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特開2022-161386操作器および操作器の配線異常を検出する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161386
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】操作器および操作器の配線異常を検出する方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/55 20200101AFI20221014BHJP
   H05B 47/25 20200101ALI20221014BHJP
【FI】
G01R31/55
H05B47/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066166
(22)【出願日】2021-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】390005038
【氏名又は名称】神保電器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112520
【弁理士】
【氏名又は名称】林 茂則
(72)【発明者】
【氏名】内藤 勝広
(72)【発明者】
【氏名】石山 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌宏
【テーマコード(参考)】
2G014
3K273
【Fターム(参考)】
2G014AA07
2G014AB33
2G014AB34
2G014AC03
3K273PA10
3K273QA35
3K273QA37
3K273RA13
3K273SA09
3K273SA32
3K273SA54
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA64
(57)【要約】
【課題】電源線および通信線の取り違えに起因する誤接続等、操作器の配線異常を検出する技術を提供する。
【解決手段】制御器との間でコマンドを送受信することで、制御器により制御される被操作機器を操作する操作器であって、電源線からの電力を受電する受電部、および、受電部が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する過電流検出部、を有する電源部と、通信線を介して制御器との間でコマンドの通信を行う通信部と、電源部と電源線との間、または、通信部と通信線との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する異常情報出力部と、電源部、通信部および異常情報出力部を制御する制御部と、を有し、制御部が受電電力を短絡するよう制御したときに過電流検出部が過電流を検出しない場合、制御部は、異常情報を出力するよう異常情報出力部を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器との間でコマンドを送受信することで、前記制御器により制御される被操作機器を操作する操作器であって、
電源線からの電力を受電する受電部、および、前記受電部が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する過電流検出部、を有する電源部と、
通信線を介して前記制御器との間で前記コマンドの通信を行う通信部と、
前記電源部と前記電源線との間、または、前記通信部と前記通信線との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する異常情報出力部と、
前記電源部、前記通信部、および、前記異常情報出力部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が前記受電電力を短絡するよう制御したときに前記過電流検出部が前記過電流を検出しない場合、前記制御部は、前記異常情報を出力するよう前記異常情報出力部を制御する
操作器。
【請求項2】
前記異常情報出力部が、表示部および表示制御部を有し、
前記制御部は、前記異常情報として、前記配線が異常である旨の警報を前記表示部に表示するよう、前記表示制御部を制御する
請求項1に記載の操作器。
【請求項3】
前記異常情報出力部が、記憶部および記憶制御部を有し、
前記制御部は、前記異常情報として、前記配線が異常である旨のデータを前記記憶部に記憶するよう、前記記憶制御部を制御する
請求項1に記載の操作器。
【請求項4】
前記通信部が、前記制御器からの前記コマンドを受信しない場合、前記制御部は、前記異常情報を出力するよう前記異常情報出力部を制御する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の操作器。
【請求項5】
前記制御部は、電源投入時において過電流検出フラグをオフに設定し、前記過電流検出部が前記過電流を検出し、かつ、前記通信部が前記コマンドを受信したとき、前記過電流検出フラグをオンに設定し、
前記異常情報出力部は、前記過電流検出フラグがオフの場合に前記異常情報を出力し、前記過電流検出フラグがオンの場合に前記異常情報を出力しない
請求項4に記載の操作器。
【請求項6】
前記コマンドが、DALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)規格に準拠したコマンドである
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の操作器。
【請求項7】
制御器との間でコマンドを送受信することで前記制御器により制御される被操作機器を操作する操作器の配線異常を検出する方法であって、前記操作器が、
電源線からの電力を受電する受電部、および、前記受電部が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する過電流検出部、を備えた電源部と、
通信線を介して前記制御器との間で前記コマンドの通信を行う通信部と、
前記電源部と前記電源線との間、または、前記通信部と前記通信線との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する異常情報出力部と、を有し、
前記受電電力を短絡し、当該短絡による前記過電流を前記過電流検出部が検出したかを判断する過電流検出ステップと、
前記通信部が前記コマンドを受信したかを判断する応答判定ステップと、
前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出し、且つ、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信した場合、過電流検出フラグをオンに設定するステップと、を有し、
ランダムに選択した待機時間の後、前記過電流検出ステップまたは前記応答判定ステップを開始する方法。
【請求項8】
前記過電流検出フラグがオフの場合に前記異常情報を出力し、前記過電流検出フラグがオンの場合に前記異常情報をクリアし、
前記異常状態が出力された場合に前記配線が異常である旨の警報を表示し、前記異常状態がクリアされた場合に前記警報を停止する第1の構成、または、
前記異常状態が出力された場合に前記配線が異常である旨のデータを記録し、前記異常状態がクリアされた場合に前記配線が正常である旨のデータを記録する第2の構成、
の何れかを有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
初期設定において前記過電流検出フラグをオフに設定する初期設定ステップ、をさらに有し、前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出しない場合、または、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信しない場合、前記初期設定ステップまたはその直後に戻って処理を繰り返すリトライ処理を実行する第3の構成、または、
前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出しない場合、または、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信しない場合、前記過電流検出フラグをオフに設定し、前記過電流検出ステップおよび前記応答判定ステップを繰り返すリトライ処理を実行する第4の構成、
の何れかを有し、
前記リトライ処理を、所定回数または所定時間が経過するまで実行する
請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記待機時間が、当該操作器に固有の値とランダムな値とを合成したシード値を基準にランダムに選択される
請求項7から請求項9の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作器および操作器の配線異常を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1は、照明システムに代表される制御システムでは、回路遮断器や誤接続検出部に相当するものを各機器に組み入れると、コストが大幅に上昇することが懸念され、施工時に、建物内の全てに電源が供給されていない場合もあり、稼働前に、誤接続の有無を検査できる技術が求められていたところ、これを可能とする検査装置、制御システムおよび検査方法の発明を開示する。当該発明では、入力部は、検査対象の系を構成する機器についての機器情報(一例として、機種や台数)を入力し、閾値生成部は、入力部から入力された機器情報に応じて、誤接続の有無を判定するための閾値を生成する。計測部は、照明システムに電源が投入されていない状態で、検査対象の系における通信線の電気特性(一例として、交流インピーダンス)を計測し、判定部は、計測部により計測された電気特性と、閾値生成部により生成された閾値とに基づいて、系同士の誤接続の有無を判定する。表示部は、判定部による判定結果を表示する、とされている。
【0003】
たとえば、特許文献2は、信号線を介して接続された照明装置の種別を検出することを目的とする調光装置の発明を開示する。当該発明において、照明装置は、電源投入後に、照明装置の種別毎に決まった短絡時間にわたって2線式の信号線を短絡し、調光装置の制御部は、信号線に接続された通信部が有する短絡検出部の出力に基づいて信号線の短絡を検出し、検出された短絡の継続時間を記憶部に格納されたデータと照合して照明装置の種別を検出し、表示部を制御して検出された照明装置の種別を表示させる。信号線に接続された照明装置の種別が検出されて表示部に表示されることにより、使用者は表示部への表示を見て照明装置の誤接続を知って適切な対応を行うことができるから、照明システムの保守性が向上する、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2018/078790号公報
【特許文献2】特開2008-153027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載の発明によれば、複数系統を有する照明システムにおける系同士の誤接続の有無を判定することができる。また、上記した特許文献2に記載の発明によれば、照明装置の種別を検出し、照明装置の誤接続を知ることができる。
【0006】
しかし、たとえばコマンド通信によって制御される照明システム等においては、操作器(たとえば壁スイッチ)には、制御器(たとえば照明システムコントローラ)と通信するための通信線と、操作器を駆動するための電源線とが接続される。電源線は、単相交流給電あるいは直流給電の何れの場合であっても2線式であり、通信線は、2線式が採用される場合が多い。電源線と通信線の両方が2線式である場合、両者の区別が紛らわしく、操作器を設置する際に両者を取り違え、誤接続が発生する場合がある。このような場合、上記した特許文献記載の発明ではこれを検出することはできない。
【0007】
また、上記誤接続の存在自体は、全ての操作器が正常動作しないこと、たとえば制御器が発したコマンドに対し操作器からの応答がないことで認識することが可能であるが、何れの操作器で誤接続が発生しているかを特定することは難しい。すなわち、システムの初期設定において操作器のアドレスを割り当てるタイプの制御システムにおいては、正常動作する操作器は制御器によって把握可能であるが、正常動作しない操作器は制御器によって把握できないため、正常動作する操作器を順次除外する消去法によって正常動作しない操作器を特定する必要がある。このような消去法により正常動作しない(誤接続である)操作器を特定する方法では、ビル等の大規模な建築物に多数の操作器を設置するような場合、特定に時間がかかり、設置工事の作業効率が大幅に損なわれる。
【0008】
本発明の目的は、たとえば電源線および通信線の取り違えに起因する誤接続等、操作器の配線異常を検出する技術を提供することにある。また、本発明の目的は、配線異常が発生している操作器を容易に特定し、設置工事の作業効率を高めることが可能な操作器および配線異常の検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、制御器との間でコマンドを送受信することで、前記制御器により制御される被操作機器を操作する操作器であって、電源線からの電力を受電する受電部、および、前記受電部が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する過電流検出部、を有する電源部と、通信線を介して前記制御器との間で前記コマンドの通信を行う通信部と、前記電源部と前記電源線との間、または、前記通信部と前記通信線との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する異常情報出力部と、前記電源部、前記通信部、および、前記異常情報出力部を制御する制御部と、を有し、前記制御部が前記受電電力を短絡するよう制御したときに前記過電流検出部が前記過電流を検出しない場合、前記制御部は、前記異常情報を出力するよう前記異常情報出力部を制御する操作器を提供する。
【0010】
上記した操作器において、前記異常情報出力部が、表示部および表示制御部を有し、前記制御部は、前記異常情報として、前記配線が異常である旨の警報を前記表示部に表示するよう、前記表示制御部を制御するものであってもよい。また、前記異常情報出力部が、記憶部および記憶制御部を有し、前記制御部は、前記異常情報として、前記配線が異常である旨のデータを前記記憶部に記憶するよう、前記記憶制御部を制御するものであってもよい。
【0011】
また、上記した操作器において、前記通信部が、前記制御器からの前記コマンドを受信しない場合、前記制御部は、前記異常情報を出力するよう前記異常情報出力部を制御するものであってもよい。この場合、前記制御部は、電源投入時において過電流検出フラグをオフに設定し、前記過電流検出部が前記過電流を検出し、かつ、前記通信部が前記コマンドを受信したとき、前記過電流検出フラグをオンに設定し、前記異常情報出力部は、前記過電流検出フラグがオフの場合に前記異常情報を出力し、前記過電流検出フラグがオンの場合に前記異常情報を出力しないものとすることができる。前記コマンドが、DALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)規格に準拠したコマンドであってもよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、制御器との間でコマンドを送受信することで前記制御器により制御される被操作機器を操作する操作器の配線異常を検出する方法であって、前記操作器が、電源線からの電力を受電する受電部、および、前記受電部が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する過電流検出部、を備えた電源部と、通信線を介して前記制御器との間で前記コマンドの通信を行う通信部と、前記電源部と前記電源線との間、または、前記通信部と前記通信線との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する異常情報出力部と、を有し、前記受電電力を短絡し、当該短絡による前記過電流を前記過電流検出部が検出したかを判断する過電流検出ステップと、前記通信部が前記コマンドを受信したかを判断する応答判定ステップと、前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出し、且つ、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信した場合、過電流検出フラグをオンに設定するステップと、を有し、ランダムに選択した待機時間の後、前記過電流検出ステップまたは前記応答判定ステップを開始する方法を提供する。
【0013】
上記した方法において、前記過電流検出フラグがオフの場合に前記異常情報を出力し、前記過電流検出フラグがオンの場合に前記異常情報をクリアし、前記異常状態が出力された場合に前記配線が異常である旨の警報を表示し、前記異常状態がクリアされた場合に前記警報を停止する第1の構成、または、前記異常状態が出力された場合に前記配線が異常である旨のデータを記録し、前記異常状態がクリアされた場合に前記配線が正常である旨のデータを記録する第2の構成、の何れかを有してもよい。
【0014】
また、上記した方法において、初期設定において前記過電流検出フラグをオフに設定する初期設定ステップ、をさらに有し、前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出しない場合、または、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信しない場合、前記初期設定ステップまたはその直後に戻って処理を繰り返すリトライ処理を実行する第3の構成、または、前記過電流検出ステップにおいて前記過電流を検出しない場合、または、前記応答判定ステップにおいて前記コマンドを受信しない場合、前記過電流検出フラグをオフに設定し、前記過電流検出ステップおよび前記応答判定ステップを繰り返すリトライ処理を実行する第4の構成、の何れかを有し、前記リトライ処理を、所定回数または所定時間が経過するまで実行するものとすることができる。前記待機時間が、当該操作器に固有の値とランダムな値とを合成したシード値を基準にランダムに選択されるものであってもよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】操作器140を適用する制御システム100の全体を示したブロック図である。
図2】操作器140の主要な構成を示した機能ブロック図である。
図3】制御システム100で用いるハードウェア200の一例を示した構成図である。
図4】操作器140の外観の例を示した図である。
図5】操作器140の外観の例を示した図である。
図6】操作器140の動作の例を示したフロー図である。
図7】制御システム100における複数の操作器の動作タイミング例を示した説明図である。
図8】操作器140の主要な構成の他の例を示した機能ブロック図である。
図9】操作器140の動作の他の例を示した状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施の形態の操作器140を適用する制御システム100の全体を示したブロック図である。制御システム100は、制御器120、操作器140、被操作機器160、通信線180、電源線190および電源部192を有する。同図において、単一の制御器120を図示しているが、複数の制御器120が協働して機能する限り制御器120は複数であってもよい。また、同図において、複数の操作器140および複数の被操作機器160を図示しているが、操作器140および被操作機器160は、それぞれ、単一であっても良い。通信線180は、制御器120と操作器140との間および制御器120と被操作機器160との間でコマンドを通信する。電源線190は、電源部192から電力の供給を受け、操作器140に駆動電力を供給する。同図において、電源線190は、操作器140にのみ電力を供給するよう図示しているが、電源線190は、制御器120および被操作機器160の両方または一方にも電力を供給するものであってもよい。制御器120および被操作機器160への電力供給は、電源線190とは別の図示しない電源から供給されてもよい。なお、通信線180および電源線190は図示において一本の線で示しているが、正負などの2線で構成される。
【0019】
制御器120は、操作器140と被操作機器160との間で通信線180を介したコマンド通信を行い、操作器140からの操作指示情報を受けて被操作機器160を操作するよう制御する。
【0020】
操作器140は、制御器120との間でコマンドを送受信することで、制御器120により制御される被操作機器160を操作する。すなわち、操作器140は、制御器120から制御コマンド等を受信し、あるいは、被操作機器160を操作するための要求コマンドを制御器120に送信し、制御器120は、当該要求コマンドを受けて操作コマンドを生成し、生成した操作コマンドを被操作機器160に送信する。被操作機器160は、受信した操作コマンドに従って機能を発現する。
【0021】
被操作機器160が照明機器である場合、制御システム100が準拠する規格としてDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)規格を採用することができる。すなわち、前記したコマンドは、DALI(登録商標)規格に準拠したコマンドとすることができる。DALI(登録商標)規格に準拠することで、同規格を採用する制御器120および被操作機器160に幅広く対応可能な操作器140を提供することができる。また、DALI(登録商標)規格で採用する制御コマンドを利用して、操作器140および被操作機器160における複雑な制御や報知が可能になる。これにより、ユーザは、DALI(登録商標)規格に準拠する制御器120あるいは被操作機器160を製造メーカに依らず自由に選択でき、また、複雑な制御の実現によってユーザの利便性を高めることができる。
【0022】
図2は、操作器140の主要な構成を示した機能ブロック図である。操作器140は、電源部141、通信部142、制御部143、操作部144および異常情報出力部145を有する。電源部141は、受電部148、過電圧カット部149、過電流検出部150、電圧変換部151、電圧変換部152、過電圧検出部153を有し、通信部142は、信号入出力部154、過電圧カット部155、電圧変換部156、電圧変換部157を有する。異常情報出力部145は、表示制御部147、表示部146を有する。
【0023】
受電部148は、電源線190からの電力を受電し、過電圧カット部149は、受電部148が受電した受電電力の電圧(入力電圧)が所定電圧を超えている場合(過電圧である場合)、適正電圧になるよう入力電圧をカットする。過電流検出部150は、受電部148が受電した受電電力を短絡した場合に過電流が生じるか否かを検出する。電圧変換部151は、制御部143の出力電圧を過電流検出部150の入力電圧に整合するよう変換し、電圧変換部152は、過電流検出部150の出力電圧を制御部143の入力電圧に整合するよう変換する。電圧変換部151および電圧変換部152は、たとえばフォトカプラで構成できる。過電圧検出部153は、受電部148が受電した受電電力が過電圧である場合、これを検出する。過電圧検出部153が過電圧を検出した場合、過電圧を検出した旨を制御部143に通知してもよい。
【0024】
通信部142は、通信線180を介して制御器120との間でコマンドの通信を行う。通信部142は、制御器120との間でコマンドを送受信する。信号入出力部154は、通信線180との間でコマンドに対応する信号を入出力する。過電圧カット部155は、信号入出力部154が受信した信号の電圧が所定電圧を超えている場合(過電圧である場合)、適正電圧になるよう当該信号の電圧をカットする。電圧変換部156は、制御部143の出力信号電圧を過電圧カット部155の入力電圧に整合するよう変換し、電圧変換部157は、過電圧カット部155の出力信号電圧を制御部143の入力電圧に整合するよう変換する。電圧変換部156および電圧変換部157は、たとえばフォトカプラで構成できる。
【0025】
制御部143は、電源部141、通信部142および異常情報出力部145を制御する。制御部143は、受電電力を短絡するよう制御したときに過電流検出部150が過電流を検出しない場合、異常情報を出力するよう異常情報出力部145を制御する。制御部143は、たとえば電源投入時において過電流検出フラグをオフに設定し、過電流検出部150が過電流を検出し、かつ、通信部142が制御器120からコマンドを受信したとき、過電流検出フラグをオンに設定する。
【0026】
操作部144は、ユーザが操作することで操作器140に所定の機能を発現させる。
【0027】
異常情報出力部145は、電源部141と電源線190との間、または、通信部142と通信線180との間の配線が異常である場合に異常情報を出力する。異常情報出力部145は、過電流検出フラグがオフの場合に異常情報を出力し、過電流検出フラグがオンの場合に異常情報をクリアする。本実施の形態では、異常情報出力部145は、表示部146および表示制御部147を有する。この場合、制御部143は、異常情報として、配線が異常である旨の警報を表示部146に表示するよう、表示制御部147を制御する。
【0028】
表示制御部147は、制御部143からの制御に応じて表示部146を制御する。表示部146は、表示制御部147の制御に応じて、たとえば警報を表示する。警報の表示方法として、たとえば、LEDを点滅させる。正常時とは異なる色でLEDを表示させる、等を例示することができる。なお、上記例では異常情報出力部145の報知方法として、表示部146による表示を例示したが、これに限られない。たとえば、ビープ音、音声等によって警報を告知してもよい。
【0029】
図3は、制御システム100で用いるハードウェア200の一例を示した構成図である。図3に示すハードウェア構成は、一般的なコンピュータシステムと同様であり、制御器120、操作器140、被操作機器160のそれぞれに適用できる。当該ハードウェア構成は、データバス202に、CPU(Central Processing Unit)204、入力装置206、出力装置208、入出力装置210、記憶装置212が接続される。記憶装置212には、RAM(Random access memory)212a、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)212bが含まれる。なお、例示したハードウェア構成は一例であり、他の構成であってもよい。
【0030】
図4および図5は、操作器140の外観の例を示した図である。図4に示す操作器140は、操作部144として3つのプッシュスイッチ(押しボタンスイッチ)を並置した例である。各プッシュスイッチは瞬時接触形であり、表示部146としてLEDが埋め込まれている。LEDの点灯、点滅、あるいは点滅パターンによって、被操作機器160の動作状態、特に配線異常があった場合の異常状態を報知することができる。LEDをRGB_LEDとし、RGB_LEDの色によって報知内容を異ならせてもよい。
【0031】
図5に示す操作器140は、操作部144として1つのプッシュスイッチとロータリーエンコーダを組み合わせた例である。プッシュスイッチについては、図4の場合と同様である。ロータリーエンコーダの外周には、表示部146として円弧状のLEDまたはRGB_LEDが配置されている。たとえばLEDまたはRGB_LEDの円弧上における点灯割合や色、点滅、点滅パターンによって、被操作機器160の動作状態(たとえば照明機器の出力割合(明るさ))、特に配線異常があった場合の異常状態を報知することができる。ロータリースイッチの外周に配置される表示部146は、円弧状には限られない。たとえば、ロータリースイッチの全外周に渡る円、楕円、楕円線分、その他の曲線、あるいは直線であってもよい。
【0032】
表示部146の報知パターン(上記例の場合LEDの点灯パターンやRGB_LEDの点灯割合や色、明るさ(輝度)の指定方法は、メモリ領域(バンク領域)の指定によって行うことができる。すなわち、所定のバンク領域に報知パターンを予め登録しておき、実際の報知においては、表示したい報知パターンが登録されているバンク領域のアドレスを指定することで希望する報知(表示)を実行することができる。
【0033】
次に、制御システム100における操作器140の動作を説明する。図6は、操作器140の動作の例を示したフロー図である。なお、以下に説明する動作は、制御部143によって制御され実行される。制御部143による制御は、図3で説明したハードウェア構成のコンピュータで稼働するソフトウェアによって実現されても良い。
【0034】
制御システム100が起動または再起動すると(ステップ302)、制御部143は、初期設定として、過電流検出フラグをオフに設定する(ステップ304)。この際、異常情報出力部145は、過電流検出フラグがオフであることから、配線異常である旨(配線が正常であると検出されていない旨)の異常情報を出力する(ステップ306)。異常情報の出力の結果、たとえば表示部146の点灯または点滅等により警報を報知する。
【0035】
次に、制御部143は、ランダムに選択した待機時間の後、チェックシーケンスを開始する(ステップ308)。たとえば、タイミングが異なる複数のパターンから任意のパターンをランダムに選択し、選択したパターンに従ってチェックシーケンスを開始する(ステップ308)。チェックシーケンスとして、たとえば以下に示すステップ310からステップ324を例示するが、以下の過電流検出ステップ(ステップ310、ステップ312)と応答判定ステップ(ステップ314、ステップ316)は順序が逆であってもよい。
【0036】
チェックシーケンスの一例は以下の通りである。すなわち、制御部143は、受電部148が受電した電力を短絡する旨の短絡指示を過電流検出部150に指示し(ステップ310)、当該短絡による過電流を検出したかを判断する(ステップ312)。ステップ312の判断がYES(過電流を検出)の場合、チェックコマンドを制御器120に送信し(ステップ314)、当該チェックコマンドに対応する応答を制御器120から受信したかをさらに判断する(ステップ316)。ステップ316の判断がYES(チェックコマンドの応答を受信)の場合、過電流検出フラグをオンに設定する(ステップ318)。この際、異常情報出力部145は、過電流検出フラグがオンであることから、異常情報をクリアする(ステップ320)。異常情報を表示部146で報知する場合、配線異常がない旨(配線が正常であると検出された旨)を報知するため、警報表示(たとえば表示部146の点灯または点滅)を停止(消灯)する。その後、処理を終了する(ステップ322)。
【0037】
ステップ312の判断がNO(過電流が検出されない)の場合、または、ステップ316の判断がNO(チェックコマンドの応答が受信できない)の場合、ステップ324に進み、チェックシーケンスをリトライするかを判断する(ステップ324)。ステップ324の判断がYES(リトライする)の場合、ステップ308に戻って上記チェックシーケンスを繰り返す。ステップ324の判断がNO(リトライしない)の場合、処理を終了する(ステップ322)。ステップ324でNOと判断され処理が終了した場合、異常情報出力部145の異常情報は出力された初期状態のまま維持されており、配線異常が存在することを報知し、検知することが可能になる。なお、ステップ324でリトライするか否かの判断基準として、チェックシーケンスの繰り返し数(リトライ回数)または最初のチェックシーケンス開始からの経過時間を例示することができる。これにより、所定回数のリトライ、あるいは、所定時間の経過を待ってなお異常情報出力部145が異常情報の出力を維持している場合、当該操作器140には配線異常等の異常が存在すると判断できる。
【0038】
なお、上記したチェックシーケンスにおいて、応答判定ステップ(ステップ314、ステップ316)を先に行う場合、チェックコマンドを制御器120に送信するステップ314は必要なく、制御器120からのコマンドの送信を待機してもよい。この場合、所定時間が経過してもコマンドを受信しない場合にステップ316の判断をNO(コマンドが受信できない)とすることができる。
【0039】
次に、制御システム100に複数の操作器140が接続された場合の動作タイミング(チェックシーケンスの実行)の例を説明する。図7は、制御システム100における複数の操作器の動作タイミング例を示した説明図である。
【0040】
操作器A~Fのそれぞれは、上記で説明した操作器140であり、各々ランダムなタイミングでチェックシーケンスが開始される。たとえば操作器Aは、t2,t3,t5,t7のタイミングでチェックシーケンスが開始され、操作器Bは、t2,t5,t9のタイミングでチェックシーケンスが開始される。同様に、操作器Cはt1、操作器Dはt2,t4、操作器Eはt3,t6、操作器Fはt2,t5,t8のタイミングでチェックシーケンスが開始される。なお、操作器A~Fのうち、操作器Bのみ誤配線が存在し、その他の操作器には誤配線は無いと仮定する。また、同図における白丸(〇)は、異常情報出力部145が異常情報をクリア(たとえば表示部146の警報表示をオフに)している状態、黒丸(●)は、異常情報を出力(たとえば表示部146の警報表示をオンに)している状態を示している。
【0041】
タイミングt1でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Cのみであり、操作器Cには誤配線が無いので、ステップ312の判断でYES(過電流を検出)と判断され、また、他の操作器とのコマンド通信におけるバッティングも無いので、ステップ316でYES(チェックコマンドの応答を受信)と判断される。よって、t1の段階で操作器Cの異常情報出力部145は異常情報をクリアする。また、操作器Cはt1の段階でチェックシーケンスを終了する。
【0042】
タイミングt2でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器A,B,D,Fであり、操作器Bについては誤配線が有るので、ステップ312でNO(過電流が検出されない)と判断され、リトライ(ステップ324)となる。一方、操作器A,D,Fについては、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断されるものの、互いのコマンド通信におけるバッティングが生じ、ステップ316の判断でNO(チェックコマンドの応答が受信できない)と判断される。よって、t2の段階では何れの操作器もリトライ(ステップ324)となり、異常情報出力部145の異常情報の出力は維持される。
【0043】
タイミングt3でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器A,Eであり、何れの操作器も誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断されるものの、互いのコマンド通信におけるバッティングが生じ、ステップ316でNO(チェックコマンドの応答が受信できない)と判断される。よって、t3の段階では何れの操作器もがリトライ(ステップ324)となり、異常情報出力部145の異常情報の出力は維持される。
【0044】
タイミングt4でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Dであり、操作器Dは、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断され、コマンド通信におけるバッティングも生じないので、ステップ316でYES(チェックコマンドの応答を受信)と判断される。よって、t4の段階で操作器Dの異常情報出力部145は異常情報をクリアし、操作器Dのチェックシーケンスを終了する。
【0045】
タイミングt5でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器A,B,Fであり、操作器Bについては誤配線が有るので、ステップ312でNO(過電流が検出されない)と判断され、リトライ(ステップ324)となる。一方、操作器A,Fについては、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断されるものの、互いのコマンド通信におけるバッティングが生じ、ステップ316の判断でNO(チェックコマンドの応答が受信できない)と判断される。よって、t5の段階では何れの操作器もリトライ(ステップ324)となり、異常情報出力部145の異常情報の出力は維持される。
【0046】
タイミングt6でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Eであり、操作器Eは、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断され、コマンド通信におけるバッティングも生じないので、ステップ316でYES(チェックコマンドの応答を受信)と判断される。よって、t6の段階で操作器Eの異常情報出力部145は異常情報をクリアし、操作器Eのチェックシーケンスを終了する。
【0047】
タイミングt7でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Aであり、操作器Aは、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断され、コマンド通信におけるバッティングも生じないので、ステップ316でYES(チェックコマンドの応答を受信)と判断される。よって、t7の段階で操作器Aの異常情報出力部145は異常情報をクリアし、操作器Aのチェックシーケンスを終了する。
【0048】
タイミングt8でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Fであり、操作器Fは、誤配線が無いのでステップ312ではYES(過電流を検出)と判断され、コマンド通信におけるバッティングも生じないので、ステップ316でYES(チェックコマンドの応答を受信)と判断される。よって、t8の段階で操作器Fの異常情報出力部145は異常情報をクリアし、操作器Fのチェックシーケンスを終了する。
【0049】
タイミングt9でチェックシーケンスが開始される操作器140は操作器Bであり、操作器Bには誤配線が有るので、ステップ312でNO(過電流が検出されない)と判断され、リトライ(ステップ324)となる。よって、t9の段階で操作器Bの異常情報出力部145は異常情報の出力を維持する。この後、所定回数または所定時間の間、リトライが繰り返されても同様の判断が為され、操作器Bの異常情報がクリアされることはないので、操作器Bの誤配線を検出することができる。
【0050】
なお、上記説明では、異常情報出力部145の一例として、表示制御部147および表示部146を有する例を説明したが、図8に示すように、異常情報出力部145は、記憶制御部402および記憶部404を有するものとしてもよい。この場合、制御部143は、異常情報として、配線が異常である旨のデータを記憶部404に記憶するよう、記憶制御部402を制御する。このような構成にすれば、制御器120から記憶部404へのアクセスを可能にし、記憶部404に記憶された前記データを参照することで、制御器120から操作器140の配線異常の有無を確認することができる。
【0051】
図9は、操作器140の動作の例を示した状態遷移図である。本例は、状態遷移図を用いて説明するので、以下に説明する何れの状態(STATE)からもチェックシーケンスを開始することが可能である。よって、上記した過電流検出ステップの後に応答判定ステップを実行する例の他、応答判定ステップの後に過電流検出ステップを行う場合も含まれる。以下各状態(STATE)を説明する。
【0052】
(1)STATE0(入力有無の確認)
入力(制御器120からのコマンドの受信)を確認する。入力有(コマンドを受信)ならSTATE1へ遷移する。入力無(コマンドを受信しない)ならSTATE0で入力の有無確認を継続する。
【0053】
(2)STATE1(シード取得)
ランダム値生成の種となるシード値を取得する。シード値は、たとえば、操作器140のメモリに記録しているシリアル番号(操作器140に固有の値)とランダムに生成した値とを組み合わせた値(たとえば、シード値=機器固有値+ランダム値)とすることができる。なお、STATE1に遷移する度に新たなシードが生成(取得)されるため、リトライ毎にシード値は変更される。
【0054】
(3)STATE2(ランダム値生成)
STATE1で取得したシード値を基準にランダム値を生成する。ランダム値の範囲は、たとえば1~128とすることができる。
【0055】
(4)STATE3(過電流検出の実施時間を計算)
ランダム値を基準に過電流検出を開始する時間を計算する。たとえば、チェックシーケンスのポイント(t1,t2,・・・等)までの時間tを、t=ランダム値×4msecとすることができる。ランダム値が15であれば、過電流検出を開始する時間tは、t=15×4=60msecとなる。4msecは、チェックポイントの最小間隔になる。
最大個数(たとえば64台)の操作器140が制御システム100に接続され、一斉にチェックシーケンスが開始された場合、操作器140の各チェエクシーケンスは、128のチェックポイントからランダムに選択されて開始されるので、各操作器140のタイミングは分散され、バッティング(衝突)する確率は低くなる。また、チェックシーケンスが終了した操作器140は、処理から離脱するので、バッティング(衝突)の確率はさらに低くなる。
【0056】
(5)STATE4(過電流検出を実施)
過電流検出を開始する時間が来たら、受電電力を短絡させ、過電流検出を実施する。過電流検出処理は概ね2msecで終了する。
【0057】
(6)STATE5(誤配線の判定)
過電流が検出されなかった場合、リトライする。リトライの回数はたとえば2回とし、過電流が検出されなかった場合、誤配線とする。
【0058】
(7)STATE6(正配線の判定)
過電流が検出された場合、正配線(誤配線なし)とする。
(8)STATE7(配線エラーを報知)
誤配線の場合、表示部146が配線エラーを報知する。
【0059】
(9)STATE8(エラーフラグを記録またはクリア)
誤配線の場合は、配線エラーを示すフラグ(配線が異常である旨のデータ)を操作器140のメモリ(記憶部404)にセットし、正配線の場合は、クリアする。これにより、通信可能な場合は、制御器120が当該の操作器140の配線エラーを認識することができる。接続を外す等入力無の状態になった場合、STETA0へ遷移し、再度入力(接続)があった場合、上記した状態遷移動作を再度実行する。
【0060】
なお、上記説明では、操作器の台数を6としたが、より多数の操作器が接続されていても、同様な処理によって誤配線を検出することができる。
【0061】
以上説明した実施の形態の操作器140によれば、電源線および通信線の取り違えに起因する誤接続等、操作器の配線異常を容易に検出することができ、配線異常が発生している操作器を容易に特定し、設置工事の作業効率を高めることが可能になる。特に、ビル等の大規模な建築物に多数の操作器を設置するような場合、設置工事の作業効率が大幅に高めることが可能になる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0063】
100…制御システム、120…制御器、140…操作器、141…電源部、142…通信部、143…制御部、144…操作部、145…異常情報出力部、146…表示部、147…表示制御部、148…受電部、149…過電圧カット部、150…過電流検出部、151…電圧変換部、152…電圧変換部、153…過電圧検出部、154…信号入出力部、155…過電圧カット部、156…電圧変換部、157…電圧変換部、160…被操作機器、180…通信線、190…電源線、192…電源部、200…ハードウェア、202…データバス、204…CPU、206…入力装置、208…出力装置、210…入出力装置、212…記憶装置、400…操作器、402…記憶制御部、404…記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9