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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161711
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】難燃性樹脂組成物。
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/04 20060101AFI20221014BHJP
   C08K 3/016 20180101ALI20221014BHJP
   C08F 220/10 20060101ALI20221014BHJP
   C08F 2/26 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
C08L33/04
C08K3/016
C08F220/10
C08F2/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066729
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】牧村 和真
【テーマコード(参考)】
4J002
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4J002BG041
4J002BG051
4J002DH056
4J002FD136
4J002GN00
4J002HA07
4J011AA05
4J011KA24
4J011KB29
4J100AB02Q
4J100AL04P
4J100AM15R
4J100CA05
4J100DA09
4J100FA02
4J100FA20
4J100JA28
(57)【要約】
【課題】ハロゲン系ガスやホルムアルデヒドを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、水に濡れた際の変色を抑制できる難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】芳香族基を有する界面活性剤の存在下で、芳香族基含有単量体を10~30重量%、アミド基含有単量体を0.5~2重量%含む単量体を重合することによって合成され、ガラス転移温度が-35℃以下であるアクリル系樹脂エマルジョン、および難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族基を有する界面活性剤の存在下で、芳香族基含有単量体を10~30重量%、アミド基含有単量体を0.5~2重量%含む単量体を重合することによって合成され、ガラス転移温度が-35℃以下であるアクリル系樹脂エマルジョン、および難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【請求項2】
前記アクリル系樹脂エマルジョンを構成する単量体100重量部に対して、前記芳香族基を有する界面活性剤が0.5~1.5重量部用いられていることを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項3】
固形分を基準として、前記アクリル系樹脂エマルジョン100重量部に対して、難燃剤を10~500重量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハロゲン系ガスやホルムアルデヒドを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、水に濡れた際の変色を抑制できる難燃性樹脂組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来からシートやフロアマットなどの自動車内装材にはポリエステル繊維が用いられている。自動車内装材は火災時に容易に燃焼しないことが求められているため、難燃剤を添加した難燃性樹脂組成物で繊維を処理することによって難燃性を付与している。
代表的な難燃剤としてデカブロムジフェニルオキサイド(DBDPO)や三酸化アンチモン(Sb)が用いられてきたが、ハロゲン化合物は火災時にダイオキシンなどの有害物質を生成するおそれがあるため、使用が避けられるようになっている。また、アンチモンは不純物として鉛などの重金属を含むため、同様に使用が避けられるようになっている。
【0003】
そこで、各種リン化合物が有力な選択肢として注目され、実際広く用いられている。中でも、ポリリン酸アンモニウムは難燃性に優れ、他のリン化合物よりも安全性が高く、ブリードアウトにしくいといった特長を有するため、自動車内装用繊維製品の難燃剤として用いられている。
【0004】
一方、シートが高温多湿の条件下におかれたり、水や温水をシート上にこぼしたりした場合、ポリリン酸アンモニウムが水溶性のため表面に溶出し、「きわ付き」と呼ばれるシミやぬめりを生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許文献1には、アクリル系樹脂エマルジョンおよびウレタン樹脂エマルジョンから選ばれる少なくとも一種の樹脂エマルジョン(a)、ポリエステル樹脂エマルジョン(b)、液状リン系難燃剤(c)、および芳香族基を有する界面活性剤(d)を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物が開示されており、きわつきを低減している。
一方、ポリエステル樹脂エマルジョンを用いる必要があるため自動車内装用繊維製品に好ましくない特性が生じるおそれがある、特定の難燃剤を用いる必要があるため汎用性に欠ける等の問題があった。
【特許文献1】特開2018-58916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ハロゲン系ガスやホルムアルデヒドを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、水に濡れた際の変色を抑制できる難燃性樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、芳香族基を有する界面活性剤の存在下で、芳香族基含有単量体を10~30重量%、アミド基含有単量体を0.5~2重量%含む単量体を重合することによって合成され、ガラス転移温度が-35℃以下であるアクリル系樹脂エマルジョン、および難燃剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、ハロゲン系ガスやホルムアルデヒドを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、水に濡れた際の変色を抑制できるため、自動車内装用繊維製品の加工用途に適する。また、アクリル系樹脂エマルジョン以外の樹脂エマルジョンを併用する必要がないため自動車内装用繊維製品に付与する特性を調整しやすく、幅広い難燃剤を用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の難燃性樹脂組成物はアクリル系樹脂エマルジョンを含有する。アクリル系樹脂エマルジョンの製造方法としては、界面活性剤の存在下、単量体に重合開始剤を添加して加熱することにより乳化重合する方法等が挙げられる。
【0010】
単量体としては(メタ)アクリル単量体およびこれらと共重合可能な単量体が挙げられる。なお、本発明における(メタ)アクリルとはアクリルおよびメタクリルを包含するものであり、(メタ)アクリル単量体は(メタ)アクリル酸エステル構造を有する単量体を示す。
【0011】
アルキル基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0012】
水酸基含有単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0013】
アミド基含有単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0014】
芳香族基含有単量体としては、スチレン等が挙げられる。これらの単量体と共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどが挙げられる。
単量体として芳香族基含有単量体を10~30重量%、アミド基含有単量体を0.5~2重量%含むことが好ましい。この範囲とすることにより、難燃性や水に濡れた際の変色の抑制だけでなく、自動車内装用繊維製品として要求される柔軟性やタックの抑制を満たすことができる。
【0015】
アクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は-35℃以下であることが好ましい。-35℃以下であることにより、自動車内装用繊維製品として要求される柔軟性を満たすことができる。Tgは単量体ホモポリマーのTgと組成比から下記FOX式を用いて算出することができ、単量体の選定とその組成比率によりコントロールすることができる。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn)/100
(Wnは単量体nの質量%、Tgnは単量体nのホモポリマーのTg(K:絶対温度))
【0016】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル塩類及びその誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル硫酸エステル類等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、ポリオキシエチルアルキルアミン等の陽イオン性界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。また、反応性不飽和基を有する界面活性剤も使用することができる。
【0017】
本発明においては、芳香族基を有する界面活性剤を用いることが好ましく、具体的にはポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム等が挙げられる。
前記単量体100重量部に対して、芳香族基を有する界面活性剤を0.5~1.5重量部用いることが好ましい。なお、これはアクリル系樹脂エマルジョン重合時に用いる量であり、アクリル系樹脂エマルジョン重合後に難燃性樹脂組成物へさらに添加してもよい。
【0018】
重合開始剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素水、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどの水性ラジカル重合開始剤またはこれらの混合物を用いることができる。重合開始剤の使用量は、前記単量体100重量部に対して、通常は0.1~5重量部、好ましくは0.1~2重量部である。
また、還元剤の存在下で重合開始剤を用いることにより、レドックス系を形成することができる。そのような還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、L-アスコルビン酸、酒石酸などのカルボン酸類が挙げられる。還元剤の使用量は重合性単量体全量に対して0.1~5重量部、好ましくは0.1~2重量部である。
【0019】
乳化重合は、例えば、還流冷却管、温度計、攪拌機、モノマー滴下孔などを備えた反応容器に水と一部の乳化剤を添加して60℃以上に昇温し、残りの乳化剤、水および単量体を配合・攪拌して予め乳化した乳化液と、重合開始剤の水溶液とを攪拌しつつ滴下して進行させることができる。
【0020】
本発明の難燃性樹脂組成物は難燃剤を含有する。難燃剤として特に特定されないが、ハロゲン系ガスやホルムアルデヒドを発生しないことからリン酸系難燃剤が好ましく、中でも入手が容易であることからポリリン酸アンモニウムが好ましい。また、メラミンシアヌレート等のメラミン系化合物を用いてもよい。
【0021】
ポリリン酸アンモニウム
本発明においてポリリン酸アンモニウムとは、下記一般式(1)又は(2)で示される構造を有するリン酸アンモニウムの重合体であり(式中、nは10~2000程度)、特に限定するものではない。
【化1】

【化2】
【0022】
ポリリン酸アンモニウムは製造方法によりその結晶構造としてはI型、II型、III型、IV型、V型があるが、それらのいずれも使用することができる。
ポリリン酸アンモニウムの粒子径はMicrotrac社MT3000IIのレーザ回析(散乱法による)による平均粒子径が1~100μmであるものが好ましい。平均粒子径がこの範囲外の場合、被覆された粒子が粗大粒子となるため実用上不適当である。
また、ポリリン酸アンモニウム粒子の表面を処理した表面処理ポリリン酸アンモニウムも広く市販されており、このような市販品を用いることもできる。
【0023】
難燃剤を直接アクリル系樹脂エマルジョンに添加してもよいが、難燃剤の分散性を向上させるために、分散剤を含有する水性溶媒中において予め難燃剤を分散させた分散液を調製し、これをアクリル系樹脂エマルジョンに添加してもよい。
分散剤としては前記アクリル系樹脂エマルジョンの重合時に用いられる界面活性剤と同様のものを使用できる。
【0024】
本発明の難燃性組成物には前記各成分の他、本発明の効果を損なわない範囲において、顔料、染料、可塑剤、充填剤、粘度調整剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤等を使用できる。
【0025】
以下、実施例及び比較例にて本出願に係る難燃性樹脂組成物について具体的に説明する。
【実施例0026】
アクリル系樹脂エマルジョンの合成
反応器にイオン交換水40部を仕込み、温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却機を取り付け、攪拌しながら窒素置換、昇温を開始した。
次に別の容器にイオン交換水23部、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウムであるハイテノールNF-08(第一工業製薬社製、商品名)1.2部、アクリルアミド1部を仕込み充分攪拌することにより水溶液を調整した。
別の容器に2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)76部、スチレン 21.5部、アクリル酸(AA) 1.5部を仕込んで単量体溶液を調製し、先に調整しておいた水溶液を添加して攪拌し乳化モノマー液を調整した。
また、過硫酸カリウム0.5部をイオン交換水10部に溶解させた重合開始剤溶液、重亜硫酸ナトリウム0.3部をイオン交換水8部に溶解させた還元剤溶液を調整した。
反応器に前記乳化モノマー液の5%を添加し、10分後に前記重合開始剤溶液および還元剤溶液それぞれの25%を添加し、発熱開始から40分間種重合を行った。次いで反応系中を62℃±3℃に保ちながら残りの乳化モノマー液、重合開始剤溶液をそれぞれ4時間かけて滴下し、滴下終了後さらに62℃±3℃で2.5時間を維持させた。重合終了後、40℃まで冷却し、消泡剤、防腐剤を添加しアクリル系樹脂エマルジョン1を得た。
【0027】
固形分を基準として、前記アクリル系樹脂エマルジョン1100重量部に対して、ポリリン酸アンモニウム 130重量部を混合した。さらに増粘剤であるV-280(アイカ工業製、商品名)及びアンモニア水溶液を加え、粘度を20,000mPa・sに調整することにより、実施例1の難燃性樹脂組成物を得た。
【0028】
実施例2~6、比較例1~6
アクリル系樹脂エマルジョン1の合成で用いた材料の他、単量体としてブチルアクリレート(BA)を用いた他はアクリル系樹脂エマルジョン1の合成と同様に行い、実施例2~6、比較例1~6の各アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
実施例1で用いた材料の他、脂肪族リン酸アミデートであるDAIGUARD-850(大八化学工業社製、商品名)、メラミンシアヌレートを用いて、表1および表2に記載の配合にて同様に各難燃性樹脂組成物を得た。
【0029】
難燃性
ポリエステル製繊維(目付250g/m)に各難燃性樹脂組成物を固形分として60g/m塗布し、140℃雰囲気下で10分間乾燥した。これを350mm×200mmに裁断し、20℃、65%RH雰囲気中で24時間放置したものを試料とした。
自動車内装分野向け難燃規格であるFMVSS-302に従い、作成した試料について水平法により燃焼試験を行なった。試験は6点行い、平均燃焼速度(mm/分)および標準偏差(σ)について、燃焼速度+4σ=100以下であるものを合格とした。
【0030】
きわ付き性試験
薄物ファブリック(目付200g/m)にドクターナイフで乾燥重量60g/mになるように各難燃性樹脂組成物を塗布した。その後、140℃で熱風乾燥を行って含水率を5%未満にした後、23℃、50%雰囲気下で1晩養生することにより試験体を作成した。
ウレタンフォーム上に樹脂塗布面(裏面)が下になるように試験体を置き、上(表面)から常温の蒸留水を垂らした。23℃、50%雰囲気下で24時間自然乾燥を行った後、表面側よりシミの有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
◎:外観変化なし
○:斜めから見た際に色浮きが感じられるが、水濡れに伴うシミは認められない。
×:水濡れに伴うシミが認められる
【0031】
剛軟試験
ポリエステル製の織物カーシート(目付250g/m)に各難燃性樹脂組成物を固形分として50g/m塗布し、140℃雰囲気下で5分間乾燥した。これを幅25mm、長さ150mmに裁断したものを試験体とし、JIS-L1018に準拠して試験を実施した。繊維方向で縦、横ともに6点の平均値が80mm以下を合格とした。
【0032】
タック
各難燃性樹脂組成物について、80℃雰囲気下で厚み 150μm、縦 30cm、横 10cm、厚み 150μmの乾燥皮膜を作成した。乾燥皮膜を横方向に2つ折にした状態で50g/cmの荷重を掛け、23℃、95%RH環境下で1週間静置した。静置後の2つ折の皮膜を剥がし、皮膜が破れなく剥離したものを○、皮膜が破れたものを×と評価した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
実施例の各難燃性樹脂組成物を用いた場合、難燃性に優れ、加工した繊維製品の水に濡れた際の変色を抑制でき、自動車内装用繊維製品として好ましい特性を有していた。一方、比較例の難燃性樹脂組成物を用いた場合、いずれかの性能が不十分であった。