(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161519
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】情報提供サーバ装置および情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221014BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066403
(22)【出願日】2021-04-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】521151544
【氏名又は名称】おっとっと株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】求人者にとってより有用な求職情報を求人者に提供できるようにする。
【解決手段】求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、例えば特定の求人情報とその他の求人情報との間で所定条件に基づくマッチング処理を行い、所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する派生求人情報抽出部14と、特定の求人情報の提供元および派生の求人情報の提供元の求人者端末30に対し、アクション実行者に関する情報を提供する第2の求職情報提供部15とを備え、特定の求人情報に対するアクションを行ったという求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングを行って、アクション実行者に関する情報を求人者端末30に提供することにより、求人者が、自らの求人情報と所定のマッチング関係にある他の求人情報にアクションを行った求職者を把握することができるようにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者が使用する求職者端末および求人者が使用する求人者端末に対して情報を提供する情報提供サーバ装置であって、
上記求職者端末から提供された求職情報および上記求人者端末から提供された求人情報をデータベースに登録して管理する求人求職情報管理部と、
上記求職者端末からの要求に応じて、上記データベースに登録されている上記求人情報を上記求職者端末に提供する第1の求人情報提供部と、
上記求人者端末からの要求に応じて、上記データベースに登録されている上記求職情報を上記求人者端末に提供する第1の求職情報提供部と、
上記求職者端末から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、上記特定の求人情報とその他の求人情報との間、および、上記アクションが行われた求職者端末を使用する求職者であるアクション実行者に対応する求職情報と上記その他の求人情報との間の少なくとも一方で所定条件に基づくマッチング処理を行い、上記その他の求人情報のうち上記所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する派生求人情報抽出部と、
上記特定の求人情報の提供元の求人者端末および上記派生求人情報抽出部により抽出された上記派生の求人情報の提供元の求人者端末に対し、上記アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部を提供する第2の求職情報提供部とを備えた
ことを特徴とする情報提供サーバ装置。
【請求項2】
上記アクション実行者が使用する求職者端末に対し、上記第2の求職情報提供部が上記求職情報の少なくとも一部を提供した求人者端末に対応する求人情報の少なくとも一部を提供する第2の求人情報提供部を更に備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項3】
上記第2の求職情報提供部が上記求職情報の少なくとも一部を提供した求人者端末に対し、上記第2の求人情報提供部が情報を提供した後の上記アクション実行者からの反応に関する情報を提供する反応情報提供部を更に備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項4】
上記派生求人情報抽出部は、上記特定の求人情報に含まれる募集職種と、上記その他の求人情報に含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、上記その他の求人情報のうち上記条件を満たす求人情報を上記派生の求人情報として抽出することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項5】
上記派生求人情報抽出部は、上記アクション実行者に対応する求職情報に含まれる希望職種と、上記その他の求人情報に含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、上記その他の求人情報のうち上記条件を満たす求人情報を上記派生の求人情報として抽出することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項6】
上記派生求人情報抽出部は、上記アクション実行者に対応する求職情報に含まれる職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上と、上記その他の求人情報との適合度が所定レベル以上か否かという条件に基づくマッチング処理を行い、上記その他の求人情報のうち上記条件を満たす求人情報を上記派生の求人情報として抽出することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項7】
上記派生求人情報抽出部は、上記特定の求人情報に含まれる募集職種と、上記その他の求人情報に含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づく第1のマッチング処理を行うとともに、上記アクション実行者に対応する求職情報に含まれる職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識または特技の何れかと、上記その他の求人情報との適合度が所定レベル以上か否かという条件に基づく第2のマッチング処理を行い、上記第1のマッチング処理により抽出される求人情報と上記第2のマッチング処理により抽出される求人情報とのAND条件またはOR条件で抽出される求人情報を上記派生の求人情報として抽出することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の情報提供サーバ装置。
【請求項8】
求職者が使用する求職者端末および求人者が使用する求人者端末に対して情報提供サーバ装置から情報を提供する方法であって、
上記情報提供サーバ装置の派生求人情報抽出部が、上記求職者端末から提供された求職情報および上記求人者端末から提供された求人情報が登録されているデータベースに対して上記求職者端末からアクセスが行われ、上記求職者端末から特定の求人情報に対するアクションが行われたことを検知したときに、上記特定の求人情報とその他の求人情報との間、および、上記アクションが行われた求職者端末を使用する求職者であるアクション実行者に対応する求職情報と上記その他の求人情報との間の少なくとも一方で所定条件に基づくマッチング処理を行い、上記その他の求人情報のうち上記所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する第1のステップと、
上記情報提供サーバ装置の第2の求職情報提供部が、上記特定の求人情報の提供元の求人者端末および上記派生求人情報抽出部により抽出された上記派生の求人情報の提供元の求人者端末に対し、上記アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部を提供する第2のステップとを有する
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
上記第2の求職情報提供部が上記求職情報の少なくとも一部を上記求人者端末に提供した場合、上記情報提供サーバ装置の第2の求人情報提供部が、上記アクション実行者が使用する求職者端末に対し、上記第2の求職情報提供部が上記求職情報の少なくとも一部を提供した求人者端末に対応する求人情報の少なくとも一部を提供する第3のステップを更に有する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報提供方法。
【請求項10】
上記情報提供サーバ装置の反応情報提供部が、上記第2の求人情報提供部により上記求人情報の少なくとも一部が提供された上記求職者端末に対応する求人情報に対する上記アクション実行者からの反応を検知した場合、上記第2の求職情報提供部が上記求職情報の少なくとも一部を提供した求人者端末に対し、上記アクション実行者からの反応に関する情報を提供する第4のステップを更に有する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供サーバ装置および情報提供方法に関し、特に、求職者が使用する求職者端末および求人者が使用する求人者端末に対して求人求職に関する情報を提供することにより、求人活動および求職活動を支援する情報提供サーバ装置および情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、求職者がデータベースに登録した求職情報と、求人者がデータベースに登録した求人情報とを照合し、互いの希望に合致する求人者の情報を求職者に提供することにより、求職者の求職活動を支援するマッチングシステムが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
特許文献1に記載のキャリアマッチングシステムでは、求職者のキャリアを分析して得た求職者が求める職務と求人者が求める職務とをマッチング処理し、マッチング情報を求職者に提供する。
【0004】
特許文献2に記載の雇用斡旋システムでは、管理サーバが求職者データベースを検索することにより、職能属性情報が求人内容と一致または重複する求職者を特定し、特定された求職者に求人情報を電子メールにより配信する。また、求職者が所定のwebページにアクセスして応募情報を入力して返信すると、管理サーバが紹介データベースおよび求職者データベースを検索することにより、応募情報を返信した求職者の職能属性情報を特定し、当該職能属性情報を含む人材紹介情報を電子メールにより求人者に配信する。
【0005】
特許文献3に記載の求人求職支援システムでは、求職者情報と求人者情報とを照合することで、求職者ごとのポータルサイトを介して、求職者の希望に沿う求人者情報を求職者端末に提供するとともに、求人者ごとのポータルサイトを介して、求人者の希望に沿う求職者情報(求職者からの応募の情報)を求職者端末に提供する。
【0006】
上記特許文献1~3に記載のシステムは何れも、基本的に、データベースに登録されている求職情報と求人情報とを照合し、求職情報にマッチングした複数の求人情報を求職者に提供することにより、求職者の求職活動を支援するものである。求人者に対しては、特定の求職者から応募があった場合に、その求職者に関する情報が提供される構成となっている。なお、特許文献1~3には記載されていないが、求人情報にマッチングした複数の求職情報を求人者に提供し、求人者から複数の求職者に対してスカウトメッセージを送信することを可能にした機能を備えたシステムも存在する。
【0007】
しかしながら、従来のシステムで行っているのは、データベースに蓄積されている情報のマッチングであり、必ずしも求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングが行えているとは限らない。データベースに登録されている情報の全てが希望内容を表したものであるとは限らず、そのような情報をもとにマッチング処理を行っているからである。また、データベースに求職情報を登録した当時から求職者の意思が変わっている可能性もあるが、そのことを反映したマッチング処理を行えているとは限らないからである。そのため、必ずしも求人者にとって有用な求職情報が求人者に提供されるとは限らないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-301956号公報
【特許文献2】特開2002-149800号公報
【特許文献3】特開2008-197726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングを行うことにより、求人者にとってより有用な求職情報を求人者に提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明では、求職者端末から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、特定の求人情報とその他の求人情報との間、および、アクションが行われた求職者端末を使用する求職者であるアクション実行者に対応する求職情報とその他の求人情報との間の少なくとも一方で所定条件に基づくマッチング処理を行い、その他の求人情報のうち所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する。そして、特定の求人情報の提供元の求人者端末および派生の求人情報の提供元の求人者端末に対し、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部を提供するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、データベースに登録されている求職情報と求人情報とを単にマッチングしてその結果を求人者に提供するのではなく、求職者端末から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、特定の求人情報に対するアクションを行ったという求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングが行われ、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部が求人者端末に提供される。このとき情報が提供される求人者端末は、求職者がアクションを行った特定の求人情報の提供元の求人者端末だけでなく、マッチング処理によって抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末も含まれる。
【0012】
すなわち、本発明によれば、特定の求人情報に対するアクションを行った求職者の求職情報の少なくとも一部が、当該特定の求人情報の提供元の求人者端末およびマッチング処理により抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末に広く提供される。これにより、求人者は、自らデータベースにアクセスして求職情報を検索しなくても、自らの求人情報にアクションを行った求職者を把握したり、自らの求人情報との間で所定条件を満たすマッチング関係にある他の求人者の求人情報にアクションを行った求職者を把握したりすることができる。このように、本発明によれば、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングを行うことにより、求人者にとってより有用な求職情報を求人者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態による情報提供サーバ装置を含む求人求職支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態による情報提供サーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】求人情報検索結果提供画面の一例を示す図である。
【
図6】求職情報検索結果提供画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態による派生求人情報抽出部の処理例を説明するための図である。
【
図8】本実施形態による派生求人情報抽出部の処理例を説明するための図である。
【
図9】本実施形態による第2の求職情報提供部の処理例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態による第2の求人情報提供部の処理例を説明するための図である。
【
図11】本実施形態による情報提供サーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による情報提供サーバ装置を含む求人求職支援システムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の求人求職支援システムは、情報提供サーバ装置10と、求職者が使用する求職者端末20
-1,20
-2,20
-3,・・・(以下、特に区別しないときは単に求職者端末20と記す)と、求人者が使用する求人者端末30
-1,30
-2,30
-3,・・・(以下、特に区別しないときは単に求人者端末30と記す)とを備えて構成される。求職者端末20と情報提供サーバ装置10との間および求人者端末30と情報提供サーバ装置10との間はそれぞれインターネットまたは携帯電話網等の通信ネットワーク50を介して接続される。
【0015】
求職者端末20は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの端末である。求人者端末30も、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの端末である。情報提供サーバ装置10は、求職者端末20から提供された求職情報および求人者端末30から提供された求人情報をデータベースに登録して管理し、このデータベースに登録されている求職情報および求人情報に基づいて、求職者端末20および求人者端末30に対して情報を提供する。提供する情報の内容については、以下に詳細を後述する。
【0016】
図2は、本実施形態による情報提供サーバ装置10の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の情報提供サーバ装置10は、機能構成として、求人求職情報管理部11、第1の求人情報提供部12、第1の求職情報提供部13、派生求人情報抽出部14、第2の求職情報提供部15、第2の求人情報提供部16および反応情報提供部17を備えている。また、情報提供サーバ装置10は、記憶媒体として、求人求職情報記憶部18を備えている。
【0017】
上記各機能ブロック11~17は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~17は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0018】
求人求職情報管理部11は、求職者端末20から提供された求職情報および求人者端末30から提供された求人情報を求人求職情報記憶部18のデータベースに登録して管理する。例えば、求職者端末20を使用する求職者は、情報提供サーバ装置10から提供される求職情報入力画面を通じて求職情報を入力することにより、求職情報を情報提供サーバ装置10にアップロードする。情報提供サーバ装置10の求人求職情報管理部11は、求職者端末20からアップロードされた求職情報を求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶させる。求職情報は、個々の求職者を一意に特定可能な識別情報(以下、求職者IDという)に関連付けて記憶される。
【0019】
図3は、求職情報入力画面の一例を示す図である。
図3に示すように、求職情報は、例えば、求職者の氏名・生年月日・住所・電話番号・性別などの基本情報と、職種・勤務地・賃金などについての希望情報と、学歴・職歴などの経歴情報と、保有資格・保有スキル・技能・専門知識・特技などのスキル情報と、自己PRの情報などを含む。希望情報は、正社員/フルタイム/パートなどの就業形態についての希望、雇用期間や勤務時間についての希望に関する情報を含んでもよい。希望職種に関する情報は、希望する業界の情報を含んでもよい。職歴に関する情報は、過去に経験した仕事の職種を含み、業界の情報を含んでもよい。
【0020】
また、求人者端末30を使用する求人者(企業)は、情報提供サーバ装置10から提供される求人情報入力画面を通じて求人情報を入力することにより、求人情報を情報提供サーバ装置10にアップロードする。情報提供サーバ装置10の求人求職情報管理部11は、求人者端末30からアップロードされた求人情報を求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶させる。求人情報は、個々の求人者を一意に特定可能な識別情報(以下、求人者IDという)に関連付けて記憶される。
【0021】
図4は、求人情報入力画面の一例を示す図である。
図4に示すように、求人情報は、例えば、求人者の社名・所在地・電話番号・業種・従業員数・資本金などの基本情報と、募集する職種・業務内容・雇用形態・雇用期間・勤務時間・勤務地・賃金などに関する募集情報と、求職者に求める学歴・職歴などの経歴情報と、求職者に求める保有資格・保有スキル・技能・専門知識・特技などのスキル情報とを含む。求人情報に含まれる経歴情報は、求職情報に含まれる経歴情報のような個別具体的な経歴を示すものではなく、募集要件を示すものである。すなわち、学歴であれば「高卒以上/大卒以上」などの情報であり、職歴であれば求職者が経験していることを希望する職種などの情報である。
【0022】
第1の求人情報提供部12は、求職者端末20からの要求に応じて、求人求職情報記憶部18のデータベースに登録されている求人情報を求職者端末20に提供する。例えば、求職者端末20を使用する求職者は、情報提供サーバ装置10から提供される求人情報検索画面(図示せず)を通じて、所望の検索条件を入力することにより、検索条件に合致する求人情報の検索を指示することが可能である。第1の求人情報提供部12は、入力された検索条件に合致する求人情報をデータベースにおいて検索し、検索条件に合致した1以上の求人情報を、求人情報検索結果提供画面を通じて求職者端末20に提供する。
【0023】
図5は、求人情報検索結果提供画面の一例を示す図である。例えば
図5(a)に示すように、求人情報検索結果提供画面には、検索条件に合致した1以上の求人情報が一覧として表示される。例えば、求人情報の一部51(例えば、求人者の社名、所在地、業種、募集職種など)が一覧として表示されるとともに、詳細ボタン52、ブックマークボタン53、応募ボタン54が表示される。所望の求人者に関する詳細ボタン52を押下することにより、
図5(b)のような求人情報詳細画面を表示させることができる。求人情報詳細画面には、特定した求人者に関してデータベースに登録されている求人情報の全てが表示される。
【0024】
求職者は、
図5に例示した求人情報検索結果提供画面を通じて1以上の求人情報を閲覧し、応募したい求人者を探すことができる。求職者は、応募候補として記録したい求人情報があれば、ブックマークボタン53を押下することによって希望の求人情報に対してブックマークを付すことが可能である。求職者が特定の求人情報に対応するブックマークボタン53を押すと、求人求職情報管理部11により、その求職者の情報(例えば、求職者ID)とブックマーク情報とが求人情報に関連付けて求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶される。
【0025】
また、求職者は、特定の求人者の求人情報に対して実際に応募をすることも可能である。応募をする際には、応募ボタン54の押下に応じて情報提供サーバ装置10から提供される所定の応募画面(図示せず)を通じて必要な情報を入力し、情報提供サーバ装置10に送信する。応募に必要な情報のうち、データベースに既に求職情報として登録されている情報については、応募画面に自動的に入力される。求職者が特定の求人情報に対して応募を行うと、求人求職情報管理部11により、その求職者の情報(例えば、求職者ID)と応募情報とが求人情報に関連付けて求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶される。
【0026】
第1の求職情報提供部13は、求人者端末30からの要求に応じて、求人求職情報記憶部18のデータベースに登録されている求職情報を求人者端末30に提供する。例えば、求人者端末30を使用する求人者は、情報提供サーバ装置10から提供される求職情報検索画面(図示せず)を通じて、所望の検索条件を入力することにより、検索条件に合致する求職情報の検索を指示することが可能である。第1の求職情報提供部13は、入力された検索条件に合致する求職情報をデータベースにおいて検索し、検索条件に合致した1以上の求職情報を、求職情報検索結果提供画面を通じて求人者端末30に提供する。
【0027】
図6は、求職情報検索結果提供画面の一例を示す図である。例えば
図6(a)に示すように、求職情報検索結果提供画面には、検索条件に合致した1以上の求職情報が一覧として表示される。例えば、求職情報の一部61(例えば、求職者の氏名、住所、希望職種など)が一覧として表示されるとともに、詳細ボタン62、ブックマークボタン63、スカウトボタン64が表示される。所望の求職者に関する詳細ボタン62を押下することにより、
図6(b)のような求職情報詳細画面を表示させることができる。求職情報詳細画面には、特定した求職者に関してデータベースに登録されている求職情報の全てが表示される。
【0028】
求人者は、
図6に例示した求職情報検索結果提供画面を通じて1以上の求職情報を閲覧し、スカウトしたい求職者を探すことができる。求人者は、スカウト候補として記録したい求職情報があれば、ブックマークボタン63を押下することによって希望の求職情報に対してブックマークを付すことが可能である。求人者が特定の求職情報に対応するブックマークボタン63を押すと、求人求職情報管理部11により、その求人者の情報(例えば、求人者ID)とブックマーク情報とが求職情報に関連付けて求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶される。
【0029】
また、求人者は、特定の求職者の求職情報に対して実際にスカウトを行うことも可能である。スカウトをする際には、スカウトボタン64の押下に応じて情報提供サーバ装置10から提供される所定のスカウト画面(図示せず)を通じて必要な情報を入力し、情報提供サーバ装置10に送信する。スカウトに必要な情報のうち、データベースに既に求人情報として登録されている情報については、スカウト画面に自動的に入力される。求人者が特定の求職情報に対してスカウトを行うと、求人求職情報管理部11により、その求人者の情報(例えば、求人者ID)とスカウト情報とが求職情報に関連付けて求人求職情報記憶部18のデータベースに記憶される。
【0030】
派生求人情報抽出部14は、求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、特定の求人情報とその他の求人情報との間、および、アクションが行われた求職者端末20を使用する求職者(以下、アクション実行者という)に対応する求職情報とその他の求人情報との間の少なくとも一方で所定条件に基づくマッチング処理を行い、その他の求人情報のうち所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する。
【0031】
本実施形態において、求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたときとは、例えば、特定の求人情報に対してブックマークが付されたとき、および、特定の求人情報に対して応募が行われたときの少なくとも一方である。特定の求人情報に対してブックマークが付されたことは、求人求職情報記憶部18のデータベースにブックマーク情報が記録されたことを検知することによって把握することが可能である。同様に、特定の求人情報に対して応募が行われたことは、求人求職情報記憶部18のデータベースに応募情報が記録されたことを検知することによって把握することが可能である。
【0032】
例えば、派生求人情報抽出部14は、アクションが行われた特定の求人情報に含まれる募集職種と、その他の求人情報に含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、その他の求人情報のうち条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する。
図7は、この処理を説明するための模式図である。
【0033】
図7に示す例では、第1~第3の求職者端末20
-1,20
-2,20
-3を使用する求職者X,Y,Zがそれぞれの求職情報X
J,Y
J,Z
Jをデータベースに登録し、第1~第3の求人者端末30
-1,30
-2,30
-3を使用する求人者A,B,Cがそれぞれの求人情報A
P,B
P,C
Pをデータベースに登録している状況であるとする。求人情報A
P,B
P,C
Pは、それぞれ「経理」、「法務」、「経理」を募集職種の情報として含んでいる。
【0034】
この状況下において、第1の求職者Xが第1の求人情報APに対してアクションを行ったとする。この場合、派生求人情報抽出部14は、アクションが行われた第1の求人情報APに含まれる募集職種「経理」と、その他の求人情報BP,CPに含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、当該条件を満たす第3の求人情報CPを派生の求人情報として抽出する。この処理は、第1の求職者Xが募集職種を「経理」とする第1の求人情報APにアクションを行っていることを根拠として、同じく「経理」を募集職種とする第3の求人情報CPにも第1の求職者Xが興味を示す可能性があるとの推定のもとに行うものである。
【0035】
別の例として、派生求人情報抽出部14は、アクション実行者に対応する求職情報に含まれる希望職種と、その他の求人情報(アクションが行われた特定の求人情報以外の求人情報)のに含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、その他の求人情報のうち条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出するようにしてもよい。
図8は、この処理を説明するための模式図である。
図8に示す例も、状況は
図7に示した例と同じである。また、アクション実行者である第1の求職者Xがデータベースに登録した第1の求職情報X
Jは、「経理」を希望職種の情報として含んでいる。
【0036】
この状況下において、第1の求職者Xが第1の求人情報APに対してアクションを行ったとする。この場合、派生求人情報抽出部14は、アクション実行者の第1の求職情報XPに含まれる希望職種「経理」と、その他の求人情報BP,CPに含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づくマッチング処理を行い、当該条件を満たす第3の求人情報CPを派生の求人情報として抽出する。この処理は、第1の求職者Xが「経理」を希望職種としていることを根拠として、「経理」を募集職種とする第3の求人情報CPにも第1の求職者Xが興味を示す可能性があるとの推定のもとに行うものである。
【0037】
第2の求職情報提供部15は、求職者によりアクションが行われた特定の求人情報の提供元の求人者端末30と、派生求人情報抽出部14により抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末30とに対し、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部を提供する。求職情報の少なくとも一部は、アクション実行者が誰であるかを求人者に知らせる役割を持つ情報(以下、アクション報知情報という)であり、例えばアクション実行者の氏名や求職者IDを用いることが可能である。
【0038】
ここで、求職者によりアクションが行われた特定の求人情報の提供元の求人者端末30に対して提供するアクション報知情報には、求職者によりアクションが行われたことを知らせる情報が含まれる。一方、派生の求人情報の提供元の求人者端末30に対して提供するアクション報知情報には、他の求人者に対するアクションに関連して抽出されたことを知らせる情報が含まれる。
【0039】
図9は、
図7および
図8に示した例の場合に第2の求職情報提供部15により実行される処理の内容を説明するための図である。
図9に示すように、第2の求職情報提供部15は、第1の求職者Xによりアクションが行われた第1の求人情報A
Pの提供元である第1の求人者端末30
-1と、派生求人情報抽出部14により派生の求人情報として抽出された第3の求人情報C
Pの提供元である第3の求人者端末30
-3とに対し、アクション実行者である第1の求職者Xに対応する求職情報X
Jの少なくとも一部をアクション報知情報として提供する。
【0040】
第2の求職情報提供部15によるアクション報知情報の提供は、例えば、求人者端末30が自身の求人者IDを利用してアクセス可能な求人管理画面(図示せず)に対して行うようにすることが可能である。あるいは、求人者端末30から事前に求人情報とは別に情報提供サーバ装置10に登録されたメールアドレスに対するメール送信によってアクション報知情報を提供するようにしてもよい。なお、ここに示した情報提供の方法は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0041】
アクション報知情報の提供を受けた第1の求人者A(第1の求職者Xから実際にアクションが行われた求人者)は、求人求職情報記憶部18のデータベースにアクセスして第1の求職者Xの求職情報XJを詳細に確認し、希望する場合にはスカウトまたは面接のオファーなどを行うことが可能である。また、アクション報知情報の提供を受けた第3の求人者C(第1の求職者Xから実際にアクションは行われていないが、マッチングの条件を満たすとして派生的に抽出された求人者)は、求人求職情報記憶部18のデータベースにアクセスして第1の求職者Xの求職情報XJを詳細に確認し、希望する場合にはスカウトなどを行うことが可能である。
【0042】
第3の求人者Cは、第1の求職情報提供部13の機能を利用して求職情報の検索を行い、検索結果の中に第1の求職情報XJが含まれていれば、第1の求職情報XJを選択してスカウトボタン64を押下することにより、第1の求人者Xに対するスカウトを行うことが可能である。しかしながら、入力する検索条件によっては、検索結果の中に第1の求職情報XJが含まれない場合もある。この場合、第1の求人者Xに対するスカウトを行うことは、事実上不可能である。
【0043】
また、第1の求職情報提供部13により提供される求職情報は、単にデータベースに登録されている求職情報を検索した結果であり、求職者のリアルタイムの意思が反映されたマッチング結果であるとは限らない。例えば、データベースに登録されている求職情報の中には、現時点で積極的に求職活動を行っている求職者に関するものと、あまり積極的に求職活動を行っていない求職者に関するものとが混在している。また、積極的に求職活動を行っている求職者に関しても、求職活動を続けているうちに、求職情報をデータベースに登録した当初から意識の変化が生じ、希望の求職内容が変わってくる可能性もあるが、その意識の変化に応じて求職情報を更新していない場合もあり得る。
【0044】
このような性質を有するデータベースに対する検索によって検索条件に合致した求職情報であっても、それがあまり積極的に求職活動を行っていない求職者に関するものである場合には、スカウトを行っても良い反応が得られない可能性が高いと考えられる。また、積極的に求職活動を行っている求職者に関する求職情報であっても、現在の意識に対して齟齬のある内容のまま登録されている求職情報である場合には、やはりスカウトを行っても良い反応が得られない可能性が高いと考えられる。
【0045】
これに対し、本実施形態では、求職者が特定の求人情報に対して実際にアクションを起こしたことをトリガとして、アクションが行われた特定の求人情報またはアクション実行者の求職情報との間で所定条件を満たす他の求人情報のマッチング処理を行い、当該他の求人情報を提供している求人者に対してアクション報知情報を提供するようにしている。
【0046】
このようにして求人者に提供されるアクション報知情報は、特定の求人情報に対するアクションを行ったという求職者のリアルタイムの意思に基づくマッチング処理の結果として提供されるものである。そのため、このアクション実行者に対してスカウトを行った場合には、良い反応が得られる可能性が上記の場合よりも高くなることが期待される。このように、本実施形態によれば、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングを行うことにより、求人者にとってより有用な求職情報を求人者に提供することができる。
【0047】
第2の求人情報提供部16は、アクション実行者が使用する求職者端末20に対し、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対応する求人情報の少なくとも一部を提供する。求人情報の少なくとも一部は、アクション報知情報をどの求人者に対して提供したかを求職者に知らせる役割を持つ情報(以下、アクション報知先情報という)であり、例えばアクション報知情報が提供された求人者の社名や求人者IDを用いることが可能である。
【0048】
図10は、
図7および
図8に示した例の場合に第2の求人情報提供部16により実行される処理の内容を説明するための図である。
図10に示すように、第2の求人情報提供部16は、アクション報知情報を提供した第1の求人者端末30
-1および第3の求人者端末30
-3に対応する第1の求人情報A
Pと第3の求人情報C
Pに含まれる社名や求人者IDをアクション報知先情報として、アクション実行者である第1の求職者Xが使用する第1の求職者端末20
-1に提供する。
【0049】
第2の求人情報提供部16によるアクション報知先情報の提供は、例えば、求職者端末20が自身の求職者IDを利用してアクセス可能な求職管理画面(図示せず)に対して行うようにすることが可能である。あるいは、求職者端末20から事前に求職情報とは別に情報提供サーバ装置10に登録されたメールアドレスに対するメール送信によってアクション報知先情報を提供するようにしてもよい。なお、ここに示した情報提供の方法は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0050】
アクション報知先情報の提供を受けた第1の求職者Xは、自らがアクションを行った第1の求人者Aの他に、自身の求職情報XJまたはアクションを行った求人情報APとの間で所定条件を満たすマッチング関係にある第3の求人者Cの存在を知ることができるとともに、自身のアクション報知情報が第3の求人者Cに提供されたことを知ることができる。第1の求職者Xは、求人求職情報記憶部18のデータベースにアクセスして第3の求人者Cの求人情報CPを詳細に確認し、興味がある場合にはブックマークをしたり、応募したりすることが可能である。
【0051】
第1の求職者Xは、第1の求人情報提供部12の機能を利用して求人情報の検索を行い、検索結果の中に第3の求人情報CPが含まれていれば、その時点でブックマークボタン53を押下してブックマークを付したり、応募ボタン54を押下して応募したりすることが可能である。しかしながら、入力する検索条件によっては、検索結果の中に第3の求人情報CPが含まれない場合もある。この場合、第3の求人情報CPに対するブックマークや応募を行うことは、事実上不可能である。また、検索結果の中に第3の求人情報CPが含まれていても、求職者がそれを見逃してしまうこともあり得る。
【0052】
これに対し、本実施形態では、求職者が特定の求人情報に対して実際にアクションを起こしたことをトリガとして、アクションが行われた特定の求人情報またはアクション実行者の求職情報との間で所定条件を満たす他の求人情報のマッチング処理を行い、当該他の求人情報を提供している求人者に対してアクション報知情報を提供するだけでなく、アクション報知情報の提供先である求人者を示すアクション報知先情報をアクション実行者に提供するようにしている。
【0053】
このようにして求職者に提供されるアクション報知先情報は、特定の求人情報に対するアクションを行ったという求職者のリアルタイムの意思に基づくマッチング処理の結果として提供されるものである。そして、このアクション報知先情報には、求職者が検索によって見つけられなかった求人者で、求職者が興味を持つ可能性のある求人者の情報が含まれている可能性があると考えられる。このように、本実施形態によれば、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングをトリガとして、求職者自身にとって有用な求人情報を求職者に提供することも可能である。
【0054】
反応情報提供部17は、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対し、第2の求人情報提供部16がアクション報知先情報を求職者端末20に提供した後のアクション実行者からの反応に関する情報を提供する。すなわち、反応情報提供部17は、第2の求人情報提供部16によりアクション報知先情報が求職者端末20に提供された後、アクション実行者からの反応を検知した場合、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対し、アクション実行者からの反応に関する情報を提供する。
【0055】
ここで、アクション実行者からの反応とは、例えば詳細ボタン52の押下による詳細情報の閲覧、ブックマークボタン53の押下によるブックマークの付与、応募ボタン54の押下による応募などである。反応に関する情報(以下、反応情報という)とは、アクション実行者からの反応があったことを示す情報である。反応情報は、反応の種類(詳細情報の閲覧、ブックマークの付与、応募の何れか)を示す情報を含んでもよい。
【0056】
なお、アクション報知情報の提供先である求人者の求人情報に対してブックマークが付されたことは、求人求職情報記憶部18のデータベースにブックマーク情報が記録されたことを検知することによって把握することが可能である。同様に、アクション報知情報の提供先である求人者の求人情報に対して応募が行われたことは、求人求職情報記憶部18のデータベースに応募情報が記録されたことを検知することによって把握することが可能である。同様に、詳細ボタン52が押下されたときにそのことを示す情報を求人求職情報記憶部18のデータベースに記録するようにし、そのような情報が記録されたことを検知することにより、求人情報の詳細情報が閲覧されたことを把握することが可能である。
【0057】
図7および
図8に示した例の場合、反応情報提供部17は、アクション報知情報を提供した第1の求人者端末30
-1および第3の求人者端末30
-3に対し、アクション実行者である第1の求職者Xが使用する第1の求人者端末30
-1にアクション報知先情報を提供した後のアクション実行者からの反応(第1の求人情報A
Pまたは第3の求人情報C
Pに対する反応)に関する情報を提供する。この反応情報を受け取った第1の求人者Aおよび第3の求人者Cは、反応情報に応じてその後の第1の求職者Xに対するアプローチ戦略を検討することが可能である。
【0058】
例えば、最初に第1の求職者Xから第1の求人情報APに対するアクションが行われた第1の求人者Aは、他の求人者Cが提供する第3の求人情報CPに対しても第1の求職者Xが反応を示していることを示す反応情報を見ることにより、第1の求職者Xに対するアプローチを強めるなどの戦略をとることが可能である。また、第1の求人情報APに対するアクションをトリガとして派生的にアクション報知情報を受け取った第3の求人者Cは、自身が提供する第3の求人情報CPに対しても第1の求職者Xが反応を示していることを示す反応情報を見ることにより、第1の求職者Xに対するアプローチをスピーディに進めるなどの戦略をとることが可能である。
【0059】
なお、第2の求職情報提供部15が第1の求人者端末30-1および第3の求人者端末30-3に対して提供するアクション報知情報の中に、アクション実行者である第1の求職者Xの求職情報XJの少なくとも一部(アクション実行者の氏名や求職者ID)に加えて、アクションの種類の情報を含ませるようにしてもよい。このようにすれば、反応情報を受け取った求人者は、アクション報知情報により示されるアクションの種類と、その後に提供される反応情報により示されるアクションの種類とを比較して、第1の求職者Xに対するアプローチ戦略を検討することが可能となる。
【0060】
例えば、最初に第1の求職者Xが第1の求人情報APに対するアクション(ブックマークの付与)を行った後、第1の求職者Xが第1の求人情報APに対して応募を行ったとする。この場合、第1の求職者Xは、第3の求人者Cに対してアクション報知情報が提供されたことをアクション報知先情報の受信により認識したにもかかわらず、ブックマークしていた第1の求人情報APに対して応募を行ったことになる。
【0061】
この場合、第1の求人者Aは、最初に第1の求職者Xから第1の求人情報APに対するアクションが行われたときに提供されるアクション報知情報と、アクション報知先情報を第1の求職者Xに提供した後に提供される反応情報とを見ることにより、第1の求職者Xによる自身に対する強い応募希望の意思を把握することが可能であり、第1の求職者Xからの応募に対する対応を前向きに進めていくことが可能である。
【0062】
一方、第3の求人者Cは、最初に第1の求職者Xから第1の求人情報APに対するアクションが行われたときに提供されるアクション報知情報と、アクション報知先情報を第1の求職者Xに提供した後に提供される反応情報とを見ることにより、第1の求職者Xによる第1の求人者Aに対する強い応募希望の意思を把握することが可能である。この場合、例えば、第1の求職者Xに対するアプローチを断念するか、アプローチを敢えて強くするかといった検討を行うことが可能である。
【0063】
なお、ここでは求職者の反応として、求人情報の詳細情報の閲覧、ブックマーク、応募を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アクション報知情報の提供先の求人者に対して希望順のランキングを設定すること、情報提供サーバ装置10を通じて問い合わせを行うことなどを含んでもよい。同様に、求職者が最初に求人情報に対して行うアクションとして、ブックマークの付与と応募の他に、情報提供サーバ装置10を通じて問い合わせを行うことなどを含んでもよい。
【0064】
図11は、以上のように構成した本実施形態による情報提供サーバ装置10の動作例を示すフローチャートである。まず、派生求人情報抽出部14は、求人求職情報記憶部18のデータベースに対して求職者端末20からアクセスが行われ、求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたか否かを判定する(ステップS1)。
【0065】
ここで、派生求人情報抽出部14は、特定の求人情報に対するアクションが行われたことを検知した場合、特定の求人情報とその他の求人情報との間、および、アクション実行者に対応する求職情報とその他の求人情報との間の少なくとも一方で所定条件に基づくマッチング処理を行い、その他の求人情報のうち所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出する(ステップS2)。
【0066】
次いで、第2の求職情報提供部15は、アクションが行われた特定の求人情報の提供元の求人者端末30および派生求人情報抽出部14により抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末30に対し、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部をアクション報知情報として提供する(ステップS3)。
【0067】
さらに、第2の求人情報提供部16は、アクション実行者が使用する求職者端末20に対し、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対応する求人情報の少なくとも一部をアクション報知先情報として提供する(ステップS4)。その後、処理はステップS1に戻る。
【0068】
上記ステップS1において、特定の求人情報に対するアクションが行われたことが派生求人情報抽出部14により検知されない場合、反応情報提供部17は、第2の求人情報提供部16によりアクション報知情報が提供された求人者端末30に対応する求人情報に対するアクション実行者からの反応があったか否かを判定する(ステップS5)。
【0069】
ここで、反応情報提供部17は、上記のような反応を検知した場合、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対し、アクション実行者からの反応に関する反応情報を提供する(ステップS6)。その後、処理はステップS1に戻る。また、反応情報提供部17が上記のような反応を検知しない場合は、ステップS6の処理を行うことなくステップS1に戻る。情報提供サーバ装置10は、以上のようなステップS1~S6の処理を常時実行する。
【0070】
以上詳しく説明したように、本実施形態の情報提供サーバ装置10は、派生求人情報抽出部14および第2の求職情報提供部15を備え、求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、所定条件に基づくマッチング処理を行い、当該所定条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出して、アクションが行われた特定の求人情報の提供元の求人者端末30および派生の求人情報の提供元の求人者端末30に対し、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部をアクション報知情報として提供するようにしている。
【0071】
このように構成した本実施形態によれば、求人求職情報記憶部18のデータベースに登録されている求職情報と求人情報とを単にマッチングしてその結果を求人者に提供するのではなく、求職者端末20から特定の求人情報に対するアクションが行われたときに、特定の求人情報に対するアクションを行ったという求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングが行われ、アクション実行者に対応する求職情報の少なくとも一部が求人者端末30に提供される。このとき情報が提供される求人者端末30は、求職者がアクションを行った特定の求人情報の提供元の求人者端末30だけでなく、マッチング処理によって抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末30も含まれる。
【0072】
すなわち、本実施形態によれば、特定の求人情報に対するアクションを行った求職者の求職情報の少なくとも一部が、当該特定の求人情報の提供元の求人者端末30およびマッチング処理により抽出された派生の求人情報の提供元の求人者端末30に広く提供される。これにより、求人者は、自らデータベースにアクセスして求職情報を検索しなくても、自らの求人情報にアクションを行った求職者を把握したり、自らの求人情報との間で所定条件を満たすマッチング関係にある他の求人者の求人情報にアクションを行った求職者を把握したりすることができる。このように、本実施形態によれば、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングを行うことにより、求人者にとってより有用な求職情報を求人者に提供することができる。
【0073】
また、本実施形態の情報提供サーバ装置10は、第2の求人情報提供部16を備え、アクション実行者が使用する求職者端末20に対し、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対応する求人情報の少なくとも一部をアクション報知先情報として提供するようにしている。このようにして求人者端末30に提供されるアクション報知先情報は、求職者が検索によって見つけられなかった求人者で、求職者が興味を持つ可能性のある求人者の情報が含まれている可能性があると考えられる。このように、本実施形態によれば、求職者のリアルタイムの意思を反映させたマッチングをトリガとして、求職者自身にとって有用な求人情報を求職者に提供することもできる。
【0074】
さらに、本実施形態の情報提供サーバ装置10は、反応情報提供部17を備え、第2の求職情報提供部15がアクション報知情報を提供した求人者端末30に対し、第2の求人情報提供部16がアクション報知先情報を提供した後のアクション実行者からの反応に関する情報を提供するようにしている。この反応情報を受け取った求人者は、反応情報に応じてその後のアクション実行者に対するアプローチ戦略を検討することが可能となる。このように、本実施形態によれば、求人者にとって有用な反応情報を求人者に提供することができる。
【0075】
なお、上記実施形態では、派生求人情報抽出部14が職種をマッチングの条件として使用する例について説明したが、これは一例に過ぎず、他の情報をマッチングの条件として使用するようにしてもよい。例えば、派生求人情報抽出部14は、アクション実行者に対応する求職情報に含まれる職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上と、その他の求人情報(アクションが行われた特定の求人情報以外の求人情報)との適合度が所定レベル以上か否かという条件に基づくマッチング処理を行い、当該条件を満たす求人情報を派生の求人情報として抽出するようにしてもよい。
【0076】
例えば、求職情報に含まれる職歴と求人情報との適合度は、求職情報に含まれる職歴により示されている1以上の経験職種と、求人情報に含まれる職歴として求職者に求められている1以上の職種とがどの程度合致しているかを示した指標値である。また、求職情報に含まれる保有資格と求人情報との適合度は、求職情報に含まれる1以上の保有資格と、求人情報として求職者に求められている1以上の保有資格とがどの程度合致しているかを示した指標値である。他も同様である。
【0077】
このようにすれば、求職者の希望職種と求人者の募集職種とが合致していなくても、求職者の職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上に関して適合度が所定レベル以上の求人情報があれば、派生の求人情報として抽出される。この場合、アクション報知情報を提供する求人者の対象範囲を広げることができる。アクション報知情報を受け取った求人者は、職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上の点で適合度が所定レベル以上の求職者を把握することができるので、欲しいと思える人材であればスカウトなどのアプローチをとることが可能である。
【0078】
また、職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上の点で適合度が所定レベル以上となる求人者の情報がアクション報知先情報として求職者に提供されるようになる。このため、求職者は、希望職種という点では合致していない求人情報であっても、自身の過去の職歴やスキル、能力を活かせる可能性のある求人情報を把握することが可能となる。すなわち、求職者が自らの意思で選んだ検索条件による検索(第1の求人情報提供部12の機能を利用して行う検索)では見つかることのない求人情報で、自身の過去の職歴やスキル、能力を活かせる可能性のある求人情報を把握することが可能となる。
【0079】
別の例として、派生求人情報抽出部14は、アクションが行われた特定の求人情報に含まれる募集職種と、その他の求人情報に含まれる募集職種とが合致するか否かという条件に基づく第1のマッチング処理を行うとともに、アクション実行者に対応する求職情報に含まれる職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技の何れか1つ以上と、その他の求人情報との適合度が所定レベル以上か否かという条件に基づく第2のマッチング処理を行い、第1のマッチング処理により抽出される求人情報と第2のマッチング処理により抽出される求人情報とのAND条件またはOR条件で抽出される求人情報を派生の求人情報として抽出するようにしてもよい。
【0080】
このようにすれば、第1のマッチング処理によって、希望職種の点で合致する求人情報を抽出することができるとともに、第2のマッチング処理によって、求職者の職歴、保有資格、保有スキル、技能、専門知識、特技を活かせる可能性のある求人情報を抽出することができる。そして、第1のマッチング処理により抽出される求人情報と第2のマッチング処理により抽出される求人情報とのAND条件で抽出される求人情報を派生の求人情報として抽出すれば、求職情報との合致度がより大きい求人情報に絞って派生の求人情報を抽出することが可能である。一方、OR条件で抽出される求人情報を派生の求人情報として抽出すれば、アクション報知情報を提供する求人者の対象範囲を広げることができる。
【0081】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 情報提供サーバ装置
11 求人求職情報管理部
12 第1の求人情報提供部
13 第1の求職情報提供部
14 派生求人情報抽出部
15 第2の求職情報提供部
16 第2の求人情報提供部
17 反応情報提供部
18 求人求職情報記憶部
20 求職者端末
30 求人者端末