(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161295
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】物品収納具
(51)【国際特許分類】
A47G 25/28 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A47G25/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065999
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】396016445
【氏名又は名称】株式会社フェリシモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 のり子
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA03
3K099BA12
3K099BA20
3K099BA25
3K099CA35
3K099CA49
3K099CA70
3K099DA17
3K099EA05
(57)【要約】
【課題】 利便性の高い物品収納具を提供する。
【解決手段】 物品収納具100は、上下方向に伸びる左前部1及び右前部2と、左前部1及び右前部2に対峙し、左右の上縁がそれぞれ左前部1及び右前部2の上縁に連続している後部3と、後部3の外側面に開口部31aを有する後部物品収納部31と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に伸びる左前部及び右前部と、
前記左前部及び前記右前部に対峙し、左右の上縁がそれぞれ前記左前部及び前記右前部の上縁に連続している後部と、
前記後部の外側面に開口部を有する後部物品収納部と、を有する、物品収納具。
【請求項2】
前記左前部の外側の側縁の上部及び前記後部の左外側の側縁の上部から左外側方向に伸びる左筒状部と、
前記右前部の外側の側縁の上部及び前記後部の右外側の側縁の上部から右外側方向に伸びる右筒状部と、
前記左筒状部及び前記右筒状部の少なくとも何れかの外側面に開口部を有する側部収納部と、を有する、請求項1に記載の物品収納具。
【請求項3】
前記左筒状部及び前記右筒状部の先端は閉塞されている、請求項2に記載の物品収納具。
【請求項4】
前記左前部の外側の側縁の下部は前記後部の左外側の側縁の下部に連続し、
前記右前部の外側の側縁の下部は前記後部の右外側の側縁の下部に連続している、請求項1乃至3の何れか1項に記載の物品収納具。
【請求項5】
前記物品収納具は、服を模した形状であり、
前記左前部、前記右前部、及び前記後部は、それぞれ左前身頃、右前身頃、及び後ろ身頃である、請求項1乃至4の何れか1項に記載の物品収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から衣服用ハンガーを利用した収納袋体が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この収納袋体は、襟部に相当する位置に開口部を、裾部に相当する位置に収納部分をそれぞれ形成した衣服形状を模した収納袋体と、収納袋体の両肩部に相当する位置に形成した、衣服用ハンガーを掛け止める掛止部とを備えている。これによって、衣服用ハンガーを用いて収納袋体を吊り下げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の収納袋体は、ハンガーを掛けることが困難な場所、例えば椅子の背凭れ等には掛けることができないという問題があった。また、ハンガーを掛けることができる場所は、クローゼット等の収納場所であることが多い。そのため、例え収納袋体自体に優れたデザイン性が備わっていても、日常生活においては収納袋体が仕舞いこまれてしまい、視覚的効果を発揮することができないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る物品収納具は、上下方向に伸びる左前部及び右前部と、前記左前部及び前記右前部に対峙し、左右の上縁がそれぞれ前記左前部及び前記右前部の上縁に連続している後部と、前記後部の外側面に開口部を有する後部物品収納部と、を有する。
【0007】
この構成によれば、ハンガー、椅子の背凭れ等の服を吊り下げることが可能な場所に容易に掛けて使用することができ、物品収納具の利便性を高めることができる。また、クローゼットのような収納場所内のみではなく、日常生活で目にする家具等にも気軽に使用することができ、物品収納具自体に備わる視覚的効果を発揮することもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、物品収納具の利便性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る物品収納具の構成例を示す正面図である。
【
図2】
図1の物品収納具の構成例を示す背面図である。
【
図3】
図1の物品収納具の構成例を示す斜視図であり、左前部及び右前部をはだけた状態を示す図である。
【
図4】
図1の物品収納具の使用例を示す後方斜視図であり、物品収納具を椅子に取り付けた状態を示す図である。
【
図5】
図1の物品収納具の使用例を示す前方斜視図であり、物品収納具を椅子に取り付けた状態を示す図である。
【
図6】
図1の物品収納具の使用例を示す後方斜視図であり、物品収納具を衣類用ハンガーに取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、実施の形態に係る物品収納具100の構成例を示す正面図である。
図2は、物品収納具100の構成例を示す背面図である。
【0012】
図1に示すように、物品収納具100は、携帯電話、財布、化粧品等の小物を分別して収納することができる布地等の柔軟な生地製の収納具である。そして、物品収納具100は、ジャケット等の服を模した形状に形成されている。具体的には、物品収納具100は、左前身頃に相当する左前部1と、右前身頃に相当する右前部2と、後ろ身頃に相当する後部3と、左側の袖に相当する左筒状部4と、右側の袖に相当する右筒状部5と、襟に相当する襟部6とを備える。
【0013】
左前部1及び右前部2は、上下方向に伸び、左右に並んで位置する。後部3は、左前部1及び右前部2の後ろ側において、左前部1及び右前部2に対峙して位置する。そして、後部3の左側の上縁が左前部1の上縁に縫合され、後部3の右側の上縁が右前部2の上縁に縫合されている。これによって、後部3の左右の上縁がそれぞれ左前部1及び右前部2の上縁に連続している。また、左前部1の外側(左側)の側縁と後部3の左側の側縁とが縫合され、右前部2の外側(右側)の側縁と後部3の右側の側縁とが縫合されている。これによって、左前部1の外側の側縁の下部は、後部3の左外側の側縁の下部に連続している。また、右前部2の外側の側縁の下部は、後部3の右外側の側縁の下部に連続している。
【0014】
そして、後部物品収納部31が後部3に設けられている。後部物品収納部31は、後部3に生地31bを縫い付けて形成したポケットである。そして、後部物品収納部31の開口部31aは、後部3の外側面、すなわち物品収納具100の背面に位置する。より具体的には、開口部31aは、例えば、後部3の上部に位置し、開口部31aの左縁は後部3の左端に位置し、開口部31aの右縁は後部3の右端に位置する。また、後部物品収納部31の底は、後部3の下縁が位置する位置に位置する。このように、後部物品収納部31は、雑誌等が収容可能な大きな収納部である。そして、後部3に留め具32が設けられている。留め具32は、後部物品収納部31の生地31bを後部3に着脱可能に留める器具であり、例えば、スナップボタン、面ファスナー、又はボタン及びボタンホールである。本実施形態において、留め具32は、凹部材及び凹部材に着脱可能に嵌合する凸部材を有するスナップボタンであり、凹部材が後部物品収納部31の生地31bの上端中央部に取り付けられている。また、凸部材は、凹部材に対峙するするように後部3に取り付けられている。これにより、後部物品収納部31の生地31bの上端中央部が後部3に着脱可能に留められる。よって、後部物品収納部31に物品を収納して留め具32を用いて開口部31aを閉じることによって、収納した物品の重みによって開口部31aが開いて垂れ下がり、美観を損なうことを防止することができる。
【0015】
左筒状部4は、筒状に形成された生地であり、左筒状部4の基端部の前側の部分は左前部1の外側の側縁の上部に縫合され、左筒状部4の基端部の後側の部分は後部3の左外側の側縁の上部に縫合されている。そして、左筒状部4は、これら左前部1の外側の側縁の上部及び後部3の左外側の側縁の上部から左外側方向に伸び、先端部は自由端となっている。また、左筒状部4の先端は、縫い合わされて閉塞されている。このように、左筒状部4は、内部空間が有底の筒状の空間となっており、この空間が左内側物品収納部42である。また、左内側物品収納部42の基端部は、物品収納具100の内側に向かって開口しており、この部分が左内側物品収納部42の開口部42aである。左内側物品収納部42に物品を収納するときは、物品収納具100の内側から開口部42aを介して、左内側物品収納部42に物品を入れる。このように、左内側物品収納部42の開口部42aは外側に露出せず、左内側物品収納部42は貴重品等の収納に適した収納である。
【0016】
また、左外側物品収納部(側部収納部)41が左筒状部4に設けられている。左外側物品収納部41は、左筒状部4の先端部外側に生地を縫い付けて形成したポケットであり、左外側物品収納部41の開口部41aは、左筒状部4の外側面に位置する。このように、左外側物品収納部41は、後部物品収納部31よりも小さな収納部であり、小物の収納に適した収納部である。また、左外側物品収納部41の開口部41aは外側に露出しているので、物品の収納及び取り出しが容易であり、左外側物品収納部41はリモコン等の使用頻度の高い物品の収納に適している。
【0017】
右筒状部5は、左筒状部4と左右対称に形成されている。すなわち、右筒状部5の基端部の前側の部分は右前部2の外側の側縁の上部に縫合され、右筒状部5の基端部の後側の部分は後部3の右外側の側縁の上部に縫合されている。そして、右筒状部5は、これら右前部2の外側の側縁の上部及び後部3の右外側の側縁の上部から右外側方向に伸びている。右筒状部5の内部空間が、右内側物品収納部52であり、右内側物品収納部52の基端部の開口部分が開口部52aである。また、右筒状部5の外側には左外側物品収納部41と同様の右外側物品収納部(側部収納部)51が設けられている。右外側物品収納部51の開口部51aは、右筒状部5の外側面に位置する。
【0018】
襟部6は、襟状の装飾体であり、下端が左前部1の内側の側縁の上部、後部3の上縁の中間部、右前部2の内側の側縁の上部に取り付けられている。また、襟部6の上端は自由端となっている。このように、襟部6が設けられていることにより、物品収納具100が服を模した形状であるという印象をより強く使用者に与えている。
【0019】
本物品は、服を吊り下げることが可能な場所に掛けて使用することができる。例えば、物品収納具100は、
図4及び
図5に示すように、椅子101の背凭れ101aに取り付けて用いることができる。椅子101の背凭れ101aに取り付けるときは、左前部1と右前部2との間から背凭れ101aを物品収納具100の内部に入れ、物品収納具100を背凭れ101aに被せる。そして、後部3の左右の上縁と左前部1及び右前部2の上縁とが連続している部分を椅子101の背凭れ101aの上端に載せる。このように、ジャケットを背凭れ101aに掛ける手順と同様の手順で、物品収納具100を背凭れ101aに取り付けることができ、取り付けが容易である。物品収納具100は、背凭れ101a以外にも、例えば、
図6に示すように、上記と同様の手順で衣類用ハンガーに掛けて用いることができる。
【0020】
そして、例えば、後部物品収納部31に物品を収納すると、物品の重みによって、後部3がずれ落ちる方向に力がかかる。しかし、物品収納具100は、左前部1の外側の側縁の下部は、後部3の外側の側縁の下部に連続し、右前部2の外側の側縁の下部は、後部3の外側の側縁の下部に連続しているので、後部3が左前部1及び右前部2に対して下方に移動することが規制され、ハンガー102、椅子101の背凭れ101a等に掛けた物品収納具100がずれ落ちることを防止することができる。
【0021】
このように、物品収納具100は、ハンガー102、椅子101の背凭れ101a等の服を吊り下げることが可能な場所に掛けて使用することができ、利便性の高いものとすることができる。
【0022】
また、物品収納具100は、後部物品収納部31のみならず、左外側物品収納部41、左内側物品収納部42、右外側物品収納部51、及び右内側物品収納部52を有し、様々な物品を分別して収納することができる。
【0023】
更に、物品収納具100は、服を模した形状であるので、全体形状の把握が容易であり、使用者は、この全体形状に基づいて各収納部の位置を容易に覚えることができる。また、使用者に面白みを与えることができる。
【0024】
なお、物品収納具100には様々な装飾を施してもよく、これによって使用者に更に面白みを与えることができる。例えば、物品収納具100には、ワッペン、飾り紐等の制服、軍服に施されている装飾が施されてもよい。また、実施の形態においては、物品収納具100は、ジャケットを模した形状としたがこれに限られるものではない。これに代えて、物品収納具100は、左筒状部4と右筒状部5を有しないベスト等や、左筒状部4と右筒状部5が幅広の袖状となる振袖や羽織、直垂のような和服を模した形状であっても良い。
【0025】
そして、物品収納具100は、このようなデザイン性に富んだ装飾がされた場合に、クローゼット等に仕舞いこむことなく、ハンガー、椅子の背凭れ等に気軽に吊り下げることが可能であるため、日常生活空間で物品収納具100自体の視覚的効果を発揮させる使用が可能である。また、近年、アニメ登場キャラクターやアイドルを模したコスチュームプレイ、いわゆるコスプレが流行っているが、コスプレは、変身する衣装を準備するのに時間やコストを要する。例えば、物品収納具100にキャラクターの登場人物の意匠を模したデザインとすれば、自らコスプレで変身せずとも、物品収納具100の視覚的効果でアニメキャラクターやアイドルが自らの生活空間に存在しているかのような気分を味わえる。そして、物品収納具の利便性を高めることから、かような視覚的効果も奏する。
【0026】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【符号の説明】
【0027】
1 左前部
2 右前部
3 後部
31 後部物品収納部
31a 開口部
100 物品収納具