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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161460
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】携帯用枕
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A47G9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066302
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】山田 志奈乃
(72)【発明者】
【氏名】穴澤 康二
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA00
(57)【要約】
【課題】持ち運びを容易に行うことができると共に、使用性を高め、顎が下がることを抑制することができる携帯用枕を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る携帯用枕は、使用者Mの首M2の後側に当てられる中央部3、及び中央部3の両端のそれぞれに位置する一対の両端部2を備えた携帯用枕1である。携帯用枕1は、中央部3及び一対の両端部2に内蔵されており、中央部3及び一対の両端部2がU字状となるように中央部3及び一対の両端部2を付勢する弾性部材と、弾性部材を被覆すると共に柔軟性素材によって構成された被覆部材10と、を備える。両端部2は、使用者Mの顎の骨M1に下から当てられる顎当て部2Aを有する。顎当て部2Aは、両端部2における顎当て部2Aの周囲の領域に対して突出する突出部を有しない非突出部とされている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の首の後側に当てられる中央部、及び前記中央部の両端のそれぞれに位置する一対の両端部を備えた携帯用枕であって、
前記中央部及び前記一対の両端部に内蔵されており、前記中央部及び前記一対の両端部がU字状となるように前記中央部及び前記一対の両端部を付勢する弾性部材と、
前記弾性部材を被覆すると共に柔軟性素材によって構成された被覆部材と、
を備え、
前記両端部は、前記使用者の顎の骨に下から当てられる顎当て部を有し、
前記顎当て部は、前記両端部における前記顎当て部の周囲の領域に対して突出する突出部を有しない非突出部とされている、
携帯用枕。
【請求項2】
前記被覆部材は、前記弾性部材を被覆するクッション材と、前記クッション材を被覆するカバーと、を含む、
請求項1に記載の携帯用枕。
【請求項3】
前記両端部の厚さは、前記中央部の厚さよりも厚い、
請求項1又は2に記載の携帯用枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、持ち運びが可能な携帯用枕に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用枕は、飛行機、電車又は自動車等に乗って移動を行う使用者の首に当てられて使用されている。特開2017-131428号公報には、使用者の頸部に当てられる携帯用枕が記載されている。携帯用枕は、頸部の後側に当てられる中央部と、中央部の両側に位置する両側部とを備える。両側部の高さは、中央部の高さよりも高くされている。
【0003】
よって、頸部の後側に中央部が当てられた状態において、両側部は、使用者の顔の両側に接触する。両側部が使用者の顔の両側に接触するので、使用者の頸部及び顔が広く保護される。この携帯用枕は、使用者の頸部及び顔を広く保護することができるので、特に飛行機等による長距離移動に適した枕とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-131428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特に近年、持ち運びを一層容易にするために、携帯用枕をコンパクトにすることが求められる。前述した携帯用枕では、頸部及び頭部を広く保護できるので、長距離移動には適している。しかしながら、前述した携帯用枕は、大きいので、バッグ等から手軽に出し入れすることが困難となる場合がある。前述した携帯用枕はバッグ等に入れると嵩張ることがあるので、持ち運びのしやすさの点において改善の余地がある。
【0006】
前述した携帯用枕は、大きくて目立つため、電車等で短距離移動する場合には、使用に適さないことがある。すなわち、前述した携帯用枕は見た目が大きくて目立つので、使用者は短距離移動では前述した携帯用枕を使用しないという現実がある。また、電車等で短距離移動するときに使用者がうたた寝をしたりスマートフォンを見たりすることがある。うたた寝をしたりスマートフォンを見たりするときに使用者の顎が下がることがあり、首を痛める可能性がある。従って、短距離移動のうたた寝の場合等において、顎が下がることを抑制することが求められる。
【0007】
本開示は、持ち運びを容易に行うことができると共に、使用性を高め、顎が下がることを抑制することができる携帯用枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る携帯用枕は、使用者の首の後側に当てられる中央部、及び中央部の両端のそれぞれに位置する一対の両端部を備えた携帯用枕であって、中央部及び一対の両端部に内蔵されており、中央部及び一対の両端部がU字状となるように中央部及び一対の両端部を付勢する弾性部材と、弾性部材を被覆すると共に柔軟性素材によって構成された被覆部材と、を備え、両端部は、使用者の顎の骨に下から当てられる顎当て部を有し、顎当て部は、両端部における顎当て部の周囲の領域に対して突出する突出部を有しない非突出部とされている。
【0009】
この携帯用枕は、首の後側に当てられる中央部及び一対の両端部の内部に弾性部材が内蔵されていることによってU字状とされている。すなわち、中央部と一対の両端部は、U字状に湾曲するように弾性部材によって付勢されている。従って、使っていないときに、この携帯用枕はU字状となっているので、コンパクトにすることができ持ち運びを容易に行うことができる。携帯用枕がU字状とされていることにより、バッグ等からの取り出しを容易に行うことができると共に、使用時に目立たないようにできるので、電車等の短距離移動でも手軽に使用することができ、使用性を高めることができる。携帯用枕は、弾性部材を被覆すると共に柔軟性素材によって構成された被覆部材を備える。一対の両端部のそれぞれは、使用者の顎の骨に下から当てられる顎当て部を有し、顎当て部は被覆部材によって形成される。従って、柔軟性素材からなる被覆部材を使用者の顎の骨に下から当てることが可能となるので、顎が下がることを抑制して首を痛めないようにすることができる。また、顎の骨よりも内側に顎当て部が入ると使用者の顎又は喉に違和感を感じさせる可能性がある。しかしながら、この携帯用枕では、顎の骨に顎当て部が当たるので、上記の違和感を感じさせないようにすることができる。顎当て部は、顎当て部の周囲の領域に対して突出する突出部を有しない非突出部とされている。従って、柔軟性素材からなる非突出部が使用者の顎の骨に当たるので、顎を下からやさしく支えて良好な寝心地を提供することができる。
【0010】
被覆部材は、弾性部材を被覆するクッション材と、クッション材を被覆するカバーと、を含んでいてもよい。この場合、弾性部材を被覆するクッション材によって、携帯用枕の柔軟性を高めることができるので、使用者の顎の骨をやさしく支えて一層良好な寝心地を提供できる。また、クッション材を被覆するカバーを備えることにより、携帯用枕の内部にクッション材を保持することができる。
【0011】
両端部の厚さは、中央部の厚さよりも厚くてもよい。この場合、使用者の顎の骨に下から当たる両端部の厚さが中央部の厚さよりも厚い。従って、より厚い一対の両端部のそれぞれによって顎の骨を下から支えることができるので、使用者の顎が下がることをより確実に抑制することができる。その結果、首を痛める可能性を一層低減できるので、更に良好な寝心地を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、持ち運びを容易に行うことができると共に、使用性を高め、顎が下がることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る携帯用枕を示す平面図である。
図2】実施形態に係る携帯用枕を示す斜視図である。
図3】(a)は、図2の携帯用枕を引き延ばした状態を示す側面図である。(b)は、図3(a)の携帯用枕を図3(a)とは異なる方向から見た側面図である。
図4図3(a)のA-A線断面図である。
図5】(a)は、図3のB-B線断面図である。(b)は、変形例に係る両端部の断面図である。
図6】実施形態に係る携帯用枕を装着した状態を模式的に示す斜視図である。
図7】変形例に係る携帯用枕の側面図である。
図8】(a)及び(b)は、変形例に係る携帯用枕を示す平面図である。
図9】変形例に係る携帯用枕を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら、本開示に係る携帯用枕の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る携帯用枕1を示す平面図である。図2は、携帯用枕1を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、携帯用枕1は、例えば、平面視においてU字状(一例としてイヤーマフ状)を呈する。本開示において「U字状」は、U形状だけでなく、少なくとも一部がU字となっている形状を示している。「U字状」は、例えば、一部がU字となっているO形状、又は、一部がU字となっているQ形状であってもよい。携帯用枕1は、携帯用枕1に内蔵されている弾性部材5によってU字状となるように付勢されている。本実施形態において、「平面視」とは、使用者M(図6参照)に装着されている携帯用枕1において鉛直上方から見ている状態を示している。
【0016】
携帯用枕1は、例えば、布又は柔軟性素材によって構成されている。これにより、携帯用枕1の使用者Mに違和感を感じさせにくくすることができるので、使用性を向上させることができる。携帯用枕1は、U字状に延在する延在方向D1の両端のそれぞれに位置する両端部2と、一対の両端部2の間に位置する中央部3とを有する。
【0017】
例えば、両端部2の厚さB1は、中央部3の厚さB2よりも厚い。しかしながら、両端部2の厚さは中央部3の厚さと略同一(又は同一)であってもよい。本実施形態において「厚さ」とは、平面視における両端部又は中央部の幅を示している。両端部2の厚さは、例えば、中央部3から離れるに従って厚くなり、両端部2の先端2d(中央部3とは反対側の端部)の向かうに従って細くなっている。中央部3の厚さは、例えば、一定である。
【0018】
図3(a)は、弾性部材5の弾性力に抗して直線状に延ばした携帯用枕1を示す側面図である。図3(b)は、図3(a)の携帯用枕1の側面図である。図2図3(a)及び図3(b)に示されるように、U字状とされていた携帯用枕1は、例えば、手で広げて直線状に延ばすことが可能である。
【0019】
延在方向D1に延びる携帯用枕1の長さL1は、例えば、20cm以上且つ60cm以下である。長さL1は、35cm以上又は40cm以上であってもよい。また、長さL1は、55cm以下、50cm以下、又は45cm以下であってもよい。例えば、両端部2の高さL2は、中央部3の高さL3よりも高い。本実施形態において「高さ」とは、使用者Mに装着された状態における携帯用枕1の上下方向D2(鉛直方向)の長さを示している。
【0020】
例えば、両端部2の高さL2は、4cm以上且つ15cm以下である。高さL2は、7cm以上又は10cm以上であってもよい。また、両端部2の高さL2は、13cm以下又は10cm以下であってもよい。中央部3の高さL3は、3cm以上且つ10cm以下である。高さL3は、5cm以上、又は7cm以上であってもよい。中央部3の高さL3は、7cm以下、又は5cm以下であってもよい。また、上記では、両端部2の高さL2が中央部3の高さL3より高い例について説明したが、両端部の高さは、中央部の高さと同一であってもよい。両端部2の厚さB1は、例えば、2cm以上且つ8cm以下である。厚さB1は、3cm以上、4cm以上、又は5cm以上であってもよい。また、厚さB1は、7cm以下、又は6cm以下であってもよい。例えば、中央部3の厚さB2は、2cm以上且つ10cm以下である。厚さB2は、3cm以上、4cm以上、又は5cm以上であってもよい。また、厚さB2は、8cm以下、7cm以下、又は6cm以下であってもよい。以上、高さL2、高さL3、厚さB1、及び厚さB2の値の例について説明したが、高さL2、高さL3、厚さB1、及び厚さB2の値は上記の例に限定されない。但し、厚さB1が8cm以下で且つ厚さB2が10cm以下である場合、携帯用枕1を一層使いやすく且つスタイリッシュにすることができる。
【0021】
両端部2は、例えば、中央部3から斜め上方に延びる傾斜面2bと、傾斜面2bの中央部3とは反対側の端部から延在方向D1に延びる上面2cと、上面2cの傾斜面2bとは反対側に位置する携帯用枕1の先端2dから斜め下方に延びる傾斜面2fとを有する。上面2cは、使用者Mの顎の骨M1(図6参照)が当てられる顎当て部2Aに相当する。更に、両端部2は、傾斜面2fの先端2dとは反対側から中央部3に向かって延びる下面2gを有する。中央部3は、傾斜面2bから延在方向D1に延びる上面3bと、下面2gから延在方向D1に延びる下面3cとを有する。
【0022】
以上、両端部2の形状の例、及び中央部3の形状の例について説明した。しかしながら、両端部2の形状、及び中央部3の形状は、上記の例に限られず、適宜変更可能である。例えば、両端部2は、中央部3の両端のそれぞれからU字状に湾曲する湾曲面によって形成されていてもよい。また、両端部2は、中央部3の両端のそれぞれから矩形状に延びる部位であってもよい。
【0023】
両端部2及び中央部3には、両端部2及び中央部3がU字状となるように両端部2及び中央部3を付勢する弾性部材5が内蔵されている。弾性部材5は、例えば、弾性を有する板状の芯材である。一例として、弾性部材5は、樹脂バネである。弾性部材5は、例えば、両端部2の内部において、両端部2の形状に沿って外側に湾曲するように形成されていてもよい。この場合、一対の両端部2を互いに接近させて携帯用枕1をU字状とするための弾性力を両端部2においても発現可能となる。
【0024】
図4は、図3(a)のA-A線断面図である。図4に示されるように、中央部3は、弾性部材5と、弾性部材5を被覆する被覆部材10とを有する。延在方向D1に直交する平面で切断した中央部3の断面において、弾性部材5は上下方向D2に延在している。被覆部材10は、柔軟性素材によって構成されている。本実施形態において「柔軟性素材」とは、身体の載置によって変形する柔らかさを備えた素材を示しており、弾性発泡体、繊維系素材、可撓性素材及び軟質素材の少なくともいずれかを含んでいる。
【0025】
中央部3において、被覆部材10は、例えば、弾性部材5を被覆するクッション材11と、クッション材11を被覆するカバー12とを有する。クッション材11は、例えば、わたである。しかしながら、クッション材11は、例えば、発泡ウレタンであってもよく、わた以外のものであってもよい。
【0026】
カバー12は、例えば、布製である。また、カバー12は、伸縮素材によって構成されていてもよい。一例として、カバー12は、糸が縦横に編み上げられて形成されたニットの伸縮素材で構成されていてもよいし、縦横の2方向に伸びる伸縮性の2wayニットによって構成されていてもよい。この場合、携帯用枕1を延在方向D1に伸縮させることが可能となる。但し、カバー12の材料は特に限定されない。
【0027】
なお、上記では、被覆部材10がクッション材11とカバー12とを有する例について説明した。しかしながら、被覆部材10は、単一の素材によって構成されていてもよい。例えば、被覆部材10は、弾性部材5を被覆する発泡ウレタンによって構成されていてもよい。
【0028】
図5(a)は、図3(a)のB-B線断面図である。図5(a)に示されるように、両端部2は、弾性部材5と、弾性部材5を被覆する被覆部材10とを有する。延在方向D1に直交する平面で切断した両端部2の断面において、弾性部材5は上下方向D2に延在している。
【0029】
両端部2において、被覆部材10は、例えば、弾性部材5を被覆する内側クッション材14と、内側クッション材14を被覆するクッション材11と、クッション材11を被覆するカバー12とを有する。内側クッション材14は、例えば、クッション材11よりも硬質のクッション材である。
【0030】
内側クッション材14がクッション材11よりも硬い材料によって構成されている場合、両端部2において使用者Mの顎の骨M1をよりしっかりと支えることができる。内側クッション材14は、例えば、発泡ウレタンによって構成されている。しかしながら、内側クッション材14の材料は特に限定されない。
【0031】
前述したように、両端部2は、使用者Mの顎の骨M1(図6参照)が当てられる顎当て部2Aである上面2cを有する。顎当て部2A(上面2c)は、両端部2における顎当て部2Aの周囲の領域2hに対して突出する突出部を有しない非突出部とされている。本実施形態において「非突出部」とは、突出していない部位を示している。「突出」とは、周囲から延びる面の傾きが徐々に大きくなるように突き出ることを示している。「非突出面」は、例えば、平坦面、及び上方に向かうに従って傾きが徐々に小さくなる湾曲面を含んでいる。
【0032】
図5(a)は、顎当て部2Aが滑らかな湾曲面である例を示している。この場合、滑らかな湾曲面である顎当て部2Aが使用者Mの顎の骨M1に当たるので、使用者Mの顎をやさしく支えることができると共に顎が下がることを抑制できる。図5(b)は、変形例に係る顎当て部2Bを示す断面図である。
【0033】
図5(b)に示されるように、顎当て部2Bは凹状を呈していてもよい。顎当て部2Bでは、例えば、一対のカバー12が設けられ、一対のカバー12の一端及び他端のそれぞれが携帯用枕1の内側で糸13によって縫い込まれている。このように凹状の顎当て部2Bを備える携帯用枕1であっても、顎当て部2Aを備える場合と同様の効果が得られる。
【0034】
次に、本実施形態に係る携帯用枕1から得られる作用効果について詳細に説明する。図1図2及び図6に示されるように、携帯用枕1は、使用者Mの首M2の後側に当てられる中央部3及び一対の両端部2の内部に弾性部材5が内蔵されていることによってU字状とされている。
【0035】
すなわち、中央部3と一対の両端部2は、U字状に湾曲するように弾性部材5によって付勢されている。従って、使っていないときに、携帯用枕1はU字状となっているので、コンパクトにすることができ持ち運びを容易に行うことができる。携帯用枕1がU字状とされていることにより、バッグ等からの取り出しを容易に行うことができると共に、使用時に目立たないようにできるので、電車等の短距離移動でも手軽に使用することができ、使用性を高めることができる。
【0036】
携帯用枕1は、弾性部材5を被覆すると共に柔軟性素材によって構成された被覆部材10を備える。一対の両端部2のそれぞれは、使用者Mの顎の骨M1に下から当てられる顎当て部2Aを有し、顎当て部2Aは被覆部材10によって形成される。従って、柔軟性素材からなる被覆部材10を使用者Mの顎の骨M1に下から当てることが可能となるので、顎が下がることを抑制して首M2を痛めないようにすることができる。
【0037】
携帯用枕1では、例えば、両端部2が顎の骨M1を支えることによって、スマートフォンを見ていて首が下がるスマホ首を抑制することができる。また、顎の骨M1よりも内側に顎当て部2Aが入ると使用者Mの顎又は喉に違和感を感じさせる可能性がある。しかしながら、携帯用枕1では、顎の骨M1に顎当て部2Aが当たるので、上記の違和感を感じさせないようにすることができる。
【0038】
図5(a)に示されるように、顎当て部2Aは、顎当て部2Aの周囲の領域2hに対して突出する突出部を有しない非突出部とされている。従って、柔軟性素材からなる非突出部が使用者Mの顎の骨M1に当たるので、顎を下からやさしく支えて良好な寝心地を提供することができる。
【0039】
図6に示されるように、携帯用枕1では、両端部2が使用者Mの顎の骨M1の下に位置して中央部3が使用者Mの首M2の後側に位置する。すなわち、携帯用枕1は、使用者Mの顎の骨M1の下、及び首M2の後側に巻き付けて使用することが可能である。従って、携帯用枕1はモコモコした感じが低減されているので、スタイリッシュな携帯用枕1とすることが可能である。従って、携帯用枕1は、バッグ等からの取り出しを簡単に行えるので、電車等による短時間の移動でも使用しやすい。更に、スタイリッシュな携帯用枕1とされているため、例えばマフラーのように、睡眠時以外又は電車等に乗っている時以外にも首M2に巻いた状態とすることができ、使用性を更に高めることができる。なお、図6では、中央部3が使用者Mの首M2の後に配置される例を示しているが、本実施形態に係る携帯用枕1は、中央部3を使用者Mの前側にして前後逆に用いることが可能である。
【0040】
図5(a)及び図5(b)に示されるように、被覆部材10は、弾性部材5を被覆するクッション材11と、クッション材11を被覆するカバー12と、を含んでいてもよい。この場合、弾性部材5を被覆するクッション材11によって、携帯用枕1の柔軟性を高めることができるので、使用者Mの顎の骨M1をやさしく支えて一層良好な寝心地を提供できる。また、クッション材11を被覆するカバー12を備えることにより、携帯用枕1の内部にクッション材11を保持することができる。
【0041】
図1及び図3(b)に示されるように、両端部2の厚さB1は、中央部3の厚さB2よりも厚くてもよい。この場合、使用者Mの顎の骨M1に下から当たる両端部2の厚さB1が中央部3の厚さB2よりも厚い。従って、より厚い一対の両端部2のそれぞれによって顎の骨M1を下から支えることができるので、使用者Mの顎の骨M1が下がることをより確実に抑制することができる。その結果、首M2を痛める可能性を一層低減できるので、更に良好な寝心地を提供することができる。
【0042】
以上、本開示に係る携帯用枕の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、携帯用枕の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0043】
図2及び図3(b)に示される例では、中央部3の厚さが一定である例について説明した。しかしながら、図7の変形例に示されるように、両端部2よりも厚い中央部23を有する携帯用枕21であってもよい。この場合、使用者Mの首M2の後側に対するフィット性を更に高めることができるので、一層良好な寝心地の提供に寄与する。
【0044】
図8(a)、図8(b)及び図9は、更なる変形例を示している。図8(a)に示されるように、くびれ部33bが中央部33に形成されており、被覆部材35が伸縮素材によって構成されている携帯用枕31であってもよい。この場合、延在方向D1への伸縮性が更に高い携帯用枕31とすることが可能となる。
【0045】
図8(b)に示されるように、弾性部材5を内包する中央部43を有し、弾性部材5が延在方向D1に出入りするスライド部5bを有する携帯用枕41であってもよい。携帯用枕41では、スライド部5bによって弾性部材5の延在方向D1への長さを調整可能とされている。従って、使用者Mの首M2のサイズ等に合うように携帯用枕41の延在方向D1の長さを調整できるので、更に使用性が高い携帯用枕41とされている。
【0046】
図9に示されるように、一対の両端部2を互いに連結する連結具52を備えた携帯用枕51であってもよい。連結具52は、例えば、バックルである。この連結具52を備える携帯用枕51によれば、携帯用枕51が使用者Mの首M2から外れる可能性をより低減させることができる。
【0047】
以上、変形例に係る携帯用枕について説明した。しかしながら、本開示に係る携帯用枕は、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲で更に変形することが可能である。例えば、前述では、弾性部材5が板状の樹脂バネである例について説明した。しかしながら、弾性部材は樹脂以外の材料によって構成されていてもよい。例えば、弾性部材は、硬質のウレタンゴム、又は固綿であってもよく、弾性部材の材料は適宜変更可能である。更に、前述の実施形態では、両端部2が中央部3よりも厚い携帯用枕1について説明した。しかしながら、両端部の厚さ及び高さと、中央部の厚さ及び高さとが延在方向D1に沿って一定とされた携帯用枕であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,21,31,41,51…携帯用枕、2…両端部、2A,2B…顎当て部、2b…傾斜面、2c…上面、2d…先端、2f…傾斜面、2g…下面、2h…領域、3,23,33,43…中央部、3b…上面、3c…下面、5…弾性部材、5b…スライド部、10,35…被覆部材、11…クッション材、12…カバー、13…糸、14…内側クッション材、33b…くびれ部、52…連結具、D1…延在方向、D2…上下方向、M…使用者、M1…骨、M2…首。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9