(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161802
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】戸体移動装置
(51)【国際特許分類】
E05F 1/10 20060101AFI20221014BHJP
E05F 3/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
E05F1/10
E05F3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182916
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2021065977
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000113779
【氏名又は名称】マツ六株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】峯松 進
【テーマコード(参考)】
2E050
【Fターム(参考)】
2E050AA00
2E050BA04
2E050CA04
2E050DB03
(57)【要約】
【課題】誤動作状態になったアームを、装置本体に沿った収納状態から突出状態に自動的に復帰させることで、正常動作を行うことができるようにした戸体移動装置を提供すること。
【解決手段】案内部材2が、戸体Dを半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝22に沿って案内されることなく収納状態になった、すなわち、誤動作状態のアーム11の先端部12が導入される第2の開口23及び一端が第2の開口23に、他端が第1の開口21にそれぞれ連なるアーム11の先端部12を案内する第2のガイド溝24を備え、戸体Dを閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アーム11の先端部12が、第2のガイド溝24に沿って案内されて第1の開口21から導出されることで、アーム11が突出状態になるようにする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸枠又は戸体のいずれか一方の側に設けられる、付勢されて回動するアームを備えた装置本体と、
戸枠又は戸体のいずれか他方の側に設けられる、アームの先端部が導入・導出される第1の開口及び該第1の開口に連なるアームの先端部を案内する第1のガイド溝を備えた案内部材とからなり、
戸体が半開状態のときに突出状態のアームの先端部が、案内部材の第1の開口から第1のガイド溝内に導入されて第1のガイド溝に沿って案内されることで、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させる戸体移動装置において、
前記戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部を、案内部材に導入し、戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、案内部材から導出されることで、アームが突出状態になるようにする補助手段を備えるようにしたことを特徴とする戸体移動装置。
【請求項2】
前記補助手段が、案内部材に、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部が導入される、第1のガイド溝に連なる第2の開口を備え、
第2の開口に、傾斜面を備え、該傾斜面にアームの先端部が当接することでばねの付勢力に抗して押し下げられる第1の補助部材と、該第1の補助部材と連動してばねの付勢力に抗して押し下げられる、第1のガイド溝の側壁の一部を構成する第2の補助部材とを設け、
戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第1のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の戸体移動装置。
【請求項3】
前記補助手段が、案内部材に、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部が導入される第2の開口及び一端が第2の開口に、他端が第1の開口にそれぞれ連なるアームの先端部を案内する第2のガイド溝を備え、
戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第2のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の戸体移動装置。
【請求項4】
前記第2の開口に、第2の開口から第2のガイド溝に導入されたアームの先端部が第2の開口から導出されることを防止する規制手段を設けてなることを特徴とする請求項3に記載の戸体移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸体が所定位置まで往動操作されたときに作動して、戸体の閉鎖位置への往動を補助するための戸体移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、戸体が所定位置まで往動操作されたときに作動して、戸体の閉鎖位置への往動を補助するための戸体移動装置として、種々の機構が提案され、実用化されている。
【0003】
この戸体移動装置として、本件出願人らは、先に、戸枠又は戸体のいずれか一方の側に設けられる、付勢されて回動するアームを備えた装置本体と、戸枠又は戸体のいずれか他方の側に設けられる、アームの先端部が導入・導出される開口及び該開口に連なるアームの先端部を案内するガイド溝を備えた案内部材とからなり、戸体が半開状態のときに突出状態のアームの先端部が、案内部材の開口からガイド溝内に導入されてガイド溝に沿って案内されることで、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させる(本明細書において、「正常動作」という。)戸体移動装置を提案した(特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1に開示した戸体移動装置は、構成が比較的簡単であり、しかも戸枠に組み込みやすい、コンパクトな構造の戸体移動装置であるという利点を備えている。
【0005】
ところで、特許文献1に開示した戸体移動装置においては、突出状態のアームに他の物体が当たる等で、アームの先端部がガイド溝に沿って案内されることなく装置本体に沿った収納状態になること(本明細書において、「誤動作状態」という。)がある。
誤動作状態になったアームは、手による引き出し操作で、装置本体に沿った収納状態から突出状態に復帰させることで、正常動作を行うようにすることができる。
しかしながら、通常、アームを備えた装置本体は、戸枠又は戸体の上部に設けられるため、一般の使用者が誤動作状態になったアームの手による引き出し操作を行うことは、困難を伴うという問題があった。
【0006】
なお、誤動作状態になったアームと案内部材が衝突することによる装置の破損を防止する手段を備えた戸体移動装置が提案されている(特許文献2参照。)が、この戸体移動装置の場合も、正常動作を行うようにするためには、特許文献1に開示した戸体移動装置と同様、誤動作状態になったアームを、手による引き出し操作で、収納状態から突出状態に復帰させることが必要であり、同様の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-112052号公報
【特許文献2】特開2012-144885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の戸体移動装置の有する問題点に鑑み、特許文献1に開示した戸体移動装置が備える、構成が比較的簡単であり、しかも戸枠に組み込みやすい、コンパクトな構造の戸体移動装置であるという利点を享有しながら、誤動作状態になったアームを、装置本体に沿った収納状態から突出状態に自動的に復帰させることで、正常動作を行うことができるようにした戸体移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の戸体移動装置は、
戸枠又は戸体のいずれか一方の側に設けられる、付勢されて回動するアームを備えた装置本体と、
戸枠又は戸体のいずれか他方の側に設けられる、アームの先端部が導入・導出される第1の開口及び該第1の開口に連なるアームの先端部を案内する第1のガイド溝を備えた案内部材とからなり、
戸体が半開状態のときに突出状態のアームの先端部が、案内部材の第1の開口から第1のガイド溝内に導入されて第1のガイド溝に沿って案内されることで、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させる戸体移動装置において、
前記戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部を、案内部材に導入し、戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、案内部材から導出されることで、アームが突出状態になるようにする補助手段を備えるようにしたことを特徴とする。
【0010】
この場合において、前記補助手段が、案内部材に、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部が導入される、第1のガイド溝に連なる第2の開口を備え、
第2の開口に、傾斜面を備え、該傾斜面にアームの先端部が当接することでばねの付勢力に抗して押し下げられる第1の補助部材と、該第1の補助部材と連動してばねの付勢力に抗して押し下げられる、第1のガイド溝の側壁の一部を構成する第2の補助部材とを設け、
戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第1のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにすることができる。
この補助手段は、誤動作状態になったアームの先端部を、戸体を閉鎖状態になるまで移動させたときに、第2の開口、第1の補助部材及び第2の補助部材を介して、第1のガイド溝内に導入するようにし、戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第1のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにすることができる。
【0011】
また、前記補助手段が、案内部材に、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になったアームの先端部が導入される第2の開口及び一端が第2の開口に、他端が第1の開口にそれぞれ連なるアームの先端部を案内する第2のガイド溝を備え、
戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第2のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにすることができる。
この補助手段は、誤動作状態になったアームの先端部を、戸体を閉鎖状態になるまで移動させたときに、第2の開口を介して第2のガイド溝内に導入するようにし、戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、第2のガイド溝に沿って案内されて第1の開口から導出されることで、アームが突出状態になるようにすることができる。
【0012】
また、前記第2の開口に、第2の開口から第2のガイド溝に導入されたアームの先端部が第2の開口から導出されることを防止する規制手段を設けてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の戸体移動装置によれば、構成が比較的簡単であり、しかも戸枠に組み込みやすい、コンパクトな構造の戸体移動装置であるという利点を享有しながら、戸体を半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝に沿って案内されることなく収納状態になった、すなわち、誤動作状態になったアームの先端部を、案内部材に導入し、戸体を閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アームの先端部が、案内部材から導出されることで、アームが突出状態になるようにする補助手段を備えるようにすることによって、誤動作状態になったアームを、装置本体に沿った収納状態から突出状態に自動的に復帰させることで、正常動作を行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の戸体移動装置の第1実施例を示す正常動作時の斜め下方から見た全体説明図である。
【
図2】同戸体移動装置の誤動作状態時の斜め下方から見た全体説明図で、(a)は自動復帰前の状態、(b)は自動復帰時の状態である。
【
図3】同戸体移動装置の案内部材の説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は分解斜視図である。
【
図4】同戸体移動装置の説明図で、(a1)は正常動作時の納まり状態を示す平面図、(a2)は同正面図、(b1)は誤動作状態の自動復帰時の納まり状態を示す平面図、(b2)は同正面図である。
【
図5】同戸体移動装置の正常動作時の動作説明図である。
【
図6】同戸体移動装置の誤動作状態時の動作説明図である。
【
図7】本発明の戸体移動装置の第2実施例を示す正常動作時の斜め下方から見た全体説明図である。
【
図8】同戸体移動装置の誤動作状態時の全体説明図で、(a)は斜め下方から見た全体説明図、(b)は同平面図である。
【
図9】同戸体移動装置の誤動作状態時の動作説明図である。
【
図10】同戸体移動装置の案内部材の説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA-A断面図である。
【
図11】同戸体移動装置の案内部材の説明図で、(a)は上方から見た分解図、(b1)は斜め前上方から見た分解図、(b2)は斜め後方から見た分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の戸体移動装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例0016】
図1~
図6に、本発明の戸体移動装置の第1実施例を示す。
この戸体移動装置は、特許文献1に開示した戸体移動装置と同様、戸枠F又は戸体Dのいずれか一方の側(本実施例においては、戸枠F側。)に設けられる、付勢されて回動するアーム11を備えた装置本体1と、戸枠F又は戸体Dのいずれか他方の側(本実施例においては、戸体D側。)に設けられる、アーム11の先端部12が導入・導出される第1の開口21及びこの第1の開口21に連なるアーム11の先端部12を案内する第1のガイド溝22を備えた案内部材2とからなる。
そして、戸体Dが半開状態のときに突出状態のアーム11の先端部12が、案内部材2の第1の開口21から第1のガイド溝22内に導入されて第1のガイド溝22に沿って案内されることで、戸体Dを半開状態から閉鎖状態になるまで移動させるようにしている。
【0017】
戸体移動装置の装置本体1は、特許文献1に開示した戸体移動装置の装置本体1と同様の基本構造を有している。
具体的には、装置本体1は、アーム11、アーム11の先端部12を構成するローラ、リンク部材13、付勢手段14及びダンパ15を有している。
また、戸体移動装置の案内部材2は、特許文献1に開示した戸体移動装置の案内部材と同様の基本構造を有している。
具体的には、案内部材2は、アーム11の先端部12が導入・導出される第1の開口21及びこの第1の開口21に連なるアーム11の先端部12を案内部21aを介して案内する第1のガイド溝22を備えた本体部20並びにカバー27を有している。
【0018】
これにより、
図1、
図4(a1)~(a2)及び
図5に示すように、戸体Dが全開状態から閉鎖状態にする場合、戸体Dが半開状態になったときに、突出状態のアーム11の先端部12が、案内部材2の第1の開口21から、案内部21aを介して、第1のガイド溝22内に導入されて第1のガイド溝22に沿って案内されるが、この際、付勢手段14による戸体Dを閉じる方向の付勢力及びダンパ15による減速力によって、戸体Dを半開状態から閉鎖状態になるまで自動的に移動させるようにしている。
【0019】
一方、戸体Dが閉鎖状態から全開状態にする場合、付勢手段14による戸体Dを閉じる方向の付勢力及びダンパ15による減速力に抗して、アーム11の先端部12が案内部材2の第1のガイド溝22に沿って案内されるが、戸体Dが半開状態になったときに、アーム11の先端部12が、第1のガイド溝22内から案内部材2の第1の開口21を介して導出されて、アーム11が突出状態となる。その後、戸体Dは、半開状態から全開状態になるまで移動させることができる。
【0020】
ここで、アーム11を突出状態に維持する手段として、アーム11の基端部を係止することによって、付勢手段14の付勢力によってアーム11が揺動しないようにする板ばねからなるアーム位置保持手段16を設けるようにしている。
【0021】
さらに、戸体移動装置の案内部材2に、
図2、
図3、
図4(b1)~(b2)及び
図6に示すように、特許文献1に開示した戸体移動装置の案内部材と同様の基本構造に加えて、戸体Dを半開状態から閉鎖状態になるまで移動させたときに、第1のガイド溝22に沿って案内されることなく収納状態になった、すなわち、誤動作状態になったアーム11を正常動作状態に復帰させる補助手段として、アーム11の先端部12が導入される第2の開口23及び一端が第2の開口23に、他端が第1の開口21にそれぞれ連なるアーム11の先端部12を案内する第2のガイド溝24を備え、戸体Dを閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、アーム11の先端部12が、第2のガイド溝24に沿って案内されて第1の開口21から導出されることで、アーム11が突出状態になるようにしている。
【0022】
これにより、第1のガイド溝22に沿って案内されることなく収納状態になった、すなわち、誤動作状態になったアーム11の先端部12を、戸体Dを閉鎖状態になるまで移動させたときに、第2の開口23を介して第2のガイド溝24内に導入するようにし、その後、戸体Dを閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、誤動作状態のアーム11の先端部12が、第2のガイド溝24に沿って案内されて第1の開口21から導出されることで、アーム11が突出状態になるようにすることによって、誤動作状態になったアーム11を、装置本体1に沿った収納状態から突出状態に自動的に復帰させることで、次に、戸体Dを閉鎖状態にする際に、正常動作を行うようにすることができる。
【0023】
ここで、戸体移動装置の案内部材2は、第1のガイド溝22の終端部に、アーム11の先端部12を受け止めるばね部材25を設けるようにしている。
これにより、戸体Dを閉鎖するときに発生する衝撃や騒音を低減することができる。
【0024】
また、第2の開口23に、第2の開口23から第2のガイド溝24に導入されたアーム11の先端部12が第2の開口23から導出されることを防止する規制手段26を設ける
ようにしている。
この規制手段26は、第2の開口23を閉鎖する、アーム11の先端部12が当接する被操作片26bを形成した移動体26a、移動体26aを第2の開口23を閉鎖する方向に付勢するばね部材26c及び移動体26aを案内するスライドカバー26dからなる。
これにより、誤動作状態になったアーム11の先端部12を、戸体Dを閉鎖状態になるまで移動させたときに、アーム11の先端部12が被操作片26bに当接することで移動体26aをばね部材26cの付勢力に抗して移動させ、第2の開口23を介して第2のガイド溝24内に導入するようにした後、ばね部材26cの付勢力によって復帰した移動体26aによって第2の開口23を閉鎖することで、アーム11の先端部12が第2の開口23から導出されることを防止するようにしている。
ここで、第1の補助部材28は、背面に突起28cを形成し、この突起28cが、第2の補助部材29の前面に形成したガイド溝29cに嵌まり込むことによって、第2の補助部材29が、第1の補助部材28に連動するようにしている。
そして、第1の補助部材28の傾斜面28aの上縁が、第2の補助部材29の平坦な上面29aより常に高い位置になるようにすることで、アーム11の先端部12が、第1の補助部材28の傾斜面28aから第2の補助部材29の上面29aに、円滑に移行することができるようにしている。
この戸体移動装置は、第1実施例の戸体移動装置と同様、戸体Dが全開状態から閉鎖状態にする場合、戸体Dが半開状態になったときに、突出状態のアーム11の先端部12が、案内部材2の第1の開口21から第1のガイド溝22内に導入されて第1のガイド溝22に沿って案内され、戸体Dを半開状態から閉鎖状態になるまで自動的に移動させるようにしている。
このとき、第1の補助部材28及び第2の補助部材29は、ばね28b、29bの付勢力によって、上昇した位置にあり、第2の補助部材29の背面29dが、第1のガイド溝22の側壁の一部を構成して、突出状態のアーム11の先端部12を案内するようにしている。
一方、戸体Dが閉鎖状態から全開状態にする場合、アーム11の先端部12が案内部材2の第1のガイド溝22に沿って案内され、戸体Dが半開状態になったときに、アーム11の先端部12が、第1のガイド溝22内から案内部材2の第1の開口21を介して導出されて、アーム11が突出状態となる。その後、戸体Dは、半開状態から全開状態になるまで移動させることができる。
これに対して、アーム11の先端部12が、第1のガイド溝22に沿って案内されることなく収納状態になった、すなわち、誤動作状態になったときは、アーム11の先端部12が、戸体Dを閉鎖状態になるまで移動させたときに、第2の開口23、第1の補助部材28及び第2の補助部材29を介して、第1のガイド溝22内に導入するようにし、その後、戸体Dを閉鎖状態から半開状態になるまで移動させたときに、誤動作状態のアーム11の先端部12が、第1のガイド溝22に沿って案内されて第1の開口21から導出されることで、アーム11が突出状態になるようにすることによって、誤動作状態になったアーム11を、装置本体1に沿った収納状態から突出状態に自動的に復帰させることで、次に、戸体Dを閉鎖状態にする際に、正常動作を行うようにすることができる。
以上、本発明の戸体移動装置について、その実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。