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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161244
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】浮力補助具
(51)【国際特許分類】
   B63B 34/26 20200101AFI20221014BHJP
   B63B 1/12 20060101ALI20221014BHJP
   B63B 34/21 20200101ALI20221014BHJP
【FI】
B63B34/26
B63B1/12 Z
B63B34/21
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065902
(22)【出願日】2021-04-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】519279708
【氏名又は名称】株式会社エアーオーシャンズ空調設備サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】飯島 忠良
(57)【要約】
【課題】釣り等を用途とする船舶の安全性と利便性を向上させることができる船体の装備品を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する本願発明は、船体2の側面に結合される浮力補助具1であって、水面に浮かべた際に重力に勝る浮力を発生させる浮力補助具本体11と、内部に物品を収容可能な収容部12と、を備える浮力補助具であり、好ましくは、浮力補助具本体11は、取付部111を有し、取付部111は、収容部12を取り外し可能に篏合支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の側面に結合される浮力補助具であって、
水面に浮かべた際、浮力によって浮上する浮力補助具本体と、
内部に物品を収容可能な収容部と、を備える浮力補助具。
【請求項2】
前記浮力補助具本体には、前記収容部を取り外し可能に篏合支持する取付部が設けられている請求項1に記載の浮力補助具。
【請求項3】
外部との熱のやりとりを遮断する断熱部を有する請求項1又は2に記載の浮力補助具。
【請求項4】
前記収容部の上部には、蓋部が設けられる請求項1~3の何れかに記載の浮力補助具。
【請求項5】
前記浮力補助具本体と、前記船体と、を架設して結合する棒状部材を備える請求項1~4の何れかに記載の浮力補助具。
【請求項6】
前記棒状部材は、軸方向に向けて伸縮自在に構成されている請求項5に記載の浮力補助具。
【請求項7】
前記浮力補助具本体の外部形状は、前記船体の進行方向に向かう流線形に形成されている請求項1~6の何れかに記載の浮力補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カヤックやカヌーの安定性を高める浮力補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
カヤックやカヌーは喫水が浅く、重心が水面よりも上方に位置することが多い。そのため、キール等を有する船舶に比べて安定性が悪く転覆しやすい。特に海面上では、横波によって容易に転覆してしまう恐れがある。
そこで、カヤックやカヌーの側面に浮力の補助具を取り付け、カヤックの安定性を高めるアウトリガーと呼ばれる浮力補助具が利用されている。このように用いられる浮力補助具の一例として、特許文献1には、バランス能力を向上させるボートの構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登319070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カヤックの利用方法として、カヤックに乗りながら魚釣りを行うフィッシングカヤックがある。
当然、カヤックに乗りながら魚釣りをするにあたってはカヤックの操縦者はその重心を大きく移動させる必要があるため、通常のカヤックの利用方法に比べて転覆しやすく、浮力補助具を装備する場合が多い。
【0005】
一方、カヤックには収納するためのスペースがほとんどないため、釣り上げた魚をクーラーボックスに収納することが難しく、魚を新鮮な状態で丘まで運ぶことが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、釣りなどを用途とする船舶の安全性と利便性を向上させることができる船体の装備品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本願発明は、船体の側面に結合される浮力補助具であって、水面に浮かべた際、浮力によって浮上する浮力補助具本体と、内部に物品を収容可能な収容部と、を備える浮力補助具である。
このような構成によって、釣りをする際は船の安定性を高める浮力補助具として利用可能であり、実際に漁獲した際には漁獲物を収容する容器として利用可能な船舶の装備品となる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記浮力補助具本体は、取付部を有し、前記取付部は、前記収容部を取り外し可能に篏合支持する。
このような構成によって、前記収容部を独立して取り扱うことができるようになり、前記収容部に収容した物品の取り扱いが容易になる。また、使用後に浮力補助具本体を洗浄する手間が省けるため、メンテナンス性が向上する。
【0009】
本発明の好ましい形態では、外部との熱のやりとりを遮断する断熱部を有する。
このような構成によって、前記収容部の内部を冷却した状態に保つことができるようになり、内部に収容した物品の鮮度を長時間保つことができるようになる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記収容部の上部には、蓋部が設けられる。
このような構成によって、直射日光や外部との熱のやりとりを遮断することができるようになり、さらに水上での利用時に前記収容部に水が入ることを防止することができるようになる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記浮力補助具本体と、前記船体と、を架設して結合する棒状部材を備える。
このような構成によって、前記浮力補助具本体と、前記船体と、を安定して結合することができるようになる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記棒状部材は、軸方向に向けて伸縮自在に構成されている。
このような構成によって、前記船体と、前記浮力補助具本体との間隔を調整することができるようになり、使用者の身長や使用態様に合わせた利用ができるようになる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記浮力補助具本体の外部形状は、前記船体の進行方向に向かう流線形に形成されている。
このような構成によって、前記船体を動作させる際に、前記浮力補助具本体にかかる流水抵抗を削減することができるため、取り扱いを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記課題を解決する本発明は、釣り等を用途とする船舶の安全性と利便性を向上させることができる船体の装備品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一の実施形態に係る、船体に取り付けられた浮力補助具の斜視図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る、船体に取り付けられた浮力補助具の上面図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る、収容部が取り付けられていないA-A’における断面図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る、B-B’における端面図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係る、収容部が取り付けられているA-A’における断面図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係る、A-A’における固定ネジ周辺の拡大断面図である。
図7】本発明の第一の実施形態に係る、C-C’における断面図である。
図8】本発明の第二の実施形態に係る、船体に取り付けられた浮力補助具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る浮力補助具について説明する。説明は、まず実施形態の構成について詳述し、次に実施の方法について詳述し、最後に他の実施例について詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
また、図に示す船体および浮力補助具は一例を示す模式図であって、形状はこれに限られない。
【0017】
≪第一の実施形態≫
まず、図1図7を用いて、本発明の第一の実施形態に係る浮力補助具について説明を行う。
図1は、本実施形態にかかる浮力補助具1が、他の船舶の船体2に接続されている様子を表す斜視図であり、図2は、同様の状態にある浮力補助具1の上面図を表している。
【0018】
図1及び図2に示す通り、浮力補助具1は、船体2に、浮力補助具1及び船体2の中央部にかけ渡される1本の棒状部材3を介して接続されている。
詳述すると、浮力補助具1は、外部が水密に構成されており、水面に浮遊可能な浮力補助具本体11と、内部に物品を収納可能な蓋つきの容器である収容部12と、浮力補助具本体11の内部に溜まった水を放出可能な水抜き部13と、を有する。
また、浮力補助具本体11の上面は略平面状であり、収容部12を篏合して取り付け可能な大きさを有する窪み部分である取付部111を有する。
【0019】
図3は、A-A’断面における、後述する収容部12が設けられていない状態での断面図を表している。浮力補助具本体11は、ポリエチレン製の水密部材が閉じることによって形成される舟型の部材であり、内部に空洞部112を有する。これにより浮力補助具本体11は、水に浮かべた際に、浮力補助具本体11に発生する重力よりも大きな浮力を持つ。
本実施形態においては、収容部12は取付部111に2つ取り付けられている。ここにおいて、取付部111はそれぞれの収容部12に対応する大きさのものが2つ設けられていることが好ましくあるが、構成を簡単にするために2つの収容部12を同時に包含可能な1つの取付部111が設けられていてもよい。
【0020】
また、取付部111は、その側面及び底面が空洞部112によって覆われている。空洞部112は空気が封入されているため、後述する断熱部Iを用いなくとも、空気による断熱作用によってある程度の断熱性能を確保することができる。これにより、収容部12を軽量化し、取り外しを行いやすくするとともに、内部容積を増やし、多くの物品を収納できるようになる。
【0021】
また、浮力補助具本体11の外形は、浮力補助具1に取り付けられる船体2と略同一方向に向かう流線型状に構成されている。このような構成によって、浮力補助具1が受ける流体抵抗を低減し、使用者はスムーズな操船を行うことができる。
【0022】
図4は、補助具接続具J1の取り付け部における端面図を表している。
浮力補助具本体11は、補助具接続具J1及び棒状部材3を介して船体2に着脱可能に構成される。詳述すると、図1図4に示すように、浮力補助具1と補助具接続具J1とは、浮力補助具本体11の上面においてボルトとナットで挟み込むことによって固定されており、その締め付けの具合によって棒状部材3の取り付け強さを調整することができる。
本実施形態において、補助具接続具J1には、略半円形状のパイプ用クランプを用いているが、補助具接続具J1には円筒状のクランプであっても、T管などのジョイント部品を用いてもよい。好ましくは、取付けの角度が定常になるように、二組以上の補助具接続具J1を利用して棒状部材3を固定する。
【0023】
また、図4に示すように、補助具接続具J1の取り付け断面には、浮力補助具1と、補助具接続具J1と、の接続を容易に行うための補助孔113を有する。使用者は、補助孔113にレンチ等の工具を挿入することによって補助具接続具J1の取り外しや取り付け強度の調整を容易に行うことができる。
【0024】
図5は、収容部12が取り付けられている状態でのA-A’における断面図を表している。
収容部12は、図5に示すように、箱型で内部に物品を収納可能な容器であり、収容部12の内部と外部との熱交換を遮断する容器本体121と、容器本体121の上面を覆い、上部からの水の流入と熱交換を防ぐ蓋部122と、容器本体121に設けられ蓋部122と係合して固定するフック部123と、を有する。
【0025】
容器本体121は、内部に断熱部Iを含む箱型部材であって、その内周は氷水等の液体を収容することができるように水密材によって構成されている。特に、断熱部Iは耐水性をもつ発泡ポリウレタンによって形成されていることが望ましい。
なお、断熱部Iは、容器本体121の内部に設けられていなくともよい。例えば、取付部111の周囲を取り囲むように貼り付けられていてもよく、断熱部Iが空洞部112に詰められて設けられていてもよい。
【0026】
蓋部122は、図5に示すように、容器本体121の上面と略同一の大きさの面を有する平板状の部材であって、容器本体121に設けられているヒンジを介して接続されることで、ヒンジの軸を中心として回転可能に構成されている。
なお、ヒンジの軸は、容器本体121の上端において、船体2の長軸方向に対して略平行に設けられ、船体2から最も離れた辺に沿って設けられていることが望ましい。これによって船体2に乗船している使用者が蓋部122を開くのが容易になる。
【0027】
フック部123は、図5に示すように、容器本体121に対して回動可能に設けられており、蓋部122と係合することによって蓋部122の意図しない開放を抑制する。
なお、フック部123は、容器本体121の上端において、ヒンジと対向する辺に設けられていることが好ましい。これにより、船体2に乗船した使用者が、蓋部122の係合を容易に行うことができる。
【0028】
また、図5(b)に示すように、フック部123の近傍と蓋部122とを結ぶ紐材Rを設けることによれば、蓋部122の最大開度が決定し、さらに紐材Rを手繰り寄せることによって蓋部122の操作が可能となる。
これにより、使用者が船体2に乗船したまま、蓋部122の閉鎖を行うことが容易にできるようになる。
【0029】
なお、収容部12は、浮力補助具1と一体となって形成されていてもよく、その場合は、後述する水抜き部13を収容部12にも設けることが好ましい。
【0030】
水抜き部13は、空洞部112の内部に発生する結露や補助孔113から入り込んだ水滴を取り除くための穴であって、穴を塞ぐ蓋と共に設けられている。
また、水抜き部13は、取付部111や容器本体121の下部に設けられていていてもよく、好ましくは、空洞部112には、浮力補助具1を陸上に載置した際に、重力に従って水が抜けるように、水抜き部13に向かう傾斜が設けられている。
なお、水抜き部13が2つ以上設けられることによれば、気流が発生することによって通気性が向上し、空洞部112内でカビ等が発生することを防ぐことができるようになる。
【0031】
竜骨部14は、浮力補助具1の強度を高める部材であって、浮力補助具本体11の底部において、先端から後端にかけて一体に設けられている。
本実施形態において竜骨部14は、浮力補助具本体11の底から取付部111を支持するように設けられており、中空上に位置することとなる取付部111の強度を高める。
また、竜骨部14は右舷側と左舷側を隔てるようにしてもよく、このように構成することで浮力補助具本体11の一部に穴が開いた場合であっても浮力を保つことができる。
【0032】
以下、船体2について説明を行う。
本実施形態において船体2は、二人乗りのカヤックの船体であって、船体本体21と、船体本体21上にくり抜かれるように形成された搭乗スペース22と、搭乗スペース22の上に縦列して設けられる席23と、を有する。
なお、船体本体21には、平面視で略楕円形状に形成されており、前方部には小物を船体2に押し付けることで固定する小物固定部Hが設けられている。
【0033】
搭乗スペース22は、人間が二名搭乗可能な大きさを有し、船体本体21上の搭乗スペース22の境界となる縁部221は、船体本体21よりも厚みが大きく形成されている。
【0034】
縁部221には、船体2と棒状部材3とを接続するための船体接続具J2が設けられており、船体接続具J2は、補助具接続具J1と同様にしてボルトとナットによって固定されている。
また、図2に示すように、船体接続具J2ないしは棒状部材3は、船体2を平面視した際、長軸方向に対して垂直となるように設けられており、さらに詳述すると、棒状部材3は、前方の席23の後方に接するように設けられている。これにより、棒状部材3と操船用具の干渉による操船の支障が起こりにくくなる。
【0035】
図6は、浮力補助具本体11に取り付けられた棒状部材3を含んだ断面図を表し、図7図6における固定ネジJAの周辺を詳細にした拡大図を表している。
図6に示すように、棒状部材3は、主に外側パイプ31と、内側パイプ32と、によって構成されている。外側パイプ31の内径は、内側パイプ32の外径よりも少し大きく、外側パイプ31の内部において内側パイプ32を摺動させることで、軸方向の長さが変更できるように構成されている。
【0036】
外側パイプ31は、浮力補助具本体11上面の幅方向よりも長い単管パイプ材であり、浮力補助具本体11に、補助具接続具J1を介して、蝶ネジ等の固定ネジJAによって固定されている。詳述すると、外側パイプ31には、補助具接続具J1と浮力補助具本体11の上面との間に挟持されることによって、浮力補助具本体11に押し付けられる作用が働く。また、図7に示すように、補助具接続具J1に設けられる穴と外側パイプ31に設けられる穴が、固定ネジJAによって同時に螺着されることによって、外側パイプ31の軸方向の摺動及び回転を防ぐ。
また、外側パイプ31は船体2に近い側の端部近傍に、周辺よりも径が大きい取っ手311を有している。
【0037】
内側パイプ32は、単管パイプであって、上述のように船体2の縁部221に固定されて設けられており、等間隔で直列に設けられる複数の穴部321を有する。
穴部321は、上述した外側パイプ31に設けられる穴と略同一形状の穴であって、図7に示すように、外側パイプ31及び補助具接続具J1に設けられる穴とともに、固定ネジJAによって螺着されることによって、内側パイプ32が外側パイプ31に対して軸方向に固定される。外側パイプ31と内側パイプ32とは、任意の穴部321において螺着可能であるため、棒状部材3の長さを変更することができる。
なお、外側パイプ31において、穴部321に対応する箇所に複数の穴を設け、複数の固定ネジJAによって棒状部材3の長さを固定してもよい。
【0038】
また、外側パイプ31及び内側パイプ32の端部には、パイプ内部への水の侵入を防ぐためのキャップCAが設けられている。
【0039】
なお、外側パイプ31と内側パイプ32の取り付けの関係は逆であってもよく、好ましくは、より長いパイプを、径が大きく丈夫な外側パイプ31とする。
また、外側パイプ31と内側パイプ32は、電食を防ぐために同一種類の素材を使うことや、防蝕亜鉛を設けることが好ましいが、錆びを防ぐためにプラスチック製であってもよい。
【0040】
以下、図1図7を用いて、本実施形態に係る浮力補助具1の使用方法について詳述する。浮力補助具1は、浮力補助具1を船体2に取り付け、使用する目的をもつ使用者によって使用される。
なお、使用の態様は以下の記載に限られず、その順番は前後してもよい。
【0041】
まず、使用者は、図1に示すように、収容部12を取付部111に取り付け、棒状部材3を浮力補助具1及び船体2に取り付ける。
使用者は、外側パイプ31の中に内側パイプ32を摺動させて取り付けることにより、棒状部材3とする。続いて、浮力補助具1に螺着される補助具接続具J1を介して外側パイプ31を取り付け、次に、船体2に螺着される船体接続具J2を介して内側パイプ32を取り付ける。
【0042】
次に、使用者は、内側パイプ32を摺動させることによって、浮力補助具1と、船体2との間隔を調整する。使用者は、適当な間隔になったら、外側パイプ31に設けられる穴と穴部321とを蝶ネジ等で螺着し、棒状部材3の長さを固定する。なお、摺動の際は、取っ手311を把持することで作業が容易になる。
【0043】
次に、使用者は、収容部12の内部に氷水等の冷却材を投入する。その後、搭乗スペース22に乗り込み、船体2を操船し、釣りを行う。
使用者が水揚げを行う際には、収容部12の蓋部122を開き、漁獲物を投入する。使用者は、漁獲物の投入後、紐材Rを引っ張ることで蓋部122を閉じ、フック部123で蓋部122を固定する。
また、使用者が陸揚げを行う際には、収容部12を取付部111から取り外し、中身を出す。
【0044】
上記構成によって、釣りなどを用途とする船舶の安全性と利便性を向上させることができる。
【0045】
≪第二の実施形態≫
次に、図8を用いて第二の実施形態について詳述を行う。なお、第一の実施形態と同様の構成については、記載を省略する。
本実施形態において、浮力補助具1と船体2とは、前方棒状部材3aと後方棒状部材3bとの二本の棒状部材3によって接続されている。
搭乗スペース22は、人間が一名搭乗可能な大きさを有し、船体接続具J2は、縁部221の最も前方の部分と、最も後方の部分において、それぞれ固定されている。2本の棒状部材3によって接続されていることによって、棒状部材1本あたりの負担を小さくすることができる。
【0046】
また、収容部12は、前方棒状部材3aと後方棒状部材3bとによって挟まれる位置に一つ配置されている。これにより第一の実施形態の収容部12と比べて大きな漁獲物を収容することができる。
【0047】
本実施形態では、棒状部材3の軸方向の長さを固定する固定ネジJAが、船体接続具J2に設けられており、また、取っ手311は、浮力補助具1における、船体2と対向する面に設けられている。
【0048】
以上の構成によって、使用者が船体2との間隔を調整する際には、固定ネジJAを外し、取っ手311を把持して浮力補助具1を動かし、内側パイプ32を摺動させる。この操作は使用者が船体2に乗った状態であってもすることができる。
【0049】
また、浮力補助具本体11を、内部に空気を入れることによって膨張可能に構成することによれば、浮力補助具1の収納性を高めることができるようになる。
【0050】
また、陸揚げした状態における浮力補助具本体11の上面の高さと縁部221の高さは略同一であることが好ましい。このような構成にすることによって、棒状部材3の取り付け作業を容易に行うことができるようになる。
【0051】
また、浮力補助具1の下部には、車輪を設けることもできる。これにより陸上での浮力補助具1の持ち運びを容易に行うことができるようになる。
【0052】
また、補助具接続具J1および船体接続部J2は、浮力補助具1および船体2の上を摺動可能に固定されていることが好ましい。このような構成にすることによって、棒状部材3の位置を調整可能にし、搭乗スペース22の調整や、収容部12の干渉の調整を行うことができるようになる。
より好ましくは、補助具接続具J1および船体接続部J2を制限付きで回動可能としてもよい。このようにすることで、揺動によって棒状部材3から浮力補助具1や船体2に加わる力を軽減することができるようになる。
【0053】
また、図面において浮力補助具1は船体2のスタボーサイドに取り付けられているが、ポートサイドに取り付けられていてもよく、また、船体2の両側に取り付けトリマランとしてもよい。このような構成にすることによって、さらに船の安定性を高めることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 浮力補助具
11 浮力補助具本体
111 取付部
112 空洞部
113 補助孔
12 収容部
121 容器本体
122 蓋部
123 フック部
13 水抜き部
14 竜骨部
2 船体
21 船体本体
22 搭乗スペース
221 縁部
23 席
3 棒状部材
31 外側パイプ
311 取っ手
32 内側パイプ
321 穴部
J1 補助具接続具
J2 船体接続具
JA 固定ネジ
CA キャップ
R 紐材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の側面に結合される浮力補助具であって、
水面に浮かべた際、浮力によって浮上する浮力補助具本体を備え、
前記浮力補助具は、内部に物品を収容可能な収容部を有し、
前記収容部には、前記浮力補助具本体の上面よりも上方に、開閉可能な蓋部が設けられている浮力補助具。
【請求項2】
前記浮力補助具本体には、前記収容部を取り外し可能に篏合支持する取付部が設けられている請求項1に記載の浮力補助具。
【請求項3】
外部との熱のやりとりを遮断する断熱部を有する請求項1又は2に記載の浮力補助具。
【請求項4】
前記浮力補助具本体と、前記船体と、を架設して結合する棒状部材を備える請求項1~3の何れかに記載の浮力補助具。
【請求項5】
前記棒状部材は、軸方向に向けて伸縮自在に構成されている請求項4に記載の浮力補助具。
【請求項6】
前記浮力補助具本体の外部形状は、前記船体の進行方向に向かう流線形に形成されている請求項1~5の何れかに記載の浮力補助具。