(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161788
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】掃除機の吸引力を利用したチリや虫の簡易集塵装置。
(51)【国際特許分類】
A47L 9/10 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
A47L9/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021108159
(22)【出願日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2021089619
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518292759
【氏名又は名称】株式会社AT idea
(72)【発明者】
【氏名】田中 昭彦
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AA02
3B062AA03
3B062AA11
3B062AB03
3B062AH04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】汚れたチリや虫や小動物を掃除機内の集塵室に取り込まずに、掃除機の前に装着する集塵室をもった簡易集塵装置を提供する。
【解決手段】本発明は円柱または多角柱または円錐台の容器5とその蓋3において、上下の両端が開口しており、前記両端のうちの一端において容器の底の中心にパイプ6を着脱自在に取り付けることが可能な容器取り付け孔5bを設け、もう一端において蓋3の中心に掃除機側と連通している掃除機側のパイプ2を着脱自在に取り付けることが可能な蓋取り付け孔3aを設け、容器5の入り口に着脱可能な直円錐の底面を除いた側面4c全面に空気を通す通風孔4aをもつ円錐通風板4を設け、更には集めるチリの大きさにより前記直円錐の頂点近傍は孔の無い直円錐面とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱または多角柱または円錐台の容器とその蓋において、上下の両端が開口しており、前記両端のうちの一端において、容器の底の中心にパイプを着脱自在に取り付けることが可能な容器取り付け孔を設け、もう一端において蓋の中心に掃除機側と連通するパイプを着脱自在に取り付けることが可能な蓋取り付け孔を設け、容器の入り口にはめ込む直円錐の底面を除いた側面全面に空気を通す通風孔をもつ着脱可能な円錐通風板を設けたことを特徴とする簡易集塵装置。
【請求項2】
円錐側面の頂点近傍を孔の無い円錐斜面とし、その周囲に孔を作成した円錐通風板を設けた[請求項1]の簡易集塵装置。
【請求項3】
容器の蓋に使用するパイプの延長と円錐通風板が交差する円より広い範囲を孔の無い円錐斜面とし、その外に孔を作成した円錐通風板を設けた[請求項1][請求項2]の簡易集塵装置。
【請求項4】
容器とその底に装着したパイプを一体化または蓋と蓋に装着するパイプを一体化した[請求項1][請求項2][請求項3]の簡易集塵装置。
【請求項5】
円錐通風板が合成樹脂や紙や木や金属や金網作成の[請求項1][請求項2][請求項3][請求項4]の簡易集塵装置。
【請求項6】
通風板が複数個に使用できる[請求項1][請求項2][請求項3][請求項4][請求項5]の簡易集塵装置。
【請求項7】
円柱や角柱や円錐台やその一部を組み合わせて作成した集塵室を持つ[請求項1][請求項2][請求項3][請求項4][請求項5][請求項6]の簡易集塵装置。
【請求項8】
集塵室の容器の底部も入り口とし、蓋にパイプを着脱自在に取り付けることが可能な蓋取り付け孔を設けた[請求項1][請求項2][請求項3][請求項4][請求項5][請求項6][請求項7]の簡易集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気掃除機の吸い込み口のパイプに配置し、吸い込んだチリや虫等を分離するとともに保持し、汚れたチリや虫等が電気掃除機内に吸引されるのを防止する簡易集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機には重力集塵機、慣性力集塵機、遠心力(サイクロン)集塵機等があり、文献1には吸引力を利用した重力と慣性力を利用した集塵装置が示してあり、文献2では電気掃除機内に異物を持ち込まない重力を利用した異物分離器が示され、文献3では空気を反転させた塵埃分離器が示されている。
【0003】
床に近い掃除機の吸い込み口と掃除機を操作する手元の間に装着するには、文献1の集塵装置は重く、文献2では飛翔する蜂は集塵装置を通過する可能性が高い。文献3は吸い込んだ空気とチリを集塵室内の半球内側面で反転させて集塵室底部にチリを風圧で押さえつけ集塵室の掃除機側の空気を通す通風孔の目詰まりを防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-158943
【特許文献2】実用新案登録第3180921号
【特許文献3】特願2021-19373
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
家庭内で掃除機で吸引するのはほとんどがほこりであるが 掃除機内に取り込みたくないアリや蜘蛛やゴキブリや分泌物を出す虫は別の容器に集め処理を望む声もあり、また再利用したい紙屑等のチリも別の容器に集めるのを望む声もある。
【0006】
ハチ除去業者が使用しているハチの集塵装置は、一辺30cm以上の蓋つき立方体の大きな容器の壁に蛇腹ホースで連結できる空気の入り口と出口の孔を設け、出口の孔をハチが通過できない大きさの孔をもつ通風板の仕切りで覆い、容器に蓋をして、吸い込み口のパイプに繋がった蛇腹ホースを容器の入口の孔に繋ぎ、更に容器の出口の孔につないだ蛇腹ホースを掃除機に連通するとその吸引力でハチは吸込み口から容器内にとりこまれる。
【0007】
しかし、容器の出口だけを覆う通風板では、紙片とか動かないものだと通風板の孔はすぐに詰まってしまう。孔の閉塞を防ぐためには通風板をできるだけ広く孔を多くするのが良いが、集塵装置をコンパクトにすると特に容器を細長くすると空気の通過断面は狭くなりインとアウトの空気の流れが直線的となり、通風板の通風孔にチリ等が直線的に当たり通風孔に詰まる。特にシュレッダーで裁断した紙片のように辺縁がギザギザの細長い紙片の通風孔と同じ大きさの端が通風孔にはまり込むと紙片の長い部分に次の紙片が引っ掛かり連鎖的に紙片が大きな塊となり詰まり易い。また、手足の長い蜘蛛等が孔にはまり込みこみ易い。
本発明は以上の問題を解決しようとするものである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、容器の通過断面は狭いまま通風板と通風孔の面積を広くしつつ、チリや虫等が容器の底部に集まり通風孔が詰まりにくい集塵装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、更に構成が簡単であり軽くてすぐ使用できて、集塵後も取り扱い易い、掃除機からの着脱が容易にできる簡易集塵装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、文献3のように吸い込んだ空気とチリを集塵室内で反転させて容器の底にチリを風圧で押さえつける簡易集塵室を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、吸い込んだ虫を保持して観察や処理が簡単にできる集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明は円柱または多角柱または円錐台の容器(5)とその蓋(3)において、上下の両端が開口しており、前記両端のうちの一端において容器の底(5a)の中心にパイプ(6)を着脱自在に取り付けることが可能な容器取り付け孔(5b)を設け、もう一端において蓋(3)の中心に掃除機側と連通している掃除機側のパイプ(2)を着脱自在に取り付けることが可能な蓋取り付け孔(3a)を設け、容器(5)の入り口に着脱可能な直円錐の底面を除いた側面(4c)全面に空気を通す通風孔(4a)をもつ円錐通風板(4)を設け、更には集めるチリの大きさにより前記直円錐の頂点近傍は孔の無い直円錐面とした円錐通風板を設けた。
本発明は以上を特徴とするチリ等の簡易集塵装置である。
【発明の効果】
【0013】
取り込んだチリ等を円錐通風板(4)で反転する空気(7c)の対流の流れを作り容器の底(5a)に集めることができて、通風孔(4a)と同じ大きさのチリやシュレッダーで裁断した紙片(8)のように通風孔(4a)と同じ大きさの端をもつチリ等の目詰まりを少なくできた。
【0014】
直円錐斜面を全面直径5mmの通風孔とした
図2のような通風板の場合、吸入口が下を向いていると直径10mm以上の綿球を集めるとき綿球は頂点→円錐斜面→容器底と反転して容器の底に集まる。
【0015】
直円錐斜面全面に通風孔を設けた通風板を今後(A)と呼ぶ。また、直円錐斜面の頂点周囲を孔の無い円錐斜面としその周囲に通風孔を設けた円錐通風板を今後(B)と呼ぶ。
図1図2図7は(A)を使用、
図3図4図5図6は(B)を使用である。
【0016】
直円錐斜面の通風孔が2.5x2.5mmの全面通風孔(A)のとき発泡スチロール球直径2.5~3mm 1mg/1粒を1000粒から3000粒を吸引すると吸引口が下を向いていても水平に向いていても斜め上を向いていても、噴射口から頂点に噴射された発泡スチロール球は、頂点→円錐斜面下→容器底→頂点の対流を認めるが掃除機の吸引力が強いと空気の流れが頂点部周辺で直線的となり陰圧が強い頂点部で目詰まりを起こす。
シュレッダーで裁断した紙片(8)0.013g/1個 300片を水平に吸引すると容器の底に集塵するが、吸引力が強いと紙片の断端が頂点と頂点周囲の孔に詰まり紙片の長い本体が複数絡んで塊を作ることがある。
【0017】
しかし、
図3の直円錐斜面の頂点周囲を孔の無い円錐斜面としその周囲に通風孔を設けた円錐通風板(B)の場合、シュレッダーで裁断した紙片(8)や直径2.5~3mm発泡スチロール球は通風板の頂点で詰まることは無く頂点で360度チリと空気は放射状に分散し、斜面を流れる空気が強くなり容器内の対流も強くなり、目詰まりが少なく容器の底にチリが集まり易い。
【0018】
掃除機(9)の吸引力を利用して床上やベランダ上や草むらのチリや虫等を集めて保持し、掃除機(9)から外して観察出来て処理できる。
【0019】
(B)使用時の場合、通風孔の孔よりはるかに小さい粉、例えば重曹の粉や精米後のぬかを吸引の場合、取り込み口の向きと吸引する風の勢いや孔の無い円錐斜面の広さを調整すると容器の底に集まる量は90%以上となる。
【0020】
チリが小さいときは、(B)は頂点近傍に孔が無いためと頂点で分散する風が大きくなるため円錐斜面全面に孔のある(A)よりは通風孔(4a)の孔に詰まるという欠点が少なく、(B)の機能は(A)の機能を含むが 集めるチリの大きさが孔より10倍大きければ集塵機能に変化はない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】本発明の(A)使用集塵装置を5つのパーツに分けた斜視図である。
【
図3】本発明の(B)使用集塵装置を5つのパーツに分けた斜視図である。
【
図4】本発明の(B)使用集塵装置を組み立てた中央断面図である。
【
図5】本発明の(B)使用集塵装置の空気の流れを示した中央断面図である。
【
図6】本発明の
図5の通風孔に紙片が詰まったときを示した中央断面図である。
【
図7】本発明の(A)使用集塵装置の頂点周囲に紙片が詰まった中央断面図である。
【
図8】本発明の
図3図4に追加の通風板を2か所設けた中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明で実施の形態について説明する。
(イ)容器入り口内側に水平部(5e)をもつ円柱または多角柱または円錐台の容器(5)とその蓋(3)で形成される密閉空間の上下両端の、その一端において、容器(5)の底(5a)の中心にパイプ(6)を着脱自在に取り付けることが可能な容器取り付け孔(5b)を設け、
(ロ)もう一端において蓋(3)の中心に掃除機(9)と連通する掃除機側のパイプ(2)を着脱自在に取り付けることが可能な蓋取り付け孔(3a)を設け、
(ハ)直円錐の底面を除いた円錐側面(4c)において、全面に通風孔(4a)をもつ円錐通風板(4)(A)を設け、更にはチリの大きさにより頂点近傍は孔の無い円錐側面(4c)としその外周に空気を通す通風孔(4a)をもつ円錐通風板(4)(B)を設けた。
(ニ)円錐通風板(4)の周囲に、容器入り口内側の水平部(5e)にはめ込む枠(4d)を設けた。
本発明は以上の構成でなっている。
本発明を使用するときは、容器入り口内側の水平部(5e)に円錐通風板(4)の枠(4d)を円錐の頂点(4b)を容器方向にしてはめこみ、蓋(3)の蓋取り付け部の孔(3a)と容器の底(5a)の容器取り付け孔(5b)にパイプ2本(2)(6)を取り付け、容器に蓋をしてから,掃除機側のパイプ連絡口(2a)を掃除機(9)にはめ込み チリ等をチリ吸い込み口(6b)から集塵室(5c)に吸い込む。
【0023】
円錐通風板(4)の全面に5mmの孔を設けた1例(A)を
図2で示した。直径20mm以上の綿球等では問題なく容器の底に集まるが、5mm以下の綿球だと孔に直接はまり込んで詰まる。
【0024】
2本のパイプ(2)(6)を蓋(3)と容器の底(5a)に常時はめておくと3つのパーツになり、円錐通風板(4)を蓋(3)と容器(5)の間に挟むだけで集塵装置(1)を容易に素早く掃除機(9)の外部に設置可能となる。
【0025】
集塵装置(1)の容器(5)内は円錐通風板(4)によって二分され、チリが集まる集塵室(5c)と蓋(3)側の掃除機側のパイプ吸引口(2b)で吸引される陰圧が強い陰圧側部(5d)の空間となる。
【0026】
(B)を使用時の
図5では、シュレッダーで裁断された紙片(8)と空気の流れ(7)を示した。容器内のパイプの噴出口(6a)から吹き出す紙片と空気は、通風板の頂点(4b)で360度均等に放射状に円錐側面(4c)に分散し、通風孔(4a)で陰圧側部の空気の流れ(7d)に吸引されながらも円錐側面(4c)を流れ、円錐側面下の円錐側面(4c)と容器(5)の内面で形成される隅角部(5f)で反転した空気(7c)が容器の底へ向かう様子を示している。
図6では通風孔(4a)と同じ大きさの部分をもつシュレッダーで裁断した紙片(8)の端の陰圧側部による空気の流れ(7d)による通風孔(4a)へのはまり込みが示してあるが、頂点(4b)からの紙片に当たる空気(7b)が紙片の中央部を押して通風孔(4a)の閉塞を防ぐ様子を示しており、実際にも吸引時に毎回観察できる。
【実施例0027】
集塵装置の実施例について実施例1~4について説明する。
▲イ▼▲ロ▼では、孔の無い円錐面が頂点からの半径が35mm以上になると通風孔の面積が狭くなるため陰圧部の空気の流れが強くなり通風孔(4a)の目詰まりが見られる。