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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161716
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221014BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20221014BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20221014BHJP
   H05B 45/38 20200101ALI20221014BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20221014BHJP
【FI】
H02M3/155 N
H02M3/155 Q
H05B47/16
H05B45/375
H05B45/38
H05B45/355
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066743
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 正明
(72)【発明者】
【氏名】原 裕樹
【テーマコード(参考)】
3K273
5H730
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273BA07
3K273BA24
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA27
3K273DA07
3K273EA06
3K273EA24
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA40
3K273GA03
3K273GA14
5H730AA02
5H730AA18
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS11
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB61
5H730BB86
5H730BB88
5H730CC04
5H730DD04
5H730EE58
5H730FD26
5H730FF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バックコンバータを用いた構成で電子機器から発生するノイズを低減するスイッチング電源装置及び制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置は、スイッチング素子34、コイル35、コイルの他端に接続された出力端子38、整流素子36及び一端が出力端子に接続され、他端がグランド端子39に接続されたコンデンサ37を備えるバックコンバータ20と、スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部21と、を含む。制御部は、コイルの磁気エネルギーを全て放出した後にスイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、谷点の数をカウントする谷点カウント部と、共振信号の谷点のカウント結果と、外部装置の負荷情報レベルに応じてスイッチング素子34をオンするタイミングを、負荷情報レベルが軽負荷を示すほど遅らせる制御をするタイミング制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、
前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
外部装置から負荷情報レベルを取得し、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記負荷情報レベルに応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、
前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記スイッチング素子をオンするタイミングを遅らせる、
スイッチング電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部を備え、
前記タイミング制御部は、
前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする、
請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記第1カウント数および前記第2カウント数の数を増加したタイミングで前記スイッチング素子をオンする、
請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、
所定の電圧にプルアップされた制御端子を備え、
前記タイミング制御部は、
前記制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記負荷情報レベルは、照明装置の出力電流及び、照度を指示する調光信号の少なくとも一方である、
請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、
前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、
前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部と、
前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記時間計測部による時間の計測結果に応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、
前記タイミング制御部は、前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする、
スイッチング電源装置。
【請求項7】
入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、
前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、
前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
所定の電圧にプルアップされた制御端子と、
前記制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備える、
スイッチング電源装置。
【請求項8】
スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後にスイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
外部装置から負荷情報レベルを取得し、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記負荷情報レベルに応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、
前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記スイッチング素子をオンするタイミングを遅らせる、
制御装置。
【請求項9】
スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部と、
前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記時間計測部による時間の計測結果に応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、備え、
前記タイミング制御部は、前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする、
制御装置。
【請求項10】
スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、
前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、
所定の電圧にプルアップされた制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備える、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチング電源装置及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング素子を含む変換回路を用いて、照明装置の動作を制御する技術が知られている。特許文献1には、スイッチング素子数の抑制と調光自由度の向上を両立できる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-16680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、照明装置には、国際規格CISPRJ 15:2017に適合するようにノイズの平均値レベルを低減することが求められている。固定周波数で動作するバックコンバータを用いて照明装置を動作させる場合、ノイズ対策をすることが困難である。バックコンバータを用いた構成で、照明装置のノイズを低減する技術が求められている。
【0005】
本開示は、バックコンバータを用いた構成で電子機器から発生するノイズを低減することのできるスイッチング電源装置及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るスイッチング電源装置は、入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、外部装置から負荷情報レベルを取得し、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記負荷情報レベルに応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記スイッチング素子をオンするタイミングを遅らせる。
【0007】
本開示に係るスイッチング電源装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部を備え、前記タイミング制御部は、前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする。
【0008】
本開示に係るスイッチング電源装置において、前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記第1カウント数および前記第2カウント数の数を増加したタイミングで前記スイッチング素子をオンする。
【0009】
本開示に係るスイッチング電源装置において、前記制御部は、所定の電圧にプルアップされた制御端子を備え、前記タイミング制御部は、前記制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御する。
【0010】
本開示に係るスイッチング電源装置において、前記負荷情報レベルは、照明装置の出力電流及び、照度を指示する調光信号の少なくとも一方である。
【0011】
本開示に係るスイッチング電源装置は、入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部と、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記時間計測部による時間の計測結果に応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、前記タイミング制御部は、前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする。
【0012】
本開示に係るスイッチング電源装置は、入力端子と、第1端子が前記入力端子に電気的に接続されたスイッチング素子と、一端が前記スイッチング素子の第2端子に電気的に接続されたコイルと、前記コイルの他端に電気的に接続された出力端子と、カソードが前記スイッチング素子と、前記コイルとの間に電気的に接続され、アノードが基準電位に電気的に接続された整流素子と、一端が前記出力端子に電気的に接続され、他端が前記基準電位に電気的に接続されたコンデンサと、を備えるバックコンバータと、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記スイッチング素子がオンの時には前記コイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時には前記コイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、所定の電圧にプルアップされた制御端子と、前記制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備える。
【0013】
本開示に係る制御装置は、スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後にスイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、外部装置から負荷情報レベルを取得し、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記負荷情報レベルに応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、備え、前記タイミング制御部は、前記負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、前記スイッチング素子をオンするタイミングを遅らせる。
【0014】
本開示に係る制御装置は、スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、前記スイッチング素子がオンした後、前記谷点検出部が1回目の前記共振信号の谷点を検出するまでの時間を計測する時間計測部と、前記谷点カウント部による前記共振信号の谷点のカウント結果と、前記時間計測部による時間の計測結果に応じて前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、前記タイミング制御部は、前記時間計測部による計測結果が第1時間未満である場合は前記谷点カウント部のカウント数が第1カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンし、前記時間計測部による計測結果が前記第1時間よりも長い第2時間を超える場合は前記谷点カウント部のカウント数が前記第1カウント数よりも少ない第2カウント数のタイミングで前記スイッチング素子をオンする。
【0015】
本開示に係る制御装置は、スイッチング素子がオンの時にはコイルに電流を流す事で、磁気エネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフの時にはコイルに蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、前記コイルの磁気エネルギーを全て放出した後に前記スイッチング素子の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する谷点検出部と、前記谷点検出部の検出結果に基づいて、前記谷点の数をカウントする谷点カウント部と、所定の電圧にプルアップされた制御端子の電圧の測定値に応じて、前記スイッチング素子をオンするタイミングを制御するタイミング制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、バックコンバータを用いた構成で電子機器から発生するノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る照明装置の構成例を示す回路図である。
図2図2は、第1実施形態に係る制御部の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、スイッチング素子の両端に発生する共振信号を説明するための図である。
図4図4は、第1実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
図5図5は、第2実施形態に係る制御部の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、第2実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
図7図7は、第3実施形態に係る制御部の構成例を示す図である。
図8図8は、第3実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
図9図9は、第4実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
図10図10は、第4実施形態に係るスイッチング素子を制御する方法を説明するための表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0019】
[実施形態]
図1を用いて、実施形態に係る照明装置の構成例について説明する。図1は、実施形態に係る照明装置の構成例を示す回路図である。
【0020】
図1に示すように、照明装置1は、スイッチング電源装置10と、PFC(Power Factor Correction)回路部11と、発光部12と、を含む。照明装置1は、交流電源2から交流電圧を受けて、発光部12を発光させるように構成されている。交流電源2は、例えば、系統電源であるが、これに限定されない。
【0021】
スイッチング電源装置10は、バックコンバータ20と、制御部21とを、備える。
【0022】
バックコンバータ20は、入力端子31と、グラウンド端子32と、コンデンサ33と、スイッチング素子34と、コイル35と、整流素子36と、コンデンサ37と、出力端子38と、グラウンド端子39と、を備える。本実施形態では、バックコンバータ20は、疑似共振型のバックコンバータである。
【0023】
入力端子31及びグラウンド端子32には、PFC回路部11が電気的に接続されている。入力端子31には、PFC回路部11から所定の出力電圧が入力される。
【0024】
グラウンド端子32は、基準電位に接続されている。基準電位は、例えば、接地電位であるが、これに限定されない。
【0025】
コンデンサ33は、一端が入力端子31に電気的に接続されている。コンデンサ33は、他端がグラウンド端子32に電気的に接続されている。コンデンサ33は、PFC回路部11から入力された出力電圧を平滑化する。
【0026】
スイッチング素子34は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などの半導体素子である。スイッチング素子34は、ドレイン端子が入力端子31に電気的に接続されている。ドレイン端子は、第1端子とも呼ばれる。スイッチング素子34は、ソース端子がコイル35の一端に電気的に接続されている。ソース端子は、第2端子とも呼ばれる。スイッチング素子34のゲート端子には、制御部21から制御信号が入力される。ゲート端子は、第3端子とも呼ばれる。すなわち、スイッチング素子34は、ハイサイド側に設置されている。なお、スイッチング素子34は、シリコンパワーデバイス、GaNパワーデバイス、SiCパワーデバイス、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などでも良い。
【0027】
コイル35は、一端がスイッチング素子34のソース端子に電気的に接続されている。コイル35は、他端が出力端子38に電気的に接続されている。
【0028】
整流素子36は、カソードがスイッチング素子34と、コイル35との間に電気的に接続されている。整流素子36は、アノードが基準電位に電気的に接続されている。
【0029】
コンデンサ37は、一端がコイル35と、出力端子38との間に電気的に接続されている。コンデンサ37は、他端が基準電位に電気的に接続されている。コンデンサ37は、出力電圧を平滑化する。コンデンサ37は、平滑化した出力電圧を発光部12に供給する。
【0030】
出力端子38と、グラウンド端子39とには、発光部12が電気的に接続されている。発光部12は、例えば、直列に接続された複数のLED(Light Emitting Diode)素子を含む。発光部12は、1つのLED素子から構成されていてもよい。出力端子38は、発光部12のLED素子のアノードに電気的に接続されている。グラウンド端子39は、発光部12のLED素子のカソードに電気的に接続されている。発光部12は、本開示における外部装置の一例である。本開示において、外部装置は発光部12に限定されず、その他の装置であってもよい。
【0031】
グラウンド端子39は、基準電位に接続されている。基準電位は、例えば、接地電位であるが、これに限定されない。
【0032】
PFC回路部11は、整流回路41と、コンデンサ42と、コイル43と、スイッチング素子44と、整流素子45と、を含む。
【0033】
整流回路41は、例えば、図示しない4個または6個のダイオードを含むブリッジダイオードである。整流回路41は、交流電源2から出力された交流電圧を全波整流してコンデンサ42に出力するように構成されている。整流回路41は、ブリッジダイオードのカソード側がコイル43の一端に電気的に接続されている。整流回路41は、ブリッジダイオードのアノード側がバックコンバータ20のグラウンド端子32に電気的に接続されている。
【0034】
コンデンサ42は、一端が整流回路41と、コイル43との間に電気的に接続されている。コンデンサ42は、他端が基準電位に電気的に接続されている。コンデンサ42は、整流回路41からの出力電圧を平滑化する。
【0035】
コイル43は、一端が整流回路41のダイオードのカソード側に電気的に接続されている。コイル43は、他端が整流素子45のアノードに電気的に接続されている。
【0036】
スイッチング素子44は、ドレイン端子がコイル43と、整流素子45との間に電気的に接続されている。スイッチング素子44は、ソース端子が基準電位に電気的に接続されている。スイッチング素子44のゲート端子には、制御部21から制御信号が入力されるように構成されている。
【0037】
整流素子45は、アノードがコイル43の他端に電気的に接続するように構成されている。整流素子45は、カソードがバックコンバータ20の入力端子31に電気的に接続されている。
【0038】
制御部21は、バックコンバータ20のスイッチング素子34と、PFC回路部11のスイッチング素子44とのスイッチング動作を制御する。制御部21は、例えば、制御信号をスイッチング素子34およびスイッチング素子44のゲート端子に出力することで、スイッチング素子34およびスイッチング素子44のスイッチング動作を制御する。
【0039】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶部などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部21は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部21は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0040】
本開示の実施形態では、制御部21は、スイッチング素子34をオフにして、コイル35から磁気エネルギーを放出させることで、スイッチング素子34の寄生容量とコイル35のインダクタンスとに起因する共振信号を発生させる。制御部21は、スイッチング素子34とコイル35とで共振信号を発生させた後、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御することで、発光部12のLED素子のノイズを低減する。制御部21は、共振信号の谷点のタイミングと、発光部12のLED素子の負荷情報を示す調光信号のレベルとに応じて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。
【0041】
図2を用いて、第1実施形態に係る制御部の構成例について説明する。図2は、第1実施形態に係る制御部の構成例を示すブロック図である。
【0042】
図2に示すように、制御部21は、スイッチング制御部51と、谷点検出部52と、谷点カウント部53と、タイミング制御部54と、を備える。
【0043】
スイッチング制御部51は、スイッチング素子34のオンとオフとの切り替え制御を行う。スイッチング制御部51は、スイッチング素子44のオンとオフとの切り替え制御を行う。
【0044】
図3は、スイッチング素子34の両端に発生する共振信号を説明するための図である。図3は、スイッチング素子34のドレイン-ソース間の電圧波形を示す。
【0045】
スイッチング制御部51は、図3のタイミングt1において、スイッチング素子34に制御信号を出力して、スイッチング素子34をオンする。スイッチング素子34には、ドレイン電流が流れる。スイッチング素子34にドレイン電流が流れることで、コイル35には、磁気エネルギーが蓄積される。
【0046】
スイッチング制御部51は、図3のタイミングt2において、スイッチング素子34への制御信号の出力を停止して、スイッチング素子34をオフする。これにより、スイッチング素子34には、ドレイン電流が流れなくなる。スイッチング素子34にドレイン電流が流れなくなることで、コイル35に蓄積された磁気エネルギーが放出される。
【0047】
図3のタイミングt3において、コイル35から磁気エネルギーは全て放出される。コイル35から磁気エネルギーが全て放出されると、スイッチング素子34のドレイン-ソース間に共振が発生する。スイッチング素子34のドレイン-ソース間の共振は、スイッチング素子34の寄生容量と、コイル35のインダクタンスに起因する。
【0048】
タイミングt3からタイミングt8は、共振が発生している期間である。タイミングt4は、共振を示す共振信号の1個目の谷点が検出されるタイミングである。タイミングt5は、共振信号の2個目の谷点が検出されるタイミングである。タイミングt6は、共振信号の3個目の谷点が検出されるタイミングである。タイミングt7は、共振信号の4個目の谷点が検出されるタイミングである。タイミングt8は、共振信号の5個目の谷点が検出されるタイミングである。
【0049】
谷点検出部52は、スイッチング素子34の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する。谷点検出部52は、スイッチング素子34がオフの時にはコイル35に蓄えられた磁気エネルギーを放出するとともに、コイル35の磁気エネルギーを全て放出した後にスイッチング素子34の両端に発生する電圧の共振信号の谷点を検出する。具体的には、谷点検出部52は、図3に示すタイミングt4、タイミングt5、タイミングt6、タイミングt7、およびタイミングt8で谷点を検出する。谷点検出部52の詳細は省略するが、例えば、コイル35に補助巻き線を設け、補助巻き線の電圧を検出して谷点を検出してもよいし、スイッチング素子34の電流を検出して、谷点を検出してもよい。谷点検出部52は、その他の周知の方法を用いて、谷点を検出してもよい。
【0050】
谷点カウント部53は、谷点検出部52の検出結果に基づいて、スイッチング素子34の両端に発生する電圧の共振信号の谷点の数をカウントする。
【0051】
タイミング制御部54は、外部装置から負荷情報を取得し、谷点カウント部53による共振信号の谷点のカウント結果と、負荷情報に応じてスイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。タイミング制御部54は、負荷情報レベルが軽負荷を示すほど、スイッチング素子34をオンするタイミングを遅らせる。具体的には、負荷情報に応じてスイッチング素子34をオンする共振信号の谷点カウント数をオンタイミング谷点カウント数として決定し、谷点カウント部53のカウント結果がオンタイミング谷点カウント数と一致したタイミングでスイッチング素子34をオンする。第1実施形態では、負荷情報は、発光部12のLED素子の負荷情報である。具体的には、負荷情報は、LED素子の明るさに関する情報を示す調光信号である。より具体的には、タイミング制御部54は、発光部12から発光部12の出力電流の大きさを示す出力電流情報及び、照度を指示する調光信号の少なくとも一方を取得する。スイッチング制御部51は、タイミング制御部54によって制御されたタイミングに従って、スイッチング素子34をオンする。
【0052】
[タイミング制御方法]
図4を用いて、負荷情報に基づいて、第1実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法について説明する。図4は、第1実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
【0053】
図4は、横軸が負荷情報(調光信号)のレベルを示し、縦軸はスイッチング素子34をオンするスイッチングタイミングを示す。
【0054】
負荷情報のレベルが現在のレベルよりも軽くなる場合の制御方法について説明する。図4において、レベルL0、レベルL1、レベルL2、レベルL3、およびレベルL4の順に発光部12の負荷が重いことを示す。発光部12の明るさは、負荷情報がレベルL0に近づくほど全光に近づき、負荷情報がレベルL4に近づくほど深調光に近づく。
【0055】
第1実施形態では、負荷情報のレベルが現在のレベルよりも軽くなる場合には、負荷情報レベルがレベルL0、レベルL1、レベルL2、レベルL3、およびレベルL4を基準として、スイッチング素子34をオンするタイミングを変更する。
【0056】
タイミング制御部54は、負荷情報がレベルL0からレベルL1の間は、オンタイミング谷点カウント数を1とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL1からレベルL2である場合には、オンタイミング谷点カウント数を2とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL2からレベルL3である場合には、オンタイミング谷点カウント数を3とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL3からレベルL4である場合には、オンタイミング谷点カウント数を4とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL4以上である場合には、オンタイミング谷点カウント数を5とする。タイミング制御部54は決まったオンタイミング谷点カウント数と谷点カウント部53による共振信号の谷点のカウント結果が一致するタイミングで、スイッチング素子34をオンする。
【0057】
負荷情報のレベルが現在のレベルよりも重くなる場合の制御方法について説明する。図4において、レベルL1よりも負荷の重いレベルL1aと、レベルL2よりも負荷の重いレベルL2aと、レベルL3よりも負荷の重いレベルL3aと、レベル4よりも負荷の重いレベルL4aとが示されている。すなわち、第1実施形態では、負荷情報レベルが現在よりも軽くなる場合と、重くなる場合とでは、スイッチング素子34をオンするスイッチングタイミングを切り替える負荷情報レベルにヒステリシスを設けている。
【0058】
第1実施形態では、負荷情報のレベルが現在のレベルよりも重くなる場合には、負荷情報レベルがレベルL0、レベルL1a、レベルL2a、レベルL3a、およびレベルL4aを基準として、スイッチング素子34をオンするタイミングを変更する。
【0059】
タイミング制御部54は、負荷情報がレベルL4a以上の間は、オンタイミング谷点カウント数を5とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL3a以上レベルL4a以下である場合には、オンタイミング谷点カウント数を4とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL2a以上レベルL3a以下である場合には、オンタイミング谷点カウント数を3とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL1a以上レベルL2a以下である場合には、オンタイミング谷点カウント数を2とする。タイミング制御部54は、負荷情報レベルがレベルL0以上レベルL1a以下である場合には、オンタイミング谷点カウント数を1とする。タイミング制御部54は決まったオンタイミング谷点カウント数と谷点カウント部53による共振信号の谷点のカウント結果が一致するタイミングで、スイッチング素子34をオンする。
【0060】
照明装置1においては、発光部12の負荷が重いときにはスイッチング周波数が低くなり、発光部12の負荷が軽いときにはスイッチング周波数が高くなる。このため、発光部12の負荷が軽い状態のときに、スイッチング素子34を速いタイミングでオンしてしまうと、スイッチングロスが大きくなる。このため、第1本実施形態では、発光部12の負荷の重さに応じて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。
【0061】
上述のとおり、第1実施形態では、発光部12の負荷が重いほどスイッチング素子34をオンするタイミングを速くして、発光部12の負荷が軽いほどスイッチング素子34をオンするタイミングを遅くする。これにより、第1実施形態は、発光部12のノイズを低減することができる。また、第1実施形態は、発光部12の負荷の重さに基づいて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御することで、発光部12の負荷の重さによらず、安定して制御することができる。
【0062】
第1実施形態では、共振信号の電圧が極小となるタイミングで、スイッチング素子34をオンする。これにより、第1実施形態は、スイッチングロスを低減できるので、発光部12の負荷の重さによらず高効率化を実現することができる。
【0063】
第1実施形態では、発光部12の負荷情報に基づいて、スイッチング素子34をオンするタイミングを決定するため、複雑の構成を用いる必要がなく、装置全体を低コスト化することができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、本開示に係る第2実施形態に係るタイミング制御方法について説明する。第2実施形態では、スイッチング素子34がオンしたタイミングから、スイッチング素子がオフし、スイッチング素子34に共振信号が発生し1回目の共振信号の谷が来るまでの時間に基づいて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。
【0065】
図5を用いて、第2実施形態に係る制御部の構成例について説明する。図5は、第2実施形態に係る制御部の構成例を示すブロック図である。
【0066】
図5に示すように、制御部21Aは、時間計測部55を備える点で、図2に示す制御部21と異なる。
【0067】
図6は、第2実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
【0068】
図6に示すように、タイミングt1でスイッチング素子34をオンして、タイミングt2でスイッチング素子34をオフし、タイミングt4で共振信号の1個目の谷点が現れるまでの時間を時間Tとする。タイミング制御部54は、時間計測部55による時間Tの計測結果が第1時間T1未満である場合と、第1時間T1よりも長い第2時間T2以上である場合とで、スイッチング素子34をオンするタイミングを変更する。
【0069】
タイミング制御部54は、時間計測部55による計測結果が第1時間T1未満である場合は、スイッチング素子34をオンする共振信号の谷点カウント数をオンタイミング谷点カウント数として第1カウント数に決定し、谷点カウント部53のカウント結果がオンタイミング谷点カウント数と一致したタイミングでスイッチング素子34をオンする。タイミング制御部54は、時間計測部55による計測結果が第1時間T1よりも長い第2時間T2以上である場合には、スイッチング素子34をオンする共振信号の谷点カウント数をオンタイミング谷点カウント数として第2カウント数に決定し、谷点カウント部53のカウント結果がオンタイミング谷点カウント数と一致したタイミングでスイッチング素子34をオンする。第1時間T1は、例えば、7.5μ秒であるが、これに限定されない。第2時間T2は、例えば、10μ秒であるがこれに限定されない。第1カウント数は、第2カウント数よりも多い数となる。
【0070】
具体的には、タイミング制御部54は、例えば、時間計測部55の計測結果が第1時間T1未満である場合には、オンタイミング谷点カウント数を3とする。タイミング制御部54は、例えば、時間計測部55の計測結果が第2時間T2以上である場合には、オンタイミング谷点カウント数を2とする。タイミング制御部54は決まったオンタイミング谷点カウント数と谷点カウント部53による共振信号の谷点のカウント結果が一致するタイミングで、スイッチング素子34をオンする。
【0071】
上述のとおり、第2実施形態では、スイッチング素子34がオンしたタイミングから、スイッチング素子34に共振信号が発生し1回目の共振信号の谷がくるまでの時間が所定の第1時間よりも短い場合にはスイッチング素子34をオンするタイミングを遅くして、第1時間よりも長い第2時間以上であればスイッチング素子34をオンするタイミングを速くする。これにより、第2実施形態は、発光部12のノイズを低減することができる。
【0072】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、制御部21の制御端子に接続された外部抵抗の抵抗値により、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。第3実施形態では、外部抵抗の抵抗値は、照明装置1の設計時点により決定される。
【0073】
図7は、第3実施形態に係る制御部の構成例を示す図である。図7に示すように、制御部21は、制御端子61と、定電流源62と、コンパレータ63と、閾値電源64と、コンパレータ65と、閾値電源66と、を備える。
【0074】
制御端子61は、定電流源62の出力端子と、外部抵抗71とに電気的に接続されている。定電流源62は、制御端子61に電気的に接続された外部抵抗71に応じて電圧がコンパレータ63及びコンパレータ65に入力するように構成されている。言い換えると、本実施形態では、定電流源62が出力する定電流の電流値と、外部抵抗71の抵抗値に応じてプルアップされた一定の電圧が、制御端子61からコンパレータ63及びコンパレータ65に入力するように構成されている。外部抵抗71の抵抗値は、設計に応じて任意に変更し得る。
【0075】
定電流源62は、電源電位VDと、制御端子61との間に電気的に接続されている。
【0076】
コンパレータ63の非反転入力端子には、定電流源62と外部抵抗71に応じた、所定の電圧が入力される。すなわち、コンパレータ63の非反転入力端子には、設計に応じた所定の電圧が入力される。
【0077】
コンパレータ63の反転入力端子には、閾値電源64が電気的に接続されている。コンパレータ63の反転入力端子には、閾値電源64からの閾値電圧が入力される。図7に示す例では、閾値電源64から出力される閾値電圧の電圧値は、例えば、3Vであるが、これに限定されない。
【0078】
コンパレータ63は、非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が3V未満である場合には、ローレベルの信号を出力する。コンパレータ63は、非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が3V以上である場合には、ハイレベルの信号を出力する。
【0079】
コンパレータ65の非反転入力端子には、定電流源62と外部抵抗71に応じた、所定の電圧が入力される。すなわち、コンパレータ65の非反転入力端子には、設計に応じた所定の電圧が入力される。
【0080】
コンパレータ65の反転入力端子には、閾値電源66が電気的に接続されている。コンパレータ65の反転入力端子には、閾値電源66からの閾値電圧が入力される。図7に示す例では、閾値電源66から出力される閾値電圧の電圧値は、例えば、1.5Vであるが、これに限定されない。
【0081】
コンパレータ65は、非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が1.5V未満である場合には、ローレベルの信号を出力する。コンパレータ65は、非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が1.5V以上である場合には、ハイレベルの信号を出力する。
【0082】
すなわち、コンパレータ63及びコンパレータ65のそれぞれの非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が1.5V未満であれば、コンパレータ63及びコンパレータ65はそれぞれローレベルの信号を出力する。コンパレータ63及びコンパレータ65のそれぞれの非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が1.5V以上3.0V未満であれば、コンパレータ63はローレベルの信号を出力し、コンパレータ65はハイレベルの信号を出力する。コンパレータ63及びコンパレータ65のそれぞれの非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が3V以上であれば、コンパレータ63及びコンパレータ65はそれぞれハイレベルの信号を出力する。
【0083】
本実施形態では、コンパレータ63及びコンパレータ65のそれぞれの非反転入力端子に入力される電圧の電圧値が、1.5V未満、1.5V以上3V未満、または3V以上の3パータンを基準として、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。すなわち、本実施形態は制御端子61の電圧値に応じて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。
【0084】
図8を用いて、制御端子61の電圧に基づいて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する方法について説明する。図8は、第3実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。
【0085】
図8は、横軸が時間を示し、縦軸が電圧を示す。制御端子61の電圧値が1.5V未満である場合には、1個目の谷点のタイミングであるタイミングt3でスイッチング素子34をオンすると判定する。制御端子61の電圧値が1.5V以上3V未満である場合には、2個目の谷点のタイミングであるタイミングt4でスイッチング素子34をオンすると判定する。制御端子61の電圧値が3V以上である場合には、3個目の谷点のタイミングであるタイミングt5でスイッチング素子34をオンすると判定する。
【0086】
上述のとおり、第3実施形態では、制御端子61の電圧値が小さいほどスイッチング素子34をオンするタイミングを速くする。これにより、第3実施形態は、発光部12のノイズを低減することができる。
【0087】
[第4実施形態]
次に、本開示の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態から第3実施形態を組み合わせて、スイッチング素子34をオンするタイミングを制御する。
【0088】
図9と、図10とを用いて、第4実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法について説明する。図9は、第4実施形態に係るスイッチング素子をオンするタイミングを制御する方法を説明するための図である。図10は、第4実施形態に係るスイッチング素子を制御する方法を説明するための表である。
【0089】
図9は、横軸が負荷情報(調光信号)のレベルを示し、縦軸はスイッチング素子34をオンするスイッチングタイミングを示す。図9では、スイッチングタイミングを共振信号の谷点がN(Nは任意の整数)個目、N+1個目、N+2個目、N+3個目として示している。
【0090】
図9では、負荷情報のレベルに応じて3つの領域に分けられている。負荷情報のレベルが現在のレベルよりも軽くなる場合に制御する場合には、負荷情報のレベルに応じて、A領域、B領域、およびC領域を設定する。A領域、B領域、C領域の順に負荷が重い。A領域は、発光部12が全調光である場合の負荷の重さを100%とすると、負荷の重さが67%以上の領域である。B領域は、発光部12が全調光である場合の負荷の重さを100%とすると、負荷の重さが33%以上67%以下の領域である。C領域は、発光部12が全調光である場合の負荷の重さを100%とすると、負荷の重さが33%未満の領域である。
【0091】
なお、負荷情報のレベルが現在のレベルよりも重くなる場合に制御する場合には、A領域よりも負荷の重いAa領域、B領域よりも負荷の重いBa領域、C領域よりも負荷の重いCa領域を設定する。
【0092】
図10は、負荷情報のレベルが現在のレベルよりも軽くなる場合にスイッチング素子34をオンするタイミングを示す表である。図10に示すように、第4実施形態では、制御端子61の電圧と、スイッチング周期と、負荷のレベルとの組み合わせによって、スイッチング素子34をオンするタイミングを設定する。
【0093】
制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の2個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の3個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがB領域からC領域に変化である場合、タイミング制御部54は、共振信号の4個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0094】
制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の1個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の2個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがB領域からC領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の3個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0095】
制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の3個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の4個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがB領域からC領域に変化である場合、タイミング制御部54は、共振信号の5個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0096】
制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の2個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の3個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が1.5V以上3V未満、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがB領域からC領域に変化である場合、タイミング制御部54は、共振信号の4個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0097】
制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の4個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の5個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が7.5μ秒以下、負荷レベルがB領域からC領域に変化である場合、タイミング制御部54は、共振信号の6個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0098】
制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域である場合、タイミング制御部54は、共振信号の3個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがA領域からB領域に変化した場合、タイミング制御部54は、共振信号の4個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。制御端子61の電圧が3V以上、スイッチング周期が10μ秒以上、負荷レベルがB領域からC領域に変化である場合、タイミング制御部54は、共振信号の5個目の谷点でスイッチング素子34をオンすると決定する。
【0099】
上述のとおり、第4実施形態では、制御端子61の電圧と、スイッチング周期と、負荷のレベルとの組み合わせに応じて、スイッチング素子34を制御するタイミングを制御する。これにより、第4実施形態は、発光部12のノイズを低減することができる。
【0100】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1 照明装置
2 交流電源
10 スイッチング電源装置
11 PFC回路部
12 発光部
20 バックコンバータ
31 入力端子
32,39 グラウンド端子
33,37,42 コンデンサ
34,44 スイッチング素子
35,43 コイル
36,45 整流素子
38 出力端子
41 整流回路
21,21A 制御部
51 スイッチング制御部
52 谷点検出部
53 谷点カウント部
54 タイミング制御部
55 時間計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10