(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161392
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】指袋装置
(51)【国際特許分類】
A41D 13/08 20060101AFI20221014BHJP
A41D 13/05 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
A41D13/08 107
A41D13/05 156
A41D13/05 162
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066174
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】521095411
【氏名又は名称】星野 信広
(74)【代理人】
【識別番号】100150843
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】星野 信広
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA06
3B011AC21
3B011AC22
3B011AC24
(57)【要約】
【課題】各指の可動範囲に制限がなく大きな対象物を負担なく持つことができ、装着したり外したりが容易に行える指袋装置を提供する。
【解決手段】指袋装置1は、指袋2と、指31に装着されていない指袋2を保持する指袋保持手段21とを備える。指袋2は、指31を差し込み可能な開口部11Aを有し、指31の少なくとも指先を被覆可能な袋状に形成された指袋本体11と、指袋保持手段21とともに指31に指袋2を装着したり外したりするための指袋着脱手段13と、を有する。指袋着脱手段13は、指袋保持手段21とくっついたり離れたりできるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指袋と、指に装着されていない前記指袋を保持する指袋保持手段とを備えた指袋装置であって、
前記指袋は、
前記指を差し込み可能な開口部を有し、前記指の少なくとも指先を被覆可能な袋状に形成された指袋本体と、
前記指袋保持手段とともに前記指に前記指袋を装着したり外したりするための指袋着脱手段と、
前記指袋が前記指に装着された状態を維持するための装着維持手段と、
を有し、
前記指袋着脱手段は、前記指袋保持手段とくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項2】
請求項1に記載の指袋装置において、
前記指には、前記指袋本体に前記指を差し込んだ状態において、前記装着維持手段に対向する前記指の位置に、前記指袋が前記指に装着された状態を維持するための指側装着維持手段が取り付けられ、
前記装着維持手段は、前記指側装着維持手段とくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項3】
請求項2に記載の指袋装置において、
前記指袋着脱手段は、前記装着維持手段を兼ねている指袋装置。
【請求項4】
請求項1に記載の指袋装置において、
前記指袋が前記指に装着された状態を解除するための装着解除手段が前記指袋保持手段に近接して設けられ、
前記装着維持手段は、前記装着解除手段とくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項5】
請求項4に記載の指袋装置において、
前記装着維持手段は、アームと、前記アームを前記指に押圧する押圧手段と、前記アームに取り付けられ、前記指袋が前記指に装着された状態を解除するための袋側装着解除手段と、を有し、
前記袋側装着解除手段は、前記装着解除手段とくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記指袋着脱手段と、前記指袋保持手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項4又は請求項5のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記指袋着脱手段と、前記指袋保持手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている指袋装置。
【請求項8】
請求項1、請求項2、請求項4又は請求項5のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記指袋着脱手段及び前記指袋保持手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている指袋装置。
【請求項9】
請求項2、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7又は請求項8のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記装着維持手段と、前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項10】
請求項5に記載の指袋装置において、
前記袋側装着解除手段と、前記装着解除手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている指袋装置。
【請求項11】
請求項2、請求項4、請求項6、請求項7又は請求項8のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記装着維持手段と、前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている指袋装置。
【請求項12】
請求項2、請求項4、請求項6、請求項7又は請求項8のいずれか一項に記載の指袋装置において、
前記装着維持手段及び前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている指袋装置。
【請求項13】
請求項5に記載の指袋装置において、
前記袋側装着解除手段と、前記装着解除手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている指袋装置。
【請求項14】
請求項5に記載の指袋装置において、
前記袋側装着解除手段及び前記装着解除手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている指袋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が食品等の対象物をつかむ際に、指に装着する指袋と、指に装着されていない指袋を保持する指袋保持手段とを備えた指袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、骨付きチキン、スペアリブ、カニ、エビなど、指を使わなければならない料理を含む食事をとる際、これらの料理を食べた後、他の料理を食べたり飲み物を飲んだりするには、その都度おしぼり等で指を拭ったり、フィンガーボウル内の水等で指を洗ったりする必要がある。
【0003】
手袋を装着して骨付きチキンなどを食べることが考えられる。この場合、他の料理を食べたり飲み物を飲んだりするには、その都度手袋を外す必要がある。しかし、手袋を装着したり外したりするのは容易ではなく、繰り返し行うのは面倒である。
【0004】
この点、特許文献1には、各指の指先から第一関節までを覆う保護カバーをベルトでつなぎ、これらを片手で装着したり外したりするための台座を設けた技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、指サックが記載されている。この指サックは、指先を挿入する挿入口を有し、上下面が先細りになるテーパー状に形成された紙製の指サック本体を有する。指サック本体の内部に粘着面が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-160号公報
【特許文献2】特開2017-217181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された保護カバーは、ベルトでつながれているため、各指の可動範囲に制限があり、可動範囲を超えた大きさの対象物を掴めない。また、保護カバーを装着する指の本数が増えるにつれて使用時に指への負担が増すため、快適に使用できない。
なお、特許文献1には、各保護カバーがベルトでつながれていない形態も記載されている。しかし、指と保護カバーが容易に外れることを防止する手段が設けられていないため、使用時に保護カバーが指から容易にずり落ちてしまう。このずり落ちを防止するために保護カバーの内径を指の外径にフィットする大きさにしてしまうと、今度は指から保護カバーを容易に取外すことができなくなる。
【0008】
この点、特許文献2に記載された指サックは、それぞれ独立しているため各指の可動範囲に制限はない。指サック本体内部には挿入された指を固定する粘着面が設けられているが、一方の手の指から指サックを外す際には他方の手の指が必要となり、両手に装着することが難しい。一方の手だけに指サックを装着した場合でも、装着したり外したりを繰り返せば粘着面の粘着性が低くなり、使用時に指サックが指からずり落ちてしまう。
【0009】
本発明は、各指の可動範囲に制限がなく大きな対象物を負担なく持つことができ、装着したり外したりが容易に行える指袋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、指袋と、指に装着されていない前記指袋を保持する指袋保持手段とを備えた指袋装置であって、前記指袋は、前記指を差し込み可能な開口部を有し、前記指の少なくとも指先を被覆可能な袋状に形成された指袋本体と、前記指袋保持手段とともに前記指に前記指袋を装着したり外したりするための指袋着脱手段と、前記指袋が前記指に装着された状態を維持するための装着維持手段と、を有し、前記指袋着脱手段は、前記指袋保持手段とくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0011】
本発明に係る指袋装置において、前記指には、前記指袋本体に前記指を差し込んだ状態において、前記装着維持手段に対向する前記指の位置に、前記指袋が前記指に装着された状態を維持するための指側装着維持手段が取り付けられ、前記装着維持手段は、前記指側装着維持手段とくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0012】
本発明に係る指袋装置において、前記指袋着脱手段は、前記装着維持手段を兼ねている。
【0013】
本発明に係る指袋装置において、前記指袋が前記指に装着された状態を解除するための装着解除手段が前記指袋保持手段に近接して設けられ、前記装着維持手段は、前記装着解除手段とくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0014】
本発明に係る指袋装置において、前記装着維持手段は、アームと、前記アームを前記指に押圧する押圧手段と、前記アームに取り付けられ、前記指袋が前記指に装着された状態を解除するための袋側装着解除手段と、を有し、前記袋側装着解除手段は、前記装着解除手段とくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0015】
本発明に係る指袋装置において、前記指袋着脱手段と、前記指袋保持手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0016】
本発明に係る指袋装置において、前記指袋着脱手段と、前記指袋保持手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている。
【0017】
本発明に係る指袋装置において、前記指袋着脱手段及び前記指袋保持手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている。
【0018】
本発明に係る指袋装置において、前記装着維持手段と、前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0019】
本発明に係る指袋装置において、前記袋側装着解除手段と、前記装着解除手段とは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0020】
本発明に係る指袋装置において、前記装着維持手段と、前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている。
【0021】
本発明に係る指袋装置において、前記装着維持手段及び前記指側装着維持手段又は前記装着解除手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている。
【0022】
本発明に係る指袋装置において、前記袋側装着解除手段と、前記装着解除手段とは、一方が面ファスナーのフック面から構成され、他方が前記面ファスナーのループ面から構成されている。
【0023】
本発明に係る指袋装置において、前記袋側装着解除手段及び前記装着解除手段のいずれか一方は、粘着部材から構成されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、各指の可動範囲に制限がなく大きな対象物を負担なく持つことができる。また、装着したり外したりが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る指袋装置の構成及び指に指袋が装着された状態を示す一部を断面とした左側面模式図である。
【
図2】
図1に示す指袋装置を構成する指袋の斜視図である。
【
図3】指側指袋維持手段を取り付けた指の斜視図である。
【
図4】
図3の一部を断面とした左側面模式図である。
【
図5】
図3に示す指に
図2に示す指袋を装着する方法を説明するための一部を断面とした左側面模式図である。
【
図6】
図3に示す指に
図2に示す指袋が装着された状態を示す斜視図である。
【
図7】
図3に示す指から
図2に示す指袋を外す方法を説明するための一部を断面とした左側面模式図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る指袋装置の構成及び指に指袋が装着された状態を示す一部を断面とした左側面模式図である。
【
図9】
図8に示す指袋装置を構成する指袋の斜視図である。
【
図10】指に
図9に示す指袋を装着する方法を説明するための一部を断面とした左側面模式図である。
【
図11】指に
図9に示す指袋が装着された状態を示す左側面図である。
【
図13】右手の親指、人差し指及び中指に
図9に示す指袋が装着された状態を示す斜視図である。
【
図14】指から
図9に示す指袋を外す方法を説明するための一部を断面とした左側面模式図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係る指袋の構成の一例を示す斜視図である。
【
図16】指に
図15に示す指袋を装着した状態を示す左側面図である。
【
図17】
図15に示す指袋を構成する指袋本体に筒を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図18】
図15に示す指袋を構成する指袋維持手段の構成の一例を示す斜視図である。
【
図19】
図9に示す指袋が指袋保持部材に保持された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
1.第1実施形態
[指袋装置1の構成]
本発明の第1実施形態に係る指袋装置1は、
図1に示すように、指袋2と、指31に装着されていない指袋2を保持する指袋保持手段21とを備えている。指袋保持手段21は、例えば、テーブル22の下面22Aに取り付けられている。
【0027】
指袋2は、
図1及び
図2に示すように、指袋本体11と、筒12と、指袋着脱手段13とを備えている。指袋着脱手段13は、前記指袋保持手段21とともに指31に指袋2を装着したり外したりするためのものである。この指袋2は、人差し指、中指及び薬指用であり、左右兼用である。
【0028】
指袋本体11は、開口部11Aを有する袋状に形成されている。指袋本体11は、前記開口部11Aから先端近傍11Bまでは、例えば、成人男性の人差し指、中指及び薬指が容易に差し込み可能な外径を有する円筒状又は楕円筒状に形成されている。指袋本体11は、先端近傍11Bから先端11Cに向かうに従って縮径し先端11Cで閉じている。指袋本体11は、本実施形態では、指31の指先から第1関節と第2関節の中間までを被覆可能な長さを有している。
【0029】
指袋本体11の指袋本体上部11Dであって、開口部11A近傍には、指袋着脱手段13に嵌合する円孔11Fが形成されている。ここで、指31の手の甲に接続する側を指31の指上部31Aと呼び、指31の手のひらに接続する側を指31の指下部31Bと呼ぶことにする。したがって、指袋本体上部11Dとは指上部31Aに対向する側をいい、指袋本体下部11Eとは指下部31Bに対向する側をいう。
【0030】
指袋本体11は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)やシリコーン樹脂などから構成されている。
【0031】
筒12は、所定幅を有し、円筒状又は楕円筒状に形成されている。筒12の外径は、指袋本体11の外径より僅かに大きい。筒12は、その形状を維持できる程度の硬さがあることが好ましい。筒12は、例えば、ニトリルやラテックスなどのゴム、ポリエチレン(PE)やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、シリコーン樹脂などの合成樹脂等から構成されている。
【0032】
筒12の上部上面には、指袋着脱手段13が取り付けられている。筒12の上部とは、指上部31Aに対向する側をいう。指袋着脱手段13は、本実施形態では、
図2に示すように、円板状に形成されている。指袋着脱手段13は、例えば、鉄などの強磁性体の金属、強磁性体を含む合金、化合物又は酸化物など(以下「金属等」と略する。)又は磁石から構成されている。
【0033】
本実施形態では、開口部11A近傍に形成された円孔11Fを指袋着脱手段13に嵌合させるとともに、指袋本体11の開口部11Aに、指袋本体11の外径より僅かに大きい外径を有する筒12を嵌め込むことにより、指袋本体11が筒12に取り付けられている。指袋本体11への筒12の取り付け方法は、前記方法に限定されない。例えば、筒12の外周に接着剤を塗布して開口部11A内側に接着したり、筒12を直径が僅かに異なる大筒と小筒とで構成し、大筒と小筒とにより指袋本体11の開口部11A近傍を挟んでも良い。
【0034】
以上説明した指袋2は、成人男性の人差し指、中指及び薬指用である。成人男性の親指用及び小指用や、成人女性用又は子供用の指袋は、構造については指袋2と異なることはない。これらの指袋は、指袋本体11の開口部11Aの外径及び指袋本体11の長さ、筒12の外径などが前記指袋2と異なるだけである。
【0035】
図3及び
図4に示すように、この指袋2の使用者の指31には、指袋本体11に指31を差し込んだ状態において、指袋着脱手段13に対向する指31の位置(例えば、第1関節と第2関節の中間)に、指袋2が指31に装着された状態を維持するための指側装着維持手段41を取り付ける。指側装着維持手段41は、円板状又はリング状に形成されている。指側装着維持手段41は、例えば、前記金属等又は磁石などから構成されている。
【0036】
指側装着維持手段41は、磁力により、指袋着脱手段13とくっついたり離れたりできるように構成されている。本実施形態では、指袋着脱手段13は、指袋2が指31に装着された状態を維持するための装着維持手段を兼ねている。
【0037】
指側装着維持手段41は、取付手段42により指31に取り付ける。例えば、指31の指上部31A上面に指側装着維持手段41を置いて粘着テープから構成されている取付手段42により取り付けたり、上面に指側装着維持手段41が取り付けられた筒状のバンドから構成されている取付手段42を指31に装着したりする。
【0038】
また、指31を1周して下面で重なり合う程度の長さを有する帯の両端に面ファスナーのフック面とループ面をそれぞれ取り付けて取付手段42を構成しても良い。取付手段42の上面中央部分に指側装着維持手段41を取り付ける。このような構成の取付手段42を指31に巻き付け、フック面とループ面を指31の下面で重ねて指31に固定する。
【0039】
テーブル22の下面22Aには、例えば、
図1に示すように、指袋保持手段21を取り付ける。指袋保持手段21は、食事中に指袋2を片手で装着したり外したりする際に使用する。指袋保持手段21は、指袋着脱手段13が前記金属等から構成されている場合は磁石から構成し、指袋着脱手段13が磁石から構成されている場合は前記金属等又は磁石から構成する。本実施形態では、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13は、いずれも磁石から構成されているものとする。このように、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13は、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0040】
指袋保持手段21の形状及び大きさに制限はない。複数の指袋2を使用する場合、指袋2と同数の指袋保持手段21を所定間隔を隔ててテーブル22の下面22Aに取り付ける。前記所定間隔は、使用者が自然に指を広げられる程度の間隔とすることが好ましい。
【0041】
[指31に指袋2を装着する方法]
次に、指袋保持手段21に予め保持された指袋2を成人男性の使用者が指31に装着する方法について、
図5を参照して説明する。
【0042】
まず、使用者は、食事をする前に、
図5(A)に示すように、テーブル22の下面22Aに取り付けられた指袋保持手段21に指袋2を保持しておく。本実施形態では、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13は、いずれも磁石から構成されているので、互いの磁力により指袋2が指袋保持手段21に保持される。
【0043】
使用者は、
図3及び
図4に示すように、指31の第1関節と第2関節の中間に、指側装着維持手段41を取り付ける。例えば、円板状で強磁性体の金属プレートから構成されている指側装着維持手段41を指31の指上部31A上面に置いて粘着テープから構成されている取付手段42により取り付ける。
【0044】
次に、使用者は、
図5(B)に矢印で示すように、
図3に示す指31を指袋本体11の開口部11Aから差し込む。指袋本体11の開口部11Aから先端近傍11Bまで成人男性の人差し指等が容易に差し込み可能な外径を有し、筒12にその形状を維持できる程度の硬さがある。したがって、使用者は
図3に示す指31をスムーズに指袋本体11内に差し込むことができる。
【0045】
その後、使用者は、指側装着維持手段41を指袋着脱手段13に近づける。指袋着脱手段13が磁石から構成され、指側装着維持手段41が前記金属プレートから構成されている。したがって、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13の磁力により、
図3に示す指31が指袋着脱手段13を介して指袋保持手段21に固定される。
【0046】
次に、使用者が、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13の磁力より大きい力で
図3に示す指31を指先方向に動かすと、
図5(C)に示すように、
図3に示す指31に指袋2が装着されて指袋保持手段21から離れる。
図6は
図3に示す指31に指袋2が装着された状態を示す斜視図である。
図3に示す指31の指先から第1関節と第2関節の中間までが指袋本体11で覆われている。
複数の
図3に示す指31に指袋2を装着する場合には、以上説明した動作を繰り返す又は、以上説明した動作を複数の
図3に示す指31で同時に実行する。本実施形態では、両手の人差し指、中指及び親指に指袋2を装着するものとする。
【0047】
この後、使用者は、指袋2を装着した両手の人差し指、中指及び親指を使って骨付きチキンなど、指31を使わなければならない料理を指31を汚すことなく食べることができる。この際、各指袋2は独立しているので、各指31の可動範囲に制限がなく、大きい料理を食べる際も指31への負担がなく、快適に指袋2を使用できる。
【0048】
また、指31に取り付けた指側装着維持手段41は、指袋2の指袋着脱手段13の磁力により、指袋着脱手段13に固定されている。したがって、使用時に指袋2が
図3に示す指31からずり落ちることはない。すなわち、指袋着脱手段13は、装着維持手段としても機能している。
【0049】
[指袋2を
図3に示す指31から外す方法]
次に、使用者が指袋2を
図3に示す指31から外す方法について、
図7を参照して説明する。
【0050】
まず、使用者は、
図7(A)に矢印で示すように、テーブル22の下面22Aに取り付けられた指袋保持手段21に指袋2の指袋着脱手段13を近づけるように
図3に示す指31を動かす。すると、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13の磁力により、
図3に示す指31に装着された指袋2が指袋保持手段21に固定される。
【0051】
次に、使用者は、
図7(B)に矢印で示すように、
図3に示す指31を手前方向に引き始める。そして、使用者が、指袋保持手段21及び指袋着脱手段13の磁力より大きい力で
図3に示す指31を手前方向に引くと、
図7(C)に示すように、前記金属プレートから構成されている指側装着維持手段41が指袋着脱手段13から離れる。
【0052】
その後、使用者が
図3に示す指31を手前方向に引けば、
図3に示す指31から完全に指袋2を外すことができる。複数の
図3に示す指31に装着された指袋2を外す場合には、以上説明した動作を繰り返す又は、以上説明した動作を複数の
図3に示す指31で同時に実行する。
【0053】
この後、使用者は、おしぼり等で
図3に示す指31を拭ったり、フィンガーボウル内の水で
図3に示す指31を洗ったりすることなく、他の料理を食べたり飲み物を飲んだりすることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、各指の可動範囲に制限がなく大きな対象物を負担なく持つことができる。また、指袋2を
図3に示す指31に装着したり外したりが容易に行える。本実施形態に係る指袋装置1は、食事の場合だけでなく、以下に示す様々な場合に利用することができる。
(1)指を汚したり、濡らしたりしたくない場合
(2)触ると指に臭いが移るものから指を保護したい場合
(3)指を薬品などの危険から保護したい場合
(4)指の傷口を保護したい場合
(5)指を媒介した感染を予防したい場合
(6)爪に塗ったマニキュアやつけ爪などを保護したい場合
【0055】
2.第2実施形態
[指袋装置3の構成]
本発明の第2実施形態に係る指袋装置3は、
図8及び
図9に示すように、指袋4と、指31に装着されていない指袋4を保持する指袋保持手段61と、指袋4が指31に装着された状態を解除する装着解除手段62とを備えている。指袋保持手段61は、例えば、テーブル63の下面63Aに取り付けられている。装着解除手段62は、例えば、テーブル63の凸部63B下面に、指袋保持手段61に近接して取り付けられている。
【0056】
指袋4は、
図8及び
図9に示すように、指袋本体51と、筒52と、指袋着脱手段53と、装着維持手段54とを備えている。指袋着脱手段53は、前記指袋保持手段61とともに指31に指袋4を装着したり外したりするためのものである。装着維持手段54は、指袋4が指31に装着された状態を維持するためのものである。
【0057】
指袋本体51は、指31を差し込み可能な開口部51Aを有し、開口部51Aから先端近傍51Bまでは円筒状等に形成され、先端近傍51Bから先端51Cに向かうに従って縮径し先端51Cで閉じる袋状に形成されている。指袋本体51は、本実施形態では、指31の指先から第1関節と第2関節の中間までを被覆可能な長さを有している。指袋本体51は、開口部51A近傍に円孔が形成されていない点を除いて、前記第1実施形態の指袋本体11の形状、材質及び機能と同様の形状、材質及び機能を有している。
【0058】
筒52は、所定幅を有し、円筒状又は楕円筒状に形成されている。筒52の上部上面には、本実施形態では、円板状の指袋着脱手段53が嵌め込まれる有底の円孔52Aが形成されている。筒52の上部とは、指上部31Aに対向する側をいう。筒52の外径、硬さ及び材質は、前記第1実施形態の筒12の外径、硬さ及び材質と同様である。指袋着脱手段53は、例えば、前記金属等又は磁石から構成されている。
【0059】
指袋本体51への筒52の取り付け方法は、前記第1実施形態と同様、開口部51Aへの筒52の嵌め込み、接着剤を用いた接着、直径が僅かに異なる大筒と小筒とによる開口部51A近傍の挟み込みなどである。
【0060】
装着維持手段54は、筒52の上部下面に取り付けられた押圧手段54Aと、押圧手段54Aにより指31に押圧されるアーム54Bと、アーム54Bの先端に取り付けられ、指袋4が指31に装着された状態を解除するための袋側装着解除手段54Cとを有している。
【0061】
本実施形態では、押圧手段54Aは、コ字状をしており、両端には軸を支持可能な一対の軸受が形成されている。アーム54Bは、押圧手段54Aの前記一対の軸受の間に遊嵌可能なコ字状の基端と、この基端に接続し、角棒状のアーム本体とが一体に形成されて構成されている。基端の両端には前記軸が挿入可能な貫通孔が形成されている。
【0062】
押圧手段54Aの前記一対の軸受の間にアーム54Bの基端が遊嵌され、アーム54Bの基端両端の間にねじりコイルばねが遊嵌された状態において、押圧手段54Aの前記一対の軸受、前記ねじりコイルばねのコイル内部及びアーム54Bの基端両端に形成された前記貫通孔に前記軸が挿入されている。前記ねじりコイルばねは、アーム54Bを常時下向き回動方向、すなわち、指31を押圧する方向に付勢するように取り付けられている。前記ねじりコイルばねに代えて、押圧手段54Aとアーム54Bの先端との間に輪ゴムを張設しても良い。
【0063】
袋側装着解除手段54Cは、本実施形態では、
図9に示すように、円板状に形成されている。
袋側装着解除手段54Cは、例えば、前記金属等又は磁石から構成されている。
【0064】
以上説明した指袋4は、前記第1実施形態と同様、成人男性の人差し指、中指及び薬指用であり、左右兼用である。指袋4は、指袋本体51の開口部51Aの外径及び指袋本体51の長さ、筒52の外径などを異ならせることにより、成人男性の親指及び小指、成人女性又は子供の各指に装着可能である。
【0065】
テーブル63の下面63Aには、例えば、
図8に示すように、指袋保持手段61が取り付けられているとともに、指袋保持手段61に近接したテーブル63の凸部63B下面には、装着解除手段62が取り付けられている。
【0066】
指袋保持手段61は、指袋着脱手段53が前記金属等から構成されている場合は磁石から構成し、指袋着脱手段53が磁石から構成されている場合は前記金属等又は磁石から構成する。本実施形態では、指袋保持手段61及び指袋着脱手段53は、いずれも磁石から構成されているものとする。つまり、指袋保持手段61及び指袋着脱手段53は、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0067】
装着解除手段62は、袋側装着解除手段54Cが前記金属等から構成されている場合は磁石から構成し、袋側装着解除手段54Cが磁石から構成されている場合は前記金属等又は磁石から構成する。本実施形態では、装着解除手段62及び袋側装着解除手段54Cは、いずれも磁石から構成されているものとする。つまり、装着解除手段62及び袋側装着解除手段54Cは、磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている。
【0068】
指袋保持手段61及び装着解除手段62の形状及び大きさに制限はない。複数の指袋4を使用する場合、指袋4と同数の指袋保持手段61及び装着解除手段62を所定間隔を隔ててテーブル63の下面63A及び凸部63B下面に取り付ける。前記所定間隔は、使用者が自然に指を広げられる程度の間隔とすることが好ましい。
【0069】
[指31に指袋4を装着する方法]
次に、指袋保持手段61に予め保持された指袋4を成人男性の使用者が指31に装着する方法について、
図10を参照して説明する。
【0070】
まず、使用者は、食事をする前に、
図10(A)に示すように、テーブル63の下面63Aに取り付けられた指袋保持手段61に指袋4を保持しておく。本実施形態では、指袋保持手段61及び指袋着脱手段53は、いずれも磁石から構成されているので、互いの磁力により指袋4が指袋保持手段61に保持される。
【0071】
また、テーブル63の凸部63B下面に、指袋保持手段61に近接して装着解除手段62が取り付けられている。本実施形態では、装着解除手段62及び袋側装着解除手段54Cは、いずれも磁石から構成されているので、互いの磁力により袋側装着解除手段54Cが指袋本体51を挟んで装着解除手段62に保持される。
【0072】
次に、使用者は、
図10(B)に矢印で示すように、指31を指袋本体51の開口部51Aから差し込む。指袋本体51の開口部51Aから先端近傍51Bまで成人男性の人差し指等が容易に差し込み可能な外径を有し、筒52にその形状を維持できる程度の硬さがある。したがって、使用者は指31をスムーズに指袋本体51内に差し込むことができる。
【0073】
次に、使用者が、
図10(C)に矢印で示すように、指袋保持手段61及び指袋着脱手段53の磁力並びに装着解除手段62及び袋側装着解除手段54Cの磁力より大きい力で指31を下方に押し下げると、指31に指袋4が装着されて指袋保持手段61から離れるとともに、アーム54Bが下向きに回動し、指31を押圧する。これにより、指袋4が指31に装着された状態が維持される。
図11は指31に指袋4が装着された状態を示す左側面図、
図12は
図11の平面図である。指31の指先から第1関節と第2関節の中間までが指袋本体51で覆われている。
複数の指31に指袋4を装着する場合には、以上説明した動作を繰り返す又は、以上説明した動作を複数の指31で同時に実行する。本実施形態では、両手の人差し指、中指及び親指に指袋4を装着するものとする。
【0074】
図13は、右手310の親指311、人差し指312及び中指313に
図9に示す指袋4が装着された状態を示す斜視図である。親指311用の指袋4は、人差し指312及び中指313用の指袋4と比較して、指袋本体51の開口部51Aの外径及び筒52の外径が大きく、指袋本体51の長さが短い。
【0075】
この後、使用者は、指袋4を装着した両手の人差し指、中指及び親指を使って骨付きチキンなど、指31を使わなければならない料理を指31を汚すことなく食べることができる。この際、各指袋4は独立しているので、各指31の可動範囲に制限がなく、大きい料理を食べる際も指31への負担がなく、快適に指袋4を使用できる。
【0076】
また、装着維持手段54を構成する押圧手段54Aは、アーム54Bの先端に取り付けられた袋側装着解除手段54Cを常時指31に押圧している。したがって、使用時に指袋4が指31からずり落ちることはない。
【0077】
[指袋4を指31から外す方法]
次に、使用者が指袋4を指31から外す方法について、
図14を参照して説明する。
【0078】
まず、使用者は、
図14(A)に矢印で示すように、テーブル63の下面63Aに取り付けられた指袋保持手段61に指袋4の指袋着脱手段53を近づけるとともに、テーブル63の凸部63B下面に取り付けられた装着解除手段62に指袋4の袋側装着解除手段54Cを近づけるように指31を動かす。
【0079】
すると、
図14(B)に示すように、指袋保持手段61及び指袋着脱手段53の磁力により指31に装着された指袋4が指袋保持手段61に固定されるとともに、装着解除手段62及び袋側装着解除手段54Cの磁力より袋側装着解除手段54Cが装着解除手段62に固定される。これにより、指31は、袋側装着解除手段54Cによる押圧から開放される。
【0080】
次に、使用者は、
図14(C)に矢印で示すように、指31を手前方向に引き始める。その後、使用者が指31を手前方向に引けば、指31から完全に指袋4を外すことができる。複数の指31に装着された指袋4を外す場合には、以上説明した動作を繰り返す又は、以上説明した動作を複数の指31で同時に実行する。
【0081】
この後、使用者は、おしぼり等で指31を拭ったり、フィンガーボウル内の水で指31を洗ったりすることなく、他の料理を食べたり飲み物を飲んだりすることができる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる他、指31に指側装着維持手段41を取り付ける必要がないので、使い勝手が良いという効果が得られる。
【0083】
3.第3実施形態
[指袋5の構成]
本発明の第3実施形態に係る指袋5は、
図15及び
図16に示すように、指袋本体71と、筒72と、指袋着脱手段73と、装着維持手段74とを備えている。装着維持手段74は、筒72の上部上面に取り付けられた押圧手段74Aと、押圧手段74Aにより指31に押圧されるアーム74Bと、アーム74Bの先端に取り付けられた袋側装着解除手段74Cとを有している。袋側装着解除手段74Cは、指袋5が指31に装着された状態を解除するためのものである。指袋保持手段61及び装着解除手段62の構成については、前記第2実施形態と同様である。
【0084】
前記第2実施形態に係る指袋4では、装着維持手段54を筒52の上部下面に取り付け、指袋本体51内で押圧手段54Aによりアーム54Bを直接指31に押圧する例を示した。
【0085】
これに対し、本実施形態に係る指袋5では、前記装着維持手段54とほぼ同一構造の装着維持手段74を筒72の上部上面に取り付け、指袋本体71外から指袋本体71を挟んで押圧手段74Aによりアーム74Bを指31に押圧する。
【0086】
指袋本体71は、
図17に示すように、指31を差し込み可能な開口部71Aを有し、開口部71Aから先端近傍71Bまでは円筒状等に形成され、先端近傍71Bから先端71Cに向かうに従って縮径し先端71Cで閉じる袋状に形成されている。指袋本体71は、本実施形態では、指31の指先から第1関節と第2関節の中間までを被覆可能な長さを有している。指袋本体71は、後述する筒72の切欠部72Aに対応する部分に切欠が形成されている点を除いて、前記第2実施形態の指袋本体51の形状、材質及び機能と同様の形状、材質及び機能を有している。
【0087】
筒72は、
図15~
図17に示すように、所定幅を有し、円筒状又は楕円筒状に形成されている。筒72の上部には、装着維持手段74が取り付けられる切欠部72Aが形成されている。筒72の下部には、切欠部72Aに装着維持手段74が取り付けられた状態において、装着維持手段74に対向する位置に、装着維持凸部72Bが形成されている。装着維持凸部72Bは、筒72と一体に形成されている。装着維持凸部72Bは、
図16の例では、指31の第1関節の手前まで延びている。したがって、使用者は、指31を曲げるのに支障はない。なお、指31を曲げるのに支障がないほど柔らかい材質のものを筒72に用いれば、指31の第1関節を指先方向に超えて装着維持凸部72Bを形成しても良い。
【0088】
筒72の上部とは、
図16に示す指上部31Aに対向する側をいい、筒72の下部とは、指下部31Bに対向する側をいう。筒72の外径、硬さ及び材質は、前記第1実施形態の筒12及び前記第2実施形態の筒52の外径、硬さ及び材質と同様である。
【0089】
指袋本体71への筒72の取り付け方法は、前記第1及び第2実施形態と同様、開口部71Aへの筒72の嵌め込み、接着剤を用いた接着、直径が僅かに異なる大筒と小筒とによる開口部71A近傍の挟み込みなどである。
【0090】
装着維持手段74は、
図15、
図16及び
図18に示すように、筒72の切欠部72Aに取り付けられる押圧手段74Aと、押圧手段74Aにより指31に押圧されるアーム74Bと、アーム74Bの先端に取り付けられ、指袋4が指31に装着された状態を解除するための袋側装着解除手段74Cとを有している。
【0091】
押圧手段74Aの上部には、本実施形態では、円形状の指袋着脱手段73が嵌め込まれる有底の円孔74AAが形成されている。指袋着脱手段73は、例えば、前記金属等又は磁石から構成されている。
【0092】
本実施形態では、押圧手段74Aは、断面が楕円形状をしており、一端の両端には軸を支持可能な一対の軸受が形成されている。アーム74Bは、押圧手段74Aの前記一対の軸受の間に遊嵌可能なコ字状の基端と、この基端に接続し、角棒状のアーム本体とが一体に形成されて構成されている。基端の両端には前記軸が挿入可能な貫通孔が形成されている。
【0093】
押圧手段74Aの一対の軸受の間にアーム74Bの基端が遊嵌され、アーム74Bの基端両端の間にねじりコイルばねが遊嵌された状態において、押圧手段74Aの前記一対の軸受、前記ねじりコイルばねのコイル内部及びアーム74Bの基端両端に形成された前記貫通孔に前記軸が挿入されている。前記ねじりコイルばねは、アーム74Bを常時下向き回動方向、すなわち、指31を押圧する方向に付勢するように取り付けられている。前記ねじりコイルばねに代えて、押圧手段74Aとアーム74Bの先端との間に輪ゴムを張設しても良い。
【0094】
袋側装着解除手段74Cは、本実施形態では、
図15及び
図18に示すように、円板状に形成されている。袋側装着解除手段74Cは、例えば、前記金属等又は磁石から構成されている。
【0095】
以上説明した指袋5は、前記第1及び第2実施形態と同様、成人男性の人差し指、中指及び薬指用であり、左右兼用である。指袋5は、指袋本体71の開口部71Aの外径及び指袋本体71の長さ、筒72の外径などを異ならせることにより、成人男性の親指及び小指、成人女性又は子供の各指に装着可能である。
【0096】
指31に指袋5を装着する方法は
図10を参照して説明した前記第2実施形態と同様であり、指袋5を指31から外す方法は
図14を参照して説明した前記第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記第2実施形態と同様の効果が得られる他、前記第2実施形態のように、指31がアーム54Bにより直接押圧されないので、使用感が良好であるという効果が得られる。また、本実施形態によれば、
図16に示すように、指31が装着維持手段74と装着維持凸部72Bとによりしっかりと支持されるので、使用時に指袋5が指31からずり落ちることはない。さらに、本実施形態によれば、指袋本体71から容易に装着維持手段74を取り外すことができるため、汚れた指袋本体71を洗浄したり、新しい指袋本体71と交換したりしやすいという効果が得られる。
【0098】
4.変形例
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0099】
[第1変形例]
例えば、第1実施形態では指袋着脱手段13、装着維持手段を兼ねる指袋保持手段21及び指側装着維持手段41、第2実施形態では指袋着脱手段53と指袋保持手段61及び袋側装着解除手段54Cと装着解除手段62、第3実施形態では指袋着脱手段73と指袋保持手段61及び袋側装着解除手段74Cと装着解除手段62は、いずれも磁力によりくっついたり離れたりできるように構成されている例を示したが、これに限定されない。
【0100】
例えば、第1実施形態では、指袋着脱手段13と指袋保持手段21とについて、一方を面ファスナーのフック面から構成し、他方を前記面ファスナーのループ面から構成しても良い。また、筒12の上部下面に装着維持手段を設け、この装着維持手段と指側装着維持手段41とについて、一方を面ファスナーのフック面から構成し、他方を前記面ファスナーのループ面から構成しても良い。
【0101】
同様に、第2実施形態では、指袋着脱手段53と指袋保持手段61とについて、一方を面ファスナーのフック面から構成し、他方を前記面ファスナーのループ面から構成しても良い。
【0102】
また、第3実施形態では、指袋着脱手段73と指袋保持手段61とについて、一方を面ファスナーのフック面から構成し、他方を前記面ファスナーのループ面から構成しても良い。また、袋側装着解除手段74Cと装着解除手段62とについて、一方を面ファスナーのフック面から構成し、他方を前記面ファスナーのループ面から構成しても良い。
【0103】
さらに、第1実施形態では、指袋着脱手段13及び指袋保持手段21のいずれか一方を粘着部材から構成しても良い。また、筒12の上部下面に装着維持手段を設け、この装着維持手段及び指側装着維持手段41のいずれか一方を粘着部材から構成しても良い。
【0104】
粘着部材としては、一般には、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤がある。なかでも、貼ったり剥がしたりが繰り返しできる粘着部材であることが好ましい。このような粘着部材としては、例えば、粘着性ウレタンゲル、粘着性ハイドロゲルなどがある。
【0105】
同様に、第2実施形態では、指袋着脱手段53及び指袋保持手段61のいずれか一方を粘着部材から構成しても良い。
【0106】
また、第3実施形態では、指袋着脱手段73及び指袋保持手段61のいずれか一方を粘着部材から構成しても良い。また、袋側装着解除手段74C及び装着解除手段62のいずれか一方を粘着部材から構成しても良い。
【0107】
以上説明した第1~第3実施形態及び第1変形例において、指袋着脱手段13、53及び73と指袋保持手段21及び61との組み合わせ、装着維持手段と指側装着維持手段41との組み合わせ、袋側装着解除手段54C及び74Cと装着解除手段62との組み合わせをまとめると表1~表3となる。表1は第1実施形態及び第1変形例における組み合わせ例、表2は第2実施形態及び第1変形例における組み合わせ例、表3は第3実施形態及び第1変形例における組み合わせ例である。
【0108】
表1~表3において、2つの手段(表1の例では、装着維持手段と指側装着維持手段)に亘って面ファスナーとあるのは、一方の手段がフック面、他方の手段がループ面であることを示している。また、表1~表3において、2つの手段に亘って粘着部材とあるのは、いずれか一方の手段が粘着部材から構成されていることを示している。
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
[第2変形例]
前記第1~第3実施形態では、いずれも、筒12、52及び72の上部側に指袋着脱手段13、53及び73が取り付ける例を示したが、これに限定されない。筒12、52及び72の上部側又は下部側のいずれか一方又は両方に指袋着脱手段13、53及び73を取り付けても良い。筒12、52及び72の下部側に取り付けられた指袋着脱手段13、53及び73を有する指袋2、4及び5を保持するためには、指袋保持手段21及び61並びに装着解除手段62を板状又は棒状の指袋保持部材の表面に取り付ければ良い。このように構成すれば、指袋2、4及び5を保持した指袋保持部材を携帯することができ、使い勝手が向上する。
【0113】
図19は、
図9に示す指袋4が細板状の指袋保持部材83の一側面83Aに取り付けられた指袋保持手段81に保持された状態を示す斜視図である。指袋保持手段81に近接した凸部83Bに装着解除手段82が設けられている。
図19に示す例では、指袋保持手段81及び装着解除手段82は、いずれも金属等から構成されている。一方、指袋4を構成する指袋着脱手段53及び袋側装着解除手段54Cは、いずれも磁石から構成されている。したがって、指袋4は、指袋着脱手段53及び袋側装着解除手段54Cの磁力により、指袋保持手段81及び装着解除手段82に保持されている。
図19には示していないが、指袋保持部材83には一対の脚部が取り付けられ、自立可能に構成されている。
【0114】
[第3変形例]
前記第1~第3実施形態では、指袋保持手段21又は61並びに装着解除手段62(以下「指袋保持手段21等」と略す。)をテーブル22の下面22A又はテーブル63の下面63Aに取り付ける例を示したが、これに限定されない。指袋保持手段21等は、例えば、以下に示す構造を有する携帯可能な第1及び第2の箱の内部に取り付けても良い。
【0115】
(1)第1の箱
(a)少なくとも天板は透明なプラスチック製又はガラス製とする。
(b)側板には、指が挿入可能な複数の孔を形成する。孔は、指ごとの小さいものでも、五指を挿入可能な大きなものでも良い。
(c)(b)の各孔は、1枚の側板だけに形成しても、対向する2枚の側板に形成し左右の指を各側板から挿入するようにしても良い。
(d)透明な天板に指袋保持手段21等を取り付け、天板越しに見ながら指袋2、4又は5(以下「指袋2等」と略す。)を装着したり、外したりする。
(e)天板に両手の指袋2等を保持するための指袋保持手段21等を取り付けも良いし、箱の上下の中段に中板を設け、例えば、天板に右手の指袋2等を保持するための指袋保持手段21等を取り付け、中板に左手の指袋2等を保持するための指袋保持手段21等を取り付けても良い。
(f)箱の側板に指を挿入可能な孔が指ごとに形成されている場合、箱内に吸引器を設け、指に装着した指袋を孔に挿入してスイッチを押すと指袋2等だけ吸引され、吸引している間に指を引き出すように構成しても良い。
【0116】
(2)第2の箱
(a)箱本体の底板、側板又は蓋に両手それぞれ最大五指の指袋2等を保持するための指袋保持手段21等を取り付ける。
(b)蓋は、箱本体から取り外せるタイプでも、ヒンジ手段を介して箱本体に対して開閉可能なタイプでも良い。
(c)蓋がヒンジ手段を介して開閉可能なタイプの場合、プッシュロック・オープン機構を採用すれば、指に指袋2等を装着した状態で肘等を用いて蓋を開閉することができる。プッシュロック・オープン機構とは、蓋を開方向に付勢するばね手段と、蓋の先端領域を箱本体に押し付けるように押すことで蓋の先端領域を箱本体にロックし、ロック状態にある蓋の先端領域を再度押すことでロックが解除される機構である。
【0117】
前記第1又は第2の箱を用いれば、自分専用の指袋2等を衛生状態を保ったまま、携帯することができ、指袋2等の使用範囲を広げることができる。
【0118】
[その他の変形例]
前記第1~第3実施形態では、指袋本体11、51及び71が指31の指先から第1関節と第2関節の中間までを被覆可能な長さを有している例を示したが、これに限定されない。指袋本体11、51及び71は、例えば、少なくとも指31の指先を被覆可能な長さを有していれば良い。
【0119】
同時に装着する指袋2、4及び5の数は、片手の1つの指に装着する場合から両手のすべての指に装着する場合まで制限されない。
指袋本体11、51及び71のいずれかに蒸れを防止するための孔を形成しても良い。
【符号の説明】
【0120】
1,3…指袋装置、2,4,5…指袋、11,51,71…指袋本体、11A,51A,71A…開口部、11B,51B,71B…先端近傍、11C,51C,71C…先端、11D,51D…指袋本体上部、11E,51E…指袋本体下部、11F,52A,74AA…円孔、12,52,72…筒、13,53,73…指袋着脱手段、21,61,81…指袋保持手段、22,63…テーブル、22A,63A…下面、31…指、31A…指上部、31B…指下部、41…指側装着維持手段、42…取付手段、54,74…装着維持手段、54A,74A…押圧手段、54B,74B…アーム、54C,74C…袋側装着解除手段、62,82…装着解除手段、63B,83B…凸部、72A…切欠部、72B…装着維持凸部、83…指袋保持部材、83A…側面、310…右手、311…親指、312…人差し指、313…中指。