(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161263
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20221014BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221014BHJP
A63F 13/212 20140101ALI20221014BHJP
A63F 13/42 20140101ALI20221014BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20221014BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20221014BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/79
A63F13/212
A63F13/42
A63F13/52
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065933
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】首藤 まり江
(72)【発明者】
【氏名】中畑 虎也
(72)【発明者】
【氏名】塚田 拓実
(72)【発明者】
【氏名】宮川 佳祐
(57)【要約】
【課題】ユーザの睡眠活動を妨げずにユーザに所定の情報を知覚させ、ユーザの睡眠情報を適切に取得できるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部204と、モードを切り替えるモード切替部208とを備え、複数のモードが、睡眠情報取得部204に睡眠情報を取得させない未取得モードと、睡眠情報取得部204に睡眠情報の取得を開始させると共にユーザに睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、睡眠情報取得部204に睡眠情報を取得させると共にユーザに睡眠情報を取得していることを開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードとを含み、モード切替部208が、未取得モードから開始モードへの切替え及び開始モードから睡眠モードへの切替えを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記ゲームに含まれる複数のモードを切り替えるモード切替部と
を備え、
前記複数のモードが、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報を取得させない未取得モードと、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報の取得を開始させると共に前記ユーザに前記睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報を取得させると共に前記ユーザに前記睡眠情報を取得していることを前記開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードと
を含み、
前記モード切替部が、前記未取得モードから前記開始モードへの切替え、及び前記開始モードから前記睡眠モードへの切替えを実行するゲームシステム。
【請求項2】
前記ユーザの操作入力を取得する入力取得部
を更に備え、
前記モード切替部が、前記操作入力に応じ、前記未取得モードから前記開始モードへの切替え、又は前記開始モードから前記睡眠モードへの切替えを実行する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記モード切替部が、前記開始モードから前記未取得モードへの切替えを禁止する請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲームが、出力部を有する端末装置において実行され、
前記出力部への情報の出力を制御する出力制御部
を更に備え、
前記出力制御部が、前記未取得モードにおいて第1の操作子を前記出力部に常に出力させ、
前記モード切替部が、前記第1の操作子に対する前記操作入力を受け付けた場合、前記未取得モードを前記開始モードに切り替える請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記出力制御部が、前記開始モードにおいて前記出力部に第2の操作子を出力させ、
前記モード切替部が、前記第2の操作子に対する前記操作入力を受け付けた場合、前記開始モードを前記睡眠モードに切り替える請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記モード切替部が、前記未取得モードから前記開始モードへの切替えから所定時間経過後、前記第2の操作子に対する前記操作入力を受け付けない場合、前記睡眠モードに自動的に切り替える請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記出力制御部が、前記複数のモードのうち一のモードから当該一のモードに続く他のモードに切り替わった場合に、前記一のモードで出力した情報と同一の情報について、前記他のモードで前記同一の情報の出力態様を変化させて出力する請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記出力制御部が、前記ゲームで有用な有用情報を前記開始モードにおいて前記出力部に出力させる請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ユーザの前記ゲームにおける操作であって、ゲーム結果に影響を与える前記未取得モード中における操作に関するゲーム履歴を取得する履歴取得部
を更に備え、
前記出力制御部が、前記未取得モード中の前記ゲーム履歴に基づいて、前記開始モードにおいて出力する前記有用情報を生成する請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
アラームを設定するアラーム設定部
を更に備え、
前記アラーム設定部が、前記開始モード、及び/又は前記睡眠モードにおいて前記アラームの設定を可能にする請求項1~9のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ゲームが、出力部を有する端末装置において実行され、
前記出力部が表示部であり、前記複数のモードそれぞれに応じ、前記表示部の明るさを変更する明るさ変更部
を更に備え、
前記明るさ変更部が、前記未取得モード、前記開始モード、前記睡眠モードの順に表示部の明るさを減じる請求項1~10のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記複数のモードが、前記睡眠情報取得部による前記睡眠情報の取得を停止させ、取得した前記睡眠情報が示す前記ユーザの前記睡眠結果に基づいて決定されるゲーム結果を出力する起床モードを更に含み、
前記出力制御部が、前記睡眠モードにおいて前記出力部に第3の操作子を常に出力させ、
前記モード切替部が、前記第3の操作子に対する前記操作入力を受け付けた場合に、前記睡眠モードを前記起床モードに切り替える請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記モード切替部が、前記睡眠情報取得部が取得した睡眠情報が所定の条件を満たさない場合、前記睡眠モードから前記起床モードへと切り替えず、前記睡眠モードから前記未取得モードへと切り替える請求項12に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記出力制御部が、前記複数のモードのそれぞれに所定のキャラクタを出力可能であり、前記開始モードにおいて前記未取得モードには出力させないキャラクタを出力可能である請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項15】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムのゲーム方法であって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得工程と、
前記ゲームに含まれる複数のモードを切り替えるモード切替工程と
を備え、
前記複数のモードが、
前記睡眠情報取得工程で前記睡眠情報を取得させない未取得モードと、
前記睡眠情報取得工程で前記睡眠情報の取得を開始させると共に前記ユーザに前記睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、
前記睡眠情報取得工程で前記睡眠情報を取得させると共に前記ユーザに前記睡眠情報を取得していることを前記開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードと
を含み、
前記モード切替工程が、前記未取得モードから前記開始モードへの切替え、及び前記開始モードから前記睡眠モードへの切替えを実行するゲーム方法。
【請求項16】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステム用のゲームプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得機能と、
前記ゲームに含まれる複数のモードを切り替えるモード切替機能と
を実現させ、
前記複数のモードが、
前記睡眠情報取得機能において前記睡眠情報を取得させない未取得モードと、
前記睡眠情報取得機能において前記睡眠情報の取得を開始させると共に前記ユーザに前記睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、
前記睡眠情報取得機能において前記睡眠情報を取得させると共に前記ユーザに前記睡眠情報を取得していることを前記開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードと
を含み、
前記モード切替機能が、前記未取得モードから前記開始モードへの切替え、及び前記開始モードから前記睡眠モードへの切替えを実行するゲームプログラム。
【請求項17】
ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームを提供するゲームサーバであって、
前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記ゲームに含まれる複数のモードを切り替えるモード切替部と
を備え、
前記複数のモードが、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報を取得させない未取得モードと、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報の取得を開始させると共に前記ユーザに前記睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、
前記睡眠情報取得部に前記睡眠情報を取得させると共に前記ユーザに前記睡眠情報を取得していることを前記開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードと
を含み、
前記モード切替部が、前記未取得モードから前記開始モードへの切替え、及び前記開始モードから前記睡眠モードへの切替えを実行するゲームサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバに関する。特に、本発明は、ユーザの睡眠情報を用いてゲームの進行処理が実行されるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するプログラムであって、コンピュータを、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部として機能させるプログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のプログラムによれば、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームにおいて、睡眠情報を不正に用いることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載のプログラムにおいては、ユーザが就寝して所定の処理(例えば、睡眠情報を取得する処理)を実行する場合、ゲームが実行されるユーザ端末へのユーザによる所定の操作入力を当該所定の処理の開始トリガにできる。これにより、特許文献1に記載のプログラムにおいては、ユーザが覚醒状態であるのか睡眠状態であるのか等の常時計測を要さず、ユーザ端末のバッテリー消費の増加等の負荷を低減できる。ここで、ゲーム内においてユーザに伝えることを要する情報をユーザの睡眠活動を妨げずに適切にユーザに知覚させると共にユーザの睡眠情報を適切に取得する観点から、所定の処理の開始に関して更なる工夫をすることが好ましい。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ユーザの睡眠活動を妨げずにユーザに所定の情報を知覚させ、ユーザの睡眠情報を適切に取得できるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いたゲームを実行するゲームシステムであって、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、ゲームに含まれる複数のモードを切り替えるモード切替部とを備え、複数のモードが、睡眠情報取得部に睡眠情報を取得させない未取得モードと、睡眠情報取得部に睡眠情報の取得を開始させると共にユーザに睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しない開始モードと、睡眠情報取得部に睡眠情報を取得させると共にユーザに睡眠情報を取得していることを開始モードに比べて積極的な態様で通知する睡眠モードとを含み、モード切替部が、未取得モードから開始モードへの切替え、及び開始モードから睡眠モードへの切替えを実行するゲームシステムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバによれば、ユーザの睡眠活動を妨げずにユーザに所定の情報を知覚させ、ユーザの睡眠情報を適切に取得できるゲームシステム、ゲーム方法、ゲームプログラム、及びゲームサーバを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの概要図である。
【
図2】本実施形態に係るゲームシステムの機能構成ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る格納ユニットが有する各格納部のデータ構成図である。
【
図4】本実施形態に係るゲームシステムにおける処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
<本実施形態に係るゲームシステム開発の背景>
これまで本発明者は、ユーザの睡眠情報を用いたゲーム開発において、ユーザが就寝して所定のゲーム処理をシステムに実行させる場合、ゲームが実行される端末装置へのユーザによる所定の入力操作を当該所定の処理の開始トリガにすることを検討した。ゲームシステムにおいては、例えば、睡眠前のゲーム画面を端末装置に出力させ、その後、ユーザによる睡眠を開始する旨の入力操作を受け付けた上で、ユーザの睡眠情報の取得を開始することを検討した。一例として、睡眠前のゲーム画面において、ゲーム内においてユーザに伝えることを要する情報(以下、「有用情報」という)を端末装置に出力し、その後、ユーザから所定の入力操作を受け付け、ユーザに睡眠情報の取得開始を通知する動線を検討した。
【0010】
しかしながら、端末装置への所定の入力操作のタイミングによっては、有用情報をユーザに適切に知覚させることが困難な場合があることが本発明者の開発過程によって明らかになった。すなわち、睡眠前のゲーム画面において有用情報を端末装置に出力し、その後、所定の入力操作を受け付ける動線では、当該有用情報をユーザが読んだ後で初めて所定の入力操作ができることになる。係る動線では、例えばユーザの疲労度が高い場合等にはユーザの睡眠行動の妨げになり得ることを本発明者は発見した。一方、当該有用情報(例えば、ゲーム内で発生した状況等のテキスト情報や画像情報等)は、ゲームへの没入感を高める観点からユーザに提示することを要する情報である。
【0011】
そこで、本発明者は、ユーザのゲーム内での動線とゲームシステムにおける処理方法とを諸々検討した結果、例えば、ユーザの疲労度が高い状態であっても、有用情報をユーザに無理なく提示できると共に、より確実に所定の処理を開始できるアイデアを見出した。すなわち、本発明者は、ユーザによる所定の入力操作を受け付けたタイミングで睡眠情報の取得及び有用情報の出力を開始する一方で、睡眠情報の取得が開始された旨を当該タイミングではユーザにはあえて積極的には通知しない(若しくは隠す)ことで、ユーザのゲーム内での動線がスムーズになり、ユーザの睡眠情報を適切に取得開始できると共にユーザの満足度を向上し得ることを見出した。本発明は、係る知見に基づくものである。
【0012】
<ゲームシステム1の概要>
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの概要を示す。具体的に
図1(a)は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の概要を示し、
図1(b)は、本実施形態に係るゲームシステム1の処理の流れの概念を示す。
図1(b)では右に向かうにしたがって時間が経過する例を示す。
【0013】
図1(a)に示すように本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの端末装置10と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ゲーム処理を実行するサーバ20とを備える。端末装置10とサーバ20とは、通信ネットワーク80を介して双方向通信可能に接続される。また、ゲームシステム1において、サーバ20は、ユーザの睡眠情報を受け付けてゲームを進行させる。なお、ゲームシステム1は、サーバクライアント型のゲームシステムであってよい。また、睡眠測定部11は端末装置10と別個独立のデバイスであっても、端末装置10に内蔵されていてもよい。
【0014】
なお、
図1(a)では1つの端末装置10が通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されている例を示すが、それぞれ異なるユーザが用いる複数の端末装置10それぞれが通信ネットワーク80を介してサーバ20に接続されていてもよい。以下の説明では、説明を簡略化するため、通信ネットワーク80を介して1つの端末装置10がサーバ20に接続されている例を説明する。
【0015】
まず、ゲームシステム1においては、以下のように複数のゲーム態様が存在する。
・ ユーザの睡眠情報を取得しない第1の態様(以下、「未取得モード」という)
・ ユーザの睡眠情報の取得を開始すると共にユーザに当該取得の開始を積極的には通知しない第2の態様(以下、「開始モード」という)
・ ユーザの睡眠情報を取得すると共にユーザに睡眠情報を取得していることを、開始モードと比較してより積極的に通知する第3の態様(以下、「睡眠モード」という)
・ ユーザの睡眠情報の取得を停止し、取得した睡眠情報に基づいて決定されるゲーム結果を端末装置10に出力する第4の態様(以下、「起床モード」という)
【0016】
図1(b)に示すように、ユーザが覚醒し、日常活動をしている間、ゲームシステム1は未取得モードで実行可能にされる(
図1(b)の「M1」)。未取得モードでユーザは、例えば、ゲームに登場するキャラクタをタップ等してキャラクタとコミュニケーションをとることやキャラクタにアイテムを付与すること、あるいはゲーム内の仮想空間にアイテムを設置する等のゲーム操作を実行できる。次に、ユーザが就寝する場合、ゲームシステム1は、端末装置10を介してユーザの操作入力を受け付けて睡眠情報の取得を開始する(
図1(b)のタイミング「T1」、及び「W1」)。これにより開始モードが実行される(
図1(b)の「M2」)。ここで、ゲームシステム1は、睡眠情報の取得を開始し、その取得を継続するものの、例えば、睡眠情報の取得を開始したことを端末装置10に出力させない(
図1(b)の「D1」)。一方、ゲームシステム1は、ゲームにおいてユーザに伝えることを要する情報や睡眠に有用な情報等の有用情報を開始モード中に端末装置10に出力する(
図1(b)の「D1」)。
【0017】
そして、ゲームシステム1は、有用情報の出力が終了した場合、若しくは有用情報を確認した旨のユーザからの操作入力を受け付けた場合(
図1(b)のタイミング「T2」)、睡眠モードを開始する(
図1(b)の「M3」)。睡眠モードにおいてゲームシステム1は、ユーザの睡眠情報の取得をしている旨(例えば、睡眠開始時刻や睡眠継続時間等の情報等)を端末装置10に出力させる(
図1(b)の「D2」)。すなわち、ゲームシステム1は、開始モードの開始から睡眠情報の取得を開始してユーザには当該開始の旨を開始モード中は通知しない一方で、睡眠モードの開始時点から、睡眠情報を取得していることをユーザに積極的に通知する。
【0018】
続いて、ゲームシステム1は、ユーザの起床を検知した場合(
図1(b)のタイミング「T3」)、起床モードを実行する(
図1(b)の「M4」)。ユーザの起床を検知した時点でゲームシステム1はユーザの睡眠情報の取得を停止し(
図1(b)の「W2」)、取得した睡眠情報に基づいてゲーム結果を決定する。そして、ゲームシステム1は、ゲーム結果を端末装置10に出力する(
図1(b)の「D3」)。更にゲームシステム1は、ユーザによるゲーム結果の確認が終了した後(
図1(b)のタイミング「T4」)、起床モードを終了し、未取得モード(M1)を再び実行する。
【0019】
このようにゲームシステム1は、ユーザに有用情報を提示する段階(開始モード)の開始時点でユーザの睡眠情報の取得をバックグラウンドで開始しつつ、開始モード中は睡眠情報の取得の開始についてはユーザに積極的には通知しない(典型的には、端末装置10に出力させない。)。そして、ゲームシステム1は、有用情報の提示が終了した場合、若しくはユーザが有用情報を確認した場合に睡眠モードを開始して、ユーザに睡眠情報の取得をしていることを積極的に通知するように、開始モードと睡眠モードとで睡眠状態の取得に関する情報の通知の態様を変化させる。係る動線をゲームシステム1は採用することで、ユーザはスムーズに睡眠に移行できると共にユーザはゲームや睡眠において有用な情報を確実に把握でき、しかも、ゲームシステム1はユーザの睡眠情報を適切に取得できる。
【0020】
なお、端末装置10は、1つ又は複数の睡眠測定部11と有線又は無線により接続されていてよい。
図1(a)では1つの睡眠測定部11を示しているが、複数の睡眠測定部11が端末装置10と接続されていてもよい。また、端末装置10に1つ以上の睡眠測定部11が内蔵されていてもよい。
【0021】
また、端末装置10は、ユーザが操作可能な装置である。端末装置10は、例えば、移動体通信システムに対応した携帯電話やスマートフォン、タブレット等の携帯端末であってよい。この他に、端末装置10は、例えば、据え置き型のPersonal Computer(PC)、ラップトップPC、ノートPC、携帯用ゲーム機、及び/又は家庭用ゲーム機やゲーム専用機等であってもよい。更に、通信ネットワーク80は、携帯電話網、及び/又はインターネット等の通信網である。通信ネットワーク80は、有線LAN及び無線LAN等の通信ネットワークを含むこともできる。そして、以下において本実施形態に係るゲームシステム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における名称や数値等はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に本発明が限定されることはないこと、及びこれら固有名や数値は実在の固有名や数値とは必ずしも関係するとは限らないことを付言する。
【0022】
<ゲームシステム1の詳細>
図2は、本実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例を示す。また、
図3は、本実施形態に係るゲームシステムが有する格納ユニットが有する各格納部のデータ構成の一例を示す。
【0023】
[ゲームシステム1の構成の概要]
本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザの睡眠に関する睡眠情報を用いてゲームを実行するシステムである。ゲームシステム1は、各種の情報を出力する出力部100と、ユーザからの入力を受け付ける入力部102と、ユーザの睡眠状態を測定する睡眠測定部11と、ユーザから受け付けた入力に関する情報を取得する入力取得部200と、出力部100への情報の出力を制御する出力制御部202と、ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部204と、ユーザのゲームにおける操作等の履歴を取得する履歴取得部206と、ゲームにおける複数のモードを切り替えるモード切替部208と、ゲームの各種の処理を制御するゲーム制御部210と、アラームを設定するアラーム設定部212と、出力部100が表示部を含む場合に表示部の明るさを変更する明るさ変更部214と、各種の情報を格納する格納ユニット216とを備える。格納ユニット216は、ユーザに関する情報を格納するユーザ情報格納部218と、ゲームに関する情報を格納するゲーム情報格納部220とを有する。
【0024】
ゲームシステム1では、例えば、ユーザが用いる端末装置10においてゲームが実行される。この場合、端末装置10は、出力部100と入力部102とを少なくとも有して構成される。
【0025】
ゲームシステム1は、上記複数の構成要素を物理的に同一の装置や場所に有するだけでなく、上記複数の構成要素の一部を物理的に離れた位置に設置してもよい。この場合、各構成要素は、例えば、インターネット等の通信網により接続されてよい。例えば、ゲームシステム1は、構成要素の機能の一部を外部のサーバに担わせてもよい。また、ゲームシステム1は、一以上のサーバとして構成してもよい。この場合、端末装置、並びに一のサーバの構成要素及び他のサーバの構成要素を組み合わせることで、ゲームシステム1が構成される。また、本実施形態において、各装置(端末装置やサーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体(所定の構成要素の集合体)を1つの「情報処理装置」として把握することができ、ゲームシステム1を複数の情報処理装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るゲームシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はゲームシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定できる。また、格納ユニット216が格納する各種の情報は、入力部102を介して受け付けるユーザの指示や情報により更新されてもよく、ゲームシステム1の外部に存在する所定のサーバから所定の情報を取得して、随時、更新されてもよい。
【0026】
[ゲームシステム1の構成の詳細]
以下の説明においては、ゲームシステム1により提供されるゲームを主としてユーザが端末装置10(例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等)を用いて実行する場合を例として説明する。なお、サーバ20はゲームシステム1におけるユーザの情報を管理すると共にゲーム処理を実行する。ユーザの情報としては、ユーザが保有するゲームキャラクタ、ゲームアイテム、仮想通貨の保有量(無償でユーザに付与した仮想通貨、有償でユーザに付与した仮想通貨を含む)、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠情報等が挙げられる。
【0027】
(ゲーム制御部210)
ゲーム制御部210は、端末装置10とサーバ20との間で通信し、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、ユーザのゲームプレイを進行させる。例えば、ゲーム制御部210は、ゲームプレイを進行させることとして、ユーザのゲームプレイに登場させるキャラクタ、アイテム等のゲームオブジェクトを抽選で決定する。なお、決定されたキャラクタ、アイテム等は、ユーザの所有物としてではなくゲームプレイにおいて登場させることにしてもよい。これにより、ユーザは、睡眠情報に基づいて新たなゲームキャラクタを発見する等の体験ができる。この他に、ゲーム制御部210は、キャラクタ、アイテム等のゲームオブジェクトを抽選してユーザに付与してもよい。例えば、ゲーム制御部210は、ユーザの端末装置10からユーザの睡眠情報として、睡眠時間の情報や睡眠の質の情報を受信し、ユーザの睡眠情報に基づいてアイテム等を抽選してユーザに付与する。ここで、ゲーム制御部210は、ユーザの睡眠情報に応じ、抽選で用いる抽選テーブルや抽選回数を変更してもよい。これにより、睡眠情報が異なると抽選アルゴリズムも異なることになり、起床時のゲーム進行が変化するので、ユーザの起床時にバリエーションのある楽しみを提供することができる。
【0028】
更にゲーム制御部210は、入力部102を介して受け付けるユーザの操作入力に応じ、各種のゲーム処理を実行する。例えば、ゲーム制御部210は、キャラクタに所定のアイテムを与える処理、ユーザがキャラクタを指定した場合の当該キャラクタのゲーム内仮想空間における動作の処理、ユーザによるアイテムの有償/無償による取得処理や仮想通貨の取得処理、ユーザが保有しているアイテムを消費する処理等のゲーム処理を実行する。
【0029】
そして、ゲームシステム1は、複数のモードを含んで実行される。複数のモードは、未取得モード、開始モード、睡眠モード、及び起床モードを含む。各モードについて、以下に定義する。なお、ゲームシステム1は、本実施形態に係るゲームシステム1の処理の妨げにならない限り、他のモードを含んでいてもよい。
【0030】
(未取得モード)
未取得モードは、睡眠情報取得部204に睡眠情報を取得させないモードである。すなわち、未取得モードにおいては、睡眠測定部11及び/又は睡眠情報取得部204の動作が停止される。ここで、未取得モードは、ユーザが就寝する前に目にするゲーム画面が表示されるモードであり、ユーザが覚醒中(例えば、日中)においてユーザが目にする全てのゲーム画面が表示されるモードである。また、未取得モードは、端末装置10においてゲームを起動した場合(ゲームタイトル画面から遷移してサーバ20にログインした場合)に最初に出力部100に出力される画面を含む。また、未取得モードにおいては、ゲームパラメータを変化させるユーザによる操作、例えば、ゲームに登場するキャラクタに対するタッチ操作等や、ユーザが既にゲーム内で獲得したアイテム等の使用・確認等のゲーム内での操作もできる。
【0031】
(開始モード)
開始モードは、睡眠情報取得部204に睡眠情報の取得を開始させると共にユーザに睡眠情報の取得の開始を積極的な態様では通知しないモードである。すなわち、開始モードにおいては、睡眠測定部11及び睡眠情報取得部204の動作が開始される。一方、開始モードにおいては、例えば、睡眠情報の取得が開始された旨を出力部100に積極的な態様では出力させず、ゲームに有用な有用情報を出力部100に出力させる。
【0032】
ここで、本実施形態において「積極的な態様では通知(出力)しない」とは、睡眠モードでの通知の態様と比較して、睡眠情報の取得が開始された旨を出力しないこと、若しくはユーザに知覚しにくい態様で出力することを意味する。例えば、睡眠情報の取得が開始された旨を全く出力しない態様や、出力する場合であっても睡眠モードの場合と比較して目立たない態様で出力する態様等を意味する。なお、開始モードでは、ユーザが有用情報を確認した後に就寝する動線を確保する観点から、睡眠情報の取得の開始を一切通知しないことが好ましい。
【0033】
(睡眠モード)
睡眠モードはユーザの睡眠情報の計測を継続し、睡眠情報を計測中であることを出力するモードである。すなわち、睡眠モードは、睡眠情報取得部204に睡眠情報を取得させ、睡眠情報の取得を継続させると共にユーザに睡眠情報を取得していることを開始モードに比べて積極的な態様で通知するモードである。すなわち、睡眠モードにおいては、睡眠測定部11及び睡眠情報取得部204の動作が継続され、その旨が通知される。そして、睡眠モードにおいては、睡眠情報を取得している旨を開始モードに比べて積極的な態様で出力部100に出力させる。例えば、睡眠モードにおいては、睡眠情報を取得している旨を出力部100に明示的に出力させる。なお、睡眠モードにおいては、未取得モードとは異なり、ゲームパラメータを変化させるユーザによる操作は禁止される。
【0034】
(起床モード)
起床モードは、睡眠情報取得部204による睡眠情報の取得を停止させ、睡眠情報(例えば、睡眠時間や睡眠の質等の睡眠情報)と、取得した睡眠情報が示すユーザの睡眠結果に基づいて決定されるゲーム結果(例えば、ゲームにおけるパラメータの変化やアイテムの取得の結果等)とを出力するモードである。すなわち、起床モードにおいては、睡眠測定部11及び/又は睡眠情報取得部204の動作が停止される。起床モードでは睡眠結果及びゲーム結果の出力と共に、ゲーム結果に応じた報酬がユーザに付与される。
【0035】
(出力部100、出力制御部202)
出力部100は、出力制御部202に制御され、ゲームの実行に関する各種情報(例えば、テキスト情報、静止画や動画の画像情報、音声情報等)を出力する。出力部100は、各種の処理結果や格納ユニット216が格納している情報をユーザが知覚可能に出力する。具体的に出力制御部202は、各構成要素における各種処理結果や格納ユニット216が格納している情報等を、所定形式のデータ、静止画像、動画像、及び/又はテキスト等として出力部100に出力させる。出力部100は、外部のサーバから受け取る情報を出力してもよい。なお、出力部100は、各種情報を表示する表示部、音声を出力するスピーカー等の音声出力部等を有して構成されてよい。そして、表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであってよい。
【0036】
また、出力制御部202は、複数のモードのうち一のモードから当該一のモードに続く他のモードにモードが切り替わった場合に、一のモードで出力した情報と同一の情報については、他のモードで当該同一の情報の出力態様を変化させて出力部100から出力してよい。例えば、出力制御部202は、開始モードにおいて出力部100に第1の情報を出力させた場合であって睡眠モードにおいて第1の情報を再び若しくは引き続き出力部100から出力させる場合、睡眠モードにおける第1の情報の出力態様を開始モードにおける出力態様から変化させて出力する。例えば、第1の情報がテキスト情報である場合、出力制御部202は、開始モードでのテキストのフォント、サイズ、及び/又は色、並びに出力位置等を、睡眠モードでは異なるフォント、サイズ、及び/又は色、並びに出力位置等に変化させて出力部100に出力させる。一例として、出力制御部202は、開始モードでのテキスト(例えば、睡眠情報の取得を開始したことを示すテキスト)のサイズよりも大きなサイズのテキストを睡眠モードで出力部100に出力させる。
【0037】
また、出力制御部202は、複数のモードのうち一のモードから当該一のモードに続く他のモードにモードが切り替わった場合に、一のモードで出力していた情報と同一の情報について、他のモードで当該同一の情報と共に追加の情報を付加して出力部100から出力してもよい。例えば、出力制御部202は、開始モードで「睡眠計測中」とのテキストを出力部100に出力させ、睡眠モードでは「睡眠計測中」のテキストに加え睡眠計測が継続している時間の情報を出力部100に出力させてもよい。
【0038】
更に、出力制御部202は、複数のモードのそれぞれにおいて所定のキャラクタを出力部100に出力させることもできる。出力制御部202は、ゲーム制御部210に制御され、後述するゲーム情報格納部220に格納されているキャラクタ情報の一部を出力部100に出力させる。また、出力制御部202は、未取得モードでは出力させないキャラクタを開始モードにおいて出力部100に出力させることもできる。
【0039】
(入力部102、入力面104、入力制御部106)
入力部102は、ユーザからの所定の指示や操作等の入力を受け付ける。入力部102は、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該指示を供給する。当該指示を受け付けた各構成要素はそれぞれ所定の機能を発揮する。入力部102は、ユーザからの操作入力を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、モーションセンサ等)である。本実施形態では入力部102が、端末装置10が備えるタッチパネルである例を説明する。なお、タッチパネルは、マルチタッチ検出可能であってよい。具体的に、入力部102としてのタッチパネルは、ユーザからの操作等が入力される入力面104と入力面104に入力された操作に関する情報を取得する入力制御部106とを有する。タッチパネルは、出力部100である表示部に重ねて配置され、タッチパネルの表面が入力面104に対応する。
【0040】
例えば、表示部には所定の指示を受け付ける領域が表示され、入力面104は、入力面104の当該領域に対するユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作等)により指定された位置における所定の指示を検知する。入力面104は検知した情報、すなわち、検知した位置における所定の指示を示す情報を入力制御部106に供給する。入力制御部106は、入力面104から所定の指示を示す情報を取得し、ゲームシステム1の所定の構成要素に当該情報を供給する。
【0041】
(睡眠測定部11)
睡眠測定部11は、端末装置10のユーザの睡眠に関する情報を取得する。睡眠測定部11は、取得した情報を睡眠情報取得部204に供給する。なお、端末装置10と睡眠測定部11とが別個独立のデバイスである場合、端末装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信により睡眠測定部11と通信し、睡眠測定部11のセンシング結果を受信する。また、睡眠測定部11が、5G等の移動体通信システムの通信規格に対応し、近距離無線通信によらずにサーバ20にセンシング結果を送信してもよい。この場合、端末装置10は、睡眠測定部11からのセンシング結果を受信したサーバ20において取得される睡眠情報を、サーバ20から受け取って格納してもよい。
【0042】
睡眠測定部11は、例えば、端末装置10に内蔵されるモーションセンサ等により実現される。すなわち、端末装置10と睡眠測定部11とが同一の装置内にあってもよい。この場合、端末装置10が、睡眠測定部11としても機能する。また、睡眠測定部11は、例えば、ユーザの身体に装着される腕時計型、指輪型、アイマスク型等のウェアラブルデバイスであってよく、端末装置10とは独立のデバイスとしてジャイロセンサ等のモーションセンサを有して構成されてよい。また、睡眠測定部11は、ユーザが就寝するマットレス、枕元等に載置するデバイスであってもよい。
【0043】
ここで、モーションセンサは、加速度センサ、角速度センサ等を含んで構成でき、端末装置10の動きをセンシングし、センシング結果を出力する。例えば、ユーザが就寝するベッドのマットレス等に端末装置10を載置することにより、モーションセンサは就寝中のユーザがマットレス上で動いている場合に、当該動きを検出できる。モーションセンサのセンシング結果を用いることにより、後述の睡眠情報取得部204は、ユーザが就寝中であるか覚醒中であるか、また、就寝中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。
【0044】
なお、ユーザが2以上の睡眠測定部11を同時に用いてもよい。例えば、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を2つ装着することや、ユーザが腕時計型の睡眠測定部11を装着しつつ、スマートフォンを睡眠測定部11として用いてもよい。これにより、睡眠中のユーザの身体の動きをジャイロセンサ等により検出できる。ユーザが睡眠中である間に各種センサによってセンシングされたセンシング結果を蓄積することで、睡眠情報取得部204は、ユーザが睡眠中であるか、浅い睡眠状態であるか、深い睡眠状態であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、睡眠情報として取得できる。このようにレム睡眠、ノンレム睡眠の波形を判別する等により、ユーザの睡眠の質を評価できる。例えば、睡眠情報取得部204は、良質な睡眠である場合のレム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルが予め設定されており、ユーザの睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠の波形と比較することで、ユーザの睡眠の質を評価し、睡眠情報として取得できる。
【0045】
また、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11等のモーションセンサの出力等に基づいて、ユーザが入床したこと(例えば、ベッドに横たわったこと)、入床した後に入眠したことを検出することもできる。また、睡眠情報取得部204は、ユーザが入床した後、入眠するまでの間に、ユーザが端末装置10に対して入力操作をしていたか、ユーザが端末装置10の出力部100に出力される情報を知覚していたか等を判定することもできる。すなわち、睡眠情報取得部204は、寝ようとしているユーザが、寝る前に端末装置10を操作しているか否かを判定できる。
【0046】
また、ゲームシステム1での利用が予め想定される睡眠測定部11はホワイトリスト形式で管理されていてよい。なお、ゲームシステム1で管理していない睡眠測定部11から後述の睡眠情報取得部204が睡眠情報を取得した場合は、サーバ20が特定できない睡眠測定部11であるとして、当該睡眠情報を受け付けなくてもよく、特定不可能な睡眠測定部11等用のパラメータを用いてその後の処理を実行してもよい。
【0047】
また、睡眠測定部11の種類の相違は必ずしも装置の相違であることを要さない。すなわち、同一の装置構成の睡眠測定部11であっても、睡眠情報をサーバ20に供給するまでに利用したソフトウェアやアプリケーションの種類によって、ゲームシステム1では異なる睡眠測定部11として管理してもよい。例えば、同一の睡眠測定部11を利用して睡眠情報を検出した場合であっても、睡眠測定アプリケーションAを睡眠情報の加工のために利用した場合と、睡眠測定アプリケーションAとは異なる睡眠測定アプリケーションBを睡眠情報の加工のために利用した場合とでは、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理できる。このように、装置構成としてのデバイスの種類と、用いたアプリケーションとの組合せに応じて、それぞれ異なる「睡眠測定部ID」として管理することで、より柔軟な睡眠情報の生成が可能になり、その結果、睡眠状態に応じたゲームの興趣性を十分に発揮できる。
【0048】
(入力取得部200)
入力取得部200は、ユーザの操作入力を取得する。すなわち、入力取得部200は、入力制御部106を介し、入力面104に入力されたユーザの操作入力を示す情報を取得する。入力取得部200は、取得した操作入力を示す情報を所定の他の構成要素に供給する。
【0049】
(睡眠情報取得部204)
睡眠情報取得部204は、ユーザの睡眠情報を取得する。具体的に、睡眠情報取得部204は、睡眠測定部11が取得したユーザの睡眠に関する情報、つまり、睡眠情報を睡眠測定部11から取得する。睡眠情報取得部204は、取得した睡眠情報をモード切替部208及びゲーム制御部210に供給する。
【0050】
(履歴取得部206)
履歴取得部206は、ユーザのゲームにおける操作であって、少なくともゲーム結果に影響を与える未取得モード中における操作に関するゲーム履歴を取得する。例えば、履歴取得部206は、入力部102に入力された、未取得モード中でのユーザによるキャラクタへのアイテム付与の操作やアイテム消費の操作等のゲーム履歴を取得する。履歴取得部206は、取得したゲーム履歴に関する情報をユーザ情報格納部218に供給する。
【0051】
(モード切替部208)
モード切替部208は、ゲームに含まれる複数のモードを切り替える処理、及び他のモードに切り替えるまで切替え後のモードを維持する処理を実行する。すなわち、モード切替部208は、一のモードから他のモードに切り替える処理、例えば、未取得モードから開始モードへの切替え、開始モードから睡眠モードへの切替え、睡眠モードから起床モードへの切替え、及び/又は起床モードから未取得モードへの切替えを実行する。モード切替部208は、モードの切替えに応じ、睡眠測定部11及び/又は睡眠情報取得部204等の動作の開始、継続、及び停止を制御する。また、モード切替部208は、モードを切り替えたことを示す情報を出力制御部202、及び明るさ変更部214に供給する。
【0052】
具体的に、モード切替部208は、入力取得部200が取得したユーザの操作入力に応じ、一のモードから他のモードに切り替える処理を実行する。なお、モード切替部208は、未取得モードから開始モードへ切り替えた後、開始モードから未取得モードへの切替えを禁止してよい。
【0053】
ここで、モード切替部208がモードを未取得モードにしている場合、出力制御部202は、第1の操作子を出力部100に常に出力させる。第1の操作子は、ユーザから睡眠を開始することの指示を受け付けるボタン等であって、例えば、「ねむる」と表示されるボタン等である。そして、第1の操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200は第1の操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をモード切替部208に供給する。モード切替部208は、この指示を受け付け、未取得モードを開始モードへと切り替える。ここで、モード切替部208は、当該指示を受け付けない場合、ユーザのスムーズな動線確保の観点から、未取得モードから開始モードへの自動切替えは実行しないことが好ましい。したがって、この場合、開始モードから睡眠モードにモードが切り替わった後に未取得モードに切替え可能になる。
【0054】
なお、ゲームシステム1において実行されるゲームは、ゲーム起動後に表示されるホーム画面と、ホーム画面から移動可能な1以上の画面(以下、「他の画面」という)とを有して構成できる。他の画面は、例えば、ユーザが保有するアイテムが保管されているアイテムボックスを示す画面や、ゲームに登場するキャラクタの情報を表示する画面等である。この場合、出力制御部202は、出力部100にホーム画面の所定の位置に第1の操作子を出力させる。そして、出力制御部202は、出力部100に他の画面には第1の操作子を出力させなくてもよい。ここで、出力制御部202は、ユーザがホーム画面及び他の画面のいずれからも開始モードへの移行を容易にする観点から、出力部100に、ホーム画面及び他の画面のそれぞれの所定の位置に第1の操作子を出力させてもよい。
【0055】
具体的に、モード切替部208は、開始モードへの切替え時に睡眠測定部11及び睡眠情報取得部204の動作を開始させ、出力制御部202に指示し、ゲームで有用な有用情報を出力部100から出力させる。出力制御部202は、有用情報を、例えば、後述のゲーム情報格納部220から取得して出力部100に出力させる。また、開始モードにおいてモード切替部208は、出力制御部202に指示し、睡眠情報の取得を開始した旨についての情報を出力部100から出力させないか、睡眠モードに比べて目立たない態様で出力部100から出力させる。
【0056】
なお、一例として、入力取得部200が第1の操作子に対するユーザの操作入力を取得した場合、モード切替部208は、出力制御部202に指示し、まず、「今日はもう寝ますか?」等のテキストを出力部100に出力させると共に、「はい」及び「いいえ」という操作子を当該テキスト近傍にそれぞれ出力させてよい。そして、入力取得部200が「はい」の操作子に対するユーザの操作入力を取得した場合、モード切替部208は、未取得モードを開始モードに切り替えてよい。
【0057】
また、有用情報は、例えば、ゲームにおいてユーザが把握しておくべき情報(例えば、前日の睡眠時間やゲームにログインした連続日数、第1の操作子に対する操作入力をした連続日数、ユーザの前々回の睡眠と前回の睡眠との比較結果等のユーザのこれまでの睡眠に関する情報等)、睡眠について把握しておくと役立つ情報や豆知識等である。有用情報は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいてゲーム制御部210が生成してもよい。例えば、睡眠情報にユーザが睡眠した日時、睡眠時間等の情報が含まれている場合、ゲーム制御部210は、年月日に対応付けて睡眠情報を蓄積し(例えば、後述のユーザ情報格納部218に睡眠情報を格納する)、蓄積した情報に基づいて有用情報を生成する。そして、ゲーム制御部210は、生成した有用情報をゲーム情報格納部220に格納する。出力制御部202は出力部100に、有用情報をテキスト、画像、及び/又は音声等で出力させることができる。また、出力制御部202は、例えば、ゲーム内のキャラクタがユーザに対して有用情報を話しているようなテキスト、音声、及び/又は画像を出力させることもできる。
【0058】
また、出力制御部202は、未取得モード中に履歴取得部206が取得したゲーム履歴に基づいて生成される有用情報を出力部100に出力させてもよい。例えば、ゲーム制御部210は、履歴取得部206がユーザ情報格納部218に格納したゲーム履歴に関する情報を用いて有用情報を生成する。一例として、ゲーム制御部210は、ゲーム履歴に関する情報を用いてユーザのゲーム実行の当日の活動記録や睡眠計測を連続で実行した日数等の情報を含む有用情報を生成する。そして、出力制御部202は、生成された有用情報を開始モードにおいて出力部100に出力させる。
【0059】
また、モード切替部208がモードを開始モードにしている場合、出力制御部202は、有用情報を出力部100から出力させ、有用情報の出力後、若しくは有用情報の出力と共に第2の操作子を出力部100に出力させる。第2の操作子は、ユーザが有用情報を確認したことの指示を受け付けるボタン等であって、例えば、有用情報と共に「OK」と表示されるボタン等である。そして、第2の操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200は第2の操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をモード切替部208に供給する。モード切替部208は、この指示を受け付け、開始モードを睡眠モードへと切り替える。
【0060】
なお、モード切替部208は、未取得モードから開始モードへの切替えから所定時間経過後、第2の操作子に対する操作入力を受け付けない場合、睡眠モードに自動的に切り替えてもよい。
【0061】
モード切替部208は、睡眠モードにおいて、睡眠測定部11及び睡眠情報取得部204の動作を継続させ、出力制御部202に指示し、睡眠情報の取得をしている旨についての情報を出力部100から出力させる。出力制御部202は、開始モードに比べて目立つ態様で当該情報を出力部100に出力させる。例えば、出力制御部202は、現在時刻と共に「睡眠計測中」というテキストを出力部100に出力させる。
【0062】
また、モード切替部208がモードを睡眠モードにしている場合、出力制御部202は、アラーム設定用の操作子であるアラーム操作子、ユーザが睡眠しやすくなるサウンドを出力部100に出力させる操作子である睡眠導入サウンド操作子、及び/又はユーザからの睡眠の終了指示を受け付ける第3の操作子(つまり、起床用の操作子)等を出力部100に出力させる。出力制御部202は、少なくとも第3の操作子については、睡眠モードにおいて常に出力部100に出力させる。
【0063】
アラーム操作子は、ユーザによる操作入力によるアラームの設定を受け付けるボタン等である。アラーム操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200はアラーム操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をアラーム設定部212に供給する。なお、ゲームがホーム画面及び他の画面を有して構成される場合、出力制御部202は出力部100を制御して、アラーム操作子をホーム画面及び/又は他の画面に出力させてもよい。
【0064】
また、睡眠導入サウンド操作子は、所定の音や音楽のユーザの操作入力による出力指示を受け付けるボタン等である。所定の音や音楽は、例えば、ユーザを睡眠に誘う音(自然界の音、人工音、及び/又はキャラクタの声等であってよい)や音楽である。睡眠導入サウンド操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200は睡眠導入サウンド操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をゲーム制御部210に供給する。ゲーム制御部210は、当該指示に応じ、出力制御部202に指示して出力部100から所定の音や音楽を出力させる。例えば、ゲーム制御部210は、後述のゲーム情報格納部220に予め格納されている所定の音や音楽、若しくは外部のサーバに格納されている所定の音や音楽を出力制御部202に指示し、出力部100から出力させる。
【0065】
第3の操作子は、ユーザが起床したことの指示を受け付けるボタン等であって、例えば、「睡眠を終了する」と表示されるボタン等である。そして、第3の操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200は第3の操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をモード切替部208に供給する。モード切替部208は、この指示を受け付け、睡眠モードを起床モードへと切り替える。
【0066】
また、モード切替部208は、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報が所定の条件を満たさない場合、睡眠モードから起床モードへと切り替えず、睡眠モードから未取得モードへと切り替えてもよい。所定の条件は、例えば、睡眠時間が予め定められた時間以上、連続した時間である条件等である。これにより、例えば、睡眠時間が予め定められた時間未満の場合(一例として、3時間未満の場合)は起床モードが実行されず、ゲーム結果が出力されないので、ユーザには適切な時間の睡眠を取るインセンティブ、健康な生活を送ろうとするインセンティブが働き、睡眠習慣の改善を図ることができる。また、1日の間に短時間の睡眠を複数回取ること(つまり、断続的な睡眠)を抑制できるので、1日の間に複数回のゲーム報酬をユーザに付与することやゲーム内におけるパラメータ向上のための複数回の報酬獲得を抑制できる。更に、例えば、未取得モードのホーム画面から開始モードにユーザの誤った操作により移行してしまった場合に、睡眠モードを介して未取得モードに戻れるため、睡眠モードへの移行のキャンセル処理としても利用できる。
【0067】
モード切替部208は、起床モードにおいて、睡眠測定部11及び/又は睡眠情報取得部204の動作を停止させ、開始モード及び睡眠モードにおいて睡眠情報取得部204が取得したユーザの睡眠情報をゲーム制御部210に供給する。ゲーム制御部210は受け取った睡眠情報に基づいてゲーム結果を決定する。そして、出力制御部202は、ゲーム制御部210が決定したゲーム結果を出力部100に出力させる。更にゲーム制御部210は、睡眠情報に基づいてユーザに付与する報酬を決定し、決定した報酬をユーザに付与する。例えば、ゲーム制御部210は、決定した報酬をユーザ情報格納部218に格納することでユーザに付与する。そして、モード切替部208は、ゲーム結果の出力後、若しくはゲーム結果の出力後のユーザの所定のモード切替の操作入力を受け付けた場合に、起床モードを未取得モードに切り替える。
【0068】
(アラーム設定部212)
アラーム設定部212は、アラーム音や振動、発光等により所定の時刻の到来を通知するアラームを設定する。アラーム設定部212は、入力取得部200が取得したユーザの操作入力に基づいてアラームを設定する。また、アラーム設定部212は、アラームのON/OFF、及び/又はアラームの種類(音の種類、振動の有無や振動のパターン、発光色の種類、発光パターン等)を設定する。なお、アラームは、例えば、端末装置10が有する出力部100から出力される。
【0069】
ここで、アラーム設定部212は、開始モード及び/又は睡眠モードにおいてアラームの設定を可能にする。例えば、モード切替部208がモードを未取得モードから開始モードに切り替えた場合、及び/又は開始モードから睡眠モードに切り替えた場合、出力制御部202はアラーム操作子を出力部100に出力させる。そして、アラーム操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200はアラーム操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をアラーム設定部212に供給する。アラーム設定部212は、この指示を受け付け、指示に応じた時刻にアラームが動作するように設定する。アラーム設定部212は、指示に応じた時刻が到来したときにアラームを動作させる。
【0070】
この場合に、アラーム設定部212は、出力制御部202に指示し、出力部100にアラームを停止させる操作子である停止操作子を出力させる。そして、停止操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合、入力取得部200は停止操作子に対する操作入力を取得して、当該操作入力による指示をアラーム設定部212に供給する。アラーム設定部212は、この指示を受け付け、アラームを停止させる。なお、第3の操作子に停止操作子の機能を併せ持たせてもよい。この場合、モード切替部208は、アラームの停止を受けて睡眠モードから起床モードにモードを切り替えることができる。
【0071】
なお、アラーム設定部212は、ゲームシステム1を構成する各装置(端末装置10、サーバ20)がユーザに対しゲームを提供するためのプログラムにより実現されてもよい。サーバ20において動作するプログラムによりアラーム設定部212が実現される場合、端末装置10を介してユーザがサーバ20のアラーム設定部212を操作可能であるとしてもよい。これにより、ユーザは、ゲームシステム1内で所定の時刻にアラームを設定してゲームを進行させることができる。また、例えば、アラーム設定部212は、端末装置10にインストールされ、ゲームシステム1と連動可能なアプリケーションに組み込まれた機能であってもよい。この場合、ユーザは、端末装置10のOperating System(OS)の機能として提供されるアラーム機能ではなく、ゲームシステム1によるゲームを端末装置10においてユーザに提供するアプリケーションを構成するアラーム設定部212によりアラームの時刻を設定できる。ゲームシステム1は、アラーム設定部212からアラームの時刻に関する操作を受け付けて、ゲームを進行させる。
【0072】
(明るさ変更部214)
明るさ変更部214は、出力部100としての表示部の明るさを、複数のモードそれぞれに応じて変更する。明るさ変更部214は、モード切替部208から現在のモードが複数のモードのうちのいずれであるかについての情報を受け取る。そして、明るさ変更部214は、モードに応じ、表示部の明るさを変更する。例えば、明るさ変更部214は、未取得モード、開始モード、睡眠モードの順に表示部の明るさを減じる。また、明るさ変更部214は、起床モードの時の表示部の明るさを他の各モードの時の表示部の明るさよりも明るくすることもできる。つまり、明るさ変更部214は、起床モード、未取得モード、開始モード、睡眠モードの順に表示部の明るさを減じることができる。
【0073】
(格納ユニット216)
格納ユニット216は、ゲームシステム1に関連する各種情報を格納する。格納ユニット216が有する各格納部は、ゲームシステム1の他の構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素に供給する。
【0074】
(格納ユニット216:ユーザ情報格納部218)
ユーザ情報格納部218は、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて、ユーザ情報、ゲーム履歴情報、保有アイテムに関する情報、保有キャラクタに関する情報、及び/又は睡眠情報等を格納する。ユーザ情報としては、例えば、ユーザが設定する名称であるユーザ名、ログインID、及びパスワード等が挙げられる。ユーザ情報は、ユーザが設定するアラームの時刻に関する情報を含んでいてもよい。ゲーム履歴情報としては、ユーザがゲームにおいて実行した操作入力(典型的には、未取得モードにおける操作入力)に関する情報が挙げられる。保有アイテムに関する情報としては、例えば、ユーザが保有しているゲームアイテムに関する情報が挙げられる。ゲームアイテムは、例えば、ゲーム制御部210がユーザの睡眠情報に基づいて抽選してユーザに付与したアイテムである。保有アイテムに関する情報は、各ゲームアイテムの種類及び数等の情報も含む。また、保有キャラクタに関する情報としては、ユーザがゲーム内で取得したキャラクタに関する情報が挙げられる。更に、睡眠情報としては、睡眠測定部11により測定されるユーザの睡眠に関する情報が挙げられる。睡眠情報は、ユーザの覚醒/睡眠状態、日付情報、就寝時刻、起床時刻、睡眠時間、及び/又は睡眠の質等の情報である。
【0075】
(格納ユニット216:ゲーム情報格納部220)
ゲーム情報格納部220は、ゲーム情報IDに対応付けて、ゲーム情報を格納する。ゲーム情報としては、ゲームに登場するキャラクタに関する情報、アイテムに関する情報、アイテムの抽選に関する情報、ゲーム内仮想通貨に関する情報、所定の音声や音楽情報、及び/又は有用情報等の各種の情報が挙げられる。例えば、ゲーム情報としてキャラクタに関する情報をゲーム情報格納部220が格納する場合、ゲーム情報IDとしてのキャラクタIDに対応付けてゲーム情報としてのキャラクタ情報を格納する。また、ゲーム情報として有用情報をゲーム情報格納部220が格納する場合、ゲーム情報IDとしての有用情報IDに対応付けてゲーム情報としての有用情報を格納する。他の各種情報についても同様に、各種情報のIDに対応付けて各種情報が格納される。なお、有用情報は、ゲーム制御部210が生成した有用情報、外部のサーバ等から取得された有用情報、ゲーム情報格納部220に予め格納されている有用情報、及び/又はゲームの初回実行後、ユーザ等の操作入力等によりゲーム情報格納部220に供給された有用情報等を含んでいてよい。
【0076】
[ゲームシステム1の処理の流れ]
図4は、本実施形態に係るゲームシステムにおける処理の流れの一例を示す。
【0077】
まず、ゲーム制御部210は、モード切替部208が維持している未取得モードでのゲームを実行し、制御する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。ゲーム制御部210は、未取得モードにおいて入力取得部200が入力部102を介して受け付けるユーザからの操作入力に応じ、キャラクタにアイテムを与える処理等の所定のゲーム処理や、ゲーム内仮想空間でのキャラクタの動作制御等のゲーム処理を実行する。また、未取得モードにおいて出力制御部202は、例えば、出力部100から出力されるゲームのホーム画面等の所定の位置に第1の操作子を常に出力させる。そして、第1の操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けるまで、ゲーム制御部210は未取得モードでのゲームを継続する(S12のNo)。なお、出力制御部202は、入力部102に対するユーザの何らかの操作入力が一定時間継続して存在しない場合、第1の操作子の出力を一時的に停止してもよい。
【0078】
一方、第1の操作子に対するユーザの操作入力を入力部102が受け付けた場合(S12のYes)、入力取得部200は第1の操作子に対する操作入力を取得し、当該操作入力の指示をモード切替部208に供給する。モード切替部208はこの指示に応じ、未取得モードを開始モードに切替え、睡眠測定部11及び睡眠情報取得部204の動作を開始させる(S14)。これにより、ユーザの睡眠情報の取得が開始される。
【0079】
また、開始モードの実行に伴い、出力制御部202は、ゲーム情報格納部220に格納されている有用情報、睡眠情報取得部204が取得した睡眠情報に基づいてゲーム制御部210が生成し、ゲーム情報格納部220に格納されている有用情報、及び/又は履歴取得部206により取得され、ユーザ情報格納部218に格納されているゲーム履歴に基づいてゲーム制御部210が生成する有用情報を出力部100に出力させる(S16)。ただし、モード切替部208は、開始モード中、出力制御部202に指示し、睡眠情報の取得が開始された旨については積極的な態様では出力部100から出力させない(典型的には、全く出力させない。)。
【0080】
また、出力制御部202は、有用情報の出力後、若しくは有用情報の出力と共に第2の操作子を出力部100に出力させる。入力取得部200が入力部102を介して第2の操作子に対するユーザの操作入力を受け付けた場合(S18のYes)、モード切替部208は開始モードを睡眠モードに切り替える。また、出力制御部202は睡眠モードへの切替えに応じ、ユーザの睡眠情報の取得をしていることを積極的な態様で出力部100に出力させる(S22)。例えば、出力制御部202は、睡眠情報を計測している旨を明示的に出力部100に出力させる。
【0081】
一方、入力取得部200が入力部102を介して第2の操作子に対するユーザの操作入力を受け付けない場合であって(S18のNo)、開始モードに切り替わってから所定時間が経過するまではモード切替部208は開始モードを継続し(S20のNo)、所定時間が経過した場合、モード切替部208は第2の操作子に対するユーザの操作入力がない場合であっても開始モードを睡眠モードに切り替えてもよい(S20のYes)。
【0082】
そして、睡眠モードにおいて出力制御部202は、ユーザからの睡眠の終了指示を受け付ける第3の操作子を出力部100に出力させる。入力取得部200が入力部102を介して第3の操作子に対するユーザの操作入力を受け付けるまでは(S24のNo)、モード切替部208は睡眠モードを継続し、出力制御部202は第3の操作子を出力部100に常に出力させた状態にする。
【0083】
入力取得部200が入力部102を介して第3の操作子に対するユーザの操作入力を受け付けた場合(S24のYes)、モード切替部208は睡眠モードを起床モードへと切り替える(S26)。そして、睡眠情報取得部204は取得した睡眠情報をユーザ情報格納部218に格納すると共にゲーム制御部210に供給する。ゲーム制御部210は、受け取った睡眠情報に基づいて、ゲーム結果を決定し、決定した結果を出力制御部202に指示して出力部100に出力させる(S28)。この場合、ゲーム制御部210は、睡眠情報に基づいてユーザに所定の報酬を付与することもできる。ユーザに付与された所定の報酬に関する情報は、ユーザ情報格納部218に格納される。
【0084】
なお、モード切替部208がモードを開始モードに切り替えた後、入力取得部200が入力部102を介して第2の操作子に対するユーザの操作入力を受け付けなかった場合、S20の工程を省略してもよい。この場合、S18及びS22の工程を省略し、S16からS24の工程に直接進んでもよい。本実施形態では開始モードへの切替え時にユーザの睡眠情報の取得が開始される。そのため、第3の操作子に対するユーザの操作入力の受付が存在すればユーザの睡眠情報の取得が可能であるため、ゲーム制御部210はゲーム結果を適切に決定できる。
【0085】
[ゲームプログラム]
図1~
図4に示した本実施形態に係るゲームシステム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等の演算処理装置にプログラム(すなわち、ゲームプログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0086】
本実施形態に係るゲームプログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、ゲームプログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、ゲームプログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0087】
本実施形態に係るゲームプログラムは、CPU等に働きかけて、ゲームプログラムを、
図1~
図4にかけて説明した出力部100、入力部102、入力面104、入力制御部106、入力取得部200、出力制御部202、睡眠情報取得部204、履歴取得部206、モード切替部208、ゲーム制御部210、アラーム設定部212、明るさ変更部214、格納ユニット216、ユーザ情報格納部218、及びゲーム情報格納部220として機能させる。
【0088】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るゲームシステム1は、複数のモードを含むゲームを実行でき、例えば、未取得モードから開始モードにモードを切り替えた場合にユーザの睡眠情報の取得を開始する一方で、ユーザには睡眠情報の取得が開始された旨を積極的には通知せずに(典型的には通知を一切せずに)、有用情報等の各種情報を出力できる。そして、ゲームシステム1は、開始モードの後に睡眠モードに切替え、睡眠モードにおいてユーザに睡眠情報の取得がされていることを積極的に通知する(典型的には、睡眠モードにおいて初めて通知する。)。これにより、ゲームシステム1においてユーザは、開始モードで出力される有用情報等の各種の情報を漏れなく把握することができ、睡眠モードにおいて睡眠情報の取得がされていることを確認した上で就寝できる。
【0089】
また、ゲームシステム1は、ユーザが第1の操作子に対して操作入力した場合に開始モードに移行し、開始モードで有用情報等のゲーム演出等を出力後、第2の操作子に対するユーザの操作入力により睡眠モードに移行できる。そして、ゲームシステム1においては、第1の操作子に対する操作入力後、睡眠モードへの移行前にユーザが操作をやめたとしても、バックグラウンドでは睡眠情報の取得が開始されている。そして、ゲームシステム1は、第3の操作子への操作入力により睡眠情報の取得を停止し、ユーザの睡眠時における睡眠情報を取得できる。これにより、ゲームシステム1によれば、例えばユーザが「寝落ち」したとしてもユーザの睡眠情報を適切に取得できるので、ユーザの睡眠活動を妨げずに、想定したゲーム結果を得ることができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0091】
1 ゲームシステム
10 端末装置
11 睡眠測定部
20 サーバ
80 通信ネットワーク
100 出力部
102 入力部
104 入力面
106 入力制御部
200 入力取得部
202 出力制御部
204 睡眠情報取得部
206 履歴取得部
208 モード切替部
210 ゲーム制御部
212 アラーム設定部
214 明るさ変更部
216 格納ユニット
218 ユーザ情報格納部
220 ゲーム情報格納部