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特開2022-161666画像処理装置、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161666
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】画像処理装置、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221014BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H04N1/00 C
H04N1/00 127B
G03G21/00 388
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066657
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】小西 陽介
【テーマコード(参考)】
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2H270KA59
2H270NA01
2H270NB07
2H270NC02
2H270NC09
2H270ND11
2H270ND12
2H270ND15
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC51
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF06
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】よく使用されるスキャン設定や他ユーザにより使用されるスキャン設定の絞り込みを効率良く行うことができ、絞り込み結果をスキャン設定候補としてユーザに対して表示することで、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な情報処理装置等を提供すること。
【解決手段】読取部と、記憶部と、制御部とを備えた画像処理装置であって、前記読取部は、原稿画像を読み取ることでスキャンデータを生成し、前記記憶部は、前記スキャンデータに設定情報を埋め込み可能なファイルを記憶し、前記制御部は、前記設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を前記読取部による原稿読取に適用する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部と、記憶部と、制御部とを備えた画像処理装置であって、
前記読取部は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成し、
前記記憶部は、読み取られた際に前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶し、
前記制御部は、読取が指示された際に、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を前記読取部による原稿読取に適用することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記設定情報は、読取設定情報、ユーザID、機器情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ファイルの記憶先となるフォルダの指定を受け付け、
指定された前記フォルダに記憶された前記ファイルから前記設定情報に関する前記統計情報を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ユーザIDの指定を受け付け、
指定された前記ユーザIDに基づき前記ファイルから前記設定情報に関する前記統計情報を取得することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
日時範囲の指定を受け付け、
指定された前記日時範囲に生成された前記ファイルから前記設定情報に関する前記統計情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置と、情報処理装置と、ユーザ端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記画像処理装置は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取り、読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを生成し、前記ファイルを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記画像処理装置から受信した前記ファイルを記憶するとともに、前記ユーザ端末装置から読取が指示された際に、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を前記ユーザ端末装置に提供し、
前記ユーザ端末装置は、前記情報処理装置から受信した前記設定情報に基づく読取設定を前記画像処理装置に送信することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
記憶部と、制御部とを備えた情報処理装置において、
前記記憶部は、設定情報を埋め込んだファイルを記憶し、
前記制御部は、
前記設定情報を取得し、
前記統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報をユーザに対して提供する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成する工程と、
前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶する工程と、
記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を読取装置による原稿読取に適用する工程とを備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成する機能と、
前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶する機能と、
記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を読取装置による原稿読取に適用する機能とを実現させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿画像を読み取ることでスキャンファイルを生成し、生成したスキャンファイルを管理サーバで管理するファイル管理システムが知られている。
【0003】
上記ファイル管理システムにおいて、操作に不慣れなユーザは、よく使用されるスキャン設定や、操作に慣れている他のユーザが用いるスキャン設定等を参照し、自己のスキャンジョブに活かしたい場合がある。
【0004】
このような場合、ユーザは、管理サーバが管理するスキャンファイルを自ら検索し、所望のスキャン設定を絞り込む必要があった。しかしながら、管理サーバが管理するスキャンファイル数が膨大であったり、スキャン設定が項目ごとに詳細に設定されているような場合、ユーザが所望のスキャン設定を得るのは手間が掛かり困難であった。
【0005】
効率良くスキャン設定を検索することを目的として、下記特許文献1には、文書ファイルの内容種別とスキャン設定データ又は画像形成装置の性能との間に、意識的又は無意識的に、一定の関係を持たせた場合、効率的な検索用メタデータを手動設定することなく、効率よく検索できるようにする画像形成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-179447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、メタデータに記憶されている設定情報に対して検索を行うものであり、予めどのような設定で読み取られているか等、ユーザが把握していないと、所望のファイルを検索することができないといった問題があった。
【0008】
本開示の目的は、よく使用されるスキャン設定や他ユーザにより使用されるスキャン設定の絞り込みを効率良く行うことができ、絞り込み結果をスキャン設定候補としてユーザに対して表示することで、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な画像処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示に係る画像処理装置は、読取部と、記憶部と、制御部とを備えた画像処理装置であって、前記読取部は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成し、前記記憶部は、読み取られた際に前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶し、前記制御部は、読取が指示された際に、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を前記読取部による原稿読取に適用することを特徴としている。
【0010】
また、本開示に係る情報処理システムは、画像処理装置と、情報処理装置と、ユーザ端末装置とを含む情報処理システムであって、前記画像処理装置は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取り、読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを生成し、前記ファイルを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記画像処理装置から受信した前記ファイルを記憶するとともに、前記ユーザ端末装置から読取が指示された際に、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を前記ユーザ端末装置に提供し、前記ユーザ端末装置は、前記情報処理装置から受信した前記設定情報に基づく読取設定を前記画像処理装置に送信することを特徴としている。
【0011】
また、本開示に係る情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備えた情報処理装置において、前記記憶部は、設定情報を埋め込んだファイルを記憶し、前記制御部は、前記設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報をユーザに対して提供することを特徴としている。
【0012】
また、本開示に係る情報処理方法は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成する工程と、前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶する工程と、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を読取装置による原稿読取に適用する工程とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、本開示に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成する機能と、前記スキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶する機能と、記憶された前記設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い前記設定情報を読取装置による原稿読取に適用する機能とを実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、よく使用されるスキャン設定条件や他ユーザにより使用されるスキャン設定の絞り込みを効率良く行うことができ、絞り込み結果をスキャン設定候補としてユーザに対して表示することで、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な画像処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における複合機の装置外観図である。
図2】第1実施形態における複合機の機能構成図である。
図3】第1実施形態における処理の流れを説明するフローチャートである。
図4】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図5】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図6】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図7】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図8】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図9】第1実施形態における動作例を説明する図である。
図10】第2実施形態における情報処理システムの全体構成を説明する図である。
図11】第2実施形態における画像処理装置の機能構成図である。
図12】第2実施形態における情報処理装置の機能構成図である。
図13】第2実施形態におけるユーザ端末装置の機能構成図である。
図14】第2実施形態における処理の流れを説明するシーケンス図である。
図15】第2実施形態における処理の流れを説明するフローチャートである。
図16】第2実施形態における処理の流れを説明するフローチャートである。
図17】第2実施形態における処理の流れを説明するフローチャートである。
図18】第2実施形態における動作例を説明する図である。
図19】第3実施形態における情報処理装置の機能構成図である。
図20】第3実施形態における処理の流れを説明するシーケンス図である。
図21】第4実施形態における情報処理装置の機能構成図である。
図22】第4実施形態における処理の流れを説明するシーケンス図である。
図23】第5実施形態における情報処理装置の機能構成図である。
図24】第5実施形態における処理の流れを説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
本開示では、原稿画像の読み取りにより生成する画像データをスキャンデータと称して説明する。また、当該スキャンデータに、例えば、シェーディング補正等の所定の補正処理を施し、後述する読取情報等を含む設定情報を埋め込むことで生成したファイルを埋込ファイルとして称して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0018】
[1 第1実施形態]
第1実施形態は、読取部と、記憶部と、制御部とを備えた画像処理装置であって、読取部は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取ってスキャンデータを生成し、記憶部は、読み取られた際にスキャンデータに読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを記憶し、制御部は、読取が指示された際に、記憶された設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い設定情報を前記読取部による原稿読取に適用する画像処理装置の形態である。
【0019】
以下の説明では、原稿画像を読み取ることでスキャンデータを生成するスキャン機能を備えた複合機を画像処理装置の一例として説明する。なお、画像処理装置は、ここで説明する複合機に限定されるものではなく、原稿画像を読み取り、スキャンデータを生成する機能を有する装置であればよい。
【0020】
[1.1 機能構成]
第1実施形態に係る複合機10の機能構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、画像処理装置としての複合機10の全体構成を説明するための装置外観図である。図2は複合機10の機能構成図である。
【0021】
図1及び図2に示す様に、複合機10は、制御部11と、表示部12と、操作入力部13と、通信部14と、画像形成部15と、画像読取部16と、記憶部17とを備える。
【0022】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部17に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0023】
表示部12は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部12は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。
【0024】
操作入力部13は、ユーザ等による情報の入力や選択を受け付ける。操作入力部13は、ハードキー(例えば、テンキー)やボタン等で構成することができる。なお、操作入力部13は、表示部12を介して入力が可能なタッチパネルとして構成することができる。この場合、タッチパネルの入力検出方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった方式を採用することができる。
【0025】
通信部14は、LAN(Local area network)、WAN(Wide area network)、インターネット等のネットワーク(NW)を介して他の装置と接続されている。複合機10は、通信部14を介して、接続した他の装置との間で画像データやファクスデータ等の各種情報、電子メール等の送受信が可能となるように構成されている。通信部14は、例えば、通信可能なインタフェースとして構成され、接続方法としては、有線/無線の何れか又はその両方を採用することができる。
【0026】
画像形成部15は、スキャンデータや外部から入力された画像データに基づく画像を用紙上に形成する。画像形成部15は、給紙部18から用紙を給紙し、用紙上に画像を形成した後、排紙部19に排紙する。この場合、画像形成部15は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。画像形成部15は、トナー色(例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック))に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0027】
読取部としての画像読取部16は、読取対象の原稿画像を走査して読み取ることにより、スキャンデータを生成する。画像読取部16は、例えば、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部16は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読み取ることで、RGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号からなるスキャンデータを生成する構成であれば、その構成に特に制限はない。
【0028】
記憶部17は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部17は、例えば、RAM(Random access memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、ROM(Read only memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0029】
第1実施形態において、記憶部17は、読取部制御プログラム171と、画像処理プログラム172と、ファイル生成プロフラム173と、フォルダ管理プログラム174と、統計情報取得プログラム175と、設定情報表示プログラム176と、画面表示プログラム177と、閲覧プログラム178とを記憶し、設定情報記憶領域179a、埋込ファイル記憶領域179bを確保する。
【0030】
読取部制御プログラム171は、画像読取部16による原稿画像の読み取り動作を制御する際に制御部11が読み出すプログラムである。制御部11は、画像読取部16を制御することで原稿画像を読み取る。また、制御部11は、画像読取部16による原稿画像の読み取りが終了したか否かを監視する。制御部11は、画像読取部16による原稿画像の読み取りが終了すると、画像処理プログラム172や、ファイル生成プログラム173を読み出す。制御部11は、プレビュー画像生成指示や読取実行指示を受信すると、原稿画像のプレビュー画像や、スキャンデータを生成する。
【0031】
画像処理プログラム172は、画像読取部16が生成したスキャンデータに対して、例えば、シェーディング補正、MTF(Modulation transfer function)補正、γ補正、2値化処理、必要に応じて像域分離、背景除去、傾き補正といった各種画像処理を施す際に制御部11が読み出すプログラムである。
【0032】
ファイル生成プログラム173は、読取設定情報、ユーザID、機器情報等の設定情報を設定情報記憶領域179aから読み出し、各種画像処理が施されたスキャンデータに埋め込むことで、埋込ファイルを生成する際に制御部11が読み出すプログラムである。生成するファイル形式には特に制限はないが、例えば、TIFF、JPEG、PDF(Portable document format)、コンパクトPDF、XPS、コンパクトXPS、PPTX等を挙げることができる。本実施形態においては、スキャンファイルとして、PDFを一例として説明する。
【0033】
フォルダ管理プログラム174は、埋込ファイルを管理する際に制御部11が読み出すプログラムである。フォルダ管理プログラム174としては、埋込ファイルをファイル又はフォルダ単位で管理することが可能であれば、特に限定はなく、例えば、ファイルマネージャーアプリケーション等を用いることができる。
【0034】
統計情報取得プログラム175は、埋込ファイルの記憶先となるフォルダが指定された場合に、当該フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得し、統計処理を行う際に制御部11が読み出すプログラムである。制御部11は、統計的に使用頻度の高い読取設定情報を読取設定候補として絞り込む。
【0035】
設定情報表示プログラム176は、統計情報取得プログラム175により絞り込まれた読取設定候補を表示部12に表示する際に制御部11が読み出すプログラムである。設定情報表示プログラム176を読み出した制御部11は、ユーザによる読取設定の選択を受け付ける。
【0036】
画面表示プログラム177は、ユーザによるフォルダ指定指示を受付けるための受付画面を表示する際に制御部11が読み出すプログラムである。画面表示プログラム177を読み出した制御部11は、ユーザによるフォルダ指定指示を受付ける。
【0037】
閲覧プログラム178は、プレビュー画像等を表示する際に制御部11が読み出すプログラムである。例えば、プレビュー画像のファイル形式がPDFファイル形式である場合、閲覧プログラム177としてはアドビアクロバット(登録商標)を用いることができる。
【0038】
設定情報記憶領域179aは、読取設定情報、ユーザID、機器情報等の設定情報を記憶する記憶領域である。読取設定情報としては、特に限定はされないが、例えば、解像度、カラーモード、圧縮率設定、濃度設定等を挙げることができる。ユーザIDは、複合機10を使用し、原稿画像のスキャンジョブを実行するユーザを一義的に識別するためのIDである。ユーザIDとしては、例えば、ユーザ名、識別番号等を挙げることができる。機器情報は、複合機10の製造メーカ、製造番号、製造日時、製造国といった複合機10に対して個別に付された機器情報である。
【0039】
埋込ファイル記憶領域179bは、生成した埋込ファイルを制御部11による管理の元で記憶する記憶領域である。
【0040】
[1.2 処理の流れ]
次に、第1実施形態の処理の流れについて図3のフローチャートを用いて説明する。初めに、制御部11は、画面表示プログラム177を読み出すことにより、フォルダ指定画面を表示部12に表示する(ステップS10)。
【0041】
制御部11は、ユーザによるフォルダ指定入力を受け付けると(ステップS20)、指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得する(ステップS30)。このとき、制御部11は、埋込ファイルであることを示す文字列がファイル内に存在することを確認することにより、埋込ファイルであるかどうかを判定することができる。
【0042】
次いで、制御部11は、統計情報取得プログラム175を読み出すことにより、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う(ステップS40)。そして、制御部11は、設定情報表示プログラム176を読み出すことにより、使用頻度が高い読取設定情報を読み取り設定候補として表示部12に表示する(ステップS50)。
【0043】
表示部12に表示された読取設定候補に対し、ユーザにより読取設定が選択されると、制御部11は、読取設定の選択を受け付ける(ステップS60)。なお、制御部11は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0044】
そして、制御部11は、当該読取設定に基づき原稿画像を読み取り、プレビュー画像を表示する(ステップS70)。プレビュー画像を確認したユーザが読取実行指示を入力すると、制御部11は、原稿画像を読み取る(ステップS80;Yes→ステップS90)。なお、プレビュー画像の生成はユーザの判断によって省略されてもかまわない。
【0045】
制御部11は、ファイル生成プログラム173を読み出すことにより、埋込ファイルを生成する(ステップS100)。埋込ファイルを生成した制御部11は、フォルダに格納することで当該埋込ファイルを登録して処理を終了する(ステップS110)。
【0046】
[1.3 動作例]
次に、動作例について説明する。図4は、第1実施形態に係るPDF埋込情報の一構成例を説明する図である。
【0047】
埋込ファイルは、PDFファイルにPDF埋込情報EIが埋め込まれたファイルとして生成される。制御部11は、各読取設定項目からPDFファイルへ埋め込むための所定のフォーマットのPDF埋込情報EIを生成する。PDF埋込情報EIは、例えば、12ビットのデータとして構成することができる。
【0048】
各設定項目は、例えば、解像度(2ビットから0ビット)として、0:150dpi,1:200dpi,2:300dpi,3:400dpi,4:600dpi、カラーモード(4ビットから3ビット)として、0:自動,1:カラー,2:グレースケール、3:白黒、圧縮設定(6ビットから5ビット)として、0:圧縮率低,1:圧縮率中,2:圧縮率高、濃度設定(9ビットから7ビット)として、0:自動,1:文字,2:文字/印刷写真,3:文字印画紙写真,4:印刷写真,5:印画紙写真,6:地図と、対応付けることができる。
【0049】
例えば、読取設定の設定項目が、解像度:300dpi(0b010)、カラーモード:自動(0b00)、圧縮設定:圧縮率中(0b01)、濃度設定:自動(0b000)である場合、ビットデータの並びは、0b0000100010の10ビットのデータとなる。制御部11は、これを16進法表記した0x022をPDF埋込情報EIとする。
【0050】
そして、制御部11は生成したPDF埋込情報EIをPDF先頭に記載することにより埋込ファイルとしてのPDFファイルを生成する。
【0051】
図5は、第1実施形態に係るフォルダ指定画面W10の一構成例である。本動作例は、図3のステップS100及びステップS110の処理に対応する。制御部11は、画像表示プログラム177を読み出すことにより、ファルダ指定画面W10を表示部12に表示する。
【0052】
ファルダ指定画面W10は、指定フォルダ表示領域R10と、入力ボタンB10と、フォルダ参照ボタンB12と、OKボタンB14と、キャンセルボタンB16とを備える。
【0053】
指定フォルダ表示領域R10は、読取設定候補の取得先となる埋込ファイルが記憶されたフォルダのフォルダパスを表示する表示領域である。
【0054】
入力ボタンB10は、埋込ファイルを記憶するフォルダへのフォルダパスの入力を受け付ける。入力ボタンB10を介して入力されたフォルダ名(フォルダパス)は指定フォルダ表示領域R10に表示される。ユーザは、指定フォルダ表示領域R10に表示される表示内容を確認しながら、フォルダの指定を行うことができる。
【0055】
フォルダ参照ボタンB12は、複合機10上のフォルダの参照指示を受け付けるボタンである。参照結果は、指定フォルダ表示領域R10に表示される。
【0056】
OKボタンB14は、ユーザによる入力承認を受け付けるボタンである。キャンセルボタンB16は、ユーザによる入力キャンセルを受け付けるボタンである。
【0057】
図6は、制御部11が、統計情報取得プログラム175を読み出すことで実行する統計処理の処理結果を表示する処理結果画面W20の一構成例である。本動作例は、図3のステップS130の処理に対応するものである。統計処理結果は、次ステップにおける読取設定候補表示処理に用いられる。ユーザは処理結果画面W20を参照することで、読取設定候補から所望の読取設定を選択することができる。処理結果画面W20は、表示対象選択チェックボックスCB10と、処理結果表示領域R12と、OKボタン18と、キャンセルボタンB20とを備える。
【0058】
表示対象選択チェックボックスCB10は、制御部11により実行された統計処理の中で、ユーザが表示させたい読取設定の項目の選択を受け付ける。例えば、ユーザにより指定されたフォルダ内の埋込ファイルに埋め込まれた読取設定情報が、「解像度、カラーモード、圧縮率設定、及び濃度設定」に関する項目である場合、情報処理装置50はこれらの項目について統計処理を行う。この場合、表示対象選択チェックボックスCB10には、統計処理の対象となった「解像度、カラーモード、圧縮率設定、及び濃度設定」に関する項目が選択可能に表示される。
【0059】
処理結果表示領域R12は、表示対象選択チェックボックスCB10にて選択された項目に対する統計処理結果を表示する表示領域である。処理結果表示領域R12では、これまでに読取設定として選択された頻度の大小関係の把握が容易となるように、例えば、統計処理結果を円グラフのように図形化して表示するのが好ましい。図6(a)は、読取設定として絞り込まれた「解像度」の選択頻度が、「300dpi>400dpi>200dpi>150dpi>600dpi」の順位であった場合の例示である。図6(b)は、読取設定として絞り込まれた「カラーモード」の選択頻度が、「自動>カラー>白黒>グレー」の順位であった場合の例示である。図6(c)は、読取設定として絞り込まれた「圧縮率設定」の選択頻度が、「圧縮率高>圧縮率中>圧縮率低」の順位であった場合の例示である。図6(d)は、読取設定として絞り込まれた「濃度設定」の選択頻度が、「自動>文字>印刷写真>文字/印刷写真>印画紙写真>文字/印画紙写真>地図」の順位であった場合の例示である。
【0060】
OKボタンB18は、ユーザによる入力承認を受け付けるボタンである。キャンセルボタンB20は、ユーザによる入力キャンセルを受け付けるボタンである。
【0061】
図7は、統計処理に基づき表示される読取設定選択画面W30の一構成例である。本動作例は、図3のステップS140及びステップS150の処理に対応するものである。読取設定選択画面W30は、ユーザに対して読取設定候補を表示し、当該読取設定候補からユーザが所望する読取設定の選択を受け付ける画面である。読取設定選択画面W30は、読取設定選択チェックボックスCB12と、OKボタンB22と、キャンセルボタンB24とを備える。
【0062】
読取設定選択チェックボタンCB12は、ユーザによる読取設定の選択を受け付ける。読取設定選択チェックボックスCB12では、処理結果画面W20の処理結果表示領域R12において表示された読取設定の選択頻度順位が反映されて表示される。なお、読取設定選択チェックボックスCB12に表示された下向き三角は、選択頻度順位の高いものから低い順を表している。ユーザはチェックボックスにチェックを付することにより所望の読取設定を選択することができる。図7(a)は、「解像度」の読取設定選択チェックボタンの例示である。図7(b)は、「カラーモード」の読取設定選択チェックボタンの例示である。図7(c)は、「圧縮率設定」の読取設定選択チェックボタンの例示である。図7(d)は、「濃度設定」の読取設定選択チェックボタンの例示である。
【0063】
OKボタンB22は、ユーザによる入力承認を受け付けるボタンである。キャンセルボタンB24は、ユーザによる入力キャンセルを受け付けるボタンである。
【0064】
図8は、図7の読取設定選択画面W30を介して選択された読取設定の確認画面W40の一構成例である。確認画面W40は、読取設定タブT10~T26と、プレビューボタンB26と、キャンセルボタンB28とを備える。
【0065】
読取設定タブT10~T26には、読取設定選択画面W30を介してユーザにより選択された読取設定が反映される。読取設定タブT10~T26には、選択された読取設定の変更が可能となるように、下向き矢印で表示された変更タブT28がそれぞれ設けられている。なお、読取設定タブT10は「解像度設定」の読取設定を表している。同様に、読取設定タブT12は「カラーモード設定」の読取設定、読取設定タブT14は「圧縮率設定」の読取設定、読取設定タブT16は「濃度設定」の読取設定をそれぞれ表している。
【0066】
また、読取設定タブT18は「原稿サイズ」、読取設定タブT20は「読取サイズ」、読取設定タブT22は「ファイル形式」、読取設定タブT24は「ファイル名」、読取設定タブT26は「フォルダ名」をそれぞれ表している。読取設定タブT18~T26については、ユーザにより任意に設定可能な設定項目である。読取設定タブT18~T26については、別途設定画面(不図示)を介して設定することも可能であるし、変更頻度が少ない項目(例えば、原稿サイズ、読取サイズ、ファイル形式等)については、デフォルト値として予め設定された状態で表示することも可能である。
【0067】
プレビューボタンB26は、ユーザによる入力承認を受け付けるとともに、原稿画像のプレビュー画像生成指示を受け付けるボタンである。プレビューボタンB26の押下を受けると、制御部11は原稿画像を読み取ることでプレビュー画像を生成する。キャンセルボタンB28は、ユーザによる入力キャンセルを受け付けるボタンである。
【0068】
図9は、プレビューボタンB26の押下を受けて、制御部11が生成するプレビュー画像I10の一構成例である。本動作例は、図3のステップS160の処理に対応する。プレビュー画像I10はユーザにより選択された読取設定に基づき、原稿画像を読み取ることで生成される画像である。
【0069】
プレビュー画像I10を生成した制御部11は、閲覧プログラム178を読み出すことにより、プレビュー画像I10をユーザに対して表示する。プレビュー画像I10を確認したユーザによりスキャンボタンB30が押下されると、制御部11は、原稿画像を読み取り、埋込ファイルを生成する。なお、読取実行指示をキャンセルする場合、ユーザはキャンセルボタンB32を押下することで原稿画像の読み取りをキャンセルすることができる。
【0070】
読取実行指示の入力を受けた制御部11は、原稿画像の読み取りにより生成したスキャンデータに図4で例示したPDF埋込情報EIを埋め込むことで、埋込ファイルを生成する。制御部11は、生成した埋込ファイルを埋込ファイル記憶領域179bに記憶することで登録する。
【0071】
以上のように、第1実施形態によれば、よく使用されるスキャン設定や他ユーザにより使用されるスキャン設定の絞り込みを効率良く行うことができる。絞り込み結果はスキャン設定候補としてユーザに対して表示されるため、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能である。
【0072】
[2 第2実施形態]
第2実施形態は、画像処理装置と、情報処理装置と、ユーザ端末装置とを含む情報処理システムであって、画像処理装置は、読取が指示された際に設定された読取情報に基づき原稿画像を読み取り、読取情報を含む設定情報を埋め込んだファイルを生成し、ファイルを情報処理装置に送信し、情報処理装置は、画像処理装置から受信したファイルを記憶するとともに、ユーザ端末装置から読取が指示された際に、記憶された設定情報を埋め込んだファイルから設定情報を取得し、統計情報に基づき頻度が高い設定情報を前記ユーザ端末装置に提供し、ユーザ端末装置は、情報処理装置から受信した設定情報に基づく読取設定を画像処理装置に送信する情報処理システムの形態である。
【0073】
[2.1 機能構成]
第2実施形態に係る情報処理システム200の機能構成について図10図11図12、及び図13を参照して説明する。図10は情報処理システム200の全体構成を説明するための概略構成図である。図11は複合機30の機能構成図である。図12は情報処理装置50の機能構成図である。図13はユーザが使用するユーザ端末装置70の機能構成図である。
【0074】
図10に示すように、情報処理システム200は、複合機30と、情報処理装置50と、ユーザ端末装置70とがネットワーク(NW)を介して接続されることにより構成されている。
【0075】
[2.1.1 複合機30について]
複合機30は、図11に示すように、制御部31と、表示部32と、操作入力部33と、通信部34と、画像形成部35と、画像読取部36と、記憶部37とを備える。
【0076】
制御部31、表示部32、操作入力部33、通信部34、画像形成部35、及び画像読取部36の機能構成は、第1実施形態で説明した複合機10と同様な構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0077】
記憶部37は、複合機30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部37は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0078】
第2実施形態において、記憶部37は、読取部制御プログラム371と、画像処理プログラム372と、ファイル生成プロフラム373とを記憶し、設定情報記憶領域373を確保する。
【0079】
読取部制御プログラム371は、画像読取部36による原稿画像の読み取り動作を制御する際に制御部31が読み出すプログラムである。制御部31は、画像読取部36を制御することで原稿画像を読み取る。また、制御部31は、画像読取部36による原稿画像の読み取りが終了したか否かを監視する。制御部31は、画像読取部36による原稿画像の読み取りが終了すると、画像処理プログラム372や、ファイル生成プログラム373を読み出す。制御部31は、ユーザ端末装置70からプレビュー画像生成指示や読取実行指示を受信すると、原稿画像のプレビュー画像や、スキャンデータを生成する。
【0080】
画像処理プログラム372は、画像読取部36が生成したスキャンデータに対して、例えば、シェーディング補正、MTF補正、γ補正、2値化処理、必要に応じて像域分離、背景除去、傾き補正といった各種画像処理を施す際に制御部31が読み出すプログラムである。
【0081】
ファイル生成プログラム373は、読取設定情報、ユーザID、機器情報等の設定情報を設定情報記憶領域374から読み出し、各種画像処理が施されたスキャンデータに埋め込むことで、埋込ファイルを生成する際に制御部31が読み出すプログラムである。生成するファイル形式には特に制限はないが、例えば、TIFF、JPEG、PDF、コンパクトPDF、XPS、コンパクトXPS、PPTX等を挙げることができる。本実施形態においては、スキャンファイルとして、PDFを一例として説明する。
【0082】
設定情報記憶領域374は、読取設定情報、ユーザID、機器情報等の設定情報を記憶する記憶領域である。読取設定情報としては、特に限定はされないが、例えば、解像度、カラーモード、圧縮率設定、濃度設定等を挙げることができる。ユーザIDは、複合機30を使用し、原稿画像のスキャンジョブを実行するユーザを一義的に識別するためのIDである。ユーザIDとしては、例えば、ユーザ名、識別番号等を挙げることができる。機器情報は、複合機30の製造メーカ、製造番号、製造日時、製造国といった複合機30に対して個別に付された機器情報である。
【0083】
[2.1.2 情報処理装置50について]
情報処理装置50は、複合機30において生成された埋込ファイルを管理するサーバ装置として構成することができる。情報処理装置50は、図12に示すように、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、通信部57と、記憶部59とを備える。
【0084】
制御部51は、情報処理装置50全体を制御する。制御部51は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部51は、記憶部59に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0085】
表示部53は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部53は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0086】
操作入力部55は、ユーザ等による各種情報の入力を受け付ける。操作入力部55は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、トラックボール等の入力装置により構成することができる。
【0087】
通信部57は、LAN、WAN、インターネット等のネットワーク(NW)を介して複合機30及びユーザ端末装置70に接続されている。通信部57は、接続した他の装置との間で埋込ファイルや各種情報の送受信が可能である。通信部57は、例えば、通信可能なインタフェースとして構成され、接続方法としては、有線/無線の何れか又はその両方を採用することができる。
【0088】
記憶部59は、情報処理装置50の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部59は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0089】
第2実施形態において、記憶部59は、フォルダ管理プログラム591と、統計情報取得プログラム592と、設定情報表示プログラム593とを記憶し、埋込ファイル記憶領域594を確保する。
【0090】
フォルダ管理プログラム591は、複合機30から受信した埋込ファイルを管理する際に制御部51が読み出すプログラムである。フォルダ管理プログラム591としては、情報処理装置50が埋込ファイルを管理するデータベースとして機能するためのDBMS(Database management system)を用いることができる。
【0091】
統計情報取得プログラム592は、ユーザ端末装置70において、埋込ファイルの記憶先となるフォルダが指定された場合に、当該フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得し、統計処理を行う際に制御部51が読み出すプログラムである。制御部51は、統計的に使用頻度の高い読取設定情報を読取設定候補として絞り込む。
【0092】
設定情報表示プログラム593は、統計情報取得プログラム592により絞り込まれた読取設定候補をユーザ端末装置70に送信し、当該ユーザ端末装置70が備える表示部72に表示させる際に制御部51が読み出すプログラムである。設定情報表示プログラム593を読み出した制御部51は、ユーザ端末装置70の表示部72を介して選択された読取設定受け付ける。
【0093】
ところで、設定情報表示プログラム593、統計情報取得プログラム592、及びフォルダ管理プログラム591は、それぞれ、Webサーバ、アプリケーションサーバ、及びDBサーバからなるWeb三層構造システムとして構築することも可能である。この場合、Webサーバプログラムとしては、WebDAV(Distributed authoring and versioning protocol for WWW)及びCGI(Common gateway interface)に対応するものを使用することができる。
【0094】
上記Webサーバプログラムを設定情報表示プログラム593の一形態として用いる場合、ユーザ端末装置70を使用するユーザは、Webサーバから提供されるWebページを介して、読取設定候補の閲覧、選択を行うことができる。
【0095】
埋込ファイル記憶領域594は、複合機30から受信した埋込ファイルを所定の階層構造を有するファルダ単位で記憶する記憶領域である。
【0096】
[2.1.3 ユーザ端末装置70について]
ユーザ端末装置70は、ユーザにより選択された読取設定に基づく読取実行指示を複合機30に対して送信する。ユーザ端末装置70は、図13に示すように、制御部71と、表示部72と、操作入力部73と、通信部74と、記憶部75とを備える。
【0097】
制御部71は、ユーザ端末装置70全体を制御する。制御部71は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部71は、記憶部75に記憶されたプログラムを読み出して実行することによりその機能を実行する。
【0098】
表示部72は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部72は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0099】
操作入力部73は、ユーザ等による各種情報の入力を受け付ける。操作入力部73は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、トラックボール等の入力装置により構成することができる。
【0100】
通信部74は、LAN、WAN、インターネット等のネットワークを介して複合機30及び情報処理装置50に接続されている。通信部74は、接続した他の装置との間で各種情報の送受信が可能である。通信部74は、例えば、通信可能なインタフェースとして構成され、接続方法としては、有線/無線の何れか又はその両方を採用することができる。
【0101】
記憶部75は、ユーザ端末装置70の動作に必要なプログラムを記憶する。記憶部75は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0102】
第2実施形態において、記憶部75は、画面表示プログラム751と、閲覧プログラム752とを記憶する。
【0103】
画面表示プログラム751は情報処理装置50に対してファルダ指定指示等のリクエストを送信することにより、読取設定候補を取得し、ユーザに対して表示する際に制御部71が読み出すプログラムである。画面表示プログラム751としては、情報処理装置50の設定情報表示プログラム593がWebDAV及びCGIに対応するものである場合、当該WebDAV及びCGIに対応するブラウザプログラムを用いることができる。
【0104】
閲覧プログラム752は、複合機30から送信されたプレビュー画像等を表示する際に制御部71が読み出すプログラムである。例えば、複合機30が送信するプレビュー画像のファイル形式がPDFファイル形式である場合、閲覧プログラム752としてはアドビアクロバット(登録商標)を用いることができる。
【0105】
[2.2 処理の流れ]
次に、第2実施形態の処理の流れについて説明する。図14は、第2実施形態の全体の処理の流れを説明するシーケンス図である。図15は、ユーザ端末装置70の処理の流れを説明するフローチャートである。図16は、情報処理装置50の処理の流れを説明するフローチャートである。図17は、複合機30の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0106】
まず、図14を用いて第2実施形態の全体の処理の流れについて説明する。
【0107】
ユーザ端末装置70のユーザは、読取設定候補の取得先となる埋込ファイルが記憶された情報処理装置50上のフォルダを指定する(ステップS112)。
【0108】
ユーザ端末装置70は、フォルダ指定指示を情報処理装置50に対して送信する(ステップS114)。
【0109】
ファルダ指定指示を受信すると、情報処理装置50は、指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得する。このとき、情報処理装置50は、埋込ファイルであることを示す文字列がファイル内に存在することを確認することにより、埋込ファイルであるかどうかを判定することができる。そして、情報処理装置50は、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う(ステップS116)。
【0110】
次いで、情報処理装置50は、使用頻度が高い読取設定情報を読取設定候補としてユーザ端末装置70に送信する(ステップS118)。
【0111】
読取設定候補を受信したユーザ端末装置70は、当該読取設定候補をユーザに対して表示し、読取設定の選択を受け付ける(ステップS120)。なお、ユーザ端末装置70は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0112】
ユーザ端末装置70は、選択された読取設定を複合機30に送信する(ステップS122)。
【0113】
複合機30は、受信した読取設定に基づき原稿画像を読み取り、プレビュー画像を生成する。そして、複合機30は、生成したプレビュー画像をユーザ端末装置70に送信する(ステップS124)。なお、プレビュー画像の生成はユーザによって省略されてもよい。
【0114】
ユーザ端末装置70は、受信したプレビュー画像をユーザに対して表示する。プレビュー画像を確認したユーザが読取実行指示を入力すると、ユーザ端末装置70は、読取実行指示を複合機30に対して送信する(ステップS126)。
【0115】
読取実行指示を受信した複合機30は、原稿画像を読み取り(ステップS128)、埋込ファイルを生成する(ステップS130)。
【0116】
次いで、複合機30は、埋込ファイルを情報処理装置50に送信する(ステップS132)。埋込ファイルを受信した情報処理装置50は、埋込ファイルをフォルダに格納することで、当該埋込ファイルを登録する(ステップS134)。
【0117】
次に、図15を用いてユーザ端末装置70の処理の流れについて説明する。
【0118】
ユーザ端末装置70の制御部71は、画面表示プログラム751を読み出すことにより、フォルダ指定画面を表示部72に表示する(ステップS200)。
【0119】
制御部71は、ユーザによるフォルダ指定入力を受け付けると(ステップ210)、ファルダ指定指示を情報処理装置50に対して送信する(ステップS220)。このとき、制御部71は、読取設定候補を情報処理装置50に対してリクエストする。
【0120】
制御部71は、情報処理装置50から読取設定候補を受信すると(ステップS230)、その読取設定候補を読取設定選択画面に表示する(ステップS240)。
【0121】
制御部71は、ユーザによる読取設定の選択を受け付けると(ステップS250)、読取設定を複合機30に対して送信する(ステップS260)。なお、制御部71は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0122】
制御部71は、複合機30により生成されたプレビュー画像を受信すると(ステップS270)、閲覧プログラム752を読み出す。閲覧プログラム752を読み出した制御部71は、閲覧プログラム752を用いて受信したプレビュー画像を表示する(ステップS280)。
【0123】
ユーザによりプレビュー画像が確認され、読取実行が指示されると(ステップS290;Yes)、制御部71は複合機30に対して原稿画像の読取実行指示を送信し(ステップS300)、処理を終了する。
【0124】
一方、プレビュー画像の確認の結果、ユーザが読取実行を指示しない場合(ステップS290;No)、制御部71は処理をステップS250に戻す。
【0125】
次に、図16を用いて情報処理装置50の処理の流れについて説明する。
【0126】
情報処理装置50の制御部51は、ユーザ端末装置70からファルダ指定指示を受信すると(ステップS400)、統計情報取得プログラム592を読み出す。
【0127】
統計情報取得プログラム592を読み出した制御部51は、指定されたフォルダに格納された埋込ファイルから読取設定情報を取得する(ステップS410)。
【0128】
次いで、制御部51は取得した読取設定情報を用いて統計処理を行う(ステップS420)。制御部51は、統計的に使用頻度の高い読取設定情報を読取設定候補として絞り込む。
【0129】
制御部51は、設定情報表示プログラム593を読み出すことにより、絞り込んだ読取設定候補を情報処理装置70に送信する(ステップS430)。
【0130】
複合機30により埋込ファイルが生成されると、制御部51は、当該埋込ファイルを受信する(ステップ440)。そして、制御部51は、埋込ファイルをフォルダに記憶することで当該埋込ファイルを登録し(ステップ450)、処理を終了する。
【0131】
次に、図17を用いて複合機30の処理の流れについて説明する。
【0132】
複合機30の制御部31は、ユーザ端末装置70から読取設定を受信すると(ステップS500)、読取部制御プログラム371を読み出す。
【0133】
読取部制御プログラム371を読み出した制御部31は、画像読取部36を制御し、原稿画像のプレビュー画像を生成する(ステップS510)。
【0134】
次いで、制御部31は、ユーザ端末装置70に対してプレビュー画像を送信する(ステップS520)。
【0135】
制御部31は、ユーザ端末装置70から読取実行指示を受信すると(ステップS530)、画像読取部36を制御し、原稿画像を読み取ることでスキャンデータを生成する(ステップS540)。
【0136】
次に、制御部31は画像処理プログラム372を読み出す。制御部31は、生成したスキャンデータに対して各種画像処理を施すと、ファイル生成プログラム373を読み出す。ファイル生成プログラム373を読み出した制御部31は、設定情報記憶領域373から読み出した設定情報をスキャンデータに埋め込むことで埋込ファイルを生成する(ステップS550)。
【0137】
制御部31は、生成した埋込ファイルを情報処理装置50に対して送信し(ステップS560)、処理を終了する。
【0138】
[2.3 動作例]
次に、動作例について説明する。まず、図18を用いて第2実施形態に係る情報の流れを概略的に説明する。
【0139】
ユーザ端末装置70から、例えば、“Folder01_0101C”等のフォルダ指定を受けた情報処理装置50は、指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得する。そして、情報処理装置50は、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う。
【0140】
そして、情報処理装置50は、使用頻度が高い読取設定情報を読取設定候補としてユーザ端末装置70に送信する。
【0141】
ユーザにより読取設定が選択されると、当該読取設定は複合機30に送信される。複合機30は受信した読取設定に基づき原稿画像を読み取り、スキャンデータを生成する。そして、複合機30は、スキャンデータに設定情報からなる埋込情報EIを埋め込むことにより埋込ファイルEFを生成する。そして、複合機30は、埋込ファイルを情報処理装置50に送信する。埋込ファイルを受信した情報処理装置50は、当該埋込ファイルをフォルダに記憶する。各フォルダに記憶された埋込ファイルは以降の統計処理に用いられる。
【0142】
[3 第3実施形態]
第2実施形態は、ユーザにより指定された指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得する形態であった。第3実施形態は、埋込ファイルに埋め込まれたユーザIDに基づき読取設定情報を取得し、使用頻度の高い読取設定を絞り込むための統計処理を行う形態である。
【0143】
[3.1 機能構成]
第3実施形態に係る複合機30及びユーザ端末装置70の機能構成は第2実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。図19は、第3実施形態に係る情報処理装置80の機能構成図である。第3実施形態に係る情報処理装置80は、第2実施形態に係る情報処理装置50の記憶部59に替えて記憶部89を備える。なお、第2実施形態に係る情報処理装置50と同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0144】
情報処理装置80は、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、通信部57と、記憶部89とを備える。
【0145】
第3実施形態において、記憶部89は、ユーザID管理プログラム891と、統計情報取得プログラム592と、設定情報表示プログラム593とを記憶し、埋込ファイル記憶領域594を確保する。
【0146】
ユーザID管理プログラム891は、複合機30から受信した埋込ファイルをユーザID単位で管理する際に制御部51が読み出すプログラムである。ユーザID管理プログラム891としては、情報処理装置80が埋込ファイルをユーザID単位で管理するデータベースとして機能するためのDBMSを用いることができる。
【0147】
[3.2 処理の流れ]
次に、第3実施形態の処理の流れについて説明する。図20は、第3実施形態の全体の処理の流れを説明するシーケンス図である。なお、図14のシーケンス図で説明した処理と同一の処理については、同一の符号を付する。
【0148】
ユーザ端末装置70のユーザは、統計処理に係る埋込ファイルを特定するためのユーザIDを指定する(ステップS602)。
【0149】
ユーザ端末装置70は、ユーザID指定指示を情報処理装置80に対して送信する(ステップS604)。
【0150】
ユーザID指定指示を受信すると、情報処理装置80は、対応するユーザIDが埋め込まれた埋込ファイルから読取設定情報を取得する。このとき、情報処理装置80は、埋込ファイルであることを示す文字列がファイル内に存在することを確認することにより、埋込ファイルであるかどうかを判定することができる。そして、情報処理装置80は、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う(ステップS606)。
【0151】
次いで、情報処理装置80は、使用頻度が高い読取設定情報を読取設定候補としてユーザ端末装置70に送信する(ステップS108)。
【0152】
読取設定候補を受信したユーザ端末装置70は、当該読取設定候補をユーザに対して表示し、読取設定の選択を受け付ける(ステップS110)。なお、ユーザ端末装置70は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0153】
ユーザ端末装置70は、読取設定を複合機30に送信する(ステップS112)。
【0154】
複合機30は、受信した読取設定に基づき原稿画像を読み取り、プレビュー画像を生成する。そして、複合機30は、生成したプレビュー画像をユーザ端末装置70に送信する(ステップS114)。なお、プレビュー画像の生成はユーザによって省略されてもよい。
【0155】
ユーザ端末装置70は、受信したプレビュー画像をユーザに対して表示する。プレビュー画像を確認したユーザが読取実行指示を入力すると、ユーザ端末装置70は、読取実行指示を複合機30に対して送信する(ステップS116)。
【0156】
読取実行指示を受信した複合機30は、原稿画像を読み取り(ステップS118)、埋込ファイルを生成する(ステップS120)。
【0157】
次いで、複合機30は、埋込ファイルを情報処理装置80に送信する(ステップS122)。埋込ファイルを受信した情報処理装置80は、埋込ファイルをフォルダに格納することで、当該埋込ファイルを登録する(ステップS124)。
【0158】
以上のように、第3実施形態によれば、高い頻度で使用される読取設定情報の絞り込みをユーザID単位で効率良く行うことができる。統計処理に基づく絞り込み結果は読取設定候補としてユーザに対して表示されるため、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な情報処理装置等を提供することができる。
【0159】
[4 第4実施形態]
第4実施形態は、第2実施形態及び第3実施形態の両特徴を併せもつ形態である。第4実施形態は、埋込ファイルに埋め込まれたユーザID及び指定された指定フォルダ以下に格納されている読取設定情報を取得し、使用頻度の高い読取設定を絞り込むための統計処理を行う形態である。
【0160】
[4.1 機能構成]
第4実施形態に係る複合機30及びユーザ端末装置70の機能構成は第1実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。図21は、第4実施形態に係る情報処理装置90の機能構成図である。なお、第2実施形態に係る情報処理装置50及び第3実施形態に係る情報処理装置80と同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0161】
情報処理装置90は、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、通信部57と、記憶部99とを備える。
【0162】
第4実施形態において、記憶部99は、フォルダ管理プログラム591と、ユーザID管理プログラム891と、統計情報取得プログラム592と、設定情報表示プログラム593とを記憶し、埋込ファイル記憶領域594を確保する。
【0163】
[4.2 処理の流れ]
次に、第4実施形態の処理の流れについて説明する。図22は、第4実施形態の全体の処理の流れを説明するシーケンス図である。なお、図14のシーケンス図で説明した処理と同一の処理については、同一の符号を付する。
【0164】
ユーザ端末装置70のユーザは、統計処理に係る埋込ファイルを特定するためのユーザIDを指定するとともに、読取設定候補の取得先となる埋込ファイルが記憶された情報処理装置90上のフォルダを指定する。する(ステップS702)。この場合、ユーザは、先にフォルダ指定を行った後、ユーザIDを指定してもかまわない。
【0165】
ユーザ端末装置70は、ユーザID及びフォルダ指定指示を情報処理装置90に対して送信する(ステップS704)。
【0166】
ユーザID及びフォルダ指定指示を受信すると、情報処理装置90は、指定フォルダ以下において、ユーザIDが埋め込まれた埋込ファイルから読取設定情報を取得する。このとき、情報処理装置90は、埋込ファイルであることを示す文字列がファイル内に存在することを確認することにより、埋込ファイルであるかどうかを判定することができる。そして、情報処理装置90は、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う(ステップS706)。
【0167】
次いで、情報処理装置90は、使用頻度が高い読取設定情報を読取設定候補としてユーザ端末装置70に送信する(ステップS108)。
【0168】
読取設定候補を受信したユーザ端末装置70は、当該読取設定候補をユーザに対して表示し、読取設定の選択を受け付ける(ステップS110)。なお、ユーザ端末装置70は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0169】
ユーザ端末装置70は、読取設定を複合機30に送信する(ステップS112)。
【0170】
複合機30は、受信した読取設定に基づき原稿画像を読み取り、プレビュー画像を生成する。そして、複合機30は、生成したプレビュー画像をユーザ端末装置70に送信する(ステップS114)。なお、プレビュー画像の生成はユーザによって省略されてもよい。
【0171】
ユーザ端末装置70は、受信したプレビュー画像をユーザに対して表示する。プレビュー画像を確認したユーザが読取実行指示を入力すると、ユーザ端末装置70は、読取実行指示を複合機30に対して送信する(ステップS116)。
【0172】
読取実行指示を受信した複合機30は、原稿画像を読み取り(ステップS118)、埋込ファイルを生成する(ステップS120)。
【0173】
次いで、複合機30は、埋込ファイルを情報処理装置90に送信する(ステップS122)。埋込ファイルを受信した情報処理装置90は、埋込ファイルをフォルダに格納することで、当該埋込ファイルを登録する(ステップS124)。
【0174】
以上のように、第4実施形態によれば、高い頻度で使用される読取設定情報の絞り込みを埋込ファイルを記憶するフォルダ単位及びユーザID単位で効率良く行うことができる。統計処理に基づく絞り込み結果は読取設定候補としてユーザに対して表示されるため、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な情報処理装置等を提供することができる。
【0175】
[5 第5実施形態]
第5実施形態は、ユーザにより指定された指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルから読取設定情報を取得する第2実施形態に対して、さらに特定の日時範囲指定を設けた形態である。
【0176】
[5.1 機能構成]
第5実施形態に係る複合機30及びユーザ端末装置70の機能構成は第2実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。図23は、第5実施形態に係る情報処理装置100の機能構成図である。第5実施形態に係る情報処理装置100は、第2実施形態に係る情報処理装置50の記憶部59に替えて記憶部109を備える。なお、第2実施形態に係る情報処理装置50と同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0177】
情報処理装置100は、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、通信部57と、記憶部109とを備える。
【0178】
第5実施形態において、記憶部109は、フォルダ管理プログラム591と、日時管理プログラム1091と、統計情報取得プログラム592と、設定情報表示プログラム593とを記憶し、埋込ファイル記憶領域594を確保する。
【0179】
日時管理プログラム1091は、複合機30から受信した埋込ファイルを日時単位で管理する際に制御部51が読み出すプログラムである。日時管理プログラム1091としては、情報処理装置100が埋込ファイルを日時管理するデータベースとして機能するためのDBMSを用いることができる。
【0180】
[5.2 処理の流れ]
次に、第5実施形態の処理の流れについて説明する。図24は、第5実施形態の全体の処理の流れを説明するシーケンス図である。なお、図14のシーケンス図で説明した処理と同一の処理については、同一の符号を付する。
【0181】
ユーザ端末装置70のユーザは、読取設定候補の取得先となる埋込ファイルが記憶された情報処理装置100上のフォルダを指定するとともに、特定の日時範囲を指定する。(ステップS802)。
【0182】
ユーザ端末装置70は、フォルダ指定及び日時範囲指定指示を情報処理装置100に対して送信する(ステップS804)。
【0183】
ファルダ指定及び日時範囲指示を受信すると、情報処理装置100は、指定フォルダ以下に格納されている埋込ファイルであって、特定の日時範囲に含まれる読取設定情報を取得する。このとき、情報処理装置100は、埋込ファイルであることを示す文字列がファイル内に存在することを確認することにより、埋込ファイルであるかどうかを判定することができる。そして、情報処理装置100は、取得した読取設定情報において、使用頻度の高い読取設定情報を絞り込むための統計処理を行う(ステップS806)。
【0184】
次いで、情報処理装置100は、使用頻度が高い読取設定情報を読取候補としてユーザ端末装置70に送信する(ステップS108)。
【0185】
読取設定候補を受信したユーザ端末装置70は、当該読取設定候補をユーザに対して表示し、読取設定の選択を受け付ける(ステップS110)。なお、ユーザ端末装置70は、ユーザによる選択を受け付けるのではなく、例えば、図8で例示する使用頻度が高い読取設定情報をユーザに対して表示し、読取設定に設定してもよい。
【0186】
ユーザ端末装置70は、読取設定を複合機30に送信する(ステップS112)。
【0187】
複合機30は、受信した読取設定に基づき原稿画像を読み取り、プレビュー画像を生成する。そして、複合機30は、生成したプレビュー画像をユーザ端末装置70に送信する(ステップS114)。なお、プレビュー画像の生成はユーザによって省略されてもよい。
【0188】
ユーザ端末装置70は、受信したプレビュー画像をユーザに対して表示する。プレビュー画像を確認したユーザが読取実行指示を入力すると、ユーザ端末装置70は、読取実行指示を複合機30に対して送信する(ステップS116)。
【0189】
読取実行指示を受信した複合機30は、原稿画像を読み取り(ステップS118)、埋込ファイルを生成する(ステップS120)。
【0190】
次いで、複合機30は、埋込ファイルを情報処理装置100に送信する(ステップS122)。埋込ファイルを受信した情報処理装置100は、埋込ファイルをフォルダに格納することで、当該埋込ファイルを登録する(ステップS124)。
【0191】
以上のように、第5実施形態によれば、高い頻度で使用される読取設定情報の絞り込みを特定の日時範囲内において、埋込ファイルを記憶するフォルダ単位で効率良く行うことができる。統計処理に基づく絞り込み結果は読取設定候補としてユーザに対して表示されるため、操作に不慣れなユーザであってもスキャンファイルの生成を確実に行うことが可能な情報処理装置等を提供することができる。なお、第5実施形態に係る日時範囲指定は、第2実施形態~第4実施形態に対しても適用可能である。
【0192】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0193】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。すなわち、第1実施形態で説明した複合機10に対し、埋込ファイルに埋め込まれたユーザIDに基づき読取設定情報を取得し、使用頻度の高い読取設定を絞り込むための統計処理を行う形態(第3実施形態)、埋込ファイルに埋め込まれたユーザID及び指定された指定フォルダ以下に格納されている読取設定情報を取得し、使用頻度の高い読取設定を絞り込むための統計処理を行う形態(第4実施形態)、又は読取設定情報の取得に際し、特定の日時範囲指定を設ける形態(第5実施形態)を適用することも無論可能である。
【0194】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0195】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray Disk(登録商標)等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0196】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0197】
10、30 複合機
50、80、90、100 情報処理装置
70 ユーザ端末装置
200 情報処理システム
11、31 制御部
12、32 表示部
13、33 操作入力部
14、34 通信部
15、35 画像形成部
16、36 画像読取部
17、37 記憶部
171、371 読取部制御プログラム
172、372 画像処理プログラム
173、373 ファイル生成プログラム
179a、384 設定情報記憶領域
51 制御部
53 表示部
55 操作入力部
57 通信部
59、89、99、109 記憶部
174、591 フォルダ管理プログラム
175、592 統計情報取得プログラム
176、593 設定情報表示プログラム
179b、594 埋込ファイル記憶領域
71 制御部
72 表示部
73 操作入力部
74 通信部
75 記憶部
177、751 画面表示プログラム
752 閲覧プログラム
891 ユーザID管理プログラム
1091 日時管理プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24