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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161799
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】LED電球
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/237 20160101AFI20221014BHJP
   F21K 9/69 20160101ALI20221014BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20221014BHJP
   F21K 9/65 20160101ALI20221014BHJP
   F21V 13/02 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 13/12 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 14/00 20180101ALI20221014BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20221014BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 3/04 20180101ALI20221014BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20221014BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20221014BHJP
   F21K 9/233 20160101ALI20221014BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221014BHJP
【FI】
F21K9/237
F21K9/69
F21V5/04 500
F21V5/02 100
F21V5/02 350
F21V5/00 510
F21K9/65
F21V13/02 400
F21V13/12 300
F21V14/00 200
F21V3/00 510
F21V3/02 400
F21V3/04
F21V17/00 154
F21V17/00 200
F21V17/00 451
F21V9/08 100
F21K9/233
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158526
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021066613
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592064110
【氏名又は名称】株式会社モデュレックス
(71)【出願人】
【識別番号】501045021
【氏名又は名称】株式会社ナノテコ
(74)【代理人】
【識別番号】100105614
【弁理士】
【氏名又は名称】児島 敦
(72)【発明者】
【氏名】曄道 悟朗
(72)【発明者】
【氏名】島田 順一
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011HA03
3K011JA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の電球を容易に置換可能で、LED電球単体で様々な照明態様に対応可能なLED電球を提供する。
【解決手段】LED電球10は、電源プラグ部13と、ボディ12と、ボディ12内に収納されたLED素子と、レンズユニット14と、を備え、レンズユニット14は、LED素子を出射した光のうち、高出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第1入射面と、第1入射面から入射した光を反射する反射面と、反射面を反射した光を円環状に出射する第1出射面と、を有する第1レンズ部27Dと、LED素子を出射した光のうち、低出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第2入射面と、第2入射面から入射した光を出射する第2出射面と、を有する第2レンズ部と、第1出射面及び第2出射面を出射した光が入射される第3入射面と、第3入射面に入射した光が集光された状態で出射される第3出射面と、を有する第3レンズ部26と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源プラグ部と、
ボディと、
前記ボディ内に収納されたLED素子と、
レンズユニットと、を備え、
前記レンズユニットは、前記LED素子を出射した光のうち、高出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第1入射面と、前記第1入射面から入射した光を反射する反射面と、前記反射面を反射した光を円環状に出射する第1出射面と、を有する第1レンズ部と、
前記LED素子を出射した光のうち、低出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第2入射面と、前記第2入射面から入射した光を出射する第2出射面と、を有する第2レンズ部と、
前記第1出射面及び前記第2出射面を出射した光が入射される第3入射面と、前記第3入射面に入射した光が集光された状態で出射される第3出射面と、を有する第3レンズ部と、
を備えたLED電球。
【請求項2】
前記第3入射面は、前記LED素子の光軸方向に対して前記LED素子に近づく方向に凹形状あるいは平面形状とされ、
前記第3出射面は、前記LED素子の光軸方向に対して前記LED素子から離れる方向に凸形状とされている、
請求項1に記載のLED電球。
【請求項3】
前記第3入射面の表面には、複数のマイクロレンズが配置されている、
請求項1記載又は請求項2のLED電球。
【請求項4】
前記第1出射面は、円環状に突設されている、
請求項1に記載のLED電球。
【請求項5】
前記第1出射面及び第2出射面は、同一凹面上に形成されている、
請求項1に記載のLED電球。
【請求項6】
前記第2入射面及び前記第2出射面は、前記LED素子の光軸の方向に沿って見た場合に、前記第1出射面により囲まれた領域に位置している、
請求項1記載のLED電球。
【請求項7】
前記第2入射面は、前記LED素子の光軸の方向に沿って見た場合に、前記第1入射面により囲まれた領域に位置し、
前記第1出射面と前記第2出射面とは、一部が重なっている、
請求項1記載のLED電球。
【請求項8】
前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部は、一体に形成されて上部レンズユニットとして構成されている、
請求項1に記載のLED電球。
【請求項9】
前記第1入射面は、円筒内周面あるいは逆円錐台周面の形状とされている、
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項10】
前記第1入射面は、光軸に沿った方向に延びる断面山型形状の山型突起が環状に連続して配置された形状とされている、
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項11】
前記光軸を含む仮想平面上における前記第1入射面を含む直線は、前記LED素子から離れる方向において前記光軸と徐々に近づいて角度θ2>0°で交差しており、
前記仮想平面上における前記第1出射面を含む直線は、前記LED素子に近づく方向において前記光軸と徐々に近づいて、角度θ3>90°で交差している。
請求項1乃至請求項4、請求項6、請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項12】
前記第2入射面は、前記LED素子の光軸方向に対して前記LED素子に近づく方向に凸形状あるいは平面形状とされ、
前記第2出射面は、前記LED素子の光軸方向に対して前記LED素子から離れる方向に凸形状とされている、
請求項11に記載のLED電球。
【請求項13】
前記第2出射面の曲率半径は、前記第2入射面の曲率半径よりも小さくされている、
請求項12に記載のLED電球。
【請求項14】
前記第2入射面は、凸形状を有し、前記第2出射面は、凹形状を有している、
請求項1記載のLED電球。
【請求項15】
前記第2出射面の曲率半径は、前記第2入射面の曲率半径よりも大きくされている、
請求項14に記載のLED電球。
【請求項16】
前記第3出射面の曲率半径は、前記第3入射面の曲率半径よりも小さくされている、
請求項2に記載のLED電球。
【請求項17】
前記第3出射面を出射した前記光の照射態様を変更する着脱可能なフィルタを備えている、
請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項18】
前記レンズユニットは、前記第1レンズ部、前記第2レンズ部及び前記第3レンズ部を支持する支持パネルを備えた、
請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項19】
前記第3出射面を出射した出射光のグレアをカットするフード部を備えた、
請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載のLED電球。
【請求項20】
前記フード部は、前記第3出射面を出射した前記光の照射態様を変更する着脱可能なフィルタを支持可能とされている、
請求項19に記載のLED電球。
【請求項21】
前記フード部の最大径は、前記ボディの最大径よりも小さくされている、
請求項19又は請求項20に記載のLED電球。
【請求項22】
前記フード部は、前記支持パネルに着脱可能とされている、
請求項19乃至請求項21のいずれか一項に記載のLED電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED電球に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白熱電球等と比較して交換頻度が低く、メンテナンス等の取り扱いが容易な電球としてLED電球が広く知られている。
しかしながら、LED電球は、取り扱いが容易で、消費電力が少なく省エネルギーである以外は、従来の電球と同様であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-219194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、電球以外の様々な構成要件を有する照明器具として構成しなければ、電球単体としては、ユーザが要求する多様な照明態様(照明デザイン)に応えることはできなかった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来の電球を容易に置換可能で、LED電球単体で様々な照明態様に対応可能なLED電球を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、実施形態のLED電球は、電源プラグ部と、ボディと、ボディ内に収納されたLED素子と、レンズユニットと、を備え、レンズユニットは、LED素子を出射した光のうち、高出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第1入射面と、第1入射面から入射した光を反射する反射面と、反射面を反射した光を円環状に出射する第1出射面と、を有する第1レンズ部と、LED素子を出射した光のうち、低出射角側の所定角度範囲の出射光が入射する第2入射面と、第2入射面から入射した光を出射する第2出射面と、を有する第2レンズ部と、第1出射面及び第2出射面を出射した光が入射される第3入射面と、第3入射面に入射した光が集光された状態で出射される第3出射面と、を有する第3レンズ部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光学系のコンパクト化が図れ、従来の電球を容易に置換可能で、様々な照明態様に対応可能なLED電球を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のLED電球の正面図である。
図2】LED電球からフード部及びレンズユニットを取り外している状態の外観斜視図である。
図3】フード部及びレンズユニットの分解斜視図である。
図4】フード部の外観斜視図である。
図5】フード部の平面図である。
図6】第1支持パネルの外観斜視図である。
図7】第1支持パネルの平面図である。
図8】第2支持パネルの外観斜視図である。
図9】第2支持パネルの平面図である。
図10】レンズ部の正面図である。
図11】上部レンズユニットの正面図である。
図12】+Z方向(上方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図13】-Z方向(下方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図14】上部レンズユニットの断面図である。
図15】第3レンズ部の正面図である。
図16】+Z方向(上方向)から見た場合の第3レンズ部の外観斜視図である。
図17】第3レンズ部の平面図である。
図18】-Z方向(下方向)から見た場合の第3レンズ部の外観斜視図である。
図19】第3レンズ部の断面図である。
図20】第1実施形態のLED電球の光路説明図である。
図21】第2実施形態の上部レンズユニットの断面図である。
図22図22は、第2実施形態のLED電球の光路説明図である。
図23】第3実施形態のLED電球の正面図である。
図24】LED電球からフード部及びレンズユニットを取り外している状態の外観斜視図である。
図25】フード部及びレンズユニットの分解斜視図である。
図26】フード部の外観斜視図である。
図27】フード部の平面図である。
図28】支持パネルの外観斜視図である。
図29】支持パネルの平面図である。
図30】レンズユニットの要部の正面図である。
図31】上部レンズユニットの正面図である。
図32】+Z方向(上方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図33】-Z方向(下方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図34】上部レンズユニットの断面図である。
図35】第3レンズ部の外観斜視図である。
図36】第3レンズ部の平面図である。
図37】第3レンズ部の正面図である。
図38】第3レンズ部の断面図である。
図39】フィルタ挿入時のLED電球の分解斜視図である。
図40】第3実施形態のLED電球の第1照射態様における光路説明図である。
図41】第3実施形態のLED電球の第2照射態様における光路説明図である。
図42】第4実施形態のLED電球の正面図である。
図43】第5実施形態のLED電球の正面図である。
図44】第6実施形態のLED電球の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0010】
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態のLED電球の正面図である。
図2は、LED電球からフード部及びレンズユニットを取り外している状態の外観斜視図である。
【0011】
以下の説明においては、図1に矢印で示すように、図1の左右方向をY方向とし、図1に垂直な方向をX方向とし、図1の上下方向をZ方向とする。さらに、図1の右方向を+Y方向とし、図1の左方向を-Y方向とし、図1の手前方向を+X方向とし、図1の奥行方向を-X方向とし、図1の上方向を+Z方向とし、図1の下方向を-Z方向とする。
この場合において、LED電球の光軸は、Z方向と平行であるものとする。
なお、これらの関係は、説明の便宜のために設定したものであり、これに限られるものではない。
【0012】
[1.1]LED電球の全体構成
第1実施形態のLED電球10は、フード(Hood)部11と、ボディ12と、電源プラグ部13と、レンズユニット14と、を備えている。
上記構成において、フード部11は、グレアを防止するために設けられており、外観視、略逆円錐台形状を有している。
【0013】
フード部11は、フード部11の取り外し/取り付け時に位置合わせを行うための位置合わせマーク21が形成されたフード本体部22を備えている。
ボディ12は、図1の例では、お椀を伏せたような形状を有しており、LED素子が搭載された基板ユニットを収納している。
ここで、ボディ12の形状は、電源プラグ部13の規格に応じて想定される電球の形状及び径とされている。そして、フード部11の最大径は、ボディ12の最大径よりも小さくされている。
【0014】
電源プラグ部13は、図1の例では、ペンシル型ロケット形状を有しており、プラグ本体部31及び電源プラグ32を備えている。
図1の例においては、電源プラグ32として、E11規格に相当するサイズの口金を備えている。
【0015】
また、レンズユニット14は、図2に示すように、上部レンズユニット27と、第3レンズ部26と、フード部11(フード本体部22)が着脱可能に係合され上部レンズユニット27及び第3レンズ26が取り付けられた第1支持パネル24と、フード部11が嵌合状態で取り付け可能な第2支持パネル25と、を備えている。
上記構成において、上部レンズユニット27と、第3レンズ部26とは、レンズ部30を構成している。
【0016】
[1.2]フード部及びレンズユニットの構成
図3は、フード部及びレンズユニットの分解斜視図である。
フード部11は、図2及び図3に示すように、フード本体部22を備えている。
そして、フード本体部22の内周面23には、第2支持パネル25に嵌め合わされる係合突起23Aが複数(図3の例では、3個)、+Z方向に突設されている。
レンズユニット14は、第1支持パネル24、第2支持パネル25、第3レンズ部26、上部レンズユニット27及びねじ28を備えている。
【0017】
上記構成において、第1支持パネル24は、+Z方向の面(上面)から+Z方向に突設された複数(図3では3個)の係合突起24Aを備えている。この係合突起24Aは、ボディ12に係合するように構成されている。
また、第1支持パネル24のパネル面24Xには、係合突起23Aが+Z方向に挿通される複数(図3では3個)の挿通孔24Bと、ねじ28が螺合されるねじ穴突起24Cが複数(図3では3個)設けられている。
【0018】
また、第2支持パネル25は、第1支持パネル24のねじ穴突起24Cがそれぞれ挿通される複数(図3では3個)の挿通部25Aと、フード部11の係合突起23Aに付勢しつつ係合する複数(図3では3個)の係合片25Bが円形状の外周面に沿って形成されている。
【0019】
第3レンズ部26は、-Z方向に凸形状を有する底面を備えた有底筒状形状を有している。
さらに第3レンズ部26は、後に詳述するが、係止片26A、支持片26B、規制用突起26C、円筒部26D及びレンズ部26Eを備えている。
【0020】
上部レンズユニット27は、後に詳述するが、ねじ用切欠き部27Aと、位置規制用孔27Cと、第1レンズ部27Dと、第1レンズ部27Dに一体に形成された第2レンズ部27Eと、プレート部27Xと、を備えている。
【0021】
さらに第1支持パネル24の+Z方向の面(上面)と、上部レンズユニット27との間に第2支持パネル25及び第3レンズ部26を挟んだ状態で、ねじ28により上部レンズユニット27が固定される。
この上部レンズユニット27には、平面視(-Z方向矢視)円環状の第1レンズ部27Dが形成されている。そして、この第1レンズ部27Dに囲まれて、平面視(-Z方向矢視)円状の第2レンズ部27Eが一体に形成されている。
【0022】
[1.3]フード部の構成
図4は、フード部の外観斜視図である。
図5は、フード部の平面図である。
図4に示すように、フード部11のフード本体部22は、-Z方向に向かうにしたがって径が小さくなる略カップ形状(逆円錐台形状)を有している。
【0023】
上述したように、フード本体部22の内周面23には、第2支持パネル25に嵌め合わされる係合突起23Aが複数(図3の例では、3個)、+Z方向に突設されている。
【0024】
この係合突起23Aは、全体として周方向に沿って側面視した場合に逆L字状をなしている。さらに係合突起23Aは、周方向に沿って側面視した場合に、逆三角形状に凸設された支持部23A1と、略円柱形状を有し、支持部23A1に沿って+Z方向に突き出た円柱部23A2と、円柱部23A2からX-Y平面方向、かつ、外周方向に突設した係合部23A3と、を備えている。
【0025】
この場合において、位置合わせマーク21は、係合突起23Aが突設された位置に対応して形成されている。
【0026】
上記構成において、係合部23A3は、円柱部23A2とともに、第1支持パネル24の挿通孔24B内に挿通された状態で、Z軸に沿った回転軸を中心として、図5に示すようにフード部11全体を-Z方向視した場合に、反時計回りに回動させることで、係合部23A3の-Z方向の面(下面)が、第1支持パネル24のパネル面24Xに沿って摺動、当接してフード部11が第1支持パネル24に嵌合される。この結果、フード部11は、レンズユニット14に対して固定されることとなる。
【0027】
さらにフード本体部22の下端側(-Z方向端部側)には、内周面23に、上部ローレット部23Bが形成されている。
【0028】
この上部ローレット部23Bは、X-Y平面に平行な面における断面が山型形状を有し、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、内周面23に沿って、円環状に連続して複数配置された形状を有している。
【0029】
この上部ローレット部23Bの下方(-Z方向)には、段差部23Cを介して上部ローレット部23Bと同様の山型突起が内周面23に沿って、円環状、かつ、下方(Z方向)に向けて放射状に連続して複数配置された形状を有する下部ローレット部23Dが設けられている。
【0030】
上部ローレット部23B及び下部ローレット部23Dは、照明光をランダムに反射することでグレアを防止している。
さらに下部ローレット部21Bの上端面(+Z方向端面)に形成された段差部23Cは、円環状の平面とされ、必要に応じてフィルタを載置し、保持可能なフィルタ載置面23Fとしても機能することができる。
【0031】
[1.4]第1支持パネルの構成
図6は、第1支持パネルの外観斜視図である。
図7は、第1支持パネルの平面図である。
第1支持パネル24は、係合突起24Aと、挿通孔24Bと、ねじ穴突起24Cと、パネル面24Xと、を備えている。
【0032】
係合突起24Aは、複数(図6及び図7では、3個)設けられており、それぞれパネル面24Xの+Z方向の面(上面)から+Z方向に突設されており、突設方向に対して交差する方向に延在する係合面24A1をそれぞれ備えている。
この係合突起24Aは、ボディ12の対応する挿通孔内に挿入されて、係合面24A1がボディ12に当接して係合するように構成されている。
【0033】
また、第1支持パネル24のパネル面24Xには、係合突起23Aの係合部23A3が+Z方向に挿通される複数(図6及び図7では3個)の挿通孔24Bが設けられている。
【0034】
この挿通孔24Bの周方向の一端には、フード本体部22の係合部23A3が挿通可能なように径方向に幅が拡げられた挿通部24B1が形成され、挿通部24B1から周方向にそって、より幅が狭く、係合突起23Aの円柱部23A2は挿通可能であるが、係合部23A3は、抜けることができないガイド溝部24B2が形成されている。
【0035】
さらにガイド溝部24B2のパネル面24Xの+Z方向の面(上面)には、係合部23A3の下面が当接される滑り止め部24B3が設けられている。
【0036】
そして、挿通孔24Bの挿通部24B1に係合部23A3を挿通させた状態で、フード部11を-Z方向視した場合に、フード本体部22を反時計回りに回動させることで、係合部23A3の下面がパネル面24Xの+Z方向の面(上面)に当接した状態となって、滑り止め部24B3に摺動しつつ当接し、滑り止め部24B3の摩擦力によりフード本体部22を一体に固定し、保持することができるようになっている。
【0037】
さらに第1支持パネル24のパネル面24Xには、ねじ28が螺合される円筒形状のねじ穴突起24Cが複数(図6及び図7では3個)設けられている。
そして、ねじ穴突起24Cには、ねじ28が螺合されて、レンズユニット14が固定されるようになっている。
【0038】
[1.5]第2支持パネルの構成
図8は、第2支持パネルの外観斜視図である。
図9は、第2支持パネルの平面図である。
【0039】
第2支持パネル25は、第1支持パネル24のねじ穴突起24Cがそれぞれ挿通される複数(図3では3個)の挿通部25Aと、第2支持パネル25の円環状の外周面に沿ってフード部11の係合突起23Aに付勢しつつ係合する複数(図3では3個)の係合片25Bと、フード部11の係合突起23Aが挿入される挿入凹部25Cと、を備えている。
【0040】
挿通部25Aは、図9に示すように平面視U字形状の凹部を形成しており、第1支持パネル24の円柱状のねじ穴突起24Cがちょうど収まるような形状となっている。
【0041】
係合片25Bは、第2支持パネル25の円環状の外周面に沿ってアーム状に形成されたアーム部25B1と、第2支持パネル25の径方向に突設され、アーム部25B1の基端部を支持するベース部25B2と、を備えている。
この状態において、アーム部25B1の先端部は、ベース部25B2に基端部が支持された状態で第2支持パネル25の径方向(拡径方向)に撓むことが可能となっている。
アーム部25B1の先端部寄りの位置には、第2支持パネル25の中心に向かって突設された突部25B11が形成されている。
【0042】
これらの結果、フード本体部22の係合突起23Aを挿入凹部25Cに挿入した状態で、平面視(-Z方向視)反時計回りにフード部11を回動させることにより、係合突起23Aの円柱部23A2の側面が係合片25Bを押圧しつつ当接した状態でX-Y平面方向に沿って拡径方向に係合片25Bをたわませて、円柱部23A2に対する押圧力が徐々に高くなる。そして、円柱部23A2が突部25B11を乗り越えると、係合片25Bの撓み量が少なくなる。
【0043】
これらの結果、係合突起23Aの円柱部23A2は、係合片25Bにより押圧された状態でアーム部25B1の先端と、突部25B11とで囲まれた領域に固定保持される。
【0044】
逆にこの固定された状態から平面視(-Z方向視)時計回りにフード部11を回動させることにより、再び係合突起23Aの円柱部23A2を回動させて、アーム部25B1をたわませて、突部25B11を乗り超えさせてベース部25B2側に至らせることで、フード部11を第2支持パネル25から、ひいては、LED電球10から取り外すことが可能な状態となる。
【0045】
したがって、例えば、フィルタを用いる場合には、フード部11を取り外した状態で容易にフィルタを設置したり、フィルタを交換したりすることが可能となっている。
【0046】
[1.6]レンズ部の構成
図10は、レンズ部の正面図である。
レンズ部30は、上述したように、上部レンズユニット27と、第3レンズ部26と、を備えている。
【0047】
[1.6.1]上部レンズユニットの構成
図11は、上部レンズユニットの正面図である。
図12は、+Z方向(上方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図13は、-Z方向(下方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図14は、上部レンズユニットの断面図である。
上部レンズユニット27は、ねじ用切欠き部27Aと、第1レンズ部27Dと、位置規制用孔27Cと、第1レンズ部27Dと一体に形成された第2レンズ部27Eと、プレート部27Xと、を備えている。
【0048】
ねじ用切欠き部27Aは、平面視(-Z方向視)C字形状を有し、Z軸に沿って形成されて、ねじ26がその内面に対向して挿通される。
位置規制用孔27Cは、Z軸方向に沿って貫通された孔となっており、プレート部27Xの下面側(-Z方向側)から後述する第3レンズ部26の規制用突起26Cが挿入されて上部レンズユニット27と、第3レンズ部26と、が互いにX-Y平面に沿って相対的に回転するのを抑制している。
【0049】
[1.6.1.1]第1レンズ部の構成
第1レンズ部27Dは、図14に示すように、円環状の第1入射面FI1と、第1入射面に対して所定角度θ1をなして円錐台の周面のように円環状に形成された反射面FR1と、X-Y平面に沿って配置された円環状の第1出射面FO1と、を備えている。
この場合において、第1入射面FI1は、逆円錐台の周面形状とされている。そして第1レンズ部27Dは、この第1入射面FI1に入射した照明光Lを反射面FR1に伝送している。
なお、第1入射面FI1は、円筒周面形状とすることも可能である。
【0050】
この場合において、第1入射面FI1は、図14に示すように、光軸LAを含む仮想平面VP上における第1入射面FI1を含む直線LL1は、LED素子である光源51(図20参照)から離れる方向(-Z方向)において光軸LAと徐々に近づいて角度θ2>0°で交差するように形成されている。
この第1入射面FI1は、LEDから出射される照明光Lのうち、高出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=55°~70°)の光が入射するように配置されている。
これらの結果、高出射角側の照明光Lを確実に反射面FR1に導くことが可能となる。
【0051】
反射面FR1は、第1入射面FI1から入射した照明光Lの出射角θ0に応じて、全反射面を構成可能とした、外周面が円錐台状に所定角度で傾いた所定の傾斜曲面27Bを構成している。
一方、第1出射面FO1は、図14に示すように、-Z方向に突設されていて、第1出射面FO1を含み光軸LAを通る直線LL2は、光源51に近づく方向において、光軸LAと徐々に近づいて光軸LAと90度より大きい角度θ3(>90°)で交差するように形成されている。さらに第1出射面FO1は、+Z方向視、円環状に形成されている。
これにより、反射面FR1側から入射した照明光を-Z方向に出射するに際し、第3レンズ部の第3入射面FI3の周縁部全域にわたって照明光Lを集光することができる。
【0052】
上記構成において、後述の第3実施形態のように、第1入射面FI1を、X-Y平面に平行な面における断面を山型形状とし、この山型形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、円環状に連続して複数配置されて複数のプリズム(プリズム部)を構成するように構成することも可能である。このように構成することにより、第1レンズ部27Dは、LED素子である光源51から出射され、この複数のプリズムに入射した照明光Lを均等に分散して、反射面FR1に伝送することができる。
【0053】
[1.6.1.2]第2レンズ部の構成
第2レンズ部27Eは、第1レンズ部27Dに一体に形成されており、第2入射面FI2及び第2出射面FO2を備えている。
第2入射面FI2は、X-Y平面に沿った第1レンズ部27Dの第1入射面FI1に囲まれた領域に形成されている。
【0054】
この場合において、第2レンズ部27Eの第2入射面FI2は、LED素子として構成された光源51に向かって(+Z方向に向かって)凸形状とされている。なお、設計によっては、第2入射面FI2は、平面形状としてもよい。
いずれにしても、第2出射面FO2の曲率半径rO2は、第2入射面FI2の曲率半径rI2よりも小さく、すなわち、
rO2<rI2
と設定されている。
【0055】
この第2入射面FI2は、LEDから出射される照明光Lのうち、低出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=0°~55°)の光が入射するように配置されている。
【0056】
また、第2出射面FO2は、-Z方向に凸な形状を有しており、第2入射面FI2から入射した照明光Lを光軸LAに沿った光として出射する。
【0057】
第2レンズ部27Eは、実焦点を有するレンズとなり、第2入射面FI2から入射する(より拡散光に近い)照明光Lは、集光されて、より光軸LAに平行な光となって第2出射面FO2から出射されることとなる。
【0058】
また、プレート部27Xは、平面視(-Z方向矢視)円環形状を有し、上部レンズユニット27の外周部において、X-Y平面に沿って延在している。
【0059】
上記構成の結果、LED素子から出射した照明光Lは、上部レンズユニット27により、集光されて、高効率で光軸LAに沿って(Z軸に沿って)平行光に近い形となって、第3レンズ部26の第3入射面FI3に入射することとなる。
この場合において、第2入射面FI2及び第2出射面FO2は、LED素子の光軸の方向に沿って見た場合に、第1出射面FO1により囲まれた領域に位置している。
【0060】
[1.6.2]第3レンズ部の構成
図15は、第3レンズ部の正面図である。
図16は、+Z方向(上方向)から見た場合の第3レンズ部の外観斜視図である。
図17は、第3レンズ部の平面図である。
図18は、-Z方向(下方向)から見た場合の第3レンズ部の外観斜視図である。
図19は、第3レンズ部の断面図である。
【0061】
第3レンズ部26は、図15に示すように、-Z方向に凸形状を有する底面を備えた有底筒状形状を有している。
さらに第3レンズ部26は、係止片26A、支持片26B、規制用突起26C、円筒部26D及びレンズ部26Eを備えている。
【0062】
係止片26A及び支持片26Bの上面は、上部レンズユニット27に当接し、さらに支持片26Bは、規制用突起26Cにより位置決めを行う。
この状態で、係止片26A及び支持片26Bの下面は、第2支持パネル25に当接しており、上から上部レンズユニット27のねじ用切欠き部27Aにねじ28を挿入して、上部レンズユニット27を第1支持パネル24に固定することで、上部レンズユニット27と第1支持パネル24とに挟まれて第3レンズ部26が第2支持パネル25に固定されることとなる。
係止片26Aは複数(図16の例では、6個)設けられ、X-Y平面に沿って光軸LAから放射方向に延在して、上部レンズユニット27のプレート部27Xに当接して上部レンズユニット27に係止する。
【0063】
支持片26Bは、X-Y平面に沿って光軸LAから放射方向に延在して、複数(図16の例では、3個)が規制用突起26Cを支持すべく設けられている。
規制用突起26Cは、支持片26Bの上面(+Z方向の面)の中央部から+Z方向に向けて、上部レンズユニット27の位置規制用孔27Cに対向する位置に突設されている。
【0064】
円筒部26Dは、係止片26A及び支持片26Bが設けられた位置より-Z方向に設けられており、レンズ部26Eを光学的に所定位置に保持する役割を果たしている。
レンズ部26Eは、第3レンズ部26の底部を構成しており、内底面は、第3入射面FI3を構成し、外底面は、第3出射面FO3を構成している。
ここで、第3入射面FI3の表面には、図17では、平面視略6角形状の複数のマイクロレンズMLが第3入射面FI3の全面に形成されており、入射した照明光を-Z方向に集光している。このように表面にマイクロレンズMLを配置しているため、第3レンズ部26において効率よく集光ができ、第3レンズ部26のコンパクト化、ひいては、LED電球10のコンパクト化が図れる。
【0065】
上記構成において、図19に示すように、第3レンズ部26の第3入射面FI3は光源51に向かって(+Z方向に向かって)凹面とされている。しかしながら、設計によっては、第3入射面FI3を平面として構成することも可能である。
【0066】
また、第3出射面FO3は、図18及び図19に示すように、フード部11の開口部に向かって(-Z方向に向かって)凸面を形成している。
さらに、第3出射面FO3は、照明光Lの第3入射面FI3からの入射角度に応じて、所定の出射角度で出射可能とした、所定の曲面を構成している。
【0067】
さらにまた、第3出射面FO3の曲率半径rO3は、第3入射面FI3の曲率半径rI3より小さく、すなわち、
rO3<rI3
とされている。
【0068】
したがって、第3レンズ部26は、実焦点を有するレンズとなり、第3入射面FI3から入射する(より拡散光に近い)照明光Lは、集光されて第3出射面FO3から出射されることとなる。
【0069】
したがって、第2レンズ部27E及び第3レンズ部26の組み合わせレンズによれば、第2レンズ部27Eあるいは第3レンズ部26を単独で用いる場合と比較して、よりコンパクトに照明光Lをより平行光に近づけることが可能となり、LED電球10のコンパクト化を図ることができ、従来の電球と同様の大きさをより容易に実現できる。
【0070】
[1.7]光路
図20は、第1実施形態のLED電球の光路説明図である。
この第1実施形態においては、フィルタを用いることなく、通常配光(ミディアム配光)を行う場合を示している。
【0071】
LED素子51を-Z方向に出射した照明光Lのうち、およそ出射角度55°~70°の照明光Lが第1レンズ部27Dを構成している第1入射面FI1に入射する。
そしてこの第1入射面FI1に入射した照明光Lは、反射面FR1により反射されて集光され、第1出射面FO1から第3レンズ部26の第3入射面FI3のうち周縁部に入射する。
【0072】
また、LED素子51を出射した照明光Lのうち、出射角度0°からおよそ出射角度55°の照明光Lが第2レンズ部27Eを構成している第2入射面FI2に入射し、第2レンズ部27Eにより屈折されて第2出射面FO2から第3レンズ部の第3入射面FI3のうち中央部に入射する。
【0073】
そして、第3レンズ部26の第3出射面FO3を出射した照明光Lのうち大部分はフード部11の開口から出射することとなる。
【0074】
また、第3レンズ部26の第3出射面FO3を出射した照明光のうち一部は、フード部11の上部ローレット部23B及び下部ローレット部23Dに入射して、散乱されてグレアを防止することとなる。
そして、第1実施形態による照明光Lが通常配光により、照射位置(例えば、床面)に照射されて、例えば、円形状の照射領域を形成することとなる。
より詳細には、フード部11近傍での照明光Lの照射領域の幅(円形状の照射領域であれば、照射領域の直径)LG1と、照射位置における照明光Lの照射領域の幅LG2とは、
LG2>LG1
となっており、やや拡散しつつ照明を行うようにされている。
【0075】
[1.9]第1実施形態の効果
以上の説明のように、本第1実施形態のLED電球によれば、光学系のコンパクト化が図れるので、小型のLED電球が得られるので、従来の電球を容易に置換可能となる。
また、レンズ部30の設計により、LED電球自体で様々な照射態様、例えば、よりスポット照明的な照射態様、よりワイド照明的な照射態様等を実現することが可能である
さらに、フィルタを設けることで、照明装置全体を交換することなく、ワイド照明、スプレッド照明、スポット照明等の様々な照射態様に対応可能となる。
【0076】
[2]第2実施形態
上記第1実施形態においては、第2レンズ部27Eの第2入射面FI2は、+Z方向に凸な形状を有しており、第2出射面FO2は、-Z方向に凸な形状を有している場合について説明したが、本第2実施形態は、第2レンズ部27NEの第2入射面FI2Aは、+Z方向に凸な形状を有しており、第2出射面FO2Aは、-Z方向に凹な形状を有して、いわゆるワイド配光とする場合の実施形態である。
基本構成については、第1実施形態と同様であるので、以下においては、上部レンズユニットの構成及び光路説明のみを行うものとする。
【0077】
[2.1]上部レンズユニットの構成
図21は、第2実施形態の上部レンズユニットの断面図である。
上部レンズユニット27Nは、ねじ用の切欠き部27NAと、第1レンズ部27NDと、位置規制用孔27NCと、第1レンズ部27NDと一体に形成された第2レンズ部27NEと、プレート部27NXと、を備えている。
【0078】
[2.1.1]第1レンズ部の構成
第1レンズ部27NDは、図21に示すように、円環状の第1入射面FI1Aと、第1入射面に対して所定角度θ1をなして円錐台の周面のように円環状に形成された反射面FR1Aと、X-Y平面に沿って配置された円環状の第1出射面FO1Aと、を備えている。
この場合において、第1入射面FI1Aは、逆円錐台の周面形状とされている。そして第1レンズ部27NDは、この第1入射面FI1Aに入射した照明光Lを反射面FR1Aに伝送している。なお、第1入射面FI1Aは、円筒周面形状とすることも可能である。
【0079】
この場合において、第1入射面FI1Aは、図21に示すように、光軸LAを含む仮想平面VP上における第1入射面FI1Aを含む直線LL1は、LED素子である光源51(図22参照)から離れる方向(-Z方向)において光軸LAと徐々に近づいて角度θ2>0°で交差するように形成されている。
この第1入射面FI1Aは、LEDから出射される照明光Lのうち、高出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=55°~70°)の光が入射するように配置されている。
これらの結果、高出射角側の照明光Lを確実に反射面FR1Aに導くことが可能となる。
【0080】
反射面FR1Aは、第1入射面FI1Aから入射した照明光Lの出射角θ0に応じて、全反射面を構成可能とした、外周面が円錐台状に所定角度で傾いた所定の傾斜曲面27NBを構成している。
一方、第1出射面FO1Aは、図21に示したように、-Z方向において第2出射面FO2Aと同一の凹面状に形成されており、かつ、凹面の周縁部に円環状に形成されていて、光源51に近づく方向に、緩やかな凹曲面を構成している。
これにより、反射面FR1A側から入射した照明光を-Z方向に出射するに際し、第3レンズ部の第3入射面FI3の周縁部全域にわたって照明光Lを集光することができる。
【0081】
上記構成において、後述の第3実施形態のように、第1入射面FI1Aを、X-Y平面に平行な面における断面を山型形状とし、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、円環状に連続して複数配置されて複数のプリズム(プリズム部)を構成するように構成することも可能である。このように構成することにより、第1レンズ部27NDは、LED素子である光源51から出射され、この複数のプリズムに入射した照明光Lを均等に分散して、反射面FR1Aに伝送することができる。
[2.1.2]第2レンズ部の構成
第2レンズ部27NEは、第1レンズ部27NDに一体に形成されており、第2入射面FI2A及び第2出射面FO2Aを備えている。
ここで、第2レンズ部27NEは、凸凹レンズとして構成されている。凸凹レンズとしての第2レンズ部27NEの作用としては、凹レンズと同じであるので、光軸に平行な光は、第2レンズ部27NEを通過後、入射側の光軸状の焦点から出たように拡がって進むこととなる。
より詳細には、第2入射面FI2Aは、+Z方向に凸な形状を有しており、X-Y平面に沿った第1レンズ部27NDの第1入射面FI1Aに囲まれた領域に形成されている。
【0082】
この場合において、第2レンズ部27NEの第2入射面FI2Aは、光源51に向かって(+Z方向に向かって)凸形状とされている。
また、第2レンズ部27NEの第2出射面FO2Aは、光源51から離れる方向(-Z方向に向かって)凹形状とされている。さらに第2出射面FO2Aは、第1出射面FO1Aと隣設あるいは一部重なるように、第1出射面FO1Aと同一凹面上に形成されている。
第2出射面FO2Aの曲率半径rO2は、第2入射面FI2Aの曲率半径rI2よりも大きく、すなわち、
rO2>rI2
と設定されている。
この場合において、第2入射面FI2Aは、LED素子の光軸の方向に沿って見た場合に、第1入射面FI1Aにより囲まれた領域に位置し、第1出射面FO1Aと第2出射面FO2Aとは、一部が重なっている。
【0083】
[2.3]光路
図22は、第2実施形態のLED電球の光路説明図である。
この第2実施形態においては、フィルタを用いることなく、ワイド配光行う場合を示している。
図22に示すように、第2入射面FI2Aは、LEDから出射される照明光Lのうち、低出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=0°~55°)の光が入射するように配置されている。
【0084】
また、第2出射面FO2Aは、-Z方向に凹な形状を有しており、第2入射面FI2Aから入射した照明光Lを光軸LAから離れる光(より拡散した光)として出射する。
【0085】
したがって、第2レンズ部27NEは、実焦点を有しない凸凹レンズとなり、実効的には、凹レンズとして機能することとなり、第2入射面FI2Aから入射する(より拡散光に近い)照明光Lは、拡散されて、遠ざかるにしたがって光軸LAから離間する光となって第2出射面FO2Aから出射され、第3レンズ部の第3入射面FI3の全面にわたって入射する。
【0086】
これらの結果、第3レンズ部26の第3出射面FO3を出射した照明光Lのうち大部分はフード部11の下部(-Z方向)に形成されている開口から出射することとなる。
【0087】
また、第3レンズ部26の第3出射面FO3を出射した照明光のうち一部は、フード部11の上部ローレット部23B及び下部ローレット部23Dに入射して、散乱されてグレアを防止することとなる。
そして、照明光は、拡散光となるため、照射位置(例えば、床面)において、例えば、円形状の照射領域を形成するワイド照明として機能する。
より詳細には、フード部11近傍での照明光Lの照射領域の幅(円形状の照射領域であれば、照射領域の直径)LG11と、照射位置における照明光Lの照射領域の幅LG12とは、
LG12>LG11
となっており、図20の第1実施形態と同一の光源51を用いた場合でも、図20の第1実施形態と比較して、拡散しつつより広い範囲(LG12>LG2、LG11>LG1)の照明を行うようにされている。
【0088】
[2.3]第2実施形態の効果
以上の説明のように、本第2実施形態のLED電球によれば、光学系のコンパクト化が図れ、小型のLED電球が得られるので、従来の電球を容易に置換可能となる。
また、レンズ部30の設計により、フィルタを用いることなく、単独でよりワイド照明的な照射態様等を実現することが可能である。
一方、さらにフィルタを用いた場合には、LED電球に変更を加えることなく、様々な照明態様をフィルタの追加あるいは交換のみで行うことができ、様々なユーザニーズに容易に応えることが可能となる。
【0089】
[3]第3実施形態
図23は、第3実施形態のLED電球の正面図である。
図24は、LED電球からフード部及びレンズユニットを取り外している状態の外観斜視図である。
【0090】
以下の説明においては、図23に矢印で示すように、図23の左右方向をY方向とし、図1に垂直な方向をX方向とし、図23の上下方向をZ方向とする。さらに、図23の右方向を+Y方向とし、図23の左方向を-Y方向とし、図23の手前方向を+X方向とし、図23の奥行方向を-X方向とし、図23の上方向を+Z方向とし、図23の下方向を-Z方向とする。
【0091】
この場合において、LED電球の光軸は、Z方向と平行であるものとする。
なお、これらの関係は、説明の便宜のために設定したものであり、これに限られるものではない。
【0092】
[1.1]LED電球の全体構成
第3実施形態のLED電球110は、フード(Hood)部111と、ボディ112と、電源プラグ部113と、レンズユニット114と、を備えている。
上記構成において、フード部111は、グレアを防止するため及び後に詳述するフィルタ(光学フィルタ)を搭載可能とするために設けられており、外観視、略逆円錐台形状を有している。
【0093】
フード部111は、ローレット部121と、フード部111の取り外し/取り付け時に位置合わせを行うための位置合わせマーク122が形成されたフード本体部123を備えている。また、レンズユニット114は、第3レンズ部135と、上部レンズユニット125と、フード部111(フード本体部123)が着脱可能に係合され、第3レンズ部135及び上部レンズユニット125が取り付けられた支持パネル124と、を備えている。
ボディ112は、図23の例では、お椀を伏せたような形状を有しており、LED素子が搭載された基板ユニットを収納している。
ところで、ボディ112の形状は、電源プラグ部113の規格に応じて想定される電球の形状及び径とされている。そして、フード部111の最大径は、ボディ112の最大径よりも小さくされている。
【0094】
電源プラグ部113は、図1の例では、ペンシル型ロケット形状を有しており、プラグ本体部131及び電源プラグ132を備えている。
図1の例においては、電源プラグ132として、E11規格に相当するサイズの口金を備えている。
【0095】
[1.2]フード部及びレンズユニットの構成
図25は、フード部及びレンズユニットの分解斜視図である。
フード部111は、図24及び図25に示すように、-Z方向から+Z方向に向かって、ローレット部121及びフード本体部123を備えている。
また、レンズユニット114は、支持パネル124、第3レンズ部135、上部レンズユニット125及びねじ126を備えている。
【0096】
さらに支持パネル124は、+Z方向の面(上面)から+Z方向に突設された複数(図24では3個)の係合突起124Aを備えている。ここで、係合突起124Aは、ボディ112に係合している。
【0097】
さらにまた、支持パネル124の+Z方向の面(上面)には、ねじ126により支持パネル124と上部レンズユニット125のとの間に第3レンズ135を挟んだ状態で、上部レンズユニット125が固定されている。
この上部レンズユニット125の中央部、かつ、+Z方向の端部には、平面視(-Z方向矢視)円環状の第1レンズ部125Cが形成されている。そして、この第1レンズ部125Cには、平面視(-Z方向矢視)円状の第2レンズ125Dが一体に形成されている。
【0098】
[1.3]フード部の構成
図26は、フード部の外観斜視図である。
図26に示すように、フード部111のフード本体部123は、-Z方向に向かうにしたがって径が小さくなる略カップ形状(逆円錐台形状)を有している。
【0099】
さらにフード本体部123の下端側(-Z方向端部側)には、外周面123E及び内周面123Dに、ローレット部121が形成されている。
【0100】
このローレット部121は、外周面123Eに、X-Y平面に平行な面における断面が山型形状であり、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、外周面123Eに沿って、円環状に連続して複数配置されて外部ローレット部121Aを形成している。この外部ローレット部121Aは、光軸LAを中心としてフード部111を回動して、フード部111を取り外す場合の滑り止めとしての役割を果たしている。
【0101】
また、同様にローレット部121は、X-Y平面に平行な面における断面が山型形状であり、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、内周面123Dに沿って、円環状に連続して複数配置されて内部ローレット部121Bを形成している。なお、内部ローレット部121Bは、X-Y平面に沿って円環状の複数の山型突起が延在する構成とすることも可能である。
【0102】
この内部ローレット部121Bは、照明光をランダムに反射することでグレアを防止している。
さらに内部ローレット部121Bの上端面(+Z方向端面)は、円環状の平面とされ、後述するフィルタ(図39参照)が載置されて、保持可能なフィルタ載置面123Fが形成されている。
【0103】
さらにフィルタ載置面123Fの上方(+Z方向)には、フィルタ非装着時には、内部ローレット部121Bと同様に機能して、照明光をランダムに反射することでグレアを防止するとともに、フィルタ装着時には、フィルタ全体に照明光を反射して照射し、均一なフィルタ効果を得るための上部ローレット部123Gが設けられている。
【0104】
図27は、フード部の平面図である。
図26及び図27に示すように、フード部111のフード本体部123は、フード本体部123の周面の+Z方向端面123Cの位置より+Z方向に所定長さ突設され、支持パネル124に着脱可能に係合される係合部材123Aを複数(図27の例では、3個)備えている。
【0105】
この場合において、位置合わせマーク122は、係合部材123Aが突設された位置に対応して形成されている。
【0106】
係合部材123Aは、フード本体部123の内周面123Dから光軸LAに向けて突設された三角板状の支持片123A1と、支持片123A1により支持され、+Z方向に向かって突設された略円柱状の柱状部材123A2と、柱状部材123A2の+Z方向端部からX-Y平面に沿って光軸LAから半径方向に延在する平面視(-Z方向矢視)涙形状を有する係合突起123A3と、を備えている。
【0107】
ここで、係合突起123A3は、フード本体部123の周面の+Z方向端面123Cの位置より+Z方向に所定長さ突設されている。
さらにフード部111のフード本体部123は、内周面123Dから+Z方向に突設された柱状ガイド突起123Bが複数(図27の例では、3個)設けられている。
【0108】
[1.4]支持パネルの構成
図28は、支持パネルの外観斜視図である。
図29は、支持パネルの平面図である。
支持パネル124は、係合突起124Aと、挿入凹部124Bと、押圧部材124Cと、ねじ穴124Dと、パネル本体124Eと、を備えている。
【0109】
係合突起124Aは、略円環状を有するパネル本体124Eに対し、+Z方向に沿って突設されており、突設方向に対して交差する方向に延在する係合面124A1をそれぞれ備えている。
挿入凹部124Bは、平面視、U字形状を有し、支持パネル124のパネル本体124Eの-Z方向から+Z方向に向かってフード本体部123の係合突起123A3が挿入可能となっている。
【0110】
さらに挿入凹部124Bに隣接して押圧部材124Cの基部が配置され、押圧部材124Cはパネル本体124Eの円周方向に沿って延在している。
この状態において、押圧部材124Cの先端部は、パネル本体124Eの径方向に撓むことが可能となっている。
【0111】
これらの結果、フード本体部123の係合突起123A3を挿入凹部124Bに挿入した状態で、平面視(-Z方向視)反時計回りにフード部111を回動させることにより、柱状部材123A2の側面が押圧部材124Cを押圧しつつ当接した状態で押圧部材124CをX-Y平面方向に沿ってたわませて、柱状部材123A2に対する押圧力が徐々に高くなる。そして、柱状部材123A2が押圧部材124Cの先端部124C1に至るとフード部111は支持パネル124に固定された状態となる。
【0112】
逆にこの固定された状態から平面視(-Z方向視)時計回りにフード部111を回動させることにより支持パネル124から取り外すことが可能な状態となる。
したがって、フード部111を取り外した状態で容易にフィルタを交換することが可能となっている。
【0113】
[1.5]レンズユニットの構成
図 30は、レンズユニットの要部の正面図である。
レンズユニット114は、上述したように、上部レンズユニット125と、第3レンズ部135と、を備えている。
【0114】
[1.5.1]上部レンズユニットの構成
図31は、上部レンズユニットの正面図である。
図32は、+Z方向(上方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図33は、-Z方向(下方向)から見た場合の上部レンズユニットの外観斜視図である。
図34は、上部レンズユニットの断面図である。
上部レンズユニット125は、ねじ用切欠き部125Aと、位置規制用孔125Bと、第1レンズ部125Cと、第1レンズ部125Cに一体に形成された第2レンズ部125Dと、プレート部129と、を備えている。
【0115】
ねじ用切欠き部125Aは、平面視(-Z方向視)C字形状を有し、Z軸に沿って形成されて、ねじ126がその内面に対向して挿通される。
位置規制用孔125Bは、Z軸方向に沿って貫通された孔となっており、プレート部129の下面側(-Z方向側)から後述する第3レンズ部135の規制用突起135Cが挿入されて上部レンズユニット125と、第3レンズ部135と、が互いにX-Y平面に沿って相対的に回転するのを抑制している。
【0116】
[1.5.1.1]第1レンズ部の構成
第1レンズ部125Cは、図34に示すように、円環状の第1入射面FI1と、第1入射面に対して所定角度の角度θ1をなして円環状に形成された反射面FR1と、X-Y平面に沿って配置された円環状の第1出射面FO1と、を備えている。
この場合において、第1入射面FI1は、X-Y平面に平行な面における断面が山型形状であり、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、円環状に連続して複数配置されて複数のプリズム(プリズム部)を構成している。そして第1レンズ部125Cは、LED素子である光源151から出射され、この複数のプリズムに入射した照明光Lを均等に分散して、反射面FR1に伝送している。
【0117】
また、第1入射面FI1は、図34に示すように、光源151から出射される照明光Lの光軸LAを含む仮想平面VP上における第1入射面FI1を含む直線LL1は、LED素子から離れる方向において光軸LAと徐々に近づいて角度θ2>0°で交差するように形成されている。
すなわち、第1入射面FI1は、光軸LAと平行ではなく、多少+Z方向を向いている。
【0118】
この第1入射面FI1は、光源151から出射される照明光Lのうち、高出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=55°~70°)の光が入射するように配置されている。
これらの結果、高出射角側の照明光Lを確実に反射面FR1に導くことが可能となる。
【0119】
反射面FR1は、第1入射面FI1から入射した照明光Lの出射角θ0に応じて、全反射面を構成可能とした、外周面が円錐台状に所定角度で傾いた所定の傾斜曲面125Eを構成している。
【0120】
一方、第1出射面FO1は、図34に示すように、仮想平面VP上における第1出射面FO1を含む直線LL2は、光源151から離れる方向において光源151の光軸LAと徐々に近づいて、角度θ3<90°で交差するように形成されている。
これにより、反射面FR1側から入射した照明光を-Z方向に出射するに際し、第3レンズ部の第3入射面FI3の周縁部全域にわたって照明光Lを集光することができる。
【0121】
[1.5.1.2]第2レンズ部の構成
第2レンズ部125Dは、第1レンズ部125Cに一体に形成されており、第2入射面FI2及び第2出射面FO2を備えている。
第2入射面FI2は、+Z方向に凸な形状を有しており、X-Y平面に沿った第1レンズ部125Cの第1入射面FI1に囲まれた領域に形成されている。
【0122】
この場合において、第2レンズ部125Dの第2入射面FI2は、光源151に向かって(+Z方向に向かって)凸形状とされている。なお、設計によっては、平面形状としてもよい。
いずれにしても、第2出射面FO2の曲率半径rO2は、第2入射面FI2の曲率半径rI2よりも小さく、すなわち、
rO2<rI2
と設定されている。
【0123】
この第2入射面FI2は、光源151から出射される照明光Lのうち、低出射角側の所定角度範囲(例えば、出射角θ0=0°~55°)の光が入射するように配置されている。
また、第2入射面FI2の表面には、複数のマイクロレンズがハニカム状に配置されており、入射した照明光を-Z方向に集光している。このように表面にマイクロレンズを配置しているため、上部レンズユニット125において効率よく集光ができ、上部レンズユニット125のコンパクト化、ひいては、LED電球10のコンパクト化が図れる。
【0124】
また、第2出射面FO2は、-Z方向に凸な形状を有しており、第2入射面FI2から入射した照明光Lを光軸LAに沿った光として出射する。
【0125】
したがって、第2レンズ部125Dは、実焦点を有するレンズとなり、第2入射面FI2から入射する(より拡散光に近い)照明光Lは、集光されて、より光軸LAに平行な光となって第2出射面FO2から出射されることとなる。
【0126】
また、プレート部129は、平面視(-Z方向矢視)円環形状を有し、上部レンズユニット125の外周部において、X-Y平面に沿って延在している。
【0127】
上記構成の結果、LED素子から出射した照明光Lは、上部レンズユニット125により、集光されて、高効率で光軸LAに沿って(Z軸に沿って)平行光に近い形となって、第3レンズ部の第3入射面FI3に入射することとなる。
この場合において、第2入射面FI2及び第2出射面FO2は、LED素子の光軸の方向に沿って見た場合に、第1出面FO1により囲まれた領域に位置している。
【0128】
[1.5.2]第3レンズ部の構成
図35は、第3レンズ部の外観斜視図である。
図36は、第3レンズ部の平面図である。
図37は、第3レンズ部の正面図である。
図38は、第3レンズ部の断面図である。
【0129】
第3レンズ部135は、-Z方向に凸形状を有する底面を備えた有底筒状形状を有している。
さらに第3レンズ部135は、係止片135A、支持片135B、規制用突起135C、円筒部135D及びレンズ部135Eを備えている。
【0130】
係止片135A及び支持片135Bの上面は、上部レンズユニット125に当接し、さらに支持片135Bは、規制用突起135Cにより位置決めを行う。
【0131】
この状態で、係止片135A及び支持片135Bの下面は、支持パネル124に当接しており、上から上部レンズユニット125の切欠き部125Aにねじ126を挿入して、上部レンズユニット125を支持パネル124に固定することで、上部レンズユニット125と支持パネル124とに挟まれて第3レンズ部135が支持パネル124に固定されることとなる。
【0132】
係止片135Aは、複数(図36の例では、6個)設けられ、X-Y平面に沿って光軸LAから放射方向に延在して、上部レンズユニット125のプレート部129に当接して上部レンズユニット125に係止する。
【0133】
支持片135Bは、X-Y平面に沿って光軸LAから放射方向に延在して、複数(図36の例では、3個)が規制用突起135Cを支持すべく設けられている。
規制用突起135Cは、支持片135Bの上面(+Z方向の面)の中央部から+Z方向に向けて、上部レンズユニット125の位置規制用孔125Bに対向する位置に突設されている。
円筒部135Dは、係止片135A及び支持片135Bが設けられた位置より-Z方向に設けられており、レンズ部135Eを光学的に所定位置に保持している。
【0134】
レンズ部135Eは、第3レンズ部135の底部を構成しており、内底面は、第3入射面FI3を構成し、外底面は、第3出射面FO3を構成している。
【0135】
上記構成において、図38に示すように、第3レンズ部135の第3入射面FI3は光源に向かって(+Z方向に向かって)凹面とされている。しかしながら、設計によっては、第3入射面FI3を平面として構成することも可能である。
【0136】
また、第3出射面FO3は、フード部111の開口部に向かって(-Z方向に向かって)凸面を形成している。
さらに、第3出射面FO3は、照明光Lの第3入射面FI3からの入射角度に応じて、所定の出射角度で出射可能とした、所定の曲面を構成している。
【0137】
さらにまた、第3出射面FO3の曲率半径rO3は、第3入射面FI3の曲率半径rI3より小さく、すなわち、
rO3<rI3
とされている。
【0138】
したがって、第3レンズ部135は、実焦点を有するレンズとなり、第3入射面FI3から入射する(より拡散光に近い)照明光Lは、集光されて第3出射面FO3から出射されることとなる。
【0139】
上記構成において、第2レンズ部125Dの中心厚みL1は、第3レンズ部135の中心厚みL2より大きく、すなわち、
L1>L2
とされている。
また、第2出射面FO2の曲率半径rO2は、第3出射面FO3の曲率半径rO3よりも小さく、すなわち、
rO2<rO3
とされている。
【0140】
したがって、第2レンズ部125D及び第3レンズ部135の組み合わせレンズによれば、第2レンズ部125Dあるいは第3レンズ部135を単独で用いる場合と比較して、よりコンパクトに照明光Lをより平行光に近づけることが可能となり、LED電球10のコンパクト化を図ることができ、従来の電球と同様の大きさをより容易に実現できる。
【0141】
[1.5]フィルタ
図39は、フィルタ挿入時のLED電球の分解斜視図である。
以上の説明は、LED素子を出射した照明光Lを上部レンズユニット125及び第3レンズ部135を備えたレンズユニット114により集光して、そのままフード部111の下部(-Z方向)の開口から直接出射するものとして説明していたが、本第3実施形態のLED電球においては、図39に示すように、フード部111の内部であって、第3レンズ部135の下方(-Z方向)側に様々なフィルタFLを円環状のフィルタ載置面123F上に配置して保持するように構成することが可能である。
さらに前述したように、ワンタッチでフード部111を外すことが可能であり、容易にフィルタFLを交換することが可能である。
【0142】
[1.6]第1照射態様
図40は、第3実施形態のLED電球の第1照射態様における光路説明図である。
この第1照射態様においては、フィルタFLとして、光を360°方向に拡散して広範囲の照明を行うワイド配光用のフィルタFL1を用いた場合を示している。
【0143】
LED素子151を-Z方向に出射した照明光Lのうち、およそ出射角度55°~70°の照明光L10が第1レンズ部125Cを構成している第1入射面FI1に相当する、X-Y平面に平行な面における断面が山型形状であり、この山形形状がZ軸方向に筋状に延びた山型突起が、円環状に連続して複数配置されて複数のプリズム(プリズム部)を構成している。そしてこの複数のプリズムに入射した照明光Lは、反射面FR1により反射されて集光され、第1出射面FO1から第3レンズ部135の第3入射面FI3のうち周縁部に入射する。
【0144】
また、LED素子151を出射した照明光L10のうち、出射角度0°からおよそ出射角度55°の照明光L10が第2レンズ部125Dを構成している第2入射面FI2に入射し、第2レンズ部125Dにより屈折されて第2出射面FO2から第3レンズ部の第3入射面FI3のうち中央部に入射する。
【0145】
これらの結果、第3レンズ部135の第3出射面FO3を出射した照明光L10のうち大部分はフード部111の下部(-Z方向)に配置されたワイド配光用のフィルタ(光学フィルタ)FL1を通過して、フード部111の下部(-Z方向)に形成されている開口から出射することとなる。
【0146】
また、第3レンズ部135の第3出射面FO3を出射した照明光L10のうち一部は、フード部111の内部ローレット部121B及び上部ローレット部123Gに入射して、散乱されてグレアを防止することとなる。
そして、第1照射態様における照明光L10は、上述したようにワイド配光用のフィルタFL1を通過しているため、照射位置(例えば、床面)において、例えば、円形状の照射領域を形成するワイド照明として機能する。
【0147】
[1.7]第2照射態様
図41は、第3実施形態のLED電球の第2照射態様における光路説明図である。
この第2照射態様においては、フィルタFLとして、所定方向(例えば、Y軸方向)に沿って拡散して細長い領域の照明を行うスプレッド配光用のフィルタFL2を用いた場合を示している。
【0148】
LED素子151を-Z方向に出射した照明光L20は、第1照射態様と同様に、第1レンズ部125C、第2レンズ部125D及び第3レンズ部135を透過し、第3レンズ部の第3出射面FO3を出射した照明光L20のうち一部は、フード部111の内部ローレット部121B及び上部ローレット部123Gに入射して、散乱されてグレアを防止することとなる。
【0149】
そして、第2照射態様における照明光L20は、上述したようにスプレッド配光用のフィルタ(光学フィルタ)FL2を通過しているため、照射位置(例えば、床面)において、例えば、Y軸方向に沿って細長い楕円形状の照射領域を形成するスプレッド照明として機能する。
【0150】
[1.8]その他の照射態様
その他の照射態様としては、フィルタFLとしてナロー照明用のフィルタを用いることにLED電球をスポット照明のように用いることが可能である。
【0151】
この場合において、フード部111は、前述したように容易に取り外しが可能であるため、フード本体部123内のフィルタFLも容易に交換可能であり、同一のLED電球10において、ユーザの好みでフィルタFLを交換することにより、ユーザの好みの照射態様の照明を容易に実現することができる。
【0152】
[1.9]第3実施形態の効果
以上の説明のように、本第3実施形態のLED電球によれば、光学系のコンパクト化が図れるので、小型のLED電球が得られるので、従来の電球を容易に置換可能となる。
さらに、フィルタを交換することで、照明装置全体を交換することなく、ワイド照明、スプレッド照明、スポット照明等の様々な照射態様に対応可能となる。
【0153】
[4]第4実施形態
図42は、第4実施形態のLED電球の正面図である。
図42において、図1の第1実施形態、第2実施形態及び図23の第3実施形態と同様の部分については、同一の符号を付すものとする。
【0154】
図1及び図23に示したように、第1~第3実施形態においては、フード部11,111は、外観視、略逆円錐台形状を有していたが、本第4実施形態のLED電球110Aのフード部111Aは、図42に示すように、円筒形状を有している。
このフード部111Aの内部構造は、フード部11、111と同様である。
【0155】
この結果、本第4実施形態によれば、第1~第3実施形態の効果に加えて、より一層、スポットライト的な照明態様(照明デザイン)に適用が容易となる。
【0156】
[5]第5実施形態
図43は、第5実施形態のLED電球の正面図である。
図43において、図1の第1実施形態、第2実施形態及び図23の第3実施形態と同様の部分については、同一の符号を付すものとする。
【0157】
図1及び図23に示したように、第1~第3実施形態においては、電源プラグ部13,113を構成する電源プラグ32,132として、E11規格に相当するサイズの口金を備えていたが、本第5実施形態のLED電球110Bにおいては、電源プラグ部113Aとして、バイピン型の電源プラグ132Aを備えている点が異なっている。
【0158】
本第5実施形態によれば、第1~第3実施形態の効果に加えて、電源プラグの形状が異なるLED電球であっても容易に適用が可能となる。
【0159】
[6]第6実施形態
図44は、第6実施形態のLED電球の正面図である。
図44において、図1及び図23の第1~第3実施形態と同様の部分については、同一の符号を付すものとする。
【0160】
図44に示すように、第5実施形態においては、フード部111は、外観視、略円錐台形状を有していたが、本第6実施形態のLED電球110Cのフード部111Aは、図44に示すように、円筒形状を有している。
このフード部111Aの内部構造は、フード部111と同様である。
この結果、本第6実施形態によれば、第5実施形態の効果に加えて、より一層、スポットライト的な照明態様(照明デザイン)に適用が容易となる。
【0161】
[7]実施形態の効果
各実施形態によれば、光学系のコンパクト化が図れ、従来の電球を容易に置換可能で、電球単体として、ユーザが要求する多様な照明態様(照明デザイン)に応えることが可能なLED電球を得ることができる。
【符号の説明】
【0162】
10、100、110A、110B、110C LED電球
11 フード部
12 ボディ
13 電源プラグ部
14 レンズユニット
21 マーク
22 フード本体部
23 内周面
23A 係合突起
23B 上部ローレット部
23C 段差部
23D 下部ローレット部
23F フィルタ載置面
23G 上部ローレット部
24 第1支持パネル
24X パネル面
24A 係合突起
24B 挿通孔
24C 穴突起
24D 穴
24E パネル本体
24X パネル面
25 第2支持パネル
25A 挿通部
25B 係合片
25C 挿入凹部
26 第3レンズ部
26A 係止片
26B 係止部
26C 規制用突起
26D レンズ部
26E 円筒部
27 上部レンズユニット
27A 切欠き部
27B 傾斜局面
27C 位置規制用孔
27D 第1レンズ部
27E 第2レンズ部
27X プレート部
30 レンズ部
31 プラグ本体部
32 電源プラグ
51 LED素子
111、111A フード部
112 ボディ
113、113A 電源プラグ部
114 レンズユニット
121 ローレット部
122 マーク
123 フード本体部
123A 係合部材
123A1 支持片
123A2 柱状部材
123A3 係合突起
123B 柱状ガイド突起
123C Z方向端面
123D 内周面
123E 外周面
124 支持パネル(レンズユニット)
124A 係合突起
124A1 係合面
124B 挿入凹部
124C 押圧部材
124D 穴
124E パネル本体
125 上部レンズユニット(レンズユニット)
125A 切欠き部
125B 位置規制用孔
125C 第1レンズ部(レンズユニット)
125D 第2レンズ部(レンズユニット)
125E 傾斜曲面
126 ねじ(レンズユニット)
129 プレート部
131 プラグ本体部
132 電源コネクタ
132A 電源プラグ
135 第3レンズ部(レンズユニット)
135A 係止片
135B 支持片
135C 規制用突起
135D 円筒部
135E レンズ部
151 LED素子(LED素子)
FL、FL1、FL2 フィルタ
FI1 第1入射面
FI2 第2入射面
FI3 第3入射面
FO1 第1出射面
FO2、FO2A 第2出射面
FO3 第3出射面
FR1 反射面
L 照明光(出射光)
LA 光軸
θ0 出射角
θ1 角度
θ2 角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44