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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161651
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】床材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20221014BHJP
   E04F 15/16 20060101ALI20221014BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20221014BHJP
   B32B 5/32 20060101ALI20221014BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20221014BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20221014BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20221014BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
E04F15/02 A
E04F15/16 A
B32B5/18
B32B5/32
B32B27/32 E
B32B7/022
B32B5/24 101
B32B27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066623
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000198802
【氏名又は名称】積水成型工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】稲津 明
(72)【発明者】
【氏名】島田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】横田 裕次
(72)【発明者】
【氏名】田所 淳人
【テーマコード(参考)】
2E220
4F100
【Fターム(参考)】
2E220AA19
2E220BA04
2E220GA03X
2E220GA07X
2E220GA22X
2E220GA24X
2E220GA27X
2E220GA28X
2E220GB05X
2E220GB33X
2E220GB35X
2E220GB37X
2E220GB39X
2E220GB43X
4F100AK07A
4F100AK07B
4F100AK07E
4F100AK42C
4F100AK69C
4F100AR00D
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100BA10D
4F100DG01C
4F100DG15C
4F100DJ02A
4F100EJ53
4F100GB08
4F100HB00D
4F100JA13A
4F100JH01A
4F100JK07A
4F100JK07B
4F100JK07C
4F100JK07E
4F100JK11C
4F100JK12A
4F100JL12C
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00E
(57)【要約】
【課題】本発明は、JIS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上の防音性の優れた床材を提供する。
【解決手段】曲げ弾性率が500~9000MPaである板状芯材の下面に圧縮弾性率が1.0~7.0MPaのクッションシートが積層されてなる床材であって、前記板状芯材は、内在するセルのアスペクト比の平均値が1.1~4.0であり、且つ、発泡倍率が3~20倍であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少なくとも片面に、引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる、JIS A 1440-2に準拠して標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上である床材。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ弾性率が500~9000MPaである板状芯材の下面に圧縮弾性率が1.0~7.0MPaのクッションシートが積層されてなる床材であって、該板状芯材は、内在するセルのアスペクト比〔〔Dz(シートの厚さ方向のセルの最大径)/Dxy(シートの幅方向又は長さ方向のセルの最大径)〕の平均値が1.1~4.0であり、且つ、発泡倍率が3~20倍である、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートの少なくとも片面に、引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、JIS A 1440-2に準拠して標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上であることを特徴とする床材。
【請求項2】
クッションシートが、非湿熱接着性繊維が湿熱接着性樹脂により部分的に融着されている不織繊維シートであることを特徴とする請求項1記載の床材。
【請求項3】
板状芯材の上面に化粧シートが積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の床材。
【請求項4】
クッションシートの下面に第2の板材が積層されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の床材。
【請求項5】
第2の板材の曲げ弾性率が500~9000MPaであることを特徴とする請求項4記載の床材。
【請求項6】
JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さが50G以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載の床材。
【請求項7】
JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さとJIS A 6519(2013)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さとの差が10G以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の床材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量床衝撃音レベル低減量の大きい防音性の優れた床材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅においては、床は、一般に、コンクリート面、モルタル面、木面、合板面等の床面の上に畳やフローリング材を設置することにより形成されているが、上階で発生した音が下階に響き、騒音トラブルが発生するという問題があった。
【0003】
この騒音を防止する手段は種々提案されている。例えば、「床材の下部にクッション材を接合固定して形成し、被敷設面に接着剤を用いて敷設固定するフローリング材」(例えば、特許文献1参照。)、「木質床材と、密度0.15~0.2g/cm、坪量450~550g/mのフェルトとの積層構造を有することを特徴とするフローリング材。」(例えば、特許文献2参照。)等を床材として使用することが提案されている。
【0004】
しかしながら、重量物の落下音のような低周波の音は防止しにくく、即ち、衝撃音レベル低減量は小さく、より重量床衝撃音レベル低減量の大きいより防音性の優れた床材が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-206618号公報
【特許文献2】特開2004-244972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、JIS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH-3以上の防音性の優れた床材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
[1]曲げ弾性率が500~9000MPaである板状芯材の下面に圧縮弾性率が1.0~7.0MPaのクッションシートが積層されてなる床材であって、前記板状芯材は、内在するセルのアスペクト比〔Dz(シートの厚さ方向のセルの最大径)/Dxy(シートの幅方向又は長さ方向のセルの最大径)〕の平均値が1.1~4.0であり、且つ、発泡倍率が3~20倍であるポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートの少なくとも片面に、引張弾性率が5GPa以上であるのポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、JIS A 1440-2に準拠して標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上であることを特徴とする床材、
[2]クッションシートが、非湿熱接着性繊維が湿熱接着性樹脂により部分的に融着されている不織繊維シートであることを特徴とする前記[1]記載の床材、
[3]板状芯材の上面に化粧シートが積層されていることを特徴とする前記[1]又は[2]記載の床材、
[4]クッションシートの下面に第2の板状芯材が積層されていることを特徴とする前記[1]、[2]又は[3]記載の床材、
[5]第2の板状芯材の曲げ弾性率が500~9000MPaであることを特徴とする前記[4]記載の床材、
[6]JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さが50G以下であることを特徴とする前記[1]~[5]のいずれか1項記載の床材、及び、
[7]JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さとJIS A 6519(2013)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さとの差が10G以下であることを特徴とする前記[1]~[6]のいずれか1項記載の床材
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成は上述の通りであり、JIS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上と防音性が優れている。従って、音響機器、ペットの鳴き声、ドアの開閉、話し声等の騒音を防音する効果、特に,階上の歩行音や重量物の落下音のような低周波音を防音する効果が優れており、騒音トラブルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の床材の一例を示す断面図である。
図2】本発明の床材の異なる例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の床材は、曲げ弾性率が500~9000MPaである板状芯材の下面に圧縮弾性率が1.0~7.0MPaのクッションシートが積層されてなる床材であって、前記板状芯材は、内在するセルのアスペクト比〔Dz(シート厚み方向に平行な最大径)/Dxy(シート幅又は長さ方向に平行な最大径)〕の平均値が1.1~4.0であり、且つ、発泡倍率が3~20倍であるポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートの少なくとも片面に、引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、JIS A 1440-2に準拠して標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上であることを特徴とする。
【0011】
次に本発明を、図面を参照して説明する。図1は本発明の床材の一例を示す断面図である。図中1は板状芯材であり、板状芯材1は、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11の両面に、ポリオレフィン系樹脂シート12.12が積層されて形成されており、板状芯材1の下面にはクッションシート2が積層されている。
【0012】
本発明の床材は、板状芯材1の下面にクッションシート2が積層されてなるが、上記板状芯材1は、床材に機械的強度を付与するものであり、曲げ弾性率が500~9000MPaである。曲げ弾性率が小さくなると、局部的に板状芯材2に加えられた衝撃がそのまま局部的にクッションシート2に伝えられて、床材全体に広がらず防音効果が低下するので、500~9000MPaであり、好ましくは700~5500MPaであり、より好ましくは1000~4000MPaであり、更に好ましくは2000~3600MPaである。尚、本発明において曲げ弾性率はJIS K 7171に準拠して測定されたものである。
【0013】
又、上記板状芯材1は、内在するセルのアスペクト比〔Dz(シート厚み方向に平行な最大径)/Dxy(シート幅又は長さ方向に平行な最大径)〕の平均値が1.1~4.0であり、且つ、発泡倍率が3~20倍である、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11の少なくとも片面に、引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂シート12が積層されてなる。
【0014】
上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11は、ポリオレフィン系樹脂よりなる独立気泡性の発泡体シートである。独立気泡性が優れているとは、発泡体シート中に内在するセルの多くが独立していることをいい、独立気泡率が少なくなると発泡体シートは柔らかく機械的強度が小さくなるので、独立気泡率は60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。
【0015】
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂が好ましい。又、2種類以上がブレンドされてもよい。
【0016】
又、上記ポリオレフィン系樹脂には、従来からポリオレフィン系樹脂の成形の際に一般に使用されている、熱安定剤、耐熱向上剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、顔料等の添加剤が、必要に応じて、添加されてもよい。
【0017】
上記発泡体シート11には紡錘形のセルが内在しており、そのセルのアスペクト比の平均値は1.1~4.0である。上記アスペクト比の平均値は小さくなるとセルの形状がほぼ球形となり、セルの形状に起因する圧縮強度(圧縮弾性率)向上効果が低下し、耐クリープ性や弾性回復力が低下し、逆にアスペクト比の平均値が大きくなりすぎると、発泡体シート の圧縮強度(圧縮弾性率)が高くなり過ぎて、振動吸収性が低下し、歪みに対して高い応力が必要となるので、1.1~4.0であり、好ましくは1.3~2.5である。
【0018】
尚、本願発明においては、アスペクト比の測定は以下の通り行う。まず、発泡体シートをシート厚さ方向(z方向)に断面し、切断面の10倍の拡大写真を撮り、無作為に選ばれた少なくとも50個のセルの厚さ方向(z方向)及びシートの幅方向又は長さ方向(xy方向)の最大径を測定し、その平均値を算出する。次に、次式でアスペクト比を計算する。
アスペクト比=Dz(シートの厚さ方向にセルの最大径の平均値)/Dxy(シートの幅方向又は長さ方向にセルの最大径の平均値)
【0019】
又、上記発泡体シート11の発泡倍率は、小さくなると硬くなり圧縮強度(圧縮弾性率)が高くなり過ぎ、逆に大きくなると、セル壁の厚みが薄くなって、圧縮強度(圧縮弾性率)が小さくなり、発泡体シート11上に重量物を置いた場合や衝撃が加えられた場合、へたり現象や凹み等が発生し易くなったり破断されやすくなるので、3~20倍であり、好ましくは、5~15倍である。
【0020】
尚、本願発明においては、発泡体シートをJIS K-6767「ポリエチレンフォーム試験方法」に準拠して、発泡体シートのかさ密度を測定し、その逆数を発泡倍率とする。
【0021】
上記ポリオレフィン系樹脂シート12は、引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂よりなる樹脂シートである。
【0022】
ポリオレフィン系樹脂シート12は、上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11の少なくとも片面に、積層されてなり、積層されてなる板状芯材に機械的強度を付与するシートであるからポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11の両面に、積層されているのが好ましい。又、ポリオレフィン系樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートに曲げ剛性、耐衝撃性等の機械的強度を付与するシートであるから機械的強度は高いほうが好ましく、引張弾性率は5GPa以上である。しかしながら、高くなりすぎると剛性が大きくなりすぎ、衝撃が加えられた場合の衝撃音の防音効果が低下するので50GPa以下が好ましい。
【0023】
上記ポリオレフィン系樹脂シート12は、一軸延伸または2軸延伸されていてもよい。延伸倍率は引張弾性率が5GPa以上になるように設定されればよく、一般に、10倍以上であり、好ましくは、10~40倍である。
【0024】
上記ポリオレフィン系樹脂シート12を構成する上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂が好ましい。又、2種類以上が併用されてもよい。
【0025】
又、上記ポリオレフィン系樹脂には、従来からポリオレフィン系樹脂の成形の際に一般に使用されている、熱安定剤、耐熱向上剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、顔料等の添加剤が、必要に応じて、添加されてもよい。
【0026】
上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11と上記ポリオレフィン系樹脂シート12を構成するポリオレフィン系樹脂は、上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートと上記ポリオレフィン系樹脂シートの密着性が優れているように、同一又は類似しているのが好ましい。
【0027】
上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11の厚さは、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート11は、薄くなると防音性が低下し、厚くなると機械的強度が低下するので、1~30mmが好ましく、より好ましくは、厚さ2~9mmである。
【0028】
上記ポリオレフィン系樹脂シート12の厚さは、特に限定されないが、薄くなると機械的強度が小さくなり、衝撃が加えられた場合に破壊され易くなり、逆に、厚くなりすぎると曲げ剛性が大きくなりすぎて、曲げにくくなり、衝撃が加えられた場合の衝撃音の防音効果が低下するので、20~1,000μmが好ましく、より好ましくは、40~100μmである。
【0029】
そして、上記板状芯材1の厚さは、特に限定されないが、薄くなると床材の機械的強度が不足し、厚くなると重くなるので、厚さは、1~10mmが好ましく、より好ましくは2~9mmである。
【0030】
上記板状芯材の製造方法は、特に限定されず、従来公知の任意の製造方法が採用されてよく、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートとポリオレフィン系樹脂シートを別々に製造し、次いで、両者を粘接着剤で粘接着する方法、熱融着する方法等が挙げられる。
【0031】
又、異なる板状芯材の製造方法として、ポリオレフィン系樹脂、架橋剤及び熱分解型発泡剤よりなる発泡性樹脂組成物を加熱し、溶融押出して発泡性樹脂シートを作成し、得られた発泡性樹脂シートを2枚のポリオレフィン系樹脂シートの間に挟んで融着積層した後、更に、加熱して発泡させる方法、ポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤よりなる発泡性樹脂組成物を加熱し、ポリオレフィン系樹脂シート上に溶融押出して発泡性樹脂シートを融着積層し、次に、電離製放射線照射により架橋して得られた架橋発泡性樹脂シートを加熱溶融して発泡させる方法等が挙げられる。
【0032】
上記製造方法により、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートの少なくとも片面に、ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなり、内在するセルのアスペクト比〔Dz(シート厚み方向に平行な最大径)/Dxy(シート幅又は長さ方向に平行な最大径)〕の平均値が1.1~4.0である板状芯材は、容易に得られる。
【0033】
上記クッションシート2は、板状芯材1にクッション性及び防音性を付与するものであり、特に、板状芯材1の下面に積層することにより、重量床衝撃音レベルを低減する効果に寄与するものであり、その圧縮弾性率は1.0~7.0MPaである。
【0034】
クッションシート2の圧縮弾性率は、小さくなるとへたりやすくなり、防音性、特に、重量床衝撃音レベル低減効果が低下し、大きくなるとクッション性が低下し衝撃緩和性が低下するので、1.0~7.0MPaであり、好ましくは1.5~3.0MPaである。
【0035】
尚、本発明において、圧縮弾性率とは、JIS K 7181(2011プラスチック-圧縮特性の求め方)に準拠し、直径が50mmで底面が平坦な筒状圧子で10mm/minの速度で50mm×50mmの正方形のクッションシートを押圧し、クッションシートが10%から20%歪むように圧縮した際の傾きの値で求めた。
【0036】
クッションシート2の見かけ密度は、小さくなるとクッション性が低下し、へたりやすくなり、大きくなると防音性が低下するので、0.04~0.2g/cmが好ましく、より好ましくは0.04~0.12g/cmである。又、厚さは、薄くなるとクッション性及び防音性が低下し、厚くなるとへたりやすくなるので、2~20mmが好ましく、より好ましくは5~15mmである。
【0037】
又、クッションシート2の目付量は小さくなるとへたりやすくなり、大きくなるとクッション性や防音性が低下するので、目付量は、160~2000g/mが好ましく、より好ましくは200~1800g/m、更に好ましくは300~1500g/mである。
【0038】
上記クッションシート2は、圧縮弾性率1.0~7.0MPaのクッション性を有するシートであれば、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂発泡体シート;ゴムシート;エラストマーシート;天然繊維、合成繊維などの有機繊維や無機繊維の織布、編み物、不織布、マット、フェルト等の従来から床材のクッションシートとして使用されているクッション性シートが挙げられる。
【0039】
又、上記クッションシート2としては、非湿熱接着性繊維が湿熱接着性樹脂により部分的に融着されている不織繊維シートが見かけ密度が小さく、圧縮弾性率がすぐれ、機械的強度が大きいので好適に使用される。
【0040】
上記非湿熱接着性繊維としては、非湿熱接着性の汎用繊維が使用可能であり、例えば、麻繊維、綿繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ウレタン繊維、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられ、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維が好ましい。
【0041】
上記湿熱接着性樹脂は、高温・高湿度下で自己接着又は前記非湿熱接着性繊維に接着可能な熱可塑性樹脂であり、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体,ポリ乳酸樹脂等が挙げられる。
【0042】
上記不織繊維シートは非湿熱接着性繊維が湿熱接着性樹脂により部分的に融着されているが、不織繊維シート全体の見かけ密度や機械的強度が均一になるように、融着部は不織繊維シート全体に均一に分布しているのが好ましい。
【0043】
従って、非湿熱接着性繊維は、上記湿熱接着性樹脂よりなる湿熱接着性樹脂繊維により部分的に融着されているが好ましい。又、湿熱接着性樹脂繊維は上記非湿熱接着性繊維の表面に上記湿熱接着性樹脂がコーティングされた芯鞘型繊維であってもよい。
【0044】
上記非湿熱接着性繊維及び湿熱接着性樹脂繊維の平均繊度は、小さくなるとクッション性が低下し、へたりやすくなり、大きくなると防音性が低下するので0.1~30dtexが好ましく、より好ましくは0.5~20dtexである。又、断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形等の形状が挙げられる。
【0045】
又、上記非湿熱接着性繊維及び湿熱接着性樹脂繊維の長さは、短くなると機械的強度や防音性が低下し、長くなると製造しにくくなるので一般に5~100mmであり、好ましくは10~80mmである。
【0046】
非湿熱接着性繊維と湿熱接着性樹脂の比率は、特に限定されないが、一般に非湿熱接着性繊維100重量部に対し湿熱接着性樹脂50~200重量部であり、好ましくは80~150重量部である。
【0047】
上記不織繊維シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、非湿熱接着性繊維及び湿熱接着性樹脂繊維を混合してシート状のウェブを作成し、得られたウェブをネットで挟んで加圧しながら、上下から熱水又は水蒸気を吹きかけて加熱・加湿する方法が挙げられる。上記の方法で製造された不織繊維シートはシート全体が均一に接着されており、シート全体の機械的強度(特に、圧縮弾性率)が均一であり優れている。尚、非湿熱接着性繊維の表面に湿熱接着性樹脂がコーティングされた芯鞘型繊維を使用してウェブを作成する場合は芯鞘型繊維のみでウェブを作成してもよい。
【0048】
クッションシート2は、2枚以上の薄い上記不織繊維シートが積層された積層シートでもよいし、密度又は厚みの異なる2枚以上の薄い上記不織繊維シートが積層された積層シートでもよい。更に、1枚以上の薄い上記不織繊維シートと1枚以上の薄い上記クッション性シートが積層された積層シートでもよい。
【0049】
又、上記不織繊維シートと上記クッション性シートが積層されてなるクッションシート2は、シート全体として、圧縮弾性率が1.0~7.0MPaである。クッション性シートの圧縮弾性率はこの範囲を少々逸脱してもよいが、不織繊維シートの圧縮弾性率はこの範囲であるのが好ましい。
【0050】
上記不織繊維シートと上記クッション性シートを積層してクッションシート2とする場合、不織繊維シートの厚さとクッション性シートの厚さの比は1:2~2:1が好ましい。
【0051】
図2は本発明の床材の異なる例を示す断面図である。図中1は、ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シートの両面に、ポリオレフィン系樹脂シートが積層されて形成されている板状芯材であり、板状芯材1の下面にクッションシート2及び第2の板状芯材3が順次積層されている。
【0052】
上記第2の板状芯材3は、クッションシート2の下面に積層され、クッションシート2を保護すると共に、床材に機械的強度を付与するものであり、上記板状芯材1と同一のものが好ましい。
【0053】
第2の板状芯材3はクッションシート2より曲げ弾性率が高い板材が好ましく、又、その曲げ弾性率は、小さくなると、局部的に床材に加えられた衝撃がそのまま局部的に下方に伝えられて、床材全体に広がらず防音効果が低下するので、500~9000MPaが好ましく、より好ましくは1000~5000MPaであり、更に好ましくは1500~4000MPaである。
【0054】
又、第2の板状芯材3としては、従来から床材の板状芯材として使用されている板材も使用可能であり、例えば、床材の板状芯材として使用されている木質系板材、板材の表裏両面にアルミシート、アルミ箔等が積層されている剛性を付与された木質系板材、表裏両面に高剛性シートが積層されている独立気泡性オレフィン系合成樹脂発泡体シート、高梁ボード、アルミ合板、木質フローリング、コルクボード等が挙げられる。
【0055】
上記板材としては、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的強度高い木質系板材が好ましく、木質系板材はとしては、材木、材木その他の植物繊維をパルプ化し、バインダー樹脂により結合し、熱圧成板した木質繊維板が好ましく、例えば、パーチクルボード、合板、インシュレーションファイバーボード(インシュレーションボード)、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)、ハードファイバーボード(ハードボード)等が挙げられ、特に、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)が好ましい。
【0056】
第2の板状芯材3は、薄くなると機械的強度が低下し、厚くなると重くなるので、厚さは、2~30mmが好ましく、より好ましくは3~7mmである。
【0057】
板状芯材1の表面は、その上に人が座ったり、歩いたりする床材の表面なので、板状芯材1の上面に柔軟性、クッション性、保温性、装飾性等を付与するための化粧シートが積層されてもよい。化粧シートとしては、例えば、カーペット、絨毯、クッションフロア、合成樹脂製発泡シート、フローリング、P-タイル、畳表等があげられる。
【0058】
板状芯材1の上面に化粧シートを積層する場合、板状芯材1と化粧シート間に、床材にクッション性及び防音性を付与するために第2のクッションシートが積層されてもよい。第2のクッションシートは床材にクッション性、防音性、機能性を付与するものであり、従来から床材のクッションシートとして使用されているものであれば特に限定されず、例えば、麻繊維、綿繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ウレタン繊維、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維などの繊維の不織布、織布、マット、フェルト;ポリスチレン樹脂発泡シート、ポリエチレン樹脂発泡シート、ポリプロピレン樹脂発泡シート、ウレタン発泡シート、ゴム発泡シートなどの発泡シート;クラフト紙、板紙、厚紙、ダンボール等のクッション性シートが挙げられ、吸湿剤、防ダニ剤、防カビ剤、抗菌剤、消毒剤、芳香剤等を添加することにより機能性を添加することができる。
【0059】
第2のクッションシートは、みかけ密度が小さくなるとへたりやすくなり、クッション性が低下し、大きくなると吸音性が低下し、防音性が低下するので、見かけ密度が0.04~0.2g/cmの麻繊維、綿繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ウレタン繊維、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維などの繊維の不織布からなるのが好ましく、より好ましくはポリエステル繊維不織布である。
【0060】
第2のクッションシートの目付量は、小さくなるとクッション性が低下し、大きくなると防音性が低下するので、50~3000g/mが好ましく、より好ましくは150~500g/mである。
【0061】
第2のクッションシートの厚さは、一般に1~10mmであり、好ましくは1.5~5mmである。又、第2のクッションシートは2枚以上の薄い不織布が積層されていてもよい。更に、密度の異なる不織繊維シートや厚みの異なる不織繊維シートを積層してもよく、上記不織繊維シートとクッション性シートを組み合わせてもよい。
【0062】
又、クッションシート2又は第2の板状芯材3の下面には裏面仕上げ材が積層されてもよい。裏面仕上げ材は、床材の滑り止め、補強、防水等の目的でクッションシート2又は第2の板状芯材3の下面に積層されるシートである。
【0063】
滑り止めのための裏面仕上げ材としては、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂などの滑り止め性能を有する樹脂よりなる滑り止めシート、麻繊維、綿繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ウレタン繊維、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維などの繊維の不織布、織布、マット、フェルトなどにシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂など粒状、線状、格子状などの凸部が形成されている滑り止めシート、裏面に粒状、線状、格子状などの凸部が形成されているポリエチレ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の発泡シート等が挙げられる。補強ための裏面仕上げ材としては、例えば、クラフト紙、板紙、厚紙、ダンボール、チップボール、合成樹脂シート、クロス粘着テ-プ等が挙げられ、防水のための裏面仕上げ材としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の合成樹脂シートが挙げられる。
【0064】
本発明の床材の製造方法は、特に限定されず、従来公知の任意の製造方法が採用されてよく、例えば、板状芯材1とクッションシート2又は板状芯材1とクッションシート2と第2の板状芯材3及び必要に応じて第2のクッションシート、裏面仕上げ材等を積層し、例えば、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコン系等の粘接着剤で接着する方法、エチレンー酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系ホットメルト型接着剤で熱融着する方法、糸で縫合する方法、タッカーで打ち付ける方法等が挙げられる。
【0065】
板状芯材1又は第2の板材3とクッションシート2は(粘)接着剤で動かないように接着するのが好ましい。板状芯材1又は第2の板材3は、クッションシート2に接する表面の一部をクッションシート2に接着すればよいが、全表面を接着するのが好ましい。
【0066】
本発明の床材の構成は上述の通りであり、その厚さは、特に限定されないが、床材であるから、一般に、8~35mmである。
【0067】
本発明の床材の構成は上述の通りであり、IS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上である。
【0068】
本発明の床材のJIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さ(以下、「第1G値」と言う。)は、50G以下が好ましく、より好ましくは37G以下である。
【0069】
JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さ(第1G値)とJIS A 6519(2013)の床の硬さ試験に準拠して測定された表面硬さ(以下、「第2G値」と言う。)との差は10G以下が好ましい。
【0070】
第1G値は、5回の落下試験における3~5回目の測定値の平均値であり、第2G値は落下試験における1~5回目の測定値の平均値である。通常、落下試験を繰り返すと、衝撃緩和性能は低下するので、第1G値よりも第2G値は小さくなる。従って、第1G値と第2G値の差が小さいということは落下試験を繰り返しても衝撃緩和性能が維持されることを意味しており、この差は小さいほど好ましく、5G以下がより好ましく、更に好ましくは3G以下である。
【0071】
本発明の床材の構成は上述の通りであり、この床材を特定形状、大きさに構成することにより、所定位置に設置することが可能な置床パネルとして使用することもできる。
【0072】
本発明の床材の構成は上述の通りであり、IS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上の防音効果を有しており、音響機器、ペットの鳴き声、ドアの開閉、話し声等の騒音を防音する効果、特に,階上の歩行音や重量物の落下音のような低周波音を防音する効果が優れており、騒音トラブルを低減することができる。
【実施例0073】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0074】
(実施例1)
板状芯材の製造
ポリプロピレン樹脂100重量部、アゾジカルボンアミド15重量部及びステアリン酸亜鉛2重量部からなる樹脂組成物を押出機により、170℃で加熱溶融押出して、得られた溶融樹脂シートを一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(厚さ40μm、延伸倍率10倍、引張弾性率15GPa)に積層密着させ、電離電子線を3Mrad照射して架橋した後、溶融樹脂シートの他面に一軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(厚さ40μm、延伸倍率10倍、引張弾性率15GPa)を熱融着して、3層構造の発泡性シートを得た。
【0075】
次に、得られた発泡性シートを約250℃に設定されている発泡室に供給して溶融樹脂シートを発泡させて板状芯材を得た。得られた板状芯材の厚さは6mm、発泡した溶融樹脂シート(ポリプロピレン樹脂独立気泡性発泡体シート)の発泡倍率は10倍、独立気泡率は90%であり、セルの形状は厚さ方向に長く、アスペクト比は2.4であった。又、板状芯材の曲げ弾性率は1900MPaであった。
【0076】
クッションシートの製造
芯部分がポエチレンテレフタレート、鞘部分がエチレン-ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量44モル%、けん化度98.4モル%)である芯鞘型ステープル繊維(繊度3.3dtex、繊維長51mm、芯と鞘の重量比1:1、捲縮数21個/25mm,倦縮率13.5%)を用いてカード法によりカードウェブを作成した。
【0077】
得られたカードウェブを2枚の金網製ベルトで挟み、加圧すると共に上下から0.25MPa高温水蒸気を噴射して芯鞘型ステープル繊維の鞘部分(エチレン-ビニルアルコール共重合体を溶融接着し、厚さ4mm、見かけ密度0.05g/cm3の不織繊維シートを得た。
【0078】
得られた不織繊維シートを4枚重ね合わせて厚さ16mmのクッションシートを得た。得られたクッションシートの圧縮弾性率は1.05MPa、目付量は800g/mであった。
【0079】
図1に示した通り、厚さ6mm、曲げ弾性率1900MPaの得られた板状芯材1の下面に、得られたクッションシート2を積層して厚さ22mmの床材を得た。
【0080】
(実施例2)
実施例1で得られた3枚の不織繊維シートを重ね合わせて厚さ12mmのクッションシートを得た。得られたクッションシートの圧縮弾性率は1.66MPa、目付量は600g/mであった。得られたクッションシートを使用した以外は実施例1と同様にして厚さ18mmの床材を得た。
【0081】
(実施例3)
実施例1で得られた2枚の不織繊維シートを重ね合わせて厚さ8mmのクッションシートを得た。得られたクッションシートの圧縮弾性率は2.29MPa、目付量は400g/mであった。得られたクッションシートを使用した以外は実施例1と同様にして厚さ14mmの床材を得た。
【0082】
(実施例4)
図2に示した通り、実施例2得られた厚さ12mmのクッションシート1の上面に、実施例1で得られた厚さ6mm、曲げ弾性率1900MPa、曲げ強度40.9MPaの板状芯材2を積層し、下面に第2の板状芯材3として同一の板状芯材を積層し、厚さ24mmの床材を得た。
【0083】
(実施例5)
図2に示した通り、実施例3で得られた厚さ8mmのクッションシートの上面に、実施例1で得られた厚さ6mm、曲げ弾性率1900MPa、曲げ強度40.9MPaの板状芯材2を積層し、下面に第2の板状芯材3として同一の板状芯材を積層し、厚さ20mmの床材を得た。
【0084】
実施例1~5で得られた床材を試料とし、JIS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して重量床衝撃音レベル低減量を測定した。又、JIS A 5917(2018)の床の硬さ試験に準拠して第1G値を測定し、JIS A 6519(2013)の床の硬さ試験に準拠して第2G値を測定した。重量床衝撃音レベル低減量、第1G値、第2G値及び第1G値と第2G値の差を床材の構成と併せて表1に示した。参考のため、床衝撃音レベルがΔLH-2及びΔLH-3の基準値を併記した。
【0085】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の床材は、JIS A 1440-2に基づいて標準衝撃源(衝撃力特性(1)のタイヤ衝撃源=バングマシン)を使用して測定された重量床衝撃音レベル低減量がΔLH―3以上と防音性が優れているので、音響機器、ペットの鳴き声、ドアの開閉、話し声等の騒音を防音する効果、特に,階上の歩行音や重量物の落下音のような低周波音を防音する効果が優れており、騒音トラブルを低減することができる。従って、高層の団地やマンションにおいても従来の床材の代わりに好適に使用できる。
【符号の説明】
【0087】
1 板状芯材
11 ポリオレフィン系樹脂独立気泡性発泡体シート
12 ポリオレフィン系樹脂シート
2 クッションシート
3 第2の板状芯材
図1
図2