(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161652
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】基板搬送ロボットおよび基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20221014BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066625
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】芝田 武士
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707CT04
3C707CY29
3C707CY39
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3C707NS13
5F131AA02
5F131CA32
5F131CA55
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5F131DB76
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5F131JA03
5F131JA16
5F131JA24
5F131JA25
5F131JA26
5F131JA32
(57)【要約】
【課題】ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することが可能な基板搬送ロボットを提供する。
【解決手段】この基板搬送ロボット100は、ロボットアーム10と、ロボットアーム10を昇降させる昇降駆動機構20とを備える。昇降駆動機構20は、上下方向に沿って延びるガイドレール21aが設けられている固定部21と、ガイドレール21aに沿って昇降移動される昇降部22とを含む。ロボットアーム10は、昇降部22に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンク2を含む。また、基板搬送ロボット100は、昇降部22が下降した際に側方に露出するガイドレール21aの上部21hを側方から覆うガイドレール用カバー2aを備える。ガイドレール用カバー2aは、基部リンク2に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する保持部を先端部に有するロボットアームと、
前記ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構と、を備え、
前記昇降駆動機構は、上下方向に沿って延びるガイドレールが設けられている固定部と、前記ガイドレールに沿って昇降移動される昇降部と、を含み、
前記ロボットアームは、前記昇降部に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンクと、前記基部リンクに連結されるとともに水平方向に旋回可能で、かつ、前記先端部を有するとともに1つ以上のアーム部材を有する先端側リンクと、を含み、
前記昇降部が下降した際に側方に露出する前記ガイドレールの上部を側方から覆うガイドレール用カバーをさらに備え、
前記ガイドレール用カバーは、前記基部リンクに設けられている、基板搬送ロボット。
【請求項2】
前記ガイドレール用カバーは、前記基部リンクの第1筐体であるか、または、前記基部リンクに取り付けられていることによって、前記基部リンクに設けられている、請求項1に記載の基板搬送ロボット。
【請求項3】
前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、弧形状を有する、請求項1または2に記載の基板搬送ロボット。
【請求項4】
前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、前記基部リンクの回転軸線を中心とした円の一部を構成する円弧形状を有する、請求項3に記載の基板搬送ロボット。
【請求項5】
前記固定部に設けられ、前記ガイドレールの前記上部を上方から覆う天井部カバーをさらに備え、
前記天井部カバーの前記ガイドレール用カバー側の端部は、上方から見て、前記ガイドレール用カバーの弧形状と対応する弧形状を有する、請求項3または4に記載の基板搬送ロボット。
【請求項6】
前記天井部カバーの前記端部および前記ガイドレール用カバーの各々は、上方から見て、円弧形状を有し、
前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、前記天井部カバーの前記端部との間の隙間の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている、請求項5に記載の基板搬送ロボット。
【請求項7】
前記固定部に設けられ、前記ガイドレールの前記上部を側方から挟むように設けられる一対の側方カバーをさらに備え、
前記基部リンクおよび前記ガイドレール用カバーの回転中心は、前記一対の側方カバーが並ぶ方向において、前記一対の側方カバー同士の中央部に対応する位置に設けられている、請求項3~6のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット。
【請求項8】
前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、円弧形状を有し、かつ、前記一対の側方カバーの各々の前記ガイドレール用カバー側の端部との間の隙間の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている、請求項7に記載の基板搬送ロボット。
【請求項9】
弧形状を有する前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、弧状部分の少なくとも一部が前記一対の側方カバー同士の間の領域に挿入された状態で回転するように設けられている、請求項7または8に記載の基板搬送ロボット。
【請求項10】
前記ガイドレール用カバーは、上方から見て、中心角が180度よりも大きい円弧形状を有する、請求項3~9のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット。
【請求項11】
前記ガイドレール用カバーは、前記基部リンクと別個に設けられるとともに前記基部リンクと一体的に旋回可能であり、前記基部リンクの第2筐体と接続部により接続されている、請求項2~10のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット。
【請求項12】
前記固定部に設けられ、前記ガイドレールの前記上部を上方から覆う天井部カバーを備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット。
【請求項13】
基板を保持する保持部を先端部に有するロボットアームと、前記ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構と、を含む基板搬送ロボットと、
前記基板搬送ロボットが収容されるロボット収容部と、を備え、
前記昇降駆動機構は、上下方向に沿って延びるガイドレールが設けられている固定部と、前記ガイドレールに沿って昇降移動される昇降部と、を含み、
前記ロボットアームは、前記昇降部に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンクと、前記基部リンクに連結されるとともに水平方向に旋回可能で、かつ、前記先端部を有するとともに1つ以上のアーム部材を有する先端側リンクと、を含み、
前記基板搬送ロボットは、前記昇降部が下降した際に側方に露出する前記ガイドレールの上部を側方から覆うガイドレール用カバーを含み、
前記ガイドレール用カバーは、前記基部リンクに設けられている、基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板搬送ロボットおよび基板搬送装置に関し、特に、ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構を備える基板搬送ロボットおよび基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構を備える基板搬送ロボットおよび基板搬送装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ロボットアームと、ロボットアームを昇降させるための昇降駆動機構とを備える基板搬送ロボット(基板搬送装置)が開示されている。この基板搬送ロボットの昇降駆動機構には、上下方向に沿って延びるガイドレールと、ガイドレールに沿って昇降される昇降部とが設けられている。また、この基板搬送ロボットには、昇降部が下降した際に、ガイドレールの露出する上部を側方から覆うためのガイドレール用カバーが設けられている。このガイドレール用カバーは、水平方向に旋回可能であるロボットアームの基部リンクと水平方向に対向する位置に、基部リンクとは別個に昇降部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された基板搬送ロボット(基板搬送装置)では、ガイドレール用カバーが、水平方向に旋回可能であるロボットアームの基部リンクと水平方向に対向する位置に、基部リンクとは別個に昇降部に設けられている。このため、基部リンクが回転した場合に、基部リンクとガイドレール用カバーとが接触するため、基部リンクの回転範囲が制限されることが考えられる。したがって、ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することが可能な基板搬送ロボットおよび基板搬送装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することが可能な基板搬送ロボットおよび基板搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による基板搬送ロボットは、基板を保持する保持部を先端部に有するロボットアームと、ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構と、を備え、昇降駆動機構は、上下方向に沿って延びるガイドレールが設けられている固定部と、ガイドレールに沿って昇降移動される昇降部と、を含み、ロボットアームは、昇降部に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンクと、基部リンクに連結されるとともに水平方向に旋回可能で、かつ、先端部を有するとともに1つ以上のアーム部材を有する先端側リンクと、を含み、昇降部が下降した際に側方に露出するガイドレールの上部を側方から覆うガイドレール用カバーをさらに備え、ガイドレール用カバーは、基部リンクに設けられている。
【0008】
この発明の第1の局面による基板搬送ロボットでは、上記のように、ガイドレール用カバーが基部リンクに設けられている。これにより、基部リンクが水平方向に旋回した場合でも、ガイドレール用カバーも基部リンクと一体的に旋回するので、ガイドレール用カバーが旋回する基部リンクに干渉するのを防止することができる。その結果、ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することができる。
【0009】
また、この発明の第2の局面による基板搬送装置は、基板を保持する保持部を先端部に有するロボットアームと、ロボットアームを昇降させる昇降駆動機構と、を含む基板搬送ロボットと、基板搬送ロボットが収容されるロボット収容部と、を備え、昇降駆動機構は、上下方向に沿って延びるガイドレールが設けられている固定部と、ガイドレールに沿って昇降移動される昇降部と、を含み、ロボットアームは、昇降部に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンクと、基部リンクに連結されるとともに水平方向に旋回可能で、かつ、先端部を有するとともに1つ以上のアーム部材を有する先端側リンクと、を含み、基板搬送ロボットは、昇降部が下降した際に側方に露出するガイドレールの上部を側方から覆うガイドレール用カバーを含み、ガイドレール用カバーは、基部リンクに設けられている。
【0010】
この発明の第2の局面による基板搬送装置では、上記のように、ガイドレール用カバーが基部リンクに設けられている。これにより、基部リンクが水平方向に旋回した場合でも、ガイドレール用カバーも基部リンクと一体的に旋回するので、ガイドレール用カバーが旋回する基部リンクに干渉するのを防止することができる。その結果、ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することが可能な基板搬送装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記のように、ガイドレールの上部を覆うガイドレール用カバーが設けられている場合に、基部リンクの回転範囲が制限されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態による基板搬送ロボットが設けられる半導体製造装置を示す平面図である。
【
図2】第1実施形態による基板搬送ロボットが設けられる半導体製造装置を示す概略的な側面図である。
【
図3】第1実施形態による基部リンク(ガイドレール用カバー)を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態による基部リンク(ガイドレール用カバー)、固定部、および昇降部を示した断面図である。
【
図5】
図4の300-300線に沿った断面図である。
【
図6】
図4の400-400線に沿った断面図である。
【
図7】第1実施形態による昇降部が上昇した場合の基部リンク(ガイドレール用カバー)、固定部、および昇降部を示した断面図である。
【
図8】第1実施形態による基部リンク(ガイドレール用カバー)、固定部、および昇降部を示した側面図である。
【
図9】第2実施形態による基部リンクおよびガイドレール用カバーを示す平面図である。
【
図10】第2実施形態による基部リンク(ガイドレール用カバー)、固定部、および昇降部を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1~
図8を参照して、第1実施形態による基板搬送ロボット100および基板搬送装置200の構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、基板搬送ロボット100は、たとえば、クリーンルーム内に設置されている半導体製造装置101に用いられる。半導体製造装置101には、半導体のウェハWを処理するウェハ処理装置102と、ウェハWを収納する容器であるフープ103と、ウェハ処理装置102とフープ103との間でウェハWを搬送するための基板搬送装置200とが備えられている。また、基板搬送ロボット100は、基板搬送装置200に備えられている。なお、ウェハWは、特許請求の範囲の「基板」の一例である。
【0016】
フープ103には、処理前または処理後のウェハWが収納されている。ウェハ処理装置102において、ウェハWに対する、熱処理、不純物導入処理、薄膜形成処理、リソグラフィー処理、洗浄処理および平坦化処理などのプロセス処理が行われる。
【0017】
ウェハ処理装置102は、処理空間102aが形成される処理空間形成部102bと、処理空間102aの内部に配置され、ウェハWを処理する処理装置本体(図示を省略)と、処理空間102aに満たされる雰囲気気体を調整する処理空間調整装置(図示を省略)とを含む。
【0018】
基板搬送装置200は、準備空間200aが形成される準備空間形成部200bと、準備空間200aに配置される基板搬送ロボット100と、準備空間200aに配置され、ウェハWの向きを調整するアライナ200cと、を含む。また、基板搬送装置200は、準備空間200aに満たされる雰囲気気体を調整する準備空間調整装置(図示を省略)を含む。なお、準備空間形成部200bは、特許請求の範囲の「ロボット収容部」の一例である。
【0019】
準備空間形成部200bは、直方体の箱状に形成されている。また、基板搬送ロボット100は、準備空間200aの長手方向(X方向)のほぼ中央部に配置されている。
【0020】
また、基板搬送ロボット100は、フープ103からウェハ処理装置102にウェハWを搬送する際、フープ103から取り出したウェハWを一旦、アライナ200cに搬送する。そして、基板搬送ロボット100は、アライナ200cにおいて向きが調整されたウェハWをウェハ処理装置102に差し入れる。
【0021】
基板搬送ロボット100は、スカラ形の水平多関節ロボットである。基板搬送ロボット100(基板搬送装置200)は、ロボットアーム10と、ロボットアーム10の基端部が連結される昇降駆動機構20と、を備える。昇降駆動機構20は、ロボットアーム10を昇降させる。
【0022】
ロボットアーム10は、ウェハWを保持(把持)するロボットハンド(エンドエフェクタ)1を先端部10aに有している。また、ロボットアーム10は、後述する昇降部22に連結されるとともに水平方向に旋回可能な基部リンク2を含む。基部リンク2は、後述する可動側ケーシング22a(
図4参照)の上部に配置されている。また、ロボットアーム10は、基部リンク2に連結されるとともに水平方向に旋回可能で、かつ、先端部10aを有するとともに1つ以上にアーム部材を有する先端側リンク3を含む。具体的には、先端側リンク3は、基部リンク2と接続される第1リンク3aと、第1リンク3aおよびロボットハンド1と接続される第2リンク3bとを有する。なお、ロボットハンド1は、特許請求の範囲の「保持部」の一例である。また、第1リンク3aおよび第2リンク3bの各々は、特許請求の範囲の「アーム部材」の一例である。
【0023】
図2に示すように、昇降駆動機構20は、上下方向(Z方向)に沿って延びるガイドレール21a(
図3参照)が設けられている固定部21を含む。また、昇降駆動機構20は、ガイドレール21aに沿って昇降移動される昇降部22を含む。なお、
図2では、上方へ移動された基部リンク2および先端側リンク3が破線により示されている。また、
図2では、固定部21と昇降部22とがY方向に並んでいるように図示されていますが、これは一例であり、この構成に限られない。
【0024】
昇降部22は、円筒状に形成されており、上下方向に沿って延びるように設けられている。昇降部22の上部は、昇降駆動機構20の上部となる。昇降部22が昇降移動されることにより、ロボットアーム10の先端部10aに設けられたロボットハンド1の位置が上下に変化する。
【0025】
図3に示すように、固定部21は、外形が上下方向(Z方向)に長い略直方体形状(
図4参照)を有する固定側ケーシング21bを含む。また、固定部21の、昇降部22を連結する側には、ガイドレール21aが、所定の間隔を設けて平行に2本配置されている。
【0026】
図4に示すように、昇降部22は、外形が上下方向(Z方向)に長い略直方体形状を有する可動側ケーシング22aを含む。可動側ケーシング22aは、底部が開放されているとともに、天井面および4つの側面が板状部材で連結されている。可動側ケーシング22aには、固定側ケーシング21b内の後述するナット部材21dに連結された支持部材22bと、ガイドレール21aと係合して上下に昇降移動されるブロック状の移動体22cとが配置されている。なお、移動体22cは、走行の安定性および確実性のために、2つのガイドレール21aの各々に2個直列に設けられている。また、
図4では、簡略化のため、ロボットアーム10は、断面図ではなく外形が図示されている。
【0027】
また、固定側ケーシング21bの内部には、昇降部22を昇降させるためのボールねじ21cと、ボールねじ21cと係合してボールねじ21cの回転により昇降するナット部材21dと、が設けられている。また、固定側ケーシング21bの内部には、ボールねじ21cを回転駆動するモータ21eと、モータ21eの駆動力をボールねじ21cに伝達するための動力伝達機構であるプーリ機構21fが配置されている。また、固定側ケーシング21bの内部の下部には、固定側ケーシング21bの内部に下向きの気流を発生させるためのファン21gが配置されている。これにより、固定側ケーシング21bの内部の空気が下方から外部に排出される。
【0028】
図3に示すように、基板搬送ロボット100は、昇降部22が下降した際(
図4参照)に側方(Y2側)に露出するガイドレール21aの上部21hを側方から(Y2側から)覆うガイドレール用カバー2aを備える。
【0029】
また、固定側ケーシング21bには、昇降部22と連結する側の側面壁21i(
図5参照)が設けられている。側面壁21iには、支持部材22bが貫通されている開口21j(
図5参照)が設けられている。支持部材22bは、開口21jを貫通した状態で上下方向に昇降される。開口21jは、昇降部22の昇降ストロークに対応した長さの縦に細長い開口である。
【0030】
また、可動側ケーシング22aの内部には、基部リンク2および先端側リンク3の内部に配置されるサーボモータ等への電力供給ケーブルおよび信号ケーブルが引き回されるケーブル配置エリア22d(
図4参照)が設けられている。また、可動側ケーシング22a内には、昇降部22の昇降の際に上記ケーブルの処理のためのケーブル処理部22e(
図5参照)が配置されている。
【0031】
また、
図4に示すように、ロボットアーム10が最下位置にある場合、基部リンク2の上面2eが固定側ケーシング21bの上面21kと略同一の高さとなるように、可動側ケーシング22aの上面22fの高さが設定されている。
【0032】
すなわち、昇降部22が最下点まで下降している場合、可動側ケーシング22aの上面22fが固定側ケーシング21bの上面21kよりも基部リンク2の高さ(厚み)分だけ低い位置に配置される。昇降部22が最下点まで下降している場合に、ガイドレール21aの上部21hが露出されて粉塵等により準備空間200aが汚染されないように、ガイドレール用カバー2aと、後述する天井部カバー23および一対の側方カバー24が設けられている。
【0033】
ここで、第1実施形態では、
図3に示すように、ガイドレール用カバー2aは、基部リンク2に設けられている。具体的には、ガイドレール用カバー2aは、基部リンク2の筐体2bであることによって、基部リンク2に設けられている。詳細には、ガイドレール用カバー2aは、基部リンク2の筐体2bの側部である。これにより、基部リンク2が回転することにより、ガイドレール用カバー2aは基部リンク2と一体的に回転する。なお、基部リンク2(ガイドレール用カバー2a)と可動側ケーシング22aとの間には、1~2mm程度の隙間C1(
図4参照)が設けられている。これにより、ガイドレール用カバー2aをスムーズに回転させることが可能である。また、筐体2bは、特許請求の範囲の「第1筐体」の一例である。
【0034】
詳細には、基部リンク2は、上方から見て、円形形状を有する円形部2cと、円形部2cに接続され、ガイドレール用カバー2aとは反対側に延びるように設けられる延伸部2dと、を含む。ガイドレール用カバー2aは、筐体2bのうち円形部2cに対応する部分である。
【0035】
すなわち、第1実施形態では、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、弧形状を有する。具体的には、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、真円の弧形状(すなわち円弧形状)を有する。
【0036】
また、延伸部2dが延びる方向と直交する方向(
図3ではX方向)において、円形部2cの幅W1の最大値(すなわち上記真円の直径)は、延伸部2dの幅W2の最大値よりも大きい。
【0037】
また、第1実施形態では、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、基部リンク2の回転軸線α(
図4参照)を中心とした円の一部を構成する円弧形状を有する。これにより、上方から見て、ガイドレール用カバー2aの回転中心Oとガイドレール用カバー2aとの間の距離D1は、ガイドレール用カバー2aの部分によらず一定の距離D1(上記円の半径)となる。なお、距離D1は、円形部2cの幅W1の最大値の1/2である。また、上方から見て、基部リンク2の回転軸線αは、ガイドレール用カバー2aの回転中心Oと一致するように設けられている。すなわち、基部リンク2は、回転中心Oを中心に回転する。
【0038】
また、第1実施形態では、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、中心角θが180度よりも大きい円弧形状を有する。具体的には、ガイドレール用カバー2aの中心角θは、約270度である。これにより、ガイドレール用カバー2aの回転中心Oは、上方から見て、ガイドレール用カバー2aにより囲まれるように設けられる。
【0039】
また、基板搬送ロボット100は、ガイドレール21aの上部21hを上方(Z2側)から覆う天井部カバー23(
図3の斜線部分)を備える。天井部カバー23は、固定部21に設けられている。天井部カバー23は、上方から見て、ガイドレール用カバー2aと近接する位置に設けられている。具体的には、天井部カバー23は、上方から見て、端部23aがガイドレール用カバー2aとオーバラップしない位置に設けられている。
【0040】
ここで、第1実施形態では、天井部カバー23のガイドレール用カバー12a側の端部23aは、上方から見て、ガイドレール用カバー2aの弧形状と対応する弧形状を有する。具体的には、天井部カバー23の端部23aおよびガイドレール用カバー2aは、上方から見て、互いに等しい曲率および半径を有する円の一部としての円弧形状を有する。
【0041】
また、第1実施形態では、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、天井部カバー23の端部23aとの間の隙間C2の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている。すなわち、天井部カバー23の端部23aは、上方から見て、ガイドレール用カバー2aに沿って(平行に)湾曲するように設けられる円弧形状を有する。なお、隙間C2の間隔は、たとえば1~2mm程度である。隙間C2の間隔が比較的小さく保たれていることにより、固定側ケーシング21b内の圧力を負圧に保つことが可能である。その結果、ロボットアーム10のグリス(油)等の不純物が固定側ケーシング21b外に漏洩するのを防止することが可能である。上記グリス等は、固定側ケーシング21b内に配置されているファン21gによって形成される下方側に流れる気流によって、クリーンルームの床面に設けられる図示しない排気口(孔)から排出されている。また、隙間C2の間隔が比較的小さく保たれていることにより、隙間C2を介して粉塵等が固定側ケーシング21b内に侵入するのを防止することが可能である。
【0042】
また、基板搬送ロボット100は、ガイドレール21aの上部21hを側方(X方向)から挟むように設けられる一対の側方カバー24を備える。一対の側方カバー24の各々は、上方から見て、Y方向(上方から見てX方向と直交する方向)に沿って延びるように設けられている。一対の側方カバー24の各々のY方向に沿った長さは、互いに等しい大きさ(長さL)を有する。また、一対の側方カバー24の各々は、固定部21に設けられている。
【0043】
第1実施形態では、基部リンク2およびガイドレール用カバー2aの回転中心Oは、一対の側方カバー24が並ぶ方向(X方向)において、一対の側方カバー24同士の中央部に対応する位置Pに設けられている。また、回転中心Oは、上方から見て、Y方向において、一対の側方カバー24同士の間の領域の外側の位置に設けられている。
【0044】
また、第1実施形態では、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、一対の側方カバー24の各々のガイドレール用カバー2a側の端部24aとの間の隙間C3の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている。隙間C3の間隔は、たとえば、隙間C2の間隔と同等の1~2mm程度である。これにより、固定側ケーシング21b内の圧力をより確実に負圧に保つことが可能であるとともに、隙間C3を介して粉塵等が固定側ケーシング21b内に侵入するのをより確実に防止することが可能である。
【0045】
また、第1実施形態では、弧形状を有するガイドレール用カバー2aは、上方から見て、弧状部分(円形部2c)の少なくとも一部が一対の側方カバー24同士の間の領域に挿入された状態で回転するように設けられている。具体的には、ガイドレール用カバー2a(基部リンク2)は、ガイドレール用カバー2aと一対の側方カバー24の各々の端部24aとの間の隙間C3が所定の値(たとえば1~2mm)になるように、弧状部分(円形部2c)の少なくとも一部が上記領域内に挿入されている。また、一対の側方カバー24同士の間のX方向の距離D2は、円形部2cの幅W1の最大値よりも小さい。
【0046】
また、
図4に示すように、固定側ケーシング21bには、昇降部22が最下点まで下降している場合に、可動側ケーシング22aをY1側から覆う側面25aと、可動側ケーシング22aをX1側およびX2側から覆う一対の側面25b(
図5および
図6参照)と、底面25cとを含む固定側カバー25が設けられている。なお、側面25a、一対の側面25b、および底面25cは、一体的に形成されている。固定側ケーシング21bおよび固定側カバー25は、昇降駆動機構20を覆うためのカバー手段の一部を構成する。
【0047】
図7に示すように、固定側カバー25の上部は、可動側ケーシング22aが出入りできるように開放されている。ガイドレール21aは、昇降部22が下方に位置しているとき(
図4参照)は、主としてガイドレール用カバー2a、可動側ケーシング22aの前面22g(固定部21との連結部側面)、天井部カバー23、および一対の側方カバー24により形成された空間において密封されている。また、ガイドレール21aは、昇降部22が上昇して上方に位置しているときは、主として可動側ケーシング22aの前面22g、固定側カバー25、天井部カバー23、および一対の側方カバー24により形成された空間において密封されている。
【0048】
これにより、昇降部22の全昇降ストロークにおいて、ガイドレール21aの表面が露出されることはない。その結果、準備空間200aの清浄雰囲気を維持することが可能である。
【0049】
また、
図8に示すように、一対の側方カバー24の各々と固定側カバー25(側面25b)とは、一体的に設けられている。
【0050】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
第1実施形態では、上記のように、基板搬送ロボット100では、ガイドレール用カバー2aが基部リンク2に設けられる。これにより、基部リンク2が水平方向に旋回した場合でも、ガイドレール用カバー2aも基部リンク2と一体的に旋回するので、ガイドレール用カバー2aが旋回する基部リンク2に干渉するのを防止することができる。その結果、ガイドレール21aの上部21hを覆うガイドレール用カバー2aが設けられている場合に、基部リンク2の回転範囲が制限されるのを防止することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー2aは、基部リンク2の筐体2b(第1筐体)であることによって、基部リンク2に設けられている。これにより、ガイドレール用カバー2aが基部リンク2の一部であるので、ガイドレール用カバー2aが旋回する基部リンク2に干渉するのを確実に防止することができる。また、ガイドレール用カバー2aが筐体2b自体であるので、別部材を取り付ける場合に比べて、部品点数を削減することができるとともに、基部リンク2の構造を簡素化することができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、弧形状を有する。これにより、ガイドレール用カバー2aが上方から見て直線状に設けられている場合に比べて、ガイドレール用カバー2aの両端側の部分がガイドレール用カバー2aの回転中心Oに寄った位置に設けられる。その結果、ガイドレール用カバー2aが回転する際に、ガイドレール用カバー2aの両端側の部分が、ガイドレール用カバー2aの周りに配置される部材(たとえば一対の側方カバー24)と干渉するのを容易に抑制することができる。その結果、ガイドレール用カバー2aを上記部材に容易に近接して配置することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、基部リンク2の回転軸線αを中心とした円の一部を構成する円弧形状を有する。これにより、上方から見て、ガイドレール用カバー2aの部分によらず、ガイドレール用カバー2aと上記回転軸線α(回転中心O)との間の距離D1を一定にすることができる。その結果、ガイドレール用カバー2aと、ガイドレール用カバー2aの周りに配置される部材(たとえば天井部カバー23および一対の側方カバー24)との間の隙間(C2、C3)の大きさを、ガイドレール用カバー2aの回転方向によらず容易に一定にすることができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送ロボット100は、固定部21に設けられ、ガイドレール21aの上部21hを上方から覆う天井部カバー23を備える。これにより、天井部カバー23によって、上方からガイドレール21aが配置される空間(固定側ケーシング21b)に粉塵等が侵入するのを抑制することができる。また、天井部カバー23のガイドレール用カバー2a側の端部23aは、上方から見て、ガイドレール用カバー2aの弧形状と対応する弧形状を有する。これにより、天井部カバー23とガイドレール用カバー2aとの間の隙間C2の間隔を容易に小さくすることができる。その結果、天井部カバー23とガイドレール用カバー2aとの間の隙間から粉塵等が侵入するのを抑制することができるとともに、ファン21gによりガイドレール21aが配置される空間(固定側ケーシング21b)内を負圧にする際に、容易に上記空間を負圧に保つことができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、天井部カバー23の端部23aおよびガイドレール用カバー2aの各々は、上方から見て、円弧形状を有する。また、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、天井部カバー23の端部23aとの間の隙間C2の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている。これにより、隙間C2の間隔が一定に保たれることによって、ガイドレール21aが配置される空間(固定側ケーシング21b)内の圧力を一定に保つことができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送ロボット100は、固定部21に設けられ、ガイドレール21aの上部21hを側方から挟むように設けられる一対の側方カバー24を備える。また、基部リンク2およびガイドレール用カバー2aの回転中心Oは、一対の側方カバー24が並ぶ方向において、一対の側方カバー24同士の中央部に対応する位置に設けられている。これにより、ガイドレール用カバー2aと一対の側方カバー24の各々との間の隙間C3の大きさを互いに等しくすることができる。その結果、ガイドレール21aが配置される空間(固定側ケーシング21b)内の圧力が、一方の側方カバー24側と他方の側方カバー24側とで、不均一になるのを防止することができる。また、一対の側方カバー24の各々と回転中心Oとの間の距離が互いに等しくなるので、一対の側方カバー24の長さLを互いに異ならせなくても、ガイドレール用カバー2aと一対の側方カバー24の各々との間の隙間C3の大きさを互いに等しくすることができる。その結果、互いに同じ種類の側方カバー24を設けることができるので、部品種類数が増加するのを抑制することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、円弧形状を有し、かつ、一対の側方カバー24の各々のガイドレール用カバー2a側の端部24aとの間の隙間C3の間隔が一定に保たれた状態で回転するように設けられている。これにより、隙間C3の間隔が一定に保たれることによって、ガイドレール21aが配置される空間(固定側ケーシング21b)内の圧力をより確実に一定に保つことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、弧形状を有するガイドレール用カバー2aは、上方から見て、弧状部分の少なくとも一部が一対の側方カバー24同士の間の領域に挿入された状態で回転するように設けられている。これにより、ガイドレール用カバー2aを一対の側方カバー24側に寄せて配置することができるので、一対の側方カバー24の各々とガイドレール用カバー2aとの間の隙間C3を容易に小さくすることができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー2aは、上方から見て、中心角θが180度よりも大きい円弧形状を有する。これにより、中心角θが180度以下の場合に比べて、ガイドレール用カバー2aの長さ(上方から見た場合の周状の長さ)を大きくすることができる。その結果、基部リンク2が回転する際に、ガイドレール用カバー2aにより覆われる範囲を大きくすることができる。これにより、ガイドレール用カバー2a(基部リンク2)の回転角度を大きくした場合でも、ガイドレール用カバー2aによりガイドレール21aの上部21hを容易に覆うことができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、基板搬送装置200では、ガイドレール用カバー2aが基部リンク2に設けられる。これにより、基部リンク2が水平方向に旋回した場合でも、ガイドレール用カバー2aも基部リンク2と一体的に旋回するので、ガイドレール用カバー2aが旋回する基部リンク2に干渉するのを防止することができる。その結果、ガイドレール21aの上部21hを覆うガイドレール用カバー2aが設けられている場合に、基部リンク2の回転範囲が制限されるのを防止することが可能な基板搬送装置200を提供することができる。
【0062】
[第2実施形態]
次に、
図9および
図10を参照して、第2実施形態による基板搬送ロボット500および基板搬送装置600の構成について説明する。基板搬送ロボット500および基板搬送装置600では、ガイドレール用カバー2aが基部リンク2の筐体2bに設けられている上記第1実施形態とは異なり、ガイドレール用カバー12aが基部リンク12に取り付けられている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図9に示すように、ロボットアーム110は、昇降部22に水平方向に旋回可能に連結された基部リンク12を含む。
【0064】
基板搬送ロボット500(基板搬送装置600)は、昇降部22が下降した際に側方(Y2側)に露出するガイドレール21aの上部21hを側方から(Y2側から)覆うガイドレール用カバー12aを備える。ガイドレール用カバー12aは、たとえば板金により形成されている。
【0065】
ここで、第2実施形態では、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12に取り付けられていることによって、基部リンク12に一体的に設けられている。具体的には、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12に固定されていることによって、基部リンク12に対して相対的に移動しないように設けられている。すなわち、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12と別個に設けられるとともに基部リンク12と一体的に旋回可能である。
【0066】
また、ガイドレール用カバー12aは、上方から見て、基部リンク12の端部12bを覆う(囲う)ように設けられている。なお、
図9では、基部リンク12の端部12bは、上方から見て円弧形状を有するように図示されているが、これは一例であって、基部リンク12の円弧形状以外の形状(たとえば矩形形状)であってもよい。
【0067】
また、第2実施形態では、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12の筐体12cと接続部12dにより接続されている。具体的には、接続部12dは、上方から見て、基部リンク12の筐体12cとガイドレール用カバー12aとの間において直線状に延びるように設けられている。すなわち、ガイドレール用カバー12aと基部リンク12とは、互いに離間して配置されている。また、接続部12dは、たとえばねじ締結および溶接等により、基部リンク12の筐体12cとガイドレール用カバー12aとを固定している。なお、基部リンク12の筐体12cは、たとえばアルミ等の金属により形成されている。また、筐体12cは、特許請求の範囲の「第2筐体」の一例である。
【0068】
また、接続部12dは、複数設けられている。たとえば、接続部12dは、上方から見て、ガイドレール用カバー12aの両端およびガイドレール用カバー12aの中央部の各々と、基部リンク12の筐体12cとを接続するように(すなわち3つ)設けられている。なお、接続部12dは、1つ、または、3つ以外の複数個設けられていてもよい。
【0069】
また、
図10に示すように、ロボットアーム110が最下位置にある場合、基部リンク12の上面12eおよびガイドレール用カバー12aの上面12fが固定側ケーシング21bの上面21kと略同一の高さとなるように、可動側ケーシング22aの上面22fの高さが設定されている。なお、
図10では、簡略化のため、ロボットアーム110は、断面図ではなく外形が図示されている。
【0070】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
第2実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12に取り付けられていることによって、基部リンク12に設けられている。これにより、ガイドレール用カバー12aが基部リンク12と一体的に回転するので、ガイドレール用カバー12aが旋回する基部リンク12に干渉するのを防止することができる。また、基部リンク12自体をガイドレール用カバーにする場合と異なり、基部リンク12の形状が複雑化するのを抑制することができる。
【0073】
また、第2実施形態では、上記のように、ガイドレール用カバー12aは、基部リンク12と別個に設けられるとともに基部リンク12と一体的に旋回可能であり、基部リンク12の筐体12c(第2筐体)と接続部12dにより接続されている。これにより、接続部12dによってガイドレール用カバー12aと基部リンク12とを容易に一体化することができる。
【0074】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0076】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ガイドレール用カバー(2a、12a)が、上方から見て、弧形状(円弧形状)を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。ガイドレール用カバー(2a、12a)が、上方から見て、弧形状(円弧形状)以外の形状(たとえば上方から見て直線状に延びる平板形状)を有していてもよい。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、ガイドレール用カバー(2a、12a)が、上方から見て、基部リンク(2、12)の回転軸線αを中心とした円の一部を構成する円弧形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガイドレール用カバー(2a、12a)が、上方から見て、回転軸線αを中心とした円とは重ならない弧形状を有していてもよい。
【0078】
また、上記第1および第2実施形態では、天井部カバー23の端部23aとガイドレール用カバー(2a、12a)との間の隙間C2の間隔が一定に保たれる例を示したが、本発明はこれに限られない。隙間C2の間隔がガイドレール用カバー(2a、12a)の回転方向にしたがって変化してもよい。
【0079】
また、上記第1および第2実施形態では、基部リンク(2、12)およびガイドレール用カバー(2a、12a)の回転中心Oが、一対の側方カバー24の中央部に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。回転中心Oが、一対の側方カバー24のいずれかに寄って設けられていてもよい。この場合、回転中心Oに近い方の側方カバー24の上方から見た長さを、回転中心Oに遠い方の側方カバー24の上方から見た長さよりも短くすることが好ましい。これにより、回転中心Oが一対の側方カバー24のいずれかに寄って設けられている場合にも、一対の側方カバー24の各々とガイドレール用カバー(2a、12a)との間の隙間C3の間隔を互いに等しくすることが可能である。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、一対の側方カバー24の各々とガイドレール用カバー(2a、12a)との間の隙間C3の間隔が一定に保たれる例を示したが、本発明はこれに限られない。隙間C3の間隔がガイドレール用カバー(2a、12a)の回転方向にしたがって変化してもよい。
【0081】
また、上記第1および第2実施形態では、ガイドレール用カバー2aの弧状部分の少なくとも一部が、上方から見て、一対の側方カバー24同士の間の領域に挿入されている例を示したが、本発明はこれに限られない。ガイドレール用カバー(2a、12a)の全体が上記領域の外側に設けられていてもよい。
【0082】
また、上記第1および第2実施形態では、ガイドレール用カバー(2a、12a)は、上方から見て、中心角θが180度よりも大きい円弧形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。ガイドレール用カバー(2a、12a)の中心角θが180度以下であってもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、先端側リンク3が2つのリンク部材(第1リンク3aおよび第2リンク3b)により構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、先端側リンク3が3つ以上のリンク部材により構成されていてもよい。
【0084】
また、上記第2実施形態では、ガイドレール用カバー12aが接続部12dにより基部リンク12の筐体12c(第2筐体)に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基部リンク12の筐体12cと別個に設けられたガイドレール用カバー12aが、筐体12cに直接的に取り付けられていてもよい。この場合、たとえば、ガイドレール用カバー12aと筐体12cとが接着剤等により接着されていてもよいし、ガイドレール用カバー12aおよび筐体12cが係合することにより接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 ロボットハンド(保持部)
2、12 基部リンク
2a、12a ガイドレール用カバー
2b 筐体(第1筐体)
3 先端側リンク
3a 第1リンク(アーム部材)
3b 第2リンク(アーム部材)
10 ロボットアーム
10a 先端部
12c 筐体(第2筐体)
20 昇降駆動機構
21 固定部
21a ガイドレール
21h 上部
22 昇降部
23 天井部カバー
23a 端部(天井部カバーの端部)
24 側方カバー
24a 端部(側方カバーの端部)
100、500 基板搬送ロボット
200、600 基板搬送装置
200b 準備空間形成部(ロボット収容部)
C1 隙間(天井部カバーの端部とガイドレール用カバーとの間の隙間)
C2 隙間(側方カバーの端部とガイドレール用カバーとの間の隙間)
W ウェハ(基板)
α 回転軸線
θ 中心角