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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161520
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/08 20060101AFI20221014BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20221014BHJP
   A47B 67/04 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B65D21/08
A45C11/00 W
A47B67/04 A
A47B67/04 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066407
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】521151577
【氏名又は名称】鈴木 幾子
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幾子
【テーマコード(参考)】
3B045
3B160
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045BA18
3B045BA24
3B045DA42
3B045FA03
3B045FC04
3B045FC10
3B160AA08
3B160AB02
3B160AB03
3B160CA02
3B160CA12
3B160CA33
3B160DB04
3B160EA06
(57)【要約】
【課題】収納物の長さ及び幅に応じて全長及び全幅を可変とし、汎用性を著しく高めることが可能な収納ケースを提供すること。
【解決手段】収納ケース1は、上面を開口した四角形の箱状に形成された本体ケース2が、隅部に対応して4分割されている分割体10,20,30,40を有し、各分割体10,20,30,40は、一方の側壁部12,22,一方の側壁部32,42が重なり合った状態でX方向に摺動するようにガイドする長尺ガイド溝15,45、ガイドピン25,36と、他方の側壁部23,33,他方の側壁部43,13が重なり合った状態でX方向と直交するY方向に摺動するようにガイドする短尺ガイド溝26,16、ガイドピン35,46と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開口した四角形の箱状に形成された本体ケースが、4つの隅部に対応して4分割されている分割体を有し、
前記各分割体は、前記隅部を形成する2つの側壁部と、これらの側壁部に連続して形成された底壁部とを有し、
一方の側壁部が隣接する一方の分割体の一方の側壁部と一部が重なり合うとともに、他方の側壁部が隣接する他方の分割体の他方の側壁部と一部が重なり合い、
前記一方の側壁部が重なり合った状態でX方向に摺動するようにガイドするX方向ガイド手段と、
前記他方の側壁部が重なり合った状態で前記X方向と直交するY方向に摺動するようにガイドするY方向ガイド手段と、
を備えることを特徴とする収納ケース。
【請求項2】
前記X方向ガイド手段及び前記Y方向ガイド手段は、互いに重なり合う側壁部の一方において摺動する方向に沿って形成されたガイド溝と、互いに重なり合う側壁部の他方に設けられて前記ガイド溝内を移動可能なガイドピンと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
前記ガイド溝は、長さ方向に沿って凹凸列が形成され、この凹凸列の凹部に前記ガイドピンが嵌り込んで係止されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば箸やスプーン等の飲食用具、調理用器具、各種工具類、筆記用具を含む事務用品等の収納物を収納する収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドリルチップやドライバ等の工具類を収容物とし、この収容物の長さに応じて全長を可変とした収納ケースには、例えば特許文献1に記載されたものがある。この収納ケースは、一端を開口されると共に他端を閉じられた筒状の内ケースと、一端を開口されると共に他端を閉じられた筒状の外ケースとによって構成され、前記外ケースを、前記内ケースに対してその開口端側から軸方向に嵌合し、収納物の長さに応じて全長を可変することのできるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3015772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された収納ケースは、外ケースを内ケースに対してその開口端側から軸方向に嵌合し、収納物の長さに応じて全長を可変することができるものの、径方向の幅に応じて全幅を可変することができない。
【0005】
すなわち、上記収納ケースは、直線方向の長さを可変することができるが、その直線方向の長さと直交する幅方向の長さを可変することができず、使用形態が限定されることから、汎用性が低いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、収納物の長さ及び幅に応じて全長及び全幅を可変とし、汎用性を著しく高めることが可能な収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上面を開口した四角形の箱状に形成された本体ケースが、隅部に対応して4分割されている分割体を有し、前記各分割体は、前記隅部を形成する2つの側壁部と、これらの側壁部に連続して形成された底壁部とを有し、一方の側壁部が隣接する一方の分割体の一方の側壁部と一部が重なり合うとともに、他方の側壁部が隣接する他方の分割体の他方の側壁部と一部が重なり合い、前記一方の側壁部が重なり合った状態でX方向に摺動するようにガイドするX方向ガイド手段と、前記他方の側壁部が重なり合った状態で前記X方向と直交するY方向に摺動するようにガイドするY方向ガイド手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記X方向ガイド手段及び前記Y方向ガイド手段は、互いに重なり合う側壁部の一方において摺動する方向に沿って形成されたガイド溝と、互いに重なり合う側壁部の他方に設けられて前記ガイド溝内を移動可能なガイドピンと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記ガイド溝は、長さ方向に沿って凹凸列が形成され、この凹凸列の凹部に前記ガイドピンが嵌り込んで係止されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、4分割されている分割体の一方の側壁部が重なり合った状態でX方向に摺動するようにガイドするX方向ガイド手段と、分割体の他方の側壁部が重なり合った状態でX方向と直交するY方向に摺動するようにガイドするY方向ガイド手段と、を備えることから、収納物の長さ及び幅に応じて本体ケースの直線方向の長さと幅方向の長さを可変することができ、本体ケースを一定範囲内で平面的に拡大、縮小可能とし、汎用性を著しく高めることが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、X方向ガイド手段及びY方向ガイド手段は、互いに重なり合う側壁部の一方において摺動する方向に沿って形成されたガイド溝と、互いに重なり合う側壁部の他方に設けられてガイド溝内を移動可能なガイドピンと、を備えることから、各分割体を円滑に移動させることができ、信頼性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明によれば、ガイド溝は、長さ方向に沿って凹凸列が形成され、この凹凸列の凹部にガイドピンが嵌り込んで係止されるので、一定範囲内で平面的に拡大、縮小した状態を確実に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る収納ケースの一実施形態を示す分解斜視図である。
図2図1の収納ケースを最も縮小した状態を示す斜視図である。
図3図1の収納ケースを長さ方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。
図4図1の収納ケースを幅方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。
図5図1の収納ケースを長さ方向及び幅方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
[一実施形態]
図1は、本発明に係る収納ケースの一実施形態を示す分解斜視図である。図2は、図1の収納ケースを最も縮小した状態を示す斜視図である。図3は、図1の収納ケースを長さ方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。図4は、図1の収納ケースを幅方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。図5は、図1の収納ケースを長さ方向及び幅方向に最も拡大した状態を示す斜視図である。なお、本実施形態では、収納ケース内に収納物の一例として箸やスプーン等の飲食用具を収納する場合について説明する。
【0016】
図1図5に示すように、収納ケース1は、例えば厚紙等から作製又は合成樹脂製等から成形された本体ケース2を有し、この本体ケース2は、上面を開口した平面視長方形の箱状に形成されている。この本体ケース2は、平面において互いに略同一の面積を有するように4分割されて分割体10,20,30,40が形成されている。すなわち、これら4つの分割体10,20,30,40は、それぞれ直角の角部11,21,31,41を有するように分割されている。これら直角の角部11,21,31,41は、それぞれ本実施形態の隅部を構成する。4つの分割体10,20,30,40は、それぞれ第1の分割体、第2の分割体、第3の分割体、及び第4の分割体を構成し、互いに略同じ大きさに形成されている。
【0017】
分割体10は、2つの分割体20,40に隣接するように配置されている。同様に、分割体20は、2つの分割体10,30に隣接し、分割体30は、2つの分割体20,40に隣接し、分割体40は、2つの分割体30,10に隣接するように、それぞれが配置されている。
【0018】
分割体10は、直角の角部11を形成する2つの側壁部12,13を有する。同様に、分割体20は、直角の角部21を形成する2つの側壁部22,23を有し、分割体30は、直角の角部31を形成する2つの側壁部32,33を有し、分割体40は、直角の角部41を形成する2つの側壁部42,43を有する。
【0019】
分割体10の側壁部12,13、分割体20の側壁部22,23、分割体30の側壁部32,33、及び分割体40の側壁部42,43は、全て互いに略同一の高さを有している。分割体10は、側壁部12が側壁部13よりも長尺に形成されている。同様に、分割体20は側壁部22が側壁部23よりも、分割体30は側壁部32が側壁部33よりも、分割体40は側壁部42が側壁部43よりも、それぞれ長尺に形成されている。これらの側壁部12,22,32,42は、互いに略同一の長さを有する一方、側壁部13,23,33,43も、互いに略同一の長さを有している。
【0020】
分割体10には、側壁部12,13に直角に連続して形成された底壁部14が設けられている。同様に、分割体20に側壁部22,23に直角に連続して形成された底壁部24が、分割体30に側壁部32,33に直角に連続して形成された底壁部34が、分割体40に側壁部42,43に直角に連続して形成された底壁部44がそれぞれ設けられている。これらの底壁部14,24,34,44は、それぞれ互いに同一の長方形状であって略同一の面積を有している。
【0021】
なお、以下の説明では、側壁部12,22,32,42を長尺側壁部とし、側壁部13,23,33,43を短尺側壁部とする。
【0022】
分割体10と分割体20とは、長尺側壁部12と長尺側壁部22とが互いに重なり合って配置されているとともに、双方の底壁部14と底壁部24とが互いに重なり合って配置されている。具体的には、長尺側壁部22は、長尺側壁部12の内側に配置され、底壁部24が底壁部14上に重なるように配置されている。
【0023】
分割体20と分割体30とは、短尺側壁部23と短尺側壁部33とが互いに重なり合って配置されているとともに、双方の底壁部24と底壁部34とが互いに重なり合って配置されている。具体的には、短尺側壁部33は、短尺側壁部23の内側に配置され、底壁部34が底壁部24上に重なるように配置されている。
【0024】
分割体30と分割体40とは、長尺側壁部32と長尺側壁部42とが互いに重なり合って配置されているとともに、双方の底壁部34と底壁部44とが互いに重なり合って配置されている。具体的には、長尺側壁部32は、長尺側壁部42の内側に配置され、底壁部34が底壁部44上に重なるように配置されている。
【0025】
分割体40と分割体10とは、短尺側壁部43と短尺側壁部13とが互いに重なり合って配置されているとともに、双方の底壁部44と底壁部14とが互いに重なり合って配置されている。具体的には、短尺側壁部43は、短尺側壁部12の内側に配置され、底壁部44が底壁部14上に重なるように配置されている。
【0026】
分割体10は、長尺側壁部12に同一の高さでその長さ方向に沿って延びる長尺ガイド溝15が形成されている。分割体10は、短尺側壁部13に同一の高さでその長さ方向に沿って延びる短尺ガイド溝16が形成されている。これら長尺ガイド溝15及び短尺ガイド溝16は、互いに同一の高さで、底壁部14の面に対して平行に形成されている。
【0027】
分割体20は、長尺側壁部22の分割体10側の端部近傍にガイドピン25が設けられている。このガイドピン25は、分割体20が分割体10と重なり合ったときに長尺ガイド溝15内に配置されて長尺ガイド溝15内に沿って移動可能となる。ガイドピン25は、長尺側壁部22の分割体10側の端部近傍に例えば接着剤やねじ込みによって固定される。
【0028】
分割体20は、短尺側壁部23に同一の高さでその長さ方向に沿って延びる短尺ガイド溝26が形成されている。この短尺ガイド溝26は、底壁部24の面に対して平行に形成されている。短尺ガイド溝26は、4分割された分割体10,20,30,40が本体ケース2として組付けられたとき、分割体10の短尺ガイド溝16と正対した位置に配置される。
【0029】
分割体30は、短尺側壁部33の分割体20側の端部近傍にガイドピン35が設けられている。このガイドピン35は、分割体30が分割体20と重なり合ったときに短尺ガイド溝26内に配置されて短尺ガイド溝26内に沿って移動可能となる。ガイドピン35は、短尺側壁部33の分割体20側の端部近傍に例えば接着剤やねじ込みによって固定される。
【0030】
分割体30は、長尺側壁部32の分割体40側の端部近傍にガイドピン36が設けられている。このガイドピン36は、分割体30が分割体40と重なり合ったときに後述する分割体40の長尺ガイド溝45内に配置されて長尺ガイド溝45内に沿って移動可能となる。ガイドピン36は、長尺側壁部32の分割体40側の端部近傍に例えば接着剤やねじ込みによって固定される。
【0031】
分割体40は、長尺側壁部42に同一の高さでその長さ方向に沿って延びる上記長尺ガイド溝45が形成されている。この長尺ガイド溝45は、同一の高さで、底壁部44の面に対して平行に形成されている。上記のように分割体40が分割体30と重なり合ったときに長尺ガイド溝45内に分割体30のガイドピン36が配置され、このガイドピン36が長尺ガイド溝45内に沿って移動可能となる。長尺ガイド溝45は、4分割された分割体10,20,30,40が本体ケース2として組付けられたとき、分割体10の長尺ガイド溝15と正対した位置に配置される。
【0032】
分割体40は、短尺側壁部43の分割体10側の端部近傍にガイドピン46が設けられている。このガイドピン46は、分割体40が分割体10と重なり合ったときに短尺ガイド溝16内に配置されて短尺ガイド溝16内に沿って移動可能となる。ガイドピン46は、短尺側壁部43の分割体10側の端部近傍に例えば接着剤やねじ込みによって固定される。
【0033】
なお、分割体10の長尺側壁部12及び底壁部14に対して分割体20の長尺側壁部22及び底壁部24が最も狭くした状態で重なり合った場合には、分割体20のガイドピン25は、長尺ガイド溝15の一端である第1の端部15aに配置されるように構成されている。ここで、長尺ガイド溝15及びガイドピン25は、本実施形態のX方向ガイド手段を構成する。
【0034】
また、分割体10の長尺側壁部12及び底壁部14に対して分割体20の長尺側壁部22及び底壁部24が最も広くした状態で重なり合った場合には、分割体20のガイドピン25は、長尺ガイド溝15の他端である第2の端部15bに配置されるように構成されている。
【0035】
分割体20の短尺側壁部23及び底壁部24に対して分割体30の短尺側壁部33及び底壁部34が最も狭くした状態で重なり合った場合には、分割体30のガイドピン35は、短尺ガイド溝26の一端である第1の端部26aに配置されるように構成されている。ここで、短尺ガイド溝26及びガイドピン35は、本実施形態のY方向ガイド手段を構成する。
【0036】
また、分割体20の短尺側壁部23及び底壁部24に対して分割体30の短尺側壁部33及び底壁部34が最も広くした状態で重なり合った場合には、分割体30のガイドピン35は、短尺ガイド溝26の他端である第2の端部26bに配置されるように構成されている。
【0037】
分割体40の長尺側壁部42及び底壁部44に対して分割体30の長尺側壁部32及び底壁部34が最も狭くした状態で重なり合った場合には、分割体30のガイドピン36は、長尺ガイド溝45の一端である第1の端部45aに配置されるように構成されている。ここで、長尺ガイド溝45及びガイドピン36は、本実施形態のX方向ガイド手段を構成する。
【0038】
また、分割体40の長尺側壁部42及び底壁部44に対して分割体30の長尺側壁部32及び底壁部34が最も広くした状態で重なり合った場合には、分割体30のガイドピン36は、長尺ガイド溝45の他端である第2の端部45bに配置されるように構成されている。
【0039】
分割体10の短尺側壁部13及び底壁部14に対して分割体40の短尺側壁部43及び底壁部44が最も狭くした状態で重なり合った場合には、分割体40のガイドピン46は、短尺ガイド溝16の一端である第1の端部16aに配置されるように構成されている。ここで、短尺ガイド溝16ガイドピン46は、本実施形態のY方向ガイド手段を構成する。
【0040】
また、分割体10の短尺側壁部13及び底壁部14に対して分割体40の短尺側壁部43及び底壁部24が最も広くした状態で重なり合った場合には、分割体40のガイドピン46は、短尺ガイド溝16の他端である第2の端部16bに配置されるように構成されている。
【0041】
分割体10の長尺ガイド溝15、短尺ガイド溝16、分割体20の短尺ガイド溝26、及び分割体40の長尺ガイド溝45の長さ方向の底面には、それぞれ波状に形成された凹凸列15c,16c,26c,45cが設けられている。これらの凹凸列15c,16c,26c,45cは、全て同一のピッチで凹凸が形成されている。本実施形態では、これらの凹凸列15c,16c,26c,45cの凹部にそれぞれのガイドピンが25,35,46の軸部が嵌り込んで係止されるように構成されている。
【0042】
上記のように分割体10の長尺ガイド溝15と分割体40の長尺ガイド溝45は、4分割された分割体10,20,30,40が本体ケース2として組付けられたとき、正対した位置に配置され、凹凸列15c,45cの凹凸が同一のピッチで正対した位置に形成されている。そのため、分割体10,40を一対とするとともに、分割体20,30を一対とした場合、これらを互いに相対移動させたときには、分割体20のガイドピン25と分割体30のガイドピン36は、同一のピッチで移動可能となり、対をなす分割体10,40と分割体20,30は、互いに平行移動可能に構成されている。
【0043】
同様に、上記のように分割体10の短尺ガイド溝16と分割体20の短尺ガイド溝26は、4分割された分割体10,20,30,40が本体ケース2として組付けられたとき、正対した位置に配置され、凹凸列16c,26cの凹凸が同一のピッチで正対した位置に形成されている。そのため、分割体10,20を一対とするとともに、分割体30,40を一対とした場合、これらを互いに相対移動させたときには、分割体30のガイドピン35と分割体40のガイドピン46は、同一のピッチで移動可能となり、分割体10,20と分割体30,40は、互いに平行移動可能に構成されている。
【0044】
次に、本実施形態の収納ケース1の作用を説明する。
【0045】
本実施形態の収納ケース1は、図2に示すように最も狭い収納面積、つまりX方向(長さ方向)及びY方向(幅方向)に最も小さいサイズにする場合、分割体10の長尺側壁部12及び底壁部14に対して分割体20の長尺側壁部22及び底壁部24が最も狭くして重なり合う状態とし、分割体20のガイドピン25を長尺ガイド溝15の第1の端部15aに配置させる。
【0046】
同様に、分割体20の短尺側壁部23及び底壁部24に対して分割体30の短尺側壁部33及び底壁部34が最も狭くして重なり合う状態とし、分割体30のガイドピン35を短尺ガイド溝26の第1の端部26aに配置させる。
【0047】
同様に、分割体40の長尺側壁部42及び底壁部44に対して分割体30の長尺側壁部32及び底壁部34が最も狭くして重なり合う状態とし、分割体30のガイドピン36を長尺ガイド溝45の第1の端部45aに配置させる。
【0048】
同様に、分割体10の短尺側壁部13及び底壁部14に対して分割体40の短尺側壁部43及び底壁部44が最も狭くして重なり合う状態とし、分割体40のガイドピン25を短尺ガイド溝16の第1の端部16aに配置させる。
【0049】
このように本実施形態の収納ケース1を図2に示すように最も狭い収納面積とした場合には、長さが短く、かつ少ない本数の食事用の箸50やスプーン60を収納する際に適用される。
【0050】
また、本実施形態の収納ケース1を図3に示すようにX方向(長さ方向)に最も長いサイズにする場合には、分割体30のガイドピン35を短尺ガイド溝26の第1の端部26aに配置させ、かつ分割体40のガイドピン25を短尺ガイド溝16の第1の端部16aに配置させたままの状態としておく。
【0051】
そして、使用者は、互いに重なり合った分割体10の短尺側壁部13及び分割体40の短尺側壁部43と、互いに重なり合った分割体20の短尺側壁部23及び分割体30の短尺側壁部33とをそれぞれ両手の手指で摘み、互いに離間するように引っ張る。
【0052】
すると、分割体20のガイドピン25は、長尺ガイド溝15の第1の端部15aから長尺ガイド溝15に沿って摺動されて長尺ガイド溝15の第2の端部15bに配置される。これと同時に、分割体30のガイドピン36は、長尺ガイド溝45の第1の端部45aから長尺ガイド溝45に沿ってガイドピン25と同一のピッチで摺動されて長尺ガイド溝45の第2の端部45bに配置される。分割体10及び割体40と、分割体20及び分割体30とが互いに平行移動することとなる。
【0053】
このように操作することで、分割体10の長尺側壁部12及び底壁部14に対して分割体20の長尺側壁部22及び底壁部24が最も広くして重なり合った状態となり、また分割体40の長尺側壁部42及び底壁部44に対して分割体30の長尺側壁部32及び底壁部34が最も広くして重なり合った状態となり、収納ケース1の収納面がX方向(長さ方向)に最も長く形成される。
【0054】
このように本実施形態の収納ケース1を図3に示すように収納面がX方向(長さ方向)に最も長く形成した場合には、長さが長く、かつ少ない本数の菜箸51やスプーン60を収納する際に適用される。具体的には、食事用の箸50に菜箸51を混在させるときや、異なる長さのスプーン60を混在して収納する際に適用される。
【0055】
なお、本実施形態では、収納ケース1を図3に示すように収納面がX方向(長さ方向)に最も長く形成する以外に、ガイドピン25,36を長尺ガイド溝15,36と同じピッチで移動させて中途位置で係止するようにしてもよい。つまり、本実施形態では、収納物の長さに対応して収納ケース1のX方向(長さ方向)の調整が可能である。
【0056】
また、本実施形態の収納ケース1を図4に示すようにY方向(幅方向)に最も長いサイズにする場合には、分割体20のガイドピン25を長尺ガイド溝15の第1の端部15aに配置させ、かつ分割体30のガイドピン36を長尺ガイド溝45の第1の端部45aに配置させたままの状態としておく。
【0057】
そして、使用者は、互いに重なり合った分割体10の長尺側壁部12及び分割体20の長尺側壁部22と、互いに重なり合った分割体30の長尺側壁部32及び分割体40の長尺側壁部42とをそれぞれ両手の手指で摘み、互いに離間するように引っ張る。
【0058】
すると、分割体30のガイドピン35は、短尺ガイド溝26の第1の端部26aから短尺ガイド溝26に沿って摺動されて短尺ガイド溝26の第2の端部26bに配置される。これと同時に、分割体40のガイドピン46は、短尺ガイド溝16の第1の端部16aから短尺ガイド溝16に沿って摺動されて短尺ガイド溝16の第2の端部16bに配置される。
【0059】
このように操作することで、分割体20の短尺側壁部23及び底壁部24に対して分割体30の短尺側壁部33及び底壁部34が最も狭い面で重なり合った状態となり、また分割体10の短尺側壁部13及び底壁部14に対して分割体40の短尺側壁部43及び底壁部44が最も狭い面で重なり合った状態となり、収納ケース1の収納面がY方向(幅方向)に最も長く形成される。
【0060】
このように本実施形態の収納ケース1を図4に示すように収納面がY方向(幅方向)に最も長く形成した場合には、長さが短く、かつ多数本の食事用の箸50やスプーン60を収納する際に適用される。
【0061】
なお、この場合でも、収納ケース1を図4に示すように収納面がY方向(幅方向)に最も長く形成する以外に、ガイドピン35,46を短尺ガイド溝26,16と同じピッチで移動させて中途位置で係止するようにしてもよい。つまり、本実施形態では、収納物の幅方向の長さに対応して収納ケース1のY方向(幅方向)の調整が可能である。
【0062】
さらに、本実施形態の収納ケース1を図5に示すようにX方向(長さ方向)及びY方向(幅方向)のそれぞれに最も長いサイズにする場合には、使用者は、互いに重なり合った分割体10の短尺側壁部13及び分割体40の短尺側壁部43と、互いに重なり合った分割体20の短尺側壁部23及び分割体30の短尺側壁部33とをそれぞれ両手の手指で摘み、互いに離間するように引っ張る。
【0063】
すると、分割体20のガイドピン25は、長尺ガイド溝15の第1の端部15aから長尺ガイド溝15に沿って摺動されて長尺ガイド溝15の第2の端部15bに配置される。これと同時に、分割体30のガイドピン36は、長尺ガイド溝45の第1の端部45aから長尺ガイド溝45に沿って摺動されて長尺ガイド溝45の第2の端部45bに配置される。
【0064】
このように操作することで、分割体10の長尺側壁部12及び底壁部14に対して分割体20の長尺側壁部22及び底壁部24が最も広くなるように重なり合った状態となり、また分割体40の長尺側壁部42及び底壁部44に対して分割体30の長尺側壁部32及び底壁部34が最も広くなるように重なり合った状態となる。
【0065】
次いで、使用者は、互いに重なり合った分割体10の長尺側壁部12及び分割体20の長尺側壁部22と、互いに重なり合った分割体30の長尺側壁部32及び分割体40の長尺側壁部42とをそれぞれ両手の手指で摘み、互いに離間するように引っ張る。
【0066】
すると、分割体30のガイドピン35は、短尺ガイド溝26の第1の端部26aから短尺ガイド溝26に沿って摺動されて短尺ガイド溝26の第2の端部26bに配置される。これと同時に、分割体40のガイドピン46は、短尺ガイド溝16の第1の端部16aから短尺ガイド溝16に沿って摺動されて短尺ガイド溝16の第2の端部16bに配置される。
【0067】
このように操作することで、分割体20の短尺側壁部23及び底壁部24に対して分割体30の短尺側壁部33及び底壁部34が最も広くなるように重なり合った状態となり、また分割体10の短尺側壁部13及び底壁部14に対して分割体40の短尺側壁部43及び底壁部44が最も広くなるように重なり合った状態となる。
【0068】
このようにして、収納ケース1の収納面は、X方向(長さ方向)及びY方向(幅方向)に最も長く形成される。すなわち、収納ケース1は、収納面が最も広く形成されることとなる。
【0069】
このように本実施形態の収納ケース1を図5に示すように収納面がX方向(長さ方向)及びY方向(幅方向)に最も長く形成した場合には、長さが長く、かつ多数本の食事用の箸50及び菜箸51や、異なる長さのスプーン60を収納する際に適用される。
【0070】
なお、この場合でも、上述したように収納物の長さ方向及び幅方向の長さに対応して収納ケース1のX方向(長さ方向)及びY方向(幅方向)の調整が可能である。
【0071】
このように本実施形態によれば、一方の側壁部12,22,一方の側壁部32,42が重なり合った状態でX方向に摺動するようにガイドする長尺ガイド溝15,45、ガイドピン25,36と、他方の側壁部23,33,他方の側壁部43,13が重なり合った状態でX方向と直交するY方向に摺動するようにガイドする短尺ガイド溝26,16、ガイドピン35,46と、を備えることから、収納物の長さ及び幅に応じて本体ケース1の直線方向の長さと幅方向の長さを可変することができ、本体ケース1を一定範囲内で平面的に拡大、縮小可能とし、汎用性を著しく高めることが可能となる。
【0072】
また、本実施形態によれば、X方向ガイド手段及びY方向ガイド手段は、互いに重なり合う側壁部の一方において摺動する方向に沿って形成された長尺ガイド溝15,45、短尺ガイド溝26,16と、互いに重なり合う側壁部の他方に設けられて長尺ガイド溝15,45、短尺ガイド溝26,16内をそれぞれ移動可能なガイドピン25,36、ガイドピン35,46と、を備えることから、各分割体10,20,30,40を円滑に移動させることができ、信頼性を向上させることができる。
【0073】
さらに、本実施形態によれば、分割体10の長尺ガイド溝15、短尺ガイド溝16、分割体20の短尺ガイド溝26、及び分割体40の長尺ガイド溝45の長さ方向の底面には、それぞれ波状に形成された凹凸列15c,16c,26c,45cが形成され、これらの凹凸列15c,16c,26c,45cの凹部にガイドピン25,35,46が嵌り込んで係止されるので、一定範囲内で平面的に拡大、縮小した状態を確実に保持することが可能となる。
【0074】
[他の実施形態]
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0075】
例えば、上記実施形態では、本体ケース2が平面視長方形に形成した例について説明したが、これに限定することなく、例えば正方形、平行四辺形、菱形等に形成したものでも適用することができる。
【0076】
また、上記実施形態では、4つの分割体10,20,30,40は、それぞれ直角の角部11,21,31,41を有した例について説明したが、これに限定することなく、角部11,21,31,41を面取りしてアールを形成した隅部でも適用することができる。
【0077】
さらに、上記実施形態では、収納物として食事用の箸50又は菜箸51や、異なる長さのスプーン60等の飲食用具を収納する場合について説明したが、これに限らずドリルチップやドライバ等の工具類や、筆記用具を含む事務用品等は勿論のこと、その他の棒状の小物類であってもよい。
【0078】
さらにまた、上記実施形態において、凹凸列15c,16c,26c,45cは、全て同一のピッチであれば、その凹凸ピッチは収納ケース1の設置場所又は収納物に対応して適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 収納ケース
2 本体ケース
10 分割体
11 角部(隅部)
12 長尺側壁部
13 短尺側壁部
14 底壁部
15 長尺ガイド溝
15a 第1の端部
15b 第2の端部
15c 凹凸列
16 短尺ガイド溝
20 分割体
21 角部(隅部)
22 長尺側壁部
23 短尺側壁部
24 底壁部
25 ガイドピン
26 短尺ガイド溝
26a 第1の端部
26b 第2の端部
26c 凹凸列
30 分割体
31 角部(隅部)
32 長尺側壁部
33 短尺側壁部
34 底壁部
35 ガイドピン
36 ガイドピン
40 分割体
41 角部(隅部)
42 長尺側壁部
43 短尺側壁部
44 底壁部
45 長尺ガイド溝
45a 第1の端部
45b 第2の端部
45c 凹凸列
46 ガイドピン
50 食事用の箸
51 菜箸
60 スプーン
図1
図2
図3
図4
図5