(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161305
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066015
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼松 成
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA20
4M118CA22
4M118DD04
4M118EA06
4M118EA14
4M118FA06
(57)【要約】
【課題】コンタクトの位置合わせ余裕及びメタルコンタクト形成のマスクサイズの制約を受けることなく、フォローティングディフージョン部の面積を縮小しつつ、メタルコンタクトを容易に形成することができる。
【解決手段】実施形態の固体撮像素子は、トランスファゲートと、トランスファゲートを介してフォトダイオードから転送された信号電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、周縁部が絶縁材料膜で囲まれ、一端がフローティングディフュージョン部に電気的に接続されて、電圧信号を伝送するアモルファスあるいは単結晶のN+ポリシリコンのいずれかで構成された導電材料膜で形成された引出電極と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスファゲートと、
前記トランスファゲートを介してフォトダイオードから転送された信号電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、
周縁部が絶縁材料膜で囲まれ、一端が前記フローティングディフュージョン部に電気的に接続されて、前記電圧信号を伝送するN型のポリシリコン、アモルファスシリコン、あるいは、単結晶のシリコンのいずれかで構成された導電材料膜で形成された引出電極と、
を備えた、固体撮像素子。
【請求項2】
前記フローティングディフュージョン部は、N+半導体で構成されており、
前記フローティングディフュージョン部の周囲にN-半導体領域を備えた、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記固体撮像素子を平面視した場合に、前記引出電極の面積を前記絶縁材料膜により囲われている領域の面積よりも大きくなるように、前記トランスファゲートに対してオーバーラップさせる、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記トランスファゲートは、P+ポリシリコンで形成されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記引出電極は、複数の画素で共有されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
絶縁材料膜を介して隣接された前記トランスファゲート同士の距離を広げ、対向する前記トランスファーゲート間にも前記引出電極を形成した、
請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記固体撮像素子を平面視した場合に、前記トランスファゲートに対して前記フローティングディフュージョン部を介した位置に他のトランスファゲートが位置していない場合に、当該位置にダミー電極を配置し、前記ダミー電極のサイドウォールを覆う絶縁材料膜を前記引出電極を囲む絶縁材料膜の一部とする、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記トランスファゲートと前記ダミー電極とは、同一の導電性材料膜で形成した、
請求項7に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記固体撮像素子を平面視した場合に、前記トランスファゲートに対して前記フローティングディフュージョン部を介した位置に他のトランスファゲートが位置していない場合に、当該位置に絶縁材料膜を形成して、前記引出電極を囲む絶縁材料膜の一部とする、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記引出電極を形成する前記導電材料膜と同一の導電材料膜で、隣設された増幅トランジスタのゲート端子との配線が形成されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記引出電極を介してN型ドーパントを拡散することにより形成したフローティングディフュージョン部により、隣接されたリセットトランジスタのソース端子との配線が形成されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
半導体基板上に第1絶縁材料で第1絶縁材料膜で覆われたトランスファゲートを形成する過程と、
引出電極とSi面の接続予定位置に前記第1絶縁材料に対して選択的にエッチング可能な第2絶縁材料でマスクを形成する過程と、
前記マスクが形成された状態で酸化処理を行い前記接続予定位置が酸化されないようにする過程と、
前記第2絶縁材料を選択的にエッチングして除去する過程と、
引出電極の形成予定位置に導電材料で導電材料膜を形成して前記引出電極を形成する過程と、
前記引出電極を介して、熱拡散により、フローティングディフュージョン部を形成する過程と、
を備えた固体撮像素子の製造方法。
【請求項13】
前記固体撮像素子は、増幅トランジスタを備え、
前記引出電極の形成過程と並行して、前記引出電極を形成する前記導電材料膜と同一の導電材料膜で、前記増幅トランジスタのゲート端子に対する配線を形成する過程を備えた
請求項12に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項14】
前記固体撮像素子は、リセットトランジスタを備え、
前記引出電極の形成後に、前記引出電極を介してを介してN型ドーパントを拡散することにより形成したフローティングディフュージョン部により、前記リセットトランジスタのソース端子との配線を形成する過程を備えた
請求項12に記載の固体撮像素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像装置として、電源電圧が低く、低消費電力のため、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話などの各種携帯端末機器等に使用されるCMOS撮像素子を用いたCMOS固体撮像装置が知られている。
【0003】
撮像素子において、画素の微細化を行う場合、フォトディテクタ(PD)の領域の面積を確保するためにはゲート端子TGを介して電荷が転送されるフローティングディフージョン(Floating. Diffusion)部の面積を縮小することが必要になる。ただし、既存プロセス技術の限界により、フローティングディフージョン部の縮小化には限界がある。
【0004】
また、高変換効率実現を考える場合、フローティングディフージョン部の容量低減を行う必要があるが、従来のようにイオン注入により形成すると、平均投影飛程Rpが浅いイオン注入となるため、イオン注入時のバッファ膜の厚さのばらつきにより、注入深さがばらつくという課題も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術においては、形成したN+領域上にコンタクトを取る必要があるため、トランスファゲートTGとサイドウォールSWとの間の空間のサイズには、コンタクトの位置合わせ余裕による限界があり、フローティングディフージョン部の面積を縮小する際の制約となっていた。
【0007】
また、フローティングディフージョン部の領域上に開口部を形成し、メタルコンタクトにより上部に引き出す必要があり、このメタルコンタクト形成のマスクサイズの制約がローティングディフージョン部の面積を縮小する際の制約となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、コンタクトの位置合わせ余裕及びメタルコンタクト形成のマスクサイズの制約を受けることなく、フォローティングディフージョン部の面積を縮小しつつ、メタルコンタクトを容易に形成することが可能な固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の固体撮像素子は、トランスファゲートと、トランスファゲートを介してフォトダイオードから転送された信号電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、周縁部が絶縁材料膜で囲まれ、一端がフローティングディフュージョン部に電気的に接続されて、電圧信号を伝送するN型のポリシリコン、アモルファスシリコン、あるいは、単結晶のシリコンのいずれかで構成された導電材料膜で形成された引出電極と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、4画素共有の固体撮像装置の要部平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の撮像素子の断面説明図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の固体撮像素子の概要製造方法の説明図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の固体撮像素子の断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態の固体撮像素子の平面図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態の固体撮像素子の断面図である。
【
図8】
図8は、第5実施形態の固体撮像素子の断面図である。
【
図9】
図9は、第6実施形態の固体撮像素子の断面図である。
【
図10】
図10は、第7実施形態の固体撮像素子の説明図である。
【
図11】
図11は、第8実施形態の固体撮像素子の説明図である。
【
図12】
図12は、第9実施形態の固体撮像素子の説明図である。
【
図13】
図13は、第10実施形態の固体撮像素子の平面図である。
【
図14】
図14は、第11実施形態の固体撮像素子の平面図である。
【
図15】
図15は、第12実施形態の固体撮像素子の平面図である。
【
図18】
図18は、第13実施形態の固体撮像素子の概要製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
本第1実施形態においては、一つのフローティングディフージョン部を四つのフォトダイオードで共有する4画素共有の固体撮像素子を例として説明を行う。
図1は、4画素共有の固体撮像素子の要部平面図である。
固体撮像素子10は、縦2画素、縦2画素の計4画素のフォトディテクタPD1~PD4を1共有単位(いわゆる4画素共有)として、この1共有単位が2次元アレイ状に配列して画素領域を構成している。
そして、それぞれ四つのフォトディテクタPD1~PD4で一つのフローティングディフージョン部FDを共有している。
【0012】
また、画素トランジスタとしては、各画素にそれぞれ対応する転送トランジスタTR1(4画素で4個)と、4画素で共有するトランジスタとして、リセットトランジスタTR2、増幅トランジスタTR3及び選択トランジスタTR4をそれぞれ一つ備えている。
【0013】
フローティングディフージョン部FDは、4つのフォトディテクタPD1~PD4に囲まれた中央に配置される。各転送トランジスタTr1は、それぞれ共通のフローティングディフージョン部FDと各対応するフォトディテクタPDとの間に配置されたトランスファゲートTGを有している。
【0014】
またトランスファゲートTGは、絶縁膜(例えば、SiO2)で形成されたサイドウォールSWに周囲を囲まれている。
【0015】
さらにサイドウォールの外周面で囲まれた領域には、フローティングディフージョン部FDと電気的に接続され、導電材料膜(例えば、poly Si、アモルファスシリコン、単結晶シリコン等)で形成された引出電極CPSが設けられている。
【0016】
さらに引出電極CPSの上面に形成されたコンタクト面CSには、メタル配線WIRが電気的に接続され、リセットトランジスタTR2及び増幅トランジスタTR3に接続されている。
【0017】
図2は、断面位置の説明図である。
以下の説明においては、断面図を示す場合には、
図2に示すようフローティングディフュージョン部FDの中央部を通るA-A切断線で切断したA-A断面矢視図及びフローティングディフュージョン部FDを通らず、トランスファゲートTG部分を通るB-B切断線で切断したB-B断面矢視図で示すものとする。
【0018】
図3は、第1実施形態の固体撮像素子の断面説明図である。
図3(A)は、第1実施形態の固体撮像素子のA-A断面矢視図であり、
図3(B)は、第1実施形態の固体撮像素子のB-B断面矢視図である。
第1実施形態の撮像素子10は、
図3(A)及び
図3(B)に示すように、基板SUB上に絶縁材料膜ISを介して一対のトランスファゲートTGが形成されている。
【0019】
各トランスファゲートTGの周面には、絶縁材料(例えば、SiO2)で、いわゆるサイドウォールSWが形成され、さらに各トランスファゲートTGの上面(
図3における上方の面)もサイドウォールSWと同一材料の絶縁膜が形成されている。
【0020】
また、サイドウォールSWで囲まれた領域には、導電材料(例えば、N+Poly Si[N型ポリシリコン]、アモルファスシリコン、単結晶シリコン等)膜で形成された引出電極CPSが形成されている。
さらに引出電極CPSの下方であって、サイドウォールSWで囲まれた領域の下方には、ドナーとなるイオンを拡散させたフローティングデフュージョン部FDが形成されている。
【0021】
この場合において、引出電極CPSはセルフアラインメント(Self-alignment)で形成できるため、合わせ余裕を考慮することなく、トランスファゲートTG同士の距離を狭めることが可能となっている。
【0022】
さらに、引出電極CPSをN+Poly Siにより形成(成膜)した後、この引出電極CPSからドナーとなるイオンを基板SUB(例えば、シリコン基板)に拡散させる(ドーピングさせる)ことにより、平均投影飛程Rpが短いN+拡散層としてのフローティングディフュージョン部FDを形成している。
【0023】
したがって、フローティングディフュージョン部FDは、引出電極CPSの真下に形成されることとなる。
この手法によれば、通常のマスクを用いたパターニングでは形成できない小面積のフローティングディフュージョン部FDを形成することができる。また、平均投影飛程Rpが短くても、容易に制御が可能であり、所望の平均投影飛程Rpに対応する深さにドナーとなるイオンを注入できる。
【0024】
さらにまた、引出電極CPSの上面に形成されたコンタクト面CSの上方からみた場合、トランスファゲートTG上に引出電極CPSがオーバーラップした構造となっているため、フローティングディフュージョン部FDとトランスファゲートTGとの間の寄生容量が増えることによりフローティングディフュージョン部FD昇圧への寄与をより高めて、転送性能を向上できる。
【0025】
また、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離、すなわち、絶縁材料であるサイドウォールを介した距離が短いため、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの間の静電容量を大きくでき、フローティングディフュージョン部FDの小面積化に伴う高変換効率としつつ、フローティングディフュージョン部FDの昇圧を効果的に行って、転送性能の低下を抑制することができる。
【0026】
ここで、第1実施形態の撮像素子の製造方法について説明する。
図4は、第1実施形態の固体撮像素子の概要製造方法の説明図である。
まず、
図4(A)に示すように、トランスファゲートTGの形成領域の酸化を行い、SiO2の絶縁材料膜を形成する。
【0027】
続いて、トランスファゲートTGを形成するためのPoly SiのCVD(Chemical Vapor Deposition)を行い、さらにトランスファゲートTGを覆う絶縁材料膜としてのSiO2をCVD法により形成する。
【0028】
そして、トランスファゲートTGに対応する部分を残して開口して反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によりエッチングする。
さらに酸化処理を行う。
【0029】
続いて、サイドウォールSWを形成するために絶縁材料膜としてのSiO2をCVDにより形成し、サイドウォールSWが所定の形状となるように反応性イオンエッチング法によりエッチングする。
これらの結果、
図4(A)にしめすような状態となる。
【0030】
次にサイドウォールSWを構成している絶縁材料(上述の例では、SiO2)とは選択的にエッチングが行える第2の絶縁材料(本例では、SiN)を用いて、CVDにより第2の絶縁材料膜を形成する。
そして湿式エッチングにより、酸化膜形成時のマスクとして機能する第2の絶縁材料膜IS2を形成する。
【0031】
次に2回目の酸化処理を行って、第3の絶縁材料膜IS3を形成する。
そして第2の絶縁材料膜IS2に対応する部分を開口して湿式エッチング法により第2の絶縁材料膜を除去する。
続いて、N+Poly Siの導電材料膜をCVD法により形成する。
【0032】
そして、引出電極CPS及び画素トランジスタのゲート端子に対応する部分を開口して反応性イオンエッチング法によりエッチングして、引出電極CPSを形成する。
【0033】
次に画素トランジスタのゲート端子のサイドウオールSWを形成するための絶縁材料膜としてのSiO2をCVDにより形成し、サイドウォールSWが所定の形状となるように反応性イオンエッチング法によりエッチングする。
【0034】
続いて酸化処理を行い、フローティングディフュージョン部FDの形成領域及び画素トランジスタのN型イオン注入領域NSDに熱拡散によりイオン注入を行い、N+拡散層を形成して処理を終了する。
【0035】
なお、Poly SiからのN+拡散層の形成によるフローティングディフュージョン部FDの形成を行うのではなく、Poly Si形成前にN+イオンインジェクション(イオン注入、イオンドーピング)を行うように構成することも可能である。
これらの結果、第1実施形態の固定撮像素子が形成される。
【0036】
以上の説明のように第1実施形態の固定撮像素子によれば、絶縁材料膜であるサイドウォールSWで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成するため、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。物理的には0.1μm程度の開口として引出電極CPSを形成することも可能である。
【0037】
これらの結果、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの間の距離間隔を従来より狭めることができるためトランスファゲートTG-引出電極CPS間の寄生容量が増加し、フローティングディフュージョン部FDの昇圧を効果的に行える。この結果、転送性能を向上できる。
【0038】
[2]第2実施形態
図5は、第2実施形態の固体撮像素子の断面図である。
図5において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第2実施形態の固体撮像素子10Aが、第1実施形態の固体撮像素子10と異なる点は、フローティングディフュージョン部FDの小面積化に伴い、ドナーとなるイオン(N+)が少なくなるため、これを補うべく、フローティングディフュージョン部FDの周囲にN-拡散領域NMを設けた点である。
【0039】
このN-拡散領域NMは、
図4(A)に示しようにトランスファゲートTGを形成する際に行う反応性イオンエッチング法によるエッチング後、あるいは、サイドウォール形成後に表面近傍でアクセプタとなるイオンを注入(イオンインジェクション)することにより形成する。
【0040】
これにより、本第2実施形態によれば、フローティングディフュージョン部FDの機能をより一層向上しつつ、フローティングディフュージョン領域の小面積化を図り、ひいては、集積密度を向上することができる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0041】
[3]第3実施形態
図6は、第3実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図6において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0042】
本第3実施形態の固体撮像素子10Bが、第1実施形態の固体撮像素子10と異なる点は、引出電極CPSに代えて、平面視した場合に
図6に示すように、トランスファゲートTGとフローティングディフュージョン部FDとのオーバーラップしている領域を増加させている点である。
【0043】
この結果、フローティングディフュージョン部FDとトランスファゲートTGとの間の寄生容量が増えることによりフローティングディフュージョン部FD昇圧への寄与をより高めて、転送性能を向上できる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0044】
[4]第4実施形態
図7は、第4実施形態の固体撮像素子の断面図である。
図7において、
図2の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
なお、
図7においては、理解の容易のため、引出電極CPSの図示を省略している。
【0045】
第4実施形態の固体撮像素子10Cが、第1実施形態の固体撮像素子10と異なる点は、フローティングディフュージョン部FDの小面積に伴い、各トランスファゲートTGが実効的にフローティングディフュージョン部FDに接する部分の幅が少なくなるのを抑制するために、フローティングディフュージョン部FD側において、トランスファゲートTGと隣接するトランスファゲートTGとの間の距離を拡げることにより、絶縁材料膜としてのサイドウォールSWを拡張してサイドウォール拡張部ESWを形成した点である。なお、
図7において、サイドウォールSWとサイドウォール拡張部ESWを分けて記載したのは、理解の容易のためであり、実際には、一体に同一材料で形成されている。
これにより、実効的に隣接するトランスファゲートTG間の間隔を部分的に広げてトランスファゲートTG-トランスファゲートTG間が絶縁膜で埋もれることがない領域を形成し、当該領域にN+Poly Siを配置することにより、フローティングディフュージョン部FDの凸形状の領域を形成している。
【0046】
この結果、本第4実施形態によればトランスファゲートTGを介してフォトディテクタPDと対向しているフローティングディフュージョン部FDの幅を長くでき、転送に寄与する実効的なゲート幅(シリコン中に形成されるチャネルの幅)を広くできるため、電流の引き出しが容易となり、転送性能を向上させることができる。
【0047】
この場合においても、フローティングディフュージョン部FDの周囲は、絶縁材料膜で囲われている。
このため、サイドウォールSW及びサイドウォール拡張部ESWで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0048】
[5]第5実施形態
図8は、第5実施形態の固体撮像素子の断面図である。
図8において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第5実施形態の固体撮像素子10Dが、第1実施形態の固体撮像素子10と異なる点は、トランスファゲートTGを導電材料膜であるP+Poly Siで形成するとともに、引出電極CPS1を導電材料膜であるN++Poly Siで形成した点である。
【0049】
本第5実施形態によれば、トランスファゲートTG下におけるバンドギャップ内のフェルミ準位のピニング(pinning)を強化することができ、より安定して高精度で撮像を行うことが可能となる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0050】
[6]第6実施形態
図9は、第6実施形態の固体撮像素子の断面図である。
図9において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第6実施形態の固体撮像素子10Eが、第1実施形態の固体撮像素子10と異なる点は、絶縁材料膜であるSiO2膜として形成されたサイドウオールSWをさらに覆う絶縁材料膜IS4を設け、この絶縁材料膜IS4で囲まれた領域に、引出電極CPS2を形成した点である。
【0051】
すなわち、本第6実施形態によれば、フローティングディフュージョン部FDに電気的に接続される、引出電極CPS2が形成されている点は、第1実施形態と同様である。
しかしながら、トランスファゲートTGと引出電極CPS2とがサイドウオールSWではなく、絶縁材料膜IS4で分離されている点で異なっている。
【0052】
すなわち、トランスファゲートTGと、引出電極CPS2とは、絶縁材料膜で分離されていることは必要であるが、必ずしも、トランスファゲートTGのサイドウォールで分離されている必要は無いということである。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0053】
[7]第7実施形態
上記各実施形態は、一つのフローティングディフュージョン部FDを4画素で共有する場合の実施形態であったが、本第7実施形態は、一つのフローティングディフュージョン部FDを2画素で共有する場合の実施形態である。
【0054】
図10は、第7実施形態の固体撮像素子の説明図である。
図10(A)は、第7実施形態の固体撮像素子の断面図である。
また
図10(B)は、第7実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図10において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0055】
第7実施形態の撮像素子10Fは、
図10(A)及び
図10(B)に示すように、共有される一対のフォトディテクタPD11及びフォトディテクタPD12に対応する一対のトランスファゲートTGが絶縁材料膜IS上に形成されている。
【0056】
各トランスファゲートTGの周面には、絶縁材料(例えば、SiO2)で、いわゆるサイドウォールSWが形成され、さらに各トランスファゲートTGの上面もサイドウォールSWと同一材料の絶縁材料膜IS1が形成されている。
【0057】
また、サイドウォールSWで囲まれた領域には、導電材料膜(例えば、N+Poly Si[N型ポリシリコン]、アモルファスシリコン、単結晶シリコン等)膜で形成された引出電極CPSが形成されている。
さらに引出電極CPSの下方であって、サイドウォールSWで囲まれた領域の下方には、ドナーとなるイオンを拡散させたフローティングデフュージョン部FDが形成されている。
【0058】
この場合においても第1実施形態と同様に、引出電極CPSはセルフアラインメントで形成できるため、合わせ余裕を考慮することなく、トランスファゲートTG同士の距離を狭めることが可能となっている。
【0059】
さらに、引出電極CPSをN+Poly Siにより形成(成膜)した後、この引出電極CPSからドナーとなるイオンを基板SUB(例えば、シリコン基板)に拡散させる(ドーピングさせる)ことにより、平均投影飛程Rpが短いN+拡散層としてのフローティングディフュージョン部FDを形成しているので、フローティングディフュージョン部FDは、引出電極CPSの真下に形成されることとなる。
【0060】
したがって、本第7実施形態においても、第1実施形態と同様に、絶縁材料膜であるサイドウォールSWで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成するため、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。物理的には0.1μm程度の開口として引出電極CPSを形成することも可能である。
【0061】
これらの結果、本第7実施形態によれば、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの間の距離間隔も狭められるため、フローティングディフュージョン部FDとトランスファゲートTGとの間の寄生容量が増えることによりフローティングディフュージョン部FD昇圧への寄与をより高めて、転送性能を向上できる。
【0062】
[8]第8実施形態
上記各実施形態は、一つのフローティングディフュージョン部FDを複数画素で共有する場合の実施形態であったが、本第8実施形態は、一つのフローティングディフュージョン部FDを1画素で用いる場合の実施形態である。
【0063】
図11は、第8実施形態の固体撮像素子の説明図である。
図11(A)は、第8実施形態の固体撮像素子の断面図である。
また
図11(B)は、第8実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図11において、
図3の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0064】
第8実施形態の撮像素子10Gは、上記各実施形態と異なり、トランスファゲートTGに対向するトランスファゲートTGは、存在していない。
このため、引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲うために、トランスファゲートTGに対向する位置に、例えば、Poly Si(トランスファゲートTGと同一材料)で形成された平面視C字状のダミー電極DM1を形成している。
【0065】
この結果、トランスファゲートTGのサイドウォールSW及びダミー電極DM1のサイドウォールSW1でフローティングディフュージョン部FDの上部の周囲を囲うことで、引出電極CPSを形成する領域を構成できる。
【0066】
従って、本第8実施形態によれば、第1実施形態と同様に、絶縁材料膜であるサイドウォールSW及びサイドウォールSW1で開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができ、、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0067】
[9]第9実施形態
上記第8実施形態は、一つのフローティングディフュージョン部FDを1画素で用いる場合にダミー電極を用いて、引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲う構成としていたが、本第9実施形態は、トランスファゲートTGの上面を覆う絶縁材料膜IS1及びトランスファゲートTGのサイドウォールSWにより引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲う構成とした実施形態である。
【0068】
図12は、第9実施形態の固体撮像素子の説明図である。
図12(A)は、第9実施形態の固体撮像素子の断面図である。
また
図12(B)は、第9実施形態の固体撮像素子の平面図である。
【0069】
第9実施形態の撮像素子10Hは、第8実施形態と同様にトランスファゲートTGに対向するトランスファゲートTGは、存在していない。
このため、引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲うために、トランスファゲートTGに対向する位置に、SiO2で形成された絶縁材料膜IS1を残したままとしている。
【0070】
この結果、トランスファゲートTGのサイドウォールSW及び絶縁材料膜IS1でフローティングディフュージョン部FDの上部の周囲を囲うことで、引出電極CPSを形成する領域を構成できる。
【0071】
従って、本第9実施形態によれば、第8実施形態と同様に、絶縁材料膜であるサイドウォールSW及び絶縁材料膜IS1で開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができ、、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。
他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0072】
[10]第10実施形態
上記各実施形態においては、トランスファゲートTGが長方形状の場合の実施形態であったが、本第10実施形態は、トランスファゲートTGを対応する長方形状のフォトディテクタの角部に配置するために平面視L字形状のトランスファゲートTG1とした場合の実施形態である。
【0073】
図13は、第10実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図13において、
図11の第8実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0074】
本第10実施形態の固体撮像素子10Iにおいても、第8実施形態と同様に、トランスファゲートTGに対向するトランスファゲートTGは、存在していない。
【0075】
このため、引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲うために、トランスファゲートTGに対向する位置に、例えば、Poly Siで形成された平面視L字状のダミー電極DM2を形成している。
【0076】
この結果、トランスファゲートTGのサイドウォールSW及びダミー電極DM2のサイドウォールSW1でフローティングディフュージョン部FDの上部の周囲を囲うことで、引出電極CPSを形成する領域を構成できる。
【0077】
従って、本第10実施形態によれば、第1実施形態と同様に、絶縁材料膜であるサイドウォールSW及びサイドウォールで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができ、、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。
他の効果については、第8実施形態と同様である。
【0078】
[11]第11実施形態
本第11実施形態は、平面視U字形状のトランスファゲートTG1とした場合の実施形態である。
図14は、第11実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図14において、
図11の第8実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0079】
本第11実施形態の固体撮像素子10Jにおいても、第8実施形態と同様に、トランスファゲートTGに対向するトランスファゲートTGは、存在していない。
【0080】
このため、フォトディテクタPD41に対応する引出電極CPSを形成するための領域の周囲を絶縁材料膜で囲うために、平面視U字形状を有するトランスファゲートTG2に対向する位置に、例えば、Poly Siで形成された平面視I字状のダミー電極DM3を形成している。
【0081】
この結果、トランスファゲートTG2のサイドウォールSW及びダミー電極DM3のサイドウォールでフローティングディフュージョン部FDの上部の周囲を囲うことで、引出電極CPSを形成する領域を構成できる。
【0082】
従って、本第11実施形態によっても、第1実施形態と同様に、絶縁材料膜であるサイドウォールSW及びサイドウォールで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができ、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTG2と引出電極CPSとの距離を狭められる。
他の効果については、第8実施形態と同様である。
【0083】
[12]第12実施形態
本第11実施形態は、平面視U字形状のトランスファゲートTG1とした場合の実施形態である。
図15は、第12実施形態の固体撮像素子の平面図である。
図15において、
図11の第8実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0084】
本第12実施形態の固体撮像素子10Kにおいても、第8実施形態と同様に、トランスファゲートTG3に対向するトランスファゲートTGは、存在していない。
【0085】
しかしながら、トランスファゲートTG3自体がフォトディテクタPD51に対応する引出電極CPSを形成するための領域の周囲を囲む形状をゆうしているため、トランスファゲートTG3のサイドウォールでフローティングディフュージョン部FDの上部の周囲を囲うことで、引出電極CPSを形成する領域を構成できる。
【0086】
従って、本第12実施形態によっても、第1実施形態と同様に、絶縁材料膜であるトランスファゲートTG3のサイドウォールで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成することができ、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTG3と引出電極CPSとの距離を狭められる。
他の効果については、第8実施形態と同様である。
【0087】
[13]第13実施形態
上記各実施形態は、トランスファゲートTGに対応するフローティングディフュージョン部FDに電気的に接続する引出電極CPSを設ける場合のものであったが、本第13実施形態は、トランスファゲートTGに対応するフローティングディフュージョン部FDに電気的に接続する引出電極CPSを設けるとともに、リセットトランジスタTR2に対応するフローティングディフュージョン部FDに配線を接続する場合の実施形態である。
【0088】
図16は、第13実施形態の説明図である。
図16(A)は、ジャンクション(Junction)分離を行う場合のリセットトランジスタの断面図である。
図16(B)は、STI(Shallow trench isolation)分離を行う場合のリセットトランジスタの断面図である。
また、
図17は、第13実施形態の平面図である。
【0089】
図16(A)に示すように、ジャンクション(Junction)分離を行う場合には、フローティングディフュージョン部FDは、例えば、導電材料としてPoly Siで形成されたメタル配線WIRを介して入力されたゲート制御信号の電荷を電圧信号に変換してゲート端子GTに印可して、リセットトランジスタTR2を駆動することとなる。
【0090】
図17に示すように、リセットトランジスタTR2とフォトディテクタPD21に対応するフローティングディフュージョン部FDに電気的に接続される引出電極CPSは、メタル配線WIR1を介して電気的に接続される。
【0091】
また、
図16(B)に示すように、STI(Shallow trench isolation)分離を行う場合にも、ソース/ドレインを構成するための不純物熱拡散領域NSD及びフローティングディフュージョン部FDは、STIにより周囲領域から分離されており、フローティングディフュージョン部FDは、例えば、導電材料としてPoly Siで形成されたメタル配線WIR1を介して入力されたゲート制御信号の電荷を電圧信号に変換してゲート端子GTに印可して、リセットトランジスタTR2を駆動することとなる。
【0092】
ここで、第13実施形態の撮像素子の製造方法について説明する。
図18は、第13実施形態の固体撮像素子の概要製造方法の説明図である。
まず、
図17(A)に示すように、トランスファゲートTG及びゲートGTの形成領域の酸化を行い、SiO2の絶縁材料膜を形成する。続いて、トランスファゲートTG及びゲートGTを形成するためのPoly SiのCVD(Chemical Vapor Deposition)を行い、さらにトランスファゲートTG及びゲートGTを覆う絶縁材料膜としてのSiO2をCVD法により形成する。
【0093】
そして、トランスファゲートTG及びゲートGTに対応する部分を残して開口して反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によりエッチングする。
さらに酸化処理を行う。
【0094】
続いて、サイドウォールSWを形成するために絶縁材料膜としてのSiO2をCVDにより形成し、サイドウォールSWが所定の形状となるように反応性イオンエッチング法によりエッチングする。
【0095】
次にサイドウォールSWを構成している絶縁材料(上述の例では、SiO2)とは選択的にエッチングが行える第2の絶縁材料(本例では、SiN)を用いて、CVDにより第2の絶縁材料膜を形成する。
【0096】
そして湿式エッチングにより、酸化膜形成時のマスクとして機能する第2の絶縁材料膜IS2を形成する。
これらの結果、
図17(A)に示すような状態となる。
【0097】
次に2回目の酸化処理を行って、第3の絶縁材料膜IS3を形成する。
この結果、
図17(B)に示すような状態となる。
【0098】
そして第2の絶縁材料膜IS2に対応する部分を開口して湿式エッチング法により第2の絶縁材料膜を除去する。
続いて、N+Poly Siの導電材料膜をCVD法により形成する。
【0099】
そして、引出電極CPS及び画素トランジスタのゲート端子に対応する部分を開口して反応性イオンエッチング法によりエッチングして、引出電極CPS及びメタル配線WIR1を形成する。
この結果、
図17(C)に示すような状態となる。
【0100】
次に画素トランジスタのゲート端子のサイドウオールSWを形成するための絶縁材料膜としてのSiO2をCVDにより形成し、サイドウォールSWが所定の形状となるように反応性イオンエッチング法によりエッチングする。
【0101】
続いて酸化処理を行い、フローティングディフュージョン部FDの形成領域及びリセットトランジスタTR2のN型イオン注入領域NSDに熱拡散によりイオン注入を行い、N+拡散層を形成して処理を終了する。
【0102】
なお、Poly SiからのN+拡散層の形成によるフローティングディフュージョン部FDの形成を行うのではなく、Poly Si形成前にN+イオンインジェクション(イオン注入、イオンドーピング)を行うように構成することも可能である。
【0103】
これらの結果、第13実施形態の固定撮像素子が形成される。
以上の説明のように第13施形態の固定撮像素子によれば、絶縁材料膜であるサイドウォールSWで開口された領域にセルフアラインメントにより引出電極CPSを形成するため、位置合わせの制限を受けることなく、トランスファゲートTGと引出電極CPSとの距離を狭められる。
【0104】
さらには、これと並行して、リセットトランジスタTR2のゲートGTに配線WIR1及びフローティングディフージョン部FD及びN型イオン注入領域NSDを形成できる。
【0105】
以上においては、引出電極の形成後に、引出電極を介してを介してN型ドーパントを拡散することにより形成したフローティングディフュージョン部により、リセットトランジスタTR2のソース端子との配線を形成する場合について説明したが、同様の手法により、増幅トランジスタTR3において、引出電極の形成過程と並行して、引出電極を形成する前記導電材料膜と同一の導電材料膜で、増幅トランジスタTR3のゲート端子に対する配線を形成するように構成することも可能である。
【0106】
これらの結果、簡易な手順でトランスファゲートTGと引出電極CPSとの間の距離間隔も狭められるため、フローティングディフュージョン部FDとトランスファゲートTGとの間の寄生容量が増えることによりフローティングディフュージョン部FD昇圧への寄与をより高めて、転送性能を向上できる。
【0107】
[14]実施形態の効果
以上の説明のように、本実施形態によれば、位置合わせの問題によりコンタクトが形成できないような小面積のフローティングディフュージョン部FDを形成することが可能となり、微細化に対応したフローティングディフュージョン部FDの形成が可能になる。そして、小面積のフローティングディフュージョン部FD形成により高変換効率を実現できる。
【0108】
また、フローティングディフュージョン部FDに電気的に接続される引出電極CPS(例えば、Poly Si)がトランスファゲートTGとオーバーラップしているためフローティングディフュージョン部FDの昇圧も効果的に行え、高精度で信号読み出しが行える。
【0109】
また、トランスファゲートTGとフローティングディフュージョン部FDに電気的に接続される引出電極CPSを構成するPoly SiをN+Poly Siとし、トランスファゲートTGを構成するPoly SiをP+Poly Siとすることにより、トランスファゲートTG下におけるバンドギャップ内のフェルミ準位のピニング(pinning)を強化することができる。
【0110】
[15]実施形態の変形例
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0111】
以上の説明においては、導電材料としてPoly Siを用いていたがこれに限られるものではない。
同様に絶縁材料として、SiO2及びSiNを用いていたが、製造上、選択的にエッチング可能な絶縁材料の組合せであればこれに限られるものではない。
【0112】
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
トランスファゲートと、
前記トランスファゲートを介してフォトダイオードから転送された信号電荷を電圧信号に変換するフローティングディフュージョン部と、
周縁部が絶縁材料膜で囲まれ、一端が前記フローティングディフュージョン部に電気的に接続されて、前記電圧信号を伝送するN型のポリシリコン、アモルファスシリコン、あるいは、単結晶のシリコンのいずれかで構成された導電材料膜で形成された引出電極と、
を備えた固体撮像素子。
(2)
前記フローティングディフュージョン部は、N+半導体で構成されており、
前記フローティングディフュージョン部の周囲にN-半導体領域を備えた、
(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記撮像素子を平面視した場合に、前記引出電極の面積を前記絶縁膜により囲われている領域の面積よりも大きくなるように、前記トランスファゲートに対してオーバーラップさせる、
(1)又は(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記トランスファゲートは、P+ポリシリコンで形成されている、
(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(5)
前記引出電極は、複数の画素で共有されている、
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(6)
絶縁材料膜を介して隣接された前記トランスファゲート同士の距離を広げ、対向する前記トランスファーゲート間にも前記引出電極を形成した、
(5)に記載の固体撮像素子。
(7)
前記固体撮像素子を平面視した場合に、前記トランスファゲートに対して前記フローティングディフュージョン部を介した位置に他のトランスファゲートが位置していない場合に、当該位置にダミー電極を配置し、前記ダミー電極のサイドウォールを覆う絶縁材料膜を前記引出電極を囲む絶縁材料膜の一部とする、
(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(8)
前記トランスファゲートと前記ダミー電極とは、同一の導電性材料膜で形成した、
(7)に記載の固体撮像素子。
(9)
前記固体撮像素子を平面視した場合に、前記トランスファゲートに対して前記フローティングディフュージョン部を介した位置に他のトランスファゲートが位置していない場合に、当該位置に絶縁材料膜を形成して、前記引出電極を囲む絶縁材料膜の一部とする、
(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(10)
前記引出電極を形成する前記導電材料膜と同一の導電材料膜で、隣設された増幅トランジスタのゲート端子との配線が形成されている、
(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(11)
前記引出電極を介してN型ドーパントを拡散することにより形成したフローティングディフュージョン部により、隣接されたリセットトランジスタのソース端子との配線が形成されている、
(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(12)
半導体基板上に第1絶縁材料で第1絶縁材料膜で覆われたトランスファゲートを形成する過程と、
引出電極とSi面の接続予定位置に前記第1絶縁材料に対して選択的にエッチング可能な第2絶縁材料でマスクを形成する過程と、
前記マスクが形成された状態で酸化処理を行い前記接続予定位置が酸化されないようにする過程と、
前記第2絶縁材料を選択的にエッチングして除去する過程と、
引出電極の形成予定位置に導電材料で導電材料膜を形成して前記引出電極を形成する過程と、
前記引出電極を介して、熱拡散により、フローティングディフュージョン部を形成する過程と、
を備えた固体撮像素子の製造方法。
(13)
前記固体撮像素子は、増幅トランジスタを備え、
前記引出電極の形成過程と並行して、前記引出電極を形成する前記導電材料膜と同一の導電材料膜で、前記増幅トランジスタのゲート端子に対する配線を形成する過程を備えた
(12)に記載の固体撮像素子の製造方法。
(14)
前記固体撮像素子は、リセットトランジスタを備え、
前記引出電極の形成後に、前記引出電極を介してを介してN型ドーパントを拡散することにより形成したフローティングディフュージョン部により、前記リセットトランジスタのソース端子との配線を形成する過程を備えた
(12)又は(13)に記載の固体撮像素子の製造方法。
【符号の説明】
【0113】
10、10A~10K 固体撮像素子
CPS 引出電極
CS コンタクト面
CPS1、CPS2 引出電極
DM1~DM3 ダミー電極
DM2 ダミー電極
DM3 ダミー電極
ESW サイドウォール拡張部(サイドウォールSW)
FD フローティングディフュージョン部
GT ゲート
IS、IS1 絶縁材料膜
IS2 第2の絶縁材料膜
IS3 第3の絶縁材料膜
IS4 絶縁材料膜
PD、PD1、PD11、PD12 フォトディテクタ
PD21 フォトディテクタ
PD41 フォトディテクタ
PD51 フォトディテクタ
SUB 基板
SW、SW1 サイドウォール
TG、TG1~TG3 トランスファゲート
TR1 転送トランジスタ
TR2 リセットトランジスタ
TR3 増幅トランジスタ
TR4 選択トランジスタ
WIR、WIR1 メタル配線(信号配線)