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特開2022-161620飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161620
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/39 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A47L15/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066562
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】古市 弘
(72)【発明者】
【氏名】山岸 正則
(57)【要約】
【課題】取っ手を有する飲用容器を洗浄可能な飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法を提供する。
【解決手段】飲用容器洗浄器は、第1支柱を備え、取っ手を有する飲用容器の外面の第1部分を洗浄可能な第1ブラシ構造体と、第2支柱を備え、前記飲用容器の内面を洗浄可能な第2ブラシ構造体と、第3支柱を備え、前記飲用容器の前記外面の第2部分を洗浄可能な第3ブラシ構造体と、前記第1ブラシ構造体、前記第2ブラシ構造体、および、前記第3ブラシ構造体を含む複数のブラシ構造体を囲むように配置される側壁と、底壁とを有し、洗浄液を収容可能な洗浄液容器と、前記洗浄液容器を固定対象物に固定する吸盤を有するベース部材と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支柱を備え、取っ手を有する飲用容器の外面の第1部分を洗浄可能な第1ブラシ構造体と、
第2支柱を備え、前記飲用容器の内面を洗浄可能な第2ブラシ構造体と、
第3支柱を備え、前記飲用容器の前記外面の第2部分を洗浄可能な第3ブラシ構造体と、
前記第1ブラシ構造体、前記第2ブラシ構造体、および、前記第3ブラシ構造体を含む複数のブラシ構造体を囲むように配置される側壁と、底壁とを有し、洗浄液を収容可能な洗浄液容器と、
前記洗浄液容器を固定対象物に固定する吸盤を有するベース部材と
を具備する
飲用容器洗浄器。
【請求項2】
前記第1ブラシ構造体、前記第2ブラシ構造体、および、前記第3ブラシ構造体を含む全てのブラシ構造体は、平面視で、第1直線に沿って配置されている
請求項1に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項3】
前記底壁は、平面視で、矩形状上面または円形状上面を有し、
前記第1直線は、前記矩形状上面の対角線に沿って配置されるか、あるいは、前記円形状上面の直径に沿って配置される
請求項2に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項4】
平面視における前記底壁の上面の面積中心は、前記第1直線から偏心している
請求項2に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項5】
前記第2ブラシ構造体は、第1側部領域を有し、
前記洗浄液容器の前記側壁は、前記第1側部領域と対向する第1内面を有し、
前記第1側部領域と前記第1内面との間には、前記飲用容器の前記内面が前記第2ブラシ構造体によって洗浄されるときに、前記取っ手がブラシと干渉することなく前記第2支柱まわりを旋回することを許容する第1空間が形成されている
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項6】
平面視において、前記第1空間の中心角は、80度以上150度以下である
請求項5に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項7】
前記第2ブラシ構造体は、前記第2支柱に対して、前記第1側部領域の反対側に配置される第2側部領域を有し、
前記洗浄液容器の前記側壁は、前記第2側部領域と対向する第2内面を有し、
前記第2側部領域と前記第2内面との間には、前記飲用容器の前記内面が前記第2ブラシ構造体によって洗浄されるときに、前記取っ手が前記ブラシと干渉することなく前記第2支柱まわりを旋回することを許容する第2空間が形成され、
平面視において、前記第2空間の中心角は、80度以上150度以下である
請求項6に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項8】
平面視において、前記第1空間の外径と前記第1空間の内径との差は、3.5cm以上である
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項9】
前記洗浄液容器の前記側壁には、余剰洗浄液を排出する排出部が形成され、
前記排出部の下端の高さは、前記第2支柱の最上端の高さよりも高く、前記洗浄液容器の最上端縁の高さよりも低い
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項10】
前記吸盤が前記固定対象物に固定されるとき、前記吸盤の外縁の一部は、平面視で、前記底壁の外縁の外側に位置する
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項11】
前記洗浄液容器の前記側壁は、下方に向かうにつれて内側に傾斜する
請求項10に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項12】
前記底壁から下方に突出する脚部を更に具備し、
前記脚部の下面は、前記吸盤の吸着面よりも上方に位置する
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項13】
前記洗浄液容器の前記底壁は、前記第1支柱の下端部が挿入される第1貫通孔部を有し、
前記第1支柱の下端部が前記ベース部材に固定されることにより、前記洗浄液容器の前記底壁は、前記ベース部材と前記第1支柱とによって挟持される
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項14】
前記洗浄液容器の前記底壁と前記第1支柱との間に配置されるシールリングを更に具備する
請求項13に記載の飲用容器洗浄器。
【請求項15】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の飲用容器洗浄器の組立方法であって、
前記第1支柱の第1下端部を前記底壁に形成された第1貫通孔部に挿入することと、
前記第1支柱の前記第1下端部を前記ベース部材に固定することと、
前記第2支柱の第2下端部を前記底壁に形成された第2貫通孔部に挿入することと、
前記第2支柱の前記第2下端部を前記ベース部材に固定することと、
前記第3支柱の第3下端部を前記底壁に形成された第3貫通孔部に挿入することと、
前記第3支柱の前記第3下端部を前記ベース部材に固定することと
を具備する
飲用容器洗浄器の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を洗浄可能な洗浄器が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、筒状物洗浄器が開示されている。特許文献1に記載の筒状物洗浄器は、筒状の器体と、器体の内部に設けられる筒状体と、筒状体の内壁に沿って設けられるブラシ板と、ブラシ軸と、を備える。ブラシ板の内面にはブラシが設けられ、ブラシ軸の外面にはブラシが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願昭62-39925号(実開昭63-147176号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、取っ手を有する飲用容器を洗浄可能な飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
いくつかの実施形態における飲用容器洗浄器は、第1支柱(31)を備え、取っ手(110)を有する飲用容器(100)の外面(120)の第1部分(120a)を洗浄可能な第1ブラシ構造体(3)と、第2支柱(41)を備え、前記飲用容器(100)の内面(130)を洗浄可能な第2ブラシ構造体(4)と、第3支柱(51)を備え、前記飲用容器(100)の前記外面(120)の第2部分(120b)を洗浄可能な第3ブラシ構造体(5)と、前記第1ブラシ構造体(3)、前記第2ブラシ構造体(4)、および、前記第3ブラシ構造体(5)を含む複数のブラシ構造体を囲むように配置される側壁(61)と、底壁(67)とを有し、洗浄液を収容可能な洗浄液容器(6)と、前記洗浄液容器(6)を固定対象物(T)に固定する吸盤(71)を有するベース部材(7)と、を具備する。
【0008】
上記飲用容器洗浄器において、前記第1ブラシ構造体(3)、前記第2ブラシ構造体(4)、および、前記第3ブラシ構造(5)体を含む全てのブラシ構造体は、平面視で、第1直線(L1)に沿って配置されていてもよい。
【0009】
上記飲用容器洗浄器において、前記底壁(67)は、平面視で、矩形状上面(67a)または円形状上面(67b)を有していてもよい。また、前記第1直線(L1)は、前記矩形状上面(67a)の対角線に沿って配置されるか、あるいは、前記円形状上面(67b)の直径に沿って配置されていてもよい。
【0010】
上記飲用容器洗浄器において、平面視における前記底壁(67)の上面(67a)の面積中心(CP1)は、前記第1直線(L1)から偏心していてもよい。
【0011】
上記飲用容器洗浄器において、前記第2ブラシ構造体(4)は、第1側部領域(AR1)を有し、前記洗浄液容器(6)の前記側壁(61)は、前記第1側部領域(AR1)と対向する第1内面(61n-1)を有していてもよい。また、前記第1側部領域(AR1)と前記第1内面(61n-1)との間には、前記飲用容器(100)の前記内面(130)が前記第2ブラシ構造体(4)によって洗浄されるときに、前記取っ手(110)がブラシ(2)と干渉することなく前記第2支柱(41)まわりを旋回することを許容する第1空間(SP1)が形成されていてもよい。
【0012】
上記飲用容器洗浄器において、平面視において、前記第1空間(SP1)の中心角(α1)は、80度以上150度以下であってもよい。
【0013】
上記飲用容器洗浄器において、前記第2ブラシ構造体(4)は、前記第2支柱(41)に対して、前記第1側部領域(AR1)の反対側に配置される第2側部領域(AR2)を有し、前記洗浄液容器(6)の前記側壁(61)は、前記第2側部領域(AR2)と対向する第2内面(61n-2)を有していてもよい。前記第2側部領域(AR2)と前記第2内面(61n-2)との間には、前記飲用容器(100)の前記内面(130)が前記第2ブラシ構造体(4)によって洗浄されるときに、前記取っ手(110)が前記ブラシ(2)と干渉することなく前記第2支柱(41)まわりを旋回することを許容する第2空間(SP2)が形成されていてもよい。また、平面視において、前記第2空間(SP2)の中心角(α2)は、80度以上150度以下であってもよい。
【0014】
上記飲用容器洗浄器において、平面視において、前記第1空間(SP1)の外径(D1)と前記第1空間(SP1)の内径(D2)との差(D3)は、3.5cm以上であってもよい。
【0015】
上記飲用容器洗浄器において、前記洗浄液容器(6)の前記側壁(61)には、余剰洗浄液を排出する排出部(63)が形成されていてもよい。また、前記排出部(63)の下端(63w)の高さ(H1)は、前記第2支柱(41)の最上端(41e)の高さ(H2)よりも高く、前記洗浄液容器(6)の最上端縁(6e)の高さ(H3)よりも低くてもよい。
【0016】
上記飲用容器洗浄器において、前記吸盤(71)が前記固定対象物(T)に固定されるとき、前記吸盤(71)の外縁(71t)の一部(710t)は、平面視で、前記底壁(67)の外縁(67t)の外側に位置してもよい。
【0017】
上記飲用容器洗浄器において、前記洗浄液容器(6)の前記側壁(61)は、下方に向かうにつれて内側に傾斜していてもよい。
【0018】
上記飲用容器洗浄器は、前記底壁(67)から下方に突出する脚部(81)を更に具備していてもよい。また、前記脚部(81)の下面(81w)は、前記吸盤(71)の吸着面(71s)よりも上方に位置していてもよい。
【0019】
上記飲用容器洗浄器において、前記洗浄液容器(6)の前記底壁(67)は、前記第1支柱(31)の下端部(313)が挿入される第1貫通孔部(68a)を有していてもよい。また、前記第1支柱(31)の下端部(313)が前記ベース部材(7)に固定されることにより、前記洗浄液容器(6)の前記底壁(67)は、前記ベース部材(7)と前記第1支柱(31)とによって挟持されていてもよい。
【0020】
上記飲用容器洗浄器は、前記洗浄液容器(6)の前記底壁(67)と前記第1支柱(31)との間に配置されるシールリング(S1)を更に具備していてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態における飲用容器洗浄器の組立方法は、上述の飲用容器洗浄器(1)を組み立てる方法である。組立方法は、前記第1支柱(31)の第1下端部(313)を前記底壁(67)に形成された第1貫通孔部(68a)に挿入することと、前記第1支柱(31)の前記第1下端部(313)を前記ベース部材(7)に固定することと、前記第2支柱(41)の第2下端部(413)を前記底壁(67)に形成された第2貫通孔部(68b)に挿入することと、前記第2支柱(41)の前記第2下端部(413)を前記ベース部材(7)に固定することと、前記第3支柱(51)の第3下端部(513)を前記底壁(67)に形成された第3貫通孔部(68c)に挿入することと、前記第3支柱(51)の前記第3下端部(513)を前記ベース部材(7)に固定することと、を具備する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、取っ手を有する飲用容器を洗浄可能な飲用容器洗浄器、および、飲用容器洗浄器の組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
図2図2は、実施形態における飲用容器洗浄器によって洗浄可能な飲用容器の一例を示す概略2面図である。
図3図3は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器によって飲用容器が洗浄される様子を模式的に示す概略2面図である。
図4図4は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器によって飲用容器が洗浄される様子を模式的に示す概略2面図である。
図5図5は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略平面図である。
図6図6は、第2ブラシ構造体の第1側部領域と第1空間との間の配置関係を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
図8図8は、吸盤の外縁と、洗浄液容器の底壁の外縁との間の位置関係を模式的に示す図である。
図9図9は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器が、固定対象物に固定される様子を模式的に示す図である。
図10図10は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す断面図である。
図11図11は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
図12図12は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略平面図である。
図13図13は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器によって飲用容器が洗浄される様子を模式的に示す図である。
図14図14は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
図15図15は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
図16図16は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器によって飲用容器が洗浄される様子を模式的に示す概略2面図である。
図17図17は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略平面図である。
図18図18は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略底面図である。
図19図19は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器が、固定対象物に固定される様子を模式的に示す図である。
図20図20は、第3の実施形態の変形例における飲用容器洗浄器を模式的に示す概略平面図である。
図21図21は、実施形態における飲用容器洗浄器の組立方法の一例を示すフローチャートである。
図22図22は、実施形態における飲用容器洗浄器の組立方法の一工程を示す概略断面図である。
図23図23は、実施形態における飲用容器洗浄器の組立方法の一工程を示す概略断面図である。
図24図24は、脚部の変形例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態における飲用容器洗浄器1、および、飲用容器洗浄器1の組立方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しとなる説明は省略される。
【0025】
(第1の実施形態)
図1乃至図10を参照して、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aを模式的に示す概略2面図である。図1の上側には、概略平面図が記載され、図1の下側には、概略断面図が記載されている。図2は、実施形態における飲用容器洗浄器1によって洗浄可能な飲用容器100の一例を示す概略2面図である。図2の上側には、概略断面図が記載され、図2の下側には、概略底面図が記載されている。図3および図4は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aによって飲用容器100が洗浄される様子を模式的に示す概略2面図である。図3および図4の上側には、概略平面図が記載され、図3および図4の下側には、概略断面図が記載されている。図5は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aを模式的に示す概略平面図である。図6は、第2ブラシ構造体4の第1側部領域AR1と第1空間SP1との間の配置関係を説明するための図である。図7は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aを模式的に示す概略2面図である。図7の上側には、概略側面図が記載され、図7の下側には、概略底面図が記載されている。図8は、吸盤71の外縁71tと、洗浄液容器6の底壁67の外縁67tとの間の位置関係を模式的に示す図である。図9は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aが、固定対象物Tに固定される様子を模式的に示す図である。図10は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aを模式的に示す断面図である。なお、図1の上側に示された平面図、図3および図4の上側に示された平面図、および、図5に示された平面図において、図面の複雑化を避けるため、各支柱(31、41、51)の上端部(311、411、511)の半球体から放射状に延在するブラシ2の記載は省略されている。
【0026】
図1に例示されるように、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aは、第1ブラシ構造体3と、第2ブラシ構造体4と、第3ブラシ構造体5と、洗浄液容器6と、ベース部材7と、を備える。
【0027】
複数のブラシ構造体(3、4、5)は、取っ手を有する飲用容器を洗浄可能なように配置される。図2に例示されるように取っ手110を有する飲用容器100は、典型的には、ジョッキ(英語では、「マグ(mug)」と呼ばれる。)である。複数のブラシ構造体(3、4、5)は、ビアジョッキ(beer mug)を洗浄可能である。複数のブラシ構造体の各々には、複数のブラシ2が設けられている。
【0028】
図3に例示されるように、第1ブラシ構造体3は、飲用容器100の外面120の第1部分120aを洗浄可能である。第1ブラシ構造体3は、複数のブラシ23(換言すれば、第1群のブラシ23)を支持する第1支柱31を備える。
【0029】
第2ブラシ構造体4は、飲用容器100の内面130を洗浄可能である。第2ブラシ構造体4は、複数のブラシ24(換言すれば、第2群のブラシ24)を支持する第2支柱41を備える。
【0030】
第3ブラシ構造体5は、飲用容器100の外面120の第2部分120bを洗浄可能である。第3ブラシ構造体5は、複数のブラシ25(換言すれば、第3群のブラシ25)を支持する第3支柱51を備える。
【0031】
図3に記載の例では、洗浄液容器6は、洗浄液Wを収容可能である。洗浄液容器6は、側壁61と、底壁67とを有する。側壁61は、第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5を含む複数のブラシ構造体(3、4、5)を囲むように配置される。図3に記載の例では、側壁61の上端は開放されている。換言すれば、側壁61の上端には、洗浄対象物としての飲用容器100が通過可能な開口部OPが形成されている。
【0032】
図3に記載の例では、飲用容器洗浄器1Aが備えるブラシ構造体の数は3個である(換言すれば、複数のブラシ構造体は、第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5によって構成されている。)。第1の実施形態における飲用容器洗浄器1A(あるいは、後述の実施形態における飲用容器洗浄器1)において、複数のブラシ構造体は、第4ブラシ構造体を含んでいてもよい。換言すれば、飲用容器洗浄器1が備えるブラシ構造体の数は4個以上であってもよい。
【0033】
ベース部材7は、洗浄液容器6を固定対象物T(必要であれば、図9を参照。)に固定する吸盤71を有する。図3に記載の例では、ベース部材7は、洗浄液容器6の底壁67の下方に配置され、洗浄液容器6の底壁67を支持する。
【0034】
図3に例示されるように、第1の実施形態では、取っ手110を有する飲用容器100を洗浄可能な飲用容器洗浄器1Aが提供される。また、第1の実施形態では、飲用容器100の内面130および外面120を複数のブラシ構造体(3、4、5)によって洗浄することが可能である。また、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aは、洗浄液容器6を備えるため、洗浄液容器6に収容された洗浄液Wに浸った状態の複数のブラシ構造体(3、4、5)を用いて飲用容器100を洗浄することができる。更に、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aは、吸盤71を有するベース部材7を備えるため、飲用容器洗浄器1Aを、平坦面を有する任意の固定対象物Tに固定することができる。例えば、飲用容器洗浄器1Aを、シンクの底面に固定することができる。
【0035】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図10を参照して、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態または第3の実施形態)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0036】
(複数のブラシ構造体の配置)
図5に記載の例では、複数のブラシ構造体(3、4、5)の全ては、平面視で、第1直線L1に沿って配置されている。換言すれば、複数のブラシ構造体は、平面視で、一直線状に配置されている。図5に記載の例では、第2ブラシ構造体4の2つの側部領域(より具体的には、第1側部領域AR1および第2側部領域AR2)は、他のブラシ構造体から干渉を受けず、洗浄液容器6内の空間(より具体的には、第1空間SP1および第2空間SP2)に露出する。また、図5に記載の例では、ユーザは、飲用容器100を把持する親指を第1空間SP1または第2空間SP2のうちの一方に配置することができ、飲用容器100を把持する中指等を第1空間SP1または第2空間SP2のうちの他方に配置することができる。この場合、飲用容器100を第2ブラシ構造体4に向けて下方に移動させる際に、ユーザの指が複数のブラシ2と干渉することがない。よって、ユーザは、飲用容器100の内側の空間に第2ブラシ構造体4が配置されるように、飲用容器100を下方に容易に移動させることができる。
【0037】
図5に記載の例では、3個のブラシ構造体(3、4、5)が、平面視で、第1直線L1に沿って配置されている。代替的に、4個以上のブラシ構造体が、平面視で、第1直線L1に沿って配置されていてもよい。
【0038】
(洗浄液容器6の底壁67の上面の形状)
図5に記載の例では、洗浄液容器6の底壁67は、平面視で、矩形状上面67aを有する。また、上述の第1直線L1は、矩形状上面67aの対角線に沿って配置されている。この場合、第2ブラシ構造体4の第1側部領域AR1と、洗浄液容器6の側壁61の内面61nとの間には、飲用容器100の取っ手110の旋回を許容する第1空間SP1が形成され、第2ブラシ構造体4の第2側部領域AR2と、洗浄液容器6の側壁61の内面61nとの間には、飲用容器100の取っ手110の旋回を許容する第2空間SP2が形成される。図3または図4に例示されるように、第1空間SP1および第2空間SP2には、取っ手110の旋回を妨げる複数のブラシ2が配置されていない。このため、ユーザは、飲用容器100を第2ブラシ構造体4に対して円滑に回転されることができる。また、ユーザは、飲用容器100を把持する親指を第1空間SP1または第2空間SP2のうちの一方に配置することができ、飲用容器100を把持する中指等を第1空間SP1または第2空間SP2のうちの他方に配置することができる。この場合、飲用容器100を第2ブラシ構造体4に対して回転させる際に、ユーザの指が複数のブラシ2と干渉することがないか、あるいは、当該干渉が抑制される。
【0039】
(第3側部領域AR3および第4側部領域AR4)
図5に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第3側部領域AR3と、第4側部領域AR4とを有する。図6に記載の例では、第3側部領域AR3は、平面視で、略円弧状の領域である(ハッチングが付与された領域を参照。)。また、第4側部領域AR4は、平面視で、略円弧状の領域である(ハッチングが付与された領域を参照。)。第4側部領域AR4は、第2支柱41に対して、第3側部領域AR3とは反対側に配置されている。
【0040】
図5に示されるように、第3側部領域AR3の一部は、第1ブラシ構造体3とオーバーラップし、第4側部領域AR4の一部は、第3ブラシ構造体5とオーバーラップする。第1ブラシ構造体3とオーバーラップする第3側部領域AR3が存在することにより、飲用容器100の内側の空間に第2ブラシ構造体4が配置された状態において、飲用容器100は、第1ブラシ構造体3と第2ブラシ構造体4とによって強く挟持される。この状態で、飲用容器100を第2ブラシ構造体4まわりに往復回転運動させることにより、飲用容器100の内面および外面が効果的に洗浄される。また、第3ブラシ構造体5とオーバーラップする第4側部領域AR4が存在することにより、飲用容器100の内側の空間に第2ブラシ構造体4が配置された状態において、飲用容器100は、第2ブラシ構造体4と第3ブラシ構造体5とによって強く挟持される。この状態で、飲用容器100を第2ブラシ構造体4まわりに往復回転運動させることにより、飲用容器100の内面および外面が効果的に洗浄される。
【0041】
(第1側部領域AR1および第2側部領域AR2)
図5に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第1側部領域AR1と、第2側部領域AR2とを有する。図6に記載の例では、第1側部領域AR1は、平面視で、略円弧状の領域であり、第2側部領域AR2は、平面視で、略円弧状の領域である。第2側部領域AR2は、第2支柱41に対して、第1側部領域AR1とは反対側に配置されている。
【0042】
図5に記載の例において、第1側部領域AR1は、第3側部領域AR3と第4側部領域AR4との間に配置されており、第2側部領域AR2は、第3側部領域AR3と第4側部領域AR4との間に配置されている。第1側部領域AR1の外周面At1は、第1空間SP1に面しており、第1側部領域AR1は、第2ブラシ構造体4以外の他のブラシ構造体に設けられたいずれのブラシ(23、25)とも干渉しない。また、第2側部領域AR2の外周面At2は、第2空間SP2に面しており、第2側部領域AR2は、第2ブラシ構造体4以外の他のブラシ構造体に設けられたいずれのブラシ(23、25)とも干渉しない。
【0043】
(第1空間SP1)
図5に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第1側部領域AR1を有し、洗浄液容器6の側壁61は、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1を有する。図5に記載の例では、第1側部領域AR1と第1内面61n-1との間には、第1空間SP1が形成されている。第1空間SP1には、いずれのブラシ2も存在しない。第1空間SP1は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、取っ手110が複数のブラシ2と干渉(換言すれば、接触)することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(図3を参照における矢印ER1を参照。)。
【0044】
図5に記載の例では、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1は、平面視で、略L字形状を有する。より具体的には、第1内面61n-1は、平面視で、直線状の面611n-1と、直線状の面613n-1と、2つの直線状の面(611n-1、613n-1)の間に配置される円弧状の面612n-1とによって構成されている。なお、実施形態において、第1内面61n-1の形状は、平面視略L字形状に限定されない。
【0045】
図6に記載の例では、平面視において、第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1は、102度であるが、中心角α1は、102度に限定されない。平面視において、第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1は、例えば、80度以上、あるいは、90度以上であり、150度以下、あるいは、120度以下である。中心角α1が80度以上である場合、飲用容器100の取っ手110をブラシ2と干渉または接触させることなく、第2支柱41まわりに大きく往復回転運動させることができる(図3における矢印ER1を参照。)。図3に記載の例では、第1空間SP1に配置された取っ手110が、ブラシ2と接触することなく第2支柱41まわりを回転可能な角度β1は、78度である。取っ手110が幅を有するため、当該角度β1は、中心角α1よりもわずかに小さい。
【0046】
以上のとおり、第1空間SP1の中心角α1が80度以上150度以下である場合、取っ手110(あるいは、ユーザの指)をブラシ2と干渉させることなく、第2支柱41のまわりに飲用容器100を大きく往復回転運動させることができる。よって、ユーザに大きな負荷をかけることなく、効率的に、飲用容器100を洗浄することができる。
【0047】
図6に例示されるように、第1空間SP1の中心角α1は、以下の手順によって求めることができる。(1)平面視で、第1支柱31の中心軸AX1を中心として、第1支柱31によって支持されるブラシ23の全体を囲む最小内径の第1円C1を描く。(2)平面視で、第2支柱41の中心軸AX2を中心として、第2支柱41によって支持されるブラシ24の全体を囲む最小内径の第2円C2を描く。(3)平面視で、第3支柱51の中心軸AX3を中心として、第3支柱51によって支持されるブラシ25の全体を囲む最小内径の第3円C3を描く。(4)第2円C2の中心から、第1内面61n-1に向かって、第1円C1に接する直線L2を描く。(5)第2円C2の中心から、第1内面61n-1に向かって、第3円C3に接する直線L3を描く。(6)直線L2と直線L3との間のなす角の角度が中心角α1である。
【0048】
図5に記載の例では、平面視において、第1空間SP1の外径と第1空間SP1の内径との差D3は、例えば、3.5cm以上、あるいは、4cm以上である。差D3が3.5cm以上である場合、径外方向に3.5cm突出する取っ手110を有する飲用容器100を好適に洗浄することができる。なお、洗浄液容器6のサイズが過大とならないよう、差D3は、例えば、15cm以下、あるいは、10cm以下であることが好ましい。
【0049】
図6に例示されるように、第1空間SP1の外径と第1空間SP1の内径との差D3は、以下の手順によって求めることができる。(1)第2支柱41によって支持されるブラシ24の最下端をとおり水平面に平行な平面PL(必要であれば、図3図11図15を参照。)において、第2支柱41の中心軸AX2を中心として、第1内面61n-1に接する最小内径の第4円C4を描く(図6を参照。)。第4円C4の半径が、第1空間SP1の外径D1に該当する。(2)上述の第2円C2の半径が第1空間SP1の内径D2に該当する。(3)外径D1から内径D2を減算することにより差D3が求められる。
【0050】
(第2空間SP2)
図5に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第2側部領域AR2を有し、洗浄液容器6の側壁61は、第2側部領域AR2と対向する第2内面61n-2を有する。図6に記載の例では、第2側部領域AR2と第2内面61n-2との間には、第2空間SP2が形成されている。第2空間SP2には、いずれのブラシ2も存在しない。第2空間SP2は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、取っ手110が複数のブラシ2と干渉または接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(図4における矢印ER2を参照。)。
【0051】
図5に記載の例では、第2側部領域AR2と対向する第2内面61n-2は、平面視で、略L字形状を有する。なお、実施形態において、第2内面61n-2の形状は、平面視略L字形状に限定されない。
【0052】
図6に記載の例では、平面視において、第2空間SP2(あるいは、第2側部領域AR2)の中心角α2は、102度であるが、中心角α2は、102度に限定されない。平面視において、第2空間SP2(あるいは、第2側部領域AR2)の中心角α2は、例えば、80度以上、あるいは、90度以上であり、150度以下、あるいは、120度以下である。中心角α2が80度以上である場合、飲用容器100の取っ手110をブラシ2と干渉または接触させることなく、第2支柱41まわりに大きく往復回転運動させることができる(図4における矢印ER2を参照。)。図4に記載の例では、第2空間SP2に配置された取っ手110が、ブラシ2と接触することなく第2支柱41まわりを回転可能な角度β2は、78度である。取っ手110が幅を有するため、当該角度β2は、中心角α2よりもわずかに小さい。
【0053】
第1空間SP1の中心角α1が80度以上150度以下であり、かつ、第2空間SP2の中心角α2が80度以上150度以下である場合、取っ手110が第1空間SP1あるいは第2空間SP2のいずれに配置されても、飲用容器100の取っ手110をブラシ2と干渉させることなく、第2支柱41まわりに大きく往復回転運動させることができる(図3における矢印ER1および図4における矢印ER2を参照。)。よって、ユーザは、飲用容器100の内側の空間に第2ブラシ構造体4を配置する際に、取っ手110の向きを気にする必要がない。よって、ユーザによる作業効率が更に向上する。
【0054】
図6に例示されるように、第2空間SP2の中心角α2は、以下の手順によって求めることができる。(1)平面視で、第1支柱31の中心軸AX1を中心として、第1支柱31によって支持されるブラシ23の全体を囲む最小内径の第1円C1を描く。(2)平面視で、第2支柱41の中心軸AX2を中心として、第2支柱41によって支持されるブラシ24の全体を囲む最小内径の第2円C2を描く。(3)平面視で、第3支柱51の中心軸AX3を中心として、第3支柱51によって支持されるブラシ25の全体を囲む最小内径の第3円C3を描く。(4)第2円C2の中心から、第2内面61n-2に向かって、第1円C1に接する直線L4を描く。(5)第2円C2の中心から、第2内面61n-2に向かって、第3円C3に接する直線L5を描く。(6)直線L4と直線L5との間のなす角の角度が中心角α2である。
【0055】
図5に記載の例では、平面視において、第2空間SP2の外径と第2空間SP2の内径との差D6は、例えば、3.5cm以上、あるいは、4cm以上である。差D6が3.5cm以上である場合、径外方向に3.5cm突出する取っ手110を有する飲用容器100を好適に洗浄することができる。なお、洗浄液容器6のサイズが過大とならないよう、差D6は、例えば、15cm以下、あるいは、10cm以下であることが好ましい。
【0056】
図6に例示されるように、第2空間SP2の外径と第2空間SP2の内径との差D6は、例えば、以下の手順によって求めることができる。(1)第2支柱41によって支持されるブラシ24の最下端をとおり水平面に平行な平面PL(必要であれば、図3図11を参照。)において、第2支柱41の中心軸AX2を中心として、第2内面61n-2に接する最小内径の第5円C5を描く(図6を参照。)。第5円C5の半径が、第2空間SP2の外径D4に該当する。(2)上述の第2円C2の半径が第2空間SP2の内径D5に該当する。(3)外径D4から内径D5を減算することにより差D6が求められる。
【0057】
(中心角α3、α4)
図6に記載の例では、平面視において、第3側部領域AR3の中心角α3は、78度であるが、中心角α3は、78度に限定されない。平面視において、第3側部領域AR3の中心角α3は、例えば、30度以上、あるいは、60度以上であり、100度以下、あるいは、90度以下である。なお、中心角α3は、上述の直線L2と上述の直線L4との間のなす角の角度に該当する。
【0058】
図6に記載の例では、平面視において、第4側部領域AR4の中心角α4は、78度であるが、中心角α4は、78度に限定されない。平面視において、第4側部領域AR4の中心角α4は、例えば、30度以上、あるいは、60度以上であり、100度以下、あるいは、90度以下である。なお、中心角α4は、上述の直線L3と上述の直線L5との間のなす角の角度に該当する。
【0059】
(排出部63)
図4に記載の例では、洗浄液容器6の側壁61に、余剰洗浄液を排出する排出部63が形成されている。図4に記載の例では、排出部63の下端63wの高さH1は、第2支柱41の最上端41eの高さH2よりも高く、洗浄液容器6の最上端縁6eの高さH3よりも低い。高さH1が、高さH2よりも高いことにより、第2支柱41の全体を洗浄液に浸すことができる。また、高さH1が、高さH3よりも低いことにより、余剰洗浄液の排出方向をコントロールすることができる。換言すれば、余剰洗浄液が、洗浄液容器6の最上端縁6eから任意の方向に溢れ出ることが防止される。
【0060】
洗浄液容器6の側壁61に排出部63が形成されている場合、洗浄液W上に浮かぶゴミ等を、余剰洗浄液とともに、排出部63から洗浄液容器6の外部に排出することができる。なお、洗浄液は、適宜のタイミングで、洗浄液容器6に補充される。シンクの上方に設けられた蛇口から、洗浄液容器6に水道水が供給されてもよい。また、洗剤が洗浄液容器6に供給されてもよい。
【0061】
図4に記載の例では、排出部63は、側壁61に形成された貫通孔部63hである。代替的に、図15に例示されるように、排出部63は、側壁61の上端部分に形成された切り欠き部63dであってもよい。
【0062】
(吸盤71)
図7に記載の例では、吸盤71は、底面視で、細長形状を有する。吸盤71は、底面視で、長円形形状を有していてもよい。図1に例示されるように、吸盤71は、第1支柱31から第2支柱41に向かう方向と平行な方向に延在していることが好ましい(換言すれば、細長形状を有する吸盤71の長手方向は、第1支柱31から第2支柱41に向かう方向と平行な方向であることが好ましい。)。
【0063】
吸盤71が、底面視で細長形状を有する場合、吸盤71の長手方向を軸として、洗浄液容器6を容易に傾動させることができる。洗浄液容器6を傾動させた状態で吸盤71の下側に指先を挿入すれば、吸盤71が固定対象物Tから容易に取り外される。
【0064】
図7に記載の例では、ベース部材7は、ただ一つの吸盤71を備える。ベース部材7が備える吸盤71の数が1個である場合、複数の吸盤71を、固定対象物Tから順次取り外す必要がない。よって、固定対象物Tからベース部材7を取り外す作業が効率化される。
【0065】
図8は、吸盤71が固定対象物に固定された状態における吸盤71の外縁71tと、洗浄液容器6の底壁67の外縁67tとの間の位置関係を模式的に示す図である。図8に記載の例では、吸盤71が固定対象物に固定されるとき、吸盤71の外縁71tの一部710tは、平面視で、底壁67の外縁67tの外側に位置する。吸盤71の外縁71tの一部710tが、底壁67の外縁67tの外側に位置する場合(換言すれば、吸盤71の外縁71tの一部710tが、底壁67の直下の領域からはみ出している場合)、吸盤71の下側に指先を挿入し易い。よって、吸盤71を、固定対象物Tから容易に取り外すことができる。
【0066】
なお、図7に記載の例では、吸盤71が固定対象物に固定される前の状態(換言すれば、吸盤71が弾性変形される前の状態)において、吸盤71の外縁71tの一部710tが、底面視(あるいは、平面視)で、底壁67の外縁67tの外側に位置するように構成されている。この場合、吸盤71が固定対象物に固定されるとき、底壁67の直下の領域からの吸盤71の外縁71tのはみ出し量が更に増加する。
【0067】
(洗浄液容器6の側壁61)
図1に記載の例では、洗浄液容器6の側壁61は、平面視で、略矩形形状(より具体的には、略正方形形状)を有する。代替的に、図11に例示されるように、洗浄液容器6の側壁61は、平面視で、略円形形状を有していてもよい。
【0068】
図1に記載の例では、洗浄液容器6の側壁61は、下方に向かうにつれて内側に傾斜している。この場合、洗浄液容器6の容量を少なくすることができ、洗浄液の必要量が低減される。また、底壁67のサイズを小さくすることができる。底壁67のサイズが小さい場合、底壁67の直下の領域から吸盤71の外縁71tがはみ出し易くなる。
【0069】
(脚部81)
図9に記載の例では、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67から下方に突出する脚部81を備える。当該脚部81の存在により、洗浄液容器6が、ベース部材7に対して過度に揺動することが防止される。脚部81は、ゴム製あるいは樹脂製であることが好ましい。
【0070】
図9に記載の例では、脚部81の下面81wは、吸盤71の吸着面71s(換言すれば、吸盤71の凹部71dの上面)よりも上方に位置する。この場合、吸盤71を固定対象物Tに固定した後の状態において、脚部81の下面81wと固定対象物Tとの間に、適度な隙間Gが形成される。当該隙間Gの存在により、洗浄液容器6が、ベース部材7に対して適度に揺動することが許容される。また、当該隙間Gの存在により、吸盤71を固定対象物Tに固定する際の吸盤71の弾性変形が、脚部81によって妨げられない。
【0071】
図9に記載の例では、脚部81は、吸盤71の両側に配置されている。より具体的には、飲用容器洗浄器1は、底面視で、細長形状を有する吸盤71の一方側に配置される第1脚部81aと、細長形状を有する吸盤71の他方側に配置される第2脚部81bとを備える。代替的に、脚部81は、細長形状を有する吸盤71の一方側のみに配置されていてもよい。
【0072】
図7に記載の例では、細長形状を有する吸盤71の長手方向が、底壁67の一方の対角線と平行であり、第1脚部81aから第2脚部81bに向かう方向が、底壁67の他方の対角線に平行である。底面視において、第1脚部81aから第2脚部81bに向かう方向は、細長形状を有する吸盤71の長手方向と垂直であることが好ましい。
【0073】
(ベース部材7に対する洗浄液容器6の固定)
図10に記載の例では、洗浄液容器6の底壁67は、第1支柱31の下端部である第1下端部313が挿入される第1貫通孔部68aを有する。底壁67は、第2支柱41の下端部である第2下端部413が挿入される第2貫通孔部68b、および/または、第3支柱51の下端部である第3下端部513が挿入される第3貫通孔部68cを有していてもよい。
【0074】
図10に記載の例では、第1支柱31の第1下端部313がベース部材7に固定されることにより、洗浄液容器6の底壁67は、ベース部材7と第1支柱31とによって挟持される。こうして、ベース部材7に洗浄液容器6を固定することができる。図10に記載の例では、第1下端部313は第1雄ネジ部313mを有し、ベース部材7は、第1雌ネジ部75aを有する。この場合、第1雄ネジ部313mと第1雌ネジ部75aとが螺合されることにより、洗浄液容器6の底壁67が、ベース部材7と第1支柱31とによって挟持される。
【0075】
第1支柱31の第1下端部313は、ベース部材7に着脱可能に固定されることが好ましい。この場合、第1ブラシ構造体3が破損または劣化した際に、第1ブラシ構造体3が、新たな第1ブラシ構造体に交換される。
【0076】
付加的に、第2支柱41の第2下端部413がベース部材7に固定されることにより、洗浄液容器6の底壁67が、ベース部材7と第2支柱41とによって挟持されてもよい。ベース部材7に対する洗浄液容器6の固定が、少なくとも2つの位置で行われることにより、ベース部材7に対する洗浄液容器6のガタつきが防止される。図10に記載の例では、第2下端部413は第2雄ネジ部413mを有し、ベース部材7は、第2雌ネジ部75bを有する。この場合、第2雄ネジ部413mと第2雌ネジ部75bとが螺合されることにより、洗浄液容器6の底壁67が、ベース部材7と第2支柱41とによって挟持される。
【0077】
第2支柱41の第2下端部413は、ベース部材7に着脱可能に固定されることが好ましい。この場合、第2ブラシ構造体4が破損または劣化した際に、第2ブラシ構造体4が、新たな第2ブラシ構造体に交換される。
【0078】
付加的に、第3支柱51の第3下端部513がベース部材7に固定されることにより、洗浄液容器6の底壁67が、ベース部材7と第3支柱51とによって挟持されてもよい。ベース部材7に対する洗浄液容器6の固定が、少なくとも3つの位置で行われることにより、ベース部材7に対する洗浄液容器6のガタつきが更に確実に防止される。図10に記載の例では、第3下端部513は第3雄ネジ部513mを有し、ベース部材7は、第3雌ネジ部75cを有する。この場合、第3雄ネジ部513mと第3雌ネジ部75cとが螺合されることにより、洗浄液容器6の底壁67が、ベース部材7と第3支柱51とによって挟持される。
【0079】
第3支柱51の第3下端部513は、ベース部材7に着脱可能に固定されることが好ましい。この場合、第3ブラシ構造体5が破損または劣化した際に、第3ブラシ構造体5が、新たな第3ブラシ構造体に交換される。
【0080】
図10に記載の例では、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67と第1支柱31との間に配置される第1シールリングS1を備える。第1シールリングS1は、第1貫通孔部68aから洗浄液が漏出するのを防止する。第1シールリングS1は、第1支柱31の第1下端部313に取り付けられていることが好ましい。第1支柱31を構成する樹脂材料と、第1シールリングS1を構成する材料とが一体成形されることにより、第1シールリングS1が第1支柱31の第1下端部313に取り付けられてもよい。代替的に、第1支柱31と第1シールリングS1とが別々に成形され、その後、第1シールリングS1が、第1支柱31の第1下端部313に取り付けられてもよい。
【0081】
付加的に、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67と第2支柱41との間に配置される第2シールリングS2を備えていてもよい。第2シールリングS2は、第2貫通孔部68bから洗浄液が漏出するのを防止する。また、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67と第3支柱51との間に配置される第3シールリングS3を備えていてもよい。第3シールリングS3は、第3貫通孔部68cから洗浄液が漏出するのを防止する。
【0082】
(第1ブラシ構造体3)
図10に記載の例では、第1ブラシ構造体3は、第1支柱31と、上端部ブラシ群34と、側部ブラシ群35とを備える。
【0083】
図10に記載の例では、第1支柱31の中心軸AX1は、鉛直方向と平行である。第1支柱31の中心軸AX1は、底壁67に対して垂直であることが好ましい。第1支柱31は、第1上端部311と、第1中間部312と、第1下端部313とを有する。
【0084】
第1上端部311には、上端部ブラシ群34が取り付けられている。上端部ブラシ群34は、第1上端部311から仮想的な半球面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ23-1を含む。第1中間部312には、側部ブラシ群35が取り付けられている。側部ブラシ群35は、第1中間部312から仮想的な円筒面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ23-2を含む。
【0085】
(第2ブラシ構造体4)
図10に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第2支柱41と、上端部ブラシ群44と、側部ブラシ群45とを備える。
【0086】
図10に記載の例では、第2支柱41の中心軸AX2は、鉛直方向と平行である。第2支柱41は、第2上端部411と、第2中間部412と、第2下端部413とを有する。
【0087】
第2上端部411には、上端部ブラシ群44が取り付けられている。上端部ブラシ群44は、第2上端部411から仮想的な半球面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ24-1を含む。第2中間部412には、側部ブラシ群45が取り付けられている。側部ブラシ群45は、第2中間部412から仮想的な円筒面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ24-2を含む。
【0088】
(第3ブラシ構造体5)
図10に記載の例では、第3ブラシ構造体5は、第3支柱51と、上端部ブラシ群54と、側部ブラシ群55とを備える。
【0089】
第3支柱51は、第3上端部511と、第3中間部512と、第3下端部513とを有する。
【0090】
第3上端部511には、上端部ブラシ群54が取り付けられている。上端部ブラシ群54は、第3上端部511から仮想的な半球面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ25-1を含む。第3中間部512には、側部ブラシ群55が取り付けられている。側部ブラシ群55は、第3中間部512から仮想的な円筒面に向かう方向に放射状に延在する複数のブラシ25-2を含む。
【0091】
(ベース部材7)
図10に記載の例では、ベース部材7は、吸盤71を構成するゴム製の第1部分70と、第1雌ネジ部75aを有する樹脂製の第2部分75とを有する。第2部分75は、第2雌ネジ部75bおよび/または第3雌ネジ部75cを有していてもよい。
【0092】
ゴム製の第1部分70と樹脂製の第2部分75とは、一体的に成形されていてもよい。より具体的には、ゴム製の第1部分70と樹脂製の第2部分75とがインサート成形によって形成されていてもよい。
【0093】
(第2の実施形態)
図11乃至図14を参照して、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bについて説明する。図11は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bを模式的に示す概略2面図である。図11の上側には、概略平面図が記載され、図11の下側には、概略断面図が記載されている。図12は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bを模式的に示す概略平面図である。図13は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bによって飲用容器100が洗浄される様子を模式的に示す図である。図14は、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bを模式的に示す概略2面図である。図14の上側には、概略側面図が記載され、図14の下側には、概略底面図が記載されている。なお、図11の上側に示された平面図、並びに、図12および図13において、図面の複雑化を避けるため、各支柱(31、41、51)の上端部(311、411、511)の半球体から放射状に延在するブラシ2の記載は省略されている。また、図12において、第2支柱41によって支持されるブラシ2の記載は省略されている。
【0094】
第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bは、洗浄液容器6が、平面視で、略円形形状を有する点で、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aとは異なる。その他の点では、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bは、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aと同様である。
【0095】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0096】
第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bは、(1)第1支柱31を備え、取っ手110を有する飲用容器100の外面120の第1部分120aを洗浄可能な第1ブラシ構造体3と、(2)第2支柱41を備え、飲用容器100の内面130を洗浄可能な第2ブラシ構造体4と、(3)第3支柱51を備え、飲用容器100の外面120の第2部分120bを洗浄可能な第3ブラシ構造体5と、(4)第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5を含む複数のブラシ構造体を囲むように配置される側壁61と、底壁67とを有し、洗浄液を収容可能な洗浄液容器6と、(5)洗浄液容器6を固定対象物に固定する吸盤71を有するベース部材7と、を具備する。
【0097】
よって、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bは、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aと同様の効果を奏する。
【0098】
(複数のブラシ構造体の配置)
図11に記載の例では、複数のブラシ構造体(3、4、5)の全ては、平面視で、第1直線L1に沿って配置されている。換言すれば、複数のブラシ構造体は、平面視で、一直線状に配置されている。
【0099】
(洗浄液容器6の底壁67の上面の形状)
図11に記載の例では、洗浄液容器6の底壁67は、平面視で、円形状上面67bを有する。また、上述の第1直線L1は、円形状上面67bの直径に沿って配置されている。この場合、第2ブラシ構造体4の第1側部領域AR1と、洗浄液容器6の側壁61の内面61nとの間には、飲用容器100の取っ手110の旋回を許容する第1空間SP1が形成され、第2ブラシ構造体4の第2側部領域AR2と、洗浄液容器6の側壁61の内面61nとの間には、飲用容器100の取っ手110の旋回を許容する第2空間SP2が形成される。
【0100】
(第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4)
第2の実施形態における第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4は、第1の実施形態における第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4と同様である。よって、第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0101】
(第1空間SP1)
図12に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第1側部領域AR1を有し、洗浄液容器6の側壁61は、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1を有する。図12に記載の例では、第1側部領域AR1と第1内面61n-1との間には、第1空間SP1が形成されている。第1空間SP1には、いずれのブラシ2も存在しない。換言すれば、第1空間SP1は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、取っ手110が複数のブラシ2と干渉または接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(図13(a)における矢印ER1を参照。)。
【0102】
図12に記載の例では、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1は、平面視で、略円弧形状を有する。
【0103】
第2の実施形態における第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1は、第1の実施形態における第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1と同様である。また、第1空間SP1の中心角α1、および/または、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3は、第1の実施形態で説明された手順と同様の手順で求めることができる。よって、第1空間SP1の中心角α1、および、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0104】
平面視において、第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1は、例えば、80度以上、あるいは、90度以上であり、150度以下、あるいは、120度以下である。また、平面視において、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3は、例えば、3.5cm以上、4cm以上、あるいは、5cm以上である。洗浄液容器6の側壁61が、平面視で、略円形形状を有する場合、上述の差D3を相対的に大きな値とするのが容易である。上述の差D3は、例えば、15cm以下、あるいは、10cm以下である。
【0105】
(第2空間SP2)
図12に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第2側部領域AR2を有し、洗浄液容器6の側壁61は、第2側部領域AR2と対向する第2内面61n-2を有する。図12に記載の例では、第2側部領域AR2と第2内面61n-2との間には、第2空間SP2が形成されている。第2空間SP2には、いずれのブラシ2も存在しない。換言すれば、第2空間SP2は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、取っ手110が複数のブラシ2と干渉または接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(図13(b)における矢印ER2を参照。)。
【0106】
図12に記載の例では、第2側部領域AR2と対向する第2内面61n-2は、平面視で、略円弧形状を有する。
【0107】
第2の実施形態における第2空間SP2(あるいは、第2側部領域AR2)の中心角α2は、第1の実施形態における第2空間SP2(あるいは、第2側部領域AR2)の中心角α2と同様である。また、第2空間SP2の中心角α2、および/または、第2空間SP2の外径D4と第2空間SP2の内径D5との間の差D6は、第1の実施形態で説明された手順と同様の手順で求めることができる。よって、第2空間SP2の中心角α2、および、第2空間SP2の外径D4と第2空間SP2の内径D5との間の差D6についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0108】
平面視において、第2空間SP2(あるいは、第2側部領域AR2)の中心角α2は、例えば、80度以上、あるいは、90度以上であり、150度以下、あるいは、120度以下である。また、第2空間SP2の外径D4と第2空間SP2の内径D5との間の差D6は、例えば、3.5cm以上、4cm以上、あるいは、5cm以上である。洗浄液容器6の側壁61が、平面視で、略円形形状を有する場合、上述の差D6を相対的に大きな値とするのが容易である。上述の差D6は、例えば、15cm以下、あるいは、10cm以下である。
【0109】
(中心角α3および中心角α4)
第2の実施形態における中心角α3および中心角α4は、第1の実施形態における中心角α3および中心角α4と同様である。よって、中心角α3および中心角α4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0110】
(脚部81)
図14に記載の例では、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67から下方に突出する脚部81(より具体的には、第1脚部81aおよび第2脚部81b)を備える。
【0111】
図14に記載の例では、細長形状を有する吸盤71の長手方向が、円形形状の底壁67の一つの直径方向と平行であり、第1脚部81aから第2脚部81bに向かう方向が、円形形状の底壁67の他の一つの直径方向と平行である。その他の点では、第2の実施形態における脚部81は、第1の実施形態における脚部81と同様である。
【0112】
(第3の実施形態)
図15乃至図20を参照して、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cについて説明する。図15は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cを模式的に示す概略2面図である。図16は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cによって飲用容器100が洗浄される様子を模式的に示す概略2面図である。図15および図16の上側には、概略平面図が記載され、図15および図16の下側には、概略断面図が記載されている。図17は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cを模式的に示す概略平面図である。図18は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cを模式的に示す概略底面図である。図19は、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cが、固定対象物Tに固定される様子を模式的に示す図である。図20は、第3の実施形態の変形例における飲用容器洗浄器1Cを模式的に示す平面図である。なお、図15および図16の上側に示された平面図、並びに、図17および図20において、図面の複雑化を避けるため、各支柱(31、41、51)の上端部(311、411、511)の半球体から放射状に延在するブラシ2の記載は省略されている。また、図17において、第2支柱41によって支持されるブラシ2の記載は省略されている。
【0113】
第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cは、洗浄液容器6が、平面視で、細長形状を有している点、および、第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5が、洗浄液容器6の第1側壁61aに沿って配置されている点、および、脚部81が、吸盤71の一方側のみに配置されている点で、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aとは異なる。その他の点では、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cは、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aと同様である。
【0114】
第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第3の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第3の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0115】
第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cは、(1)第1支柱31を備え、取っ手110を有する飲用容器100の外面120の第1部分120aを洗浄可能な第1ブラシ構造体3と、(2)第2支柱41を備え、飲用容器100の内面130を洗浄可能な第2ブラシ構造体4と、(3)第3支柱51を備え、飲用容器100の外面120の第2部分120bを洗浄可能な第3ブラシ構造体5と、(4)第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5を含む複数のブラシ構造体を囲むように配置される側壁61と、底壁67とを有し、洗浄液を収容可能な洗浄液容器6と、(5)洗浄液容器6を固定対象物に固定する吸盤71を有するベース部材7と、を具備する。
【0116】
よって、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cは、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aと同様の効果を奏する。
【0117】
(洗浄液容器6の側壁61)
図15に記載の例では、洗浄液容器6の側壁61は、平面視で、略長方形形状を有する。代替的に、図20に例示されるように、洗浄液容器6の側壁61は、平面視で、略五角形形状を有していてもよい。
【0118】
図15あるいは図20に記載の例では、洗浄液容器6の側壁61は、第1側壁61aと、第1側壁61aに対応する第2側壁61bとを含む。図15あるいは図20に記載の例では、第1ブラシ構造体3、第2ブラシ構造体4、および、第3ブラシ構造体5は、平面視で、洗浄液容器6の第1側壁61aに沿って配置されている。
【0119】
図15あるいは図20に記載の例では、第2ブラシ構造体4の第2支柱41の中心軸AX2と第2側壁61bとの間の距離は、第2支柱41の中心軸AX2と第1側壁61aとの間の距離よりも大きい。この場合、第2ブラシ構造体4と第2側壁61bとの間に、相対的にサイズの大きな第1空間SP1が形成される。第1空間SP1は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、飲用容器100の取っ手110が複数のブラシ2と干渉または接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(例えば、図16における矢印ER1を参照。)。
【0120】
(複数のブラシ構造体の配置)
図15あるいは図20に記載の例では、複数のブラシ構造体(3、4、5)の全ては、平面視で、第1直線L1に沿って配置されている。換言すれば、複数のブラシ構造体は、平面視で、一直線状に配置されている。
【0121】
図15に記載の例では、平面視における底壁67の上面67uの面積中心CP1(図15に記載の例では、底壁67の2つの対角線間の交点)は、第1直線L1から偏心している。この場合、第1直線L1の一方側に、相対的にサイズの大きな第1空間SP1が形成される。第1空間SP1は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、飲用容器100の取っ手110が複数のブラシ2と干渉又は接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(例えば、図16における矢印ER1を参照。)。
【0122】
(第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4)
第3の実施形態における第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4は、第1の実施形態における第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4と同様である。よって、第1側部領域AR1乃至第4側部領域AR4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0123】
(第1空間SP1)
図17に記載の例では、第2ブラシ構造体4は、第1側部領域AR1を有し、洗浄液容器6の側壁61は、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1を有する。図17に記載の例では、第1側部領域AR1と第1内面61n-1との間には、第1空間SP1が形成されている。第1空間SP1には、いずれのブラシ2も存在しない。換言すれば、第1空間SP1は、飲用容器100の内面130が第2ブラシ構造体4によって洗浄されるときに、取っ手110が複数のブラシ2と干渉または接触することなく第2支柱41まわりを旋回することを許容する(図16における矢印ER1を参照。)。
【0124】
図17に記載の例では、第1側部領域AR1と対向する第1内面61n-1は、平面視で、略直線形状を有する。第1内面61n-1の形状は、平面視略直線形状に限定されない。図20に例示されるように、第1内面61n-1の形状は、平面視で、略円弧形状を有していてもよい。
【0125】
第3の実施形態における第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1、および/または、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3は、第1の実施形態で説明された手順と同様の手順で求めることができる。よって、第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1、および、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0126】
平面視において、第1空間SP1(あるいは、第1側部領域AR1)の中心角α1は、例えば、80度以上、あるいは、90度以上であり、150度以下、あるいは、120度以下である。また、平面視において、第1空間SP1の外径D1と第1空間SP1の内径D2との間の差D3は、例えば、3.5cm以上、あるいは、4cm以上である。上述の差D3は、例えば、15cm以下、あるいは、10cm以下である。なお、図20に例示されるように、洗浄液容器6の第2側壁61bが、平面視で、略円弧形状を有する場合、上述の差D3を相対的に大きな値にすることができる。
【0127】
(吸盤71)
図18に記載の例では、吸盤71が固定対象物に固定される前の状態において、吸盤71の外縁71tの一部710tが、底面視(あるいは、平面視)で、底壁67の外縁67tの外側に位置するように構成されている。
【0128】
図18に記載の例では、細長形状を有する吸盤71の長手方向が、底壁67の長手方向と平行である。
【0129】
(脚部81)
図19に記載の例では、飲用容器洗浄器1は、洗浄液容器6の底壁67から下方に突出する脚部81を備える。図19に記載の例では、脚部81の下面81wは、吸盤71の吸着面71s(換言すれば、吸盤71の凹部71dの上面)よりも上方に位置する。
【0130】
図18に記載の例では、底面視において、吸盤71から脚部81に向かう方向は、底壁67の長手方向と垂直である。
【0131】
(飲用容器洗浄器1の組立方法)
図1乃至図24を参照して、実施形態における飲用容器洗浄器1の組立方法について説明する。図21は、実施形態における飲用容器洗浄器1の組立方法の一例を示すフローチャートである。図22および図23は、実施形態における飲用容器洗浄器1の組立方法の一工程を示す概略断面図である。
【0132】
実施形態における飲用容器洗浄器の組立方法によって組み立てられる飲用容器洗浄器1は、第1の実施形態における飲用容器洗浄器1Aであってもよく、第2の実施形態における飲用容器洗浄器1Bであってもよく、第3の実施形態における飲用容器洗浄器1Cであってもよく、その他の飲用容器洗浄器であってもよい。
【0133】
図10図11図15等に例示されるように、飲用容器洗浄器1は、(1)第1支柱31を有する第1ブラシ構造体3と、(2)第2支柱41を有する第2ブラシ構造体4と、(3)第3支柱51を有する第3ブラシ構造体5と、(4)側壁61および底壁67を有する洗浄液容器6と、(5)ベース部材7と、を具備する。(6)図22に例示されるように、底壁67には、第1貫通孔部68a、第2貫通孔部68b、および、第3貫通孔部68cが形成されている。
【0134】
ブラシ構造体(3、4、5)、洗浄液容器6、および、ベース部材7については、第1の実施形態乃至第3の実施形態において説明済みであるため、これらの構成要素についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0135】
第1ステップST1において、第1支柱31の第1下端部313が、底壁67に形成された第1貫通孔部68aに挿入される。第1ステップST1は、第1挿入工程である。図22には、第1挿入工程を実行中の様子が示されている。
【0136】
第2ステップST2において、第1支柱31の第1下端部313がベース部材7に固定される。第2ステップST2は、第1固定工程である。第1固定工程は、第1挿入工程の後に実行される。
【0137】
第1固定工程は、第1下端部313に形成された第1雄ネジ部313mをベース部材7に形成された第1雌ネジ部75aに螺合させることを含む。第1雄ネジ部313mが第1雌ネジ部75aに螺合されることにより、底壁67が、第1支柱31とベース部材7とによって挟持される。底壁67は、第1シールリングS1を介して、第1支柱31とベース部材7とによって挟持されることが好ましい。
【0138】
第3ステップST3において、第2支柱41の第2下端部413が、底壁67に形成された第2貫通孔部68bに挿入される。第3ステップST3は、第2挿入工程である。第2挿入工程は、第1挿入工程の前に実行されてもよいし、第1挿入工程の後に実行されてもよい。図22には、第2挿入工程および後述の第2固定工程が実行された後の状態が示されている。
【0139】
第4ステップST4において、第2支柱41の第2下端部413がベース部材7に固定される。第4ステップST4は、第2固定工程である。第2固定工程は、第2挿入工程の後に実行される。第2固定工程は、第1固定工程の前に実行されてもよいし、第1固定工程の後に実行されてもよい。
【0140】
図23に記載の例では、第2固定工程は、第2下端部413に形成された第2雄ネジ部413mをベース部材7に形成された第2雌ネジ部75bに螺合させることを含む。第2雄ネジ部413mが第2雌ネジ部75bに螺合されることにより、底壁67が、第2支柱41とベース部材7とによって挟持される。底壁67は、第2シールリングS2を介して、第2支柱41とベース部材7とによって挟持されることが好ましい。
【0141】
第5ステップST5において、第3支柱51の第3下端部513が、底壁67に形成された第3貫通孔部68cに挿入される。第5ステップST5は、第3挿入工程である。第3挿入工程は、第1挿入工程の前に実行されてもよいし、第1挿入工程の後に実行されてもよい。また、第3挿入工程は、第2挿入工程の前に実行されてもよいし、第2挿入工程の後に実行されてもよい。
【0142】
第6ステップST6において、第3支柱51の第3下端部513がベース部材7に固定される。第6ステップST6は、第3固定工程である。第3固定工程は、第3挿入工程の後に実行される。第3固定工程は、第1固定工程の前に実行されてもよいし、第1固定工程の後に実行されてもよい。また、第3固定工程は、第2固定工程の前に実行されてもよいし、第2固定工程の後に実行されてもよい。
【0143】
図23に記載の例では、第3固定工程は、第3下端部513に形成された第3雄ネジ部513mをベース部材7に形成された第3雌ネジ部75cに螺合させることを含む。第3雄ネジ部513mが第3雌ネジ部75cに螺合されることにより、底壁67が、第3支柱51とベース部材7とによって挟持される。底壁67は、第3シールリングS3を介して、第3支柱51とベース部材7とによって挟持されることが好ましい。
【0144】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【0145】
例えば、上述の第1の実施形態乃至第3の実施形態では、脚部81は、洗浄液容器6(より具体的には、底壁67)に固着されている。当該固着は、ボルト等の締結部材を用いた固着であってもよいし、接着剤を用いた固着であってもよい。代替的に、図24に例示されるように、第1の実施形態乃至第3の実施形態において、脚部81と、洗浄液容器6とは一体成形されていてもよい。図24に記載の例では、洗浄液容器6の底壁67と脚部81(より具体的には、第1脚部81aおよび第2脚部81b)とが一体成形により形成されている。この場合、洗浄液容器6の底壁67の材質は、脚部81と同一であってもよい。代替的に、脚部81の一部(例えば、脚部81の底部)がゴム製であり、底壁67が樹脂製であってもよい。また、図24に例示されるように、脚部81の内側部分は、中空であってもよい。
【符号の説明】
【0146】
1、1A、1B、1C:飲用容器洗浄器
2 :ブラシ
3 :第1ブラシ構造体
4 :第2ブラシ構造体
5 :第3ブラシ構造体
6 :洗浄液容器
6e :最上端縁
7 :ベース部材
23、23-1、23-2:第1支柱に支持されるブラシ
24、24-1、24-2:第2支柱に支持されるブラシ
25、25-1、25-2:第3支柱に支持されるブラシ
31 :第1支柱
34 :上端部ブラシ群
35 :側部ブラシ群
41 :第2支柱
41e :最上端
44 :上端部ブラシ群
45 :側部ブラシ群
51 :第3支柱
54 :上端部ブラシ群
55 :側部ブラシ群
61 :側壁
61a :第1側壁
61b :第2側壁
61n :内面
61n-1 :第1内面
61n-2 :第2内面
63 :排出部
63d :切り欠き部
63h :貫通孔部
63w :下端
67 :底壁
67a :矩形状上面
67b :円形状上面
67t :外縁
67u :上面
68a :第1貫通孔部
68b :第2貫通孔部
68c :第3貫通孔部
70 :第1部分
71 :吸盤
71d :凹部
71s :吸着面
71t :外縁
75 :第2部分
75a :第1雌ネジ部
75b :第2雌ネジ部
75c :第3雌ネジ部
81 :脚部
81a :第1脚部
81b :第2脚部
81w :下面
100 :飲用容器
110 :取っ手
120 :外面
120a :第1部分
120b :第2部分
130 :内面
311 :第1上端部
312 :第1中間部
313 :第1下端部
313m :第1雄ネジ部
411 :第2上端部
412 :第2中間部
413 :第2下端部
413m :第2雄ネジ部
511 :第3上端部
512 :第3中間部
513 :第3下端部
513m :第3雄ネジ部
611n-1 :直線状の面
612n-1 :円弧状の面
613n-1 :直線状の面
710t :吸盤の外縁の一部
G :隙間
OP :開口部
S1 :第1シールリング
S2 :第2シールリング
S3 :第3シールリング
SP1 :第1空間
SP2 :第2空間
T :固定対象物
W :洗浄液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図24