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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161729
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】防火性能が向上されたパネル構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20221014BHJP
   E06B 5/16 20060101ALI20221014BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
E06B9/17 M
E06B5/16
E06B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066773
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】宮田 裕文
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA02
2E239CA12
2E239CA28
2E239CA43
2E239CA62
(57)【要約】
【課題】
オーバーヘッドドアのボトムセクションの防火性能を向上させる。
【解決手段】
本体5´と、本体5´の幅方向両端部に突設したガイドローラ7と、を備えたボトムセクション5において、ガイドローラ7の軸部70は本体5´内部の軸挿入部(要素13´)に挿入されており、軸部70の周りには空間Sが形成されており、本体5´内部には、空間Sに面して熱膨張耐火部材559が設けてある。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、
パネル本体の幅方向両端部に突設したガイドローラと、
からなり、
前記ガイドローラの軸部は前記パネル本体内部の軸挿入部に挿入されており、
前記軸部の周りには空間が形成されており、前記パネル本体内部には、前記空間に面して熱膨張耐火部材が設けてある、
防火性能が向上されたパネル構造。
【請求項2】
前記パネル本体は、オーバーヘッドドアのボトムセクションの本体であり、
前記ガイドローラは、前記ボトムセクションの下端部位に突設されている、
請求項1に記載のパネル構造。
【請求項3】
前記パネル本体の下端には、ボトム塞ぎ部材が設けてあり、
前記ボトム塞ぎ部材の上端部は、前記パネル本体内部に位置しており、
前記熱膨張耐火部材は、前記ボトム塞ぎ部材の上端部に設けてある、
請求項2に記載のパネル構造。
【請求項4】
前記パネル本体は、中空状で幅方向両端部の見込部が開放状のアルミニウム製のパネル本体であり、
前記パネル本体の幅方向両端部に前記見込部を閉塞するように金属製の端部カバーが設けられ、
前記端部カバーの内面には熱膨張耐火部材が設けられ、
前記端部カバーは、前記軸部の周りの空間の側方を塞いでる、
請求項2、3いずれか1項に記載のパネル構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火性能が向上されたパネル構造に係り、典型的な態様では、オーバーヘッドドアの防火構造およびパネル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数枚のパネルを高さ方向に連結してなるシャッターカーテンによって開口部を開閉するオーバーヘッドドアが知られている。オーバーヘッドドアでは、開口部全閉状態において、シャッターカーテンの幅方向両端部が開口部幅方向左右に立設した側枠内に受け入れられているが、シャッターカーテンの幅方向両端部と側枠との間には開口部全高に亘って空隙が存在しており、火災時に、この空隙を通って火災側(室外側)から非火災側(室内側)へ火炎が回り込むおそれがある。
【0003】
従来、防火仕様のオーバーヘッドドアでは、各パネルの室外側見付面の幅方向端部、及び、側枠の内面に遮炎材(熱膨張耐火部材)を設けることで、開口部全閉状態における開口部幅方向両端の高さ方向の防火性能を維持し、また、ボトムセクションの下端に塞ぎ体を設けることによって可及的に隙間が形成されないようにしている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、アルミニウム製の中空パネルを用いたものでは、火災時における時間経過によりパネルの見付面が溶融し、火炎による高温高圧の空気がパネル内部を通ってパネル幅方向両端面から側枠内に流れ、側枠の内部空間の上部へ抜ける上昇気流が発生するおそれがある。この上昇気流の流路には、パネルの幅方向両端面から突出するガイドローラが位置しており、上昇気流の熱風によりガイドローラの潤滑剤に引火して、室内側で火炎が発生するおそれがある。
【0005】
さらに、ボトムセクションの幅方向両端部の下方部位にはガイドローラが突設されているが、火災時の熱によって、ガイドローラの潤滑剤がローラ軸を伝って流れ出したりすることで、火種となるおそれがある。
【特許文献1】特開2009-235691
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、後者の課題を解決することを可能とするパネル構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が採用した技術手段は、
パネル本体と、
パネル本体の幅方向両端部に突設したガイドローラと、
からなり、
前記ガイドローラの軸部は前記パネル本体内部の軸挿入部に挿入されており、
前記軸部の周りには空間が形成されており、前記パネル本体内部には、前記空間に面して熱膨張耐火部材が設けてある、
防火性能が向上されたパネル構造、である。
【0008】
1つの態様では、前記パネル本体は、オーバーヘッドドアのボトムセクションの本体であり、
前記ガイドローラは、前記ボトムセクションの下端部位に突設されている。
【0009】
1つの態様では、前記パネル本体の下端には、ボトム塞ぎ部材が設けてあり、
前記ボトム塞ぎ部材の上端部は、前記パネル本体内部に位置しており、
前記熱膨張耐火部材は、前記ボトム塞ぎ部材の上端部に設けてある。
【0010】
1つの態様では、前記パネル本体は、中空状で幅方向両端部の見込部が開放状のアルミニウム製のパネル本体であり、
前記パネル本体の幅方向両端部に前記見込部を閉塞するように金属製の端部カバーが設けられ、
前記端部カバーの内面には熱膨張耐火部材が設けられ、
前記端部カバーは、前記軸部の周りの空間の側方を塞いでる。
1つの態様では、前記端部カバーには、前記ガイドローラの軸部を挿通させる開口が形成されている。
【0011】
典型的には、前記パネル本体は、オーバーヘッドドアのボトムセクションの本体であるが、オーバーヘッドドアの中間セクションの本体であってもよい。
本発明に係るパネル構造は、オーバーヘッドドアのパネル(セクション)に限定されるものではなく、例えば、パネルシャッターのパネルの構造に採用することも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、パネル本体と、パネル本体の幅方向両端部に突設したガイドローラと、からなり、前記ガイドローラの軸部は前記パネル本体内部の軸挿入部に挿入されており、前記軸部の周りには空間が形成されており、前記パネル本体内部に、前記空間に面して熱膨張耐火部材を設けることによって、火災時には、前記空間が、加熱により発泡した熱膨張耐火部材によって閉塞されることで、ガイドローラの軸部を伝っての潤滑剤の流れ出しを抑制し、当該パネル(典型的には、オーバーヘッドドアのボトムセクション)からの出火(被火災側への)が防止される。また、発泡した熱膨張耐火部材が前記空間を閉塞することで、ガイドローラの軸部の周辺の空気層が閉塞されるため、火災時において、軸部への伝熱が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るオーバーヘッドドアの側面図であり、オーバーヘッドドアは全閉姿勢にある。
図2】上図は、全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアを第2側(ガレージ内部)から見た正面図であり、同下図は、平面図である。
図3図1の横断面図である。
図4】シャッターカーテンを第2側から見た正面図、及び、シャッターカーテンの側面図である。
図5図4の正面図の部分拡大図である。
図6図4の側面図の部分拡大図である。
図7図1の上方部位の部分拡大図である。
図8図3の右側部位の部分拡大図である。
図9】上図は中間パネルを第2側から見た正面図、下図は中間パネルを第1側から見た正面図である。
図10図9上図の部分拡大図である。
図11】中間パネルの側面図である。
図12】熱膨張耐火部材が固定された中間パネル用端部カバーを示す図である。
図13】中間パネル用端部カバーに対する熱膨張耐火部材の固定について説明する図である。
図14】中間パネルのパネル本体の側面図、及び、中間パネルの接続方法を示す図である。
図15】ボトムセクション(ガイドローラが取り付けられていない状態)を示し、上図は第2側から見た正面図、下図は第1側から見た正面図である。
図16】ボトムセクション(ガイドローラが取り付けられた状態)を示し、上図は第2側から見た正面図、下図は第1側から見た正面図である。
図17】ボトムセクション(ガイドローラが取り付けられていない状態)の側面図である。
図18】ボトムセクション(ガイドローラが取り付けられた状態)の側面図である。
図19】熱膨張耐火部材が固定されたボトムセクション用端部カバーを示す図である。
図20】左図は、ボトム塞ぎ部材とボトム気密材(2点鎖線)を示し、右図は、ボトム塞ぎ部材を示す。
図21図16下図の部分拡大図である。
図22】左図は、ボトムセクションの下端部位を示す部分側面図であり、右図は、左図において、熱膨張耐火部材が膨張発泡した状態を示す。
図23】トップセクションを示し、上図は第2側から見た正面図、下図は第1側から見た正面図、右図は側面図である。
図24】熱膨張耐火部材が固定されたトップセクション用端部カバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[A]オーバーヘッドドアの全体構成
図1は全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの側面図であり、図2上図は全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアを室内側から見た正面図であり、同下図は平面図である。オーバーヘッドドアは、開口部を開閉する扉体ないしシャッターカーテン1を備えており、シャッターカーテン1の幅方向両端部がガイドレール2に案内されて昇降することで開口部を開閉するようになっている。本実施形態に係るオーバーヘッドドアは、車庫の開口部に設置されるガレージドアであり、左右の側壁W1、W2と上壁W3の下面から開口部が形成されている。また、本実施形態に係るガレージドアは防火タイプである。
【0015】
ガイドレール2は、開口部の幅方向両端の左右の側壁W1、W2に位置して設けられ、開口部の高さ方向に延びる第1部位(垂直部位)20と、第1部位20の上方から室内側(ガレージ内部)に向かって後方に延びる湾曲状の第2部位21と、天井面から支持され、第2部位21の後方から天井面CLに沿って後方に延びる第3部位22と、からなる。
【0016】
図2図3に示すように、左右の側壁W1、W2には、高さ方向に延びる側枠3が立設されており、側枠3は、対向状の第1辺30及び第2辺31と、底辺32と、から断面視コ字形状を備えている。側枠3の底辺32には、ガイドレール2の第1部位(垂直部位)20が取り付けられている。すなわち、ガイドレール2の第1部位(垂直部位)20は、側枠3内に位置して側枠3の底辺32に取り付けられている。第1辺30の前端には前辺300が折曲形成されており、前辺300には高さ方向に亘ってフィン301が取り付けてある。第2辺31の先端には前辺310が折曲形成されている。なお、図2上図に示すように、本実施形態に係る側枠3の室内側(ガレージ内部側)の第2辺31の上端部位は、ガイドレール2の第1部分20の上端まで延びておらず、ガイドレール2の第1部分20の上端部位は室内側において露出している。図8に示すように、本実施形態に係る側枠3は複数の部材から形成されているが、側枠3をどのように形成するかは当業者が適宜決定し得る事項である。
【0017】
オーバーヘッドドアの扉体ないしシャッターカーテン1は、横長方形状の複数枚のパネルないしセクション4、5、6を上下方向に互いに回動可能に連結することで構成されている。より具体的には、図4に示すように、シャッターカーテン1は、最上位のパネルないしトップセクション6と、最下位のパネルないしボトムセクション5と、トップセクション6とボトムセクション5との間に位置する複数枚の中間パネルないし中間セクション4と、から構成されている。本実施形態では、各セクション4、5、6の本体はアルミ型材から形成されている。なお、本明細書においてセクションとパネルは同じ意味で用いており、必要があれば互いに読み替えることができる。
【0018】
図4に示すように、各セクション4、5、6の幅方向両端部には、ガイドローラ7が突設されており、シャッターカーテン1は、幅方向両端部のガイドローラ7が左右のガイドレール2に案内されることでガイドレール2に沿って昇降するようになっている。開口部全閉状態ではシャッターカーテン1の幅方向両端部位が側枠3内に位置し、ガイドローラ7がガイドレール2の第1部位(垂直部位)20に位置することでシャッターカーテン1が垂直姿勢となり、シャッターカーテン1の下端が地面GLに接地して開口部を閉鎖する。開口部全閉状態から、垂直姿勢にあるシャッターカーテン1の幅方向両端部位のガイドローラ7が第3部位22に位置するほぼ水平姿勢まで引き上げられて、シャッターカーテン1が室内側空間の天井に沿って横方向に延びた姿勢となって、開口部全開状態となる。
【0019】
図2上図に示すように、開口部の上方には、開口幅方向に水平に延びる回転軸10が設けてある。回転軸10はバランススプリング10aを備えており、回転軸10の両端部に軸支したドラム10bに一端をそれぞれ固定した巻き取りワイヤ(図示せず)の他端を、シャッターカーテン1の下端部位の左右両端にそれぞれ接続して、バランススプリングの巻き上げ方向の付勢力により全閉姿勢にあるシャッターカーテン1を開放方向(上方)に付勢するように構成されている。
【0020】
本実施形態に係るオーバーヘッドドアは電動式であり、電動開閉機構は、開閉機Mと、トロリーレールTRと、トップセクション6の室内側面部である第2面61に連結されたアーム11と、を備え、アーム11の上端はトロリーレールTR上を移動可能となっており、開閉機Mによる連結アーム11の移動によってトップセクション6を始動させることで全閉姿勢にあるシャッターカーテン1を、ガレージの天井に沿って移動させる。
【0021】
[B]パネル構造
[B-1]中間セクションないし中間パネル
本実施形態に係る中間セクションないし中間パネル4の構成について説明する。本明細書において、特に明記しない場合には、中間セクションないし中間パネル4を「パネル4」と称して説明する。
【0022】
図9上図はパネル4を第2側から見た正面図、下図はパネル4を第1側から見た正面図である。図11は、パネル4の側面図である。図14は、パネル本体4´の側面図である。パネル4は、中空状で幅方向両端部の端面ないし見込部が開放状のアルミニウム製の本体4´と、パネル本体4´の幅方向両端部に該見込部を閉塞するように設けたスチール製の端部カバー8と、端部カバー8の内面に設けた熱膨張耐火部材9と、からなる。
【0023】
図14に示すように、パネル本体4´は、第1面40、第2面41、上面42、立ち上がり片43、上側連結部44、下面45´と一体形成された下側連結部45、内部の中間辺48、49を備えるように形成された中空状のアルミ型材である。本実施形態に係るパネル本体4´は、幅方向に延びる3つの中空部4A、4B、4Cを備えており、パネル本体4´の見込部において、中空部4A、4B、4Cの幅方向両端部は開口となっている。すなわち、パネル本体4´の見込部は、第1面40、第2面41、上面42、下面45´の幅方向端面と、中空部4A、4B、4Cの幅方向端部の開口と、から形成されている。図示の態様では、パネル本体4´の内部空間は中間辺48、49によって3つの中空部4A、4B、4Cを備えているが、中空状のパネル本体4´の中空部の数は限定されず、例えば、1つの中空部あるいは2つの中空部が形成されているものでもよい。
【0024】
パネル本体4´の第1側の第1面40、第2側の第2面41は、それぞれパネル4の見付面を形成しており、本実施形態では、シャッターカーテン1の全閉姿勢時には、第1面40は、室外側に面する室外側見付面となり、第2面41は、室内側(ガレージ内部)に面する室内側見付面となる。図9下図に示すように、パネル本体4´の第1面40(開口部全閉姿勢時に室外側に位置する面)の幅方向両端には、全高に亘って細幅で板状の熱膨張耐火部材400が固定されている。開口部全閉状態において、パネル本体4´の第1面40の幅方向両端部位に設けた熱膨張耐火部材400は、側枠3の第1辺30の内面に離間対向するようになっている。
【0025】
パネル本体4´の上端部位は、上面42と、上面42から立ち上がる立ち上がり片43と、立ち上がり片43の上端に一体形成され、上面42の上方に位置する上側連結部44と、を備えている。本実施形態に係るパネル本体4´において、上端部位の立ち上がり片43の表面は、第1面40と面一であり、パネル4の第1面40の上端部位が立ち上がり片43の表面を形成している。パネル4の上側連結部44は、側面視ないし断面視において欠円状の要素であり、上側かつ第2面41側の四分円が切り欠かれた欠円状の外周面440を備えている。
【0026】
パネル4の本体4´の下端部位には下側連結部45が形成されており、本実施形態では、パネル本体4´の下面45´は、下側連結部45の内周面450の部分から形成されている。下側連結部45の内周面450の径は上側連結部44の外周面440の径よりも僅かに大きい寸法となっており、一方のパネル4の下側連結部45と他方のパネル4の上側連結部44は、内周面450と外周面440が近接した状態で互いに周方向に回転自在に連結される。上下に隣接する2枚のパネル4は、上側に位置するパネル4の下側連結部45と、下側に位置するパネル4の上側連結部44を介して、互いに回動可能に連結されている。
【0027】
上側連結部44と下側連結部45は、垂直姿勢の下側パネル4の上側連結部44の外周面440の少し下方に、水平姿勢の上側パネル4の下側連結部45の内周面450を水平方向から差し入れ、下側連結部45を斜め上方に移動させて上側連結部44を受け入れることで係止可能となっている(図14右図参照)。シャッターカーテン1の幅方向端面には、上側のパネル4の下側連結部45と下側のパネル4の上側連結部44との連結部分の端面を覆うように、エンドロック12が装着されている(図5図6参照)。
【0028】
パネル本体4´の上端部位は、立ち上がり片43の裏面に形成された上側嵌合受片46と、第2面41の上端ないし上面42の第2側の端部に形成された下側嵌合受片47と、を備えている。上側嵌合受片46及び下側嵌合受片47は、パネル4の全幅に亘って延びており、上側嵌合受片46及び下側嵌合受片47の幅方向両端部位には、ガイドローラ7を保持するローラホルダないしローラ支持部材13が嵌合されている。ローラホルダ13の中空部には、ガイドローラ7の軸部70が挿入されている(図5参照)。
【0029】
パネル本体4´の幅方向両端部には、開放状の見込部(中空部4A、4B、4Cの幅方向端部の開口)を閉塞するようにスチール製の端部カバー8が設けられる。端部カバー8は、パネル本体4´の第1面40、第2面41、上面42、下面45´の端面から形成される外形に対応する縦長形状を備えており、端部カバー8の内面には、熱膨張耐火部材9が設けてある。
【0030】
図12図13に示すように、端部カバー8は、上側の中空部4A、中央の中空部4B、下側の中空部4Cの上半部を塞ぐような高さ寸法を備えた第1部分80と、下側の中空部4Cの下半部を塞ぐような高さ寸法を備えた第2部分81と、を備え、第1部分80の下端と第2部分81の上端を接続する第3部分82と、からなる。第1部分80、第2部分81は垂直状に延びているが、第2部分81は第1部分80に対して内側に偏倚しており、後述するように、第1部分80をパネル本体4´の幅方向端面に位置させた時に、第2部分81はパネル本体4´の中空部4C内に位置するようになっている。
【0031】
端部カバー8の第1部分80の幅寸法は、パネル本体4´の幅寸法(第1面40の外面と第2面41の外面間の寸法)と略同じであり、第1部分80の上縁は、パネル本体4´の上面42の断面形状に沿った形状となっている。端部カバー8の第2部分81の幅寸法は、パネル本体4´の第1面40の内面と第2面41の内面間の寸法よりも僅かに小さい。
【0032】
図13に示すように、端部カバー8の第1部分80の内面には全域に亘って第1熱膨張耐火部材90が固定されている。本実施形態に係る第1熱膨張耐火部材90は、第1部分80と実質的に同じ形状・面積を備えた板状体である。本実施形態では、第1熱膨張耐火部材90は第1部分80の内面に接着されると共に、リベット16で第1部分80に固定されているが、固定手段は限定されない。
【0033】
図13に示すように、端部カバー8の第2部分81の内面には全域に亘って第2熱膨張耐火部材91が固定されている。本実施形態に係る第2熱膨張耐火部材91は、第2部分81と実質的に同じ形状・面積を備えた板状体である。本実施形態では、第2熱膨張耐火部材91は第2部分81の内面に接着されると共に、リベット16で第2部分81に固定されているが、固定手段は限定されない。
【0034】
図13に示すように、端部カバー8の第1部分80は、第1側の第1側縁800、第2側の第2側縁801を備えており、第2側縁801の上端部位及び下端部位には、取付片83が折り曲げ形成されている。端部カバー8は、第1部分80の内面に固定した第1熱膨張耐火部材90を、上側の中空部4A、中央の中空部4B、下側の中空部4Cの上半部を形成するパネル本体4´の幅方向の端面に当接させ、第2部分81及び第2部分81の内面に固定した第2熱膨張耐火部材91を、下側の中空部4Cの下半部に挿入した状態で、上下の取付片83をパネル本体4´の第2面41に当接させてリベット17で固定する。
【0035】
本実施形態では、端部カバー8の第1部分80の内面の周縁部位とパネル本体4´の幅方向の端面の間に第1熱膨張耐火部材90が位置しており、端部カバー8の第1部分80は、パネル本体4´の幅方向の端面には接触していない。パネル本体4´の幅方向端部に設けられた端部カバー8において、端部カバー8の第2部分81は、エンドロック12が装着される部位に対応している。1つの態様では、エンドロック12は、端部カバー8をパネル本体4´の幅方向端部に取り付ける前に装着されるが、エンドロック12の装着と端部カバー8の装着の順序は逆でもよい。
【0036】
[B-2]ボトムセクションないしボトムパネル
図15図22を参照しつつ、本実施形態に係るボトムセクション5について説明する。ボトムセクション5は、中空状で幅方向両端部の端面ないし見込部が開放状のアルミニウム製の本体5´と、本体5´の幅方向両端部に該見込部を閉塞するように設けたスチール製の端部カバー8´と、端部カバー8´の内面に設けた熱膨張耐火部材90´(図19参照)と、からなる。図16図18に示すように、ボトムセクション5の幅方向端部には、上側のガイドローラ7に加えて、下端部位に位置して下側のガイドローラ7が設けてある。図15図17に示すように、ボトムセクション5の本体5´は、第1面50、第2面51、上面52、立ち上がり片53、上側連結部54、下端部位(第1下端水平片501、第2下端水平片510)、内部の中間辺58、59を備えるように形成された中空状のアルミ型材である。ボトムセクション5の本体5´は、下端部位の形状を除いて、中間セクション4の本体4´の形状と同様の構成を備えており、中間セクション4の本体4´に係る説明を適宜援用することができる。
【0037】
シャッターカーテン1の全閉姿勢時には、ボトムセクション5の第1面50は、室外側に面する室外側見付面となり、ボトムセクション5の第2面51は、室内側(ガレージ内部)に面する室内側見付面となる。図15下図、図16下図に示すように、ボトムセクション5の本体5´の第1面50(開口部全閉姿勢時に室外側に位置する面)の幅方向両端には、略全高(図示の態様では、下端部位には設けられていない)に亘って細幅で板状の熱膨張耐火部材500が固定されている。開口部全閉状態において、本体5´の第1面50の幅方向両端部位に設けた熱膨張耐火部材500は、側枠3の第1辺30の内面に離間対向するようになっている。
【0038】
ボトムセクション5の本体5´の上端部位は、中間パネル4の上端部位と同様の構成を備えており、ボトムセクション5の上側連結部54は、ボトムセクション5の直上の中間パネル4の下側連結部45に回転自在に連結される。ボトムセクション5の本体5´の上端部位は、立ち上がり片53の裏面に形成された上側嵌合受片56と、第2面51の上端ないし上面52の第2側の端部に形成された下側嵌合受片57と、を備えている。上側嵌合受片56及び下側嵌合受片57は、ボトムセクション5の全幅に亘って延びており、上側嵌合受片56及び下側嵌合受片57の幅方向両端部位には、ガイドローラ7を保持するローラホルダないしローラ支持部材13が嵌合されている。ローラホルダ13の中空部には、上側のガイドローラ7の軸部70が挿入されている。
【0039】
ボトムセクション5の本体5´の下端部位は、第1面50の下端に形成した第1下端水平片501と、第2面51の下端に形成した第2下端水平片510と、を備えており、第1下端水平片501の先端と第2下端水平片510の先端は離間している。ボトムセクション5の本体5´の下端部位は、さらに、第1下端水平片501及び第2下端水平片510の上方に位置して、第1面50及び第2面51の下端部位の内面間を架け渡すように一体形成され、本体5´の全幅に延びる要素13´を備えており、要素13´の幅方向(長さ方向)両端部位が下側のガイドローラ7の軸部70の挿入部となっている(図21参照)。
【0040】
ボトムセクション5の下端部位は、中間パネル4の下端部位と異なり、ボトム塞ぎ部材55を備えており、ボトム塞ぎ部材55には、さらに、ボトム気密材55´が設けてある。上述のように、本実施形態において、要素13´は、ボトムセクション5の全幅に亘って延びており、ボトム塞ぎ部材55は、長さ方向の複数箇所において、螺子19で要素13´に固定されている(図17参照)。なお、本実施形態では、要素13´が、ガイドローラ7の軸部70の挿入部、ボトム塞ぎ部材55の被固定部、をそれぞれ形成する共通の要素となっているが、ガイドローラ7の軸部70の挿入部、ボトム塞ぎ部材55の被固定部が別個の要素から形成されてもよい。
【0041】
ボトムセクション5の本体5´の下端に設けられるボトム塞ぎ部材55は、ボトムセクション5の本体5´の幅方向に延びる長尺部材であって、図20に示すように、水平片からなる上端部550と、上端部550の下面から対向状に垂下する第1垂下片551、第2垂下片552と、第1垂下片551、第2垂下片552から互いに離間するように水平に延びる第1水平片553、第2水平片554と、第1水平片553から垂下する第1見付片555と、第1見付片555と対向するように、第2水平片554から垂下し、第1見付片555と対向する上側部位と、上側部位の下端から下方に延出する下側部位と、からなる第2見付片556と、第1見付片555の下端に第2見付片556に向かって突成された第1被係止片557と、第2見付片556の中間部位において、第1被係止片557と対向するように突成された第2被係止片558と、を備えている。ボトム塞ぎ部材55の上端部550の上面には、熱膨張耐火部材559が設けてある。本実施形態では、熱膨張耐火部材559は、ボトム塞ぎ部材55(上端部550)の全幅(全長)に亘って設けてある。
【0042】
ボトム塞ぎ部材55に支持されるボトム気密材55´は、ボトム塞ぎ部材55の長さ方向に延びる長尺部材であり、中空状の本体550´と、本体550´の上端に一体形成された第1係止片551´、第2係止片552´と、からなり、第1係止片551´が第1被係止片557に載るように係止し、第2係止片552´が第2被係止片558に載るように係止した状態で、ボトム塞ぎ部材55に支持されている。シャッターカーテン1が全閉姿勢にある時には、ボトムセクション5の下端のボトム気密材55´が着床して弾性変形して地面と密着し、この時、ボトム塞ぎ部材55の第1見付片556の下端は、地面に当接ないし近接することで、特に第1側が火災側の場合の防火性能を向上させている。
【0043】
ボトムセクション5の本体5´の下端部位は、第1面50の下端に形成した第1下端水平片501と、第2面51の下端に形成した第2下端水平片510と、を備えており、第1下端水平片501の先端と第2下端水平片510の先端は離間している。ボトム塞ぎ部材55が本体5´に固定された状態において、ボトム塞ぎ部材55の上端部550が本体5´の第1下端水平片501及び第2下端水平片510の上方に離間しており、ボトム塞ぎ部材55の第1垂下片551、第2垂下片552は、第1下端水平片501の先端と第2下端水平片510の先端間の開口から垂下している。ボトム塞ぎ部材55の第1水平片553は、本体5´の第1下端水平片501の下面に当接ないし近接しており、ボトム塞ぎ部材55の第2水平片554は、本体5´の第2下端水平片510の下面に当接ないし近接している。ボトム塞ぎ部材55が、本体5´の下端部位(第1下端水平片501の先端と第2下端水平片510の先端間の開口)を塞ぐようになっている。
【0044】
上述のように、ボトムセクション5の本体5´の下端部位は、第1下端水平片501及び第2下端水平片510の上方に位置して、第1面50及び第2面51の下端部位の内面間を架け渡すように一体形成された要素13´を備えている。図22左図に示すように、要素13´は、断面視略円筒状であり、ガイドローラ7の軸部70の外径と略同じ(挿入できる程度に僅かに大きい)内径を備えている。要素13´の外周の第1側の部分が第1面50の下端部位の内面と連結片502で連結されており、要素13´の外周の第2側の部分が第2面51の下端部位の内面と一体化されており、第1側の下端部位130´と第2側の下端部位131´との間に隙間が形成されており、ガイドローラ7の軸部70の周面の下方部位が前記隙間から露出している。
【0045】
ボトムセクション5の本体5´の幅方向両端の下端部位には、第1見付片180と、第2見付片181と、底片182と、から断面視コ字形状のブラケット18が設けてあり、第1見付片180には、巻き取りワイヤ(図示せず)の下端が固定されるワイヤ締結部183が設けてある。ブラケット18は、第1見付片180を本体5´の第1見付面50に当接させ、第2見付片181を本体5´の第2見付面51に当接させ、底片182を本体5´の下面(第1下端水平片501、第2下端水平片510)に当接させるようにしてボルト184で固定されている。本実施形態では、第1見付片180は、熱膨張耐火部材500の下端部位を覆うように固定されており、また、図21に示すように、底片182の半部(ボトム塞ぎ部材55の幅方向両端部位に位置する部位)は切り欠かれている。
【0046】
本実施形態に係るボトムセクション5の本体5´は、幅方向に延びる中空部を備えており、本体5´の見込部において、中空部の幅方向両端部は開口となっている。ボトムセクション5の本体5´の幅方向両端部には、開放状の見込部を閉塞するようにスチール製の端部カバー8´が設けられる。図19に示すように、端部カバー8´の面部80´は、ボトムセクション5の本体の見込部を全高に亘って塞ぐような高さ寸法を備えており、幅寸法は、本体の幅寸法(第1面50の外面と第2面51の外面間の寸法)と略同じであり、上縁は、本体5´の上面52に沿った形状となっており、下縁は、本体5´の下面(第1下端水平片501、第2下端水平片510)に沿った形状(水平縁)となっている。
【0047】
端部カバー8´の面部80´の内面には全域に亘って熱膨張耐火部材90´が固定されている。本実施形態では、熱膨張耐火部材90´は端部カバー8´の内面に接着されると共に、リベット16によって固定されているが、固定手段は限定されない。端部カバー8´の面部80´は、第1側の第1側縁800´、第2側の第2側縁801´を備えており、第2側縁801´の上端部位及び下端部位には、取付片83´が折り曲げ形成されている。端部カバー8´は、熱膨張耐火部材90´を、本体の端面に当接させ、上下の取付片83´を本体の第2面51に当接させてリベット17で固定する。本実施形態では、端部カバー8´の面部80´の内面の周縁部位と本体の幅方向の端面の間に熱膨張耐火部材90´が位置しており、端部カバー8´は本体の幅方向の端面には接触していない。端部カバー8´の面部80´の下方部位には、下側のガイドローラ7の軸部70及び要素13´に対応して円形状の開口84´が形成されている。下側のガイドローラ7は、本体5´に端部カバー8´を取り付けた後に、ガイドローラ7の軸部70を、開口84´から要素(挿入部)13´に挿入するようになっている。
【0048】
図22左図に示すように、ボトムセクション5の本体5´の下端部位には、第1面50の下端部位、第2面51の下端部位、第1下端水平片501、第2下端水平片510、要素13´、連結片502から空間Sが形成されており、空間Sは、下方がボトム塞ぎ部材55によって塞がれ、側方が端部カバー8´の面部80´によって塞がれており、下側のガイドローラ7の軸部70の周面の部分が露出部分として空間Sに面しており、ボトム塞ぎ部材55の上端部550の上面に設けた熱膨張耐火部材559は、空間Sに位置して、下側のガイドローラ7の軸部70の前記露出部分に対向している。開口部全閉状態において火災が発生すると、火災時の熱によって、熱膨張耐火部材559が発泡膨張して、発泡膨張した熱膨張耐火部材559´が空間Sを閉塞するようになっている(図22右図)。
【0049】
[B-3]トップセクションないしトップパネル
図23にトップセクション6を示す。トップセクション6の本体は、第1面60、第2面61、上面62、下面(エンドロック12によって隠れている)、内部の中間辺(一部の中間辺は端部カバー8´´によって隠れている)を備えるように形成された中空状のアルミ型材である。図2に示すように、本実施形態に係るトップセクション6は、中間パネル4に対して高さ寸法が大きくなっている。トップセクション6の下端部位は、中間パネル4の下端部位と同様の構成を備えており、中間パネル4の下端部位の説明を援用することができる。トップセクション6の下端部位は下側連結部を備えており、下側連結部は中間パネル4の下側連結部45と同じ形状となっており、側面視ないし断面視において欠円状の要素であり、欠円状の内周面を備えている。トップセクション6の下端部位は、下側連結部が、直下の中間パネル4の上端部位の上側連結部44に連結されるようになっている。
【0050】
トップセクション6の上端部位は、中間パネル4の上端部位と異なる。図7図23に示すように、トップセクション6の上面62には、幅方向に延びる部材63が取り付けてある。図7に示すように、部材63は、上面62に固定される水平固定片630と、水平固定片630から第1面60に沿って垂下して第1面60の上端部位に固定される垂直固定片631と、垂直固定片631の下端において第1面60から離間するように持ち出し状に水平に延びる水平片632と、水平片632の先端から垂下する垂下片633と、を備え、水平片632の下面には、幅方向に亘って熱膨張耐火部材634が固定されている。
【0051】
図23に示すように、トップセクション6の第1面60の幅方向両端には、第1面60に固定される第1片140と、第1面60から垂直に立ち上がるように延びる第2片141と、から平面視ないし断面視L形状の部材14が固定されている。部材14は、第1面60の全高に亘って延びており、部材14の第1片140には、全高に亘って細幅状の熱膨張耐火部材600が固定されている。第2片141は、トップセクション6の本体の幅方向端面と面一で延びている。
【0052】
本実施形態に係るトップセクション6の本体は、幅方向に延びる中空部を備えており、本体の見込部において、中空部の幅方向両端部は開口となっている。トップセクション6の本体の幅方向両端部には、開放状の見込部を閉塞するようにスチール製の端部カバー8´´が設けられる。
【0053】
図24に示すように、端部カバー8´´は、所定の高さ寸法を備えた第1部分80´´と、下側の低背の第2部分81´´と、を備え、第1部分80´´の下端と第2部分81´´の上端を接続する第3部分82´´と、からなる。端部カバー8´´の第1部分80´´の幅寸法は、トップセクション6の本体の幅寸法(第1面60の外面と第2面61の外面間の寸法)と略同じであり、端部カバー8´´の第2部分81´´の幅寸法は、トップセクション6の本体の第1面60の内面と第2面61の内面間の寸法よりも僅かに小さい。
【0054】
端部カバー8´´がトップセクション6の本体の幅方向端部に設けられた時に、端部カバー8´´の第2部分81´´は、エンドロック12が装着される部位に対応しており、第2部分81´´の上側に位置する第1部分80´´の上端は、トップセクション6の本体の上端までは達していない。よって、本実施形態では、トップセクション6の幅方向端面の上方部位は開放状となっているが、開口部全閉状態において、トップセクション6の第1面部60の上端部位は上壁W3の内側に位置している。
【0055】
端部カバー8´´の第1部分80´´の内面には全域に亘って第1熱膨張耐火部材90´´が固定されている。本実施形態に係る第1熱膨張耐火部材90´´は、第1部分80´´と実質的に同じ形状・面積を備えた板状体である。本実施形態では、第1熱膨張耐火部材90´´は第1部分80´´の内面に接着されると共に、リベット16で第1部分80´´に固定されているが、固定手段は限定されない。
【0056】
端部カバー8´´の第2部分81´´の内面には全域に亘って第2熱膨張耐火部材91´´が固定されている。本実施形態に係る第2熱膨張耐火部材91´´は、第2部分81´´と実質的に同じ形状・面積を備えた板状体である。本実施形態では、第2熱膨張耐火部材91´´は第2部分81´´の内面に接着されると共に、リベット16で第1部分80´´に固定されているが、固定手段は限定されない。
【0057】
端部カバー8´´の第1部分80´´は、第1側の第1側縁800´´、第2側の第2側縁801´´を備えており、第2側縁801´´の上端部位及び下端部位には、取付片83´´が折り曲げ形成されている。端部カバー8´´は、第1部分80´´の内面に固定した第1熱膨張耐火部材90´´を、トップセクション6の本体の幅方向の端面に当接させ、第2部分81´´及び第2部分81´´の内面に固定した第2熱膨張耐火部材91´´を、下側の中空部の下半部に挿入した状態で、上下の取付片83´´を第2面61に当接させてリベット17で固定する。
【0058】
本実施形態では、端部カバー8´´の第1部分80´´の内面の周縁部位とトップセクション6の本体の幅方向の端面の間に第1熱膨張耐火部材90´´が位置しており、端部カバー8´´の第1部分80´´は、トップセクション6の本体の幅方向の端面には接触していない。1つの態様では、エンドロック12は、端部カバー8´´をトップセクション6の本体の幅方向端部に取り付ける前に装着されるが、エンドロック12の装着と端部カバー8´´の装着の順序は逆でもよい。
【0059】
[C]防火構造
開口部全閉状態においては、シャッターカーテン1(セクション4、5、6)の幅方向両端部のガイドローラ7がガイドレール2の第1部位20内に位置して、垂直姿勢となって開口部を塞いでいる。本実施形態に係るオーバーヘッドドアは防火タイプであり、開口部全閉状態において防火構造が形成されている。
【0060】
[C-1]開口部全閉状態における開口部上方部位の防火構造
図7に示すように、本実施形態に係るオーバーヘッドドアでは、開口部全閉時に開口部上方部位に、シャッターカーテン側の部材63と躯体側の部材15から、いわゆるあいじゃくり構造が形成されており、さらに、熱膨張耐火部材634、153を設けることで、防火構造を形成している。以下に、より具体的に説明する。
【0061】
開口部の上方の室外側に位置する躯体には、取付片150と、取付片150の下端から室内側に水平に延びる水平片151と、水平片151の先端から垂直に立ち上がる立ち上がり片152と、からなる部材15が設けてあり、立ち上がり片152の外面には長さ方向に亘って熱膨張耐火部材153が設けてある。
【0062】
開口部全閉状態において、トップセクション6に設けた部材63の水平片632は、躯体側の部材15の立ち上がり片152の上端の上方に離間した位置で水平に延びており、部材63の垂下片633の下半部位と部材15の立ち上がり片152の内面の上半部位は離間対向している。部材15の立ち上がり片152の外面に固定した熱膨張耐火部材153は、トップセクション6の第1面60の上方部位に離間対向している。火災時には、火災時の熱で熱膨張耐火部材634、153が発泡して膨張することで、シャッターカーテン1の上端部位と躯体との隙間を閉塞し、シャッターカーテン1の上端部位と躯体との隙間から火炎や高温の煙が回り込むことを防止している。
【0063】
[C-2]開口部全閉状態における開口部幅方向両端部位の防火構造
開口部全閉状態では、シャッターカーテン1の幅方向両端部は、開口部左右の側枠3内に受け入れられており、各セクション4、5、6の第1面40、50、60は、側枠3の第1辺30の内面に離間対向している。各中間セクションないし中間パネル4の第1面40の幅方向両端には全高に亘って熱膨張耐火部材400が設けてある。ボトムセクション5の第1面50の幅方向両端には全高に亘って熱膨張耐火部材500が設けてある。トップセクション6の第1面60の幅方向両端には、部材14の第1片140を介して、全高に亘って細幅状の熱膨張耐火部材600が固定されている。
【0064】
すなわち、全閉姿勢にあるシャッターカーテン1の第1面の幅方向両端部には、高さ方向に亘って熱膨張耐火部材が連続状に設けてあり、これらの熱膨張耐火部材は、側枠3の第1辺30の内面に離間対向している。また、側枠3の内部空間には、ガイドレール2の第1部分20の第1側に位置して見込方向に延びる部材23が高さ方向に亘って設けてあり、部材23には高さ方向に亘って熱膨張耐火部材24が設けてある。火災時には、火災時の熱で熱膨張耐火部材400、500、600、24が発泡して膨張することで、シャッターカーテン1の幅方向両端部位と側枠3との隙間を高さ方向に亘って閉塞し、シャッターカーテン1の幅方向両端部位と側枠3の隙間から火炎や高温の煙が回り込むことを防止している。
【0065】
[C-3]開口部全閉状態におけるシャッターカーテン面部の防火構造
開口部全閉状態において、火災が発生すると、シャッターカーテン1の面部は高温に晒される。例えば、開口部全閉状態において、室外側で火災が発生すると、シャッターカーテン1の第1面が高温に晒される。この時、各セクション4、5、6は、第1面40、50、60、第2面41、51、61、その間の中空部と、から所定の厚さ及び容量を備えているが、火災時における時間経過によりパネルの見付面が溶融すると、火炎による高温高圧の空気がパネル内部に入り込む。
【0066】
本実施形態では、各セクション4、5、6の幅方向両端部は、端部カバー8、8´、8´´によって閉塞されていると共に、端部カバー8、8´、8´´の内面には熱膨張耐火部材9(90、91、90´、90´´、91´´)が設けてあり、火災時には、火災時の熱によって、熱膨張耐火部材9が膨張して各セクション4、5、6の中空部の幅方向端部を閉塞するので気密性が向上する。仮に、各セクション4、5、6の端部領域が熱変形したとしても、各セクション4、5、6の幅方向両端部の閉塞状態は、熱膨張した熱膨張耐火部材9によって維持される。
【0067】
セクション4、5、6のいずれかの表面が溶けて、内部に高温高圧の空気が流れ込んでも、幅方向端部から流れ出ることがなく、火炎が各セクション4、5、6の中空部を通って端部から側枠の内部空間へ流れる熱気流の発生を防止することができ、ガイドローラ7が熱風に晒されて潤滑剤に引火して室内側に火炎を生じさせることがない。また、熱膨張耐火部材9が、各セクション4、5、6の中空部の幅方向端部で膨張することによって、膨張した熱膨張耐火部材9によって、セクション4、5、6の内部に流れ込んだ高温高圧の空気からローラ軸への伝熱を低減させることができる。
【0068】
[C-4]開口部全閉状態における開口部幅方向両端の下端部位の防火構造
ボトムセクション5の本体5´の下端部位には、下側のガイドローラ7が設けてあり、ガイドローラ7の軸部70が、要素13´の幅方向両端部位から形成された挿入部に挿入されている。本実施形態では、ガイドローラ7の軸部70の周面の部分がボトムセクション5の本体5´の下端部位の空間Sに面している。ガイドローラ7のベアリング部分には可燃要素である潤滑剤が存在しており、潤滑剤が火災時の高温に晒されると潤滑剤がガイドローラ7の軸部70を伝って流れて発火するおそれがある。ボトムセクション5の本体5´の下端部位の空間Sは、下方がボトム塞ぎ部材55によって塞がれ、側方が端部カバー8´の面部80´によって塞がれている閉塞空間であるが、本体5´の下端部位および/あるいはボトム塞ぎ部材55が熱変形することで隙間が生じて、当該隙間から出火するおそれもある。あるいは、ガイドローラ7の軸部70の周面の潤滑剤がボトム塞ぎ部材55を伝ってボトムセクション5の外部に流れ出して火種となるおそれもある。
【0069】
本実施形態では、ボトム塞ぎ部材55の上端部550の上面に設けた熱膨張耐火部材559が、空間Sに位置しており、下側のガイドローラ7の軸部70の前記露出部分に対向している。開口部全閉状態において火災が発生すると、火災時の熱によって、熱膨張耐火部材559が空間S内で発泡膨張して、空間Sを閉塞するようになっている(図22右図)。発泡した熱膨張耐火部材559が空間Sを閉塞することで、ガイドローラ7の軸部70に伝わった潤滑剤の噴出や着火を抑制し、ボトムセクション5からの出火(被火災側への)が防止される。また、発泡した熱膨張耐火部材559´が空間Sを閉塞することで、ガイドローラ7の軸部70の周辺の空気層が閉塞されるため、火災時において、軸部70への伝熱が抑制される。本実施形態では、熱膨張耐火部材559を設けたボトム塞ぎ部材55を、ボトムセクション5の本体5´の下端部位に、長さ方向からスライドさせて取り付けることによって、閉塞空間である空間Sの内部に熱膨張耐火部材559を配置することができ、施工性が良好である。なお、本実施形態では、熱膨張耐火部材559は、ボトム塞ぎ部材55の全幅(全長)に亘って設けてあるが、少なくとも、要素13´の長さ方向の両端部位の挿入部の周辺の空間に位置して設けてあればよい。
【0070】
[付記]
背景技術における前者の課題を解決する技術手段は、以下の通りである。
複数枚のパネルを高さ方向に連結してシャッターカーテンを形成し、パネルの幅方向両端部に設けたガイドローラが、開口部幅方向両端から天井に沿って延びるガイドレールに案内されることで、開口部を開閉するオーバーヘッドドアにおいて、
開口部全閉状態では、パネルの幅方向の端部が開口部幅方向両側に立設された側枠内に受け入れられており、前記ガイドローラは当該側枠内に設けたガイドレールの垂直部位に位置しており、
前記側枠の内面、および/あるいは、パネルの見付面の幅方向端部には、側枠の内部空間に面して熱膨張耐火部材が設けてあり、
前記パネルは、中空状で幅方向両端部の見込部が開放状のアルミニウム製のパネル本体と、前記パネル本体の幅方向両端部に前記見込部を閉塞するように設けた金属製の端部カバーと、前記端部カバーの内面に設けた熱膨張耐火部材と、からなる、
オーバーヘッドドアの防火構造。
上記技術手段を採用することで、パネルの幅方向端部には熱膨張耐火部材を備えた端部カバーが設けてあり、火災時には、パネルの中空部の幅方向両端部を加熱により発泡した熱膨張耐火部材によって閉塞されるので、開口部全閉状態において、パネルの火災側の面部が溶融してパネル内部に高温の空気が流れ込んだような場合であっても、高温の空気が幅方向端部から流れ出ることがなく、火炎がパネルの中空部を通って端部から側枠の内部空間へ流れる熱気流の発生を防止することができ、ガイドローラが熱風に晒されて潤滑剤に引火して室内側に火炎を生じさせることを防止する。
1つの態様では、前記端部カバーの内面に設けた前記熱膨張耐火部材の一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面と前記端部カバーの内面の間に位置している。
1つの態様では、前記端部カバーの内面に設けた前記熱膨張耐火部材の一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面の内側に位置している。
1つの態様では、前記端部カバーの一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面の内側に位置している。
後述する実施形態の1つでは、端部カバーは、第1部分と第2部分とを備え、第1部分の内面には第1熱膨張耐火部材が設けられ、第2部分の内面には第2熱膨張耐火部材が設けられ、第1熱膨張耐火部材は、パネル本体の端面と第1部分の間に位置しており、第2部分及び前記第2熱膨張耐火部材は、パネル本体の端面の内側に位置しており、パネル本体の端面には、第2部分の外側に位置してエンドロックが設けてある。
本発明が採用した他の技術手段は、
中空状で幅方向両端部の見込部が開放状のアルミニウム製のパネル本体と、
前記パネル本体の幅方向両端部に前記見込部を閉塞するように設けた金属製の端部カバーと、
前記端部カバーの内面に設けた熱膨張耐火部材と、からなる、
パネル構造、である。
1つの態様では、前記端部カバーの内面に設けた前記熱膨張耐火部材の一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面と前記端部カバーの内面の間に位置している。
1つの態様では、前記端部カバーの内面に設けた前記熱膨張耐火部材の一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面の内側に位置している。
1つの態様では、前記端部カバーの一部または全部は、前記見込部を形成するパネル本体の端面の内側に位置している。
【符号の説明】
【0071】
5 ボトムセクションないしボトムパネル
5´ 本体
55 ボトム塞ぎ部材
550 上端部
559 熱膨張耐火部材
7 ガイドローラ
70 軸部
13´ 要素(ボトムセクションの下側のガイドローラの軸部の挿入部)
S 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24