IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭光電機株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161754
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】施錠解錠監視装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 41/00 20060101AFI20221014BHJP
   G08B 13/19 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
E05B41/00 F
G08B13/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066822
(22)【出願日】2021-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA03
5C084AA10
5C084AA13
5C084BB21
5C084BB31
5C084CC01
5C084DD41
5C084DD65
5C084DD71
5C084EE10
5C084FF02
5C084HH01
5C084HH12
(57)【要約】
【課題】 開閉部の開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態に基づき、所定の警告を発する施錠解錠監視装置の提供。
【解決手段】 施錠解錠監視装置100は、開閉部であるドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視するものである。施錠解錠監視装置100は、ドアDに対して垂直に配置されている壁WのドアDから所定距離だけ離れた位置に設置されている。施錠解錠監視装置100は、自身の設置位置から、施錠解錠装置Lに対して、斜め前方から所定の検知光を投光し、施錠解錠装置Lからの反射光を受光し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する。これにより、開閉部の開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態を、容易に、ネットワーク化でき、また、遠隔で監視できる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉部の状態が、開状態と閉状態とで変動するものの開閉状態を監視し、及び、前記開閉部を施錠、及び、解錠する施錠装置であって、施錠状態、及び、解錠状態をヒトの操作によって切り替える操作部の状態が、前記施錠状態と前記解錠状態とで変動するものの施錠解錠状態を監視する施錠解錠監視装置であって、
前記開閉部の前記開状態、及び、前記閉状態を検知し、開閉検知情報として提供する開閉状態検知手段、
前記解錠状態から前記施錠状態までの間の前記操作部の状態が変動する範囲である操作部変動範囲であって、前記開閉部が閉状態にあるときの前記操作部変動範囲を含む検知領域に、所定の光を検知光として投光し、前記検知光の反射光を受光し、受光した反射光の情報を検知情報として提供する施錠解錠検知手段、
前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記解錠状態であると判断すると、所定の通信装置に、前記施錠解錠装置が前記解錠状態である旨を通知する施錠解錠通知情報を送信する判断部、
を有する施錠解錠監視装置。
【請求項2】
請求項1に係る施錠解錠監視装置において、
前記判断部は、
前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記解錠状態であると判断すると、前記施錠解錠装置が前記解錠状態である旨を警告する解錠状態警告音を発生すること、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【請求項3】
請求項2に係る施錠解錠監視装置において、
前記判断部は、
前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、前記施錠状態であると判断すると、所定の通信装置に、前記施錠解錠装置が前記施錠状態である旨を通知する施錠解錠通知情報を送信すること、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【請求項4】
請求項2、又は、請求項3に係る施錠解錠監視装置において、さらに、
前記開閉部に関する所定の領域の画像を取得する画像取得手段、
を有し、
前記判断部は、
前記施錠解錠装置が、施錠されてた、及び/又は、一定時間以上、施錠されていないと判断すると、前記画像取得手段による画像取得を開始すること、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【請求項5】
請求項4に係る施錠解錠監視装置において、
前記判断部は、さらに、
前記取得した画像を、所定の通信端末に送信すること、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに係る施錠解錠監視装置において、さらに、
所定の通信端末と接続する端末確認用通信部、
を有し、
前記判断部は、
前記開閉部が前記開状態となった後、前記通信端末との接続確認を行い、前記通信端末と接続できなかったと判断すると、前記通信端末を携帯していない旨を示す警告を発すること、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれかに係る施錠解錠監視装置において、さらに、
所定の通信端末と接続する端末確認用通信部、
を有し、
前記判断部は、
前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記施錠状態でないと判断すると、前記通信端末との接続確認を行い、前記通信端末と接続できた場合には、前記施錠解錠装置が、前記施錠状態でない旨を示す警告を発せず、及び/又は、通知を送信しないこと、
を特徴とする施錠解錠監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉部の開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態を監視する施錠解錠監視装置に関し、特に、開閉部の開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態に基づき、所定の警告を発するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の施錠解錠監視装置について、図29に示す施錠解錠制御装置1を用いて説明する。施錠解錠制御装置1は、扉に設けられた扉を施錠又は解錠するサムターンを覆ってサムターンを収容する空間を有する収容部材と、つまみ部を有し、前記収容部材と回転軸を共有するように連接され、前記つまみ部を摘まんで回転させることにより前記収容部材を回転させる回転体と、収容部材の開口の縁に沿って設けられた第1ギアと、第1ギアと係合し、第1ギアの回転に応じて回転する第2ギアと、第2ギアと回転軸を共有し、第2ギアに対して相対的に所定角度回転可能な第3ギアと、第3ギアを回転させる駆動部と、を備える。これにより、手動で開閉する際にモータに負荷を与えない構成を、より簡単に実現する施解錠制御装置を提供するものである(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-172794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の従来の施錠解錠制御装置1には、以下に示すような改善すべき点がある。従来の施錠解錠制御装置1では、サムターンを収容するように、設置する必要がある。このため、施錠解錠制御装置1を取り付けるためには、ある程度の領域を必要とするため、取り付けるサムターンが限定される、という改善すべき点がある。
【0005】
また、サムターンを動作させるための機械機構を有するため、施錠解錠制御装置1が大きく、また、重い、という改善すべき点がある。
【0006】
さらに、施錠解錠制御装置1は、取り付けるサムターンが制限され、また、装置自体も大きく、重いため、既に取り付けられている施錠解錠装置を容易にネットワーク化できない、という改善すべき点がある。
【0007】
さらに、ネットワーク化された施錠解錠制御装置1を、どのように利用するのかについても示されていない、という改善すべき点がある。
【0008】
そこで、本発明は、既に取り付けてある施錠解錠装置を、簡単にネットワーク化し、開閉部の開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態に基づき、所定の警告を発することができる施錠解錠監視装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0010】
本発明に係る施錠解錠監視装置は、開閉部の状態が、開状態と閉状態とで変動するものの開閉状態を監視し、及び、前記開閉部を施錠、及び、解錠する施錠装置であって、施錠状態、及び、解錠状態をヒトの操作によって切り替える操作部の状態が、前記施錠状態と前記解錠状態とで変動するものの施錠解錠状態を監視する施錠解錠監視装置であって、前記開閉部の前記開状態、及び、前記閉状態を検知し、開閉検知情報として提供する開閉状態検知手段、前記解錠状態から前記施錠状態までの間の前記操作部の状態が変動する範囲である操作部変動範囲であって、前記開閉部が閉状態にあるときの前記操作部変動範囲を含む検知領域に、所定の光を検知光として投光し、前記検知光の反射光を受光し、受光した反射光の情報を検知情報として提供する施錠解錠検知手段、前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記解錠状態であると判断すると、所定の通信装置に、前記施錠解錠装置が前記解錠状態である旨を通知する施錠解錠通知情報を送信する判断部、を有する。
【0011】
これにより、施錠解錠監視装置を配置するだけで、開閉部の開状態、閉状態を監視し、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態を、同時に、監視することができる。
【0012】
また、施錠解錠装置が、所定時間以上、解錠状態である場合に、解錠状態である旨の通知を発することができる。よって、遠隔でも、施錠解錠装置の状態を監視できる。
【0013】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、前記判断部は、前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記解錠状態であると判断すると、前記施錠解錠装置が前記解錠状態である旨を警告する解錠状態警告音を発生すること、を特徴とする。
【0014】
これにより、施錠解錠装置が、所定時間以上、解錠状態であることを、その場で、知らせることができる。よって、施錠解錠装置を施錠状態にし忘れた者は、その場で、施錠状態にできる。
【0015】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、前記判断部は、前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、前記施錠状態であると判断すると、所定の通信装置に、前記施錠解錠装置が前記施錠状態である旨を通知する施錠解錠通知情報を送信すること、を特徴とする。
【0016】
これにより、施錠解錠装置が、施錠状態である場合に、施錠状態である旨の通知を発することができる。よって、遠隔でも、施錠解錠装置の状態を監視できる。
【0017】
また、施錠した者が、適切に施錠できる状態にあることを知らせることができる。
【0018】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、さらに、前記開閉部に関する所定の領域の画像を取得する画像取得手段、を有し、前記判断部は、前記施錠解錠装置が、施錠されてた、及び/又は、一定時間以上、施錠されていないと判断すると、前記画像取得手段による画像取得を開始すること、を特徴とする。
【0019】
これにより、施錠した者、施錠しなかった者を、画像で確認できる。よって、利用者の責任を明確にできるとともに、防犯意識を高めることができる。
【0020】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、前記判断部は、さらに、前記取得した画像を、所定の通信端末に送信すること、を特徴とする。
【0021】
これにより、遠隔でも、施錠した者、施錠しなかった者を、画像で確認できる。
【0022】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、さらに、所定の通信端末と接続する端末確認用通信部、を有し、前記判断部は、前記開閉部が前記開状態となった後、前記通信端末との接続確認を行い、前記通信端末と接続できなかったと判断すると、前記通信端末を携帯していない旨を示す警告を発すること、を特徴とする。
【0023】
これにより、開閉部を通過しようとする通過者が通信端末を有しているか否かを、通過者に知らせることができる。よって、通過者が通信端末を保持せずに、開閉部を通過することを防止できる。
【0024】
本発明に係る施錠解錠監視装置では、さらに、所定の通信端末と接続する端末確認用通信部、を有し、前記判断部は、前記開閉部が前記閉状態となった後、前記施錠解錠装置が、所定時間以上、前記施錠状態でないと判断すると、前記通信端末との接続確認を行い、前記通信端末と接続できた場合には、前記施錠解錠装置が、前記施錠状態でない旨を示す警告を発せず、及び/又は、通知を送信しないこと、を特徴とする。
【0025】
これにより、開閉部の通過者が施錠解錠装置を解錠状態のままにしていたとしても、通過者が開閉部周辺に引き続き留まる場合は、解錠状態であっても、警告、通知を送信しないことで、通過者や遠隔での監視者等、所定の者に対する不要な通知を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る施錠解錠監視装置の一実施例である施錠解錠監視装置100を示す図である。
図2】施錠解錠監視装置100の斜視図である。
図3】検知部103のハードウェア構成を示す図である。
図4】制御部107のハードウェア構成を示す図である。
図5】施錠状態、解錠状態の判断の概要を示す図である。
図6】施錠状態、解錠状態の判断の概要を示す図である。
図7】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図8】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図9】施錠解錠判断処理を示すフローチャートである。
図10】本発明に係る施錠解錠監視装置の一実施例である施錠解錠監視装置200を示す図である。
図11】施錠解錠監視装置200の斜視図である。
図12】施錠解錠監視装置200の斜視図である。
図13】施錠解錠検知部203のハードウェア構成を示す図である。
図14】制御部207のハードウェア構成を示す図である。
図15】開閉検知部209のハードウェア構成を示す図である。
図16】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図17】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図18】施錠解錠判断処理を示すフローチャートである。
図19】本発明に係る施錠解錠監視装置の一実施例である施錠解錠監視装置300を示す図である。
図20】施錠解錠監視装置300の斜視図である。
図21】施錠解錠監視装置300の斜視図である。
図22】制御部307のハードウェア構成を示す図である。
図23】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図24】本発明に係る施錠解錠監視装置の一実施例である施錠解錠監視装置400を示す図である。
図25】施錠解錠監視装置400の斜視図である。
図26】制御部407のハードウェア構成を示す図である。
図27】施錠解錠監視処理を示すフローチャートである。
図28】本発明に係る施錠解錠監視装置のその他の実施例を示す図である。
図29】従来の施錠解錠監視装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0028】
本発明に係る施錠解錠監視装置について、一実施例である施錠解錠監視装置100を例に説明する。
【0029】
第1 施錠解錠監視装置100の概要
施錠解錠監視装置100は、開閉部であるドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視するものである。施錠解錠監視装置100は、ドアDに対して垂直に配置されている壁WのドアDから所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0030】
なお、施錠解錠監視装置100は、自身の設置位置から、施錠解錠装置Lに対して、図1中、斜め前方から所定の検知光を投光し、施錠解錠装置Lからの反射光を受光し、ドアDの開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する。
【0031】
なお、図1においては、施錠解錠監視装置100で監視する施錠解錠装置Lは、握って回すことでラッチを動作させる玉座である取っ手部LH、取っ手部LHに配置され、デッドボルトを動作させる操作部であるサムターンLSを有するものである。
【0032】
サムターンLSは、所定の軸を中心としたに回転により形成される操作部変動範囲の間で施錠状態(図5参照)、解錠状態(図6参照)における状態を変化させる。使用者がサムターンLSを操作し、状態を変化させることによって、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を切り替える。
【0033】
これにより、既に取り付けられている施錠解錠装置に手を加えることなく、容易に、施錠状態、解錠状態を監視でき、ネットワーク化できる。
【0034】
第2 施錠解錠監視装置100の構成
施錠解錠監視装置100の構成について、施錠解錠監視装置100の斜視図である図2を用いて説明する。施錠解錠監視装置100は、筐体部101、検知部103、通知送信用通信部105、制御部107、及び、角度調整部109を有している。筐体部101は、内部に、検知部103、通知送信用通信部105、及び、制御部107を収容する。また、筐体部101は、内部に配置されている検知部103(後述)の投光部103aが外部に向かって検知光を投光できるように、及び、受光部103b(後述)が外部からの検知光の反射光を受光できるように、投受光用開口A101を有している。
【0035】
検知部103は、TOF (Time-Of-Flight)方式を用いた測距エリアイメージセンサを用いて構成されている。検知部103は、施錠解錠装置LのサムターンLSの状態が解錠状態と施錠状態との間で変化する状態変動範囲ALS(後述)に、検知光である近赤外レーザ光を投光し、サムターンLSまでの距離を計測する。
【0036】
検知部103のハードウェア構成を図3に示す。検知部103は、投光部103a、受光部103b、検知制御部103c、及び、インターフェイス部103dを有している。投光部103aは、検知光である赤色レーザ光を投光する。受光部103bは、検知光の反射光を受光し、集光する受光レンズ、及び、2次元マトリクス状に配置されたフォトダイオードにより構成される。なお、2次元マトリクス状に配置されたフォトダイオードのそれぞれは、部分受光領域を形成し、部分受光領域の集合として、1つの検知領域が形成される。
【0037】
検知制御部103cは、投光部103a、及び、受光部103bにおける投受光のタイミングを制御する。また、検知制御部103cは、検知光を投光し、検知光に対する反射光を受光するまでの時間を計測し、検知光を反射した物体までの距離を算出する。さらに、検知制御部103cは、算出した距離を検知情報として制御部107へ送信する。
【0038】
通知送信用通信部105は、室内の無線装置等の無線通信中継装置と接続し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を示す施錠解錠情報を送信する。通知送信用通信部105は、例えば、無線LAN(Local Area Network)技術や無線PAN(Personal Area Network)を用いて、ドアDが配置されている室内の無線通信中継装置を介して、施錠解錠監視装置100が送信する施錠解錠情報を管理するサーバやクラウド等の施錠解錠検知情報管理施設に接続する。通知送信用通信部105は、所定の通信端末HPに施錠解錠情報を送信する場合には、施錠解錠検知情報管理施設を介して送信する。通知送信用通信部105には、予め、MACアドレス、IPアドレス等、自身を一意に特定するアドレスが設定されている。
【0039】
なお、所定の通信端末HPは、施錠解錠検知情報管理施設に接続し、施錠解錠検知情報管理施設が管理している施錠解錠情報にアクセスし、その内容を確認できる。
【0040】
制御部107の構成について図4を用いて説明する。制御部107は、CPU107a、メモリ107b、インターフェイス部107c、警告音発生部107e、及び、電源部107hを有している。
【0041】
CPU107aは、メモリ107bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、又は、ファームウェア、施錠解錠監視プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ107bは、CPU107aに対して作業領域を提供する。メモリ107bは、OS、施錠解錠監視プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0042】
インターフェイス部107cは、検知部103と接続される。CPU107aは、インターフェイス部107cを介して、検知部103と所定の情報を送受信し、検知部103の動作を制御する。また、インターフェイス部107cは、通知送信用通信部105と接続される。CPU107aは、インターフェイス部107cを介して、通知送信用通信部105と所定の情報を送受信し、通知送信用通信部105の動作を制御する。
【0043】
警告音発生部107eは、所定の警告音を発生する。
【0044】
電源部107hは、筐体部101の内部に収納されるボタン電池等の電源を有している。電源部107hは、各構成要素に所定の電力を供給する。
【0045】
図3に戻って、角度調整部109は、筐体部101の投受光用開口A101の検知対象に対する角度、つまり、投光部103aが投光する検知光の角度、及び、受光部103b受光する反射光の角度を調整する。角度調整部109は、三角柱形状を有し、筐体部101の背面に沿って配置される。施錠解錠監視装置100の筐体部101と壁Wとの間の角度を調整した角度調整部109を用いることで、適切に検知領域を設定できる。
【0046】
第3 制御部107の動作
1.概要
制御部107における施錠解錠判断処理の概要について、図5、及び、図6を用いて説明する。図5は、施錠解錠監視装置100から見た施錠状態にある施錠解錠装置Lの検知状態を示している。同様に、図6は、施錠解錠監視装置100から見た解錠状態にある施錠解錠装置Lの検知状態を示している。
【0047】
ここで、施錠解錠監視装置100の検知部103の検知制御部103cは、投光部103aを介して、施錠解錠装置LのサムターンLSが動作する範囲である状態変動範囲ALSを含む検知領域A103に、検知光を投光する。検知制御部103cは、受光部103bを介して、投光した検知光の反射光を受光する。受光部103bは、10×10に分割された部分受光領域を有している。検知制御部103cは、部分受光領域ごとに、投光から受光までの時間を算出した上で、算出した時間を用いて反射物体までの距離を算出する。なお、受光部103bの各部分受光領域は、検知領域A103を、10×10の分割した部分検知領域A103[x,y](xは横軸の値、yは縦軸の値、x、yは、1~10の自然数)に対応する。
【0048】
図5に示すように、施錠解錠装置Lの施錠状態では、部分検知領域A103[2,5]~A103[7,5]にサムターンLSが存在するため、その他の部分検知領域に比して、検知部103で算出される反射物体までの距離は、部分検知領域A103[2,5]~A103[7,5]の値が、その他の部分検知領域の値よりも小さくなる。
【0049】
一方、図6に示すように、施錠解錠装置Lの解錠状態では、部分検知領域A103[4,3]~A103[4,7]、A103[5,3]~A103[5,7]にサムターンLSが存在するため、その他の部分検知領域に比して、検知部103で算出される反射物体までの距離は、部分検知領域A103[4,3]~A103[4,7]、A103[5,3]~A103[5,7]の値が、その他の部分検知領域の値よりも小さくなる。
【0050】
したがって、施錠解錠装置Lの施錠状態と解錠状態との間で、部分検知領域A103[2,5]~A103[3,5]、部分検知領域A103[4,3]~A103[4,4]、A103[5,3]~A103[5,4]、部分検知領域A103[6,5]~A103[7,5]、部分検知領域A103[4,6]~A103[4,7]、A103[5,6]~A103[5,7]において、距離の値が大きく変化する。
【0051】
使用者は、制御部107には、施錠解錠監視装置100を設置後、設定時において、施錠解錠装置Lの施錠状態、及び、解錠状態の各部分検知領域に対する距離を算出し、両者の間で、距離が大きく変化する部分検知領域を対象部分検知領域として、メモリ107bに記憶保持しておく。また、使用者は、制御部107に、施錠状態、及び、解錠状態における、対象部分検知領域の値を、それぞれ、基準施錠状態情報、基準解錠状態情報として、記憶保持しておく。
【0052】
制御部107は、検知部103から受光情報を取得すると、対象部分検知領域の距離の値を抽出し、基準施錠状態情報、及び、基準解錠状態情報と比較し、施錠解錠装置Lが施錠状態にあるか、解錠状態にあるか、を判断する。
【0053】
2.制御部107の動作
制御部107のCPU107aが実行する施錠解錠監視処理について、図7図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0054】
図7に示すように、CPU107aは、電源が入ると、検知部103に対して検知開始情報を送信する(S701)。
【0055】
検知部103は、検知開始情報を取得すると、検知領域A103に対して、投光部103aから検知光を投光する。検知部103は、投光した検知光の反射光を、受光部103bで受光すると、受光部103bの部分受光領域ごとに、投光してから受光するまでの時間から、検知光を反射した物体までの距離を算出する。検知部103は、全ての部分受光検知領域に対して、距離を算出し終えると、算出した各部分受光領域の距離を、対応する部分検知領域A103[x,y]の距離とした検知情報を制御部107へ送信する。
【0056】
CPU107aは、検知情報を取得すると(S703)、対象部分検知領域の距離の値を抽出し、ドアDが開状態であるか否かを判断する(S705)。なお、CPU107aは、施錠解錠判断処理に基づき、ドアDが開状態であるか否かを判断する。
【0057】
施錠解錠判断処理について、図9を用いて説明する。CPU107aは、メモリ107bから、基準施錠状態情報、及び、基準解錠状態情報を取得する(S800)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠状態情報に一致するか、又は、類似するかを判断する(S801)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠状態情報に一致するか、又は、類似すると判断すると、施錠解錠装置Lは、施錠状態にあると判断する(S803)。
【0058】
CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準解錠状態情報に一致するか、又は、類似するかを判断する(S805)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準解錠状態情報に一致するか、又は、類似すると判断すると、施錠解錠装置Lは、解錠状態にあると判断する(S807)。
【0059】
CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠状態情報、及び。基準解錠情報のいずれにも一致せず、及び、類似もしない場合、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠解錠状態情報の値よりも大きいか、又は、小さいかを判断する(S809)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠解錠状態情報の値よりも大きいと判断すると、施錠解錠装置Lを設置しているドアDが開いていると判断する(S811)。
【0060】
一方、CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠解錠状態情報の値よりも小さいと判断すると、施錠解錠監視装置100と施錠解錠装置Lとの間に物体が存在する場合として、人の手によって施錠解錠装置Lが解錠操作されていると判断する(S813)。
【0061】
図7に戻って、CPU107aは、ドアDが開状態であると判断すると、ドアDが閉状態から開状態に変化したか、つまり、ドアDが開いたか否かを判断する(S707)。なお、ドアDが閉状態から開状態に変化したか否かの判断は、前回に取得した検知情報のドアDの状態と、今回に取得した検知情報のドアDの状態とを比較する。
【0062】
CPU107aは、ドアDが閉状態から開状態に変化したと判断すると、ドアDが開状態となったことを警告する開閉部開警告音を発生する(S709)。その後、CPU107aは、ステップS703以降の処理を繰り返す。
【0063】
一方、CPU107aは、ステップS707においてドアDが閉状態から開状態に変化していない、つまり、開状態のままであると判断すると、ステップS703以降の処理を繰り返す。
【0064】
図8に移って、CPU107aは、ステップS705において、ドアDが開状態でない、つまり、閉状態であると判断すると、ドアDが開状態から閉状態に変化したか、つまり、ドアDが閉じたか否かを判断する(S711)。なお、ドアDが開状態から閉状態に変化したか否かの判断は、閉状態から開状態に変化したか否かの判断と同様に、前回に取得した検知情報のドアDの状態と、今回に取得した検知情報のドアDの状態とを比較する。
【0065】
CPU107aは、ドアDが開状態から閉状態に変化したと判断すると、解錠状態時間の計時を開始する(S713)。解錠状態時間とは、施錠解錠装置Lが施錠されずに、解錠状態にある時間である。
【0066】
なお、CPU107aは、ステップS711において、ドアDが開状態から閉状態に変化していない、つまり、閉状態のままであると判断すると、既に、解錠状態時間の計時が開始されているとして、ステップS711を実行しない。
【0067】
CPU107aは、施錠解錠装置Lが施錠状態にあるか否かを判断する(S715)。なお、CPU107aは、施錠解錠判断処理(図9参照)に基づき、施錠解錠装置Lが施錠状態にあるか否かを判断する。
【0068】
CPU107aは、施錠解錠装置Lが施錠状態にあると判断すると、施錠解錠装置Lの施錠が完了したことを示す施錠完了音を発生する(S717)。その後、CPU107aは、ステップS703以降の処理を繰り返す。
【0069】
CPU107aは、ステップS715において、施錠解錠装置Lが施錠状態にない、つまり、解錠状態にあると判断すると、解錠状態時間が所定時間を経過したか否かを判断する(S721)。所定時間としては、例えば、1分を設定する。
【0070】
CPU107aは、解錠状態時間が所定時間を経過したと判断すると、解錠状態が解錠状態時間以上継続していると判断し、解錠状態警告音を発生する(S723)。加えて、CPU107aは、所定の通信端末HPに、通信部を介して、施錠解錠装置Lの解錠状態が続いている旨を示す施錠解錠情報を送信する(S725)。
【0071】
CPU107aは、ステップS721において、解錠状態時間が所定時間を経過していないと判断すると、ステップS703以降の処理を繰り返す。
【0072】
CPU107aは、動作が終了するまで、ステップS703以降の処理を繰り返す。
【0073】
このように、施錠解錠監視装置100を用いることによって、ネットワーク化されていない、又は、ネットワーク化できなかったドアDの開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を、ドアDの開・閉、及び、施錠解錠装置Lの施錠・解錠に関連付けて、詳細に、監視できる。
【実施例0074】
前述の実施例1に係る施錠解錠監視装置100は、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する検知部103を用いて開閉部であるドアDの開状態、閉状態を監視していた。一方、本発明に係る施錠解錠監視装置の他の実施例である施錠解錠監視装置200では、ドアDの開状態、閉状態を監視する開閉検知部209を有している。以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
第1 施錠解錠監視装置200の概要
図10に、施錠解錠監視装置200の概要を示す。施錠解錠監視装置200は、開閉部であるドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視するものである。施錠解錠監視装置200は、ドアDに対して垂直に配置されている壁WのドアDから所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0076】
また、施錠解錠監視装置200は、磁力を検知することによって、ドアDの開状態、閉状態を検知する。
【0077】
また、施錠解錠監視装置200は、自身の設置位置から、施錠解錠装置Lに対して、図10中、斜め前方から所定の検知光を投光し、施錠解錠装置Lからの反射光を受光し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する。
【0078】
これにより、既に取り付けられている施錠解錠装置に手を加えることなく、容易に、ドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視でき、ネットワーク化できる。
【0079】
第2 施錠解錠監視装置200の構成
施錠解錠監視装置200の構成について、施錠解錠監視装置200の斜視図である図11を用いて説明する。施錠解錠監視装置200は、筐体部201、施錠解錠検知部203、通知送信用通信部105、制御部207、及び、開閉検知部209を有している。
【0080】
筐体部201は、主筐体部201a、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cを有している。主筐体部201aは、両端部に半円筒形状を有する直方体形状を有している。主筐体部201aは、筐体部201を所定の位置に取り付けるための取付面P201aを有している(図12参照)。主筐体部201aは、内部に、通知送信用通信部105、及び、制御部207を収容する。
【0081】
施錠解錠検知筐体部201bは、主筐体部201aの一方の端部に、配置される。施錠解錠検知筐体部201bは、第1検知方向調整筐体部201b1、及び、第2検知方向調整筐体部201b3を有している。第1検知方向調整筐体部201b1は、一端に半円筒形状を有する直方体形状を有している。第1検知方向調整筐体部201b1は、取付面P201aに対して垂直な回転軸J201b1を有している。第1検知方向調整筐体部201b1における半円筒形状の円弧面の中心軸が、回転軸J201b1に対応する。第1検知方向調整筐体部201b1は、回転軸J201b1を中心に回転できるように、主筐体部201aに取り付けられている。
【0082】
第2検知方向調整筐体部201b3は、取付面P201aに対して平行な回転軸J201b3を有している。第2検知方向調整筐体部201b3は、円筒形状を有している。第2検知方向調整筐体部201b3における円筒形状の中心軸が、回転軸J201b3に対応する。第2検知方向調整筐体部201b3は、回転軸J201b3を中心に回転できるように、主筐体部201aに取り付けられている。第2検知方向調整筐体部201b3は、内部に、施錠解錠検知部203を収容する。第2検知方向調整筐体部201b3は、内部に配置されている施錠解錠検知部203(後述)の投光部103aが外部に向かって検知光を投光できるように、及び、受光部103b(後述)が外部からの検知光の反射光を受光できるように、投受光用開口A201b3を有している。
【0083】
開閉検知筐体部201cは、主筐体部201aの 施錠解錠検知筐体部201bが取り付けられている端部とは異なる端部に、配置される。開閉検知筐体部201cは、取付面P201aに対して垂直な回転軸J201cを有している。開閉検知筐体部201cは、図12に示すように、取付面P201aに垂直な断面L字状の柱形状であって、一端に半円筒形状を有する形状を有している。開閉検知筐体部201cにおける半円筒形状の円弧面の中心軸が、回転軸J201cに対応する。開閉検知筐体部201cは、回転軸J201cを中心に回転できるように、主筐体部201aに取り付けられている。開閉検知筐体部201cは、内部に、開閉検知部209を収容している。
【0084】
施錠解錠検知部203は、TOF (Time-Of-Flight)方式を用いた測距エリアイメージセンサを用いて構成されている。施錠解錠検知部203は、施錠解錠装置LのサムターンLSの状態が解錠状態と施錠状態との間で変化する状態変動範囲ALSに、検知光である近赤外レーザ光を投光し、サムターンLSまでの距離を計測する(図5図6参)。
【0085】
施錠解錠検知部203のハードウェア構成を図13に示す。施錠解錠検知部103のハードウェア構成は、施錠解錠監視装置100の検知部103と同様である(図3参照)。
【0086】
図12に戻って、制御部207の構成について図14を用いて説明する。制御部207は、CPU107a、メモリ207b、インターフェイス部207c、警告音発生部107e、及び、電源部107hを有している。
【0087】
メモリ207bは、CPU107aに対して作業領域を提供する。メモリ207bは、OS、施錠解錠監視装置200に関する施錠解錠監視プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0088】
インターフェイス部207cは、施錠解錠検知部203と接続される。CPU107aは、インターフェイス部207cを介して、施錠解錠検知部203と所定の情報を送受信し、施錠解錠検知部203の動作を制御する。また、インターフェイス部207cは、開閉検知部209と接続される。CPU107aは、インターフェイス部207cを介して、開閉検知部209と所定の情報を送受信し、開閉検知部209の動作を制御する。さらに、インターフェイス部207cは、通知送信用通信部105と接続される。CPU107aは、インターフェイス部207cを介して、通知送信用通信部105と所定の情報を送受信し、通知送信用通信部105の動作を制御する。
【0089】
図12に戻って、開閉検知部209は、磁力を検知することによって、開閉部であるドアDの開状態、閉状態を検知する。開閉検知部209のハードウェア構成を図15に示す。開閉検知部209は、磁力検知部209a、磁力検知制御部209b、及び、インターフェイス部209cを有している。磁力検知部209aは、開閉部であるドアDに、自身に対向して設置される磁力発生部(図示せず)、例えば、マグネットが発生する磁力を検知する。磁力検知制御部209bは、磁力検知部209aによって検知された磁力を判断し、インターフェイス部209cを介して、その旨を示す開閉検知情報を制御部207へ送信する。例えば磁力検知制御部209bは、所定の大きさより大きい磁力を検知すると、「ドアDは閉状態にある」と判断し、一方、所定の大きさより小さい磁力を検知すると、「ドアDは開状態にある」と判断する。
【0090】
第3 施錠解錠監視装置200の設置
施錠解錠監視装置200の設置について、図10を用いて説明する。使用者は、施錠解錠監視装置200の主筐体部201aの取付面P201aを、取り付けようとする壁Wの一面に沿うように配置し、大まかな取り付け位置を確認する。使用者は、開閉検知筐体部201cの開閉検知面P201cがドアDの前面に沿うように、開閉検知筐体部201cを配置する。なお、ドアDと開閉検知面P201cとの間には、磁力発生部(図示せず)を配置できるよう、所定の間隔を形成しておく。
【0091】
使用者は、主筐体部201aを、回転軸J201cを中心に回転させ、施錠解錠検知筐体部201bが、施錠解錠装置Lと同じ程度の高さとなる位置に配置する。使用者は、施錠解錠検知筐体部201bの第1検知方向調整筐体部201b1を、回転軸J201b1を中心に回転させ、また、第2検知方向調整筐体部201b3を、回転軸J201b3を中心に回転させることによって、検知領域A103を、施錠解錠を判断しようとする施錠解錠装置LのサムターンLSの位置に形成する。
【0092】
使用者は、主筐体部201a、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cの位置を固定する。各部の固定には、両面テープや、所定の固定ネジを用いる。
【0093】
このように、施錠解錠監視装置200において、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cを、主筐体部201aに対して回転させ、相対的位置関係を調整することによって、施錠解錠検知部203、及び、開閉検知部209を、適切な位置に、同時に配置でき、ひいては、施錠解錠監視装置200を、容易に、適切な位置に配置できる。
【0094】
第4 制御部207の動作
1.施錠解錠判断の概要
制御部207における施錠解錠判断処理の概要については、実施例における制御部107における施錠解錠判断処理と同様である(図5図6参照)。
【0095】
2.制御部207の動作
制御部207のCPU107aが実行する施錠解錠監視処理について、図16図18に示すフローチャートを用いて説明する。
【0096】
施錠解錠監視装置200では、電源が入ると、電源部107hを介して、各構成要素へ所定の電力が供給される。図16に示すように、CPU107aは、電源が入ると、開閉検知部209に対して開閉検知開始情報を送信する(S1401)。
【0097】
開閉検知部209の磁力検知制御部209bは、ドアDの開状態、閉状態を判断する開閉状態判断処理を実行する。磁力検知制御部209bは、磁力検知部209aを介して、磁力の大きさを取得すると、磁力に基づき、ドアDが開状態であるか、又は、閉状態であるか、を判断する。例えば、磁力検知制御部209bは、磁力が所定の値より大きいと、ドアDは閉状態にあると判断し、磁力が所定の値より小さいと、ドアDは開状態にあると判断する。磁力検知制御部209bは、判断したドアDの状態を、開閉検知情報として、インターフェイス部209cを介して、制御部207へ送信する。
【0098】
CPU107aは、開閉検知部209から開閉検知情報を取得すると(S1403)、取得した開閉検知情報の内容が、「開状態」であるか否かを判断する(S705)。CPU107aは、取得した開閉検知情報が「開状態である」と判断すると、ドアDが閉状態から開状態になったと判断し、ドアDが開状態となったことを警告する開閉部開警告音を発生する(S709)。その後、CPU107aは、ステップS1403以降の処理を繰り返す。
【0099】
一方、CPU107aは、ステップS705において、取得した開閉検知情報が開状態でない、つまり、「閉状態である」と判断すると、図17に示すように、サムターンLSの施錠状態、解錠状態を判断すべく、施錠解錠検知部103に対して施錠解錠検知開始情報を送信する(S1411)。また、CPU107aは、解錠状態時間の計時を開始する(S713)。
【0100】
施錠解錠検知部103は、施錠解錠検知開始情報を取得すると、検知領域A103に対して、投光部103aから検知光を投光する。施錠解錠検知部103は、投光した検知光の反射光を、受光部103bで受光すると、受光部103bの部分受光領域ごとに、投光してから受光するまでの時間から、検知光を反射した物体までの距離を算出する。施錠解錠検知部103は、全ての部分受光検知領域に対して、距離を算出し終えると、算出した各部分受光領域の距離を、対応する部分検知領域A103[x,y]の距離とした施錠解錠検知情報を制御部107へ送信する。
【0101】
CPU107aは、ドアDの閉状態において、施錠解錠装置Lが施錠状態にあるか否かを判断する(S715)。なお、CPU107aは、図18に示す施錠解錠判断処理に基づき、施錠解錠装置Lが施錠状態にあるか否かを判断する。
【0102】
施錠解錠監視装置200における施錠解錠判断処理について、図18を用いて説明する。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠状態情報に一致するか、又は、類似するかを判断する(S801)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準施錠状態情報に一致するか、又は、類似すると判断すると、施錠解錠装置Lは、施錠状態にあると判断する(S803)。
【0103】
CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準解錠状態情報に一致するか、又は、類似するかを判断する(S805)。CPU107aは、取得した各対象部分検知領域の値が、基準解錠状態情報に一致するか、又は、類似すると判断すると、施錠解錠装置Lは、解錠状態にあると判断する(S807)。
【0104】
図17に戻って、CPU107aは、施錠解錠装置Lが施錠状態にあると判断すると、施錠解錠装置Lの施錠が完了したことを示す施錠完了音を発生する(S717)。その後、CPU107aは、ステップS1403以降の処理を繰り返す。
【0105】
CPU107aは、ステップS715において、施錠解錠装置Lが施錠状態にない、つまり、解錠状態にあると判断すると、解錠状態時間が所定時間を経過したか否かを判断する(S1421)。所定時間としては、例えば、1分を設定する。
【0106】
CPU107aは、解錠状態時間が所定時間を経過したと判断すると、解錠状態が解錠状態時間以上継続していると判断し、解錠状態警告音を発生する(S723)。加えて、CPU107aは、所定の通信端末HPに、通信部を介して、施錠解錠装置Lの解錠状態が続いている旨を示す施錠解錠情報を送信する(S725)。
【0107】
CPU107aは、ステップS721において、解錠状態時間が所定時間を経過していないと判断すると、ステップS1413以降の処理を繰り返す。
【0108】
CPU107aは、動作が終了するまで、ステップS1403以降の処理を繰り返す。
【0109】
また、施錠解錠監視装置100を用いることによって、ネットワーク化されていない、又は、ネットワーク化できなかった施錠解錠装置Lを、容易にネットワーク化でき、使用者に、ドアDの開状態、閉状態、及び、サムターンLSの施錠状態、解錠状態を、適宜、知らせることができる。
【実施例0110】
前述の実施例1に係る施錠解錠監視装置200は、開閉部であるドアDの開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視していた。一方、本発明に係る施錠解錠監視装置の他の実施例である施錠解錠監視装置300では、ドアDの開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態の監視に加えて、通過者が、ドアDを通過する際に、通信端末HPを保持しているか否か、も監視する。以下においては、実施例1、実施例2と同様の構成については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0111】
第1 施錠解錠監視装置300の概要
図19に、施錠解錠監視装置300の概要を示す。施錠解錠監視装置300は、開閉部であるドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視するものである。施錠解錠監視装置300は、ドアDに対して垂直に配置されている壁WのドアDから所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0112】
また、施錠解錠監視装置300は、磁力を検知することによって、ドアDの開状態、閉状態を検知する。また、施錠解錠監視装置300は、自身の設置位置から、施錠解錠装置Lに対して、図19中、斜め前方から所定の検知光を投光し、施錠解錠装置Lからの反射光を受光し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する。
【0113】
さらに、施錠解錠監視装置400は、ドアDを通過する通過者が通信端末HPを携帯しているか否かを監視する。
【0114】
これにより、ドアDの通過者が通信端末HPを携帯せずに外出しようとした場合、通過者に、通信端末HPの不携帯を知らせることができる。また、既に取り付けられている施錠解錠装置に手を加えることなく、容易に、ドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視でき、ネットワーク化できる。
【0115】
第2 施錠解錠監視装置300の構成
施錠解錠監視装置300の構成について、施錠解錠監視装置300の斜視図である図20図21を用いて説明する。施錠解錠監視装置300は、筐体部201、施錠解錠検知部203、通知送信用通信部105、制御部207、開閉検知部209、及び、携帯端末確認用通信部305を有している。
【0116】
筐体部201は、主筐体部201a、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cを有している。主筐体部201aは、内部に、通知送信用通信部105、制御部307、及び、携帯端末確認用通信部305を収容する。その他の構成は、施錠解錠監視装置200と同様である(図11図12参照)。
【0117】
携帯端末確認用通信部305は、所定のタイミングで、所定範囲内の所定の通信端末HPと接続し、所定範囲内における通信端末HPの存在を確認する。携帯端末確認用通信部305は、所定範囲内の所定の通信端末HPと接続する技術として、例えば、無線PAN(Personal Area Network)技術を用いて、通信端末HPに接続する。
【0118】
携帯端末確認用通信部305は、無線PAN技術として、BLE(Bluetooth Low Energy:商標)を用いる際には、ペリフェラルとして機能し、通信端末HPに対してアドバタイズを送信する。通信端末HPは、スキャンにより、アドバタイズを受信すると、携帯端末確認用通信部305と接続する。
【0119】
制御部307の構成について図22を用いて説明する。制御部307は、CPU107a、メモリ307b、インターフェイス部307c、警告音発生部107e、及び、電源部107hを有している。
【0120】
メモリ307bは、CPU107aに対して作業領域を提供する。メモリ307bは、OS、施錠解錠監視装置300に関する施錠解錠監視プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0121】
インターフェイス部307cは、施錠解錠検知部203と接続される。CPU107aは、インターフェイス部307cを介して、施錠解錠検知部203と所定の情報を送受信し、施錠解錠検知部203の動作を制御する。また、インターフェイス部307cは、開閉検知部209と接続される。CPU107aは、インターフェイス部307cを介して、開閉検知部209と所定の情報を送受信し、開閉検知部209の動作を制御する。さらに、インターフェイス部307cは、通知送信用通信部105と接続される。CPU107aは、インターフェイス部307cを介して、通知送信用通信部105と所定の情報を送受信し、通知送信用通信部105の動作を制御する。さらに、インターフェイス部307cは、携帯端末確認用通信部305と接続される。CPU107aは、インターフェイス部307cを介して、携帯端末確認用通信部305と所定の情報を送受信し、携帯端末確認用通信部305の動作を制御する。
【0122】
第3 施錠解錠監視装置300の設置
施錠解錠監視装置300の設置については、施錠解錠監視装置200と同様である。
【0123】
第4 制御部307の動作
1.施錠解錠判断の概要
制御部407における施錠解錠判断処理の概要については、実施例2における制御部207の施錠解錠判断処理と同様である(図18参照)。
【0124】
2.制御部307の動作
制御部307のCPU107aが実行する施錠解錠監視処理について、図23に示すフローチャートを用いて説明する。
【0125】
施錠解錠監視装置300では、CPU107aは、図16に示すように、開閉検知部209から開閉検知情報を取得し(S1403)、取得した開閉検知情報が「開状態でない、」、すなわち、「閉状態」であると判断すると(S705)、図23に示すように、即座に、携帯端末確認用通信部305を介して、無線PANの範囲内における、ドアDを開状態とした通過者の通信端末HPとの接続確認を開始する(S2301)。
【0126】
携帯端末確認用通信部305は、所定の時間内に、通過者の通信端末HPと接続できなかった場合(S2303)、通過者は、通信端末HPを携帯していないと判断し、携帯端末を携帯していないことを知らせる携帯端末不携帯音を発生する(S2305)。
【0127】
ここで、携帯端末確認用通信部305が、無線PAN技術として、BLE(Bluetooth Low Energy:商標)を用いて、通信端末HPと接続しようとする場合、携帯端末確認用通信部305は、ペリフェラルとして機能し、通信端末HPに対してアドバタイズを送信する。通信端末HPは、セントラルとして機能し、スキャンにより、アドバタイズを受信すると、受信したアドバタイズに応答し、携帯端末確認用通信部305とGATT通信(ペアリング通信)で接続する。なお、通信端末HPは、予め、携帯端末確認用通信部305のアドバタイズに対して、応答できるように設定されている。CPU107aは、携帯端末確認用通信部305と通信端末HPとが接続されると、接続された通信端末HPが、通過者の予め登録された通信端末HPであるかを確認することによって、通過者の通信端末HPと接続できたか否かを判断する。なお、ドアDを通過する際には、携帯端末確認用通信部305と確認しようとする通信端末HPとは近傍に位置することが想定されるため、携帯端末確認用通信部305のアドバタイズの送信電力を落とすことで、通信対象をドアD近辺に所在する通信端末HPに絞り込むことができる。
【0128】
その後、CPU107aは、ステップS1411以降の処理を繰り返す。その他の処理は、施錠解錠監視装置200の動作と同様である。
【0129】
これにより、ドアDの通過者が通信端末HPを携帯せずに外出しようとした場合、通過者に、通信端末HPの不携帯を知らせることができる。
【実施例0130】
前述の実施例3に係る施錠解錠監視装置300では、ドアDの開状態、閉状態、及び、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態の監視に加えて、通過者が、ドアDを通過する際に、通信端末HPを保持しているか否か、も監視していた。一方、本発明に係る施錠解錠監視装置の他の実施例である施錠解錠監視装置400では、ドアDを開状態とした通過者が施錠解錠装置Lの解錠状態のままにしていたとしても、その後の通過者の位置によって、解錠状態の警告を通知するか否か、を判断する。以下においては、実施例1~実施例3と同様の構成については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0131】
第1 施錠解錠監視装置400の概要
図24に、施錠解錠監視装置400の概要を示す。施錠解錠監視装置400は、開閉部であるドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視するものである。施錠解錠監視装置400は、ドアDに対して垂直に配置されている壁WのドアDから所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0132】
施錠解錠監視装置400は、磁力を検知することによって、ドアDの開状態、閉状態を検知する。また、施錠解錠監視装置400は、自身の設置位置から、施錠解錠装置Lに対して、図24中、斜め前方から所定の検知光を投光し、施錠解錠装置Lからの反射光を受光し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視する。
【0133】
さらに、施錠解錠監視装置400は、ドアDを通過する通過者が通信端末HPを携帯しているか否か、又は、携帯していないが、施設内等、所定の範囲内に置いているか否かを監視する。さらに、施錠解錠監視装置400は、ドアDを開状態とした通過者が施錠解錠装置Lの解錠状態のままにしていたとしても、通信端末HPがドアDの周辺に存在している場合には、解錠状態の警告を通知しないようにできる。
【0134】
これにより、通過者の通信端末HPが、施錠解錠監視装置400から所定の範囲内にあり、通過者が、施錠解錠監視装置400の近辺にいると判断できる場合には、解錠状態であることの警告音や通知を行わないようにできる。また、既に取り付けられている施錠解錠装置に手を加えることなく、容易に、ドアDの開状態、閉状態、及び、ドアDに取り付けられている施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視でき、ネットワーク化できる。
【0135】
第2 施錠解錠監視装置400の構成
施錠解錠監視装置400の構成については、の斜視図である図25を用いて説明する。施錠解錠監視装置400は、筐体部201、施錠解錠検知部203、通知送信用通信部105、制御部407、開閉検知部209、及び、携帯端末確認用通信部305を有している。
【0136】
筐体部201は、主筐体部201a、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cを有している。主筐体部201aは、内部に、通知送信用通信部105、制御部407、携帯端末確認用通信部305を収容する。その他の構成は、施錠解錠監視装置300と同様である(図20図21参照)。
【0137】
制御部407の構成について図26を用いて説明する。制御部407は、CPU107a、メモリ407b、インターフェイス部307c、警告音発生部107e、及び、電源部107hを有している。
【0138】
メモリ407bは、CPU107aに対して作業領域を提供する。メモリ407bは、OS、施錠解錠監視装置400に関する施錠解錠監視プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0139】
なお、前述の施錠解錠監視装置300の携帯端末確認用通信部305では、ドアDの通過の際に、通過者が、通過者が携帯していることが想定される通信端末HPを携帯しているか否か、を判断するため、探査範囲をドアDの周辺に限定すべく、携帯端末確認用通信部305のアドバタイズの送信電力を小さくしてもよいとした。一方、施錠解錠監視装置400の携帯端末確認用通信部305では、通過者携帯することが想定される通信端末HPだけではなく、通過者が元居た場所に存在する第三者の通信端末HPが、通過者が元居た場所に存在するか否か、つまり、第三者が、通過者が元居た場所に存在するか否か、すなわち、元居た場所が無人であるか否か、を判断するため、探査範囲をドアDの周辺よりも広い領域とすべく、携帯端末確認用通信部305のアドバタイズの送信電力を大きくしてもよい。つまり、探査範囲に応じて、携帯端末確認用通信部305のアドバタイズの送信電力を調整してもよい。
【0140】
第3 施錠解錠監視装置400の設置
施錠解錠監視装置400の設置については、施錠解錠監視装置300と同様である。
【0141】
第4 制御部407の動作
1.施錠解錠判断の概要
制御部407における施錠解錠判断処理の概要については、実施例2における制御部207の施錠解錠判断処理と同様である(図18参照)。
【0142】
2.制御部407の動作
制御部407のCPU107aが実行する施錠解錠監視処理について、図27に示すフローチャートを用いて説明する。
【0143】
図27に示すように、CPU107aは、施錠解錠装置Lが施錠状態にない、つまり、解錠状態にあると判断し(S715)、解錠状態時間が所定時間を経過したと判断すると(S1421)、携帯端末確認用通信部305を介して、所定範囲内の所定の通信端末HPと、無線WANや無線PAN技術を用いて接続を開始する通信端末HP(S2801)。なお、ステップS2801の接続確認は、ステップS2301(図23参照)の接続確認と同様である。
【0144】
CPU107aは、携帯端末確認用通信部305を介して、所定の時間内に、通過者の通信端末HPと接続できなかった場合(S2803)、通過者は、通信端末HPを携帯した上で、携帯端末確認用通信部305の通信範囲内から離れたと判断し、施錠解錠装置Lを施錠していないことを知らせる解錠警告音を発生する(S723)。加えて、CPU107aは、所定の通信端末HPに、通知送信用通信部105を介して、施錠解錠装置Lの解錠状態が続いている旨を示す施錠解錠情報を送信する(S725)。
【0145】
なお、所定範囲内に通信端末HPが複数台存在する場合には、ステップS2803において、いずれか1つと接続できれば、ステップS723、S725の処理を実行しない。これは、施錠解錠監視装置400では、ドアDの通過者が、いわゆる施錠忘れで外出し、また、所定の範囲内に所定の通信端末HPが存在しない、つまり、通過者が元居た場所、例えば、室内に、誰も存在しない(無人である)と判断できる場合に、所定の警告を発生する。
【0146】
その後、CPU107aは、ステップS1403以降の処理を繰り返す(図27参照)。その他の処理は、施錠解錠監視装置200の動作と同様である。
【0147】
これにより、施錠解錠装置Lの解錠状態が所定時間以上継続していても、通過者の通信端末HPと通信できる場合、つまり、通過者の通信端末HPが、施錠解錠監視装置400から所定の範囲内にあり、通過者が、施錠解錠監視装置400の近辺にいると判断できる場合には、解錠状態であることの警告音や通知を行わないようにできる。通過者が、例えば、宅配の受け渡し等のために外門で対応する等、一時的に施錠解錠装置Lを施錠せずに外出した場合に、解錠状態であることの警告音や通知を行わないようにできるため、通過者にとって不要な警告を発したり、通知を送信したりすることを防止できる。
【0148】
[その他の実施形態]
(1)施錠解錠監視装置100の配置位置:前述の実施例1においては、施錠解錠装置Lが施錠状態となると、施錠完了音を発生したが、発生しないようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0149】
(2)ドアDの開状態、閉状態における通知:前述の実施例1において、開閉部であるドアDが開状態となると、ドアDが開状態となった旨を、所定の通信端末に送信するようにしてもよい。また、開閉部であるドアDが閉状態となると、ドアDが閉状態となった旨を、所定の通信端末に送信するようにしてもよい。このように、ドアDの開閉を通知することによって、遠隔での人の出入りの管理、通過者が施錠、解錠できる状態にあることの確認、例えば、遠隔での高齢者の出入り、いわゆる見守りを、容易に実行できる。その他の実施例についても、同様である。
【0150】
(3)録画:前述の実施例1において、施錠解錠監視装置100にドアDの所定の範囲を録画する録画手段を配置し、開閉部であるドアDが、開状態、及び/又は、閉状態となると、録画するようにしてもよい。また、施錠解錠装置Lが所定時間以上、解錠状態が続いている場合に、録画手段によって録画するようにしてもよい。さらに、録画手段によって録画した画像を、所定の通信端末に送信するようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0151】
(4)通信端末HPとの接続確認:前述の実施例4においては、ドアDが開状態と判断した後、及び、施錠解錠装置Lが所定時間以上解錠状態であると判断した後に、通信端末HPとの接続確認を行ったが、ドアDが開状態と判断した後には、通信端末HPとの接続確認を行わないようにしてもよい。
【0152】
(5)施錠解錠監視装置の配置位置:前述の実施例1においては、施錠解錠監視装置100を開閉部であるドアDに対して垂直に配置されている壁Wに設置するとしたが、施錠解錠監視装置100が検知光を、施錠解錠装置LのサムターンLSに投光できる位置であれば、例示のものに限定されない。例えば、施錠解錠監視装置100を天井に配置するようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0153】
また、前述の実施例2においては、取っ手部LHにサムターンLSが配置される施錠解錠装置Lに対して、施錠解錠監視装置100は、施錠、解錠を判断するとしたが、取っ手部LHとサムターンLSとが異なる部材として配置される施錠解錠装置に対して、施錠解錠監視装置100は、施錠、解錠を判断するようにしてもよい。例えば、図28に示す施錠解錠装置L2の場合、施錠解錠監視装置100の施錠解錠検知筐体部201bを、サムターンLS2の近くに、また、開閉検知筐体部201cをドアDの端縁近くに、それぞれ配置できるように、主筐体部201aをドアDに直接的に配置してもよい。実施例3、実施例4についても、同様である。
【0154】
(6)第2検知方向調整筐体部201b3:前述の実施例2においては、第2検知方向調整筐体部201b3を、所定の角度毎、例えば、15度や30度毎に、回転し、一時固定できるようにしてもよい。これにより、投受光方向を容易に変更できる。実施例3、実施例4についても、同様である。
【0155】
(7)開閉検知筐体部201c:前述の実施例2においては、開閉検知筐体部201cは取付面P201aに垂直な断面L字状の柱形状を有するとしたが、マグネット等の磁力発生部からの磁力を検知できる形状であれば、例示のものに限定されない。実施例3、実施例4についても、同様である。
【0156】
(8)施錠解錠検知筐体部201b、開閉検知筐体部201cの分離:前述の実施例2においては、筐体部201は、主筐体部201a、施錠解錠検知筐体部201b、及び、開閉検知筐体部201cを回転軸J201b1、J201cで結合した一体化構造としたが、施錠解錠検知筐体部201b、及び/又は、開閉検知筐体部201cを、主筐体部201aから、対応する回転軸で分離できる分離構造としてもよい。これにより、ドアの種類や、取っ手、サムターンの形状や構造、その他の障害物等の、一体化構造の施錠開錠監視装置では設置できない場合であっても、分離構造による高い配置の自由度により、障害物等を回避して設置できる。分離構造とする場合、各筐体部間は有線で接続しても、無線で接続してもよい。実施例3、実施例4についても、同様である。
【0157】
(9)検知光:前述の実施例1においては、施錠解錠検知部103の投光部103aは、近赤外レーザ光を投光するとしたが、サムターンLSの状態を検知できる光であれば、例示のものに限定されない。例えば、近赤外LEDや赤色レーザ光であってもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0158】
(10)受光部103bの構成:前述の実施例1においては、受光部103bは、受光レンズを有するとしたが、フォトダイオードが所定量の光を受光できるものであれば、受光レンズを用いなくてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0159】
(11)通知送信用通信部105:前述の実施例1においては、通知送信用通信部105は、無線LANや無線PANを用いて通信するとしたが、携帯電話回線等を用いて、基地局を介して通信するようにしてもよい。また、Sigfox(登録商標)等、いわゆるLPWA (Low Power, Wide Area)に対応した「低消費電流」で「長距離のデータ通信」ができる通信方式を用いてもよい。
【0160】
また、無線通信ではなく、EthernetやMobBusのような有線通信を用いるようにしてもよい。以上は、その他の実施例についても、同様である。
【0161】
(12)電源部107h:前述の実施例1においては、電源部107hについては、ボタン電池を用いるとしたが、各構成要素を動作させることができる電力を供給できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、乾電池や、太陽電池等の所定の充電池を用いるようにしてもよい。
【0162】
また、一般的に設置されているコンセントや蓄電池等の外部電源から、電力が供給されるようにしてもよい。以上は、その他の実施例についても、同様である。
【0163】
(13)制御部107の構成:前述の実施例1においては、制御部107は、CPU107aを用いて、施錠解錠監視処理を実行するとしたが、施錠解錠監視処理を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を用いて、施錠解錠監視処理を実行するようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0164】
(14)施錠解錠監視処理:前述の実施例1~実施例4においては施錠解錠監視処理として例示したフローチャートについては、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を監視できるものであれば、例示のフローチャートに限定されない。
【0165】
また、前述の実施例2における施錠解錠監視処理(図16図18)においては、開閉検知部209の変化をトリガーとして、施錠解錠検知部203による検知を開始したが、開閉検知部209の変化に加えて、及び/又は、代えて、所定時間ごとの定期的なトリガーにより、施錠解錠検知部203による検知を開始するようにしてもよい。さらに、他の外部入力情報をトリガーとしてもよい。実施例3、実施例4についても、同様である。
【0166】
(15)角度調整部:前述の実施例1において、筐体部101の配置角度を調整する角度調整部を用いて、施錠解錠監視装置100を傾けて取り付けて、投受光用開口A101の角度を調整し、検知光の投光方向、及び、反射光の受光方向を調整するようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0167】
(16)検知領域の確認:前述の実施例1において、さらに、投光部103aの検知領域を対象のサムターンLSに合わせるために、施錠解錠検知部103に、検知領域の中心を示し、及び/又は、検知領域の範囲を示す検知領域確認部としての照明用LEDを配置するようにしてもよい。これにより、使用者は、検知領域の中心位置や、範囲等を容易に認知できるため、施錠解錠監視装置の配置位置や検知光の投光角度を容易に調整できる。その他の実施例についても、同様である。
【0168】
(17)検知光の投光:前述の実施例1においては、投光部103aは、検知領域A103の全体に検知光を投光するとしたが、部分検知領域A103[x,y]毎に、順次、検知光を投光するようにしてもよい。この場合、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging:光検出と測距)方式を用いてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0169】
(18)反射光の受光:前述の実施例1においては、受光部103bは、部分検知領域A103[x,y]全体で、反射光を受光するとしたが、部分検知領域A103[x,y]毎に、順次、受光するようにしてもよい。その他の実施例についても、同様である。
【0170】
(19)検知部103、施錠解錠検知部203の構成:前述の実施例1、実施例2においては、それぞれ、検知部103、施錠解錠検知部203は、TOF方式を用いた測距エリアイメージセンサとしたが、検知範囲に相当する領域の画像を取得する画像センサであってもよい。この場合、制御部107、制御部207は、画像の変化を判断し、施錠解錠装置Lの施錠状態、解錠状態を判断するようにしてもよい。
【0171】
また、検知部103、施錠解錠検知部203の受光部103bは、10×10の部分検知領域を有するとしたが、反射光を受光できるものであれば、例示のものに限定されない。16×16等、施錠解錠監視装置に求める性能等によって、自由に設定すればよい。以上は、その他の実施例についても、同様である。
【0172】
(20)施錠解錠検知部103の動作期間:前述の実施例1の施錠解錠監視装置100では、ドアDが閉状態にある一定期間のみ、施錠解錠検知部103を動作させていたが、施錠解錠検知部103を常時動作させる場合に比して、施錠解錠監視装置を、省電力化できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ドアDが開状態になった後の一定期間にも、施錠解錠検知部103を動作させるようにしてもよい。
【0173】
また、開閉部への人等の接近をトリガーとして、施錠解錠検知部103を動作させてもよい。
【0174】
さらに、常時、電力が供給される場合は、常時、施錠解錠検知部103を動作させるようにしてもよい。以上は、その他の実施例についても、同様である。
【0175】
(21)携帯端末確認用通信部305の通信:前述の実施例3、実施例4の携帯端末確認用通信部305では、携帯端末確認用通信部305と通信端末HP間の通信はBLEのアドバタイズ通信を受けてからGATT通信(ペアリング通信)を行う形としたが、両者間で通信できるものであれば、その他の方式でもよい。また、両者間での通信を、Wifi(Wireless Fidelity)など他の通信方式を用いてもよい。
【0176】
(22)施錠解錠監視装置300、施錠解錠監視装置400の機能の一体化:前述の実施例3、実施例4においては、施錠解錠監視装置300と施錠解錠監視装置400とを別の装置としたが、両者の機能を一体化するようにしてもよい。施錠解錠監視装置300と施錠解錠監視装置400とでは、携帯端末確認用通信部305における通信端末HPとの通信範囲、すなわち、通信端末HPの探索範囲が異なるため、両者の機能を一体とし、異なる通信範囲での通信端末HPの存在確認を実行するようにしてもよい。この場合、処理タイミングに応じて、携帯端末確認用通信部305の送信出力を調整すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明に係る施錠解錠監視装置は、例えば、工場、家等、開閉部の開閉、及び、施錠解錠装置の施錠状態、解錠状態を監視する必要がある場所で用いることができる。
【符号の説明】
【0178】
100 施錠解錠監視装置
101 筐体部
A101 投受光用開口
103 施錠解錠検知部
103a 投光部
103b 受光部
103c 検知制御部
103d インターフェイス部
A103 検知領域
105 通知送信用通信部
107 制御部
107a CPU
107b メモリ
107c インターフェイス部
107h 電源部
109 角度調整部
200 施錠解錠監視装置
201 筐体部
201a 主筐体部
P201a 取付面
201b 施錠解錠検知筐体部
201b1 第1検知方向調整筐体部
J201b1 回転軸
201b3 第2検知方向調整筐体部
J201b3 回転軸
A201b3 投受光用開口
201c 開閉検知筐体部
J201c 回転軸
P201c 開閉検知面
203 施錠解錠検知部
207 制御部
207b メモリ
207c インターフェイス部
209 開閉検知部
209a 磁力検知部
209b 磁力検知制御部
209c インターフェイス部
300 施錠解錠監視装置
305 携帯端末確認用通信部
307 制御部
307b メモリ
307c インターフェイス部
400 施錠解錠監視装置
407 制御部
407b メモリ
D ドア
L 施錠解錠装置
LH 取っ手部
LS サムターン
ALS 状態変動範囲
L2 施錠解錠装置
LS2 サムターン
HP 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29