(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161466
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】紙製飲用ストロー
(51)【国際特許分類】
A47G 21/18 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A47G21/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066315
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】近藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】長 知明
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA13
3B115AA23
3B115BA18
3B115DA17
3B115EA04
(57)【要約】
【課題】 廃棄やリサイクルが容易に行えるとともに、未使用時にはコンパクトな状態で携帯、運搬、陳列等をすることができ、使用時には容易且つ確実に組み立てることができ、更には強度や形状など飲用ストローとしての機能を確保することができる紙製飲用ストローを得る。
【解決手段】 紙製飲用ストロー1を、紙基材から筒形状に形成された第1筒体2と、紙基材から筒形状に形成され、第1筒体2と開口端部2a,4a同士を突き合わせるようにして、連結手段3を介して分離可能に連結された第2筒体とから構成し、連結手段3を、第1筒体2の第2筒体4と突き合わせる開口端部2aに設けた、第2筒体4内に挿入されて着脱可能に嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部5とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材から筒形状に形成された第1筒体と、
紙基材から筒形状に形成され、前記第1筒体と開口端部同士を突き合わせるようにして、連結手段を介して分離可能に連結された第2筒体とからなり、
前記連結手段は、前記第1筒体の前記第2筒体と突き合わせる開口端部に設けられ、前記第2筒体内に挿入されて着脱可能に嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部からなることを特徴とする紙製飲用ストロー。
【請求項2】
前記第1筒体と前記第2筒体の内径は同径に形成されており、前記連結筒部の外径は前記第1筒体及び前記第2筒体の内径と同径に形成されており、前記連結筒部は前記第1筒体に挿入され固定される固定部と、前記第1筒体から突出し前記第2筒体に挿入され着脱可能に嵌合される嵌合部とからなることを特徴とする請求項1に記載の紙製飲用ストロー。
【請求項3】
前記連結筒部は、一端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径より小さく、他端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径よりも大きい円錐形状に形成された円錐形状部を有し、前記第1筒体の開口端部に前記連結筒部の他端開口端部が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の紙製飲用ストロー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器から液体食品等を飲用する際に用いられる紙製飲用ストローに関する。
【背景技術】
【0002】
飲用ストローは、コップなどの容器に入った液体食品等(以下飲料等という。)を吸引する用具として多用されている。従来、飲用ストローは、その殆どがプラスチックで製造されている。しかし、近年、プラスチック製品のゴミによる環境汚染といった問題が大きく取り上げられるに至り、かかる問題の解決手段の1つとして、プラスチックに代わる廃棄やリサイクルが容易に行える材料で製造された製品が様々な分野で求められている。
【0003】
飲用ストローもまた、プラスチックに代わる廃棄やリサイクルが容易に行える材料で製造されたものが求められており、このような飲用ストローとして紙製の飲用ストローが提案されている。
従来、紙製の飲用ストローとして、紙基材の両面にプラスチックフィルムを積層した耐水性を有する耐水紙を所定形状に裁断加工し、所定の形状となった裁断紙をそのまま丸めてストローの形状に成形し、接合端部を熱圧着して繋ぎ、筒状体としたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、飲料等を収容した飲用容器から容易に飲料等を吸飲することができるように、飲用容器の外面に取り外し可能に貼付するなど、飲用容器に飲用ストローを取り付けた状態で販売するといったことが広く行われている。
このような場合、飲用容器に取り付けられた飲用ストローは、取り付けられた飲用容器の外形を超えて突出すると携帯、搬送、陳列等の邪魔になるため望ましくない。しかし、飲用容器の外形を超えない長さにすると、飲用ストローの長さが不足して先端を飲用容器の底に届かせることが難しくなり、飲料等の飲み残しが発生する。また、先端が飲用容器の底に届いても、飲み口部分(ストローの飲用容器から出ている部分)が短く飲み難くなる。
また、飲用ストローを折り曲げることで、飲用ストローが容器からはみ出さないようにセットすることは可能だが、飲用ストローの折り曲げ箇所が塑性変形して飲用ストローの形状がいびつになったり、強度が低くなり容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムに突き刺して破断することができなくなったりするなど、飲料等の飲食に支障が生じるといった問題がある。
【0006】
本発明の目的は、廃棄やリサイクルを容易に行え、また、未使用時にはコンパクトな状態で携帯、搬送、陳列等をすることができ、使用時には容易且つ確実に組み立てることができ、更には飲用容器への取り付けに適した紙製飲用ストローを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、紙基材から筒形状に形成された第1筒体と、紙基材から筒形状に形成され、前記第1筒体と開口端部同士を突き合わせるようにして、連結手段を介して分離可能に連結された第2筒体とからなり、前記連結手段は、前記第1筒体の前記第2筒体と突き合わせる開口端部に設けられ、前記第2筒体内に挿入されて着脱可能に嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部からなることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、紙基材から筒形状に形成された第1筒体と、紙基材から筒形状に形成され、前記第1筒体と開口端部同士を突き合わせるようにして、連結手段を介して分離可能に連結された第2筒体とからなり、前記連結手段は、前記第1筒体の前記第2筒体と突き合わせる開口端部に設けられ、前記第2筒体内に挿入されて着脱可能に嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部からなるので、紙製飲用ストローを前記第1筒体と前記第2筒体を分離した状態で携帯、搬送、陳列等をすることができる。
また、使用時には前記連結手段である連結筒部を前記第1筒体に挿入して前記第1筒体と前記第2筒体を連結することにより、飲用ストローとして強度や形状に問題のない紙製飲用ストローを容易に組み立てることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記第1筒体と前記第2筒体の内径は同径に形成されており、前記連結筒部の外径は前記第1筒体及び前記第2筒体の内径と同径に形成されており、前記連結筒部は前記第1筒体に挿入され固定される固定部と、前記第1筒体から突出し前記第2筒体に挿入され着脱可能に嵌合される嵌合部とからなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1筒体と前記第2筒体の内径は同径に形成されており、前記連結筒部の外径は前記第1筒体及び前記第2筒体の内径と同径に形成されており、前記連結筒部は前記第1筒体に挿入され固定される固定部と、前記第1筒体から突出し前記第2筒体に挿入され着脱可能に嵌合される嵌合部とからなるので、前記連結筒部の前記嵌合部を前記第2筒体に挿入したときに、前記連結筒部の前記嵌合部の外面と前記第2筒体の内面とが当接し、前記連結筒部の前記嵌合部と前記第2筒体とが確実に嵌合して、前記第1筒体と前記第2筒体とを容易に連結することができる。また、使用時に前記第1筒体と前記第2筒体の連結が解除されるといった事態を防ぎ、安定した状態で紙製飲用ストローを使用することができる。
また、前記連結筒体の前記嵌合部を前記第2筒体に挿入すると、前記第2筒体の開口端部が前記連結筒体を固定する前記第1筒体の開口端部に当接するので、紙製飲用ストローの組み立て時や使用時に、紙製飲用ストローの長手方向の長さが前記第1筒体と前記第2筒体の長手方向の長さを足した長さより短くなることがなく、容器に収容された飲料等を吸い出すことができないといった事態を防ぐことができる。また、紙製飲用ストローの長手方向の圧力に対する剛性も確保することができるので、容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムを容易に破断することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の、前記連結筒部は、一端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径より小さく、他端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径よりも大きい円錐形状に形成された円錐形状部を有し、前記第1筒体の開口端部に前記連結筒部の他端開口端部が固定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記連結筒部は、一端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径より小さく、他端開口端部側の外径が前記第2筒体の内径よりも大きい円錐形状に形成された円錐形状部を有し、前記第1筒体の開口端部に前記連結筒部の他端開口端部が固定されているので、前記連結筒部の前記円錐形状部を前記第2筒体内へ押し込むように挿入することにより、前記第2筒体の内面と前記円錐形状部の外面とが圧接して、前記第1筒体と前記第2筒体とを確実に連結することができる。
また、前記円錐形状部の前記第2筒体への挿入は、前記円錐形状部の外径が前記第2筒体の内径を超えた位置で制限されるので、紙製飲用ストローの組み立て時や使用時に紙製飲用ストローの長さが短くなるといった事態を防ぐことができる。
また、紙製飲用ストローの長手方向の圧力に対する剛性も確保することができるので、容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムを容易に破断することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、廃棄やリサイクルが容易に行えるとともに、未使用時にはコンパクトな状態で携帯、運搬、陳列等をすることができ、使用時には容易且つ確実に組み立てることができ、更には強度や形状など飲用ストローとしての機能を確保することができる紙製飲用ストローを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る紙製飲用ストローの実施の形態の第1例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す紙製飲用ストローの第1筒体と第2筒体を分離した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す紙製飲用ストローの各構成の詳細を示す分解説明斜視図である。
【
図4】
図1に示す紙製飲用ストローの一部拡大縦断面説明図である。
【
図5】本発明に係る紙製飲料用ストローの実施の形態の第2例を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示す紙製飲用ストローの第1筒体と第2筒体を分離した状態を示す斜視図である。
【
図7】
図5に示す紙製飲用ストローの各構成の詳細を示す分解説明斜視図である。
【
図8】
図5に示す紙製飲用ストローの分解縦断面説明図である。
【
図9】
図5に示す紙製飲用ストローの一部拡大縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る紙製飲用ストローの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至
図4は本発明に係る紙製飲用ストローの実施の形態の第1例を示すものであり、
図1は本発明に係る紙製飲用ストローの実施の形態の第1例を示す斜視図、
図2は
図1に示す紙製飲用ストローの第1筒体と第2筒体を分離した状態を示す斜視図、
図3は
図1に示す紙製飲用ストローの各構成の詳細を示す分解説明斜視図、
図4は
図1に示す紙製飲用ストローの一部拡大縦断面説明図である。
【0016】
第1例の紙製飲用ストロー1は、
図1及び
図2に示すように紙基材から筒形状に形成された第1筒体2と、紙基材から筒形状に形成され、第1筒体2と、開口端部2a,4a同士を突き合わせるようにして、連結手段3を介して分離可能に連結された第2筒体4とから構成している。
また、連結手段3は、第1筒体2の第2筒体4と突き合わせる開口端部2aに設けられ、第2筒体4内に挿入されて嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部5となっている。
【0017】
第1筒体2、第2筒体4及び連結筒部5を形成する紙基材は、耐水性を有する紙製シートであれば特に限定されないが、廃棄やリサイクルを容易にするために、例えば、パラフィン、蜜蝋、柿渋、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、湿潤紙力剤等の耐水化剤を基紙に塗工、含浸、印刷或いは含有させてなり、プラスチックフィルム等の積層を有さないものが好適に使用される。また、スチレンアクリル酸エステル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、エチレン・アクリル系樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合物の金属塩等のヒートシール性(熱接着性)を有する樹脂を基紙に塗工、含浸、印刷或いは含有させてもよい。
【0018】
また、第1筒体2、第2筒体4及び連結筒部5の紙基材から筒形状への成形方法紙基材から筒形状を成形する公知の方法を使用することができ、例えば、心棒に複数枚の長尺の紙製シートを所定のピッチで一部重なり合うようにして巻き付けることにより筒形状を形成するスパイラル製法によっても良いし、矩形状の紙製シートの長手方向両端部を貼り合わせて筒形状を成形する方法によっても良い。
【0019】
第1筒体2と第2筒体4は、その内径が同径となるように形成している。第1筒体2と第2筒体4の外径については特に限定されるものではないが、第1例では同径となるように形成している。また、第1筒体2と第2筒体4の長手方向の長さも特に限定されないが、コンパクトな状態で携帯、運搬、陳列等をすることができるように、両者の長手方向の長さに極端な差が生じないことが好ましく、後述する連結筒部5を第1筒体2に固定した状態での長手方向の長さと、第2筒体の長手方向の長さがほぼ等しくなるように、第1筒体の長手方向の長さが、後述するところの連結筒部5を第1筒体から突出する嵌合部の長手方向の長さ分、第2筒体4の長手方向の長さよりも短いことがさらに好ましい。
また、第1例では、第1筒体2が紙製飲料ストロー1の吸い出し側部分となり、第2筒体4が紙製飲料ストロー1の吸い込み側部分となり、第2筒体4の吸い込み側の端部4bは、容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムを容易に破断できるように斜めにカットされている。
【0020】
連結筒部5は、その外径が第1筒体2及び第2筒体4の内径と同一となるように形成し、後述する第1筒体2への設置時に、第1筒体2に挿入され固定される固定部6と、後述する紙製飲用ストローの組み立て時に第2筒体4に挿入される嵌合部7とからなる。連結筒部5の内径については、ストローとして飲料等を吸い出すために支障のない径であれば特に限定されない。また、連結筒部5の長手方向の長さも特に限定されないが、第1例では、
図3に示すように、第1筒体2の長手方向の長さよりも嵌合部7の長さ分、第1筒体2よりも長く形成している。
【0021】
このように形成された連結筒部5は、固定部6を第1筒体2に挿入して固定することにより第1筒体2に設けられる。連結筒部5の固定部6の第1筒体2への固定は、紙製部材同士を固定する公知の方法から適宜選択して行うことができ、特に限定されないが、第1例では接着剤を使用し、固定部6の外面と第1筒体2の内面とを接着することにより行っている。接着に使用する接着剤にあっては、口に入っても健康に悪影響を与えるなどの問題がなく、また飲料等の風味に影響を与えない接着剤を使用する。また、スチレンアクリル酸エステル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、エチレン・アクリル系樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合物の金属塩等のヒートシール性を有する樹脂を基紙に塗工、含浸、印刷或いは含有させた紙基材を使用し、固定部6の外面と第1筒体2の内面とをヒートシール(熱接着)して接着してもよい。
【0022】
また、第1例の連結筒部5は、上述の通り長手方向の長さを第1筒体2よりも嵌合部7の長手方向の長さ分、長く形成しているので、連結筒部5の設置時に固定部6側の開口端部5bと第1筒体の吸い出し口側の開口端部2bとが揃うようになっている。このようにすると、第1筒体2内に連結筒部5の端面が顕れないので、飲料等が第1筒体2の内面と固定部6の当接面と直接接触することを防ぐことができ、接着剤が飲料等に溶け出すおそれを低くすることができる。
【0023】
第1例の紙製飲用ストロー1の組み立ては、
図4に示すように、上記のように構成した第1筒体2と第2筒体4を、連結筒体5の嵌合部7を第2筒体4に、第1筒体2の開口端部2aと第2筒体4の開口端部4aとが当接するまで挿入し嵌合させて、連結させることにより行う。このとき、第2筒体4の内径と連結筒部5の外径を同径に形成しているので、第2筒体4の内面と連結筒部5の嵌合部7の外面が当接して、第2筒体と嵌合部6とを確実に嵌合させることができ、第1筒体2と第2筒体4とを容易に連結することができる。また、紙製飲用ストロー1の使用時に前記第1筒体と前記第2筒体の連結が解除されるといった事態を防ぎ、安定した状態で紙製飲用ストロー1を使用することができる。
【0024】
また、第1筒体2の開口端部2aと第2筒体4の開口端部4aが当接しているので、紙製飲用ストロー1が長手方向の圧力を受けても、その長手方向の長さが第1筒体2と第2筒体4の長手方向の長さを足した長さよりも短くなるといった事態を防ぐことができるので、使用時に容器の底に紙製飲用ストロー1の先端が当接して紙製飲用ストロー1の長手方向の長さが短くなり、紙パックの底に残留する飲料等を吸い出すことができなくなるといった事態を防ぐことができる。
そして、紙製飲用ストロー1の長手方向の圧力を第1筒体2と第2筒体4とで受けることができ、長手方向の圧力に対する剛性も確保することができるので、紙製飲用ストロー1を組み立てた状態で、容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムを容易に破断することができる。
【0025】
このように構成した第1例の紙製飲用ストローによれば、紙基材から筒形状に形成された第1筒体2と、紙基材から筒形状に形成され、第1筒体2と、開口端部2a,4aを突き合わせるようにして、連結手段3を介して分離可能に連結された第2筒体4とから構成しているので、第1筒体2と第2筒体4とを分離したコンパクトな状態で携帯、運搬、陳列等をすることができる。また、容器にセットする場合もかさばらず、携帯、運搬や陳列の障害にならない。
【0026】
また、連結手段3は、第1筒体2の第2筒体4側の開口端部2aに設けられ、第2筒体4内に挿入され嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部5となっているので、使用時には前記連結手段である連結筒部を前記第1筒体に挿入して前記第1筒体と前記第2筒体を連結することにより、飲用ストローとして強度や形状に問題のない紙製飲用ストローを容易に組み立てることができる。
【0027】
図5乃至
図9は、本発明に係る紙製飲用ストローの実施の形態の第2例を示すものであり、
図5は本発明に係る紙製飲料用ストローの実施の形態の第2例を示す斜視図、
図6は
図4に示す紙製飲用ストローの第1筒体と第2筒体を分離した状態を示す斜視図、
図7は
図1に示す紙製飲用ストローの各構成の詳細を示す分解説明斜視図、
図8は
図5に示す紙製飲用ストローの分解縦断面説明図、
図9は
図5に示す紙製飲用ストローの一部拡大縦断面説明図である。
第2例の紙製飲用ストロー1について、第1例と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
【0028】
第2例の紙製飲用ストロー1は、第1例と同様に、
図4及び
図5に示すように紙基材から筒形状に形成された第1筒体2と、紙基材から筒形状に形成され、第1筒体2と、開口端部2a,4aを突き合わせるようにして、連結手段3を介して分離可能に連結された第2筒体4とから構成している。
また、連結手段3は、第1筒体2の第2筒体4側の開口端部2aに設けられ、第2筒体4内に挿入され嵌合する、紙基材から筒形状に形成された連結筒部5’となっている。
【0029】
第2例の第1筒体2と第2筒体4の外径と内径は、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。本例では、第1筒体2の外径を第2筒体4の外径よりも大径に形成し、第1筒体2の内径を第2筒体4の内径よりも大径に形成している。
【0030】
第2例の連結筒部5’は、一端開口端部5’a側の外径が第2筒体4の内径より小さく、他端開口端部5’b側の外径が第2筒体4の内径よりも大きい円錐形状に形成された円錐形状部8を有する。また、本例では他端開口端部5’bの外径が第1筒体2の内径よりもやや大径となる大径部11を備えるように形成している。
そして、このように形成された連結筒部5’は、他端開口端部5’bを第1筒体2の開口端部2aへ押し込み、大径部11を弾性変形させ、大径部11の外面と第1筒体2の開口端部2aの内面とを当接させて、その当接面を接着することにより、第1筒体2に固定している。
なお、連結筒部5’の第1筒体2への固定はこの方法に限られるものではなく、連結筒部5’の他端開口端部5’bを第1筒体2の開口端部2aに固定することができれば他の方法によってもよい。
【0031】
第2例の紙製飲用ストロー1の組み立ては、
図8,
図9に示すように、上記のように構成した第1筒体2と第2筒体4を、連結筒部5’の円錐形状部8を第2筒体4内へ押し込むように挿入して連結することにより行う。このとき、円錐形状部8は第2筒体4の内径と同径の外径となる位置P1を僅かに超えた位置P2まで挿入され、円錐形状部8の位置P1から位置P2までの嵌合面9及び嵌合面9と対向する第2筒体4の嵌合面10とが圧接されて嵌合し、第1筒体2と第2筒体4とがより確実に連結する。
また、円錐形状部8の挿入は、位置P2で制限される。
【0032】
また、円錐形状部8の第2筒体4への挿入は、円錐形状部8の外径が第2筒体4の内径を僅かに超えた位置P2で制限されるので、紙製飲用ストロー1の組み立て時や使用時に、紙製飲用ストロー1の長手方向の長さが第1筒体2と第2筒体4の長手方向の長さを足した長さより短くなることがなく、容器に収容された飲料等を吸い出すことができないといった事態を防ぐことができる。
また、紙製飲用ストロー1の長手方向の圧力に対する剛性も確保することができるので、容器に形成されたストロー口を被覆するフィルムを容易に破断することができる。
その他の構成及び効果は第1例と同様のため、説明を援用し省略する。
【符号の説明】
【0033】
1 紙製飲用ストロー
2 第1筒体
2a,2b 第1筒体の開口端部
3 連結手段
4 第2筒体
4a,4b 第2筒体の開口端部
5 第1例の連結筒部
5a,5b 第1例の連結筒部の開口端部
5’ 第2例の連結筒部
5’a,5’b 第2例の連結筒部の開口端部
6 固定部
7 嵌合部
8 円錐形状部
9,10 嵌合面
11 大径部
P1,P2 位置