特開 2022-161763 買い物籠カバー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022161763

(43)【公開日】2022-10-21

(54)【発明の名称】買い物籠カバー

(51)【国際特許分類】

   A45C 3/04 20060101AFI20221014BHJP

   A45C 13/00 20060101ALI20221014BHJP

【ＦＩ】

A45C3/04 Z

A45C13/00 G

A45C13/00 A

A45C3/04 B

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021066835

(22)【出願日】2021-04-11

(71)【出願人】

【識別番号】521154132

【氏名又は名称】竹内 聖子

(74)【代理人】

【識別番号】100181881

【弁理士】

【氏名又は名称】藤井 俊一

(72)【発明者】

【氏名】竹内 聖子

【テーマコード（参考）】

3B045

【Ｆターム（参考）】

3B045AA53

3B045CB05

3B045CD02

3B045CD03

3B045CD05

3B045CE03

3B045CE07

3B045CE08

3B045DA41

3B045EB17

3B045FC04

(57)【要約】      （修正有）

【課題】買い物籠に入れられた商品の形状及び量に関わらず、買い物籠の開口部を安定的に覆うことができる買い物籠カバーを提供する。
【解決手段】上方に向かって略矩形状に開口し当該開口部の吊り縁に支持された一対の持ち手を備える買い物籠用の買い物籠カバー１であって、前記買い物籠Ｘの上部全体を覆う略矩形状に裁断された一連のシートからなり、前記シートは、その外縁部で買い物籠Ｘの側面を弾性的に保持できる包込み手段γを備えると共に、当該シートの外縁の前記吊り縁に沿う対向二辺の中央部にそれぞれ前記買い物籠Ｘの持ち手ｂの支部を挟む一対の切込を備え、前記切込に、それぞれ前記持ち手ｂを保持する保持領域αと当該保持領域αの出入口を開閉する連結手段７を備えることを特徴とする。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

上方に向かって略矩形状に開口し当該開口部の吊り縁に支持された一対の持ち手を備える買い物籠用の買い物籠カバーであって、
前記買い物籠の上部全体を覆う略矩形状に裁断された一連のシートからなり、
前記シートは、その外縁部で買い物籠の側面を弾性的に保持できる包込み手段を備えると共に、当該シートの外縁の前記吊り縁に沿う対向二辺の中央部にそれぞれ前記買い物籠の持ち手の支部を挟む一対の切込を備え、
前記切込に、それぞれ前記持ち手を保持する保持領域と当該保持領域の出入口を開閉する連結手段を備えることを特徴とする買い物籠カバー。

【請求項2】

前記包込み手段は、前記シートの外縁の四隅部にのみ伸縮条が縫着されてなることを特徴とする請求項１に記載の買い物籠カバー。

【請求項3】

前記一対の切込に挟まれた中保形領域の基部に固定され前記シートを棒状又は板状に束ねた状態に維持する結束手段を備えることを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれかに記載の買い物籠カバー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、買い物籠の開口部等を覆い目隠しをするためのカバーに関するものである。

【背景技術】

【0002】

スーパーマーケット等の店舗（以下「スーパー等」と記す）では、購入予定の商品を運ぶ未精算商品用の買い物籠が用意されているが、レジカウンター（精算所）では、清算を終えた商品が精算済商品用の買い物籠に入れ替えられ、当該精算済商品用の買い物籠に入れられた商品を客自身が各々レジ袋等に入れて持ち帰るのが通例である。

【0003】

今日では、所謂レジ袋の有料化等に伴い、所謂マイバッグやマイバスケットと呼ばれる（環境維持に資するとの見方からエコバッグやエコバスケットとも呼ばれる）合成樹脂製の通い袋や通い籠を携帯することが一般的となりつつある。
スーパー等の籠や通い籠は、概ね、上に向かって開口し網目構造の四側面及び底面に囲われた合成樹脂の籠である。

【0004】

客が通い籠を持参した場合には、レジカウンターのオペレータが未精算商品用の買い物籠から直接通い籠へ清算を終えた商品を入れ替えることによって客の手間を省くサービスも提供されている。
精算済の商品を入れた通い籠には、清算済みの目印として、当該通い籠を横切る帯やテープ等がオペレータにより付される。

【0005】

しかし、通い籠は、購入した商品が大きく開いた開口部から他人に丸見えである他、直射日光や暖気又は冷気に曝されるという問題がある。
店外において購入商品が他人の目に曝されることは心地よいものではなく、生鮮食品を購入した場合にあっては、紫外線や温暖な外気に曝されて鮮度にダメージが与えられ、加熱調理したての加工食品を購入した場合にあっては、冷気に曝されて冷めるなど、食品の風味が損なわれることとなる。
また、商品に雨や雪が付着すれば家庭において拭き取る作業が伴い、汚染物質や粉塵が漂う環境下を通る場合には、食品に付着すると、それを食した者の健康に害を与える場合もある。

【0006】

そこで、買い物籠の底面及び底面に接し開口面に向かう四面の外側を覆い略矩形状の開口部を有した略直方体形状のカバー本体と、開口部を覆う略矩形状で、片端が貫通孔を有した面を覆うカバー本体の面に接続され、反対の端に別の貫通孔を有する面を覆うカバー本体の面への接続手段を有した開口部カバーと、貫通孔を貫通する平板形状で、片端を開口部カバーが接続されたカバー本体の面に接続し、反対の端に開口部カバーが接続されたカバー本体の面への接続手段を有したカバー本体を買い物籠に係止するカバー本体係止部と、カバー本体係止部を設けた面に対向するカバー本体の面に設けた、開口部カバーをカバー本体または買い物籠に係止する開口部カバー係止部から構成された買い物籠カバーを備える買い物籠カバーが提供されている（下記特許文献１参照）。

【0007】

買い物籠に入れた商品が外から見えないように開口を被覆する為のカバーを取付けたものでは、一方側にはヒモを連結して容器に止着し、他方側には縁に沿って伸縮条を縫い付けたもの、又はカバーの一方端にカギを取付け、他方端に伸縮条を縫い付けその先端にカギを取着した形態を採り、カギを籠の一方側の上縁に係止し、開口を被覆して他方のカギを籠の反対側の上縁に係止する買い物籠カバーが提供されている（下記特許文献２参照）。

【0008】

また、柔軟性のある断熱性布からなるカバー本体と、該カバー本体の固定端部を前記買い物籠の開口部の一端付近に固定維持するカバー本体装着手段と、前記開口部を前記カバー本体で覆うため、前記カバー本体の自由端部を前記開口部の他端付近に係止する開口部覆設係止手段と、該開口部覆設係止手段の係止を外した状態で、前記カバー本体の自由端部を固定端部付近に係止するカバー両端部係止手段とを備え、買い物中のカバー本体を邪魔にならない様に退避させた開口部カバー（下記特許文献３参照）も提供されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0009】

【特許文献1】特開２０１５－０６６３９３号公報

【特許文献2】特開２００９－２６１６４１号公報

【特許文献3】特開２００７－００７２３５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0010】

しかしながら、いずれの手法にあっても、購入した商品の上部を覆い直射日光に曝されるという問題は概ね解消できるものの、カバーが被覆を目的とする範囲と略同形状のシートであり、且つフックやカギ等の係止手段で買い物籠に掛け止める手法であるために、買い物籠の開口部を完全に覆うことはできず、買い物籠内において購入商品の凹凸が激しい場合にあっては容易に商品が露出し、雨や雪、紫外線、温暖な外気或いは汚染物質や粉塵に曝され易いという問題がある。

【0011】

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、買い物籠に入れられた商品の形状及び量に関わらず、買い物籠の開口部等を安定的に覆うことができる買い物籠カバーの提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0012】

上記課題を解決するために本発明による買い物籠カバーは、上方に向かって略矩形状に開口し当該開口部の吊り縁に支持された一対の持ち手を備える買い物籠用の買い物籠カバーであって、前記買い物籠の上部全体を覆う（続いて下部をも覆う構成を選択することができる）略矩形状に裁断された一連のシートからなり、前記シートは、その外縁部で買い物籠の側面を弾性的に保持できる包込み手段を備えると共に、当該シートの外縁の前記吊り縁に沿う対向二辺の中央部にそれぞれ前記買い物籠の持ち手の支部を挟む一対の切込を備え、前記切込に、それぞれ前記持ち手を保持する保持領域と当該保持領域の出入口を開閉する連結手段を備えることを特徴とする。

【0013】

尚、前記略矩形状とは、四つの内角が認識でき、且つ四つの内角が略等しい形状を持つ形状であって、四つの内角が直線的又は曲線的な面取りが施されている形状、及び四つの内角に挟まれた四辺が認識できる限りにおいて曲線的である形態を含む。

【0014】

前記包込み手段は、前記シートの外縁の四隅部にのみ伸縮条が縫着されてなる構成を採ることができる。
また、前記一対の切込に挟まれた中保形領域の基部に固定され前記シートを棒状又は板状に束ねた状態に維持する結束手段を備える構成を採ることもできる。

【発明の効果】

【0015】

本発明による買い物籠カバーは、その外縁部で買い物籠の側面を弾性的に保持できる包込み手段を備えることによって、購入した商品の量に応じて包込み深さを調整しつつ買い物籠の開口部から露出する商品を、買い物籠の開口部と共に確実に覆うことができる。

【0016】

その際、当該カバーの外縁の前記吊り縁に沿う対向二辺（以下「吊り辺」という）の中央部にそれぞれ前記買い物籠の持ち手の支部を挟む一対の切込を備え、前記切込に、それぞれ前記持ち手を保持する保持領域と当該保持領域の出入口を開閉する連結手段を備える構成を採ることによって、買い物籠の開口部より上位に商品が達した場合にあっても、前記連結部でカバーの脱離を抑制することができる他、ネギ等の長尺商品を当該カバーとカゴの隙間や前記切込等から一部露出した状態で前記開口部等を安定的に覆うことができる。

【0017】

前記包込み手段は、前記カバーの外縁の四隅部にのみ伸縮条が縫着されてなる構成を採ることによって、交差する二組の対となる辺（曲線状の辺を含む）それぞれについて、各々の中央部の保形領域で安定した長さが確保されるため、買い物籠の四隅部が各々略独立して端保持領域に保持されることとなる。その結果、前記包込み手段の一部が脱離して収縮したとしても当該収縮が伝染することはなく、カバーの大部分が買い物籠から脱離することもない。従って、仮に、長尺商品の一部を露出するために前記切込の連結部を外し、又はひとつの隅部からを端保持領域を外したとしても、他の隅部の保持をもって、当該カバーを買い物かごの開口部等に安定的に装着することができる。
また、前記外縁部において伸縮条が縫着されずに保形された領域の存在は、前記切込の存在とも相俟って、カバーの外縁を構成する各辺の目印ともなり、買い物籠にカバーを装着する際の便宜ともなる。

【0018】

更に、前記一対の切込に挟まれた中保形領域の基部に固定され前記カバーを棒状又は板状に束ねた状態に維持する結束手段を備える構成を採ることによって、買い物籠の一方の吊り縁の支え片又はそこに支持された持ち手を結束手段が縫着された側の一対の切込及び各々の連結手段（保持手段）によって保持した上で、カバーの残余の領域を折り畳み若しくは巻き取り、前記結束手段で束ねた状態で買い物を行い、精算所にて清算後、当該カバーを展開してその外縁部（包込み手段）で買い物籠に容易に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【0019】

【図1】本発明による買い物籠カバーの使用態様例（展開時）を示す斜視図である。

【図2】本発明による買い物籠カバーの使用態様例を示す平面図である。

【図3】本発明による買い物籠カバーの使用態様例を示す正面図である。

【図4】本発明による買い物籠カバーの使用態様例を示す底面図である。

【図5】本発明による買い物籠カバーの使用態様例を示す背面図である。

【図6】本発明による買い物籠カバーの（Ａ）：嵩低めと、（Ｂ）：嵩高めの使用態様例を示す左側面図である。

【図7】本発明による買い物籠カバーの使用態様例を示す保持領域近傍の拡大背面図である。

【図8】本発明による買い物籠カバーの使用態様例（折畳時）を示す斜視図である。

【図9】本発明による買い物籠カバーの構成例を製造工程に基づいて示す平面図である。

【図10】本発明による買い物籠カバーの構成例を製造工程に基づいて示す（Ａ）（Ｂ）：平面図及び（Ｃ）：底面図である。

【図11】本発明による買い物籠カバーの一例を示す（Ａ）：平面図、（Ｂ）：正面図、（Ｃ）：底面図及び（Ｄ）：左側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0020】

以下、本発明による買い物籠カバーを図面に基づき詳細に説明する。
図１１は、本発明による買い物籠カバー（以下「カバー」という）１の一例を示したものである。
この例は、上方に向かって略矩形状に開口した買い物籠Ｘの開口部、及び側面の上部を覆うカバー１である（図１参照）。

【0021】

前記買い物籠Ｘは、網目構造の四側面及び底面に囲われた合成樹脂製の籠であって、開口部における長縁（この例における「吊り縁」）の中央部に、それぞれ一対の支え片ａ，ａを所定間隔を隔てて上向きに突出した状態で備え、各支え片ａの支持孔に、前記開口部の短辺（自由縁）を横切るコの字状の持ち手ｂ，ｂの各端部がそれぞれ同方向へ揺動する様に支持されたものである。

【0022】

前記カバー１は、前記買い物籠Ｘの上部全体を覆う略矩形状に裁断された一連のシート２からなる（図９又は図１０参照）。
前記シート２は、合成樹脂製のシート２であって、短辺（自由辺）と長辺（吊り辺）からなる長方形に裁断されたシート２の四隅部を三角形に切り欠く面取りが行われ（図９（Ａ）参照）、当該シート２の面取り辺を含む六辺に対し、各々外縁部を同じ幅で二度折り重ねて縫着し纏り部３を形成する縁取り形成が行われている（図９（Ｂ）（Ｃ）参照）。
前記シート２は、以上の工程を終えた時点で、その外縁部の全長が前記買い物籠Ｘの開口部を覆い、且つ当該買い物籠Ｘの側面を包み込むために十分余裕のある寸法となる（図６参照）。

【0023】

前記シート２は、上記作業の際、又は上記作業の後に、当該シート２の四隅部、即ち、面取り辺にのみ、又は当該面取り辺及び吊り辺若しくは自由辺のいずれか若しくは双方の両端部にのみ、伸縮条４が縫着されている。
前記伸縮条４のそれぞれは、十分に引き延ばした状態で縫着され、四隅部に縫着された伸縮条４，４，４，４の伸張時において、当該シート２の外縁部の全長が前記買い物籠Ｘの開口部の外縁全長を十分に超える寸法となり、且つ四隅部に縫着された伸縮条４，４，４，４の収縮時において、当該シート２の外縁部の全長が前記買い物籠Ｘの四側面に密着する寸法となるまで収縮させる寸法に裁断されている。

【0024】

前記伸縮条４の縫着は、例えば、前記縁取り形成によって形作られた纏り部３の内空部に伸縮条４を通し、当該伸縮条４の両端のみを当該纏り部３に縫い付けて固定する手法を採る。
前記伸縮条４には、ゴムの様に伸縮自在な性状を持つ素材の、モノフィラメントやマルチフィラメントからなる紐やバンドなどが望ましい。

【0025】

前記シート２は、前記買い物籠Ｘに装着した際に前記吊り縁に沿う当該シートの外縁の対向二辺（この例では長辺（この例における「吊り辺」））の中央部の同じ位置に、それぞれ一対の切込５を備える（図１０（Ａ）参照）。
各切込５は、吊り辺に対して直角に同じ長さで直線的に切り込まれ、その側縁部及び基端部に解れ止めの補強テープ６が縫着されている（図１０（Ｂ）参照）。これにより、前記切込５は、前記買い物籠Ｘの持ち手ｂ，ｂが支持される各吊り縁の前記支え片ａ，ａの間隔（支点間隔）を隔てた一対の保持領域α，αを形作る。

【0026】

前記補強テープ６に挟まれた保持領域αの先端部（シートの外縁側）には、前記保持領域αの出入口を開閉する連結手段７が固定されている（図１０（Ｂ）（Ｃ）参照）。
前記連結手段７は、片手で容易に開閉できるものが望ましく、例えば、凹凸連結部材で一組となり押し合わせて留めるスナップボタン、フックと環で一組となり相互に掛かり合うもの、又は面ファスナー等が挙げられる。

【0027】

以上の工程をもって、前記シート２に、前記買い物籠Ｘの開口部を覆う目隠し領域βと、当該買い物籠Ｘの側面を弾性的に保持できる包込み手段γと、当該買い物籠Ｘの支え片ａ又は持ち手ｂの基部（支部）を保持する保持手段δが形成される。
前記包込み手段γは、前記シート２の中央部に配置された前記目隠し領域βの周囲を囲む様に形成され、前記買い物籠Ｘの四隅部を保持すべく弾性条４が縫着された端保持領域εと、弾性条４の縫着を敢えて省くことでシートの収縮が抑制された保形領域ζからなり、前記一対の切込５，５が設けられた吊り辺にあっては、前記一対の切込５．５に挟まれた中保形領域ηと、当該一対の切込５，５の外側に位置する端保形領域θ，θを備える。

【0028】

本発明による買い物籠カバー１は、以上の如く構成され、当該カバー１の保持手段δの連結手段７の連結を解除し、前記中保形領域ηをそれぞれ前記買い物籠Ｘの長縁（吊り縁）にそれぞれ上向きで形成された一対の支え片ａ，ａ間（持ち手の支点間）の外側に垂らした上で、四つの端保持領域ε，ε，ε，εをそれぞれ前記買い物籠Ｘの最寄りの四隅部の外側に引っ掛け、当該カバー１の保持手段δ，δ，δ，δの連結手段を連結することによって当該買い物籠Ｘの開口部を覆う形で安定的に装着される。

【0029】

その際、前記包込み手段γは、前記シート２の外縁の四隅部にのみ伸縮条４が縫着され、各端保持領域ε，ε，ε，εに挟まれた保形領域ζ，ζ，ζ，ζが十分に残されているため、当該カバー１の自然収縮時においても長方形状の四辺の非蛇行部分が十分に認識でき、長辺（吊り辺）及び短辺（自由辺）の識別に戸惑うことなくカバー１の装着を行うことができる。
また、前記包込み手段γの保持高は、当該買い物籠Ｘに入れられた商品の嵩に応じて、当該カバー１の前記保持手段δの保持領域αの長さの範囲で上下させることができる。

【0030】

この例は、買い物籠Ｘの一方の吊り縁の支え片ａ，ａ、又はそこに保持された持ち手ｂ，ｂに保持手段δ，δを装着し、当該カバー１を棒状又は板状（りぼん状を含む）に束ねた状態で買い物を行い（図８参照）、支払を終えた後に、当該カバー１の結束を解除して展開し、外縁部を買い物籠Ｘの開口部の最寄りの吊り縁又は自由縁へ引き延ばし、包込み手段γ及び保持手段δを機能させることができる。

【0031】

この例では、一方の側の前記中保形領域ηの基部に伸縮自在な結束手段（この例では結束バンド）８の基端部が固定されている。当該結束手段８の先端部には、当該結束手段８を環状に維持するための連結手段９の一方が固定され、当該結束手段８の前記基端部の固定位置又はその近傍に当該連結手段９の他方が固定されている。
前記連結手段９は、前記結束手段８の基端部又は前記中保形領域ηの基部と、前記結束手段８の先端部に固定された連結部材を着脱可能に連結させることによって、前記結束手段８の環状形態を維持し解除する機能を奏する。

【0032】

この際、前記結束手段８が当該カバー１に内包されて機能不全とならない様に、買い物籠Ｘの支え片ａ又は持ち手ｂには、結束手段８の基端部が固定された側の保持手段δ，δを装着する。
当該結束手段８の連結手段９は、前記補強テープ６に固定する連結手段７と同様のものを用いることができる。

【0033】

前記結束手段８は、筒状に縫製した筒帯に伸縮条を内装し、当該伸縮条の長手方向の両端を前記筒帯と共に縫着し扁平化したものである。縫着の際、前記伸縮条は、十分に引き延ばした状態で前記筒帯の長手方向に沿って縫着され、伸張時において巻き付けられ、又は折り畳まれたカバー１に巻き付けることができ、且つ収縮時において巻き付けられ、又は折り畳まれたカバー１をそこから容易に外れない様に結束できる寸法となるまで収縮させ得る寸法に裁断されている。

【0034】

当該カバー１の折り畳み方は、例えば、一方の吊り縁の支え片ａ，ａ又はそこに保持された持ち手ｂ，ｂに、結束手段８を具備する側の保持手段δ，δを装着し、両吊り辺側の中保形領域η，η及びそれらに挟まれた領域に、両吊り辺側の端保持領域ε，ε，ε，ε及び端保形領域θ，θ，θ，θその他の保形領域ζ，ζを折り重ね、それらを開放されている保持手段δ，δの側から円柱状に巻き取り、又は折り畳む等の手法を採ることができる（図８参照）。

【0035】

本発明による買い物籠カバー１は、柔軟性があるため、買い物籠Ｘに収容された商品の凹凸に沿って商品を覆うことができ、長尺商品を含む場合には、やむを得ず一部の端保持手段εや中保形手段η等を外して商品の一部を露出させるが、その場合にあっても、買い物籠Ｘの開口部を安定して覆うことができる。
また、素材に断熱性を持つシート２を用いることで、商品の保冷効果や保温効果を高めることができ、商品をより良い状態に維持して持ち帰ることができる。

【0036】

図において前記包込み手段γは、買い物籠Ｘの上部のみを覆うように表されているが、気候や天候や内容物に応じて当該包込み手段γが覆う領域を買い物籠Ｘの側面全体又は底面に至るまで覆う構成を採ることもできる。その際、前記切込５の長さや保持領域αを開閉する為に付する連結手段７の配置や数量は適宜変更可能である。
また、カバー１の素材にあっても、柔軟性のある単層シート、 断熱性を与える場合には複層シート、目隠しをしながらも通気性が必要である場合にはメッシュ生地など適宜選択すればよい。

【符号の説明】

【0037】

Ｘ 買い物籠，
ａ 支え片，ｂ 持ち手，
α 保持領域，β 目隠し領域，γ 包込み手段，
δ 保持手段，ε 端保持領域，ζ 保形領域，η 中保形領域，θ 端保形領域，
１ 買い物籠カバー，２ シート，３ 纏り部，４ 伸縮条，
５ 切込，６ 補強テープ，７ 連結手段，
８ 結束手段，９ 連結手段，

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】