(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161749
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】水切りごみ袋
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B65F1/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066813
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】515327052
【氏名又は名称】岡田 佳子
(72)【発明者】
【氏名】岡田 佳子
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023BA02
3E023BA03
3E023BA13
3E023FA02
3E023FA03
3E023FA07
3E023MA05
3E023MB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生ごみ等を投入する開口部を隙間なく蓋をすることで開口部からの生ごみ等による悪臭の放散が無く、生ごみ等を捨てる際には自立していた水切りごみ袋自体を捨てることになるため汚れが付着する容器等が無く衛生的で廉価である水切りごみ袋を提供する。
【解決手段】底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部9を形成し、自立後の側面部7に水切り孔8を設けた水切りごみ袋であって、自立状態の際に対向する一対の開口辺部の少なくとも一の開口辺部を上方に延設してカバー部10を形成し、カバー部10の上端両側に一対の耳部11を設け、カバー部10と対向する開口辺部を上方に延設して係止辺部12を形成し、係止辺部12に一対の切込み部13を設け、カバー部10の耳部11が切込み部13と嵌合することで、開口部9がカバー部10によって閉じられる如く形成したことを特徴とする水切りごみ袋である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の側面部に水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態の際に対向する一対の開口辺部の少なくとも一の開口辺部を上方に延設してカバー部を形成し、
カバー部は開口部を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成され、
カバー部の上端両側に一対の耳部を設け、
カバー部と対向する開口辺部を上方に延設して係止辺部を形成し、
係止辺部に一対の切込み部を設け、
カバー部の耳部が切込み部と嵌合することで、開口部がカバー部によって閉じられる如く形成したことを特徴とする水切りごみ袋。
【請求項2】
底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の側面部に水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態の際に対向する一対の開口辺部をそれぞれ上方に延設して2つのカバー部を形成し、
各カバー部は開口部を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成され、
各カバー部の上端両側に一対の耳部を設け、
各カバー部に一対の切込み部を設け、
一のカバー部の耳部が対向するカバー部の切込み部と嵌合することで、開口部が一のカバー部によって閉じられる如く形成したことを特徴とする水切りごみ袋。
【請求項3】
不透明な可撓性材料で形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水切りごみ袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部が略水平方向に広がることにより自立し、上部が、広がった底部と略同形状に開口状態に保持されて開口部と成し、自立後の側面部に水切り孔が設けられている水切りごみ袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変形しない湾曲部材(1)と、この部材と同じ長さを有し、かつ両端部を、前記湾曲部材(1)と連結した可撓変形可能な可変部材(2)からなる袋開閉具(A)と、この袋開閉具(A)の挟着部(3、4、5、6)に取り付ける袋(B)と、前記袋開閉具(A)の被係止部(7)に、取り付ける自立スタンド(C)からなる生ゴミ容器が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、平板状容器部と、前記平板状容器部の内側に設置する袋状の内挿体とを備え、前記平板状容器部は、前面及び後面を形成する可とう性シートの底辺と両側の側面を繋ぎ、上辺に開口部を有し、前記前面及び後面を形成する前記シートは可とう性により広げた前記開口部を閉じる方向に力が働き、前記開口部を形成した前面又は後面シートのうち、少なくとも一方に、前記内側に設置された内挿体を係止するための係止手段を有することを特徴とする生ごみ入れが提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、生ゴミ等の収納用水切り袋であって、該袋の開口部の中央の両側に、該袋を結ぶ為に結び手を通す穴ならびに縦、横、十字の切り込み等を設けた結び手を設けて、一方の結び手をもう一方の結び手の穴ならびに切り込みに通して、その通した片方の結び手を片手で持って、該袋のセットした容器、用具等から、生ゴミの入った該袋を取り上げて持ち上げたまま、空中で結ぶ事ができる生ゴミ収納水切り袋が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-168902号公報
【特許文献2】特開2017-36136号公報
【特許文献3】特開2001-97502号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1の生ゴミ容器は、袋(B)そのものが自立するものではないため、自立スタンド(C)に取り付けられた袋開閉具(A)に袋(B)を取り付ける構成となっていて、袋(B)を取り換える度に新たな袋(B)を袋開閉具(A)に取り付ける必要があり手間が掛かるという課題がある。また袋開閉具(A)は変形しない湾曲部材(1)と可撓変形可能な可変分材(2)をそれぞれの両端で連結した構成となっており、その構成は複雑であるため高価であるという課題があり、さらには、該袋開閉具(A)が汚れて非衛生的な状態に成る可能性があるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2の生ごみ入れは、開口部が可とう性シートの変形により閉じるという効果を有するものの、底部は直線状であるため何の支えもないと自立することが出来ない、という課題がある。また、内挿体という袋状のものを内側に挿入して使用するものであるため、該生ごみ入れ自体が上記特許文献1の生ゴミ容器と同様に、汚れて非衛生的な状態に成る可能性があるという課題がある。
【0008】
また、特許文献3の生ゴミ収納水切り袋は、結び手をもう一方の結び手の穴等に通すことで持ち手が形成される効果があるものの、開口部は蓋をした状態とはならず、生ゴミから発生する悪臭が開口部の一部より放散される場合がある、という課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、水切りごみ袋自体が自立し、生ごみ等を投入する開口部を隙間なく蓋をすることで開口部からの生ごみ等による悪臭の放散が無く、生ごみ等を捨てる際には自立していた水切りごみ袋自体を捨てることになるため汚れが付着する容器等が無く衛生的で廉価である水切りごみ袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するため、請求項1記載の発明は、底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の側面部に水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態の際に対向する一対の開口辺部の少なくとも一の開口辺部を上方に延設してカバー部を形成し、
カバー部は開口部を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成され、
カバー部の上端両側に一対の耳部を設け、
カバー部と対向する開口辺部を上方に延設して係止辺部を形成し、
係止辺部に一対の切込み部を設け、
カバー部の耳部が切込み部と嵌合することで、開口部がカバー部によって閉じられる如く形成したことを特徴とする水切りごみ袋を提供する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の側面部に水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態の際に対向する一対の開口辺部をそれぞれ上方に延設して2つのカバー部を形成し、
各カバー部は開口部を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成され、
各カバー部の上端両側に一対の耳部を設け、
各カバー部に一対の切込み部を設け、
一のカバー部の耳部が対向するカバー部の切込み部と嵌合することで、開口部が一のカバー部によって閉じられる如く形成したことを特徴とする水切りごみ袋を提供する。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、不透明な可撓性材料で形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水切りごみ袋を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る水切りごみ袋は、底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部が形成されるが、該開口部は、一つのカバー部で覆うことができ、またカバー部の上端両側の一対の耳部が対向する係止辺部又は対向するカバー部の切込み部に嵌合するため、開口部を覆って蓋状態となっているカバー部は容易には開口部を開放させることがない効果がある。このため水切りごみ袋に生ごみ等を入れ、カバー部にて開口部を覆って蓋状態とした際には、開口部からの生ごみ等の悪臭の放散を確実に防止することが出来るという効果がある。
【0014】
特には、カバー部と対向する係止辺部及び対向するカバー部は、
図9、
図10、
図19、
図20に示すように開口部の開口辺部より下方へ折り曲げることができ、これにより係止辺部又は対向するカバー部に設けられた切込み部も開口辺部よりも下方位置となり、この位置で切込み部とカバー部の耳部を嵌合させるとカバー部は下方向に屈曲することになり、これにより開口部が強く閉じられてしっかりと蓋をした状態となって、開口部からの生ごみ等の悪臭の放散をより確実に防止することが出来る効果がある。
【0015】
さらには請求項1記載の水切りごみ袋においては、係止辺部に設ける切込み部の位置を係止辺部の開口辺部からより遠い位置に設け、カバー部に設けられた耳部を該切込み部と嵌合させた際、開口部が狭まるように形成すれば、開口部がカバー部によってより強く閉じられる効果があり、開口部からの生ごみ等の悪臭の放散を上記よりも増して確実に防止することが出来る効果がある。請求項2記載の水切りごみ袋においても、同様にカバー部に設ける切込み部の位置を、カバー部に設けられた耳部を対向するカバー部の切込み部と嵌合させた際、開口部が狭まる位置に設けることで、開口部がカバー部によってより強く閉じられる効果があり、開口部からの生ごみ等の悪臭の放散を上記よりも増して確実に防止することが出来る効果がある。
【0016】
また、カバー部の耳部と、対向する係止辺部又は対向するカバー部の切込み部との嵌合を外せば開口部をもう一度開放させて新たに生ごみを追加投入することが出来る効果がある。
【0017】
また、袋内に生ごみが満杯になった際には、請求項2に記載の水切りごみ袋については、対向するカバー部同士を結び合わせることが出来、しっかりと結びあわせれば開口部は略閉じられた状態となる共に、結び合わせた部分を持ち手として手で持つことが出来る効果があり、これにより中に入れた生ごみをこぼれない状態で移動させ廃棄することが出来る効果がある。請求項1に記載の水切りごみ袋についても、係止辺部をカバー部と同等の長さ又はカバー部と結び合わすことが出来る程度の長さに形成すれば、同様にカバー部と係止辺部を結び合わせることで、中に入れた生ごみをこぼれない状態で移動させ廃棄することが出来る効果がある。
【0018】
また、請求項2に係る水切りごみ袋は、
図11乃至
図18に示されるように前後対称(前が正面部で後が裏面部とした際)の構成に形成されているため、
図1乃至
図8に示される請求項1に係る前後非対称の本水切りごみ袋を製造する場合と比較して製造に係る工程数が少ないという効果があり、結果として廉価であるという効果がある。
【0019】
また、請求項2に係る水切りごみ袋は、開口部の蓋となるカバー部が2つあるため、底部を略水平方向に広げて自立させた際、前後の区別なく設置することが出来る効果があり、例えば設置後に後にあるどちらか一つのカバー部にて開口部を覆って蓋をした状態とすることが出来る効果があり、ストレスなく使用することができる効果がある。
【0020】
また、請求項3記載の水切りごみ袋は、不透明な可撓性材料で作られているため、生ごみが外から見えず、見た目にも衛生的である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の正面図である。
【
図2】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の左側面図である。
【
図3】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の平面図である。
【
図4】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の底面図である。
【
図5】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例のA-A断面図である。
【
図6】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例のB-B断面図である。
【
図7】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例のC-C断面図である。
【
図8】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって、底部を広げて自立させた状態を示す状態斜視図である。
【
図9】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ係止辺部を下方向に折り曲げた状態を示す状態斜視図である。
【
図10】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ係止辺部の切込み部にカバー部の耳部を嵌合させてカバー部にて開口部を覆って蓋をした状態を示す状態斜視図である。
【
図11】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の正面図である。
【
図12】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例の右側面図である。
【
図13】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例の平面図である。
【
図14】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例の底面図である。
【
図15】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例のD-D断面図である。
【
図16】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例のE-E面図である。
【
図17】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例のF-F断面図である。
【
図18】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例であって、底部を広げて自立させた状態を示す状態斜視図である。
【
図19】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ一のカバー部を立て、これと対向するカバー部を下方向に折り曲げた状態を招待斜視図である。
【
図20】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ一のカバー部の耳部を、対向するカバー部の切込み部に嵌合させてカバー部にて開口部を覆って蓋をした状態を示す状態斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に本願の請求項1に係る水切りごみ袋の実施例について
図1乃至
図10に基いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本願請求項1に係る水切りごみ袋1の実施例の正面図であり、底部2を略水平方向に広げることで自立させることができる水切りごみ袋1である。
図1乃至
図7は、いずれも底部2を略水平方向に広げる前の所謂マチ部3が折り畳まれた状態の水切りごみ袋1を示していて、底部2を広げると
図8乃至
図10に示すように左右のマチ部3の下部3aは三角形状に折り畳まれ、水切りごみ袋1の正面部4の下部4a及び裏面部5の下部5aは、マチ部3の折り畳まれた長さ分、略水平方向に広がりながら底面部6へと変化し、前記三角形状に折り畳まれたマチ部3の下部3aと重層状態となって水切りごみ袋1は自立するように成っている。
【0024】
水切りごみ袋1を上記のように自立させた後の4つの側面部7(自立させる前の正面部4、裏面部5及び左右のマチ部3に当たる)には水切り孔8が複数個穿設されていて、自立後の水切りごみ袋1に投入された生ごみ等から滲出する水分を外に排出するように成っている。
【0025】
図8及び
図9に示すように水切りごみ袋1が自立状態の際には、左右のマチ部3と正面部4と裏面部5は略垂直状態に保持されてこれらにて開口部9を形成し、該開口部9の4つの開口辺部のうち、正面部4と裏面部5によって形成される開口辺部4bと開口辺部5bは対向する一対の開口辺部となる。
【0026】
本実施例では対向する一対の開口辺部の一つである開口辺部5bは上方に延設されてカバー部10を形成し、該カバー部10は前記開口部9の全体を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成されている。またカバー部10の上端両側には一対となる三角形状の耳部11が設けられ、該耳部11は下部から上部にかけて幅広くなるように形成されている。これは後述の切込み部13に耳部11を嵌合させた際に、耳部11が容易に切込み部13より脱落しないための形状である。したがって耳部11が切込み部13に嵌合した際に容易に該嵌合が外れなければ耳部11の形状は三角形状以外の形状であってもよい。
【0027】
カバー部10と対向する開口辺部4bは上方に延設して係止辺部12を形成し、該係止辺部12は前記カバー部10よりも小さく形成されている。また係止辺部12にはマチ部3側になる左右にそれぞれ外側より切り込まれた一対の切込み部13が設けられている。係止辺部11は前記カバー部10の耳部11を嵌合させる切込み部13を設けるための構成部材であり、該切込み部13が設けられる大きさと形状であればよい。切込み部13が係止辺部12の左右の外側から切り込まれて形成されているのは、前記カバー部10の耳部11を係止辺部12の外側から、切込み部13に容易に嵌合させることが出来るようにしたものである。また切込み部13が切り込まれる位置は、前記カバー部10の耳部11と容易に嵌合し、嵌合した際に開口部9が閉じられて蓋をした状態になれば、どのような位置に設けても良い。
【0028】
カバー部10の大きさは、前記のように開口部9全体を覆って蓋をすると共に、蓋をした状態でカバー部10の上部に設けられた耳部11が係止辺部12の切込み部13に嵌合して開口部が閉じられるように成っていて、この状態を示したのが
図10である。
【0029】
なお、本実施例ではカバー部10は開口辺部5bを延設して設け、係止辺部12は開口辺部4bを延設して設けたが、開口部9において対向する開口辺部であればどこに設けても良く、例えば左右マチ部3のどちらかを上方に延設してカバー部10を形成し、もう一方のマチ部3を上方に延設して係止辺部12を形成しても良く、さらには開口部9が四角形状ではなく例えば楕円形状等の角部を有しない形状の場合であっても、対向する開口辺部の一つを延設してカバー部10を形成し、もう一方の開口辺部を延設して係止辺部12を形成しても良い。
【0030】
次に本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例について
図11乃至
図20に基いて詳細に説明する。
【0031】
図11乃至
図20に示される水切りごみ袋21の基本的な構成は、上記本願請求項1に係る水切りごみ袋1と同一である。水切りごみ袋1と水切りごみ袋21の構成の相違は、自立状態の際に対向する一対の開口辺部のうち一の開口辺部を上方に延設してカバー部10を形成し、他の開口辺部を上方に延設して係止辺部12を形成し、該係止辺部12に切込み部13を設けているのがすでに説明した上記の請求項1に係る水切りごみ袋1であるのに対し、
図11乃至
図20に示す請求項2に係る水切りごみ袋21は、自立状態の際に対向する一対の開口辺部のそれぞれを上方に延設して2つのカバー部を形成し、各カバー部に切込み部を設け、どちらのカバー部によってでも開口部を覆って蓋をするように閉じられるように構成したものである。したがって使用の際は、2つのカバー部のうちどちらかを選択して使用すればよい。改めて請求項2に係る水切りごみ袋21について、基本的な構成を含めて説明する。
【0032】
図11は、本願請求項1に係る水切りごみ袋21の実施例の正面図であり、底部22を略水平方向に広げることで自立させることができる水切りごみ袋21である。
図11乃至
図17は、いずれも底部22を略水平方向に広げる前の所謂マチ部23が折り畳まれた状態の水切りごみ袋21を示していて、底部22を広げると
図18乃至
図20に示すように左右のマチ部23の下部23aは三角形状に折り畳まれ、水切りごみ袋21の正面部24の下部24a及び裏面部25の下部25aは、マチ部23の折り畳まれた長さ分、略水平方向に広がりながら底面部26へと変化し、前記三角形状に折り畳まれたマチ部23の下部23aと重層状態となって水切りごみ袋1は自立するように成っている。
【0033】
水切りごみ袋21を上記のように自立させた後の4つの側面部27(自立させる前の正面部24、裏面部25及び左右のマチ部23に当たる)には水切り孔28が複数個穿設されていて、自立後の水切りごみ袋1に投入された生ごみ等から滲出する水分を外に排出するように成っている。
【0034】
図18及び
図19に示すように水切りごみ袋1が自立状態の際には、左右のマチ部23と正面部24と裏面部25は略垂直状態に保持されてこれらにて開口部29を形成し、該開口部29の4つの開口辺部のうち、正面部24と裏面部25によって形成される開口辺部24bと開口辺部25bは対向する一対の開口辺部となる。
【0035】
本実施例では対向する一対の開口辺部24b及び25bは共に上方に延設されてカバー部30、30を形成し、該カバー部30、30は前記開口部29の全体を覆って蓋をすることが可能な大きさに形成されている。またカバー部30、30の上端両側には一対となる三角形状の耳部31、31が設けられ、該耳部31は下部から上部にかけて幅広くなるように形成されている。これは後述の対向するカバー部30の切込み部33に耳部31を嵌合させた際に、耳部31が容易に切込み部33より脱落しないための形状である。したがって耳部31が切込み部33に嵌合した際に容易に該嵌合が外れなければ耳部31の形状は三角形状以外の形状であってもよい。
【0036】
カバー部30、30にはマチ部23側になる左右にそれぞれ外側より切り込まれた一対の切込み部33、33が設けられていて、カバー部30、30の大きさは、前記のように開口部29全体を覆って蓋をすると共に、蓋をした状態でカバー部30の上部に設けられた耳部31が対向するカバー部30の切込み部33に嵌合して開口部29が閉じられるように成っていて、この状態を示したのが
図20である。切込み部33、33がカバー部30、30の左右の外側から切り込まれて形成されているのは、前記カバー部30、30の耳部31、31を対向するカバー部30、30の外側から、切込み部33、33に容易に嵌合させることが出来るようにしたものである。また切込み部33、33が切り込まれる位置は、前記カバー部30、30の耳部31、31と容易に嵌合し、嵌合した際に開口部29が閉じられて蓋をした状態になれば、どのような位置に設けても良い。
【0037】
なお、本実施例ではカバー部30、30は開口辺部24b及び25bを延設して設けているが、開口部29において対向する開口辺部であればどこに設けても良く、例えば左右マチ部23の両方を上方に延設してカバー部30、30を形成しても良く、さらには開口部29が四角形状ではなく例えば楕円形状等の角部を有しない形状の場合であっても、対向する開口辺部の両方を延設してカバー部30、30を形成しても良い。
【0038】
最後に、本願請求項1及び請求項2に係る水切りごみ袋の材質であるが、上記態様を満足するものであればどのようなものでも良く、例えばポリエチレン等の合成樹脂フィルムや紙、これらの積層体等も使用でき、透明、半透明、不透明であっても良い。一方、本願請求項3に係る水切りごみ袋は不透明で可撓性材料で形成された水切りごみ袋である。不透明であればカバー部によって開口部が閉じられ蓋をされた状態になると袋内に投入された生ごみが見えなくなり、見た目にも衛生的であると共に意匠的にも美感を有するものとなる。
【符号の説明】
【0039】
1 水切りごみ袋
2 底部
3 マチ部
3a 下部
4 正面部
4a 下部
4b 開口辺部
5 裏面部
5a 下部
5b 開口辺部
6 底面部
7 側面部
8 水切り孔
9 開口部
10 カバー部
11 耳部
12 係止辺部
13 切込み部
21 水切りごみ袋
22 底部
23 マチ部
23a 下部
24 正面部
24a 下部
24b 開口辺部
25 裏面部
25a 下部
25b 開口辺部
26 底面部
27 側面部
28 水切り孔
29 開口部
30 カバー部
31 耳部
33 切込み部