(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161757
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】燃焼システム及び燃焼方法
(51)【国際特許分類】
F23L 7/00 20060101AFI20221014BHJP
F23G 5/44 20060101ALI20221014BHJP
C10L 3/08 20060101ALI20221014BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20221014BHJP
B01D 53/74 20060101ALI20221014BHJP
B01D 53/81 20060101ALI20221014BHJP
F01K 27/02 20060101ALI20221014BHJP
F23C 9/08 20060101ALN20221014BHJP
【FI】
F23L7/00 A ZAB
F23G5/44 F
C10L3/08
B01D53/62
B01D53/74
B01D53/81
F01K27/02 C
F23C9/08 402
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066826
(22)【出願日】2021-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000136804
【氏名又は名称】株式会社プランテック
(74)【代理人】
【識別番号】100209129
【弁理士】
【氏名又は名称】山城 正機
(72)【発明者】
【氏名】勝井 基明
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 良二
【テーマコード(参考)】
3G081
3K023
3K065
4D002
【Fターム(参考)】
3G081BA02
3G081BB00
3G081BC19
3G081BC30
3G081BD00
3K023JA05
3K065AA24
3K065AB01
3K065AC01
3K065BA04
3K065GA13
3K065GA14
3K065GA53
3K065TA01
3K065TB07
3K065TB15
3K065TC01
3K065TC04
3K065TE06
4D002AA09
4D002AC04
4D002BA04
4D002BA13
4D002BA14
4D002BA20
4D002EA01
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素の排出を抑制することができるとともに、大気に放出される排ガス量をも低減することが可能で、しかも、それぞれの設備に無駄がない燃焼システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃焼システムは、被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼する燃焼装置と、水を電気分解する水電気分解装置と、水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として燃焼装置に供給する酸素供給手段と、燃焼装置で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、水電気分解装置で発生した水素と二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼する燃焼装置と、
水を電気分解する水電気分解装置と、
前記水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として前記燃焼装置に供給する酸素供給手段と、
前記燃焼装置で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、
前記水電気分解装置で発生した水素と前記二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備えた、
燃焼システム。
【請求項2】
燃焼排ガスの一部を燃焼装置に再循環する排ガス再循環手段と、
再循環させる燃焼排ガスの流量を調整する流量調整手段とをさらに備え、
前記酸素供給手段は前記流量調整手段で流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合して前記燃焼装置に供給する、
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
燃焼排ガスが有する熱を回収して蒸気を発生させる熱回収手段と、
前記熱回収手段で発生した蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの駆動に伴って駆動される発電機とを備え、
前記発電機で発生した電力を用いて前記水電気分解装置を作動させる、
請求項1又は2に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記水電気分解装置への供給電力は前記燃焼装置において必要な酸素量によって制御される、
請求項1~3のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記二酸化炭素分離手段は、膜分離又は吸着又は深冷分離によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する、
請求項1~4のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項6】
前記燃焼装置として廃棄物を燃焼させるごみ焼却炉を使用する、
請求項1~5のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項7】
被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼装置で燃焼するステップ、
水を電気分解するステップ、
水を電気電解した際に発生した酸素を酸化剤として前記燃焼装置に供給するステップ、
前記燃焼装置で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離するステップ、
水を電気分解した際に発生した水素と燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するステップ、
を備えた燃焼方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化石燃料や廃棄物などの被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼する燃焼システム及び燃焼方法に関し、特に、二酸化炭素の排出を抑制するとともに大気に放出される排ガス量を低減するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料や廃棄物などの被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼させると、被燃焼物に含まれる炭素が酸化して二酸化炭素が発生する。
【0003】
二酸化炭素を大気に放出すると、地球温暖化の原因となるため、被燃焼物の燃焼に伴う二酸化炭素の大気への放出を抑制することが強く望まれている。
【0004】
二酸化炭素の大気への放出を抑制するための技術としては、酸化剤として酸素を用いるとともに、発生する燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する技術が開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明によると、酸化剤として酸素を用いることによって、燃焼に伴い発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素と水となる。そして、二酸化炭素のみを燃焼排ガスから選択的に分離することで、大気へ放出される燃焼排ガスの主成分は水となり、通常の燃焼法方法と比して、大気に放出される二酸化炭素の量を大幅に低減することができる。また、それに伴い排ガスの排出量も低減することができる。
【0007】
ところが、燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することができたとしても、分離した二酸化炭素を貯蔵するための巨大な設備が必要となる。
【0008】
また、酸化剤として用いる酸素を製造するための設備も必要となるが、酸素を製造するための設備として、例えば、水の電気分解装置を使用した場合、酸素の生成と同時に生成される水素については他の設備への使途がなく、大気に放出されることとなる。その場合、水の電気分解装置が設備として無駄な部分を発生させることになるとともに、大気に放出される排ガスの量を低減することができないという課題が生じる。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素の排出を抑制することができるとともに、大気に放出される排ガス量をも低減することが可能で、しかも、それぞれの設備に無駄がない燃焼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者らは、二酸化炭素と水素からメタンガスを合成する技術に着目し、本発明に至った。
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼する燃焼装置と、水を電気分解する水電気分解装置と、水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として燃焼装置に供給する酸素供給手段と、燃焼装置で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、水電気分解装置で発生した水素と二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備えた、燃焼システムを提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として燃焼装置に供給するため、被燃焼物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素と水及び余剰酸素である。そのため、空気を酸化剤として使用する場合と比較して、二酸化炭素分離手段における二酸化炭素の分離効率を向上させることができるとともに窒素酸化物の発生量を抑制することができる。
【0014】
そして、二酸化炭素分離手段によって二酸化炭素を分離するため、二酸化炭素の大気への放出量を低減することができる。
【0015】
また、水電気分解装置で発生した水素を、燃焼排ガスから分離された二酸化炭素と合成してメタンガスを生成するため、水電気分解装置で発生した水素を有効利用することができるとともに、システム全体から大気に放出される排ガス量を空気を用いて燃焼させた場合の1/2以下に低減することができる。
【0016】
そして、二酸化炭素を用いて燃料として使用可能なメタンガスを合成することができるため、資源及びエネルギー源としての再利用が可能となる。
【0017】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、燃焼排ガスの一部を燃焼装置に再循環する排ガス再循環手段と、再循環させる燃焼排ガスの流量を調整する流量調整手段とをさらに備え、酸素供給手段は流量調整手段で流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合して燃焼装置に供給する。
【0018】
第2の特徴に係る発明によると、酸素と流量調整された燃焼排ガスの混合ガスを酸化剤として燃焼装置に供給するため、空気を酸化剤として使用する場合に含まれる窒素がわずかしか含まれず、サーマルNOxの発生を抑制することができるとともに、燃焼装置内の温度が上昇しすぎるのを防止することができ、フューエルNOxの発生も抑制することができる。
【0019】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、燃焼排ガスが有する熱を回収して蒸気を発生させる熱回収手段と、熱回収手段で発生した蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンの駆動に伴って駆動される発電機とを備え、発電機で発生した電力を用いて水電気分解装置を作動させる。
【0020】
第3の特徴に係る発明によれば、水電気分解装置の作動に必要な電力を、被燃焼物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの熱を利用して発生させた電力によってまかなうことができるため、別途の電力供給設備が不要となり、システムの構成として無駄がない。
【0021】
また、水電気分解装置を作動させた際に余った電力は、所内各所の補機等の作動用の電力として使用及び所外へ供給することができる。
【0022】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明であって、水電気分解装置への供給電力は燃焼装置において必要な酸素量によって制御される。
【0023】
第4の特徴に係る発明によると、燃焼装置において酸化に必要な酸素量に応じて水電気分解装置への電力供給量を制御するため、被燃焼物を燃焼させる際に水電気分解装置以外の設備から酸素を供給してもらう必要がなく、余分な設備を省略することができる。
【0024】
第5の特徴に係る発明は、第1から第4のいずれかの特徴に係る発明であって、二酸化炭素分離手段は、膜分離法又は吸着法又は深冷分離法によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する。
【0025】
第5の特徴に係る発明によれば、膜分離法又は吸着法によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することで、高純度の二酸化炭素を回収することができる。
【0026】
第6の特徴に係る発明は、第1から第5のいずれかの特徴に係る発明であって、燃焼装置として廃棄物を燃焼させるごみ焼却炉を使用する。
【0027】
第6の特徴に係る発明によると、廃棄物を焼却処理する際に発生する燃焼排ガスの廃熱を回収して水電気分解装置を作動する電力を発生させることができるため、エネルギーリサイクルの観点から無駄のないシステムを構築することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、二酸化炭素の排出を抑制することができるとともに、大気に放出される排ガス量をも低減することが可能で、しかも、それぞれの設備に無駄がない燃焼システム及び燃焼方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る燃焼システムの概略系統図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る燃焼システムを用いた燃焼方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0031】
[燃焼システムの構成]
図1を用いて、本実施形態に係る燃焼システムの構成を説明する。
【0032】
図1は、本実施形態にかかる燃焼システムの概略系統図を示したものであり、当該燃焼システムは、燃焼装置1と、熱回収手段2と、バグフィルタ3と、誘引送風機4と、二酸化炭素分離手段5と、排ガス再循環手段6と、煙突7と、水電気分解装置8と、酸素供給手段9と、メタンガス生成手段10と、蒸気タービン11と、発電機12と、復水器13と、図示しない制御装置とによって構成される。
【0033】
燃焼装置1は、微粉砕した石炭、重油や天然ガス等の化石燃料、又は、不定形の一般廃棄物や産業廃棄物等の廃棄物を、酸化剤を用いて燃焼、つまり酸化するものである。
【0034】
本実施形態においては、燃焼装置1に供給される酸化剤として、後述する電気分解装置7で発生した酸素が使用される。なお、運転開始時など、電気分解装置7における酸素の発生が十分でない場合には空気が酸化剤として使用され、運転開始からの時間経過に伴い酸素の比率を増していく。
【0035】
熱回収手段2は、燃焼装置1で化石燃料又は廃棄物を燃焼した際に発生する高温の燃焼排ガスが有する熱を回収しボイラ給水を加熱することで蒸気を発生させるものである。熱回収手段2は、ボイラ給水が流通する伝熱管を組み合わせることによって壁を形成した図示しない伝熱管壁、伝熱管壁内でボイラ給水が加熱されることで発生した蒸気を汽水分離する蒸気ドラム、蒸気をさらに過熱する過熱器などによって構成されるが、形式はそれに限られるものではない。また、
図1においては、燃焼装置1と熱回収手段2とを別体として図示しているが、燃焼装置1を構成する壁を伝熱管壁とした一体型のものであっても構わない。
【0036】
バグフィルタ3は、熱回収手段2で減温された排ガスをろ過するろ布を備え、排ガス中に含まれる煤塵や有害成分を除去するものである。バグフィルタ入口における排ガス煙道には、バグフィルタに薬剤を吹き込むための図示しない薬剤供給装置が配設される。薬剤供給装置から供給されるアルカリ薬剤が、バグフィルタ3のろ布上において排ガス中の酸性成分と中和反応を起こすことにより、排ガスの浄化が行われる。
【0037】
誘引送風機4は、バグフィルタ3の下流に配設される送風機であり、バグフィルタ3で煤塵や有害成分が除去された排ガスを吸引して、煙突7から排ガスを大気に放出するためのものである。
【0038】
二酸化炭素分離手段5は、燃焼装置1から排出されバグフィルタ3で浄化された燃焼排ガスから、燃焼排ガス中に含まれる二酸化炭素を選択的に分離するものである。燃焼排ガスから二酸化炭素を分離するための手段としては、分離膜による分離でもよいし、化学吸着や物理吸着、あるいは深冷分離法によるものであってもよい。
【0039】
本実施形態においては、水電気分解装置8で発生する酸素を酸化剤として燃焼装置1に供給するため、燃焼装置1において発生する燃焼排ガスの主な成分は二酸化炭素、水(水蒸気)及び余剰酸素であり、空気を酸化剤として使用した際に含まれる窒素は多くは含まれない。そのため、燃焼排ガス中における二酸化炭素の濃度は高く、効率よく二酸化炭素を分離することができる。
【0040】
排ガス再循環手段6は、燃焼装置1から排出されバグフィルタ3で浄化された燃焼排ガスの一部を燃焼装置1に再循環させるものであり、排ガス煙道から分岐され燃焼装置1に至る再循環流路6aや、排ガス煙道及び再循環流路に設置され開度を調整可能なダンパ6b等によって構成される。なお、ダンパ6bは本発明の流量調整手段の一実施形態である。
【0041】
ダンパ6bの開度を調整することによって、排ガス煙道に流れる燃焼排ガスと再循環流路6aを通じて燃焼装置1に再循環させる燃焼排ガスの流量の割合を調整することができる。
【0042】
また、再循環流路6aには後述する酸素供給手段9から供給される酸素の供給路が接続されており、燃焼排ガスと酸素とを混合したものを燃焼装置1に酸化剤として供給することができる。
【0043】
煙突7は二酸化炭素が分離された燃焼排ガスを大気に放出するものである。
【0044】
水電気分解装置8は、水を電気分解して酸素と水素を発生させるものである。本実施形態における水電気分解装置8は、水を貯留する電解槽、電源、電源の正極と接続される陽極、電源の負極と接続される陰極などによって構成される。
【0045】
酸素供給手段9は、水電気分解装置8で生成された酸素を燃焼装置1に供給するものであり、酸素を供給する送風機等によって構成される。また、酸素供給手段9は、排ガス再循環手段6によって再循環されダンパ6bで流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合して燃焼装置1に供給する。
【0046】
メタンガス生成手段10は、二酸化炭素分離手段5で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素と、水電気分解装置8で生成された水素とを用いてメタンガスを合成するものである。このように、二酸化炭素と水素を用いてメタンガスを合成するものとしては、触媒を介して生じるサバティエ反応を利用したものなどが用いられるが、それに限ったものではない。
【0047】
メタンガス生成手段10で合成されたメタンガスは、図示しないパイプラインを通じて貯蔵あるいは所望の箇所にて燃料ガスとして利用される。または、補助燃料として所内にて利用することもできる。
【0048】
蒸気タービン11は、熱回収手段2で生成された高温高圧の蒸気によって回転駆動するものであり、蒸気タービン11の駆動に伴い、蒸気タービン11と同軸に連結された発電機12が駆動する。
【0049】
発電機12で発生した電力は交流/直流変換され、水電気分解装置8の作動電力や所内における送風機などの補機の駆動電力として使用される。
【0050】
復水器13は蒸気タービン11から排出される排気蒸気を凝縮して復水とするものである。復水器13で凝縮された復水は図示しない復水タンクに貯留され、再度、ボイラ給水として熱回収手段2に供給される。
【0051】
また、図示は省略するが、本実施形態に係る燃焼システムはシステム全体を制御する制御装置を有しており、制御装置は、各種計測機器で計測された物理量に基づいて、システムの各部を制御する。
【0052】
本実施形態においては、燃焼装置1に供給された被燃焼物の重量や性状に応じて酸化に必要な量の酸素を水電気分解装置8において発生させる酸素量制御や、燃焼装置1に供給される酸化剤の酸素濃度が所望の酸素濃度となるように酸素に混合する排ガスの再循環流量を制御する再循環流量制御などが行われる。
【0053】
〔燃焼システムを用いた燃焼方法〕
次に、
図2を用いて、本実施形態に係る燃焼システムを用いた燃焼方法について説明する。
【0054】
図2においては、本願発明における燃焼装置1の一実施形態としてごみ焼却炉を用いた燃焼システムの運転手順について説明する。
【0055】
〔ステップS100:ごみ焼却炉の立ち上げ〕
まず、ごみ焼却炉1において燃焼を開始するにあたって、補助燃料を用いて被燃焼物である廃棄物に着火する。その際、ごみ焼却炉1に供給する酸化剤として空気が使用される。補助燃料としては、後述するメタンガス生成手段10で生成され貯留しておいたメタンガスを用いてもよいし、重油等の補助燃料を用いても構わない。
【0056】
酸化剤として空気を用いた場合、ごみ焼却炉1から発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素、窒素、余剰酸素などであるが、後述するように排ガス再循環手段6を用いて燃焼排ガスをごみ焼却炉1に再循環させることで、徐々に窒素が減少する。
【0057】
また、運転開始から所定時間が経過するまでは、熱回収手段2においては蒸気を発生するには至らない。つまり、燃焼の初期においては、燃焼排ガスは熱回収手段2におけるボイラ給水を加熱することはできるものの、すぐに蒸気を生成することはできない。ごみ焼却炉1における廃棄物の焼却を継続させることで、熱回収手段2における熱回収量が徐々に増加し、蒸気の発生に至る。
【0058】
〔ステップS110:排ガスの再循環〕
ステップS100における燃焼開始により発生した燃焼排ガスは、バグフィルタ3で浄化されたのち、排ガス再循環手段6を用いてごみ焼却炉1に再循環される(ステップS110)。
【0059】
ごみ焼却炉1の燃焼開始時においては、酸化剤として空気を使用しているため、燃焼排ガス中に窒素が含まれるが、燃焼排ガスをごみ焼却炉1に再循環させることによって、徐々に窒素の割合が減少する。
【0060】
〔ステップS120:蒸気の発生〕
熱回収手段2における熱回収量が増加すると、熱回収手段2において蒸気が発生する(ステップ120)。熱回収手段2において十分な量の蒸気が発生すると、発生した蒸気は蒸気タービン11に送出され、蒸気タービン11を駆動する。ここで、蒸気タービン11は一般に発電機12と同軸で連結されており、蒸気タービン11の回転に伴って発電機12を回転せしめ、電力を発生させる。
【0061】
蒸気タービン11を駆動した後の蒸気は、蒸気タービン11から排出された後に復水器13で凝縮されて復水となり、図示しない復水タンクに貯留され、ボイラ給水として再び熱回収手段2に送出される。
【0062】
〔ステップS130:水の電気分解〕
ステップS120において発電機12で電力が生じると、発生した電力を使用して水電気分解装置8を作動させて水の電気分解を行う(ステップS130)。
【0063】
発電機12において発生する電力は交流であるため、図示しない交流/直流変換装置を使用して直流電流に変換し、水電気分解装置8を作動させる。
【0064】
水電気分解装置8においては、水の電気分解に伴い、陰極では還元反応が生じて水素が生成されるとともに、陽極においては酸化反応が生じて酸素が生成される。
【0065】
本実施形態において、水の電気分解は燃焼に必要な酸素量によって制御される。つまり、後述するように、水電気分解装置8で発生した酸素はごみ焼却炉1において酸化剤として使用されるが、ごみ焼却炉1において廃棄物を酸化するのに必要な酸素の量に応じて、水の電気分解量が制御される。
【0066】
〔ステップS140:酸素による燃焼〕
ステップS130において水電気分解装置8で酸素が発生すると、発生した酸素を酸化剤として使用してごみ焼却炉1における燃焼反応を生じさせる(ステップS140)。なお、水電気分解装置8において酸素が発生したとしても、作動初期の段階においては酸素の発生量は少ないため、酸化剤における空気に対する酸素の割合を徐々に増加していき、最終的には空気の供給を遮断して酸素のみを使用するよう制御を行う。
【0067】
また、定常状態におけるごみ焼却炉1への酸素の供給量は、ごみ焼却炉1に供給される廃棄物を完全に燃焼させる量よりも多い量(理論空気量の1.2~1.5倍程度)となる。そのため、反応しきれない余剰の酸素がごみ焼却炉1から燃焼排ガスとして排出される。
【0068】
ごみ焼却炉1において酸素を酸化剤として使用することで、発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素、水(水蒸気)及び余剰酸素となり、窒素酸化物の発生量は大幅に低減される。
【0069】
そして、バグフィルタ3において塩化水素、硫黄酸化物などの有害成分や煤塵が除去され、純度の高い二酸化炭素、水及び酸素が燃焼排ガスとして排ガス煙道を流通する。
【0070】
また、バグフィルタ3で浄化された後の燃焼排ガスは、その一部が排ガス再循環手段6を用いてごみ焼却炉1に再循環される。
【0071】
排ガス再循環手段6を用いて燃焼排ガスを再循環させることで、酸素、二酸化炭素及び水の混合ガスを酸化剤としてごみ焼却炉1に供給することとなる。そして、ごみ焼却炉1に混合ガスを供給する供給路における図示しない酸素濃度検出手段の検出結果に応じてダンパ6bの開度を調整することで、酸化剤における酸素濃度を、例えば18~24%など所望の濃度に調整することができる。
【0072】
このように、ごみ焼却炉1内に供給する酸化剤の酸素濃度を調整することにより、燃焼反応に伴い上昇する炉内温度を制御することができる。それにより、炉内温度が上昇しすぎることを防止してクリンカの発生や燃料中の窒素が原因で発生するフューエルNOxの発生量を抑制することができる。
【0073】
〔ステップS150:二酸化炭素の分離〕
ステップS140において酸素による燃焼に伴い発生した燃焼排ガスのうち、再循環されなかった燃焼排ガスは、排ガス煙道を流通して二酸化炭素分離手段5に供給され、二酸化炭素分離手段5において二酸化炭素が分離される(ステップS150)。
【0074】
二酸化炭素分離手段5においては、分離膜を用いた方法や、化学吸着や物理吸着など吸着による方法及び深冷分離によって、燃焼排ガスから二酸化炭素が選択的に分離される。
【0075】
このような二酸化炭素の分離によって、燃焼排ガスの主成分は水及び余剰の酸素となり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の放出は大幅に低減される。
【0076】
〔ステップS160:メタンガスの合成〕
ステップS150において二酸化炭素分離手段5で分離された二酸化炭素は、ステップS120において水電気分解装置8で生成した水素とともにメタンガス生成手段10に供給され、メタンガス生成手段10においてメタンガスが合成される(ステップS160)。
【0077】
メタンガス生成手段10で合成されたメタンガスは、パイプラインを通じて所望の箇所に供給されるとともに、一部は、ごみ焼却炉1の立ち上げ時の補助燃料用など、所内利用のために貯留される。
【0078】
上記のような手順で、本実施形態に係る燃焼システムを用いて被燃焼物を燃焼することで、煙突7から排出される燃焼排ガスは、燃焼によって生成する二酸化炭素、水及び余剰の酸素から、再循環させる燃焼排ガス及びメタンガス合成のために分離した二酸化炭素を除いたものとなり、通常の燃焼排ガス量の1/2以下とすることができる。
【0079】
また、燃焼システム1としてごみ焼却炉を使用することで、廃棄され焼却処理されるはずの廃棄物から燃料を生成することができ、エネルギーリサイクルの点から非常に優れたシステムを構築することができる。
【0080】
このようなシステムは、特に、災害時における非常用の設備として有用である。つまり、災害時などの緊急事態において、仮設住宅等で避難生活を送ることを余儀なくされる場合がある。このような場合において、仮設住宅からは生活に伴う廃棄物が発生するとともに、非常用電源の確保や暖房・給湯用の燃料の確保が困難となる場合がある。
【0081】
このような環境にて、本実施形態に係る燃焼システムを用いて廃棄物を燃焼することで、燃焼排ガスの排出量を1/2以下に抑制しつつ、二酸化炭素や窒素酸化物の排出を大幅に低減した状態で、生活に伴い発生した廃棄物を処理することができる。
【0082】
また、燃焼に伴い発生した熱を利用して発電機12を駆動することで、生活に必要な電力を賄うことができる。
【0083】
そして、余剰電力を用いて水電気分解装置8を作動させ、水電気分解装置8で発生した水素と、二酸化炭素分離手段5で分離した二酸化炭素を用いてメタンガス生成手段10において合成反応を生じさせることにより、給湯・暖房用のガス燃料として利用可能なメタンガスを生成することができる。
【0084】
さらに、住宅にて発生するし尿を回収して発酵させてメタンガスを生成し、メタンガス生成手段10で発生したメタンガスとともに使用することで、システム全体で生成することができるメタンガスの量を増加させることができ、より無駄のないシステムを構築することができる。
【0085】
このように、本実施形態にかかる燃焼システムを使用することで、廃棄物処理設備を災害時におけるエネルギーインフラの供給拠点として使用ことができる。
【0086】
以上、まとめると、本発明の効果は以下の通りとなる。
【0087】
本発明は、被燃焼物を酸化剤を用いて燃焼する燃焼装置と、水を電気分解する水電気分解装置と、水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として燃焼装置に供給する酸素供給手段と、燃焼装置で発生する燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、水電気分解装置で発生した水素と二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備えた燃焼システムである。
【0088】
水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として燃焼装置に供給するため、被燃焼物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素と水である。そのため、空気を酸化剤として使用する場合と比較して、窒素の発生量を抑制することができるとともに、二酸化炭素分離手段における二酸化炭素の分離効率を向上させることができる。
【0089】
そして、二酸化炭素分離手段によって二酸化炭素を分離するため、二酸化炭素の大気への放出を低減することができる。
【0090】
また、水電気分解装置で発生した水素を、燃焼排ガスから分離された二酸化炭素と合成してメタンガスを生成するため、水電気分解装置で発生した水素を有効利用することができる。その結果、システム全体から大気に放出される排ガス量を空気を用いて燃焼させた場合の1/2以下に低減することができる。
【0091】
そして、二酸化炭素を用いて燃料として使用可能なメタンガスを合成することができるため、資源及びエネルギー源としての再利用が可能となる。
【0092】
さらに、燃焼排ガスの一部を燃焼装置に再循環する排ガス再循環手段と、再循環させる燃焼排ガスの流量を調整する流量調整手段とをさらに備え、酸素と流量調整された燃焼排ガスの混合ガスを酸化剤として燃焼装置に供給するため、混合ガス中の窒素は大幅に低減され、サーマルNOxの発生を抑制することができるとともに燃焼装置内の温度が上昇しすぎるのを防止することができ、クリンカの発生やフューエルNOxの発生も抑制できる。
【0093】
また、燃焼排ガスが有する熱を回収して蒸気を発生させる熱回収手段と、熱回収手段で発生した蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンの駆動に伴って駆動される発電機とを備え、発電機で発生した電力を用いて水電気分解装置を作動させることで、水電気分解装置の作動に必要な電力を、被燃焼物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの熱を利用して発生させた電力によってまかなうことができるため、別途の電力供給設備が不要となり、システムの構成として無駄がない。
【0094】
また、水電気分解装置を作動させた際に余った電力は、所内各所の補機等の作動用の電力として使用することができ、さらには所外への供給も可能となる。
【0095】
また、燃焼装置において酸化に必要な酸素量に応じて水電気分解装置への電力供給量を制御するため、被燃焼物を燃焼させる際に水電気分解装置以外の設備から酸素を供給してもらう必要がなく、余分な設備を省略することができる。
【0096】
さらに、膜分離又は吸着又は深冷分離等によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することで、高純度の二酸化炭素を回収することができる。
【0097】
そして、燃焼装置として廃棄物を燃焼させるごみ焼却炉を使用することで、廃棄物を焼却処理する際に発生する燃焼排ガスの廃熱を回収して水電気分解装置を作動する電力を発生させることができるため、エネルギーリサイクルの観点から無駄のないシステムを構築することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0099】
例えば、熱回収手段2は燃焼装置1と別体のものである必要はなく、燃焼装置1の炉壁を水管で構成してボイラ構造としたものも本願発明に含み得る。
【0100】
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
この発明の燃焼システム及び燃焼方法は、種々の被燃焼物を燃焼する設備全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 燃焼装置(ごみ焼却炉)
2 熱回収手段
3 バグフィルタ
4 誘引送風機
5 二酸化炭素分離手段
6 排ガス再循環手段
6a 再循環流路
6b ダンパ
7 煙突
8 水電気分解装置
9 酸化剤供給手段
10 メタンガス生成手段
11 蒸気タービン
12 発電機
13 復水器
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を酸化剤を用いて燃焼するごみ焼却炉と、
水を電気分解する水電気分解装置と、
前記水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤として前記ごみ焼却炉に供給する酸素供給手段と、
前記ごみ焼却炉で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、
前記水電気分解装置で発生した水素と前記二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備え、
燃焼排ガスの一部を前記ごみ焼却炉に再循環する排ガス再循環手段と、
前記排ガス再循環手段で再循環させる燃焼排ガスの流量を調整する流量調整手段とをさらに備え、
前記酸素供給手段は前記流量調整手段で流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合して前記ごみ焼却炉に供給する、
燃焼システム。
【請求項2】
燃焼排ガスが有する熱を回収して蒸気を発生させる熱回収手段と、
前記熱回収手段で発生した蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの駆動に伴って駆動される発電機とを備え、
前記発電機で発生した電力を用いて前記水電気分解装置を作動させる、
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記水電気分解装置への供給電力は前記ごみ焼却炉において必要な酸素量によって制御される、
請求項1又は2に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記二酸化
炭素分離手段は、膜分離又は吸着又は深冷分離によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する、
請求項1~3のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項5】
廃棄物を酸化剤を用いてごみ焼却炉で燃焼するステップ、
水を電気分解するステップ、
水を電気電解した際に発生した酸素を酸化剤として前記ごみ焼却炉に供給するステップ、
前記ごみ焼却炉で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離するステップ、
水を電気分解した際に発生した水素と燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するステップ、
燃焼排ガスの一部を前記ごみ焼却炉に再循環させるステップ、
前記再循環させる燃焼排ガスの流量を調整するステップを備え、
前記酸素を供給するステップにおいて、前記流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合して前記ごみ焼却炉に供給する、
燃焼方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第1の特徴に係る発明は、廃棄物を酸化剤を用いて燃焼するごみ焼却炉と、水を電気分解する水電気分解装置と、水電気分解装置で発生した酸素を酸化剤としてごみ焼却炉に供給する酸素供給手段と、ごみ焼却炉で発生した燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離手段と、水電気分解装置で発生した水素と二酸化炭素分離手段で燃焼排ガスから分離された二酸化炭素を合成してメタンガスを生成するメタンガス生成手段とを備えた、燃焼システムを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、電気分解装置で発生した酸素を酸化剤としてごみ焼却炉に供給するため、廃棄物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの主成分は二酸化炭素と水及び余剰酸素である。そのため、空気を酸化剤として使用する場合と比較して、二酸化炭素分離手段における二酸化炭素の分離効率を向上させることができるとともに窒素酸化物の発生量を抑制することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、第1の特徴に係る発明は、燃焼装置として廃棄物を燃焼させるごみ焼却炉を使用する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
燃焼装置としてごみ焼却炉を用いることで、廃棄物を焼却処理する際に発生する燃焼排ガスの廃熱を回収して水電気分解装置を作動する電力を発生させることができるため、エネルギーリサイクルの観点から無駄のないシステムを構築することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
さらに、第1の特徴に係る発明は、燃焼排ガスの一部をごみ焼却炉に再循環する排ガス再循環手段と、再循環させる燃焼排ガスの流量を調整する流量調整手段とをさらに備え、酸素供給手段は流量調整手段で流量を調整された燃焼排ガスを酸素と混合してごみ焼却炉に供給する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
そのため、酸素と流量調整された燃焼排ガスの混合ガスを酸化剤としてごみ焼却炉に供給するため、空気を酸化剤として使用する場合に含まれる窒素がわずかしか含まれず、サーマルNOxの発生を抑制することができるとともに、ごみ焼却炉内の温度が上昇しすぎるのを防止することができ、フューエルNOxの発生も抑制することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、燃焼排ガスが有する熱を回収して蒸気を発生させる熱回収手段と、熱回収手段で発生した蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンの駆動に伴って駆動される発電機とを備え、発電機で発生した電力を用いて水電気分解装置を作動させる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
第2の特徴に係る発明によれば、水電気分解装置の作動に必要な電力を、廃棄物を燃焼させた際に発生する燃焼排ガスの熱を利用して発生させた電力によってまかなうことができるため、別途の電力供給設備が不要となり、システムの構成として無駄がない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、水電気分解装置を作動させた際に余った電力は、所内各所の補機等の作動用の電力として使用及び所外へ供給することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、水電気
分解装置への供給電力はごみ焼却炉において必要な酸素量によって制御される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
第3の特徴に係る発明によると、ごみ焼却炉において酸化に必要な酸素量に応じて水電気分解装置への電力供給量を制御するため、廃棄物を燃焼させる際に水電気分解装置以外の設備から酸素を供給してもらう必要がなく、余分な設備を省略することができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明であって、二酸化炭素分離手段は、膜分離法又は吸着法又は深冷分離法によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
第4の特徴に係る発明によれば、膜分離法又は吸着法によって燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することで、高純度の二酸化炭素を回収することができる。