや通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク5を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置32は、RAMやROM等の主記憶装置、及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサ34が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ34の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ34が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置33は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置及びモニタ等の出力装置、又はタッチパネルのような入出力装置のようなユーザインターフェースである。入出力装置33は、ユーザの操作に基づいて情報の入力を受け付けたり、ユーザに対して情報を出力したりする。プロセッサ34は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。管理装置3についても、プロセッサ34内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ34は、所定のプログラムを実行することにより、利用管理部341、位置管理部342、報知管理部343及び走行管理部344として機能する。
【0018】
利用管理部341は、通信I/F31を介してユーザ装置2からの要求を受け、ユーザに貸出す車両40を割り当てる。位置管理部342は、通信I/F31を介してユーザ装置2及び車両装置4からそれぞれの位置を示す位置情報を受信し、記憶装置32に記憶させる。なお、位置管理部342は、ダイナミックマップを記憶装置32又はネットワーク5を介して接続される他のコンピュータから読み出し、ダイナミックマップ上においてユーザ装置2及び車両装置4の位置を特定する。ダイナミックマップには、車両装置4又は車両40が駐車されている駐車場に設けられたセンサー類と接続されたコンピュータが収集した、車両40の周囲の状況に関する情報をさらに記録されるようにしてもよい。報知管理部343は、ユーザ装置2と車両装置4との距離が所定の閾値以下であるか判断したり、ユーザ装置2と車両装置4との間にユーザによる車両40の視認を妨げる障害物が存在するか判断したりする。また、報知管理部343は、判断の結果に応じて、通信I/F31を介して車両装置4に報知動作を実行させる。走行管理部344は、通信I/F31を介して車両装置4に車両40の走行を制御させる。
【0019】
<車両装置>
車両装置4は、車両40が備える車載コンピュータである。車両装置4は、通信I/F41と、記憶装置42と、入出力装置43と、プロセッサ44と、位置取得部46と、センサー47と、動作部48とを備え、これらの構成要素が、配線25を介して接続されている。通信I/F41は、例えば通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク5を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置42は、RAMやROM等の主記憶装置、及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサ44が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ44の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ44が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置43は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置及びモニタ等の出力装置、又はタッチパネルのような入出力装置のようなユーザインターフェースである。入出力装置43は、ユーザの操作に基づいて情報の入力を受け付けたり、ユーザに対して情報を出力したりする。プロセッサ44は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。車両装置4についても、プロセッサ44内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ44は、所定のプログラムを実行することにより、位置通知部441、報知制御部442及び走行処理部443として機能する。
【0020】
位置通知部441は、位置取得部46が出力する位置情報を、通信I/F41を介して管理装置3へ送信させる。報知制御部442は、通信I/F41を介して管理装置3から指示を受け、車両40の動作部48に所定の報知動作を実行させる。また、走行制御部443は、動作部48に対し車両40の走行や灯火装置の点灯又は点滅、ホーンの吹鳴、扉の開閉等を行わせる。
【0021】
位置取得部46は、車両40の位置情報を得るための1以上の装置である。例えばGPS受信機等のようなモジュールであり、所定の測位衛星からの信号を受信し、時刻、車両装置4が存在する緯度及び経度、海抜高度、測位に利用した衛星に関する情報等を出力する。また、位置取得部46は、例えば携帯電話の基地局、WiFi、UWBの信号や、BLE等を利用したいわゆるビーコンからの信号を併用して、測位の精度を向上させるものであってもよい。位置取得部46が取得する、車両40の位置情報は、位置通知部441が通信I/F41を介して管理装置3へ送信される。
【0022】
センサー47は、車両40の周囲の状況をセンシングするための1以上の装置である。具体的には、センサー47は、ステレオカメラ等の車載カメラ、ミリ波レーダー等のレーダー、LIDAR、車載レーザースキャナー、等を含んで構成される。センサー47から得られる情報を用いたセンサフュージョン技術により、位置通知部441は、車両40の周囲に存在する他の車両等の状況を示す情報を得ることができる。また、車両40の周囲の状況を示す情報は、通信I/F41を介して管理装置3へ送信される。
【0023】
動作部48は、原動機(モーター)、ステアリング機構、ブレーキ等の、車両40を走行させるための機構や、扉や窓の開閉機構、灯火装置やホーン等を含む。動作部48は、ユーザの操作に応じて動作するほか、走行制御部443が出力する信号に基づいて動作するものであってもよい。なお、本実施形態では、少なくとも灯火装置は、走行制御部443が出力する信号に基づいて動作するものとする。
【0024】
<報知処理>
図3は、本実施形態に係る報知処理の一例を示す処理フロー図である。ユーザ装置2の要求処理部241は、ユーザの操作に基づいて車両の予約処理を行う(図3:S1)。本
ステップでは、所定のアプリケーションプログラム又はウェブサイトに対してユーザが車両を予約するための情報を入力する。要求処理部241は、例えば、出発地、目的地、使用開始日時及び使用終了日時、乗車人数等の入力を受け、入力された情報を通信I/F21を介して管理装置3へ送信する。なお、要求処理部241は、車椅子の使用予定や、チャイルドシートの使用予定、高齢者の有無といった乗員の属性をさらにユーザに入力させるようにしてもよい。
【0025】
一方、管理装置3の利用管理部341は、ユーザ装置2から情報を受信し、ユーザに対し車両の割り当てを行う(図3:S2)。本ステップでは、ユーザが利用を希望する場所及び期間、その他の希望に合致する車両の識別情報と、ユーザの識別情報とを組み合わせて記憶装置32に記憶させる。また、利用管理部341は、ユーザ装置2に対して予約が完了したことを通知するようにしてもよい。
【0026】
図4は、管理装置の記憶装置に格納される情報の一例を示す図である。図4の例では1つのテーブルを示すが、情報のデータ構造は適宜正規化又は非正規化して記憶させることができる。図4のテーブルは、「車両ID」、「車両位置」、「ユーザID」、「属性」、「乗車人数」等のカラムを含む。「車両ID」のフィールドには、車両を一意に特定するための識別情報が登録される。「車両位置」のフィールドには、各車両が存在する位置を示す情報が登録される。「ユーザID」のフィールドには、ユーザを一意に特定するための識別情報が登録される。「ユーザ位置」のフィールドには、ユーザが存在する位置を示す情報が登録される。「属性」のフィールドには、「車椅子」、「高齢者」、「乳幼児」といった乗車予定者の属性が登録される。なお、「車椅子」は、乗車予定者に車椅子を使用する者が含まれることを示す。「高齢者」は、乗車予定者に高齢者が含まれることを示す。「乳幼児」は、乗車予定者に乳幼児が含まれることを示す。「乗車人数」のフィールドには、乗車予定者の人数が登録される。テーブルは、その他に車両の使用期間を示す情報等を含むものであってもよい。図3のS2においては、図4に示すようなテーブルにおいて、ユーザのユーザIDと、当該ユーザに割り当てられた車両の車両IDとの組み合わせを示すレコードが作成される。
【0027】
また、ユーザ装置2の位置通知部241は、位置取得部26からユーザ装置2の位置情報を取得し(図3:S3)、管理装置3へ位置情報を送信する(図3:S4)。S3及びS4の処理は、少なくともユーザが車両40を予約した期間であってユーザの乗車前に、繰り返し実行される。
【0028】
一方、車両装置4の位置通知部441は、位置取得部46から車両装置4の位置情報を取得し(図3:S5)、管理装置3へ位置情報を送信する(図3:S6)。S5及びS6の処理は、少なくとも前回の走行後、停車時に実行されると共に、車両40の走行時には繰り返し実行されるものとする。
【0029】
なお、S3~S6の処理に加えて、又はS3~S6の処理に代えて、駐車場に設けられたセンサー類やカメラ、通信設備等の少なくともいずれかと接続された監視用コンピュータが、ユーザ位置や車両位置、周辺に存在する他の人物や車両等の位置を検出し、管理装置3へ位置情報を送信するようにしてもよい。例えば、ユーザ装置2や車両装置4に対してネットワーク5への接続サービスを提供する複数のアンテナ設備を用いて、電波強度等に基づいて位置を推定することができる。
【0030】
また、管理装置3の位置管理部342は、ユーザ装置2及び車両装置4の少なくとも一方から位置情報を受信した場合、記憶装置32に記憶された情報を更新する(図3:S7)。本ステップでは、例えば図4に示したテーブルの車両位置又はユーザ位置のフィールドが最新の情報に更新される。
【0031】
そして、管理装置3の報知管理部343は、車両位置とユーザ位置とが所定の位置関係にあるか判断する(図3:S8)。本ステップでは、報知管理部343は、車両40の周囲のダイナミックマップを読み出し、ユーザ装置2と車両装置4との距離が所定の閾値以下であり、且つユーザ装置2と車両装置4との間にユーザによる車両40の視認を妨げる障害物がないか判断する。
【0032】
S8において処理の位置関係にあると判断された場合(S8:YES)、報知管理部343は、報知動作を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図3:S9)。車両装置4の報知制御部442は、管理装置3からの指示を受信すると、所定の報知動作を行う(図3:S10)。本ステップでは、例えば、車両40を基準としてユーザが存在する方向の灯火装置を点滅又は点灯させる。一部の灯火装置のみを動作させることにより、仮にユーザ以外の歩行者等が車両40の周囲に存在する場合であっても、必要最低限の動作によってユーザに報知を行うことができる。一方、S8において所定の位置関係にないと判断された場合(S8:NO)、S7に戻って処理を繰り返す。
【0033】
なお、S8及びS9の処理は、ダイナミックマップを読み出し可能に構成されたユーザ装置2又は車両装置4が実行してもよい。
【0034】
<報知処理の具体例>
図5は、報知処理の変形例を示す図である。すなわち、図3において破線の角丸長方形で示す工程は、図5に示すような処理であってもよい。管理装置3の位置管理部342は、ユーザに割り当てられた車両40が存在する駐車場(以下、「目的の駐車場」とも呼ぶ)に、ユーザ装置2が存在するか判断する(図5:S11)。本ステップにおける駐車場とは、例えば立体駐車場のフロア単位や、便宜上区画されたエリア単位の領域をいうものであってもよい。
【0035】
ユーザ装置2が目的の駐車場に存在しないと判断された場合(S11:NO)、報知管理部343は、ユーザ装置2の位置に応じた案内をユーザ装置2へ送信する(図5:S12)。また、ユーザ装置2の表示制御部243は、案内を受信し、入出力装置23に案内を表示させる(図5:S13)。図6は、ユーザ装置及び車両の位置と、案内の一例を示す図である。図6の例では、報知管理部343は、ユーザが2階のエリアBに存在し、目的の車両が駐車されている目的の駐車場は3階のエリアAであると判断したものとする。このとき、ユーザ装置2が目的の駐車場に存在しないと判断され、報知管理部343は、目的の駐車場までの経路を案内するための情報をユーザ装置2へ送信し、ユーザ装置2の例えば液晶パネルである入出力装置23には、受信した案内が表示されている。
【0036】
また、S11においてユーザ装置2が目的の駐車場に存在すると判断された場合(S11:YES)、報知管理部343は周囲の構造上、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物が存在するか判断する(図5:S14)。本ステップでは、報知管理部343は、ダイナミックマップを読み出し、ユーザ装置2と車両装置4との距離が所定の閾値以下であり、且つユーザ装置2と車両装置4との間にユーザによる車両40の視認を妨げる障害物が存在するか判断する。例えば、ユーザ装置2と車両装置4との間に不透明な壁面が存在する場合は、障害物があると判断する。また、ユーザ装置2と車両装置4との間にガラスやアクリル樹脂の壁面や窓が存在する場合や、所定の高さ以下の植え込み等が存在する場合には、障害物がないと判断する。すなわち、存在する障害物が透過して視認可能なものである場合や、存在する障害物がユーザの視界を妨げない高さである場合のように、障害物が存在しても、その障害物がユーザから車両を見た場合に視界を妨げないような場合には、障害物がないと判断する。
【0037】
S14において構造上の障害物がないと判断された場合(S14:NO)、報知管理部343は、周囲の状況に基づいてユーザ装置2と車両装置4との間に障害が存在するか判断する(図5:S15)。本ステップでは、報知管理部343は、ダイナミックマップにおいて他の車両等の位置を示す動的レイヤーの情報に基づいて、判断する。例えば、ユーザ装置2と車両装置4との間に他の車両が存在する場合は、障害があると判断する。また、車両装置4の周囲に、別の車両40を探す他のユーザが存在する場合も、障害があると判断してもよい。
【0038】
S15において状況上の障害がないと判断された場合(S15:NO)、報知管理部343は、ユーザ装置2と車両装置4との位置関係に応じて報知動作を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図5:S16)。一方、車両装置4の報知制御部442は、指示を受信し、動作部48に報知動作を実行させる(図5:S17)。本ステップでは、例えば、車両40を基準としてユーザが存在する方向の灯火装置を点滅又は点灯させる。
【0039】
また、図5のS14において周囲の構造に障害物があると判断された場合(S14:YES)、及びS15において周囲の状況に基づき障害があると判断された場合(S15:YES)、報知管理部343は、車両40を所定の距離程度移動させることで報知が可能になるか判断する(図5:S18)。本ステップでは、例えば周囲に駐車されている他の車両よりも目的の車両を前に出すことで、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物がなくなるか判断する。
【0040】
S18において報知が可能になると判断された場合(S18:YES)、報知管理部343は車両40の移動と報知動作を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図5:S19)。一方、車両装置4の報知制御部442は、指示を受信し、動作部48に車両40の移動と報知動作を実行させる(図5:S20)。本ステップでは、例えば、周囲の他の車両よりもわずかに前方に車両40を移動させた上で、車両40を基準としてユーザが存在する方向の灯火装置を点滅又は点灯させる。このように、車両40がいわゆる自動運転を行う場合は、ユーザが移動しなくても、ユーザから報知動作を視認できる位置に車両40を移動させるようにしてもよい。
【0041】
また、S18において移動しても報知が不可能であると判断された場合(S18:NO)、報知管理部343は、ホーンによる報知が可能であるか判断する(図5:S21)。本ステップでは、例えば、ユーザ装置2と車両装置4との距離が、S14やS15における閾値よりも大きな第2の閾値以下であり、ユーザ装置2と車両装置4とが壁などで仕切られていない同一の空間に存在する場合、ホーンによる報知が可能であると判断する。なお、ユーザが壁及び扉で区画された別の空間である歩行者出入口内に存在する場合や、車両40が、ダイナミックマップにおいてホーンの使用が禁止された領域(図示せず)内に位置する場合は、報知管理部343は、ホーンによる報知が不可能であると判断する。また、駐車場の規模や周囲の環境に基づいてホーンの使用可否を判断してもよい。
【0042】
S21においてホーンによる報知が可能であると判断された場合(S21:YES)、報知管理部343は車両40にホーンによる報知動作を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図5:S22)。一方、車両装置4の報知制御部442は、指示を受信し、動作部48にホーンによる報知動作を実行させる(図5:S23)。本ステップでは、例えば、動作部48がホーンの吹鳴を実行させる。また、S21においてホーンによる報知が不可能であると判断された場合、図3のS7に戻って処理を繰り返す。
【0043】
図7は、ユーザ装置及び車両の位置と、報知動作の一例を示す図である。例えば、区画B1に目的の車両40が駐車されている場合、ユーザ装置2が「ア」の位置に存在するときは、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物が存在しないと判断され、区画B1の車
両40は前照灯を点滅させて報知を行う。
また、区画A3に目的の車両40が駐車されている場合、ユーザ装置2が「ア」の位置に存在するときは、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物である他の車両が存在するため報知動作が行われないが、車両40をわずかに移動させての少なくとも右前方のウィンカーを点滅させる報知処理が行われる。また、区画D2に目的の車両40が駐車されている場合、ユーザ装置2が「ア」の位置に存在するときは、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物である柱及び他の車両が存在するため報知動作が行われず、車両40を移動させての報知処理も行われないが、ホーンによる報知動作が行われる。また、ユーザ装置2が「イ」の位置に移動したときは、ユーザ装置2と車両装置4との間に障害物がないと判断され、区画D2の車両40は前照灯を点滅させて報知を行う。
【0044】
以上のように、本システムによれば、ユーザ装置2と車両40Bが備える車両装置4とが近付いたときであって、両者の間に障害物が存在しない、適切なタイミングで報知動作をさせることができる。
【0045】
なお、図5の処理は、様々な変形が可能である。例えば、S11~S17のように、処理の一部を行うようにしてもよい。すなわち、S14において周囲の構造に障害があると判断された場合(S14:YES)、又はS15において周囲の状況に障害があると判断された場合(S15:YES)は、図3のAに戻るようにしてもよい。
【0046】
<迎車処理>
図8は、迎車処理の一例を示す処理フロー図である。本システムは、上述した報知処理に加え、又は上述した報知処理に代えて、図8に示すような迎車処理を行うようにしてもよい。ユーザ装置2の要求処理部241は、ユーザの操作に基づいて車両40の所定の乗車場所まで迎車を要求する処理を行う(図8:S31)。本ステップでは、所定のアプリケーションプログラム又はウェブサイトに対してユーザが迎車を要求するための情報を入力する。要求処理部241は、所定の乗車場所は、駐車場に対応づけて予め定義されていてもよいし、ユーザが指示するようにしてもよい。また、要求処理部241は、車両40に乗降するための十分な幅がある場合に、乗車場所として採用するようにしてもよい。
【0047】
一方、管理装置3の利用管理部341は、ユーザ装置2から情報を受信する(図8:S32)。なお、迎車処理は、図4に示したようなテーブルにおいて乗員の属性に車椅子や高齢者、乳幼児等の登録がある場合に要求を受け付けるようにしてもよいし、乗員の属性にこれらの登録がある場合に、利用管理部341が自発的に迎車を指示するようにしてもよい。また、ダイナミックマップにおいて駐車場内の自動運転の許否を示す情報を保持している場合は、自動運転が許可されているときに迎車処理を行う。
【0048】
また、ユーザ装置2の位置通知部241は、位置取得部26からユーザ装置2の位置情報を取得し(図8:S33)、管理装置3へ位置情報を送信する(図8:S34)。S33及びS34の処理は、図3のS3及びS4と同様である。
【0049】
一方、車両装置4の位置通知部441も、位置取得部46から車両装置4の位置情報を取得し(図8:S35)、管理装置3へ位置情報を送信する(図8:S36)。S35及びS36の処理も、図3のS5及びS6と同様である。
【0050】
なお、S33~S36の処理に加えて、又はS33~S36の処理に代えて、駐車場に設けられたセンサー類やカメラ、通信設備等の少なくともいずれかと接続された監視用コンピュータが、ユーザ位置や車両位置、周辺に存在する他の人物や車両等の位置を検出し、管理装置3へ位置情報を送信するようにしてもよい。
【0051】
また、管理装置3の位置管理部342は、ユーザ装置2及び車両装置4の少なくとも一方から位置情報を受信した場合、記憶装置32に記憶された情報を更新する(図8:S37)。S37の処理は、例えば図3のS7と同様である。
【0052】
そして、管理装置3の走行管理部344は、迎車が可能であるか判断する(図8:S38)。本ステップでは、走行管理部344は、所定の乗車場所又はユーザが指定した乗車場所までの走行が可能であるか判断する。具体的には、駐車場のダイナミックマップを読み出し、車両装置4を搭載する車両40の駐車位置から乗車場所までの経路に他の車両40等が存在しないか判断する。
【0053】
S38において迎車が可能であると判断された場合(S38:YES)、走行管理部344は、迎車を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図8:S39)。車両装置4の走行制御部443は、管理装置3からの指示を受信すると、車両40を乗車場所まで走行させる(図8:S40)。一方、S38において迎車が不可であると判断された場合(S38:NO)、S37に戻って処理を繰り返す。
<迎車処理の具体例>
図9は、迎車処理の変形例を示す図である。すなわち、図8において破線の角丸長方形で示す工程は、図9に示すような処理であってもよい。管理装置3の位置管理部342は、目的の駐車場に、ユーザ装置2が所定の距離以上接近しているか判断する(図9:S41)。本ステップにおける駐車場とは、例えば立体駐車場のフロア単位や、便宜上区画されたエリア単位の領域をいうものであってもよい。
【0054】
ユーザ装置2が目的の駐車場に所定の距離以上接近してしないと判断された場合(S41:NO)、報知管理部343は、ユーザ装置2の位置に応じた案内をユーザ装置2へ送信する(図9:S42)。また、ユーザ装置2の表示制御部243は、案内を受信し、入出力装置23に案内を表示させる(図9:S43)。S42及びS43においても、図6に示したような案内が表示される。
【0055】
また、S41においてユーザ装置2が目的の駐車場に所定の距離以上接近していると判断された場合(S41:YES)、走行管理部344は所定の乗車場所又はユーザが指定した乗車場所である目的地に空きがあるか判断する(図9:S44)。本ステップでは、走行管理部344は、ダイナミックマップを読み出し、目的地に車両40を停車させるスペースが存在するか判断する。
【0056】
S44において目的地に空きがないと判断された場合(S44:NO)、報知管理部343は、乗車場所が空くまで待機する旨の案内をユーザ装置2へ送信する(図9:S45)。また、ユーザ装置2の表示制御部243は、案内を受信し、入出力装置23に案内を表示させる(図9:S46)。そして、管理装置3はS44に戻り処理を繰り返す。
【0057】
また、S44において目的地に空きがあると判断された場合(S44:YES)、走行管理部344は目的地までの経路に障害があるか判断する(図9:S47)。本ステップでは、走行管理部344は、ダイナミックマップ上において、車両装置4を搭載する車両40から目的地までの経路に他の車両が存在するか判断する。
【0058】
S47において経路に障害があると判断された場合(S47:NO)、報知管理部343は、乗車場所へ走行できるようになるまで待機する旨の案内をユーザ装置2へ送信する(図9:S48)。また、ユーザ装置2の表示制御部243は、案内を受信し、入出力装置23に案内を表示させる(図9:S49)。そして、管理装置3はS44に戻り処理を繰り返す。
【0059】
また、S47において経路に障害がないと判断された場合(S47:NO)、走行管理部344は、車両40の移動を指示するための情報を車両装置4へ送信する(図9:S50)。一方、車両装置4の走行制御部443は、指示を受信し、動作部48と連携して車両40を目的地まで走行させる(図9:S51)。本ステップでは、車両装置4は、車両40の周囲の状況に応じて自律的に走行を制御するものとする。
【0060】
また、報知制御部442は、目的地に到着すると、図3及び図5に示したような報知処理を行い、例えば走行制御部443は、動作部48に開扉させる(図9:S52)。迎車処理においても適切なタイミングで報知処理を行うようにしてもよい。また、例えば図4に示した乗車人数の情報や、例えば車載カメラの画像を解析して得られる乗車人数や荷物の多寡に基づいて1以上の扉を開けるようにしてもよい。
【0061】
なお、S44において目的地に空きがないと判断された場合(S44:No)、及びS47において経路に障害があると判断された場合(S47:YES)は、走行管理部344は、入出庫する可能性のある他の車両が周囲に存在せず、ユーザが乗降するために十分である所定の幅のある適当な空き領域を目的地に変更し、変更後の乗車場所を案内する情報をユーザ装置2に送信するようにしてもよい。
【0062】
図10は、ユーザ装置及び車両の位置と、迎車処理の一例を示す図である。ユーザは、例えば店内で買い物を済ませ、「ウ」の位置においてユーザ装置2を介して迎車を要求する。なお、図10の例においては破線の角丸長方形で示す領域が予め乗車場所として定められ、その旨の情報がダイナミックマップに格納されているものとする。管理装置3は、ユーザが予め定められた乗車場所に十分接近していないと判断した場合、乗車場所を案内する情報をユーザ装置2に送信し、ユーザ装置2は乗車場所の案内を表示する。また、ユーザ装置2が例えば「エ」の位置に移動し、予め定められた乗車場所に十分接近したと管理装置3が判断した場合であって、管理装置3は、目的地に空きがあり、経路に障害がないと判断したときは、ユーザに割り当てられた車両40を目的地へ移動させる。図10の例では、乗車場所に2台の車両40が停車している。また、ユーザ装置2が乗車場所の領域内である「オ」の位置に移動した場合、管理装置3は、目的の車両である2台目の車両40に報知動作を実行させる。
【0063】
<その他>
図示したシステム及び装置の構成は一例であり、上述の例には限定されない。例えば、管理装置3は、配車を行う会社の装置(図示せず)に対して、車両40の利用を予約したり報知動作の実行を要求する構成であってもよい。また、図示した機能の少なくとも一部を複数の装置で分担して実行したり、複数の装置で並列に実行してもよい。同様に、処理フローに示した処理は、結果が変わらない範囲で、順序を入れ替えて実行したり、並列に実行してもよい。
【0064】
また、上述の例では基本的に灯火装置による報知を示したが、ホーンによる報知のみを行うようにしてもよい。また、報知処理を行わずに、迎車処理のみを行うようにしてもよい。また、管理装置3、ユーザ装置2又は車両装置4のいずれかが、位置管理部342、報知管理部343及び走行管理部344を備える制御装置として機能する構成であってもよい。また、例えば位置管理部342、報知管理部343、走行管理部344を、それぞれ別の装置が備える構成であってもよい。
【0065】
また、本発明は、上述した処理方法を実行するコンピュータプログラム、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該記録媒体をコンピュータに読み込ませ、記録されているプログラム実行させることにより、上述の処理が可能となる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的
、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。
【符号の説明】
【0066】
1:システム
2:ユーザ装置
21:通信I/F
22:記憶装置
23:入出力装置
24:プロセッサ
241:位置通知部
241:要求処理部
242:要求処理部
243:表示制御部
26:位置取得部
3:管理装置
31:通信I/F
32:記憶装置
33:入出力装置
34:プロセッサ
341:利用管理部
342:位置管理部
343:報知管理部
344:走行管理部
40:車両
4:車両装置
41:通信I/F
42:記憶装置
43:入出力装置
44:プロセッサ
441:位置通知部
442:報知制御部
443:走行処理部
443:走行制御部
46:位置取得部
47:センサー
48:動作部
5:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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