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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161545
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】機械式駐車設備
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20221014BHJP
   E04H 6/18 20060101ALI20221014BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221014BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20221014BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20221014BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20221014BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H6/42 H
E04H6/18 606B
H02J7/00 P
H02J7/00 H
B60L53/30
B60L53/66
B60L55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066450
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】難波 政浩
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
5G503DA07
5G503FA01
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125AC24
5H125BC24
(57)【要約】
【課題】 パレット上に駐車された電気自動車に対する充電または放電を容易に切り替えて蓄電された電気を外部に取り出して利用することができる機械式駐車設備を提供する。
【解決手段】 充電パレットを少なくとも1つ備え、充電パレットを充電用格納部で所定の格納方向へ移動させて格納する機械式駐車設備であって、充電用格納部は、電源装置と接続された格納部側接点組立体を備え、充電パレットは、格納部側接点組立体と接触するように設けられたパレット側接点組立体と、パレット側接点組立体および電気自動車に接続する配線が接続される充放電コントローラと、を備え、充電用格納部と充電パレットは、格納部側接点組立体の接点とパレット側接点組立体の接点とが接触した状態で、前記接点を介して充放電コントローラを充電状態または放電状態に切替える充放電切替部を備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車を搭載可能な充電パレットを少なくとも1つ備え、前記充電パレットを充電用格納部で所定の格納方向へ移動させて格納する機械式駐車設備であって、
前記充電用格納部は、電源装置と接続された格納部側接点組立体を備え、
前記充電パレットは、前記格納部側接点組立体と接触するように設けられたパレット側接点組立体と、前記パレット側接点組立体および前記電気自動車に接続する配線が接続される充放電コントローラと、を備え、
前記充電用格納部と前記充電パレットは、前記充電パレットが前期充電用格納部に格納されたときに前記格納部側接点組立体の接点と前記パレット側接点組立体の接点とが接触するように構成されており、
前記接点を介して前記充放電コントローラを充電状態または放電状態に切替える充放電切替部を備えている、機械式駐車設備。
【請求項2】
前記充放電コントローラは、前記充電パレットの前記パレット側接点組立体に近接して配置されている、請求項1に記載の機械式駐車設備。
【請求項3】
前記格納部側接点組立体と前記パレット側接点組立体には、それぞれ充放電用接点と充放電用接点に隣接し独立した切替え接点が配置されている、請求項1または2に記載の機械式駐車設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に蓄電された電気を利用できる機械式駐車設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及が急速に進んでいる。このため機械式駐車設備に格納する電気自動車に対し、格納中に充電を行うものがある。一般的に、機械式駐車設備において電気自動車のバッテリ(蓄電池)に充電を行う場合、単相交流200Vによる充電が行われている。この場合、交流の電気を電気自動車に供給し、電気自動車の機能によって直流に変換して電池に充電する仕組みが一般的である。
【0003】
また、急速充電装置の普及も図られている、急速充電装置は、直流の電気を直接電気自動車に供給してバッテリに充電する仕組みとなっている。但し、この充電方法の場合には、電気自動車のバッテリの状況を急速充電装置側で把握する必要があるため、急速充電装置と電気自動車との間で信号のやり取りが行われている。
【0004】
一方、電気自動車のバッテリは容量が大きいため、非常時の電源として利用するコントローラが開発されている。例えば、電気自動車の電気を取り出して家庭用の電力として使用するV2H(Vehicle to Home)がある。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、V2Hのように電気自動車のバッテリに充電することができ、バッテリに充電した電気を放電して他の機器に給電することができるコントローラを「充放電コントローラ」という。このような充放電コントローラでは、電気自動車に充電した電気を任意に使用することができる。例えば、充放電コントローラを使い、電気料金が安い時間帯に電気自動車のバッテリに充電し、電気料金が高い時間帯に電気自動車のバッテリに充電した電気を家庭用電源として給電することができる。
【0005】
駐車装置における電気自動車への充放電に関する先行技術として、駐車装置に設けられた給電用1次コイルと車両の下面に設けられた給電用2次コイルとの間で、非接触で充電または給電をするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、他の先行技術として、電源機器を備えた駐車装置において、駐車空間に駐車した電動車両と電力制御機器とを電気回路で電気的に接続し、電動車両の電池から放電する電力を電気回路を経由して電源機器に給電するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-96950号公報
【特許文献2】特開2011-94433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1では非接触で充電と給電を行っているため、安定した放電が難しく信頼性に欠ける。また、上記特許文献2では、電動車両に備えられた電気回路を制御して充放電を行うため、電動車両の制御が難しい。
【0009】
ところで、上記家庭用の充放電コントローラ(例えば、EVパワーステーション(登録商標))でも急速充電の規格にて充放電を行うことができ、充放電コントローラと電気自動車との間で信号のやり取りを行っている。このような充放電コントローラで電気自動車の電気を家庭の電源として利用する場合、充放電コントローラに設けられたスイッチを操作することで電気自動車EVから放電(電源機器への給電)させて利用することが可能となる。このため、機械式駐車設備でも、パレットに充放電コントローラを搭載して電気自動車との間で充放電を行うことが考えられる。
【0010】
しかし、エレベータ式駐車設備などの機械式機駐車設備では、電気自動車を搭載したパレットは格納部まで搬送されて格納されるので、格納部に格納されたパレットの充放電コントローラに設けられたスイッチを利用者が切り替えて充電から放電、またはその逆に切り替えることは難しい。
【0011】
そこで、本発明は、パレット上に搭載された電気自動車に対する充電または放電を容易に切り替えてバッテリに蓄電された電気を外部に取り出して利用することができる機械式駐車設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る機械式駐車設備は、電気自動車を搭載可能な充電パレットを少なくとも1つ備え、前記充電パレットを充電用格納部で所定の格納方向へ移動させて格納する機械式駐車設備であって、前記充電用格納部は、電源装置と接続された格納部側接点組立体を備え、前記充電パレットは、前記格納部側接点組立体と接触するように設けられたパレット側接点組立体と、前記パレット側接点組立体および前記電気自動車に接続する配線が接続される充放電コントローラと、を備え、前記充電用格納部と前記充電パレットは、前記充電パレットが前期充電用格納部に格納されたときに前記格納部側接点組立体の接点と前記パレット側接点組立体の接点とが接触するように構成されており、前記接点を介して前記充放電コントローラを充電状態または放電状態に切替える充放電切替部を備えている。
【0013】
この構成により、充電パレットを格納部で格納方向へ移動させることで、充電パレットのパレット側接点組立体が電源装置と接続された格納部側接点組立体と接触して接続状態となる。前記充電パレットが前期充電用格納部に格納されたときにこれにより充電パレットのパレット側接点組立体と接続された充放電コントローラが格納部側と電気的に接続される。よって、充放電切替部で前記接点を介して充放電コントローラを充電状態または放電状態に切替えて、充電用格納部に格納された充電パレットに搭載されている電気自動車を充電状態または放電状態に切替えることができる。
【0014】
また、前記充放電コントローラは、前記充電パレットの前記パレット側接点組立体に近接して配置されていてもよい。このように構成すれば、充電パレットに備えられたパレット側接点組立体と充放電コントローラとを容易に接続することができる。
【0015】
また、前記格納部側接点組立体と前記パレット側接点組立体には、それぞれ充放電用接点と充放電用接点に隣接し独立した切替え接点が配置されていてもよい。このように構成すれば、格納部側接点組立体の充放電用接点とパレット側接点組立体の充放電用接点とに隣接して配置した切替え接点を、格納部側接点組立体の充放電用接点とパレット側接点組立体の充放電用接点との接続と一体的に接続するようにできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、パレット上に搭載されて格納部に格納された電気自動車を充電状態または放電状態に切替えて蓄電された電気を外部に取り出して利用することが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエレベータ式駐車設備を示す側面視の断面図である。
図2図2は、図1に示すII-II矢視の平面図である。
図3図3は、図1に示す充電パレットの一例を示す斜視図である。
図4図4は、図2に示す接点組立体の図面であり、(a)はパレット側接点組立体を示す正面図、(b)は棚側接点組立体を示す正面図、(c)はパレット側接点組立体と棚側接点組立体が接続された状態の側面図である。
図5図5は、図1に示す運転操作盤の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、機械式駐車設備の一例として90度乗入れ方式のエレベータ式駐車設備10を例に説明する。機械式駐車設備は、エレベータ式駐車設備10に限定されるものではなく、水平循環式、多段式および縦横移動パズル式等、充電パレット45を備えた他の形式であってもよい。なお、この明細書および特許請求の範囲の書類中における前後左右方向の概念は、図1に示す乗入れ部12の外部から入出庫口扉14に向かった状態における前後左右方向の概念と一致するものとし、図2に示す前後左右方向の概念と一致するものとする。
【0019】
(機械式駐車設備の構成)
図1は、一実施形態に係るエレベータ式駐車設備10を示す側面視の断面図である。図2は、図1に示すII-II矢視の平面図である。いずれの図も内部を簡略化して示している。この実施形態では、通常のパレット40と充電パレット45とが混在する例を示している。
【0020】
この実施形態に係るエレベータ式駐車設備10は、平面視が矩形状の鉄骨構造体の外面に外装板が設けられた駐車塔11を有し、この駐車塔11の地上1階が乗入れ部12となっている。乗入れ部12には、入出庫口13が設けられており、入出庫口13には、開閉式の入出庫口扉14が設けられている。入出庫口13の側方には、運転操作盤30が設けられている。車両Vは、入出庫方向Mに入出庫する。
【0021】
駐車塔11には、中央部の鉛直方向に平面視が矩形状の昇降路16が設けられている。昇降路16は、この実施形態では90度旋回式のエレベータ式駐車設備10であるため、平面視で駐車塔11の前後方向が短寸で、左右方向が長寸の矩形状となっている。昇降路16には、パレット40および充電パレット45を搬送する搬器(搬送装置)17が設けられている。搬器17は、ワイヤロープ19で吊下げられており、このワイヤロープ19は駐車塔11の上部に設けられた転向ローラ20を介して駆動機21で駆動されている。搬器17を昇降させるワイヤロープ19の一端側には、駆動機21の巻上げ力を軽減するカウンタウェイト22が設けられている。
【0022】
駐車塔11の鉛直方向には、昇降路16を挟んで前後方向両側に、パレット40を格納する複数段の格納棚(格納部)23と、充電パレット45を格納する複数段の充電用格納棚(充電用格納部)24とが設けられている。パレット40は、搬器17によって昇降路16を昇降させられ、所定の格納棚23の位置で停止した搬器17と格納棚23との間で、パレット移載機構18によって払出し/引込みが行われる。また、充電パレット45は、搬器17によって昇降路16を昇降させられ、所定の充電用格納棚24の位置で停止した搬器17と充電用格納棚24との間で、パレット移載機構18によって払出し/引込みが行われる。充電パレット45を充電用格納棚24に向けて払出す方向が、充電パレット45の格納方向Sである。充電パレット45を充電用格納棚24に格納することで、パレット側接点組立体50の充放電用接点51(図4a)が格納部側接点組立体である棚側接点組立体60の充放電用接点61(図4b)と接触して接続される(図4c)。棚側接点組立体60は、エレベータ式駐車設備10の電源装置(図示略)に接続されている。
【0023】
また、乗入れ部12の乗入れ床27にはピット28が設けられている。この実施形態では、ピット28の内部に搬器17で搬送するパレット40および充電パレット45を持上げて旋回させる旋回装置26が備えられている。旋回装置26により、パレット40および充電パレット45に前進で入庫した車両Vを90度旋回させ格納部に格納することができ、格納状態からさらに90度(入庫時から180度)旋回させ、前進で出庫させることができる。パレット移載機構18および旋回装置26は、公知の手段を用いることができる。
【0024】
(充電パレットの例)
図3は、図1に示す充電パレット45の一例を示す斜視図である。この実施形態における充電パレット45は、標準的なパレット40と同様の形態であり、幅方向の両側部長手方向に上方へ折れ曲がった側部立上がり部41を有し、その内側に車両Vのタイヤが通行する凹状の車両通行面42が形成され、その内側に中央隆起部43が形成されている。充電パレット45の下部には、4隅に横行用車輪44が設けられている。充電パレット45は、横行用車輪44が上記搬器17と充電用格納棚24との間で横行する。充電パレット45の横行方向が、格納方向Sである。
【0025】
この実施形態の充電パレット45には、側部立上がり部41の対角位置にパレット側接点組立体50が設けられている。パレット側接点組立体50は、側部立上がり部41の下方に設けられている。パレット側接点組立体50は、充電パレット45を充電用格納棚24に向けて横行(格納方向Sへ移動)させて所定位置に格納されることで棚側接点組立体60と接続される(図1,2)。
【0026】
そして、この充電パレット45には、側部立上がり部41の上部に電気自動車EVと配線等で電気的に接続する充放電コントローラ70が設けられている。図示する充放電コントローラ70は一例であり、大きさ、形状、設置部など、この実施形態には限定されない。例えば、充放電コントローラ70を充電パレット45の下面に備えさせて、電気自動車EVと接続するコンセント部のみを充電パレット45の上面に出すようにしてもよい。
【0027】
(接点組立体の例)
図4は、図2に示す接点組立体の図面であり、(a)はパレット側接点組立体50を示す正面図、(b)は棚側接点組立体60を示す正面図、(c)はパレット側接点組立体50と棚側接点組立体60が接続された状態の側面図である。図4は、単相交流200Vを用いる場合の図である。
【0028】
図4(a)に示すように、パレット側接点組立体50には、この実施形態では複数の充放電用接点51が並設されている。充放電用接点51は、中央部分の1つが中性線の接点でその両側が電線の接点となっている。図4(b)に示すように、棚側接点組立体60には、パレット側接点組立体50の充放電用接点51の数に対応した充放電用接点61が並設されている。充放電用接点61も、中央部分の1つが中性線の接点で、その両側が電線の接点となっている。そして、図4(c)に示すように、充電パレット45が充電用格納棚24に格納されることで、パレット側接点組立体50の充放電用接点51が棚側接点組立体60の充放電用接点61に接触して接続される。
【0029】
パレット側接点組立体50の充放電用接点51が棚側接点組立体60の充放電用接点61と接続されることで、充放電用接点51と充放電用接点61を介して電気自動車EVに充電または電気自動車EVから放電する電気が流れるようになる。
【0030】
そして、この実施形態では、これらの充放電用接点51と充放電用接点61に隣接するように、充電パレット45に設けられた充放電コントローラ70を充電状態または放電状態に切替えるための切替え接点である信号用接点52と信号用接点62とが設けられている。信号用接点52と信号用接点62は、それぞれ2つの接点となっており、これらを介して充放電コントローラ70に切替え信号を送るようになっている。
【0031】
(運転操作盤の例)
図5は、図1に示す運転操作盤30の一例を示す正面図である。この実施形態の運転操作盤30には、表示部31と、認証用のICカードをかざす読取り部32が備えられている。読取り部32の下方には、安全確認・扉閉ボタン35と取消ボタン36とが備えられている。表示部31の下方には、非常停止ボタン37が備えられている。表示部31は、タッチパネルとして暗証番号を入力するテンキーなどの操作手段を表示するようにしてもよい。読取り部32の側方には、読み取り可能な状態の時に点灯する緑ランプ33と、ICカードをかざして読み取りを行った時に点灯する赤ランプ34が設けられている。運転操作盤30は、エレベータ式駐車設備10の制御装置29と電気的に接続されている。制御装置29は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリおよびI/Oインターフェース等を有する。
【0032】
そして、この実施形態の運転操作盤30には、充放電切替部である充放電切替スイッチ38が備えられている。充放電切替スイッチ38は、充電パレット45が充電用格納棚24に格納されてパレット側接点組立体50が棚側接点組立体60と接続されているときに充放電コントローラ70の切替えが可能となる。充放電切替スイッチ38を切替えることで、信号用接点62および信号用接点52を介して、充放電コントローラ70に切替え信号を送ることができる。この切替え信号により、充放電コントローラ70を「充電」の状態か「放電」の状態かのいずれかに切替えることができる。この実施形態の充放電切替スイッチ38は、左に回すことで「充電」、右に回すことで「放電」の状態に切替えることができる。図は「充電」の状態を示している。この実施形態の運転操作盤30は一例であり、運転操作盤30はこの例に限定されない。充放電切替スイッチ38(充放電切替部)は、運転操作盤30以外に備えさせることもできる。
【0033】
なお、信号用接点52と信号用接点62をそれぞれ充放電用接点51、充放電用接点61と兼用してもよい。その場合、充放電切替部からの切替え信号は、供給電力に重畳するなどして充放電用接点51、充放電用接点61を介して充放電コントローラ70に送られる。
【0034】
(総括)
以上のように構成されたエレベータ式駐車設備10によれば、電気自動車EVを乗入れ部12で充電パレット45に搭載し、電気自動車EVを充放電コントローラ70と接続して充電状態とする。その後、電気自動車EVを搭載した充電パレット45は、所定の充電用格納棚24に格納される。これにより、充電パレット45に備えられたパレット側接点組立体50の充放電用接点51が棚側接点組立体60の充放電用接点61と接続されて、電気自動車EVのバッテリが充放電コントローラ70を介して充電される。
【0035】
また、上記エレベータ式駐車設備10によれば、パレット側接点組立体50と棚側接点組立体60とを利用して充放電コントローラ70の切替え接点となる信号用接点52と信号用接点62とを設けている。このため、充電パレット45が充電用格納棚24に格納されることで、充放電コントローラ70を充電状態または放電状態に切替え可能となる。
【0036】
そして、電気自動車EVに充電した電気を放電したい場合には、運転操作盤30の充放電切替スイッチ38を「放電」に切替える。これにより、充電パレット45の充放電コントローラ70が「充電」の状態から「放電」の状態に切替えられ、電気自動車EVに蓄電された電気を外部で利用することができる。また、「放電」の必要が無くなった場合などには、運転操作盤30の充放電切替スイッチ38を「充電」に切替えることで、電気自動車EVへの充電を再開することができる。
【0037】
よって、上記エレベータ式駐車設備10(機械式駐車設備)によれば、今後の電気自動車の増加、エネルギーの有効活用などに対して、エレベータ式駐車設備10に駐車されている電気自動車EVの電気を活用し、ピークカットのために放電する仕組みとして利用することが可能となる。また、上記エレベータ式駐車設備10(機械式駐車設備)は、次世代の電力ネットワーク(スマートグリット)や緊急時の電気利用などに向けても有効活用できる。
【0038】
(その他の変形例)
機械式駐車設備は、上記した実施形態におけるエレベータ式駐車設備10に限定されない。例えば、水平循環式などのように、乗入れ部12で充電パレット45に搭載した電気自動車EVが乗入れ部12から離れた格納部に格納され、充電パレット45に搭載された充放電コントローラと格納時に接続される接点を介して充放電が可能な構成であれば適用でき、機械式駐車設備の形式は上記した実施形態以外でもよい。
【0039】
また、前記切替え接点と前記充放電用接点を兼用し、充放電用接点を通じて送信された充放電切り替え用制御信号に基づいて前記充放電コントローラを充電状態または放電状態に切替えるように構成してもよい。この時、前記充放電用接点に電源供給中であれば、既知の技術を用いて制御信号を供給電圧に重畳して送信するように構成してもよい。
【0040】
また、上記した実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は、一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は、実施形態によって限定されることはなく、請求項の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0041】
10 エレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)
11 駐車塔
23 格納棚(格納部)
24 充電用格納棚(充電用格納部)
29 制御装置
30 運転操作盤
38 充放電切替スイッチ(充放電切替部)
40 パレット
45 充電パレット
50 パレット側接点組立体
51 充放電用接点
52 信号用接点(切替え接点)
60 棚側接点組立体(格納部側接点組立体)
61 充放電用接点
62 信号用接点(切替え接点)
70 充放電コントローラ
S 格納方向
図1
図2
図3
図4
図5