(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161581
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】乗用作業台、レーザ出射器、作業方法及び塗装作業方法
(51)【国際特許分類】
E06C 1/00 20060101AFI20221014BHJP
E04G 1/30 20060101ALI20221014BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20221014BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
E06C1/00 Z
E04G1/30 Z
G01C15/00 103B
G01B11/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066504
(22)【出願日】2021-04-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月3日、レーザ出射器を乗用作業台につけて、レーザを天井に照射して、天板の端部を示す塗装作業方法について出願人が竹中工務店に公開した
(71)【出願人】
【識別番号】592134088
【氏名又は名称】佐藤興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜早 豪
(72)【発明者】
【氏名】金谷 泰善
【テーマコード(参考)】
2E044
2F065
【Fターム(参考)】
2E044AA04
2E044AA06
2E044EE00
2E044EE06
2E044EE09
2F065AA02
2F065AA67
2F065BB05
2F065BB15
2F065CC16
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF41
2F065GG04
2F065HH05
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM02
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2F065RR08
2F065SS09
(57)【要約】
【課題】作業効率を向上させることができる乗用作業台、レーザ出射器、作業方法及び塗装作業方法を提供する。
【解決手段】乗用作業台100は、支持部20と、支持部20に支持された天板30と、を有する作業台本体10と、レーザ光を出射するレーザ出射器60と、を備え、レーザ出射器60は、天板の端辺31の近傍を通り端辺31及び鉛直方向と平行な目標仮想面Aに沿うように、天板30よりも上方に向けてレーザ光を出射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項2】
前記レーザ出射器は、レーザ光を前記仮想面に沿ってシート状に出射すること
を特徴とする請求項1記載の乗用作業台。
【請求項3】
前記レーザ出射器は、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部とを備えたこと
を特徴とする請求項1または2記載の乗用作業台。
【請求項4】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項3記載の乗用作業台。
【請求項5】
前記天板の端部に配置されて前記天板から上方へ突出する突出部を備え、
前記レーザ出射器は、前記突出部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項6】
前記レーザ出射器は、前記天板に形成された穴を介してレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項7】
前記レーザ出射器は、前記支持部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項8】
前記レーザ出射器を前記作業台本体に取付けるための取付部を備え、
前記レーザ出射器は、前記取付部を介して前記作業台本体に着脱可能に取付けられていること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項9】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器を前記作業台本体に取付けるための取付部と、を備え、
前記取付部は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿って、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射するように、前記レーザ出射器を取付け可能であること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項10】
前記取付部は、
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面と前記第2面との距離を変更する第1距離変更手段と、を有し、
前記作業台本体を前記第1面と前記第2面との間で挟んで前記作業台本体に保持されること
を特徴とする請求項8または9記載の乗用作業台。
【請求項11】
前記取付部は、
第3面と、
前記第3面に対向する第4面と、
前記第3面と前記第4面との距離を変更する第2距離変更手段と、を有し、
前記レーザ出射器を前記第3面と前記第4面との間で挟んで保持可能であること
を特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項12】
前記取付部は、前記レーザ出射器を磁力によって保持可能であること
を特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項13】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項14】
前記仮想面に沿う第3方向と前記仮想面に沿う第4方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第1方向変更手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項15】
前記仮想面に沿う第5方向と前記仮想面と交差する第6方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第2方向変更手段を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項16】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示可能な表示手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項17】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項18】
前記検知手段による検知結果に基づいて報知を行う報知手段を備えたこと
を特徴とする請求項17記載の乗用作業台。
【請求項19】
レーザ光を出射するレーザ出射部と、
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面と前記第2面との距離を変更する距離変更手段と、を備えたこと
を特徴とするレーザ出射器。
【請求項20】
レーザ光を所定の平面に沿ってシート状に出射すること
を特徴とする請求項19記載のレーザ出射器。
【請求項21】
第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部と、を備えたこと
を特徴とする請求項19または20記載のレーザ出射器。
【請求項22】
第3方向と第4方向との間でレーザ光の出射方向を変更可能な方向変更手段を備えたこと
を特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項記載のレーザ出射器。
【請求項23】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項24】
前記レーザ出射器は、前記乗用作業台に設けられていること
を特徴とする請求項23記載の作業方法。
【請求項25】
前記レーザ出射器は、レーザ光を前記仮想面に沿ってシート状に出射すること
を特徴とする請求項23または24記載の作業方法。
【請求項26】
前記レーザ出射器から、上方に向けた第1方向に第1のレーザ光と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光と、を出射させるステップを備えたこと
を特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項27】
前記仮想面に沿うように前記天板よりも上方に向けた第1方向と、前記仮想面に沿う第2方向と、の間で前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項28】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項26または27記載の作業方法。
【請求項29】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項30】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップにおいて、レーザ光が前記仮想面と交差していた場合、前記レーザ出射器からのレーザ光が前記仮想面に沿うように変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項29記載の作業方法。
【請求項31】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項23乃至30のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項32】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示する表示手段を用意するステップと、
前記表示手段が表示した情報を確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項23乃至31のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項33】
前記表示手段は、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向と前記仮想面との位置関係に関する情報を表示可能であること
を特徴とする請求項32記載の作業方法。
【請求項34】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項23乃至33のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項35】
前記検知装置による検知結果に基づいて報知を行う報知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項34記載の作業方法。
【請求項36】
請求項23乃至35のいずれか1項の作業方法を使用することを特徴とする構造物の塗装作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用作業台、レーザ出射器、作業方法及び塗装作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者等が天板上で移動しながら作業を行うことが可能な乗用の作業台が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、上述したような作業台の天板上で行われる作業において、作業者の移動可能範囲は天板の端部までとなる。このため、作業者は、移動する毎に足元の天板を目視すること等によって天板の端部の位置を確認しながら作業を行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、天板を目視することなく天板の端部の位置を把握することができる乗用作業台、レーザ出射器、作業方法及び塗装作業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗用作業台は、支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天板を目視することなく天板の端部の位置を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、実施の形態1に係る乗用作業台を示す側面図であり、
図1Bは、実施の形態1に係る乗用作業台を示す正面図であり、
図1Cは、実施の形態1に係る乗用作業台を示す平面図である。
【
図2】実施の形態1に係る乗用作業台を示す分解図である。
【
図3】
図3Aは、実施の形態1に係るホルダユニットを示す平面図であり、
図3Bは、実施の形態1に係るホルダユニットを示す側面図であり、
図3Cは、
図3AのA-A断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る乗用作業台を用いて行う作業の一例を示す側面図である。
【
図5】実施の形態2に係るホルダユニットを示す平面図である。
【
図6】
図6Aは、実施の形態3に係る乗用作業台を示す斜視図であり、
図6Bは、実施の形態4に係る乗用作業台を示す斜視図である。
【
図7】
図7Aは、実施の形態5に係る乗用作業台を示す側面図であり、
図7Bは、実施の形態5に係る乗用作業台を示す正面図であり、
図7Cは、実施の形態5に係る乗用作業台を示す平面図である。
【
図8】
図8Aは、実施の形態5に係る乗用作業台の構成を示すブロック図であり、
図8Bは、実施の形態5に係る乗用作業台の制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、「平行」及び「直交」は、それぞれ「略平行」及び「略直交」を含むものとする。また、特に記載がない限り、水平な設置面に設置された状態の乗用作業台を基準に上下方向を定義する。
【0010】
実施の形態1.
図1Aは、実施の形態1に係る乗用作業台100を示す側面図であり、
図1Bは、実施の形態1に係る乗用作業台100を示す正面図であり、
図1Cは、実施の形態1に係る乗用作業台100を示す平面図である。本実施の形態に係る乗用作業台100は、作業者が乗るための作業台本体10と、作業者が作業台本体10を乗降する際に手を掛けるための手掛部40と、レーザ光を出射するレーザ出射器60と、レーザ出射器60を手掛部40に取付けるためのホルダユニット50とを備えている。
【0011】
作業台本体10が設置される設置面Fは、例えば地面や床面などであり、図示しない他の作業台の上面等であってもよい。作業台本体10は、一対の脚部20と、一対の脚部20に支持される天板30と、を備えている。脚部20は、それぞれ一対の主脚21と、作業者が天板に対して乗降するために一対の主脚21の間に掛け渡された複数の踏桟22とを備え、梯子状に形成されている。なお、本実施の形態において、脚部20は、支持部を構成する。
【0012】
天板30は、天板30の上面33と直交する方向から視て4つの端辺31を有する矩形状に形成されている。例えば、4つの端辺31は、一対の短辺31aと一対の長辺31bとからなる。天板30は、一対の短辺31aが配置されている2箇所の端部、言い換えると、長手方向Nの一対の端部32が、それぞれ脚部20と接続されて脚部20によって支持されている。これにより、作業者は、脚部20を介して短辺31a側の端部32を介して天板30の上面33に乗降可能となっている。なお、本実施の形態において、「矩形」には正方形を含むものとし、「矩形」であるものが正方形である場合、4つの端辺のうちいずれの辺を短辺として考えても長辺として考えてもよい。
【0013】
手掛部40は、天板30の上面33に設けられており、複数の手掛柱41と、第1感知バー42と、第2感知バー43とを備えている。手掛柱41は、互いに離間するように天板30の4つの角部の近傍に配置されており、天板30の上面33から上方へ向けて突出するように設けられている。なお、本実施の形態において、手掛柱41は、突出部を構成する。
【0014】
第1感知バー42は、天板30の短辺31aと平行になるように配置されており、第2感知バー43は、天板30の長辺31bと平行になるように配置されており、それぞれ隣接する手掛柱41の間に掛け渡されている。例えば、第1感知バー42及び第2感知バー43は、天板30上で作業を行う平均的な体格の作業者の膝の高さと胸の高さとの間に位置している。手掛柱41は天板30の4つの角部の近傍に設けられているため、第1感知バー42及び第2感知バー43は、上面33と直交する方向から視て、それぞれ天板30の端辺31の近傍に配置される。
【0015】
作業者は、乗用作業台100の天板30上で作業を行う際、まず手掛柱41を手で掴みながら脚部20を昇り、第1感知バー42を手掛柱41から外して
図1Cに示す第1感知バー42′の位置へ移動させ、天板30に乗る。その後、作業者は、第1感知バー42の位置を元に戻し、天板30上での作業を開始する。
【0016】
天板30上を長手方向Nに移動しながら行われる作業において、作業者の移動範囲は、天板30の端部32までとなる。このため、作業者は、移動する毎に足元の目視等を行うことによって天板30の端部32の位置を確認しながら作業を行う必要がある。本実施の形態においては、上面33と直交する方向から視て、天板30の端辺31の近傍に第1感知バー42が配置されている。このため、作業者は、天板30を目視しなくても第1感知バー42に触れた際に天板30の端部32の凡その位置を把握することができる。
【0017】
しかしながら、天板30に対する乗降のしやすさを考慮すると、第1感知バー42は軽くかつ着脱しやすいものが求められる。このため、例えば、作業者が上方を見ながら天板30上を長手方向Nに移動する際、作業者が第1感知バー42に触れていることに気付かずに更に端部32に向かって移動して、第1感知バー42が外れてしまうことも考えられる。
【0018】
例えば、作業者が気付かずに第1感知バーが外れてしまうことを防ぐために、手掛部を強固な構造にすることも考えられるが、手掛部を強固な構造にすると乗用作業台が重く高価なものになりやすくなる。また、第1感知バーは、天板に対する乗降のしやすさを考慮して開閉可能または着脱可能になっていることが望ましいため、仮に手掛部を強固なものにしても、第1感知バーに対する作業者の力の掛け方によっては、第1感知バーが外れてしまうことも考えられる。更に、第1感知バーによる天板の端部の位置の把握は、第1感知バーに触れた際の作業者の触覚に頼るため、作業者が厚手の作業着を着ている場合や、工具等を身に着けている状態で作業者の服よりも先に工具等が第1感知バーに触れた場合など、天板の端部の位置の確認が難しい場合もある。
【0019】
このため、本実施の形態では、乗用作業台100にレーザ光を出射可能なレーザ出射器60を設け、レーザ出射器60から出射されたレーザ光を目視することにより、作業者の触覚に頼ることなくまた天板30を目視することなく天板30の端部32の位置を確認することを可能としている。
【0020】
図2は、本実施の形態に係る乗用作業台100を示す分解図であり、
図3Aは、本実施の形態に係るホルダユニット50を示す平面図であり、
図3Bは、本実施の形態に係るホルダユニット50を示す側面図であり、
図3Cは、
図3AのA-A断面図である。なお、本実施の形態において、ホルダユニット50は、取付部を構成する。
【0021】
手掛部40の手掛柱41は、ホルダユニット50を手掛柱41に取付けるためのホルダ取付面41aを有している。例えば、ホルダ取付面41aは、天板30の長手方向N及び天板30の上面33(
図1参照)と直交するように配置されている。ホルダ取付面41aには、ホルダユニット50を取付けるためのねじ70が貫通する貫通穴41bが形成されている。例えば、手掛柱41は、中空の棒状に形成されており、ホルダ取付面41aが形成されている部分が薄い板状に形成されている(
図3A参照)。
【0022】
ホルダユニット50は、手掛柱41に取付けられるベース部51と、ベース部51に支持されている中間部52と、中間部52によって支持されて、レーザ出射器60を保持するレーザ出射器保持部53と、中間部52に対してレーザ出射器保持部53を付勢するばね58と、中間部52に対するレーザ出射器保持部53の位置を調節する調節部59と、を有している。
【0023】
ベース部51は、ねじ70が螺合するねじ下穴51bが形成されている。ベース部51は、手掛柱41に取付けられている状態でホルダ取付面41aに当接する当接面51aを有している。ベース部51は、ねじ70によって、手掛柱41の貫通穴41bを介して手掛柱41のホルダ取付面41aに取付けられる。
【0024】
中間部52は、ベース部51とレーザ出射器保持部53との間に配置されている。中間部52は、ベース部51の当接面51aと直交する方向に沿って形成されている回転軸56を介してベース部51に支持されている。中間部52は、ベース部51に対し、回転軸56を中心に当接面51aに沿って回転自在、かつベース部51に対する角度を維持可能となっている。例えば、中間部52は、ベース部51に対し、回転軸56を中心に当接面51aに沿って360°回転自在、かつベース部51に対する角度を摩擦力によって維持可能となっている。
【0025】
レーザ出射器保持部53は、ヒンジ部57を介して中間部52に接続されており、当接面51aに平行なヒンジ部57の軸線57a(
図3A参照)を中心として、中間部52対し回動可能に支持されている。これにより、レーザ出射器保持部53は、ベース部51の当接面51aと直交する仮想面、例えば仮想面D(
図3B参照)に沿って回動可能となっている。
【0026】
ばね58は、中間部52とレーザ出射器保持部53との間に配置されており、レーザ出射器保持部53を、中間部52に対する回動方向の一方側へ向けて付勢している。なお、ばね58は、レーザ出射器保持部53を、中間部52に対する回動方向の一方側へ向けて付勢する弾性体であればよく、トーションばねであってもよいし、板ばねであってもよいし、金属で形成されていてもゴムやプラスチック等で形成されていてもよい。
【0027】
調節部59は、中間部52に螺合するねじ部59aと、レーザ出射器保持部53に当接する当接部59bとを有している。調節部59は、中間部52に対し回転することによって当接面51aと直交する方向へ移動可能となっている。当接部59bは、ばね58によって回動方向の一方側へ付勢されているレーザ出射器保持部53に当接することで、レーザ出射器保持部53を中間部52に対する回動方向の他方側へ向けて押圧する。
【0028】
これにより、レーザ出射器保持部53は、中間部52に対し、調節部59の回転位置に応じた回動位置に位置するように、中間部52に支持される。言い換えると、レーザ出射器保持部53は、調節部59の回転量に応じ、中間部52に対して軸線57aを中心に回動するように、中間部52に支持される。例えば、調節部59が
図3Bに示す矢印方向へ回転すると、レーザ出射器保持部53は、中間部52に対して
図3Cの矢印方向へ回動する。このように、レーザ出射器保持部53は、ベース部51に対し中間部52が回動すること、または中間部52に対しレーザ出射器保持部53が回動することにより、当接面51aに対する向きが変化する。
【0029】
レーザ出射器保持部53は、それぞれ磁性を有する鋼板によって形成された第1取付板53a及び第2取付板53bを有している。また、第1取付板53a及び第2取付板53bは、それぞれレーザ出射器60を取付可能な、第1取付面53c及び第2取付面53dを有している。第1取付面53cは、ベース部51の当接面51aに対し直交するように配置されており、第2取付面53dは、第1取付面53cに対し直交するように配置されている。
【0030】
図2に示すように、レーザ出射器60は、筐体61と、永久磁石62と、レーザ光を生成するレーザ発振部67と、レーザ光を出射する第1レーザ出射部63及び第2レーザ出射部65と、鉛直表示部68と、制御部80と、スピーカ81と、スイッチ82とを備えている。
【0031】
筐体61は、第1底面61aと、第1底面61aに対して所定の間隔で平行に配置された第2底面61bと、第1側面61cと、第2側面61dと、第3側面61eと、第4側面61fと、を有している。第1側面61c~第4側面61fは、いずれも第1底面61aと第2底面61bとを接続するように配置されている。第2側面61dは、第1側面61cと所定の間隔で平行に配置され、第3側面61eは、第1側面61cと隣接して直交するように配置され、第4側面61fは、第3側面61eと所定の間隔で平行に配置されている。なお、第1底面61aと第2底面61bとは平行でなくてもよく、また、第2側面61dと第1側面61cとは平行でなくてもよい。
【0032】
永久磁石62は、筐体61の第1側面61cに配置されている。永久磁石62は、第1側面61cが、第1取付板53aの第1取付面53c、及び第2取付板53bの第2取付面53dのいずれか一方に接触した状態で、レーザ出射器60をホルダユニット50に対し磁力によって着脱可能に保持させる。
【0033】
スイッチ82は、ON/OFF動作に応じてレーザ発振部67への電力の供給/遮断を切り替える。ON動作とは、レーザ発振部67へ電力が供給されないOFF状態から電力が供給されるON状態へスイッチ82が操作されて切替わることであり、OFF動作とは、ON状態からOFF状態へスイッチ82が操作されて切替わることである。スイッチ82は、例えば、永久磁石62が配置されている筐体61の第1側面61cの反対側に配置された第2側面61dに配置されている。これにより、レーザ出射器60を第1取付面53c及び第2取付面53dのいずれに取付けた場合であっても、スイッチ82がホルダユニット50に覆われることなく操作が可能となる。
【0034】
レーザ発振部67は、スイッチ82のON動作に応じて、図示しない電源から電力の供給を受けて第1底面61a及び第2底面61bに向けてレーザ光の生成を開始し、スイッチ82のOFF動作に応じて、レーザ光の生成を終了する。なお、レーザ発振部67は、スイッチがON状態である場合に連続的にレーザ光を生成するものに限らず、レーザ光が点滅するように断続的にレーザ光を生成するものであってもよい。
【0035】
第1レーザ出射部63は、第1底面61aに設けられており、第2レーザ出射部65は、第2底面61bに設けられている。第1レーザ出射部63及び第2レーザ出射部65には、それぞれレーザ発振部67が生成したレーザ光を拡散する第1拡散レンズ64及び第2拡散レンズ66が設けられている。第1拡散レンズ64及び第2拡散レンズ66は、レーザ発振部67が生成したレーザ光が所定の仮想面上を伝播するように、即ち所定の仮想面に沿うように、レーザ光をそれぞれ所定の角度範囲で拡散して、シート状のレーザ光を形成する。なお、以下の記載において、この仮想面を、レーザ出射面Eともいう。また、本実施の形態において、レーザ光が拡散される「所定の角度範囲」とは、例えば、レーザ光が後述する目標の物体の平面に照射されている反射光を作業者が目視した際、作業者が反射光を直線状であると認識可能な角度範囲であり、例えば、5°以上の範囲である。また、本実施の形態において、第1拡散レンズ64及び第2拡散レンズ66は、レーザ光を拡散する拡散手段を構成する。また、第1レーザ出射部及び第2レーザ出射部は、シート状のレーザ光を出射するものに限らず、直線状のレーザ光を出射するものであってもよい。
【0036】
第1拡散レンズ64によって拡散されたレーザ光は、例えば、第1レーザ出射部63からレーザ出射面Eに沿って
図2における上方へ向けて出射され、第2拡散レンズ66によって拡散されたレーザ光は、第2レーザ出射部65からレーザ出射面Eに沿って第1レーザ出射部63とは異なる方向、例えば、
図2における下方へ向けて出射される。なお、レーザ出射面Eは、レーザ出射器60が
図2に示す向きで第2取付面53dに取付けられ、かつ第4側面61fが第1取付面53cに当接する状態において、ホルダユニット50の当接面51aに平行となる。また、レーザ出射面Eは、例えば、レーザ出射器60が第1取付面53cに取付けられ、かつ第3側面61eが第2取付面53dに当接する状態において、ホルダユニット50の当接面51aと直交する。
【0037】
また、本実施の形態において、第1レーザ出射部63からのレーザ光の出射方向は、第1方向を構成し、第2レーザ出射部65からのレーザ光の出射方向は、第2方向を構成する。例えば、レーザ出射器60は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光が互いに不連続となるように、かつ第1方向と第2方向との成す角度が略180°となるように、第1のレーザ光及び第2のレーザ光を同時に出射可能に構成されている。また、本実施の形態において、第1レーザ出射部63から出射されたレーザ光は、第1のレーザ光を構成し、第2レーザ出射部65から出射されたレーザ光は、第2のレーザ光を構成する。また、本実施の形態において、レーザ光がシート状に出射される場合における「レーザ光の出射方向」とは、シート状に出射されるレーザ光の中心方向である。
【0038】
本実施の形態では、鉛直表示部68は、液体が封入された透明な管内の気泡が管の水平度に応じて内面を移動し、気泡が管の中央に位置しているときに管が水平であることを示す気泡管からなる。例えば、鉛直表示部68は、管がレーザ出射面Eと直交する方向に沿って配置される。これにより、鉛直表示部68は、レーザ出射面Eと鉛直方向とが平行であるか否かを表示することができる。言い換えると、鉛直表示部68は、レーザ光の出射方向に関する情報を表示可能となっている。なお、鉛直表示部68は、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示する表示手段を構成する。
【0039】
また、例えば、鉛直表示部68は、筐体61の第2側面61dに配置されている。これにより、レーザ出射器60を第1取付面53c及び第2取付面53dのいずれに取付けた場合であっても、鉛直表示部68がホルダユニット50に覆われることなく気泡の位置を視認可能となる。
【0040】
制御部80は、スピーカ81による音の出力を制御する。例えば、制御部80は、レーザ発振部67へ供給する電力が低下した際に、スピーカ81から電力が低下したことを報知する報知音を出力させる。
【0041】
このように構成されて、本実施の形態に係る乗用作業台100では、天板30の上面33(
図1参照)と直交する方向から視て、天板30の短辺31a(
図1参照)の近傍からレーザ光を出射可能となるように、レーザ出射器60がホルダユニット50及び手掛柱41を介して作業台本体10(
図1参照)に着脱可能に取付けられる。言い換えると、乗用作業台100は、手掛柱41からレーザ光を出射するように、レーザ出射器60が取付けられる。
【0042】
また、乗用作業台100は、レーザ出射器60が手掛部40に取付けられた状態で、ホルダユニット50のベース部51に対し、中間部52やレーザ出射器保持部53の位置を変更することにより、天板30の上面33に対するレーザ出射器60からのレーザ光の出射方向や、天板30の端辺31に対するレーザ出射器60からのレーザ光の出射方向を変更可能となっている。
【0043】
例えば、レーザ出射器60の第3側面61eまたは第4側面61fが第2取付面53dに当接するように、レーザ出射器60をホルダユニット50の第1取付面53cに取付けた場合、レーザ出射器60は、天板30の上面33(
図1参照)と直交する方向から視て、天板30の短辺31a(
図1参照)の近傍を通り短辺31a及び鉛直方向と平行な仮想面Aと、レーザ出射面Eとが平行になるように、シート状のレーザ光を出射可能である。言い換えると、レーザ出射器60は、天板30の上面33と直交する方向から視て、天板30の短辺31aの近傍を通り短辺31a及び鉛直方向と平行な仮想面Aに沿うように、シート状のレーザ光を出射可能である。以下において、この仮想面Aを「目標仮想面A」とも記載する。
【0044】
このようにレーザ出射器60が取付けられた場合、中間部52は、ベース部51に対して回動することにより、目標仮想面Aに沿う第3方向、例えば側方と、目標仮想面Aに沿う第4方向、例えば上方との間で、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向を変更可能である。なお、このようにレーザ出射器60が取付けられた場合、本実施の形態において、中間部52は、第1方向変更手段を構成する。
【0045】
仮に、設置面Fが水平である場合、目標仮想面Aは、天板30の短辺31aの近傍を通り短辺31aと平行かつ上面33と直交する面となる。レーザ出射器60は、ベース部51に対する中間部52の回動位置を調節することにより、目標仮想面A(
図1参照)に沿うように、天板30よりも上方に向けてシート状のレーザ光を出射可能である。これにより、作業者は、例えば壁や天井等にレーザ光が照射された場合にレーザ光の反射光の位置に基づいて、天板30を目視することなく天板30の端部32の位置を把握することが可能となる。なお、本実施の形態において、「レーザ光の反射光の位置」とは、レーザ光が照射された物体の表面における拡散反射光によって、当該物体の表面が光って見える部位の位置を指す。
【0046】
なお、本実施の形態において、「目標仮想面Aが端辺の近傍を通る」とは、作業者がレーザ光の反射光の位置に基づいて、天板30の端辺が目標仮想面A上にあると認識しても、実用上の影響がない位置関係に、目標仮想面Aと端辺とが位置していることをいう。例えば、「目標仮想面Aが端辺の近傍を通る」とは、端辺から外方に最大15cm程度、端辺から内方に最大30cm程度の範囲を目標仮想面Aが通ることをいう。
【0047】
また、
図1に示すようにレーザ出射器60が取付けられた場合、乗用作業台100は、中間部52に対するレーザ出射器保持部53の位置変更が可能な範囲に、レーザ出射面Eがホルダユニット50の当接面51aと平行になる位置を含むように構成されている。なお、中間部52に対するレーザ出射器保持部53の位置変更可能範囲、言い換えると、中間部52に対するレーザ出射器保持部53の回動可能範囲は、レーザ出射面Eがホルダユニット50の当接面51aと平行になる位置を中心として所定角度、例えば5°程度両側へ向けて回動可能な範囲となっていることが望ましい。
【0048】
また、調節部59は、中間部52に対して回動することにより、中間部52に対してレーザ出射器保持部53が当接面51a及びホルダ取付面41aと平行な軸線57aを中心に回動するので、目標仮想面Aに沿う第5方向、例えば上方と、目標仮想面Aと交差する第6方向、例えば目標仮想面Aと5°を成す方向との間で、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向を変更可能である。なお、レーザ出射器60がこのように取付けられた場合、本実施の形態において、調節部59は、第2方向変更手段を構成する。
【0049】
このようにレーザ光の出射方向を変更可能になっているため、乗用作業台100は、仮に設置面Fが水平でない場合であっても、中間部52に対するレーザ出射器保持部53の回動位置を調節することにより、上方から視て、天板30の短辺31aの近傍を通り、短辺31a及び鉛直方向と平行な目標仮想面Aに沿うように、天板30よりも上方に向けてシート状のレーザ光を出射可能である。
【0050】
以下、
図1、
図2及び
図4を参照しながら、本実施の形態に係る乗用作業台100を用いて行う作業の一例として、乗用作業台100を用いて行う構造物の塗装作業の詳細について説明をする。
図4は、本実施の形態に係る乗用作業台100を用いた作業の一例を示す側面図である。
【0051】
まず、作業者Hは、作業台本体10と、ホルダユニット50と、レーザ出射器60とを用意し、ホルダユニット50及び手掛部40を介して作業台本体10へレーザ出射器60を取付ける。例えば、作業者Hは、ホルダユニット50を、天板30の短辺31aと平行な手掛部40のホルダ取付面41aに取付ける(
図1及び
図2参照)。更に、作業者Hは、レーザ出射器60を、第3側面61eが第2取付面53dに当接するようにホルダユニット50へ取付ける(
図2参照)。
【0052】
次に、作業者Hは、レーザ出射器60のスイッチ82のON動作を行ってレーザ出射器60からレーザ光を出射させた状態で、例えば、構造物の塗装作業を行う部分の近傍に、レーザ出射器60の第1レーザ出射部63から出射された第1のレーザ光L1が照射されているか否かを判断する。このステップにおいて、作業者Hは、レーザ光が照射された部分の反射光を目視することにより、塗装作業を行う部分の近傍にレーザ光が照射されているか否かを判断している。なお、レーザ出射器60からはシート状のレーザ光が出射されるため、レーザ光が照射される部分が平面状である場合、レーザ光の反射光は、作業者から直線状に見える。
【0053】
また、以下の記載において、作業者がレーザ光の反射光を目視するためにレーザ光を照射する物体を「目標の物体」ともいう。また、本実施の形態においては、目標の物体として塗装作業を行う構造物、具体的には壁W及び天井Sを例に説明をする。
【0054】
目標の物体にレーザ光が照射されていない場合、作業者Hは、目標の物体にレーザ光が照射されるように、ホルダユニット50のベース部51に対し、中間部52と共にレーザ出射器保持部53及びレーザ出射器60を回動させる。例えば、作業者Hは、天板30よりも上方に向けてレーザ光が出射されるようにレーザ出射器保持部53を回動させる。なお、本実施の形態において、「天板30よりも上方に向けてレーザ光が出射される」とは、レーザ光がシート状等に出射される範囲の少なくとも一部が天板30の上面33よりも上方に位置していることをいう。
【0055】
目標の物体にレーザ光が照射されている場合、作業者Hは、レーザ出射器60の鉛直表示部68を目視し、気泡が管の中央に位置しているか否かを判断する。言い換えると、作業者Hは、鉛直表示部68が表示した情報を確認する。このステップにより、作業者は、レーザ出射面Eと鉛直方向とが平行であるか否かを判断している。鉛直表示部68の気泡が管の中央に位置していない場合、作業者Hは、鉛直表示部68の気泡が管の中央に位置するように、言い換えると、レーザ出射面Eと鉛直方向とが平行になるように、ホルダユニット50の調節部59を回転させる。
【0056】
上述したように、設置面Fが水平な場合、乗用作業台100は、上方から視て、天板30の短辺31aの近傍を通り、短辺31a及び鉛直方向と平行な目標仮想面Aに沿うように、シート状のレーザ光を出射することができる。しかしながら、設置面に凹凸がある場合など、作業現場によっては水平な設置面の確保が難しい場合も考えられる。
【0057】
設置面Fが水平でない場合、言い換えると、天板30の上面33が水平でない場合、仮に天板30の上面33と直交する方向から視て、天板30の短辺31aの近傍を通り、短辺31aと平行かつ上面33と直交する仮想面に沿うように、シート状のレーザ光を出射したとしても、水平方向に対する天板30の上面33の傾斜角度や、第1レーザ出射部63から目標の物体までの距離によっては、作業者によって視認されるレーザ光の反射光の位置と天板30の端部32の位置との水平方向の距離が大きくなってしまい、作業者が、レーザ光の反射光の位置に基づいて天板30を目視することなく天板30の端部32の位置を把握することが可能であるとまでは言えない場合も考えられる。
【0058】
本実施の形態では、鉛直表示部68の気泡が管の中央に位置するようにホルダユニット50の調節部59を回転させるステップにより、仮に設置面Fが水平でない場合であっても、上方から視て、レーザ出射器60が、天板30の短辺31aの近傍を通り短辺31a及び鉛直方向と平行な目標仮想面A(
図1参照)に沿ってレーザ光を出射するように、作業者Hがレーザ出射面Eの向きを調節可能となっている。
【0059】
なお、上記目標仮想面Aは鉛直方向と平行であるため、鉛直表示部68は、レーザ出射面Eと鉛直方向とが平行であるか否かを表示可能となっている。言い換えると、鉛直表示部68は、レーザ光の出射方向と鉛直方向との関係に関する情報を表示可能である。
【0060】
このように、設置面Fが水平でない場合であっても、目標仮想面Aに沿って出射されたレーザ光が目標の物体に照射されるように、作業者Hがレーザ出射面Eの向きを調節可能であるため、作業者Hは、天板30を目視することなくレーザ光の反射光の位置に基づいて天板30の端部32の位置を把握することが可能となる。
【0061】
また、仮に、レーザ出射器60が、天板30の長手方向Nにおいて誤った位置に取付けられている場合、言い換えると、レーザ出射器60が天板30の短辺31aから長手方向Nに遠い位置に取付けられている場合、レーザ出射器60と短辺31aとの距離によっては、作業者が、レーザ光の反射光の位置に基づいて天板30を目視することなく天板30の端部32の位置を把握することが可能であるとまでは言えない場合も考えられる。
【0062】
本実施の形態では、第1レーザ出射部63から上方に向けて第1のレーザ光L1が出射されるようにレーザ出射器60が取付けられている場合、レーザ出射器60は、第2レーザ出射部65から下方に向けて第2のレーザ光L2を出射可能となる。例えば、レーザ出射面Eが天板30の端部32と交差するようにレーザ出射器60が取付けられている場合、言い換えると、レーザ出射面Eが短辺31aよりも長手方向Nにおいて内方に位置するようにレーザ出射器60が取付けられている場合、第2レーザ出射部65から下方に向けて出射される第2のレーザ光L2は、天板30の端部32に照射可能となる(
図4参照)。
【0063】
作業者Hは、第2レーザ出射部65から出射された第2のレーザ光L2の、天板30の上面33における反射光を目視することにより、天板30の長手方向Nにおけるレーザ出射面Eの位置、言い換えると、天板30の長手方向Nにおけるレーザ出射器60の取付けの位置が適正であることを確認することができる。
【0064】
以上、実施の形態1に係る乗用作業台100は、脚部20と、脚部20に支持された天板30と、を有する作業台本体10と、レーザ光を出射するレーザ出射器60と、を備え、レーザ出射器60は、天板30の端辺31の近傍を通り端辺31及び鉛直方向と平行な目標仮想面Aに沿うように、天板30よりも上方に向けてレーザ光を出射するように構成した。これにより、作業者は、レーザ光を目視することにより、天板30を目視することなく天板30の端部32の位置を把握することができる。また、天板30の目視が不要になることにより、作業中における作業者の天板30の端部32の確認負担を軽減し、作業効率を向上させることができる。
【0065】
なお、本実施の形態において、「仮想面にレーザ光が沿う」とは、例えば、レーザ光が直線状に出射される場合、当該仮想面とレーザ光とが平行、かつ近接若しくは重なることを意味し、また、例えば、レーザ光がシート状に出射される場合、当該仮想面とレーザ出射面とが平行、かつ近接若しくは重なることをいう。また、「近接」とは、レーザ光の反射光に基づいて作業者が概ね天板の端部の位置を把握可能な程度に互いの距離が近いことをいい、例えば、作業者から視てそれぞれが重なっているように見える程度に互いの距離が近いことをいう。また、本実施の形態において、「仮想面にレーザ光が沿う」とは、仮想面と目標の物体の表面との交線上またはその近傍にレーザ光が照射されていることを含む。この場合、レーザ光の全体が仮想面に沿う必要はなく、レーザ光が任意の位置から出射されていてもよい。
【0066】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、レーザ出射器60が、レーザ光をシート状に出射するように構成した。これにより、目標の物体の表面におけるレーザ光の反射光が作業者から直線状に見えるので、レーザ光を直線状に出射する場合、即ち、目標の物体の表面におけるレーザ光の反射光が作業者から点または小さな円に見える場合と比較して、レーザ光の反射光の視認性を向上させることができる。また、仮に第1レーザ出射部63から出射された第1のレーザ光L1の一部が、目標の物体以外の物体、例えば作業者Hの体の一部等によって遮られた場合であっても、作業者は、レーザ光を目視することが可能となるため、作業効率を向上させることができる。
【0067】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、レーザ出射器60が、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光L1を出射する第1レーザ出射部63と、第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光L2を出射する第2レーザ出射部65とを備えるように構成した。また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、第2方向が、目標仮想面Aに沿うように天板30の端部32に向けた方向であるように構成した。これにより、例えば、第1のレーザ光を目標の物体に向けて出射し、第2のレーザ光を天板30の端部32に向けて出射することで、レーザ出射器60の取付け位置が適正であることを確認しやすくすることができる。なお、乗用作業台は、第2のレーザ光が天板の端部に照射可能であるものに限らず、他の部位や設置面等に照射するものであってもよい。
【0068】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、天板30の端部32に配置されて天板30から上方へ突出する手掛柱41を備え、レーザ出射器60は、手掛柱41からレーザ光を出射するように構成した。これにより、例えば、天板30へレーザ出射器60を取付けて天板30からレーザ光を出射するようにした場合と比較して、上方に向けてレーザ光を出射する場合において、目標の物体の作業を行う部分に近い部分にレーザ光を照射することが可能となるため、レーザ光の反射光の視認性を向上させると共に、レーザ出射面Eと垂直方向とのずれによるレーザ光の反射光の位置と天板30の端部32の位置とのずれを抑制することができる。また、これにより、例えば、天板30へレーザ出射器60を取付けて天板30からレーザ光を出射するようにした場合よりも操作しやすい高さへ配置することができるので、天板30上の作業者がレーザ出射器60の操作を行う際の作業性を向上させることができる。
【0069】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、レーザ出射器60を作業台本体10に取付けるためのホルダユニット50を備え、レーザ出射器60は、ホルダユニット50を介して作業台本体10に着脱可能に取付けられるように構成した。これにより、例えば、作業者が複数の作業台間を移動しながら作業を行う際に、1つのレーザ出射器60を付け替えて使用することが可能となり、設備のコストを抑制することができる。
【0070】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、ホルダユニット50が、レーザ出射器60を磁力によって保持可能であるように構成した。これにより、例えば、ねじ等によってレーザ出射器60が着脱可能に取付けられている場合と比較して、着脱の手間が少なく、着脱の際の作業性を向上させることができる。
【0071】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、天板30が、上方から視て一対の長辺31bと一対の短辺31aとからなる矩形状に形成されており、目標仮想面Aが近傍を通る端辺31は、天板30の短辺31aであるように構成した。これにより、レーザ出射面Eが天板30の短辺31aの近傍を通るので、天板30上を長手方向Nに沿って移動しながら作業を行う場合において、位置を把握する重要性が特に高い短辺31a側の端部32の位置を作業者が把握することができる。
【0072】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、目標仮想面Aに沿う第3方向と目標仮想面Aに沿う第4方向との間で、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向を変更可能な中間部52を備えるように構成した。これにより、レーザ光の照射方向を作業内容に合わせて変更することが可能となり、作業中にレーザ光の反射光を目視する際の視線の移動量を抑制して、天板30の端部32の位置を把握しやすくすることが可能となる。
【0073】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、目標仮想面Aに沿う第5方向と目標仮想面Aと交差する第6方向との間で、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向を変更可能な調節部59を備えるように構成した。これにより、設置面が水平でない場合であってもレーザ出射面Eが目標仮想面Aに沿うようにレーザ出射器を配置することが可能となり、設置面が水平でない場合であっても、上方から視た際におけるレーザ光の反射光の位置と天板30の端部32との水平方向の位置精度を確保することができる。
【0074】
また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示可能な鉛直表示部68を有するように構成した。また、実施の形態1に係る乗用作業台100は、鉛直表示部68が、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向と目標仮想面Aとの位置関係に関する情報を表示可能であるように構成した。これにより、例えば、鉛直表示部68が、レーザ光の出射方向と鉛直方向とが平行であるか否かを表示可能とすることで、レーザ出射面Eが目標仮想面Aに沿うようにレーザ出射器60の向きを調節することが可能となり、上方から視た際におけるレーザ光の反射光の位置と天板30の端部32との水平方向の位置精度を向上させることができる。
【0075】
なお、鉛直表示部68は、厳密にレーザ光の出射方向と鉛直方向とが平行であるか否かを表示するものである必要はなく、略平行であるか否かを表示するものであればよい。例えば、鉛直表示部は、鉛直表示部が表示する情報に基づいてレーザの出射方向が鉛直方向と平行になるように調節した場合に、レーザ光の反射光に基づいて作業者が概ね天板の端部の位置を把握可能な程度に平行であるか否かを表示するものであればよい。
【0076】
また、本実施の形態において、鉛直表示部68は、レーザ出射器60に設けられた気泡管によって構成しているが、これに限定されない。鉛直表示部は、レーザ出射器60からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示可能であればよく、例えば、乗用作業台がレーザ出射器の姿勢を検知する図示しない傾斜センサを備え、傾斜センサの検知結果に基づいて、表示手段がレーザ出射面と鉛直方向との角度差を数値等で電気的に表示するように構成してもよい。また、例えば、表示手段は、傾斜センサの検知結果に基づいて、レーザ出射面と鉛直方向とが一致することを発光状態の変化によって表示するように構成してもよいし、レーザ光の出射方向と鉛直方向とが一致することを表示するように構成してもよい。また、表示手段は、レーザ出射器に設けられているものに限らず、レーザ出射器を作業台本体に取付けるための取付部に設けられていてもよい。
【0077】
また、本実施の形態において、乗用作業台100は、天板30の短辺31aの近傍を通り短辺31a及び鉛直方向と平行な目標仮想面Aに沿うようにレーザ光を出射するように構成しているが、これに限定されない。乗用作業台は、天板の端辺の近傍を通り端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うようにレーザ光を出射可能であればよく、例えば、乗用作業台は、天板の長辺の近傍を通り長辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うようにレーザ光を出射するように構成してもよい。
【0078】
また、天板は、上方から視て正方形状に形成されていてもよく、この場合、上述した端辺はいずれの辺であってもよく、上述した天板の長手方向は、いずれかの端辺に平行な方向をいう。また、天板は、上方から視て、厳密に矩形であるものに限定されず、角が丸く形成されていてもよいし、角が面取りされていてもよいし、端辺に凹凸があってもよいし、端辺が曲線状に形成されていてもよい。また、天板は、上方から視て矩形状に形成された複数の天板がU字状やL字状に並べられていてもよい。
【0079】
また、本実施の形態において、レーザ出射器60は、第1レーザ出射部63から目標の物体に向けて第1のレーザ光L1を出射し、第2レーザ出射部65から天板30の端部32に向けてレーザ光を出射可能に構成したが、これに限定されない。レーザ出射器60は、天板30の端辺31の近傍を通り端辺31及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、天板30よりも上方に向けてレーザ光を出射可能であればよく、例えば、レーザ出射器60は、レーザ出射面Eと天板30の端部32とが交差しない位置に配置されていてもよい。
【0080】
しかしながら、作業者が天板を目視することなく天板の端部の位置を把握する際、端辺よりも外方位置、言い換えると、端辺よりも天板の上面の中心から遠い位置にレーザ光出射面が配置されていても、作業者は、レーザ光により把握される位置まで天板上を移動することができない。このため、レーザ光出射面は、天板の端辺よりも内方に配置されることが望ましい。
【0081】
また、本実施の形態において、レーザ出射器60は、作業者から目標の物体の表面におけるレーザ光の反射光が直線状に見えるように、レーザ光をシート状に出射するように構成しているが、これに限定されない。レーザ出射器は、レーザ光を直線状に出射するものであってもよいし、レーザ光の出射範囲のうち少なくとも一部がシート状となるようにレーザ光を出射するものであってもよい。例えば、レーザ出射器は、シート状にレーザ光を出射するレーザ出射部と直線状にレーザ光を出射するレーザ出射部とをともに有するものであってもよいし、交差する複数枚のシート状にレーザ光を出射可能であってもよいし、目標の物体の表面における反射光が、直線状になるレーザ光と、目印、記号、文字等になるレーザ光とを共に出射可能であってもよい。このように構成した場合、例えば、目標の物体の表面において、天板の端部の位置を示す反射光に加えて、作業中に注意することや作業の仕方等に係る文字列を反射光によって示すことが可能となる。
【0082】
また、例えば、レーザ出射器60は、第1レーザ出射部63から上方に向けて第1のレーザ光L1を出射し、第2レーザ出射部65から側方に向けてレーザ光を出射可能に構成してもよい。このように構成することで、広範囲にレーザ光を出射することが可能となり、作業範囲が広い場合において作業者がレーザ光の反射光を視認する際、視線の移動量を抑制して、天板30の端部32の位置を把握しやすくすることが可能となる。
【0083】
また、レーザ出射器60は、第1レーザ出射部63からの第1のレーザ光L1の出射と、第2レーザ出射部65からの第2のレーザ光の出射とが同時に可能であるものに限定されない。例えば、レーザ出射器は、第1レーザ出射部及び第2レーザ出射部のいずれか一方を選択する選択スイッチを設け、第1レーザ出射部及び第2レーザ出射部65のいずれか一方から選択的にレーザ光を出射可能に構成してもよいし、ON/OFF動作とレーザ出射部の選択とを1つで可能なスイッチを有していてもよいし、第1レーザ出射部及び第2レーザ出射部から周期的に交互にレーザ光を出射するように構成してもよい。
【0084】
また、例えば、レーザ出射器60は、1つの出射部のみを有し、1方向にのみレーザ光を出射可能であってもよい。このようなレーザ出射器を用いてレーザ出射器の取付け位置が適正であることを確認する場合、例えば作業者は、まず、レーザ出射器からのレーザ光を天板30の端部32に向けて出射してレーザ出射器の位置が適正であることを確認した後、ホルダユニット50のベース部51に対して中間部52を回動させて、レーザ出射器からのレーザ光を目標の物体に向けて出射するステップを実行するようにしてもよい。
【0085】
なお、このようにレーザ出射器を使用する場合、ホルダユニットは、当接面と平行な軸を中心に中間部がベース部に対し回動可能で、かつレーザ出射器保持部から中間部に向けた方向に沿って形成されている回転軸を中心にレーザ出射器保持部が中間部に対し回転可能に構成してもよい。これにより、設置面が水平でない場合であってもレーザ出射器を目標仮想面Aに沿って回転させることが可能となる。
【0086】
また、本実施の形態において、脚部20は、梯子状に形成されて天板30の端部32を支持しているが、これに限定されない。支持部は、天板の上面が設置面よりも上方に配置されるように天板を支持するものであればよく、例えば、支持部は、天板の端部と脚部の上端部とが図示しないヒンジ構造によって互いに回動可能に連結されて、脚部が天板に対して折り畳み自在となっているものであってもよいし、踏桟を備えずに天板の上面と直交する方向に沿って棒状に形成されたものであってもよいし、折り畳み自在でないものであってもよいし、支持部の上端が天板の上面よりも上方に配置されて、支持部の上半部が手掛部を兼ねているものであってもよいし、上下方向に伸縮して設置面からの天板の高さを変更可能なパンタグラフ式のものであってもよいし、これらが組合せられたものであってもよい。
【0087】
また、レーザ出射器60からのレーザ光を照射する対象としての目標の物体は、壁や天井等、何らかの作業を行う構造物に限らず、少なくとも一部が天板30の上面33よりも上方に位置しており、レーザ光が照射されることにより作業者がレーザ光の反射光を目視可能な物体であればよく、例えば、上方から吊り下げられた布や板、ロープ、移動可能な看板や棒、車両、樹木などであってもよい。また、目標の物体は、レーザ光の反射光が作業者の視界に入りやすくするためや、レーザ光の反射光を目視するための視線の移動量を小さくするため、作業範囲内または作業範囲の近傍に配置されていることが望ましい。
【0088】
また、本実施の形態において、乗用作業台100は、ホルダ取付面41aが天板30の長手方向N及び天板30の上面33と直交するように手掛柱41に配置されているが、これに限定されない。例えば、ホルダ取付面は、天板の長手方向Nと平行に、かつ天板の上面と直交するように配置されていてもよく、レーザ出射器がこのようなホルダ取付面に取付けられた場合、調節部59は、第1方向変更手段を構成し、中間部52は、第2方向変更手段を構成する。また、ホルダ取付面は、他の向きに配置されていてもよいし、手掛柱41以外の部位、例えば、天板や支持部に配置されていてもよいし、これらの取付面に取付けられたホルダユニットの第2取付面にレーザ出射器が取付けられてもよい。
【0089】
また、本実施の形態において、乗用作業台100は、ホルダユニット50にねじ70が螺合するねじ下穴51bが形成され、手掛柱41に形成された貫通穴41bを介してねじ70によって手掛柱41に保持させているが、これに限定されない。乗用作業台は、レーザ出射器が保持可能であればよく、例えば、ホルダユニットにねじが貫通する貫通穴が形成され、手掛柱にねじ下穴が形成されていてもよいし、磁力によって手掛柱がホルダユニットを保持していてもよいし、ホルダユニット及び手掛柱の一方に形成された凸部に対し他方に形成された凹部を引掛けることで手掛柱がホルダユニット保持していてもよい。また、ホルダユニットは、手掛部の手掛柱以外の部位に保持されていてもよいし、手掛部以外の部分、例えば、天板や支持部に保持されていてもよく、ホルダユニットの保持手段としては多様な構成が考えられる。
【0090】
また、本実施の形態において、乗用作業台100は、レーザ出射器60に永久磁石62を、ホルダユニット50に鋼板によって形成されている第1取付板53a及び第2取付板53bを備えており、ホルダユニット50が磁力によってレーザ出射器60を保持可能となっているが、これに限定されない。乗用作業台は、レーザ出射器が着脱可能となっていればよく、例えば、第1取付板及び第2取付板は、鋼板以外の磁性体によって形成されていてもよいし、ホルダユニットが永久磁石を備え、レーザ出射器が磁性体によって形成された取付板を備えていてもよいし、ホルダユニットと手掛部とが磁力によって着脱可能になっていてもよい。
【0091】
また、設置面が水平または概ね水平であることが前提とされる場合、レーザ出射器は、レーザ光の出射方向が天板の上面と直交する方向で、かつ出射方向を変更できないように、固定されていてもよい。このようにレーザ出射器が設けられた場合、設置面が概ね水平であれば、目標仮想面Aに沿うようにレーザ光を出射することができる。また、ホルダユニットを介さずに、手掛部とレーザ出射器とが磁力によって着脱可能となっていてもよいし、手掛部とレーザ出射器とがねじ留めによって着脱可能となっていてもよいし、手掛部とレーザ出射器とが面ファスナ等を有するベルトで着脱可能となっていてもよく、レーザ出射器の保持手段としては多様な構成が考えられる。また、レーザ出射器は、作業台本体に保持されているものに限らず、作業台本体と離れて設けられていてもよく、例えば、作業台本体とは別に用意された三脚に保持されていてもよいし、作業を行う壁等に保持されていてもよい。
【0092】
実施の形態2.
以下、
図5を参照して、実施の形態2について説明する。実施の形態2に係る乗用作業台200は、ホルダユニットの構成、作業台本体10にホルダユニットを取付ける構成及びホルダユニットにレーザ出射器60を取付ける構成が実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同様であるため、重複した説明を省略する。
図5は、実施の形態2に係るホルダユニット250を示す平面図である。
【0093】
実施の形態2に係る乗用作業台200は、レーザ出射器60を作業台本体10に取付けるためのホルダユニット250を備えている。ホルダユニット250は、作業台本体10にホルダユニット250を取付けるための作業台取付部251と、レーザ出射器60を取付けるためのレーザ出射器取付部252と、作業台取付部251とレーザ出射器取付部252とを接続する軸部250aとを有する。なお、本実施の形態において、軸部250aは、第1方向変更手段及び第2方向変更手段を構成する。
【0094】
作業台取付部251は、第1面253aを有する第1ベース部253と、第1面253aに対向する第2面256aを有し、第1ベース部253に対して平行移動可能な第1押圧部256と、第1ベース部253に対する第1押圧部256の位置を調節する第1調節ねじ258と、を有している。
【0095】
第1調節ねじ258は、第1ねじ部258aと、回転操作するための操作部258bとを有している。第1調節ねじ258の先端は、第1押圧部256に連結されている。第1ねじ部258aは、第1ベース部253のねじ下穴に螺合している。第1調節ねじ258は、回転操作されることによって第1押圧部256とともに第1ベース部253に対して移動する。第1調節ねじ258が第1押圧部256とともに第1ベース部253に対して移動すると、第1面253aと第2面256aとの距離が変化する。なお、本実施の形態において、第1調節ねじ258は、第1面253aと第2面256aとの距離を変更する第1距離変更手段を構成する。作業台取付部251は、第1調節ねじ258を回転操作して第1面253aと第2面256aとの距離を調節し、第1面253aと第2面256aとの間に脚部20の主脚21を挟むことによって、手掛柱41に保持される。
【0096】
レーザ出射器取付部252は、作業台取付部251に対し、例えば、天板30の上面33(
図1参照)と直交する方向に延在する面Jに沿って軸部250aを中心に回転可能に支持されている。レーザ出射器取付部252は、第3面254aを有し、第1ベース部253に支持される第2ベース部254と、第3面254aに対向する第4面257aを有し、第2ベース部254に対して平行移動可能な第2押圧部257と、第2ベース部254に対する第2押圧部257の位置を調節する第2調節ねじ259と、を有している。第2調節ねじ259は、第2ねじ部259aと、回転操作するための操作部259bとを有している。第2調節ねじ259の先端は、第2押圧部257に連結されている。第2ねじ部259aは、第2ベース部254のねじ下穴に螺合している。第2調節ねじ259は、回転操作されることによって第2押圧部257とともに第2ベース部254に対して移動する。
【0097】
第2調節ねじ259が第2押圧部257とともに第2ベース部254に対して移動すると、第3面254aと第4面257aとの距離が変化する。なお、本実施の形態において、第2調節ねじ259は、第3面254aと第4面257aとの距離を変更する第2距離変更手段を構成する。レーザ出射器取付部252は、第2調節ねじ259を回転操作して第3面254aと第4面257aとの距離を調節し、第3面254aと第4面257aとの間にレーザ出射器60を挟むことによって、レーザ出射器60を着脱可能に保持する。
このように構成されて、本実施の形態に係る乗用作業台200は、レーザ出射器60が、ホルダユニット250を介して作業台本体10に着脱可能に取付けられている。
【0098】
以上、実施の形態2に係る乗用作業台200は、ホルダユニット250が、第1面253aと、第1面253aに対向する第2面256aと、第1面253aと第2面256aとの距離を変更する第1調節ねじ258と、を有し、作業台本体10を第1面253aと第2面256aとの間で挟むことによって、作業台本体10に保持されるように構成した。これにより、実施の形態1とは異なり、多様な形状の作業台本体10に取付けることができ、汎用性が高いレーザ出射器の取付け構成を提供することができる。
【0099】
また、実施の形態2に係る乗用作業台200は、ホルダユニット250が、第3面254aと、第3面254aに対向する第4面257aと、第3面254aと第4面257aとの距離を変更する第2調節ねじ259と、を有し、レーザ出射器60を第3面254aと第4面257aとの間で挟むことによって、保持可能であるように構成した。これにより、実施の形態1とは異なり、多様な形状のレーザ出射器60を保持することができ、汎用性が高いレーザ出射器の取付け構成を提供することができる。
【0100】
なお、作業台取付部は、作業台本体10の脚部20に取付けられるものに限定されない。作業台取付部は、手掛部に取付けられてもよいし、天板に取付けられてもよい。また、レーザ出射器取付部及び作業台取付部は、それぞれ対向する2つの面の相対距離を変更可能で、当該2つの面の間にレーザ出射器及び作業台本体のいずれか一方を挟むことが可能であればよく、2つの面が平行となるように距離を変更可能であってもよいし、一方の面が他方の面に対して所定の軸を中心に回動可能であってもよい。
【0101】
実施の形態3.
以下、
図6Aを参照して、実施の形態3について説明する。
実施の形態3に係る乗用作業台300は、レーザ出射器の配置や天板の構成が実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同様であるため、重複した説明を省略する。
図6Aは、実施の形態3に係る乗用作業台300を示す斜視図である。
【0102】
実施の形態3に係る乗用作業台300は、脚部20に支持された天板330と、天板330の下部に配置されたレーザ出射器360と、を備えている。天板330は、天板330の上面333から上方に向けて突出する複数の凸部334と、レーザ出射器360に連結されて、レーザ出射器360からのレーザ光の出射方向を変化させるための方向操作部336とを有している。
【0103】
なお、本実施の形態において、凸部334は、天板から上方へ突出する突出部を構成する。複数の凸部334及び方向操作部336は、長手方向Nにおける天板330の端部332に配置されている。これにより、作業者が天板330上で移動しながら作業を行う場合、作業者は、凸部334を踏んだことを触覚により感知することで、天板330を目視することなく、天板330の端部332の位置を把握することができる。例えば、天板330の一方の端部332及び他方の端部332に、それぞれ複数の凸部334が配置されている。
【0104】
各凸部334の下部には、レーザ出射器360が配置されており、各凸部334には、レーザ出射器360からレーザ光が出射される位置に対応するレーザ穴335が形成されている。各レーザ出射器360は、対応するレーザ穴335から上方に向けてシート状のレーザ光を出射する。言い換えると、レーザ出射器360は、凸部334からレーザ光を出射する。例えば、レーザ穴335は、凸部334の上端部に形成されて、レーザ出射器360は、凸部334の上端部から上方へ向けてレーザ光を出射する。レーザ出射器360がこのように配置されることにより、天板330上のスペースを広く確保して天板330上での作業を行いやすくすると共に、天板330下のスペースを有効活用し、乗用作業台300を小型化することが可能となる。
【0105】
方向操作部336は、回動可能に天板330に支持されている。レーザ出射器360は、方向操作部336の回動量に応じて回動するように、天板330に支持されている。天板330に対してレーザ出射器360が回動することで、レーザ出射器360からのレーザ光の出射方向が変化する。作業者は、方向操作部336を回動させることにより、レーザ光の照射方向を作業内容に合わせて変更することが可能となり、作業中にレーザ光の反射光を目視する際の視線の移動量を抑制して、天板330の端部332の位置を把握しやすくすることができる。
【0106】
また、レーザ穴335が、天板330の一方の端部332に複数形成されている場合、仮に作業者によって踏まれることで複数のレーザ穴335から出射するレーザ光のうち一部のレーザ穴335から出射するレーザ光が遮られても、レーザ光を目標の物体に向けて出射することが可能となり、作業者が天板330の端部332の位置を確認する際の作業負担を軽減することができる。
【0107】
なお、乗用作業台300は、方向操作部336の回動量に応じてレーザ出射器360が回動するものに限定されない。例えば、乗用作業台は、レーザ光を屈折または反射させることでレーザ光の向きを変化させる鏡やレンズ等のレーザ方向変化部材が、各レーザ穴335に対応して配置され、方向操作部336の回動量に応じてレーザ方向変化部材が回動することでレーザ光の向きが変化するように構成してもよい。
【0108】
また、乗用作業台は、レーザ穴が天板に直接形成されるように構成してもよい。即ち、乗用作業台は、レーザ出射器が、天板に形成された穴を介してレーザ光を出射するように構成してもよい。また、乗用作業台は、レーザ穴を有する凸部が天板に取付けられるように構成してもよい。
【0109】
実施の形態4.
以下、
図6Bを参照して、実施の形態4について説明する。
実施の形態4に係る乗用作業台400は、レーザ出射器の配置や天板の構成が実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同様であるため、重複した説明を省略する。
図6Bは、実施の形態4に係る乗用作業台400を示す斜視図である。
【0110】
実施の形態4に係る乗用作業台400は、脚部420に支持された天板430と、脚部420の内部に収納されたレーザ出射器460とを備えている。レーザ出射器460がこのように配置されることにより、脚部420内のスペースを有効活用し、乗用作業台300を小型化することが可能となる。例えば、レーザ出射器460は、脚部420の上端部に配置されて、脚部420の上端部から上方へ向けてレーザ光を出射する。また、例えば、天板330の一方の端部を支持する脚部420及び他方の端部を支持する脚部420のそれぞれに、レーザ光を出射する複数のレーザ出射部423が配置されている。なお、本実施の形態において、脚部420は、支持部を構成する。
【0111】
脚部420は、レーザ出射器460に連結されてレーザ出射器460からのレーザ光の出射方向を変化させるための方向操作部425を有している。方向操作部425は、回動可能に脚部420に支持されている。レーザ出射器460は、方向操作部425の回動量に応じて回動するように、脚部420に支持されている。脚部420に対してレーザ出射器460が回動することで、レーザ出射器460からのレーザ光の出射方向が変化する。作業者は、方向操作部425を回動させることにより、レーザ光の照射方向を作業内容に合わせて変更することが可能となり、作業中にレーザ光の反射光を目視する際の視線の移動量を抑制して、天板430の端部の位置を把握しやすくすることができる。
【0112】
なお、乗用作業台400は、方向操作部425の回動量に応じてレーザ出射器460が回動するものに限定されない。例えば、乗用作業台は、方向操作部425の回動量に応じて、レーザ光を屈折または反射させることでレーザ光の向きを変化させる鏡やレンズ等のレーザ方向変化部材が回動してレーザ光の向きが変化するように構成してもよい。
【0113】
実施の形態1~4に係る乗用作業台は、レーザ出射器が出射したレーザ光が目標の物体で反射し、作業者がその反射光を目視することにより天板の端部の位置を把握することが可能となっているが、これに限定されない。乗用作業台は、作業者が天板を目視することなく、レーザ光によって天板の端部の位置を把握することが可能となっていればよく、例えば、乗用作業台は、複数のレーザ出射器から出射されたレーザ光によって空中に目印、記号、文字等を結像し、空中に結像した目印等によって作業者が天板を目視することなく、天板の端部の位置を把握することを可能に構成してもよい。また、例えば、乗用作業台は、作業者等がレーザ光を遮った際に報知が行われることで、作業者が天板の端部の位置を把握することを可能に構成してもよい。
【0114】
実施の形態5.
以下、
図2、
図7及び
図8を参照して、実施の形態5について説明する。
実施の形態5に係る乗用作業台500は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知し、検知結果に基づいて報知を行う構成が実施の形態1と異なるが、他の構成は実施の形態1と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0115】
図7Aは、実施の形態5に係る乗用作業台500を示す側面図であり、
図7Bは、実施の形態5に係る乗用作業台500を示す正面図であり、
図7Cは、実施の形態5に係る乗用作業台500を示す平面図である。
【0116】
本実施の形態に係る乗用作業台500は、作業者が乗るための作業台本体510と、作業者が作業台本体510を乗降する際に手を掛けるための手掛部40と、レーザ光を出射するレーザ出射器60と、レーザ出射器60を手掛部40に取付けるためのホルダユニット50と、レーザ出射器560から出射されるレーザ光を撮影可能なイメージセンサ85とを備えている。
【0117】
作業台本体510は、一対の脚部20と、一対の脚部20に支持される天板530と、複数のLED83と、振動部84とを備えている。複数のLED83は、天板530の長手方向Nにおける端部532に配置されており、発光することにより天板530の上方に向けて光を照射する。振動部84は、天板530の長手方向Nにおける端部532に配置されており、図示しない偏心振動子を備えたモータ84aを有している。振動部84は、モータ84aが作動することにより、天板530を振動させる。
【0118】
イメージセンサ85は、例えば、レーザ出射器60に隣接して配置されており、レーザ出射器560からレーザ光が出射された際に、レーザ光が照射された物体の表面におけるレーザ光の反射光に基づいて、画像データを取得する。なお、イメージセンサ85は、レーザ光が照射された物体の表面におけるレーザ光の反射光から画像データを取得可能であればよく、レーザ出射器360に取付けられていてもよいし、天板530に取付けられていてもよいし、脚部20に取付けられていてもよいし、手掛部40に取付けられていてもよい。また、レーザ出射器560から出射されるレーザ光は、イメージセンサ85が画像データとして取得可能であればよく、可視光線であるものに限定されない。例えば、赤外線レーザを出射可能なレーザ出射器と、赤外線を検知可能なイメージセンサ85との組合せでもよい。
【0119】
図2に示すように、レーザ出射器560は、筐体61と、永久磁石62と、レーザ光を生成するレーザ発振部67と、レーザ光を出射する第1レーザ出射部63及び第2レーザ出射部65と、鉛直表示部68と、制御部580と、スピーカ81と、スイッチ82とを備えている。
【0120】
図8Aは、実施の形態5に係る乗用作業台500の構成を示すブロック図である。
レーザ出射器560(
図2参照)の制御部580は、CPU,ROM,RAM及びI/Oポートを有する。制御部580は、イメージセンサ85、スイッチ82、スピーカ81、LED83及びモータ84aと電気的に接続されている。
【0121】
制御部580は、イメージセンサ85から画像データを取得してRAMへ記憶させるとともに、スイッチ82からON/OFF動作に応じた信号を取得する。
また、制御部580は、イメージセンサ85から取得した画像データと、RAMに記憶されている画像データとに基づいて、スピーカ81、LED83及びモータ84aを作動させる。
【0122】
図8Bは、実施の形態5に係る乗用作業台500の制御部が行う処理を示すフローチャートである。制御部580は、以下の処理を実行し、レーザ出射器560から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られた際に報知を行う。なお、以下の処理は、レーザ出射器560から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られた際に報知を行う処理の一例である。
【0123】
まず、制御部80は、スイッチ82のON動作があったか否かを判定する(ステップST1)。ステップST1の処理においてスイッチ82のON動作がなかった場合(ステップST1のNO)、処理をステップST1に戻す。ステップST1の処理においてスイッチ82のON動作があった場合(ステップST1のYES)、即ち、レーザ出射器560からレーザ光が出射されていない状態から出射されている状態に変化した場合、制御部580は、イメージセンサ85によって、レーザ光が照射された物体の表面におけるレーザ光の反射光を検知したか否かを判定する(ステップST2)。
【0124】
ステップST2の処理において、レーザ光の反射光を検知しない場合(ステップST2のNO)、制御部580は、エラーの報知を行う(ステップST5)。この処理において、制御部580は、レーザ出射器560のスイッチ82がON状態であるにもかかわらず、イメージセンサ85によってレーザ光が検出できない場合をエラーとして判定し、作業者に対し、報知を行っている。これは、例えば、レーザ光の出射方向にレーザ光を反射可能な物体がない場合、レーザ光の出射方向にレーザ光を反射可能な物体はあるが、作業者が反射光を目視できない程度に当該物体までの距離が大きい場合、レーザ発振部67が故障している場合、レーザ発振部67への電力供給が少なすぎる場合等が考えられる。
【0125】
ステップST2の処理において、レーザ光の反射光を検知した場合(ステップST2のYES)、制御部580は、イメージセンサ85によって、レーザ光が照射された物体の表面におけるレーザ光の反射光に基づく画像データを取得し、取得した画像データをRAMに記憶する(ステップST3)。この処理において、制御部580は、スイッチ82のON動作があったときにレーザ光が照射された物体が目標の物体であると判断し、このときにイメージセンサ85によって取得した反射光の画像データを、制御部580がエラーを判定する際の基準のデータとして記憶している。
【0126】
ステップST3の処理を行うと、制御部580は、RAMに記憶されている基準の画像データと、現時点でイメージセンサ85が取得した最新のレーザ光の反射光に基づく画像データとを比較して、それぞれの画像データの差が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップST4)。この処理において、制御部580は、レーザ出射器560から出射されたレーザ光が、目標の物体以外の物体によって遮られたか否かを判定している。目標の物体以外の物体としては、例えば、作業者の身体の一部、作業者が身に着けている衣類や工具、作業者が扱っている装置、天板530上で作業を行う作業ロボット等が考えられる。
【0127】
ステップST4の処理において、RAMに記憶されている基準の画像データと、現時点でイメージセンサ85が取得した最新のレーザ光の反射光に基づく画像データとの差が所定の閾値を超えている場合(ステップST4のNO)、制御部580は、エラーの報知を行う(ステップST5)。この処理において、制御部580は、レーザ出射器560から出射されたレーザ光が、目標の物体以外の物体によって遮られたと判定して、作業者に報知を行う。
【0128】
ステップST5の処理において、制御部580は、例えば、スピーカ81にエラー音やエラーを報知する音声の出力を開始させたり、天板530の端部532に配置されているLEDの点滅表示を開始させたり、モータ84aを作動させて天板530の振動を開始させたりする。なお、本実施の形態において、イメージセンサ85は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置及び検知手段を構成する。また、本実施の形態において、スピーカ81、LED83または振動部84は、検知装置による検知結果に基づいて報知を行う報知装置及び報知手段を構成する。
【0129】
ステップST5の処理を行うと、制御部580は、ステップST5の処理を開始した時刻をRAMに記憶する(ステップST6)。この処理において、制御部580は、エラーの報知を開始した時刻を記憶し、作業者等が不図示の表示装置によってエラーの報知履歴を参照できるようにしている。
【0130】
ステップST6の処理を行うと、制御部580は、スイッチ82のOFF動作があったか否かを判定する(ステップST7)。ステップST7の処理において、スイッチ82のOFF動作があった場合(ステップST7のYES)、制御部580は、作業者が作業を中断することを決定したものと判断し、エラーの報知を終了して処理を終了する。
【0131】
ステップST7の処理において、スイッチ82のOFF動作がなかった場合(ステップST7のNO)、制御部580は、処理をステップST4に戻す。ステップST4の処理において、RAMに記憶されている基準の画像データと、現時点でイメージセンサ85が取得した最新のレーザ光の反射光に基づく画像データとの差が所定の閾値以下である場合(ステップST4のYES)、制御部580は、エラーの報知が行われている状態であればエラーの報知を終了し、ステップST7の処理を行う。
【0132】
本実施の形態の乗用作業台500は、制御部580がこのような処理を行って、レーザ出射器560から出射されたレーザ光が、目標の物体以外の物体によって遮られた際に各種エラーの報知を行うことで、作業者が天板530を目視することなく、天板530の端部532の位置を把握することができる。
【0133】
なお、本実施の形態において、制御部580は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことをイメージセンサ85が取得したレーザ光の反射光の画像データによって検知するように構成しているが、これに限定されない。制御部は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知手段によって検知可能であればよく、検知手段としては、レーザ光の反射光を検知するための多様な構成が考えられる。例えば、乗用作業台がレーザ光の反射光を検知する光センサを備え、制御部は、光センサによって反射光の光量の変化等を検知するように構成してもよい。
【0134】
また、本実施の形態において、制御部580は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことをスピーカ81、LED83及び振動部84によって報知するように構成しているが、これに限定されない。制御部は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを報知手段によって報知可能であればよく、報知手段としては、作業者が五感によって感知可能な多様な構成が考えられる。例えば、制御部は、レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを、レーザ出射器から出射されるレーザ光を変化させることによって報知するように構成してもよい。具体的には、レーザ光を連続点灯から点滅への変化、レーザ光の色の変化、レーザ光の出射範囲の変化、レーザ光によって表示される文字の変化等が考えられる。このように構成した場合、レーザ出射器や制御部が報知手段を構成する。
【0135】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、組合せ若しくは、実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0136】
10,310,410,510 作業台本体、20,420, 脚部、30,330,530 天板、31 端辺、31a 短辺、31b 長辺、32,332,532 端部、41 手掛柱、50,250 ホルダユニット、52 中間部、59調節部、取付部、60,360,460 レーザ出射器、63 第1レーザ出射部、65 第2レーザ出射部、68 鉛直表示部、81 スピーカ、83 LED、84a モータ、85 イメージセンサ、100,200,300,400,500 乗用作業台、253a 第1面、254a 第3面、256a 第2面、257a 第4面、258 第1距離変更手段、259 第2距離変更手段、334 凸部、335 レーザ穴、A 目標仮想面、L1 第1のレーザ光、L2 第2のレーザ光、S 天井、W 壁。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿ってシート状に、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項2】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項3】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射し、
前記レーザ出射器は、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部とを有し、
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項4】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
上方から視て、前記天板の複数の角部のそれぞれに設けられ、前記天板から上方に向けて延在する柱部と、
複数の前記柱部のいずれかの柱部に設けられ、レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項5】
前記レーザ出射器は、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部とを備えたこと
を特徴とする請求項1、2及び4のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項6】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項5記載の乗用作業台。
【請求項7】
前記天板の端部に配置されて前記天板から上方へ突出する突出部を備え、
前記レーザ出射器は、前記突出部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至3、5及び6のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項8】
前記レーザ出射器は、前記天板に形成された穴を介してレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至3、5及び6のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項9】
前記レーザ出射器は、前記支持部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1乃至3、5及び6のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項10】
前記レーザ出射器を前記作業台本体に取付けるための取付部を備え、
前記レーザ出射器は、前記取付部を介して前記作業台本体に着脱可能に取付けられていること
を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項11】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器を前記作業台本体に取付けるための取付部と、を備え、
前記取付部は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿って、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射するように、前記レーザ出射器を取付け可能であり、 前記取付部は、
第3面と、
前記第3面に対向する第4面と、
前記第3面と前記第4面との距離を変更する第2距離変更手段と、を有し、
前記レーザ出射器を前記第3面と前記第4面との間で挟んで保持可能であること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項12】
前記取付部は、
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面と前記第2面との距離を変更する第1距離変更手段と、を有し、
前記作業台本体を前記第1面と前記第2面との間で挟んで前記作業台本体に保持されること
を特徴とする請求項10または11記載の乗用作業台。
【請求項13】
前記取付部は、
第3面と、
前記第3面に対向する第4面と、
前記第3面と前記第4面との距離を変更する第2距離変更手段と、を有し、
前記レーザ出射器を前記第3面と前記第4面との間で挟んで保持可能であること
を特徴とする請求項10記載の乗用作業台。
【請求項14】
前記取付部は、前記レーザ出射器を磁力によって保持可能であること
を特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項15】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項16】
前記仮想面に沿う第3方向と前記仮想面に沿う第4方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第1方向変更手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項17】
前記仮想面に沿う第5方向と前記仮想面と交差する第6方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第2方向変更手段を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項18】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示可能な表示手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項19】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段を備えたこと
を特徴とする請求項1、3乃至18のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項20】
前記検知手段による検知結果に基づいて報知を行う報知手段を備えたこと
を特徴とする請求項2または19記載の乗用作業台。
【請求項21】
レーザ光を出射するレーザ出射部と、
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面と前記第2面との距離を変更する距離変更手段と、を備えたこと
を特徴とするレーザ出射器。
【請求項22】
レーザ光を所定の平面に沿ってシート状に出射すること
を特徴とする請求項21記載のレーザ出射器。
【請求項23】
第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部と、を備えたこと
を特徴とする請求項21または22記載のレーザ出射器。
【請求項24】
第3方向と第4方向との間でレーザ光の出射方向を変更可能な方向変更手段を備えたこと
を特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項記載のレーザ出射器。
【請求項25】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿ってシート状に、前記天板よりも上方に向けて前記レーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項26】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けた第1方向に前記レーザ出射器から第1のレーザ光を出射するステップと、
前記仮想面に沿うように、前記天板の端部に向けた第2方向に前記レーザ出射器から第2のレーザ光を出射させるステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項27】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けて前記レーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置を用意するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項28】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、上方から視て、前記天板の複数の角部のそれぞれに設けられ、前記天板から上方に向けて延在する柱部と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記レーザ出射器を複数の前記柱部のいずれかの柱部に取付けるステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けて前記レーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項29】
前記レーザ出射器は、前記乗用作業台に設けられていること
を特徴とする請求項25乃至27のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項30】
前記レーザ出射器から、上方に向けた第1方向に第1のレーザ光と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光と、を出射させるステップを備えたこと
を特徴とする請求項25、27乃至29のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項31】
前記仮想面に沿うように前記天板よりも上方に向けた第1方向と、前記仮想面に沿う第2方向と、の間で前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項25、27乃至29のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項32】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項30または31記載の作業方法。
【請求項33】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項25乃至32のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項34】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップにおいて、レーザ光が前記仮想面と交差していた場合、前記レーザ出射器からのレーザ光が前記仮想面に沿うように変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項33記載の作業方法。
【請求項35】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項25乃至34のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項36】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示する表示手段を用意するステップと、
前記表示手段が表示した情報を確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項25乃至35のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項37】
前記表示手段は、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向と前記仮想面との位置関係に関する情報を表示可能であること
を特徴とする請求項36記載の作業方法。
【請求項38】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項25、26、28乃至37のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項39】
前記検知装置による検知結果に基づいて報知を行う報知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項38記載の作業方法。
【請求項40】
請求項25乃至39のいずれか1項の作業方法を使用することを特徴とする構造物の塗装作業方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る乗用作業台は、支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿ってシート状に、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射するようにしたものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項2】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射し、
前記レーザ出射器は、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部とを有し、
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項3】
支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、
上方から視て、前記天板の複数の角部のそれぞれに設けられ、前記天板から上方に向けて延在する柱部と、
複数の前記柱部のいずれかの柱部に設けられ、レーザ光を出射するレーザ出射器と、を備え、
前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射すること
を特徴とする乗用作業台。
【請求項4】
前記レーザ出射器は、上方に向かう第1方向に第1のレーザ光を出射する第1レーザ出射部と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光を出射する第2レーザ出射部とを備えたこと
を特徴とする請求項1または3記載の乗用作業台。
【請求項5】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項4記載の乗用作業台。
【請求項6】
前記天板の端部に配置されて前記天板から上方へ突出する突出部を備え、
前記レーザ出射器は、前記突出部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項2、4及び5のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項7】
前記レーザ出射器は、前記天板に形成された穴を介してレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項2、4及び5のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項8】
前記レーザ出射器は、前記支持部からレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項2、4及び5のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項9】
前記レーザ出射器を前記作業台本体に取付けるための取付部を備え、
前記レーザ出射器は、前記取付部を介して前記作業台本体に着脱可能に取付けられていること
を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項10】
前記取付部は、
第1面と、
前記第1面に対向する第2面と、
前記第1面と前記第2面との距離を変更する第1距離変更手段と、を有し、
前記作業台本体を前記第1面と前記第2面との間で挟んで前記作業台本体に保持されること
を特徴とする請求項9記載の乗用作業台。
【請求項11】
前記取付部は、
第3面と、
前記第3面に対向する第4面と、
前記第3面と前記第4面との距離を変更する第2距離変更手段と、を有し、
前記レーザ出射器を前記第3面と前記第4面との間で挟んで保持可能であること
を特徴とする請求項9記載の乗用作業台。
【請求項12】
前記取付部は、前記レーザ出射器を磁力によって保持可能であること
を特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項13】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項14】
前記仮想面に沿う第3方向と前記仮想面に沿う第4方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第1方向変更手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項15】
前記仮想面に沿う第5方向と前記仮想面と交差する第6方向との間で、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更可能な第2方向変更手段を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項16】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示可能な表示手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の乗用作業台。
【請求項17】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段を備えたこと
を特徴とする請求項2または3記載の乗用作業台。
【請求項18】
前記検知手段による検知結果に基づいて報知を行う報知手段を備えたこと
を特徴とする請求項1または17記載の乗用作業台。
【請求項19】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けた第1方向に前記レーザ出射器から第1のレーザ光を出射するステップと、
前記仮想面に沿うように、前記天板の端部に向けた第2方向に前記レーザ出射器から第2のレーザ光を出射させるステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項20】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けて前記レーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置を用意するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項21】
レーザ光を出射するレーザ出射器を用意するステップと、
支持部と、支持された天板と、上方から視て、前記天板の複数の角部のそれぞれに設けられ、前記天板から上方に向けて延在する柱部と、を有する乗用作業台を用意するステップと、
前記レーザ出射器を複数の前記柱部のいずれかの柱部に取付けるステップと、
前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けて前記レーザ出射器からレーザ光を出射するステップと、を備えたこと
を特徴とする作業方法。
【請求項22】
前記レーザ出射器は、前記乗用作業台に設けられていること
を特徴とする請求項19または20項記載の作業方法。
【請求項23】
前記レーザ出射器から、上方に向けた第1方向に第1のレーザ光と、前記第1方向とは異なる第2方向に第2のレーザ光と、を出射させるステップを備えたこと
を特徴とする請求項20または21記載の作業方法。
【請求項24】
前記仮想面に沿うように前記天板よりも上方に向けた第1方向と、前記仮想面に沿う第2方向と、の間で前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向を変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項20または21記載の作業方法。
【請求項25】
前記第2方向は、前記仮想面に沿うように前記天板の端部に向けた方向であること
を特徴とする請求項23または24記載の作業方法。
【請求項26】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項19乃至25のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項27】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が前記仮想面に沿っていることを確認するステップにおいて、レーザ光が前記仮想面と交差していた場合、前記レーザ出射器からのレーザ光が前記仮想面に沿うように変更するステップを備えたこと
を特徴とする請求項26記載の作業方法。
【請求項28】
前記天板は、上方から視て一対の長辺と一対の短辺とからなる矩形状に形成されており、
前記端辺は、前記天板の短辺であること
を特徴とする請求項19乃至27のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項29】
前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向に関する情報を表示する表示手段を用意するステップと、
前記表示手段が表示した情報を確認するステップと、を備えたこと
を特徴とする請求項19乃至28のいずれか1項記載の作業方法。
【請求項30】
前記表示手段は、前記レーザ出射器からのレーザ光の出射方向と前記仮想面との位置関係に関する情報を表示可能であること
を特徴とする請求項29記載の作業方法。
【請求項31】
前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体に遮られたことを検知するための検知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項19または21記載の作業方法。
【請求項32】
前記検知装置による検知結果に基づいて報知を行う報知装置を用意するステップを備えたこと
を特徴とする請求項20または31記載の作業方法。
【請求項33】
請求項19乃至32のいずれか1項の作業方法を使用することを特徴とする構造物の塗装作業方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る乗用作業台は、支持部と、前記支持部に支持された天板と、を有する作業台本体と、レーザ光を出射するレーザ出射器と、前記レーザ出射器から出射されたレーザ光が目標の物体以外の物体によって遮られたことを検知するための検知手段と、を備え、前記レーザ出射器は、前記天板の端辺の近傍を通り前記端辺及び鉛直方向と平行な仮想面に沿うように、前記天板よりも上方に向けてレーザ光を出射するようにしたものである。