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特開2022-161644アンテナ装置、システム及び通信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161644
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】アンテナ装置、システム及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/32 20060101AFI20221014BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20221014BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20221014BHJP
   H01Q 3/24 20060101ALI20221014BHJP
   H04L 1/06 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
H01Q21/08
H01Q3/04
H01Q3/24
H04L1/06
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066609
(22)【出願日】2021-04-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴寛
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA11
5J021DA02
5J021DB05
5J021FA13
5J021FA30
5J046AB02
5J046MA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車車間通信のような見通し内通信に適したアンテナアレー構成を提供する。
【解決手段】車両100のような移動体に搭載されたアンテナユニット400であって、アンテナユニット400は、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された複数のアンテナ412を含む。
【効果】複数のアンテナ412が同時にヌル点となることを回避でき、ダイバーシチ効果を得ることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレー
を備えるアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離である、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された前記移動体との最大距離として予め定められた距離である、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記移動体は、車両であり、
前記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離である、請求項2又は3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第1の複数のアンテナは、前記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナアレーは、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1の複数のアンテナは、前記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置され、
前記第2の複数のアンテナは、前記第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置される、請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記アンテナアレーは、前記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置されたアンテナをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレー
を備えるアンテナ装置。
【請求項10】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離である、請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との最大距離として予め定められた距離である、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記移動体は、車両であり、
前記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離である、請求項10又は11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記アンテナアレーは、前記第1の距離とは異なる第2の車間距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記アンテナアレーは、前記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されたアンテナをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、
前記移動体と
を備えるシステム。
【請求項16】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナを含むアンテナアレーと、
前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部と、
前記距離取得部が取得した距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらすように、前記複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
を備える通信装置。
【請求項17】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナを含むアンテナアレーと、
前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部と、
前記距離取得部が取得した距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらすように、前記複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
を備える通信装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項16又は17に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置、システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、車車間通信における空間ダイバーシチの有効性について記載されている。非特許文献2には、空間ダイバーシチのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいことが記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]加藤明人、佐藤勝善、藤瀬雅行"ミリ波車車間通信技術-電波伝搬特性-" 通信総合研究所季報, vol.47, no.4, Dec. 2001
[非特許文献2]唐沢好男、"ディジタル移動通信の電波伝搬基礎"コロナ社,改訂版第1刷, Mar. 2016
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、アンテナ装置が提供される。アンテナ装置は、移動体に搭載されてよい。アンテナ装置は、アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。
【0004】
上記第1の距離は、上記アンテナ装置が搭載された上記移動体と、上記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離であってよい。上記第1の距離は、上記アンテナ装置が搭載された上記移動体と、上記通信相手のアンテナ装置が搭載された上記移動体との最大距離として予め定められた距離であってよい。上記移動体は、車両であってよく、上記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離であってよい。
【0005】
上記第1の複数のアンテナは、上記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。上記アンテナアレーは、上記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含んでよい。上記第1の複数のアンテナは、上記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよく、上記第2の複数のアンテナは、上記第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。上記アンテナアレーは、上記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、上記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置されたアンテナをさらに含んでよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、アンテナ装置が提供される。アンテナ装置は、移動体に搭載されてよい。アンテナ装置は、アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。
【0007】
上記第1の距離は、上記アンテナ装置が搭載された上記移動体と、上記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離であってよい。上記第1の距離は、上記アンテナ装置が搭載された移動体と、上記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との最大距離として予め定められた距離であってよい。上記移動体は、車両であってよく、上記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離であってよい。
【0008】
上記アンテナアレーは、上記第1の距離とは異なる第2の車間距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含んでよい。上記アンテナアレーは、上記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、上記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されたアンテナをさらに含んでよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、上記アンテナ装置と、上記移動体とを備えるシステムが提供される。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、移動体に搭載されてよい。通信装置は、複数のアンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。通信装置は、通信装置が搭載された移動体と、通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部を備えてよい。通信装置は、距離取得部が取得した距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらすように、複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部を備えてよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、移動体に搭載されてよい。通信装置は、複数のアンテナを含むアンテナアレーを備えてよい。通信装置は、通信装置が搭載された移動体と、通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部を備えてよい。通信装置は、距離取得部が取得した距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらすように、複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部を備えてよい。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】システム10の一例を概略的に示す。
図3】アンテナユニット400のアンテナ高方向及び水平位置方向における受信レべルの変動について説明するための説明図である。の一例を概略的に示す。
図4】受信アンテナ高固定時の受信アンテナ水平位置によるレベル変動の一例を概略的に示す。
図5】受信アンテナ水平位置固定時の受信アンテナ高によるレベル変動の一例を概略的に示す。
図6】受信アンテナ高固定時の受信アンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lの一例を概略的に示す。
図7】受信アンテナ水平位置固定時の受信アンテナ高によるレベル変動の周期Lの一例を概略的に示す。
図8】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図9】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図10】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図11】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図12】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図13】アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。
図14】通信装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
図15】通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
車車間通信において空間ダイバーシチが有効であることが示されている(非特許文献1)が、最適なアンテナアレー構成法については言及されていない。一般的に移動通信における空間ダイバーシチのアンテナ間隔は見通し外通信を前提とし、移動局側で半波長以上、基地局側で10波長以上離せばよいとされている(非特許文献2)。
【0015】
車車間通信は、見通し内通信となるが、見通し内通信の場合、路面反射波及び側方反射波の干渉によって、アンテナ高方向、水平位置方向に周期的にレベルが変動し得る。ダイバーシチ検討においては、この変動の周期性を考慮してアンテナアレー構成を最適化する必要がある。本実施形態に係るシステム10は、車車間通信のような見通し内通信に適したアンテナアレー構成を備える。
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1及び図2は、本実施形態に係るシステム10の一例を概略的に示す。システム10は、通信装置200と、アンテナユニット400と、通信装置200及びアンテナユニット400を搭載した移動体とを備える。図1及び図2における車両100は、移動体の一例である。車両100は、自動車であってよい。
【0018】
図1は、車両100の正面を概略的に示し、図2は、車両100の背面を概略的に示す。車両100の正面には、アンテナ300が配置されている。車両100の背面には、アンテナユニット400が配置されている。
【0019】
アンテナユニット400は、アンテナアレーを備える。図2では、アンテナユニット400が、複数のアンテナ412によって構成されるアンテナアレー410を有する場合を例示している。アンテナユニット400は、アンテナ装置の一例であってよい。アンテナユニット400を備える通信装置200が、アンテナ装置の一例であってもよい。
【0020】
通信装置200は、アンテナ300及びアンテナユニット400を用いて、通信装置200が搭載されている車両100(自車と記載する場合がある。)とは異なる他の車両100に搭載された通信装置200と通信する。通信装置200は、例えば、アンテナ300及びアンテナユニット400を用いて、自車の前方を走行する他の車両100や、自車の後方を走行する他の車両100と通信する。
【0021】
図3は、アンテナユニット400のアンテナ高方向及び水平位置方向における受信レベルの変動について説明するための説明図である。図4は、受信アンテナ高固定時の受信アンテナ水平位置によるレベル変動の一例を概略的に示す。図5は、受信アンテナ水平位置固定時の受信アンテナ高によるレベル変動の一例を概略的に示す。
【0022】
アンテナユニット400は、自車の後方を走行する他の車両100のアンテナ300によって送信された電波を受信する。アンテナユニット400が受信する電波には、路面による路面反射波と、自車の側方(例えば、隣接車線)を走行する他の車両からの反射である側方反射波とが干渉し得る。アンテナ高は、アンテナユニット400と地面との距離である。アンテナ水平位置は、アンテナユニット400と側方反射体(側方走行車両)との距離である。アンテナ水平位置は、アンテナ横位置の一例であってよい。
【0023】
図4は、自車と、通信相手の他の車両100との車間距離毎の、受信アンテナ高固定時の受信アンテナ水平位置によるレベル変動を示す。レベル変動512は車間距離が10mの場合、レベル変動514は車間距離が35mの場合、レベル変動516は車間距離が70mの場合、レベル変動518は車間距離が100mの場合を示す。図4に示すように車間距離が長いほど、変動の周期は大きくなる。
【0024】
図5は、自車と、通信相手の他の車両100との車間距離毎の、受信アンテナ水平位置固定時の受信アンテナ高によるレベル変動を示す。レベル変動522は車間距離が10mの場合、レベル変動524は車間距離が35mの場合、レベル変動526は車間距離が70mの場合、レベル変動528は車間距離が100mの場合を示す。図5に示すように車間距離が長いほど、変動の周期は大きくなる。
【0025】
図6は、受信アンテナ高固定時の受信アンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lの一例を概略的に示す。図6に示すように、車間距離が長いほど、周期Lは長くなる。また、側方反射体から近いほど、周期Lは長くなる。
【0026】
図7は、受信アンテナ水平位置固定時の受信アンテナ高によるレベル変動の周期Lの一例を概略的に示す。図7に示すように、車間距離が長いほど、周期Lは長くなる。また、送信アンテナ高が低いほど、周期Lは長くなる。
【0027】
レベル変動の周期は、送信アンテナ高、送信アンテナ水平位置、車間距離に依存する。図6及び図7に示す特性は、実験により実測することによって、特定可能である。例えば、用いる周波数毎、車間距離毎、アンテナ高毎、水平位置毎に実測を行うことによって、それぞれの特性を特定し得る。また、図6及び図7に示す特性は、数式によって特定することも可能である。例えば、周期Lは、下記数式1によって特定でき、周期Lは、下記数式2によって特定できる。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】
TXは、送信アンテナと側方反射体との距離を示し、hTXは、送信アンテナ高を示す。レベルはアンテナ位置に対して周期性を有するため、アンテナ間隔を単に大きく離すだけではダイバーシチ効果を得ることができない。本実施形態では、変動周期Lの半周期の奇数倍、つまり、(2n+1)L/2間隔で複数アンテナを配置することにより、複数アンテナが同時にヌル点となることを回避する。そして、(2n+1)L/2間隔で複数アンテナを配置することにより、ダイバーシチ効果を得られる。
【0031】
図8は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。アンテナユニット400は、アンテナアレー410を備える。図8に示す例において、アンテナアレー410は、2つのアンテナ412を含む。2つのアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されている。水平方向は、横方向の一例であってよい。これにより、2つのアンテナ412のうちの一方のアンテナ412のレベルがヌル点となっても、もう一方のアンテナ412のレベルが高くなるように配置されるので、同時にヌル点となることを防ぐことができる。
【0032】
図8では、アンテナアレー410が2つのアンテナ412を含む場合を例示しているが、アンテナアレー410は、3つ以上のアンテナ412を含んでもよい。3つ以上のアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されてよい。
【0033】
複数のアンテナ412の間の距離は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。複数のアンテナ412の間の距離は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0034】
車間距離dは、アンテナユニット400が搭載された車両100(自車と記載する場合がある。)と、通信相手の車両100との距離として予め定められた距離であってよい。例えば、車間距離dは、多数の車両における平均車間距離であってよい。また、例えば、車間距離dは、通信装置200及びアンテナユニット400の製造者や、通信装置200及びアンテナユニット400を搭載した車両100の製造者等によって、設定された距離であってもよい。車間距離dは、アンテナユニット400が搭載された車両100(自車と記載する場合がある。)と、通信相手の車両100との最大距離として予め定められた距離であってよい。例えば、通信装置200によるアンテナ300及びアンテナユニット400を用いた無線通信の通信保証距離が100mである場合に、車間距離dは、100mであってよい。
【0035】
複数のアンテナ412は、水平方向にずらされるとともに、高さ方向にずらされて配置されてもよい。高さ方向とは、例えば、垂直方向であってよい。例えば、複数のアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらし、かつ、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。これにより、アンテナユニット400による受信品質をさらに向上することができる。
【0036】
図9は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。ここでは、図8と異なる点を主に説明する。図9に示すアンテナアレー410は、複数のアンテナセットを含む。図9では、2つのアンテナ412を含む第1のアンテナセットと、2つのアンテナ414を含む第2のアンテナセットを例示している。
【0037】
2つのアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されており、2つのアンテナ414は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されている。
【0038】
レベル変動の周期は、車間距離に依存するので、1つのアンテナセットのみでは、対応できない車間距離が存在することになる。それに対して、図9に示すような2つのアンテナセットを有することによって、対応可能な車間距離を増やすことができる。通信装置200は、複数のアンテナセットのうち、より受信状況がよい方を採用したり、両方を用いることによって補完を行ったりし得る。
【0039】
2つのアンテナ412及び2つのアンテナ414は、水平方向にずらされるとともに、高さ方向にずらされて配置されてもよい。例えば、2つのアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらし、かつ、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。また、2つのアンテナ414は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらし、かつ、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されてよい。これにより、アンテナユニット400による受信品質をさらに向上することができる。
【0040】
図9では、2つのアンテナセットのそれぞれが、2つのアンテナを含む場合を例示しているが、2つのアンテナセットのそれぞれは、3つ以上のアンテナを含んでもよい。3つ以上のアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw1の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されてよい。3つ以上のアンテナ414は、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されてよい。
【0041】
図9では、2つのアンテナセットを例示しているが、アンテナアレー410は、3つ以上のアンテナセットを含んでもよい。この場合、複数のアンテナセットのそれぞれは、複数の異なる車間距離のそれぞれに対応してよい。すなわち、アンテナアレー410は、複数のアンテナ412を含むアンテナセットに加えて、複数の車間距離におけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期LwNの半周期の奇数倍オフセットして配置したアンテナを含むアンテナセットNをダイバーシチとして併用してよい(N=2、3、・・・)。複数のアンテナセットのそれぞれについて、複数のアンテナの間の距離は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。複数のアンテナの間の距離は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0042】
図10は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。ここでは、図8と異なる点を主に説明する。図10に示すアンテナアレー410は、1つのアンテナセットの他、少なくとも1つのアンテナを含む。図10では、2つのアンテナ412を含むアンテナセットと、アンテナ416とを例示している。
【0043】
アンテナ416は、複数のアンテナ412の少なくともいずれかに対して、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらして配置されている。これにより、図9に示す例と比較して、小さい装置規模で、対応可能な車間距離を増やすことができる。具体的には、図10に示す例においては、車間距離dと車間距離dとの両方に対応することができる。なお、図10に示す例では、アンテナ416が、左側のアンテナ412に対して、Lw2/2の奇数倍ずらして配置されているが、例えば、右側のアンテナ412に対するずれが、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw3の半周期の奇数倍の距離であれば、車間距離dにも対応することができる。
【0044】
アンテナ416は、複数のアンテナ412の少なくともいずれかに対して、水平方向にずらされるとともに、高さ方向にずらされてもよい。例えば、アンテナ416は、複数のアンテナ412の少なくともいずれかに対して、車間距離dにおけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期Lw2の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらし、かつ、複数のアンテナ412の少なくともいずれかに対して、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh2の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。
【0045】
アンテナアレー410は、複数のアンテナ412及びアンテナ416に加えて、さらにアンテナを含んでもよい。複数のアンテナ412以外の複数のアンテナのそれぞれは、車間距離d以外の異なる車間距離に対応してよい。すなわち、アンテナアレー410は、複数のアンテナ412を含むアンテナセットに加えて、複数の車間距離におけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期LwNの半周期の奇数倍オフセットして配置したアンテナNをダイバーシチとして併用してよい(N=2、3、・・・)。アンテナNの位置は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。アンテナNの位置は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0046】
図11は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。アンテナユニット400は、アンテナアレー410を備える。図11に示す例において、アンテナアレー410は、2つのアンテナ412を含む。2つのアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されている。これにより、2つのアンテナ412のうちの一方のアンテナ412のレベルがヌル点となっても、もう一方のアンテナ412のレベルが高くなるように配置されるので、同時にヌル点となることを防ぐことができる。
【0047】
図11では、アンテナアレー410が2つのアンテナ412を含む場合を例示しているが、アンテナアレー410は、3つ以上のアンテナ412を含んでもよい。3つ以上のアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。
【0048】
複数のアンテナ412の間の距離は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。複数のアンテナ412の間の距離は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0049】
図12は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。ここでは、図11と異なる点を主に説明する。図12に示すアンテナアレー410は、複数のアンテナセットを含む。図12では、2つのアンテナ412を含む第1のアンテナセットと、2つのアンテナ414を含む第2のアンテナセットを例示している。
【0050】
2つのアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されており、2つのアンテナ414は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh2の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されている。
【0051】
レベル変動の周期は、車間距離に依存するので、1つのアンテナセットのみでは、対応できない車間距離が存在することになる。それに対して、図12に示すような2つのアンテナセットを有することによって、対応可能な車間距離を増やすことができる。通信装置200は、複数のアンテナセットのうち、より受信状況がよい方を採用したり、両方を用いることによって補完を行ったりし得る。
【0052】
図12では、2つのアンテナセットのそれぞれが、2つのアンテナを含む場合を例示しているが、2つのアンテナセットのそれぞれは、3つ以上のアンテナを含んでもよい。3つ以上のアンテナ412は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh1の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。3つ以上のアンテナ414は、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh2の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されてよい。
【0053】
図12では、2つのアンテナセットを例示しているが、アンテナアレー410は、3つ以上のアンテナセットを含んでもよい。この場合、複数のアンテナセットのそれぞれは、複数の異なる車間距離のそれぞれに対応してよい。すなわち、アンテナアレー410は、複数のアンテナ412を含むアンテナセットに加えて、複数の車間距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期LhNの半周期の奇数倍オフセットして配置した複数のアンテナを含むアンテナセットNをダイバーシチとして併用してよい(N=2、3、・・・)。複数のアンテナセットのそれぞれについて、複数のアンテナの間の距離は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。複数のアンテナの間の距離は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0054】
図13は、アンテナユニット400の構成の一例を概略的に示す。ここでは、図11と異なる点を主に説明する。図13に示すアンテナアレー410は、1つのアンテナセットの他、少なくとも1つのアンテナを含む。図13では、2つのアンテナ412を含むアンテナセットと、アンテナ416とを例示している。
【0055】
アンテナ416は、複数のアンテナ412の少なくともいずれかに対して、車間距離dにおけるアンテナ高によるレベル変動の周期Lh2の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されている。これにより、図11に示す例と比較して、小さい装置規模で、対応可能な車間距離を増やすことができる。
【0056】
アンテナアレー410は、複数のアンテナ412及びアンテナ416に加えて、さらにアンテナを含んでもよい。複数のアンテナ412以外の複数のアンテナのそれぞれは、車間距離d以外の異なる車間距離に対応してよい。すなわち、アンテナアレー410は、複数のアンテナ412を含むアンテナセットに加えて、複数の車間距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期LhNの半周期の奇数倍オフセットして配置したアンテナNをダイバーシチとして併用してよい(N=2、3、・・・)。アンテナNの位置は、物理的なチューニング等で調整可能であってもよい。アンテナNの位置は、電子的なチューニング等で調整可能であってもよい。
【0057】
図14は、通信装置200の他の一例を概略的に示す。図14に示す通信装置200は、アンテナ600と、アンテナユニット700とを用いた通信を実行する。アンテナ600は、例えば、アンテナ300と同様、車両100の前面に配置されてよい。アンテナユニット700は、例えば、アンテナユニット400と同様、車両100の背面に配置されてよい。アンテナアレー710は、複数のアンテナ712を含む。
【0058】
通信装置200は、通信部202、アンテナ制御部204、及び距離取得部206を備える。通信部202は、アンテナ600及びアンテナユニット700を用いた通信を実行する。また、通信部202は、通信装置200を搭載する車両100の制御装置と通信してよい。
【0059】
アンテナ制御部204は、複数のアンテナ712を制御する。複数のアンテナ712は、位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712は、水平方向に位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712は、高さ方向に位置が変更可能に構成されていてよい。複数のアンテナ712は、水平方向及び高さ方向に位置が変更可能に構成されていてよい。
【0060】
距離取得部206は、通信装置200を搭載した車両100と、通信装置200の通信相手を搭載した車両100との距離を取得する。距離取得部206は、例えば、車両100の制御装置から、当該距離を取得する。車両100は、先方を走行する車両100との距離を測定するセンサと、後方を走行する車両100との距離を測定するセンサを備えてよく、車両100の制御装置は、当該センサによって測定された距離を通信装置200に通知してよい。また、通信装置200が、自車の前方を走行する車両100との距離を測定するセンサと、自車の後方を走行する車両100との距離を測定するセンサを備えてもよい。
【0061】
アンテナ制御部204は、距離取得部206が取得した距離に基づいて、複数のアンテナ412の位置を制御してよい。例えば、アンテナ制御部204は、距離取得部206が取得した距離におけるアンテナ水平位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、水平方向にずらすように、複数のアンテナ712の位置を制御する。例えば、アンテナ制御部204は、距離取得部206が取得した距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらすように、複数のアンテナ712の位置を制御する。距離取得部206が適宜取得する距離に応じて、アンテナ制御部204が複数のアンテナ712の位置を制御することによって、受信品質を向上することができ、ダイバーシチ効果を向上することができる。
【0062】
図15は、通信装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0063】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0064】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0065】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0066】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0067】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0068】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0069】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0070】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0071】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0072】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0074】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0075】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0076】
上記実施形態では、移動体の例として車両100を示したが、これに限らない。移動体の他の例として、鉄道車両及び無人航空機等が挙げられる。また、上記実施形態では、送信側のアンテナが1つであり、受信側のアンテナが複数である場合を主に例に挙げて説明したが、受信側のアンテナが1つであり、送信側のアンテナが複数であってもよい。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 システム、100 車両、200 通信装置、300 アンテナ、400 アンテナユニット、410 アンテナアレー、412 アンテナ、414 アンテナ、416 アンテナ、512、514、516、518 レベル変動、522、524、526、528 レベル変動、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレー
を備えるアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離である、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された前記移動体との最大距離として予め定められた距離である、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記移動体は、車両であり、
前記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離である、請求項2又は3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第1の複数のアンテナは、前記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナアレーは、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1の複数のアンテナは、前記第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置され、
前記第2の複数のアンテナは、前記第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置される、請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記アンテナアレーは、前記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずらして配置されたアンテナをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
移動体に搭載されるアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置と、通信相手のアンテナ装置との距離として予め定められた第1の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第1の複数のアンテナを含むアンテナアレー
を備えるアンテナ装置。
【請求項10】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された前記移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との距離として予め定められた距離である、請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第1の距離は、前記アンテナ装置が搭載された移動体と、前記通信相手のアンテナ装置が搭載された移動体との最大距離として予め定められた距離である、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記移動体は、車両であり、
前記第1の距離は、前後を走行する2台の車両の車間距離として予め定められた距離である、請求項10又は11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記アンテナアレーは、前記第1の距離とは異なる第2の車間距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置された第2の複数のアンテナをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記アンテナアレーは、前記第1の複数のアンテナの少なくともいずれかに対して、前記第1の距離とは異なる第2の距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずらして配置されたアンテナをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、
前記移動体と
を備えるシステム。
【請求項16】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナを含むアンテナアレーと、
前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部と、
前記距離取得部が取得する距離に応じて、前記複数のアンテナが、前記距離取得部が取得した距離におけるアンテナ横位置によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、横方向にずれた状態になるように、前記複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
を備える通信装置。
【請求項17】
移動体に搭載される通信装置であって、
複数のアンテナを含むアンテナアレーと、
前記通信装置が搭載された移動体と、前記通信装置の通信相手が搭載された移動体との距離を取得する距離取得部と、
前記距離取得部が取得する距離に応じて、前記複数のアンテナが、前記距離取得部が取得した距離におけるアンテナ高によるレベル変動の周期の半周期の奇数倍の距離、高さ方向にずれた状態になるように、前記複数のアンテナの位置を制御するアンテナ制御部と
を備える通信装置。
【請求項18】
コンピュータを、請求項16又は17に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。