(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161509
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】流量調整ユニット、流体調整バルブ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/20 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A61M16/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066388
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000149479
【氏名又は名称】株式会社ダイトー
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】堤 陽介
(57)【要約】
【課題】長期間に亘って安定かつ高精度に流量調整が可能な流量調整ユニット等を提供する。
【解決手段】流量調整ユニット1は、第一主流路54と、第一主流路54から分岐される複数の第一分岐流路56と、複数の第一分岐流路56の少なくともいずれかと連通される第二流路12を有する。第一分岐流路56の第一分岐開口34Aを有する第一対向面32と、第二流路12の第二開口12Aを有する第二対向面14を面方向に相対移動させて、第一分岐流路56を選択する。第一分岐開口43Aの周囲又は第二開口12Aの周囲を取り囲むように第一対向面32又は第二対向面14にリング溝部16が凹設され、内部に、リング部材100が収容される。リング溝部16は、軸方向の最大溝深さをWm、最大外径と最小内径の差を二分した最大溝厚をFmとした場合に、Wm>Fmを満たしており、リング部材100は、軸方向の最大リング幅をWr、最大外径と最小内径の差を二分した最大リング厚をFrとした場合に、Wr>Frを満たすようにする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流量を調整する流量調整ユニットであって、
内部に第一主流路が形成される第一主流路形成部と、
前記第一主流路から分岐され、且つ、圧力損失が互いに異なる複数の第一分岐流路が内部に形成される第一分岐流路形成部と、
複数の前記第一分岐流路の少なくともいずれかと連通される第二流路が内部に形成される第二流路形成部と、
前記第一分岐流路形成部に設けられ、複数の前記第一分岐流路の開放端となる第一分岐開口を有する第一対向面と、
前記第二流路形成部に設けられ、前記第二流路の開放端となる第二開口を有すると共に、前記第一対向面と間隔を空けて対向する第二対向面と、
前記第一対向面と前記第二対向面を面方向に相対移動させることで、前記第二流路と連通される前記第一分岐流路を選択する相対移動機構と、
前記第一分岐開口の周囲又は前記第二開口の周囲を取り囲むように前記第一対向面又は前記第二対向面に凹設されるリング溝部と、
前記リング溝部に配置され、一部が前記リング溝から突出することで、相手側となる前記第一対向面又は前記第二対向面(以下、相手側対向面)と当接するリング部材と、を備え、
前記リング溝部は、
軸方向の最大溝深さをWm、最大外径と最小内径の差を二分した最大溝厚をFmとした場合に、Wm>Fmを満たしており、
前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材は、
軸方向の最大リング幅をWr、最大外径と最小内径の差を二分した最大リング厚をFrとした場合に、Wr>Frを満たすことを特徴とする、
流量調整ユニット。
【請求項2】
前記リング溝部における開口の外周縁と、前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材の間に隙間(以下、外周側隙間)が形成されることを特徴とする、
請求項1に記載の流量調整ユニット。
【請求項3】
前記リング溝部における開口の内周縁と、前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材の間に隙間(以下、内周側隙間)が形成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の流量調整ユニット。
【請求項4】
前記リング溝部の軸方向の開口側を軸方向手前側、底面側を軸方向奥側と定義する際に、
前記外周側隙間及び/又は前記内周側隙間は、前記外周縁又は前記内周縁から軸方向奥側に向かって、最大溝深さWmの10%以上に亘って延びることを特徴とする、
請求項2又は3に記載の流量調整ユニット。
【請求項5】
前記外周側隙間又は前記内周側隙間は、最大溝厚Fmの5%以上となることを特徴とする、
請求項2又は3に記載の流量調整ユニット。
【請求項6】
前記リング溝部の軸方向の開放端側を軸方向手前側、軸方向の底面側を軸方向奥側と定義し、前記リング部材の中心軸に沿った断面をリング断面と定義する際に、
前記リング断面は、前記軸方向手前側に凸形状となる手前側凸領域を有しており、
前記手前側凸領域は、曲率半径がFm/2未満となる湾曲部分を含むことを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載の流量調整ユニット。
【請求項7】
前記リング部材の径方向且つ軸方向に沿う断面をリング断面と定義する際に、
前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凹形状となる外側凹領域を有することを特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載の流量調整ユニット。
【請求項8】
前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凸形状となる外側凸領域を有しており、
前記外側凸領域の両脇に、前記外側凹領域がそれぞれ形成されることを特徴とする、
請求項8に記載の流量調整ユニット。
【請求項9】
前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凸形状となる外側凸領域を複数有しており、
複数の前記外側凸領域の間に、前記外側凹領域が形成されることを特徴とする、
請求項8に記載の流量調整ユニット。
【請求項10】
前記リング部材の径方向且つ軸方向に沿う断面をリング断面と定義する際に、
前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凹形状となる内側凹領域を有することを特徴とする、
請求項1~11のいずれか一項に記載の流量調整ユニット。
【請求項11】
前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凸形状となる内側凸領域を有しており、
前記内側凸領域の両脇に、前記外側凹領域がそれぞれ形成されることを特徴とする、
請求項12に記載の流量調整ユニット。
【請求項12】
前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凸形状となる内側凸領域を複数有しており、
複数の前記内側凸領域の間に、前記内側凹領域が形成されることを特徴とする、
請求項12に記載の流量調整ユニット。
【請求項13】
前記内側凸領域は、曲率半径がWr/2以下となる湾曲部分を含むことを特徴とする、
請求項13又は14に記載の流量調整ユニット。
【請求項14】
前記内側凸領域は、曲率半径がFr以下となる湾曲部分を含むことを特徴とする、
請求項13又は14に記載の流量調整ユニット。
【請求項15】
流体の流れを調整する流体調整バルブであって、
前記流体の圧力を調整する圧力調整ユニットと、
前記圧力調整ユニットによって調圧される前記流体が案内される、請求項1~16のいずれかに記載の流量調整ユニットと、
を備えることを特徴とする流体調整バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば 酸素ボンベ等の流体供給源に接続して使用されて、流体の流量を調整する流量調整ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、在宅酸素療法等において使用される酸素ボンベには、酸素ガスの流量や圧力を調整する流体調整バルブが接続される。この流体調整バルブには、圧力調整ユニットや流量調整ユニットが内蔵されており、酸素ガスの圧力や流量を調整可能とする。流体調整バルブには、酸素等のガスを連続的に供給する連続供給式のバルブと、ガスを使用者の呼吸に同調させながら供給する呼吸同調式のバルブが存在する。
【0003】
特許文献1に示すように、流体調整バルブに内蔵される流量調整ユニットは、流量を調整する流量調整板を備える。この流量調整板には、互いに内径(圧力損失)の異なる複数の通過孔(オリフィス穴)が周方向に並んで形成される。この流量調整板は、流路を形成する流路形成面に対してスプリングの付勢力によって圧接される。流路形成面には固定側の流路孔が形成される。流量調整板をツマミで回転操作すると、固定側の流路孔と特定のオリフィス穴が対向して連通されるので、流量が選択的に決定される。
【0004】
流路形成面には、固定側の流路孔を取り囲むように環状溝(リング溝)が形成されており、この環状溝にOリングが保持される。上述のスプリングの付勢によって、Oリングが押しつぶされる結果、固定側の流路とオリフィス穴の間の隙間が高気密空間となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
流量調整ユニットでは、流量を調整する都度、Oリングと流量調整板が摺動する。この際、流量調整板にはオリフィス穴が形成されていることから、弾性変形するOリングとオリフィス穴がひっかかり易い。Oリングと流量調整板の摺動によって、Oリングが弾性変形すると、環状溝からOリングが飛び出して、流量調整板と流路形成面の間に入り込んでしまう。Oリングの表面に傷が形成されることで、Oリングによる気密性が低下し、流量調整の精度が悪化する。
【0007】
更に、Oリングが環状溝から完全に飛び出してしまうと、元の位置(リング溝)に戻ることが出来ない。結果、流量調整が完全に機能しなくなる。従って、Oリングを交換しなければならない。
【0008】
一方、この問題を抑制する為に、Oリングに対する押圧力(スプリングの付勢)を弱めてしまうと、Oリングによる気密性が低下しやすい。特に、高圧流体の流量を調整する際の精度が悪化しやすい。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、長期間に亘って安定かつ高精度に流量調整が可能な流量調整ユニット等を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明は、流体の流量を調整する流量調整ユニットであって、内部に第一主流路が形成される第一主流路形成部と、前記第一主流路から分岐され、且つ、圧力損失が互いに異なる複数の第一分岐流路が内部に形成される第一分岐流路形成部と、複数の前記第一分岐流路の少なくともいずれかと連通される第二流路が内部に形成される第二流路形成部と、前記第一分岐流路形成部に設けられ、複数の前記第一分岐流路の開放端となる第一分岐開口を有する第一対向面と、前記第二流路形成部に設けられ、前記第二流路の開放端となる第二開口を有すると共に、前記第一対向面と間隔を空けて対向する第二対向面と、前記第一対向面と前記第二対向面を面方向に相対移動させることで、前記第二流路と連通される前記第一分岐流路を選択する相対移動機構と、前記第一分岐開口の周囲又は前記第二開口の周囲を取り囲むように前記第一対向面又は前記第二対向面に凹設されるリング溝部と、前記リング溝部に配置され、一部が前記リング溝から突出することで、相手側となる前記第一対向面又は前記第二対向面(以下、相手側対向面)と当接するリング部材と、を備え、前記リング溝部は、軸方向の最大溝深さをWm、最大外径と最小内径の差を二分した最大溝厚をFmとした場合に、Wm>Fmを満たしており、前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材は、軸方向の最大リング幅をWr、最大外径と最小内径の差を二分した最大リング厚をFrとした場合に、Wr>Frを満たすことを特徴とする、流量調整ユニットである。
【0011】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング溝部における開口の外周縁と、前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材の間に隙間(以下、外周側隙間)が形成されることを特徴としても良い。
【0012】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング溝部における開口の内周縁と、前記リング溝部内で軸方向外力を受ける前の前記リング部材の間に隙間(以下、内周側隙間)が形成されることを特徴としても良い。
【0013】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング溝部の軸方向の開口側を軸方向手前側、底面側を軸方向奥側と定義する際に、前記外周側隙間及び/又は前記内周側隙間は、前記外周縁又は前記内周縁から軸方向奥側に向かって、最大溝深さWmの10%以上に亘って延びることを特徴としても良い。
【0014】
上記流量調整ユニットに関連して、前記外周側隙間又は前記内周側隙間は、最大溝厚Fmの5%以上となることを特徴としても良い。
【0015】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング溝部の軸方向の開放端側を軸方向手前側、軸方向の底面側を軸方向奥側と定義し、前記リング部材の中心軸に沿った断面をリング断面と定義する際に、前記リング断面は、前記軸方向手前側に凸形状となる手前側凸領域を有しており、前記手前側凸領域は、曲率半径がFm/2未満となる湾曲部分を含むことを特徴としても良い。
【0016】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング部材の径方向且つ軸方向に沿う断面をリング断面と定義する際に、前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凹形状となる外側凹領域を有することを特徴としても良い。
【0017】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凸形状となる外側凸領域を有しており、前記外側凸領域の両脇に、前記外側凹領域がそれぞれ形成されることを特徴としても良い。
【0018】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング断面の前記リング溝部の外側壁と対向する範囲に、凸形状となる外側凸領域を複数有しており、複数の前記外側凸領域の間に、前記外側凹領域が形成されることを特徴としても良い。
【0019】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング部材の径方向且つ軸方向に沿う断面をリング断面と定義する際に、前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凹形状となる内側凹領域を有することを特徴としても良い。
【0020】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凸形状となる内側凸領域を有しており、前記内側凸領域の両脇に、前記外側凹領域がそれぞれ形成されることを特徴としても良い。
【0021】
上記流量調整ユニットに関連して、前記リング断面の前記リング溝部の内側壁と対向する範囲に、凸形状となる内側凸領域を複数有しており、複数の前記内側凸領域の間に、前記内側凹領域が形成されることを特徴としても良い。
【0022】
上記流量調整ユニットに関連して、前記内側凸領域は、曲率半径がWr/2以下となる湾曲部分を含むことを特徴としても良い。
【0023】
上記流量調整ユニットに関連して、前記内側凸領域は、曲率半径がFr以下となる湾曲部分を含むことを特徴としても良い。
【0024】
上記目的を達成する本発明は、流体の流れを調整する流体調整バルブであって、流体の圧力を調整する圧力調整ユニットと、前記圧力調整ユニットによって調圧される前記流体が案内される、上記のいずれかに記載の流量調整ユニットと、を備えることを特徴とする流体調整バルブである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、長期間に亘って安定かつ高精度に流量調整が可能な流量調整ユニット等を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】(A)は、本発明の第一実施形態に係る流量調整ユニットの全体構成を示す断面図であり、(B)は同流量調整ユニットのハンドル端面カバーに示される流量案内表示態様を示す図である。
【
図2】同流量調整ユニットの一部の部品を分解した状態を示す斜視図である。
【
図3】同流量調整ユニットの一部を拡大して示す断面図である。
【
図4】同流量調整ユニットの一部を拡大して示す断面図である。
【
図5】(A)は同流量調整ユニットのリング部材単体の平面図であり、(B)及び(C)は、(A)のII-II矢視断面図である。
【
図6】同流量調整ユニットのリング溝部及びリング部材の近傍をリング径方向から視た拡大断面図である。
【
図7】(A)は同流量調整ユニットのリング部材の近傍を軸方向から視た拡大平面図であり、(B)は同リング部材を径方向から視た拡大断面図である。
【
図8】(A)~(C)は、従来の流量調整ユニットのリング部材の近傍を径方向から視た拡大断面図である。
【
図9】(A)は同流量調整ユニットの第一変形例に係るリング部材単体の平面図であり、(B)は(A)のII-II矢視断面図であり、(C)は同リング部材を採用した流量調整ユニットをリング径方向から視た拡大断面図である。
【
図10】(A)は同流量調整ユニットの第二変形例に係るリング部材単体の平面図であり、(B)は(A)のII-II矢視断面図であり、(C)は同リング部材を採用した流量調整ユニットをリング径方向から視た拡大断面図である。
【
図11】第三変形例に係る流量調整ユニットの全体断面図である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係る流体調整バルブについて、(A)はボンベの残圧表示態様を示す図であり、(B)は同流体調整バルブの側面図である。
【
図13】(A)は同流体調整バルブの平面部分断面図であり、(B)は同流体調整バルブの正面図である。
【
図14】本実施形態の流量調整ユニットの変形例を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】
<第一実施形態(流量調整ユニット)>
図1に、本発明の第一実施形態に係る流量調整ユニット1の全体構成を示す。なお、ここでは、流量調整ユニット1が流体としての気体(例えば酸素ガス)の流量を調整する場合を例示するが、液体の流量を調整しても良い。
【0029】
流量調整ユニット1は、本体部10と、本体部10に回動自在に軸支される主軸60と、主軸60の一方の端部近傍に一体的に形成される流量調整板30と、主軸60の他方の端部近傍に相対回転不能に連結されるハンドル40と、流量調整板30を取り囲むようにして本体部10に固定される流路形成体50を備える。なお、説明の便宜上、主軸60の軸方向Eを基準として、図中のハンドル40側(図中左側)を軸方向奥側、図中の流路形成体50側(図中右側)を軸方向手前側と称する場合がある。
【0030】
<本体部>
本体部10は、円柱状の部材となっており、主軸60を収容する主軸孔11が内部に形成される。更に、本体部10には、気体が流れる第二流路12が形成される。主軸60の軸方向Eを基準として、本体部10の軸方向Eの手前端には、流量調整板30の第一対向面32と対向する第二対向面14が形成される。第二流路12の一方の端となる第二開口12Aは第二対向面14に形成される。第二流路12の他方の開放端12Bは本体部10の側面に到達する。この開放端12Bには、継手70が接続されている。
【0031】
図2に拡大して示すように、第二対向面14には、第二開口12Aを取り囲む環状溝となるリング溝部16が凹設される。リング溝部16にはリング部材100が収容される。また、第二対向面14には、複数(ここでは2個)の補助リング溝部26が凹設される。補助リング溝部26の各々には、第一補助リング部材27及び第二補助リング部材28が収容される。リング溝部16及び補助リング溝部26の軸方向Jは、本体部10の軸方向Eと平行となる。リング溝部16及び補助リング溝部26は、周方向に等間隔で配置される。本実施形態では、リング溝部16が1つ形成され、補助リング溝部26が2つ形成されるので、合計3のリング溝が周方向に120度間隔で配置される。リング部材100は、第二対向面14に押圧されることで流路の気密を高める役割を担う。補助リング溝部26内に配置される第一補助リング部材27及び第二補助リング部材28は、リング部材100から第二対向面14が受ける外力を、周方向に均質化する役割を担う。従って、第二補助リング部材28は、流体のシール機能は要求されないので、補助リング溝部26から離脱し難い断面形状(例えば矩形状)とする。また、摺動抵抗を抑制するため、第二補助リング部材28は、摩擦力の低い材料を選定するか、または、テフロン(登録商標)加工のように表面摩擦力を低下させる表面処理を施した材料を選定することが好ましい。所望の反発力を生じさせるために、第一補助リング部材27及び第二補助リング部材28の少なくともいずれかは、ゴム等の弾性材料を選定する。
【0032】
図1に戻って、本体部10の主軸孔11の内周面には、周方向に延びるシール溝11Aが形成される。このシール溝11Aには、シールリング24が収容されており、このシールリング24が主軸60に圧接されることで、後述する第一主流路54が高気密空間となる。同様に、本体部10の外周面には、周方向に延びるシール溝13が形成される。このシール溝13にはシールリング25が収容されており、このシールリング25が流路形成体50の内周面に圧接されることで、第一主流路54が高気密空間となる。
【0033】
<主軸、流量調整板、ハンドル>
主軸60は軸方向Eに延びる棒状部材となる。主軸60の一方の端部近傍に流量調整板30が一体形成される。主軸60の他方側は、本体部10から突出しており、その端部近傍に雄ねじ部64が形成される。雄ねじ部64側にハンドル40が挿入される。雄ねじ部64と螺合する雌ねじ体66によって、その内部に挿入されるハンドル40が抜けないようなっている。なお、ハンドル40と本体部10の間には、リング状のスペーサ49が介在しており、両者が相対回転可能となっている。
【0034】
ハンドル40の中央には、軸方向に延びる貫通孔42が形成されており、この貫通孔42に主軸60が挿入される。主軸60の軸方向Eの奥側には、キー溝又はDカット等の断面異形の係合部62が形成される。ハンドル40の貫通孔42は、係合領域43と受圧領域44を有する。係合領域43は断面非正円の孔となっており、主軸60の係合部62と周方向に係合する。受圧領域44は係合領域43の軸方向E奥側に隣接しており、係合領域43よりも受圧領域44の内径が大きくなることで、その境界に段差44Aが形成される。受圧領域44と主軸60の間には隙間が形成されており、この隙間にスプリング46が収容される。雌ねじ体66は、スペーサ48を介してスプリング46を押圧してこのスプリング46を収縮させる。スプリング46の復元力の一方は、段差44A(ハンドル40)に伝達され、更にスペーサ49を経由して本体部10に伝わる。スプリング46の復元力の他方は、スペーサ48を介して雌ねじ体66に伝達され、更に、主軸60を経由して流量調整板30に伝わる。つまり、スプリング46の復元力は、第一対向面32と第二対向面14を接近させる外力となる。主軸60の他方の端には、ハンドル端面カバー68が固定されており、
図1(B)に示すように、ハンドル40の回転角度によって流量が増減する趣旨の案内が表示される。
【0035】
図2に示すように、流量調整板30は円盤形状となる。流量調整板30における第一対向面32と反対側の裏面36には、周方向に環状に延びる凹部が形成される。この凹部は気体が流れる環状流路36Aとなる。なお、この環状流路36Aも第一主流路54の一部となる。この環状流路36Aの凹部底面には、第一対向面32まで貫通する流量調整孔34が周方向に複数形成される。複数の流量調整孔34の内径が互いに異なっており、周方向の並び順に段階的に内径が増大する。つまり、複数の流量調整孔34は、圧力損失レベルが互いに異なるように設定される。各々の流量調整孔34は、第一主流路54から分岐形成される第一分岐流路56を構成する。
【0036】
図4に拡大して示すように、流量調整孔34(第一分岐流路56)は、第一対向面32において第一分岐開口34Aを有する。複数の流量調整孔34の中のいずれかの第一分岐開口34Aを、第二流路12の第二開口12Aに対向させることで、第一分岐流路56と第二流路12が連通される。流量調整板30の第一対向面32と、本体部10の第二対向面14は、スプリング46の復元力によって接近しようとするが、リング溝部16に収容されるリング部材100の一部が突出している結果、第一対向面32と第二対向面14に隙間が形成される。リング溝部16内のリング部材100は、第一対向面32とリング溝部16の底面によって軸方向に収縮される。リング部材100は、互いに対向する第一対向面32と第二対向面14の隙間を高い気密性で取り囲む。結果、流量調整孔34(第一分岐流路56)と第二流路12を繋ぐ連通空間190が形成される。
【0037】
なお、
図3に示すように、補助リング溝部26の各々に配置される第二補助リング部材28の一部も、補助リング溝部26から突出する。結果、補助リング溝部26内の第一補助リング部材27及び第二補助リング部材28も、スプリング46の復元力によって第一対向面32と補助リング溝部26の底面によって軸方向に押しつぶされた状態となる。
【0038】
<流路形成体>
図1に戻って、流路形成体50は、流量調整板30を取り囲む有底筒形状の部材であって、その内部空間が第一主流路54を形成する。具体的に、流路形成体50の筒内に本体部10の軸方向Eの手前側の一部が挿入される。本体部10の外周面には部分的に拡径するフランジ状のストッパ15Aが形成されており、流路形成体50の端面が当接することで相対位置が決定される。本体部10には、ストッパ15Aの軸方向奥側面と係合するように、リング状の袋ナット15Bが配置される。袋ナット15Bの雌ねじ部分が、流路形成体50の外周に形成される雄ねじ部分と螺合することで、本体部10の軸方向E手前側に流路形成体50が固定される。本体部10の外周面に保持されるシールリング25が、流路形成体50の内周面に圧接される。結果、流路形成体50の内部と、本体部10の第二対向面14によって取り囲まれる空間が、高気密な第一主流路54となる。
【0039】
<流路を形成する部材概念説明>
次に
図1を参照して、流路を形成する部材の概念について説明する。第一主流路54は、流路形成体50、本体部10、流量調整板30等によって取り囲まれた気密空間によって形成される。つまり、これらの部材が第一流路形成部となる。第一主流路54から分岐される複数の第一分岐流路56は、流量調整板30の複数の流量調整孔34によって形成される。つまり、流量調整板30の複数の流量調整孔34が第一分岐流路形成部となる。第二流路12は本体部10の内部に形成される。つまり、本体部10が第二流路形成部となる。
【0040】
流量調整板30の第一対向面32と本体部10の第二対向面14は、本体部10に保持される主軸60をハンドル40で回動させることで相対移動する。これにより、第二流路12と連通される第一分岐流路56(流量調整孔34)が選択される。つまり、本体部10に保持される主軸60及びハンドル40が、第一対向面32と第二対向面14の相対移動機構として機能する。なお、ここでは回転運動によって相対移動させる構造を例示するが、直線往復運動によって第一対向面32と第二対向面14を相対移動させることもできる。
【0041】
<リング溝部の詳細>
図6(C)に拡大して示すように、リング溝部16の軸方向Jの最大溝深さをWm、リング溝部16の最大外径Kmaxと最小内径Kminの差を二分した最大溝厚をFmとした場合に、リング溝部16はWm>Fmを満たす。つまり、中心軸に沿った切断面(溝断面)のリング溝部16の断面形状は、軸方向Jが長手となり、径方向が短手となる長方形となる。
【0042】
<リング部材の形状の詳細>
図5(A)(B)に拡大して示すように、リング部材100は、軸方向Jの最大リング幅をWr、最大外径Rmaxと最小内径Rminの差を二分した最大リング厚をFrとした場合に、Wr>Frを満たす。つまり、
図5(B)の通り、中心軸に沿った切断面(リング断面)の断面形状は、軸方向Jが長手となり、径方向が短手となる非正円形状となる。なお、
図5(A)(B)での形状説明は、リング溝部16に収納される前のリング部材100単体を基準としている。つまり、リング部材100の形状は、軸方向や径方向の外力を受けていない開放状態を基準としている。
【0043】
ちなみに、リング部材100の最小内径Rminは、リング溝部16の最小内径Kminよりも小さい。これは、いわゆる締め代となっており、リング部材100を拡径させながらリング溝部16に収納することで、内周側の気密性を高めている。この締め代(Kmin-Rmin)は、Kminの3%以上が好ましく、望ましくは5%以上とする。
【0044】
図6に示すリング溝部16に収容され得るリング部材100の姿勢を基準に考えた場合、
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング断面において軸方向J手前側に凸形状となる手前側凸領域110を有する。この手前側凸領域110は、曲率半径がFm/2未満となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含むようになっている。
【0045】
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング断面において軸方向J奥側に凸形状となる奥側凸領域140を有する。この奥側凸領域140は、曲率半径がFm/2未満となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含むようになっている。
【0046】
また
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲(
図6参照)内に、リング断面において半径方向外側に凸形状となる外側凸領域120を有する。この外側凸領域120の最小曲率半径は、手前側凸領域110の最小曲率半径よりも大きく、及び/又は、内側凸領域130(後述)の最小曲率半径よりも大きく設定される。
【0047】
更に
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲(
図6参照)内に、リング断面において半径方向内側に凸形状となる内側凸領域130を有する。内側凸領域130は、曲率半径がWr/2以下となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含み、好ましくは曲率半径がFr以下となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含み、更に望ましくは、曲率半径がFr/2以下となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含む。なお、この内側凸領域130の最小曲率半径は、手前側凸領域110の最小曲率半径よりも小さく、及び/又は、外側凸領域120の最小曲率半径よりも小さく設定される。
【0048】
更にまた、
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲(
図6参照)に、リング断面において凹形状となる外側凹領域125を有する。この外側凹領域125は、リング断面の輪郭を波形としてとらえた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。
図5(B)の2つのリング断面における右側断面において、X-Y座標平面にリング断面を一致させ、その輪郭線の傾斜角が時計回りに減少する範囲を凸と定義した際に、外側凹領域125は、同時計回りで輪郭線の傾斜角が増大する範囲を含む。本実施形態では、輪郭が傾斜角増大方向にV字状に屈曲する変曲点がその範囲となるが、徐々に傾斜角が増大するような凹状湾曲範囲としても良い。この際、傾斜角の変化が零となる場所が、凸領域と凹領域の境界となる。また、例えば、外側凹領域125は、外側凸領域120や手前側凸領域110を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線120Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、外側凸領域120の軸方向Jの両側に隣接して、一対の外側凹領域125が形成される。
【0049】
また更に、
図5(B)の開放状態のリング部材100は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲(
図6参照)に、リング断面において凹形状となる内側凹領域135を有する。この内側凹領域135は、リング断面の輪郭を波形としてとらえた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。
図5(B)の2つのリング断面における右側断面において、X-Y座標平面にリング断面を一致させ、輪郭線の傾斜角が時計回りに増大する範囲を凸と定義した際に、内側凹領域135は、同時計回りで輪郭線の傾斜角が減少する範囲を含む。本実施形態では、輪郭が傾斜角減少方向にV字状に屈曲する変曲点がその範囲となるが、徐々に傾斜角が減少するような凹状湾曲範囲としても良い。この際、傾斜角の変化が零となる場所が、凸領域と凹領域の境界となる。また、例えば、内側凹領域135は、内側凸領域130や手前側凸領域110を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線130Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、内側凸領域130の軸方向Jの両側に隣接して、一対の内側凹領域135が形成される。
【0050】
また、
図5(B)の開放状態のリング部材100において、リング断面における手前側凸領域110の径方向(図中X軸方向)の最大厚みF2rは、リング溝部16の最大溝厚をFmよりも小さい。より詳細に、手前側凸領域110を起点として、外側凸領域120及び内側凸領域130に到達するまでの範囲の径方向(図中X軸方向)の最大厚みF2rは、リング溝部16の最大溝厚をFmよりも小さい。同最大厚みF2rは、Fmの80%以下が望ましく、より望ましくは70%以下とする。本実施形態では67%に設定される。
【0051】
なお、
図5(B)において、リング部材100の最大リング幅をWrの中央を通り、軸方向Jと垂直となる中央線Mを基準に考えると、リング断面は、中央線Mを基線に線対称形状となる。つまり、リング部材100を反転させると、手前側凸領域110が奥側凸領域140となり、奥側凸領域140が手前側凸領域110となる。リング部材100のリング溝部16への挿入方向の制約が無くなるので、組付けミスを低減できる。
【0052】
図5(C)を参照して、リング溝部16にリング部材100を収容した態様において、リング溝部16とリング部材100の関係性を説明する。なお、この状態においても、リング部材100に軸方向の外力(押しつぶされる外力)を受けていない状態を基準とする。
【0053】
リング溝部16における開口の外周縁16Aとリング部材100の間には、隙間(以下、外周側隙間)150Aが形成される。外周側隙間150Aの径方向距離Saは、最大溝幅Fmの5%以上に設定され、望ましくはFmの10%以上に設定される。この外周側隙間150Aは、外周縁16Aを起点に、軸方向Jの奥側に広がるが、その最大距離Laは、最大溝深さをWmの20%以上に設定され、望ましくは30%以上に設定される。
【0054】
更にリング溝部16における開口の内周縁16Bとリング部材100の間には、隙間(以下、内周側隙間)150Bが形成される。内周側隙間150Bの径方向距離Sbは、最大溝幅Fmの5%以上に設定され、望ましくはFmの10%以上に設定される。この内周側隙間150Bは、内周縁16Bを起点に、軸方向Jの奥側に広がるが、その最大距離Lbは、最大溝深さをWmの20%以上に設定され、望ましくは30%以上に設定される。
【0055】
<リング溝部とリング部材の作用説明>
図6に、リング溝部16にリング部材100を収容し、流量調整板30をリング部材100の手前側凸領域110に圧接させた態様を示す。この状態では、リング部材100が軸方向に押しつぶされて収縮している。
【0056】
図6(A)に示すように、リング部材100の手前側凸領域110は、流量調整板30に圧接される。手前側凸領域110は、曲率半径がFm/2未満となる凸端近傍に含むことから、流量調整板30と手前側凸領域110のリング状の接触面積が小さくなり、面圧が大きくなる。結果、流体のシール特性が高められている。
【0057】
リング部材100の内側凸領域130は、締め代(Kmin-Rmin)によって、リング溝部16の内側壁16Dに圧接される。内側凸領域130の最小曲率半径が小さく設定されているので、内側壁16Dと内側凸領域130の接触面積が小さくなり、面圧が大きくなる。結果、流体のシール特性が高められている。
【0058】
手前側凸領域110と内側凸領域130によって、流量調整板30の第一対向面32と本体部10の第二対向面14の間の隙間を高気密で取り囲むことになり、第一分岐流路56と第二流路12を繋ぐ連通空間190が形成される。
【0059】
第一主流路54側の高圧気体は、矢印Aに示すように、流量調整板30の周囲を経由して、リング溝部16の外側壁16C及び底面16Eに入り込み、底面16E側から内側壁16Dに到達する。一方で、第一主流路54側の高圧気体は、矢印Bに示すように、流量調整孔34(第一分岐流路56)のオリフィスによって圧力損失が生じて減圧され、連通空間190及び第二流路12に流れ込む。連通空間190と第一主流路54の境界となる手前側凸領域110と内側凸領域130には、圧力差が生じるが、流体のシール特性が良好であるため、気体の相互移動が抑制される。結果、流量調整孔34による高精度な流量調整機能を発揮できる。なお、ここでは第一主流路54側が高圧で、第二流路12側が低圧となる場合を例示しているが、反対にすることもできる。つまり、第二流路12から第一主流路54側に流体を流しても良い。
【0060】
図7(A)(B)に示すように、流量調整板30を矢印C方向に移動させて他の流量調整孔34を選択する場合、流量調整板30と手前側凸領域110が摺動する。点線Dに示すように、接触面に生じる摩擦力によって手前側凸領域110が変形し、流量調整板30の移動方向(矢印C)に変位する。
【0061】
リング溝部16及びリング部材100は、断面形状が軸方向Jに長いので、手前側凸領域110が変形しても、リング部材100がリング溝部16から飛び出しにくい。換言すると、リング部材100は、リング溝部16によって軸方向Jに長い距離で保持されているので、手前側凸領域110の変形量が自ずと制約を受ける。
【0062】
更にこの際、手前側凸領域110の周囲に、外周側隙間150A及び/又は内周側隙間150Bが確保されている。この外周側隙間150A及び/又は内周側隙間150Bの範囲内で手前側凸領域110が変位している限り、手前側凸領域110は、流量調整板30と本体部10の隙間に入り込みにくい。結果、手前側凸領域110の損傷が抑制されるので、長期間に亘って、高いシール特性を維持できる。更に、内側凸領域130は、リング溝部16の内周縁16Bから軸方向Jに十分に離れているので、手前側凸領域110が変形・変位しても、その影響が内側凸領域130に伝わりにくいため、内側凸領域130のシール特性も良好な状態を維持できる。
【0063】
<従来のリング溝部とリング部材の作用>
図8には、参考用として、従来のリング溝部1600とリング部材1100の作用を示す。リング溝部1600の最大溝深さをWmは、最大溝厚をFmよりも小さい。つまり、中心軸に沿った切断面(溝断面)の断面形状は、軸方向Jが短手となり、径方向が長手となる長方形となる。このリング溝部1600に収容されるリング部材1100は、開放状態において、断面が正円となるいわゆるOリングが採用される。
【0064】
図8(A)に示すように、リング部材1100は、リング溝部1600と流量調整板に挟まれることで、径方向が長軸で軸方向が短軸となる断面楕円形状に変形する。結果、リング部材1100の手前側凸領域11000と流量調整板の接触面積が大きくなって面圧が低下するので、流体のシール特性が低下しやすい。
【0065】
図8(B)(C)に示すように、流量調整板を矢印C方向に移動させると、手前側凸領域11000が摺動して、点線Dに示すように変形・変位する。この際、手前側凸領域11000が、リング溝部1600の開口の外周縁1600A、内周縁1600Bと接近するので、
図8(C)のように、流量調整板と本体部の隙間に手前側凸領域11000が入り込み、手前側凸領域11000が損傷を受けやすい。更に、内側凸領域13000が、内周縁1600Bに接近しているので、手前側凸領域11000が変形・変位すると、内側凸領域13000が、リング溝部1600の内周縁1600Bから外側に露出しやすくなり、流体のシール特性が低下しやすい。
【0066】
<第一実施形態の第一変形例>
次に
図9を参照して、第一実施形態に係る流量調整ユニット1の第一変形例について説明する。変形例は、リング部材300の形状のみが異なることから、リング部材100とリング部材300の異なる点について説明し、他の説明を省略する。なお、リング部材300以外の部品・部材については、第一実施形態の流量調整ユニット1で用いた符号と同一符号を用いる。
【0067】
リング部材300は、最大リング幅Wr、最大リング厚Frに関して、Wr>Frを満たす。つまり、中心軸に沿った切断面(リング断面)の断面形状は、軸方向Jが長手となり、径方向が短手となる非正円形状となる。
【0068】
開放状態のリング部材300は、リング断面において軸方向J手前側に凸形状となる手前側凸領域310を有する。この手前側凸領域310は、曲率半径がFm/2未満となる湾曲部分を凸端(頂点)近傍に含むようになっている。
【0069】
なお、開放状態のリング部材300は、リング断面において軸方向J奥側に凸形状となる奥側凸領域340を有する。この奥側凸領域340の曲率半径は、後述する外側凸領域320や内側凸領域330と略同じに設定される。
【0070】
開放状態のリング部材300は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲内に、リング断面において半径方向外側に凸形状となる外側凸領域320を有する。この外側凸領域320の曲率半径は、手前側凸領域310の最小曲率半径よりも大きく、内側凸領域330の曲率半径と略同じに設定される。
【0071】
開放状態のリング部材300は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲内に、リング断面において半径方向内側に凸形状となる内側凸領域330を有する。この内側凸領域330の曲率半径は、手前側凸領域310の最小曲率半径よりも小さく、外側凸領域320の曲率半径と略同じに設定される。
【0072】
なお、本変形例では、奥側凸領域340・外側凸領域320・内側凸領域330によって、断面が正円弧となる領域が形成される。
【0073】
更にまた、開放状態のリング部材300は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲に、リング断面において凹形状となる外側凹領域325を有する。この外側凹領域325は、リング断面の輪郭を波形として捉えた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。例えば、外側凹領域325は、外側凸領域320や手前側凸領域310を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線320Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、外側凸領域320の軸方向Jの手前側に隣接して、外側凹領域325が形成される。
【0074】
また更に、開放状態のリング部材300は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲に、リング断面において凹形状となる内側凹領域335を有する。この内側凹領域335は、リング断面の輪郭を波形として捉えた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。例えば、内側凹領域335は、内側凸領域330や手前側凸領域310を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線330Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、内側凸領域330の軸方向Jの手前側に隣接して、内側凹領域335が形成される。
【0075】
また、開放状態のリング部材300において、リング断面における手前側凸領域310の径方向(図中X軸方向)の最大厚みF2rは、リング溝部16の最大溝厚をFmよりも小さい。より詳細に、手前側凸領域310を起点として、外側凸領域320及び内側凸領域330に到達するまでの範囲の径方向(図中X軸方向)の最大厚みF2rは、リング溝部16の最大溝厚をFmよりも小さい。同最大厚みF2rは、Fmの80%以下が望ましく、より望ましくは70%以下とする。
【0076】
図9(C)を参照して、リング溝部16にリング部材300を収容した態様において、リング溝部16とリング部材300の関係性を説明する。なお、この状態においても、リング部材100に軸方向の外力(押しつぶされる外力)を受けていない状態を基準とする。
【0077】
リング溝部16における開口の外周縁16Aとリング部材300の間には、隙間(以下、外周側隙間)350Aが形成される。外周側隙間350Aの径方向距離Saは、最大溝幅Fmの5%以上に設定され、望ましくはFmの10%以上に設定される。この外周側隙間350Aは、外周縁16Aを起点に、軸方向Jの奥側に広がるが、その最大距離Laは、最大溝深さをWmの20%以上に設定され、望ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上に設定される。
【0078】
更にリング溝部16における開口の内周縁16Bとリング部材300の間には、隙間(以下、内周側隙間)350Bが形成される。内周側隙間350Bの径方向距離Sbは、最大溝幅Fmの5%以上に設定され、望ましくはFmの10%以上に設定される。この内周側隙間350Bは、内周縁16Bを起点に、軸方向Jの奥側に広がるが、その最大距離Lbは、最大溝深さをWmの20%以上に設定され、望ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上に設定される。
【0079】
本変形例のリング部材300では、手前側凸領域310と流量調整板30のリング状の接触面積が小さくなり、面圧が大きくなる。結果、流体のシール特性が高められている。
【0080】
リング部材300の内側凸領域330の曲率半径は、既に示したリング部材100よりも大きくなる。その分、締め代(Kmin-Rmin)を大きく確保することで、面圧を大きくできる。結果、流体のシール特性が高めることができる。
【0081】
流量調整板30を矢印C方向に移動させると、流量調整板30と手前側凸領域310が摺動し、点線Dに示すように、摩擦力によって手前側凸領域310が変形・変位する。この際、手前側凸領域310の周囲に、外周側隙間350A及び/又は内周側隙間350Bが確保されているので、この外周側隙間350A及び/又は内周側隙間350Bの範囲内で手前側凸領域310が変位している限り、流量調整板30と本体部10の隙間に手前側凸領域310が入り込みにくい。結果、手前側凸領域310の損傷が抑制されるので、長期間に亘って、高い気密性を維持できる。更に、内側凸領域330は、リング溝部16の内周縁16Bから軸方向Jに十分に離れているので、手前側凸領域310が変形・変位しても、その影響が内側凸領域330に伝わりにくいため、内側凸領域330の良好なシール特性も維持できる。
【0082】
<第一実施形態の第二変形例>
次に
図10を参照して、第一実施形態に係る流量調整ユニット1の第二変形例について説明する。第二変形例は、リング部材400の形状のみが異なることから、リング部材100とリング部材400の異なる点について説明し、他の説明を省略する。なお、リング部材400以外の部品・部材については、第一実施形態の流量調整ユニット1で用いた符号と同一符号を用いる。
【0083】
リング部材400は、最大リング幅Wr、最大リング厚Frに関して、Wr>Frを満たす。つまり、中心軸に沿った切断面(リング断面)の断面形状は、軸方向Jが長手となり、径方向が短手となる非正円形状となる。
【0084】
開放状態のリング部材400は、リング断面において軸方向J手前側に凸形状となる手前側凸領域410を有する。この手前側凸領域410の曲率半径は、後述する外側凸領域420や内側凸領域430と略同じに設定される。
【0085】
開放状態のリング部材400は、リング断面において軸方向J奥側に凸形状となる奥側凸領域440を有する。この奥側凸領域440の曲率半径は、後述する外側凸領域420や内側凸領域430と略同じに設定される。
【0086】
開放状態のリング部材400は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲内に、リング断面において半径方向外側に凸形状となる外側凸領域420を複数(ここでは3つ)有する。この外側凸領域420の曲率半径は、手前側凸領域410や内側凸領域430の曲率半径と略同じに設定される。
【0087】
開放状態のリング部材400は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲内に、リング断面において半径方向内側に凸形状となる内側凸領域430を複数(ここでは3つ)有する。この内側凸領域430の曲率半径は、手前側凸領域410や外側凸領域420の曲率半径と略同じに設定される。
【0088】
なお、本変形例では、手前側凸領域410・最も手前側の外側凸領域420・最も手前側の内側凸領域430によって、断面が正円となる領域が形成される。また、奥側凸領域440・最も奥側の外側凸領域420・最も奥側の内側凸領域430によって、断面が正円弧となる領域が形成される。
【0089】
更にまた、開放状態のリング部材400は、リング溝部16の外側壁16Cと対向する外周範囲に、リング断面において凹形状となる外側凹領域425を有する。この外側凹領域425は、リング断面の輪郭を波形として捉えた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。例えば、外側凹領域425は、複数の外側凸領域420を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線420Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、複数の外側凸領域420の間に、合計2個の外側凹領域425が形成される。
【0090】
また更に、開放状態のリング部材400は、リング溝部16の内側壁16Dと対向する内周範囲に、リング断面において凹形状となる内側凹領域435を有する。この内側凹領域435は、リング断面の輪郭を波形として捉えた場合に、断面の実部側に凹む谷を形成する領域と表現できる。例えば、内側凹領域435は、複数の内側凸領域430を波形の山と捉えた場合に、その山同士を結んだ接線430Pよりも実部側に凹となる領域を含む。本実施形態では、複数の内側凸領域430の間に、合計2個の内側凹領域435が形成される。
【0091】
図10(C)を参照して、リング溝部16にリング部材400を収容した態様において、リング溝部16とリング部材400の関係性を説明する。
【0092】
本変形例のリング部材400では、手前側凸領域410の曲率半径が、既に示したリング部材100の曲率半径よりも大きくなり、流量調整板30との接触面積が大きくなる。その分、スプリング46の復元力を高めることで、面圧が大きく設定できる。結果、流体のシール特性を高めることができる。
【0093】
リング部材400では、内側凸領域430を複数有するので、複数段階のシール機能によってシール特性を高めることができる。また、内側凸領域430を複数に分散させた分だけ、各内側凸領域430の曲率半径を小さく設定できるので、面圧を高めることが出来る。
【0094】
流量調整板30を矢印C方向に移動させると、流量調整板30と手前側凸領域410が摺動し、点線Dに示すように、摩擦力によって手前側凸領域410が変形・変位しようとする。この際、内側凸領域430を複数有するので、内周壁16Dとの摩擦力が抵抗となって、手前側凸領域410の変位が抑制される。
【0095】
更に、中間又は最も奥側の内側凸領域430は、リング溝部16の内周縁16Bから軸方向Jに十分に離れているので、手前側凸領域410が変形・変位しても、その影響が奥側の内側凸領域430に伝わりにくいため、内側凸領域430のシール性も良好な状態を維持できる。
【0096】
図10(B)において、リング部材400の最大リング幅をWrの中央を通り、軸方向Jと垂直となる中央線Mを基準に考えると、リング断面は、中央線Mを基線に線対称形状となる。つまり、リング部材400を反転させると、手前側凸領域410が奥側凸領域440となり、奥側凸領域440が手前側凸領域410となる。リング部材400のリング溝部16への挿入方向の制約が無くなるので、組立ミスも低減できる。
【0097】
なお、第二変形例のリング部材400では、外側凸領域420及び内側凸領域430がそれぞれ3つ形成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、各々2つ形成される場合や、各々4つ以上形成される場合を含む。また、外側凸領域420及び内側凸領域430の数が不一致の場合も含み、例えば、外側凸領域420が1つで、内側凸領域430が2つ以上となる場合を含み、外側凸領域420が2つで、内側凸領域430が3つ以上となる場合を含む。
【0098】
<第一実施形態の第三変形例>
次に
図11を参照して、第一実施形態に係る流量調整ユニット1の第三変形例について説明する。第三変形例の流量調整ユニット2では、流量調整ユニット1と異なる点を中心に説明し、同一又は類似する部品や部材の説明を省略する。なお、説明の便宜上、流量調整ユニット2の部品や部材について、第一実施形態の流量調整ユニット1で用いた名称や符号と同一名称・符号を用いる。
【0099】
流量調整板30の第一対向面32は流路形成体50側に対向する。流量調整板30の裏面36は、本体部10に対向する。この裏面36側に環状流路36Aが形成される。この環状流路36Aの凹部底面には、第一対向面32まで貫通する流量調整孔34が周方向に複数形成される。
【0100】
流量調整板30と本体部10の間には隙間N1が形成されており、気体が流通する流路となる。更に、流路形成体50側には、この隙間N1と連通する流路N2が形成される。この隙間N1と流路N2が、第一主流路54に相当する。
【0101】
流路形成体50には、第一対向面32と対向する第二対向面14が形成される。流路形成体50には、第二流路12が形成されており、その第二開口12Aが、第二対向面14に形成される。第二対向面14における第二開口12Aの周囲にリング溝部16が凹設される。リング溝部16内にリング部材100が収容される。第二対向面14には、補助リング溝部26が凹設されており、この補助リング溝部26内に第一補助リング部材27及び第二補助リング部材28が収容される。
【0102】
流量調整板30と本体部10の間にはスプリング46が配置される。このスプリング46は、自らの復元力によって、流量調整板30の第一対向面32を、流路形成体50の第二対向面14側に付勢する。結果、リング部材100によって、流量調整板30の第一対向面32と流路形成体50の第二対向面14の間の隙間を高気密で取り囲むことになり、第一分岐流路56(流量調整孔34)と第二流路12を繋ぐ連通空間190が形成される。
【0103】
この第三変形例の流量調整ユニット2は、第一主流路54、第一分岐流路56、第二流路12の配置が異なっているが、リング溝部16やリング部材100の機能については流量調整ユニット1と全てにおいて共通している。
【0104】
<第二実施形態(流量調整バルブ)>
次に、
図12及び
図13を参照して、第二実施形態に係る流体調整バルブ600について説明する。この流体調整バルブ600は、例えば、ガスボンベBに接続されることで、ガスボンベBから放出する気体の流量及び圧力を調整する。
【0105】
流体調整バルブ600は、バルブ筐体610と、バルブ筐体610に形成されてガスボンベBに気体を充填するための充填口620と、充填口620の内側に設けられる逆止弁ユニット630と、バルブ筐体610に設置される上流側減圧ユニット640Aと、バルブ筐体610に設置される第一実施形態の流量調整ユニット1と、バルブ筐体610に設置される圧力測定ユニット650を有する。なお、流量調整ユニット1における流路形成体50の内部には、下流側減圧ユニット640Bが設けられている。
【0106】
バルブ筐体610には、ガスボンベBの雌ねじ部と螺合する雄ねじ部(接続部)612が形成される。雄ねじ部612内には、ガスボンベBに連通され得る第一流路710が形成される。この第一流路710は、圧力測定ユニット650に気体を案内する。充填口620は、逆止弁ユニット630を介して第一流路710に接続されており、ガスボンベB内に所望の気体を外部から充填できる。この充填口620には、充填口キャップ622が設けられている。
【0107】
逆止弁ユニット630は、第一流路710から充填口620への気体の流れを阻止し、充填口620から第一流路710への気体の流れを許容する公知の弁機構となる。
【0108】
上流側減圧ユニット640Aは、第一流路710から案内された気体の圧力を減圧してから、第二流路720に案内する公知の減圧弁となる。下流側減圧ユニット640Bは、上流側減圧ユニット640Aから第二流路720経た気体の圧力を更に減圧して、流量調整ユニット1に提供する公知の減圧弁となる。
【0109】
なお、第一流路710には、測定路715を経由して圧力測定ユニット650が接続されており、ガスボンベBの残圧を検出して、ディスプレイ652に表示する(
図12(A)参照)。
【0110】
この第二実施形態の流体調整バルブ600は、酸素が充填されるガスボンベBに接続されることで、在宅酸素療法における酸素供給装置として使用することが好適である。第一実施形態で説明したように、流量調整ユニット1は、長期間に亘って高精度な流量調整機能を発揮できることから、リング部材100の交換メンテナンスの頻度を低減できる。
【0111】
なお、上記流体調整バルブ600では、常時、設定流量及び設定圧力で流体を流す連続供給方式を例示したが、本発明はこれに限定されず、更に、同調ユニットを付加することで、下流側の圧力変化に追従して、流体の供給・停止を行うようにしても良い。
【0112】
更に上記第一実施形態の流量調整ユニット1では、リング溝部16が、第二対向面14側に形成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば
図14に示すように、第一対向面32側において、流量調整孔34の各々の周囲にリング溝部16を形成し、その内部にリング部材100を配置しても良い。
【0113】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0114】
1 流量調整ユニット
10 本体部
11 主軸孔
12 第二流路
12A 第二開口
12B 開放端
14 第二対向面
16 リング溝部
30 流量調整板
32 第一対向面
34 流量調整孔
50 流路形成体
54 第一主流路
56 第一分岐流路
60 主軸
100 リング部材
110 手前側凸領域
120 外側凸領域
125 外側凹領域
130 内側凸領域
135 内側凹領域
140 奥側凸領域
150A 外周側隙間
150B 内周側隙間
300 リング部材
310 手前側凸領域
320 外側凸領域
325 外側凹領域
330 内側凸領域
335 内側凹領域
340 奥側凸領域
350A 外周側隙間
350B 内周側隙間
400 リング部材
410 手前側凸領域
420 外側凸領域
425 外側凹領域
430 内側凸領域
435 内側凹領域
440 奥側凸領域
600 流体調整バルブ