(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161508
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】駐車スペース検知システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20221014BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20221014BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20221014BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01S7/02 216
G01S13/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066386
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 千絵
【テーマコード(参考)】
5H181
5J070
【Fターム(参考)】
5H181AA02
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC30
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF40
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL17
5J070AB24
5J070AC11
5J070AD05
5J070AD08
5J070AE07
5J070AF03
5J070AK01
(57)【要約】
【課題】傾斜している駐車スペースのパーキングブロックを正しく検知する「駐車スペース検知システム」を提供する。
【解決手段】画像認識処理部6は、カメラ4で撮影した画像から生成した俯瞰画像から駐車場の区画線を認識する。駐車スペース認識部7は、認識された区画線の方向より駐車スペースの傾斜を判定し、駐車スペースが、奥側が高くなるように傾斜している場合には、レーダ1の走査範囲を、当該走査範囲の最大俯角θdが、駐車スペースが平坦である場合よりも小さくなるように設定する(c)。そして、レーダ1を用いて、駐車スペースのパーキングブロックを検知する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載された、駐車スペースを検知する駐車スペース検知システムであって、
自動車に対して所定方向となる空間を走査する、前記走査の範囲が可変なレーダと、
前記レーダを用いて前記所定方向にある検知対象物を検知する検知手段と、
前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出する傾斜検出手段と、
前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、前記レーダの走査の範囲の最大俯角が、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が平坦であるときよりも小さくなるように、前記レーダの走査の範囲を変更する走査範囲変更手段とを有することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項2】
請求項1記載の駐車スペース検知システムであって、
前記走査範囲変更手段は、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、当該傾斜の角度が大きいほど、前記レーダの走査の範囲の最大俯角が小さくなるように、前記レーダの走査の範囲を変更することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項3】
請求項2記載の駐車スペース検知システムであって、
前記走査範囲変更手段は、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、当該傾斜の角度に応じて、前記所定方向の前記自動車から所定距離内の地面が前記走査の範囲から除外されるように前記レーダの走査の範囲を変更することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の駐車スペース検知システムであって、
少なくとも自動車に対して前記所定方向にある地面を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影した画像に写り込んだ駐車場の隣接する区画線を検出する区画線検出手段とを有し、
前記傾斜検出手段は、前記区画線検出手段が検出した隣接する区画線の方向に基づいて前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項5】
請求項4記載の駐車スペース検知システムであって、
前記区画線検出手段は、前記カメラで撮影した画像を俯瞰画像に変換し、変換した俯瞰画像中の区画線を検出し、
前記傾斜検出手段は、前記区画線検出手段が検出した隣接する区画線の前記俯瞰画像上での平行状態からのずれ角度に基づいて前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載の駐車スペース検知システムであって、
駐車スペースの配置を算定する駐車スペース位置算定手段を有し、
前記検知手段が検出する検知対象物はパーキングブロックであって、
前記駐車スペース位置算定手段は、前記検知手段が検出したパーキングブロックの位置に基づいて駐車スペースの配置を算定することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【請求項7】
請求項4または5記載の駐車スペース検知システムであって、
駐車スペースの配置を算定する駐車スペース位置算定手段を有し、
前記検知手段が検出する検知対象物はパーキングブロックであって、
前記駐車スペース位置算定手段は、前記区画線検出手段が検出した区画線の位置と前記検知手段が検出したパーキングブロックの位置とから駐車スペースの配置を算定することを特徴とする駐車スペース検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
駐車スペースを検知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
駐車スペースを検知する技術としては、自動車に搭載したカメラで撮影した画像から駐車場の区画線を検出し、検出した一対の区画線の振れ角度から、駐車スペースの傾斜角度を算定すると共に、検出した区画線と算定した傾斜角度に基づいて駐車スペースを検知する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、物体を検知する技術としては、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子を備えたアレイアンテナを用いたレーダにおいて、用途に応じて、レーダの指向性を電子的に制御する技術が知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-95627号公報
【特許文献2】特開2018-136219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
駐車スペースを精度よく検知するためには、パーキングブロックや障害物等の駐車スペース奥にある物体も考慮することが好ましい。そこで、駐車スペース奥にあるパーキングブロックや障害物等を検知対象物として、レーダを用いて、当該検知対象物を検出することが考えられる。しかし、レーダを用いる場合、水はけを考慮して駐車スペースに入口側が低くなる傾斜が設けられていると、レーダで観測される傾斜面による反射ノイズが多くなり、駐車スペース奥にある検知対象物を正しく検知できないことがある。
【0006】
そこで、レーダを用いて、入口側が低くなるように傾斜が設けられている駐車スペース奥にある検知対象物を正しく検知することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、自動車に搭載された、駐車スペースを検知する駐車スペース検知システムに、自動車に対して所定方向となる空間を走査する、前記走査の範囲が可変なレーダと、前記レーダを用いて前記所定方向にある検知対象物を検知する検知手段と、前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出する傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、前記レーダの走査の範囲の最大俯角が、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が平坦であるときよりも小さくなるように、前記レーダの走査の範囲を変更する走査範囲変更手段を備えたものである。
【0008】
ここで、この駐車スペース検知システムは、前記走査範囲変更手段において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、当該傾斜の角度が大きいほど、前記レーダの走査の範囲の最大俯角が小さくなるように、前記レーダの走査の範囲を変更するように構成してもよい。
【0009】
また、この場合には、前記走査範囲変更手段において、前記傾斜検出手段が検出した傾斜が駐車スペースの奥側が高くなる傾斜であるときに、当該傾斜の角度に応じて、前記所定方向の前記自動車から所定距離内の地面が前記走査の範囲から除外されるようしてよい。
【0010】
また、以上の駐車スペース検知システムは、当該駐車スペース検知システムに、少なくとも自動車に対して前記所定方向にある地面を撮影するカメラと、前記カメラで撮影した画像に写り込んだ駐車場の隣接する区画線を検出する区画線検出手段とを設け、前記傾斜検出手段においえ、前記区画線検出手段が検出した隣接する区画線の方向に基づいて前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出するように構成してもよい。
【0011】
また、この場合には、駐車スペース検知システムを、前記区画線検出手段において、前記カメラで撮影した画像を俯瞰画像に変換し、変換した俯瞰画像中の区画線を検出し、前記傾斜検出手段において、前記区画線検出手段が検出した隣接する区画線の前記俯瞰画像上での平行状態からのずれ角度に基づいて前記所定方向にある駐車スペースの傾斜を検出するように構成してもよい。
【0012】
また、以上の駐車スペース検知システムに、駐車スペースの配置を算定する駐車スペース位置算定手段を設け、前記検知手段が検出する検知対象物をパーキングブロックとし、前記駐車スペース位置算定手段において、前記検知手段が検出したパーキングブロックの位置に基づいて駐車スペースの配置を算定するようにしてもよい。
【0013】
また、駐車スペース検知システムに区画線検出手段を備えた場合には、駐車スペース検知システムに、駐車スペースの配置を算定する駐車スペース位置算定手段を設け、前記検知手段が検出する検知対象物をパーキングブロックとし、前記駐車スペース位置算定手段において、前記区画線検出手段が検出した区画線の位置と前記検知手段が検出したパーキングブロックの位置とから駐車スペースの配置を算定するようにしてもよい。
【0014】
以上のような駐車スペース検知システムによれば、駐車スペースが、奥側が高くなるように傾斜している場合には、レーダの走査の範囲を、走査の範囲の最大俯角が、駐車スペースが平坦である場合よりも小さくなるように設定する。
【0015】
したがって、駐車スペースが平坦である場合と同様に走査範囲に設定して検知対象物の検知を行う場合よりも、走査される傾斜面の領域は小さくなり傾斜面による反射ノイズの発生が抑制され、駐車スペース奥にある障害物やパーキングブロック等の検知対象物の検知を良好に行えるようになる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、レーダを用いて、入口側が低くなるように傾斜が設けられている駐車スペース奥にある検知対象物を正しく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る駐車支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るレーダとカメラの配置例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る駐車スペース検知処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る駐車スペース検知処理の処理例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る駐車スペース検知処理の処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に本実施形態に係る駐車支援システムの構成を示す。駐車支援システムは、自動車に搭載されるシステムであり、例えば、レーダ1、信号処理部2、物体検知部3、複数のカメラ4、俯瞰画像生成部5、画像認識処理部6、駐車スペース認識部7および駐車支援部8を備えている。
【0019】
レーダ1は、
図2aに示すように、自動車左側方向を、例えば、ミリ波を用いて走査する。ここで、レーダ1として、MIMOレーダ1やフェイズドアレイレーダ等の、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子を備えたアレイアンテナを備えた、電子的に指向性、走査範囲を制御可能なレーダを用いる。ただし、使われるレーダの変調方式、回路方式、送信周波数、アンテナ素子の種類、アンテナ素子の数を限定するものではない。また、自動車においてレーダが設置される位置とアンテナ素子の方向も問わない。自動車にレーダが複数設けられていてもよい。なお、本明細書では、自動車の運転席より正面視したときに左側となる方向を「自動車左側方向」と呼ぶものとする。
【0020】
また、カメラ4は、例えば、
図2bに示すように自動車の周囲の複数方向を撮影する。
図1の信号処理部2は、レーダ1の送信制御と信号処理を実行してレーダ1の走査範囲内の物体の分布を算出する。物体検知部3は、信号処理部2が算出した分布より検知対象とする物体を検知する。
【0021】
俯瞰画像生成部5は、各カメラ4で撮影した画像に画像処理を行い、自動車の周囲を自動車の上方から観察した画像に相当する俯瞰画像を生成する。画像処理の例としては、歪み補正、アフィン変換、合成等が挙げられるが、これらの処理に限定されるものではない。画像認識処理部6は、俯瞰画像生成部5が生成した俯瞰画像から、駐車場の区画線等の所定の種別の対象を認識する。
【0022】
次に、駐車スペース認識部7は、駐車スペース検知処理を行って、自動車左側方向にある駐車スペースを検知する。ここで、駐車スペース検知処理は、ユーザからの明示的な指示に応答して開始されるものであってもよいし、自動車が目的地として設定されている駐車場の右側まで進んだときに自動的に開始されるものであってもよい。
【0023】
図3に、この駐車スペース検知処理の手順を示す。はじめに、画像認識処理部6に、自動車左側方向にある駐車場の区画線の俯瞰画像からの認識を開始する(ステップ302)。区画線が認識されたならば(ステップ304)、当該区画線の方向から駐車スペースの傾斜の有無を判定する(ステップ306)。
【0024】
ここで、ステップ306の駐車スペースの傾斜の有無の判定は、以下のように行われる。例えば、
図4aのように自動車左側方向に駐車場がある場合に、
図4b1のように駐車スペースに傾斜がないのであれば、
図4b2に示すように隣接する区画線は平行な二つの区画線として俯瞰画像に表れる。
【0025】
一方、
図4c1のように駐車スペースに入口側から奥に向かって高くなる傾斜があっても、俯瞰画像は、自動車周辺に傾斜がないとの想定に基づいて生成される。このため、
図4c2に示すように俯瞰画像において隣接する区画線は、駐車スペースの奥に向かって間隔が広がる方向で描かれている。
【0026】
そこで、ステップ306では、画像認識処理部6が認識した隣接する区画線が互いに平行であるときには、駐車スペースに傾斜が無いと判定する。一方、画像認識処理部6が認識した隣接する区画線間の距離が駐車スペースの奥に向かって広がっていくのであれば駐車スペースの奥側に向かって上り傾斜が有ると判定する。すなわち、ステップ306では、画像認識処理部6が認識した隣接する区画線の方向に基づいて駐車スペースにおける傾斜を推定することができる。
【0027】
駐車スペースに傾斜が無いと判定した場合には(
図3のステップ306)、レーダ1や信号処理部2に、標準走査範囲をレーダ1の走査範囲とするよう設定する(ステップ308)。
【0028】
ここで、
図5aのように自動車左側方向に駐車場があり、当該駐車場が平坦であった場合について説明する。
図5bは、標準走査範囲の例を示している。標準走査範囲設定時の走査範囲の最大仰角θeを、レーダ1のアレイアンテナ設置高さよりも上方の範囲が走査範囲に含まれる角度とすることができる。また、標準走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdは、平坦地に自動車がいるときに、自動車左側方向の所定距離内の路面(例えば、普通自動車であれば自動車から左側方向に3m以内の路面)が走査範囲に含まれなくなる角度に設定することができる。
【0029】
標準走査範囲をレーダ1の走査範囲として設定したならば(
図3のステップ308)、物体検知部3に、自動車左側方向にあるパーキングブロック(車止め)の検知を開始させる(ステップ310)。
【0030】
物体検知部3が、信号処理部2が算出した物体の分布から自動車左側方向にあるパーキングブロックを検知したならば(ステップ312)、画像認識処理部6が認識した自動車左側方向の区画線の配置とパーキングブロックの配置から、区画線とパーキングブロックで規定される駐車スペースの位置および/または範囲を算定する(ステップ314)。
【0031】
そして、駐車スペース検知処理を終了する。一方、駐車スペースに傾斜が有ると判定した場合には(ステップ306)、レーダ1や信号処理部2に、俯角縮小走査範囲をレーダ1の走査範囲とするよう設定する(ステップ316)。そして、物体検知部3に、自動車左側方向にあるパーキングブロックの検知を開始させる(ステップ310)。
【0032】
図5cは、
図5aのように自動車左側方向に駐車場があり、当該駐車場の駐車スペースが入口側から奥に向かって高くなるように傾斜している場合における俯角縮小走査範囲を示している。俯角縮小走査範囲設定時の走査範囲の最大仰角θeを、標準走査範囲設定時の走査範囲の最大仰角θeと等しくすることができる。俯角縮小走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdは、標準走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdよりも小さく設定することができる。
【0033】
俯角縮小走査範囲は、俯角縮小走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdが固定値になるように設定してもよい。また、俯角縮小走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdが駐車スペースの傾斜角が大きくなるほど小さな角度となるように設定してもよい。
【0034】
画像認識処理部6が生成した俯瞰画像において、隣接する区画線の平行状態からのずれ角度に基づいて駐車スペースの傾斜角を推定することができる。例えば、駐車スペースに傾斜がない場合、俯瞰画像では隣接する区画線どうしが平行となる(
図4c1)。一方、駐車スペースに傾斜がある場合、俯瞰画像において隣接する区間線の平行状態からのずれ角度は0度より大きくなる(
図4c2)。駐車スペースの傾斜が大きくなるほど、隣接する区間線の平行状態からのずれ角度も大きくなる。
【0035】
俯角縮小走査範囲において最大俯角θdを固定値にしてもよい。この場合、自動車左側方向において自動車から離れるほど上り坂になる傾斜がある場合、自動車左側方向から所定距離内の路面が走査範囲から除かれるよう最大俯角θdの設定をしてもよい。例えば、普通自動車であれば自動車左側方向4m以内にある路面が除かれるよう、最大俯角θdを決めてもよい。ただし、走査範囲から除かれる路面の距離は4mとは異なる値であってもよい。また、俯角縮小走査範囲設定時の走査範囲の最大俯角θdを駐車スペースの傾斜角が大きくなるほど小さな角度となるように設定してもよい。
【0036】
物体検知部3が、信号処理部2が算出した物体の分布から自動車左側方向にあるパーキングブロックを検知したならば(
図3のステップ312)、画像認識処理部6が認識した自動車左側方向の区画線の配置とパーキングブロックの配置から、区画線とパーキングブロックで規定される駐車スペースの位置および/または範囲を算定し(ステップ314)、駐車スペース検知処理を終了する。
【0037】
以上、駐車スペース認識部7が行う駐車スペース検知処理について説明した。このように、駐車場の駐車スペースが入口側から奥側に向かって高くなるように傾斜している場合には、
図5cに示したように、最大俯角θdが、駐車スペースが平坦である場合より小さくなるようにレーダ1の走査範囲を設定して駐車スペースの奥側にあるパーキングブロックの検知を行ってもよい。
【0038】
上述の検知処理を行うと、駐車スペースが平坦である場合と同様の標準走査範囲を走査範囲に設定し、
図5dに示すように入口側から奥側に向かって高くなるように傾斜している駐車スペースのパーキングブロックの検知を行う場合と比べ、走査される傾斜面の領域が小さくなり反射ノイズが抑制される。このため、パーキングブロックの検知を高い精度で行うことができる。
【0039】
さて、
図1の駐車支援部8は、駐車スペース認識部7が認識した駐車スペースへの駐車を支援する支援処理を行う。ここで、支援処理は、駐車を容易にする各種の処理を含むものとする。支援処理の例としては、駐車スペース内の駐車位置までの自動運転、俯瞰画像上にガイドラインとして、駐車スペース内の駐車位置まで移動するための走行すべき走路を表した画像の表示などが挙げられる。ただし、支援処理はこれらとは異なる内容の処理を含んでいてもよい。
【0040】
なお、上述の実施形態では、自動車左側方向にある駐車スペースを検知する場合について示した。ただし、検知対象とする駐車スペースの方向を限定するものではない。上述の実施形態と同様の方法により、
図6a、b、cの例のようにレーダ1の走査範囲を自動車右側方向、自動車後方向または自動車前方向とし、該当する方向にある駐車スペースの検知を行うことができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲の限定することは意図していない、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1…レーダ、2…信号処理部、3…物体検知部、4…カメラ、5…俯瞰画像生成部、6…画像認識処理部、7…駐車スペース認識部、8…駐車支援部。