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特開2022-161275高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置
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  • 特開-高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置 図1
  • 特開-高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置 図2
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  • 特開-高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161275
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
E02F3/43 M
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065953
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】591244007
【氏名又は名称】仙建工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509261153
【氏名又は名称】軌陸車テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】武山 ▲祐▼也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 剛
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC07
2D003BA01
2D003BA07
2D003BB05
2D003BB11
2D003DA01
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
(57)【要約】
【課題】高さ制限のある環境でさらに効率よく作業ができる装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベル10は、機体11と、機体に対し上下に揺動可能なブーム20と、ブームに対し上下に揺動可能なアーム30と、アームの先端に取り付けられたバケット40と、ブームを上下に揺動させるブームシリンダ21と、アームを上下に揺動させるアームシリンダ31と、バケットを上下に揺動させる操作シリンダ41と、ブームシリンダによるブームの揺動範囲を高さ制限内に限定する第1の制限機構61と、アームシリンダによる前記アームの揺動範囲をブームに対する上方の角度が180度未満の制限角度まで旋回可能に限定する第2の制限機構62とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に対し上下に揺動可能なブームと、
前記ブームに対し上下に揺動可能なアームと、
前記アームの先端に取り付けられた作業具と、
前記ブームを上下に揺動させるブームシリンダと、
前記アームを上下に揺動させるアームシリンダと、
前記作業具を上下に揺動させる操作シリンダと、
前記ブームシリンダによる前記ブームの揺動範囲を高さ制限内に限定する第1の制限機構と、
前記アームシリンダによる前記アームの揺動範囲を前記ブームに対する上方の角度が180度未満の制限角度まで旋回可能に限定する第2の制限機構とを有する、作業装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記操作シリンダによる前記作業具の揺動範囲を限定する第3の制限機構を有する、作業装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
当該作業装置は、油圧ショベルである、作業装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記機体の前後に設けられた軌道走行用の車輪と、
前記機体の下部に設けられた地上走行体とを有する、作業装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記制限角度θ1が以下の条件を満たす、作業装置。
160<θ1<180
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、
前記アームを左右方向に揺動可能なオフセットシリンダをさらに有する、作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う、油圧ショベルなどの装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、油圧ショベルの安全装置として作業アタッチメントの作業高さ制限を行う手段としては、ブーム,アームなどの回動角度を揺動角検出で検出し、その検出信号をコントローラに入力するようにしている装置が多く、このような装置は非常に高価で、小型の油圧ショベルにはコスト採算面で装備することができなかったのに対し、安全装置を、作業アタッチメントにおける所要の油圧シリンダのシリンダチューブ外周部にリミットスイッチを着脱自在に取付け、そのリミットスイッチを、パイロットポンプ吐出側のパイロット回路に介設した電磁開閉弁のソレノイドに直列に接続して電気回路を形成し、また上記油圧シリンダのロッドに対し上記リミットスイッチの接触子に当接できる当接具を着脱自在に取付けて構成することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、フロント部材を駆動するアクチュエータの動作速度を極力落とさずに、フロント部材と上方の障害物との接触事故を確実に防止できる建設機械の作業高さ制限装置として、フロントを構成するブームとアームおよびバケットにそれぞれモニタポイントを設定すると共に、侵入禁止領域の下方に各モニタポイント毎に大きさ(距離)の異なる減速領域をそれぞれ設定し、フロントの操作時に、各モニタポイント毎に対応する減速領域に到達したか否かを判断し、各モニタポイントのいずれか1つが対応する減速領域に到達した場合、そのモニタポイントの高さに応じて減速の度合いを求め、この値を現在のアクチュエータの動作速度に乗じて該アクチュエータを減速することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-42354号公報
【特許文献2】特開平7-150594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油圧ショベル(バックホー)などの作業装置であって、架線下などの高さ制限のある環境で作業を行う装置においては、アームおよびブームが高さ制限内になるようにブームを上下に旋回する範囲が設定される。このため、例えば、線路などの軌道上と道路上とを走行するように設計されたダンプが軌道上で動くときに、バックホーのアームの先端に取り付けられるバケットなどの作業具とダンプの荷台とが干渉したり、十分なクリアランスを確保できないケースが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、高さ制限のある環境でアームおよびブームを用いて作業を行う装置である。この装置(作業装置)は、機体と、機体に対し上下に揺動可能なブームと、ブームに対し上下に揺動可能なアームと、アームの先端に取り付けられた作業具と、ブームを上下に揺動させるブームシリンダと、アームを上下に揺動させるアームシリンダと、作業具を上下に揺動させる操作シリンダと、ブームシリンダによるブームの揺動範囲を高さ制限内に限定する第1の制限機構と、アームシリンダによるアームの揺動範囲をブームに対する上方の角度が180度未満の制限角度まで旋回可能に限定する第2の制限機構とを有する。
【0007】
アームの先端に取り付けられるバケットなどの作業具の可動範囲はブームを上下に動かすことにより確保できる。したがって、従来、アームの可動範囲はブームと水平またはそれ以下に設定される。高さ制限がある環境においては、ブームに取り付けられたアームシリンダなどのアクセサリー、またはブームとの接合部となるアームの後端部(ブランケット)がブームとともに上昇し、第1の制限機構による高さ制限の対象となる。アームシリンダによるアームの揺動範囲をブームに対する上方の角度が180度未満の制限角度まで旋回可能に限定する第2の制限機構を設けることにより、アームシリンダなどのアクセサリー、またはアームの後端部などのブームに関連する部分を高さ制限内に止めた状態で、アームの先端を高さ制限に近づけることが可能となる。このため、高さ制限がある環境において、アームの先端に取り付けられる作業具の揺動範囲を広げることができる。
【0008】
この作業装置は、作業具の揺動範囲を高さ制限内に止めるように、操作シリンダによる作業具の揺動範囲を限定する第3の制限機構を有してもよい。
【0009】
作業装置の典型的な例は油圧ショベルであり、架線下で作業を行うように、機体の前後に設けられた軌道走行用の車輪と、機体の下部に設けられた地上走行体とを有する、軌道陸上兼用の作業装置であってもよい。
【0010】
第2の制限機構による制限角度θ1は以下の条件(1)を満たしてもよい。
160<θ1<180・・・(1)
条件(1)の下限は、170度であってもよく、上限は175度であってもよい。
【0011】
また、作業装置は、アームを左右方向に揺動可能なオフセットシリンダをさらに有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一例の油圧ショベルの概要を示す図。
図2】従来の油圧ショベルの概要を示す図。
図3】アームを抜き出して示す図。
図4】操作シリンダを抜き出して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に、本発明の一実施例の作業装置として、油圧ショベル(バックホー)10の概要を示している。油圧ショベル10は、エンジンおよび制御装置を含み、操作員が搭乗して油圧ショベル10を制御する機体11と、機体11に対し上下に揺動可能なブーム20と、ブーム20に対し上下に揺動可能なアーム30と、アーム30の先端に取り付けられた作業具、本例ではバケット40と、ブーム20を上下に揺動させるブームシリンダ21と、アーム30を上下に揺動させるアームシリンダ31と、バケット40を上下に揺動させる操作シリンダ41とを含む。
【0014】
さらに具体的には、機体(車両本体)11に対して起伏可能としたブーム20の先端に左右方向に移動および回動可能な回動ブーム(ブランケット)25が連結されており、ブーム20には回動ブーム25を左右方向に移動(オフセット)させるオフセットシリンダ26と、回動ブーム25をオフセットすることなく左右方向に回動させる横掘り用シリンダ27とが取り付けられている。
【0015】
アーム30は、その基端38に設けられた連結孔33によりピンを介して回動ブーム25に上下回動可能に連結されており、連結孔33の上部後方に設けられた駆動孔34に連結されたアームシリンダ31により上下に駆動されるようになっている。アームシリンダ31は回動ブーム25の上部にトラニオンマウントで揺動可能に取り付けられており、先端31aがアーム30の基端38の駆動孔34と連結されている。このため、アームシリンダ31の後端31bは回動ブーム25から上方に突き出るように支持される。
【0016】
アーム30の基端38には、さらに、駆動孔34の前方にバケット40を上下に回動する操作シリンダ41の支持孔35が設けられている。アーム30の先端37にリンク機構42を介してバケット40が操作シリンダ41により上下に回動可能に取り付けられている。また、回動ブーム25の上部には、架線と接触することを防止するための架線ガード29が設けられている。
【0017】
この油圧ショベル10は、機体11の前後に設けられた軌道走行用の車輪12と、機体11の下部に設けられた地上走行体(クローラ)13とを有する。このため、この油圧ショベル10は、車輪12により線路2を移動することと、走行体13により地表3あるいは道路を移動することとが可能な軌道陸上兼用油圧ショベルである。さらに、架線9下などの高さ制限がある環境での作業が行えるようになっており、制限高さHの一例は4mである。高さ制限のある作業環境で安全に作業を行うために、油圧ショベル10は、ブームシリンダ21によるブーム20の揺動範囲(上下の回動範囲)を高さ制限H内に限定する第1の制限機構61を有する。第1の制限機構61は、ブーム20の先端に取り付けられた架線ガード29が制限高さHに達する高さまでブームシリンダ21が伸長することを許容する。
【0018】
第1の制限機構61の一例は、ブームシリンダ21の伸長範囲を限定することであり、例えば、ブームシリンダ21内のピストンの可動範囲を限定するためにカラーを挿入することができる。第1の制限機構61は、ブームシリンダ21の伸長量(伸縮量)を検出するリミットスイッチであってもよく、その他の適当な制御回路あるいは制御方法であってもよい。
【0019】
油圧ショベル10は、さらに、アームシリンダ31によるアーム30の揺動範囲(上下の回動範囲)をブーム20に対する上方の角度θが180度未満の制限角度まで旋回可能に限定する第2の制限機構62を有する。本例では、油圧ショベル10は、ブーム20の前方部分の下縁(図1では延長線20xで示す)と、アーム30の下縁(図1では延長線30xで示す)との成す角度θが180度未満の制限角度θ1までアーム30を回動できる第2の制限機構62を有する。ブーム20の基準線はアーム30との連結孔33を含むブーム20の前方部分の中心線などの構造的な代表部分を示す基準線であってもよい。アーム30の基準線は、ブーム20との連結孔33と、バケット40との連結孔とを含む線などのアーム30の構造的な代表部分を示す基準線であってもよい。
【0020】
本例の第2の制限機構62は、アームシリンダ31とアーム30の基端38の連結孔33および駆動孔34の距離との組み合わせとなっており、アームシリンダ31が伸縮して最短になったときにアーム30を、ブーム20に対して制限角度θ1に引き上げることができるように駆動孔34の位置が設定されている。第2の制限機構62は、アームシリンダ31の伸長範囲を限定するものであってもよく、アームシリンダ31の伸長量(伸縮量)を検出するリミットスイッチであってもよく、その他の適当な制御回路あるいは制御方法であってもよい。
【0021】
図2に、従来の油圧ショベル90の一例を示している。この油圧ショベル90は、基本的な構成は上記の油圧ショベル10と共通し、ブーム20に対するアーム30の回動範囲が180度に設定されている。すなわち、ブーム20に対するアーム30の回動できる範囲(制限角度)θ1が180度に設定されていることに等しい。アームシリンダ31において、最もモーメントが大きくなる設計ポイントの1つは、ブーム20に対するアーム30の角度が180度の場合であり、アームシリンダ31の伸縮量はそのポイントで決定される。アームシリンダ31の可動範囲を超えると、バケット40の高さは、ブーム20の角度により主に制御される。
【0022】
高さ制限がある作業環境において、従来の油圧ショベル90においては、安全のため、第1の制限機構61によりブーム20の旋回角度が制限される。しかしながら、高さ制限Hに達するのは、ブーム20に取り付けられたアクセサリー、本例では、架線ガード29またはアームシリンダ31の後端31bであり、アーム30は高さ制限Hに対して、上方に旋回の余地があることがある。機種によっては、高さ制限Hに最初に到達する部分は、アーム30の基端38の上端である可能性もあるが、その場合でも、アーム30には上方に旋回する余地があることが多い。
【0023】
架線下において、油圧ショベル10および90は、軌道陸上兼用の運搬車、例えば、軌道2上を走行する車輪52と、道路3を走行するタイヤ53とを備えたトラック50と共同で作業するケースがある。このとき、ブーム20を制限高さまで引き上げても、バケット40を上下に回動させたときの先端49の位置と、軌道2上のトラック50の荷台55との間に十分なクリアランスを確保できず、作業効率が大幅に低下することがある。
【0024】
図1に戻って示すように、第2の制限機構62により、アーム30とブーム20との成す角度(上方の角度)θの制限角度θ1を180度未満に設定することにより、アームシリンダ31により、ブーム20に対してアーム30を反り返るように回転(回動)することができる。このため、バケット40の旋回の中心となるアーム30の先端37の位置を制限高さHにより近づけることが可能となり、バケット40を上下に回動させたときの先端49の位置と、軌道2上のトラック50の荷台55との間に十分なクリアランスDを確保することができる。例えば、作業半径6.5m程度、バケット容量0.25mの小型の油圧ショベルにおいて、高さ制限Hが4mの環境で、バケット40の先端49の通過位置を数100mm程度(例えば、300mm程度)上昇させることができる。
【0025】
アーム30とブーム20との成す角度θの制限角度θ1は、アーム30の先端37が高さ制限Hに達するまで小さくしてもよい。一方、アーム30の先端37が高さ制限Hに近づくと、作業具(アタッチメント)であるバケット40の旋回半径が限定され、溝堀りなどの作業に支障をきたす可能性がある。したがって、上述したように、第2の制限機構62による制限角度θ1は以下の条件(1)を満たしてもよい。
160<θ1<180・・・(1)
条件(1)の下限は、165度であってもよく、170度であってもよく、上限は175度であってもよい。
【0026】
図3に、アーム30を抜き出して示している。アーム30は、基端38に、下側から順番に配置された、ブーム20との連結孔33と、アームシリンダ31の先端31aと連結される駆動孔34と、操作シリンダ41に連結される支持孔35とを含む。また、アーム30の先端37にバケット40との連結孔39を含む。アーム30の基端38の連結孔33と駆動孔34との距離Gを調整して、アームシリンダ31の伸縮によるアーム30の回転角度を大きくすることにより、第2の制限機構62により制限角度θ1を、条件(1)を満たすように設定してもよい。例えば、従来の油圧ショベル90のアーム30の距離Gに対する本例の油圧ショベル10のアーム30の距離Gの短縮量ΔGを以下の条件(2)を満たすように設定してもよい。
0.025<ΔG/G<0.05・・・(2)
また、アーム30の有効長(例えば、ブーム20との連結孔33と、バケット40との連結孔(先端側)39との距離)Wに対し、短縮量ΔGを以下の条件(3)を満たすように設定してもよい。
0.006<ΔG/W<0.015・・・(3)
【0027】
一例では、アーム30の有効長Wが1500~1550mm程度の場合に、従来の連結孔33と駆動孔34との距離Gは410~420mm程度であり、この距離Gを400mm程度、すなわち、短縮距離ΔGを10~20mm程度にすることにより第2の制限機構62による制限角度θ1を180度未満の適切な値に設定できる。
【0028】
アーム30のブーム20との連結孔33と駆動孔34との距離Gを縮めることにより、駆動孔34がアーム30の先端37の方向にシフトする。このため、従来の油圧ショベル90に対して本例の油圧ショベル10の駆動孔34と支持孔35との距離Fが短くなってもよい。また、駆動孔34と先端の連結孔39との距離Eが短くなってもよい。
【0029】
この油圧ショベル10は、操作シリンダ41によるバケット(作業具)40の揺動範囲(上下に回動する範囲)を限定する第3の制限機構63を含む。図4に、第3の制限機構63の一例を示している。図4(a)に示すように、縮んだときの長さL1と、伸びたときの長さL2とに伸縮する操作シリンダ41のピストンに、図4(b)に示すようにカラー65を挿入することにより、縮んだときの長さL3を、長さL1よりも長くできる。これにより、操作シリンダ41によりバケット40を上方に旋回する角度を限定できる。一方、伸びたときの長さL2は同じに設定できるのでバケット40の下方の旋回角度は維持できる。第3の制限機構63は、操作シリンダ41の伸長量(伸縮量)を検出するリミットスイッチであってもよく、その他の適当な制御回路あるいは制御方法であってもよい。
【0030】
上記に説明したように、本例の油圧ショベル10においては、アーム30とブーム20との成す角度(上方の角度)θの制限角度θ1を180度未満に設定する第2の制限機構62を設けることにより、ブーム20の高さ制限を維持しながらアーム30の旋回範囲を上方に延ばし、バケット40の可動範囲を上方に広げることができる。このため、高さ制限のある作業環境において、バケット40の可動範囲を上方に広げ、トラック50の荷台55に対するクリアランスを確保するなど、高さ制限がある環境における作業効率を向上できる。
【0031】
なお、上記では、アーム30の先端に装着される作業具(アタッチメント)の一例として溝堀り用のバケットを示しているが、台形バケット、スケルトンバケットなどの様々な種類のバケットであってもよく、さらに、バケットに限らず、クラッシャーなどであってもよい。また、作業装置の、ブーム20とアーム30との組み合わせは1対に限らず2対あるいはそれ以上を含んでいてもよい。作業装置は、典型的には油圧ショベルであり、バックホー(バックホウ)、ディガ-、エクスカベータなどと称される作業装置であってもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 油圧ショベル、 20 ブーム、 30 アーム、 40 バケット
図1
図2
図3
図4