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特開2022-161818締め具を遮蔽するための発火抑制装置、発火抑制装置によって遮蔽された締め具を有する航空機用燃料タンク、及び航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法
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  • 特開-締め具を遮蔽するための発火抑制装置、発火抑制装置によって遮蔽された締め具を有する航空機用燃料タンク、及び航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法 図1
  • 特開-締め具を遮蔽するための発火抑制装置、発火抑制装置によって遮蔽された締め具を有する航空機用燃料タンク、及び航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法 図2
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  • 特開-締め具を遮蔽するための発火抑制装置、発火抑制装置によって遮蔽された締め具を有する航空機用燃料タンク、及び航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161818
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】締め具を遮蔽するための発火抑制装置、発火抑制装置によって遮蔽された締め具を有する航空機用燃料タンク、及び航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 45/02 20060101AFI20221014BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B64D45/02
B64C1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022014859
(22)【出願日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】63/172,245
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/519,335
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・エス・ローパー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・アール・オマスタ
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・シー・シューベルト
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・エー・ベッチャー
(57)【要約】
【課題】金属製締め具を燃料容積から隔離して発火ハザードを阻止するための従来のシール剤やシールキャップを使用した方法では、取付け時間及び検査時間がかかりコスト増加の一要因となっている。
【解決手段】締め具(106)を遮蔽するための発火抑制装置(100)は、リボン(102)と、リボン(102)に沿って互いに間隔を空けて配置されたレセプタクル(104)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締め具(106)を遮蔽するための発火抑制装置(100)であって、前記発火抑制装置(100)は、
リボン(102)と、
前記リボン(102)に沿って互いに間隔を空けて配置されたレセプタクル(104)と、を備える、発火抑制装置(100)。
【請求項2】
前記レセプタクル(104)はガス透過性であるか、
前記レセプタクル(104)はガス透過性で航空機燃料透過性であるか、
前記レセプタクル(104)はガス透過性で航空機燃料不透過性である、請求項1に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項3】
表側(101)と、裏側(103)と、前記表側(101)と前記裏側(103)との間の側面(118)と、接着領域(110)とを更に備える、請求項1又は2に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項4】
前記接着領域(110)は、前記裏側(103)に位置し前記側面(118)に沿って隣接して延伸する接着縁部領域(120)を含む、請求項3に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項5】
前記接着領域(110)は、前記裏側(103)に位置し、前記側面(118)間の前記接着縁部領域(120)に対して横方向に延伸し、前記レセプタクル(104)間の前記発火抑制装置(100)に沿って互いに間隔を空けて配置された接着交差領域(122)を更に含む、請求項4に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項6】
前記接着領域(110)は、前記裏側(103)に位置し前記リボン(102)に沿って互いに間隔を空けて配置された接着中央領域(130)を更に含み、
前記接着中央領域(130)のそれぞれは、前記接着縁部領域(120)間に配置される、請求項5に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項7】
前記接着中央領域(130)は、前記接着縁部領域(120)及び前記接着交差領域(122)よりも速い硬化速度を有する、請求項6に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項8】
前記接着領域(110)は、前記裏側(103)に位置し、前記発火抑制装置(100)に沿って互いに間隔を空けて配置された接着固定領域(124)を更に含み、
前記接着固定領域(124)のそれぞれは、前記レセプタクル(104)のそれぞれ1つの中に配置される、請求項4から7のいずれか一項に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項9】
前記接着固定領域(124)のそれぞれは、第1の接着部分(126)及び第2の接着部分(128)を含み、
前記第1の接着部分(126)は、前記第2の接着部分(128)よりも硬化速度が速い、請求項8に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項10】
前記第1の接着部分(126)と前記第2の接着部分(128)とが隣接している、請求項9に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項11】
前記第1の接着部分(126)と前記第2の接着部分(128)とは同心である、請求項9又は10に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項12】
前記接着領域(110)は、前記表側(101)に位置し、前記発火抑制装置(100)に沿って前記レセプタクル(104)間で互いに間隔を空けて配置された接着保持領域(131)を更に含む、請求項4から11のいずれか一項に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項13】
前記発火抑制装置(100)の前記裏側(103)に剥離可能に結合された裏側剥離シート(132)を更に備える、請求項3から12のいずれか一項に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項14】
前記レセプタクル(104)のそれぞれは、前記発火抑制装置(100)の前記裏側(103)に位置する裏面(154)を備え、
前記レセプタクル(104)のいずれか1つは、前記レセプタクル(104)のその1つの前記裏面(154)の全体に加えられる所定の圧力に応答して、及び/又は前記レセプタクル(104)のその1つの前記裏面(154)の一部に加えられる所定の力に応答して、前記リボン(102)から離れて延伸するように構成されている、請求項3から12のいずれか一項に記載の発火抑制装置(100)。
【請求項15】
前記レセプタクル(104)のそれぞれは、基板部分(152)と、前記基板部分(152)に結合された同心リング(136)とを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の発火抑制装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機用燃料タンク内の締め具を遮蔽するための発火抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合航空機用燃料タンク内の金属製締め具は、シール剤及び/又はシールキャップによって燃料容積から隔離されている。シール剤及び/又はシールキャップは、金属製締め具を燃料容積から物理的及び/又は電気的に分離し、あらゆる発火ハザードを阻止するように構成されている。シール剤及び/又はシールキャップの取付けには、溶媒洗浄、刷毛塗り、手作業による複数回の塗布工程、養生及び検査などの多くの手間がかかる工程が必要である。関連する取付け時間及び検査時間は、航空機のコストを増加させる。更に、多くの締め具は他の締め具と十分に近い位置にあるため、シールキャップは、隣接する締め具やシールキャップと物理的に干渉することなく、それぞれの締め具に適合するように、カスタムトリミングしなければならない。カスタムトリミングを行うと、製造のリードタイムが更に長くなり、その分コストも高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、少なくとも上記で特定された懸念に対処することを目的とした装置及び方法が有用であると考えられる。
【0004】
以下は、完全に網羅しているわけではないが、本明細書に開示された主題の例の一覧である。
【0005】
本明細書では、締め具を遮蔽するための発火抑制装置が開示される。発火抑制装置は、リボンと、リボンに沿って互いに間隔を空けて配置されたレセプタクルとを備える。
【0006】
そのための発火抑制装置は、航空機用燃料タンク内の締め具上に設置されるように構成されており、締め具は、航空機への落雷などにより生ずる発火事象を抑制するためにレセプタクルのそれぞれ1つの中に延伸する。リボンに沿って間隔を空けて複数のレセプタクルを配置することで、航空機用燃料タンクの製造時にレセプタクルを容易に供給することができ、航空機用燃料タンクに剛性キャップを個別に設置する場合と比較して、関連する時間を大幅に短縮することができる。
【0007】
本明細書では航空機用燃料タンクも開示される。航空機用燃料タンクは、発火抑制装置と、壁と、壁から航空機用燃料タンクの内側へ延伸する締め具とを備える。締め具のそれぞれは、発火抑制装置のレセプタクルのそれぞれ1つによって受け入れられる。
【0008】
本明細書では、航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法も開示される。本方法は、航空機用燃料タンクの壁から航空機用燃料タンクの内側に延伸する締め具のそれぞれを、発火抑制装置のレセプタクルのそれぞれ1つの中に配置するステップを含む。本方法は、発火抑制装置を壁に結合するステップを更に含む。
【0009】
以下、添付図面を参照するものとし、添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、いくつかの図面を通して同様の参照符号は同じ又は類似の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、発火抑制装置及び航空機用燃料タンクのブロック図である。
図2】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の発火抑制装置の概略裏側平面図である。
図3】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の発火抑制装置の概略側面図である。
図4】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の発火抑制装置の概略側断面図である。
図5】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の発火抑制装置の概略側断面図である。
図6】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の航空機用燃料タンクの概略側断面図である。
図7】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の航空機用燃料タンクの概略側断面図である。
図8】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の航空機用燃料タンクの概略側断面図である。
図9】本明細書に開示された主題の1つ又は複数の実施例による、図1の発火抑制装置の概略等角図である。
図10】本明細書に開示する主題の1つ又は複数の実施例による、航空機用燃料タンク内に発火抑制装置を設置する方法のブロック図である。
図11】航空機の生産及び保守点検方法のブロック図である。
図12】航空機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記で言及した図1において、様々な要素及び/又は構成要素を接続する実線がある場合、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的結合及び他の結合、並びに/又はそれらの組合せを表すことができる。本明細書では、「結合される(coupled)」という用語は、直接的及び間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aを部材Bと直接関連付けてもよいし、又は、例えば、別の部材Cを介して間接的に関連付けてもよい。当然のことながら、開示された様々な要素間の全ての関係が必ずしも表されるわけではない。したがって、ブロック図に示されているもの以外の結合も存在する場合がある。様々な要素及び/又は構成要素を指定するブロックを結ぶ破線がある場合、実線で表されるものと機能や目的が類似している結合を表しているが、破線で表される結合は、選択的に提供されてもよいし、本明細書に開示する主題の代替例に関連するものでもよい。同様に、破線で表されている要素及び/又は構成要素がある場合、それらは本明細書に開示された主題の代替例を示す。実線及び/又は破線で示される1つ又は複数の要素は、本明細書に開示する主題の範囲から逸脱することなく、特定の例から省略される場合がある。環境要素がある場合、点線で表される。明確にするために、仮想の(架空の)要素も表示する場合がある。当業者であれば、図1に示された形態のいくつかは、図1で説明された他の形態、他の図面、及び/又は添付の開示を含む必要はなく、たとえ、1つ又は複数の組合せが本明細書に明示的に示されていなくても、様々な方法で組み合わせてもよいことを理解するであろう。同様に、提示された実施例に限定されない追加の形態を、本明細書に図示され説明された形態の一部又は全てと組み合わせてもよい。
【0012】
上記で言及した図10において、ブロックは、動作及び/又はその一部を表すことができ、様々なブロックを結ぶ線は、動作又はその一部の特定の順序又は依存関係を意味するものではない。破線で表されるブロックは、代替の動作及び/又はその一部を示す。様々なブロックを結ぶ破線がある場合、その破線は、動作又は動作の各部分の代替依存関係を表す。当然のことながら、様々な開示された動作間の全ての従属関係が必ずしも表されているわけではない。図10及び本明細書に記載の方法の動作を説明する添付の開示は、動作が実行される順序を必ずしも決定するものと解釈されるべきではない。そうではなく、1つの例示的な順序が示されているが、動作の順序は、適切な場合に修正されてもよいことが理解される。したがって、特定の動作を異なる順序で、又は同時に行うことも可能である。加えて、当業者であれば、記載された全ての動作が必ずしも実行される必要はないことを理解するはずである。
【0013】
以下の説明では、開示される概念を十分に理解するために多くの具体的な詳細が説明されているが、これらの具体的な詳細の一部又は全てがなくてもこの概念を実施することができる。他の事例では、本開示を不必要に分かり難くすることを避けるために、既知の装置及び/又は工程の詳細は省略されている。いくつかの概念を具体的な実施例と併せて説明するが、当然のことながら、これらの実施例は限定することを意図したものではない。
【0014】
特に明記しない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単に符号として使用され、これらの用語が参照する項目に順序、位置、又は階層の要件を課すことを意図していない。更に、例えば、「第2」の項目への参照は、例えば、「第1」の又はより小さい番号の項目、及び/又は、例えば、「第3」の又はより大きい番号の項目の存在を必要としたり排除したりするものではない。
【0015】
本明細書における「1つ又は複数の実施例」への参照は、その実施例に関連して説明される1つ又は複数の形態、構造体、又は特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所にある「1つ又は複数の実施例」という語句は、同じ実施例を指している場合もあれば指していない場合もある。
【0016】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実行する「ように構成された(configured to)」システム、装置、構造体、物品、要素、構成要素、又はハードウェアとは、更なる変更後に特定の機能を実行する可能性を単に有するのではなく、いかなる部分変更も行わずに特定の機能を実際に実行することができるものである。言い換えると、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造体、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、特定の機能を実行するために、具体的に選択、作成、実装、利用、プログラム化、及び/又は設計されている。本明細書で使用される場合、「ように構成された」は、システム、装置、構造体、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが、更に変更することなく特定の機能を実行することを可能にする、当該のシステム、装置、構造体、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を示す。この開示の目的のために、特定の機能を実行する「ように構成された」ものとして説明されているシステム、装置、構造体、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、付加的に又は代替的に、その機能を実行する「ように適応された(adapted to)」及び/又は「ように動作可能な(operative to)」ものとして説明される場合がある。
【0017】
完全に網羅しているわけではないが、本明細書に開示された主題の例示的な実施例を以下に示す。
【0018】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例1について説明する。実施例1によれば、締め具106を遮蔽するための発火抑制装置100は、リボン102と、リボン102に沿って互いに間隔を空けて配置されたレセプタクル104とを備える。
【0019】
そのための発火抑制装置100は、航空機用燃料タンク108内の締め具106上に設置されるように構成されており、締め具106は、航空機への落雷などにより生ずる発火事象を抑制するためにレセプタクル104のそれぞれ1つの中に延伸する。リボン102に沿って間隔を空けて複数のレセプタクル104を配置することで、航空機用燃料タンク108の製造時にレセプタクル104を容易に供給することができ、航空機用燃料タンク内に剛性キャップを個別に設置する場合と比較して、関連する時間を大幅に短縮することができる。
【0020】
1つ又は複数の実施例では、発火抑制装置100は、航空機用燃料タンク108内の締め具106の特定の間隔に対応するレセプタクル104の特定の間隔を有するように構成されている。したがって、このような実施例では、発火抑制装置100を部分変更することなく、発火抑制装置100を分配して設置しており、剛性キャップを個別に設置する場合と比較して関連時間が更に短縮される。
【0021】
1つ又は複数の実施例では、リボン102及び/又は発火抑制装置100はストリップとして説明される。
【0022】
1つ又は複数の実施例では、図9に示すように、発火抑制装置100は、航空機用燃料タンク108内に設置時の保管及びその後の分配を容易にするために、巻き取ることができる。
【0023】
1つ又は複数の実施例では、レセプタクル104及びリボン102は、航空機燃料と適合する材料を含む、本明細書で説明するその機能を実行するための任意の材料で構成されている。
【0024】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例2について説明する。上記の実施例1を包含する実施例2によれば、リボン102及びレセプタクル104は、材料の一体構造体として構築される。
【0025】
一体構造体と同じ材料で構築することにより、発火抑制装置100は容易に製造される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「一体構造体」とは、単に、リボン102及びレセプタクル104が本質的に一体であり、別々に構築され、その後一緒に結合されないことを意味する。「一体構造体」とは、例えば、複数の層や繊維が一緒に織られた材料を排除するものではない。
【0027】
概して図1を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例3について説明する。上記の実施例1又は実施例2を包含する実施例3によれば、レセプタクル104は、ガス透過性であり、ガス透過性かつ航空機燃料透過性であり、又はガス透過性かつ航空機燃料不透過性である。
【0028】
ガス透過性であることにより、電気的事象に続いて、レセプタクル104内に燃焼ガスが生じ、レセプタクル104は、燃焼ガスをレセプタクルから燃料タンクに漏えいさせる。ガス透過性かつ航空機燃料透過性であることにより、電気的事象発生時に燃料蒸気や液体燃料がレセプタクル内に存在していても、レセプタクルにより燃料蒸気や液体燃料の燃焼が抑制される。航空機燃料不透過性であることにより、レセプタクル104は、落雷又は他の電気的事象から生じる可能性がある高温の粒子及び/又はガスの放出を阻止するだけでなく、特定の条件下で気化して可燃性になる航空機燃料をレセプタクル104に入らないようにする。
【0029】
1つ又は複数の実施例では、ガス透過性で液体不透過性の材料には、GORE-TEX(登録商標)ブランドで販売されているような延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む織布及び不織布のポリマー布がある。
【0030】
1つ又は複数の実施例では、レセプタクル104及び/又はリボン102は、複数の材料層から構築される。1つ又は複数のそのような実施例では、ナイロンフェルトなどの詰め物を、PTFE布などの材料の2つの外層の間に配置してもよい。
【0031】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例4について説明する。上記の実施例1~3のいずれか1つを包含する実施例4によれば、発火抑制装置100は更に、表側101と、裏側103と、表側101と裏側103との間にある側面118とを備える。発火抑制装置100は接着領域110を更に備える。
【0032】
接着領域110は、発火抑制装置100を航空機用燃料タンク108に結合する。
【0033】
1つ又は複数の実施例では、接着領域110の少なくともサブセットは、発火抑制装置100を航空機用燃料タンク108の壁114に接着するように配置される。1つ又は複数の追加の実施例では、本明細書で論じるように、接着領域110の少なくとも別のサブセットは、航空機用燃料タンク108の壁114から延伸する締め具106に発火抑制装置100を接着するように配置される。
【0034】
1つ又は複数の実施例では、接着領域110は、発火抑制装置100を構成する1つ又は複数の材料、航空機用燃料タンク108の壁114及び/又は締め具106の1つ又は複数の材料、及び航空機燃料に適合する任意の適切な接着剤を含む。
【0035】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例5について説明する。上記の実施例4を包含する実施例5によれば、接着領域110は、裏側103に位置し側面118に沿って隣接して延伸する接着縁部領域120を含む。
【0036】
接着縁部領域120は、発火抑制装置100を航空機用燃料タンク108の壁114に結合し、航空機用燃料タンク108内の燃料からレセプタクル104を遮断する。
【0037】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例6について説明する。上記の実施例5を包含する実施例6によれば、接着領域110は、裏側103に位置し、側面118間で接着縁部領域120に対して横方向に延伸し、レセプタクル104間に発火抑制装置100に沿って互いに間隔を空けて配置された接着交差領域122を更に含む。
【0038】
接着縁部領域120を用いて、接着交差領域122は、各レセプタクル104の周りに密閉空間を形成する。したがって、レセプタクルに関連する電気的事象時に、隣接するレセプタクルは必ずしも影響を受けない。すなわち、高温粒子及び/又は燃焼ガスは、あるレセプタクルから別のレセプタクルに移動しない。
【0039】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例7について説明する。上記の実施例6を包含する実施例7によれば、接着領域110は、裏側103に位置しリボン102に沿って互いに間隔を空けて配置された接着中央領域130を更に含む。接着中央領域130のそれぞれは、接着縁部領域120間に配置される。
【0040】
接着中央領域130により、発火抑制装置100の設置時に、航空機用燃料タンク108の壁114上での発火抑制装置100の適切な配置が容易になる。
【0041】
また、図7及び図8に示すように、1つ又は複数の実施例では、接着中央領域130により、隣接するレセプタクル104間の間隔を狭めて同様に間隔が空いた隣接する締め具106と適切に位置合わせするように、裏側103の隣接領域同士の結合が容易になる。
【0042】
概して図1を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例8について説明する。上記の実施例7を包含する実施例8によれば、接着中央領域130は、接着縁部領域120及び接着交差領域122よりも硬化速度が速い。
【0043】
接着中央領域130は接着縁部領域120及び接着交差領域122よりも速く硬化するので、発火抑制装置100は設置時に壁114上に容易かつ適切に配置可能であり、その結果、発火抑制装置100の最初の配置に続いて、接着縁部領域120及び接着交差領域122との間で、長期的な、より強力な、及び/又はより化学的耐性がある結合をその後確立することができる。
【0044】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例9を示している。上記の実施例5~8のいずれか1つを包含する実施例9によれば、接着領域110は、裏側103に位置し発火抑制装置100に沿って互いに間隔を空けて配置された接着固定領域124を更に含む。接着固定領域124のそれぞれは、レセプタクル104のそれぞれ1つの中に配置される。
【0045】
したがって、接着固定領域124は、一旦、レセプタクル104が締め具106上に動作可能に配置されると、レセプタクル104は、発火抑制装置100の設置時及び設置後に所定位置に確実に留まるように配置される。
【0046】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例10について説明する。上記の実施例9を包含する実施例10によれば、接着固定領域124のそれぞれは、第1の接着部分126及び第2の接着部分128を含む。第1の接着部分126は、第2の接着部分128よりも硬化速度が速い。
【0047】
より速く硬化する部分を含むことにより、発火抑制装置100の設置時にレセプタクル104を締め具106上に動作可能に配置して保持することができ、一方、より遅く硬化する部分を含むことにより、最初に締め具106上にレセプタクル104を配置した後、レセプタクル104と締め具106との間の長期的な結合が可能になる。
【0048】
接着縁部領域120、接着交差領域122、及び接着固定領域124の第2の接着部分128として使用するための遅硬化性接着剤の例としては、ポリウレタン、ポリチオエーテル、二酸化マンガン硬化ポリスルフィド、二クロム酸硬化ポリスルフィド、エポキシ硬化ポリチオエーテルなどのようなポリスルフィドシール剤、及びそれらの組合せがある。接着固定領域124の接着中央領域130及び第1の接着部分126として使用するためのより速硬化性接着剤の例としては、構造用アクリル、エポキシなどがある。
【0049】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図6を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例11について説明する。上記の実施例10を包含する実施例11によれば、第1の接着部分126及び第2の接着部分128は互いに隣接している。
【0050】
接着固定領域124の第1の接着部分126と第2の接着部分128とが発火抑制装置100の裏側103で互いに隣接していることにより、発火抑制装置100の裏側103にそれぞれの接着剤を吐出するために、隣接する2つの接着剤ノズルを利用するなどして、発火抑制装置100の製造が容易に行われるようにする。
【0051】
図6の右側に示す接着固定領域は、第1の接着部分126と第2の接着部分128とが互いに隣接している例である。
【0052】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例12について説明する。上記の実施例10又は11を包含する実施例12によれば、第1の接着部分126及び第2の接着部分128は互いに同心である。
【0053】
接着固定領域124の第1の接着部分126と第2の接着部分128とが発火抑制装置100の裏側103で互いに同心であることにより、発火抑制装置100の裏側103にそれぞれの接着剤を吐出するための同心円状の吐出口を有するノズルを利用するなど、発火抑制装置100の製造を容易にすることができる。
【0054】
図6の左側に示される接着固定領域と図7及び図8の接着固定領域124は、第1の接着部分126と第2の接着部分128とが互いに同心円状に配置されている例である。
【0055】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2図8、及び図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例13について説明する。上記の実施例5~12のいずれか1つを包含する実施例13によれば、接着領域110は、表側101に位置し発火抑制装置100に沿って互いに間隔を空けて配置されたレセプタクル104間に位置する接着保持領域131を更に含む。
【0056】
図8に示すように、発火抑制装置100の表側101に接着保持領域131を含めることにより、リボン102の領域を一緒にして、リボン102の隣接領域上に折り畳むことができるようになる。結果として、2つの隣接するレセプタクル104の間の間隔は、2つの隣接する締め具106の間隔に対応するように狭まり、リボン102の領域を一緒にすることによって形成されたフラップは、接着保持領域によってリボン102の隣接領域に固定されて、例えば、図7に示すように、フラップが航空機用燃料タンク108内の燃料容積に延伸することが回避される。
【0057】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例14について説明する。上記の実施例4~13のいずれか一例を包含する実施例14によれば、発火抑制装置100は、発火抑制装置100の裏側103に剥離可能に結合された裏側剥離シート132を更に備える。
【0058】
裏側剥離シート132は、裏側103の接着領域110の早期硬化を制限し、発火抑制装置100の取扱い及び保管を可能にする。
【0059】
1つ又は複数の実施例では、裏側剥離シート132はアルミニウムテープである。1つ又は複数の実施例では、裏側剥離シート132はポリマーフィルムである。
【0060】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例15について説明する。上記の実施例4~14のいずれか一例を包含する実施例15によれば、発火抑制装置100は、発火抑制装置100の表側101に剥離可能に結合された表側剥離シート133を更に備える。
【0061】
表側剥離シート133は、表側101の接着領域110の早期硬化を抑制し、発火抑制装置100の取扱い及び保管を可能にする。
【0062】
1つ又は複数の実施例では、表側剥離シート133はアルミニウムテープである。1つ又は複数の実施例では、表側剥離シート133はポリマーフィルムである。
【0063】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例16について説明する。上記の実施例15を包含する実施例16によれば、表側剥離シート133は、レセプタクル104の周りに延伸する開口部135を備える。
【0064】
1つ又は複数の実施例では、開口部135は、表側剥離シート133がリボン102から離れるように延伸するレセプタクル104を収容できるようにする。
【0065】
1つ又は複数の実施例では、表側剥離シート133は、代わりに、発火抑制装置100の表側101上のリボン102に、個別に剥離可能に結合され複数の間隔を空けて配置された部分を含む。
【0066】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図4及び図5を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例17について説明する。上記の実施例4~16のいずれか1つを包含する実施例17によれば、レセプタクル104のそれぞれは、発火抑制装置100の裏側103に位置する裏面154を備える。レセプタクル104のいずれか1つは、レセプタクル104のその1つの裏面154の全体に加えられる所定の圧力に応答して、及び/又はレセプタクル104のその1つの裏面154の一部に加えられる所定の力に応答して、リボン102から離れて延伸するように構成されている。
【0067】
したがって、落雷の間、又は高温ガスがレセプタクル内に形成されたり、高温粒子が締め具から又は締め具付近から放出される他の電気的事象の間、レセプタクル内の圧力が上昇してレセプタクルは膨張する。結果として、電気的事象に関連する力は減衰し、レセプタクルの健全性が維持され、その後の電気的事象の間に動作可能に実行できる。
【0068】
更に、1つ又は複数の実施例では、図9に示すように、発火抑制装置100は、概して平坦化されて折り畳まれた形態であり、設置時に締め具106上に配置されるとき、選択的に展開形態に展開されるレセプタクル104を用いて容易に巻き取ることができる。すなわち、締め具106は、裏面154の一部と係合して、対応するレセプタクルをリボン102の隣接部分から離れるように延伸させ、対応するレセプタクルの中に締め具が延伸する容積を形成する。
【0069】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2図3、及び図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例18について説明する。上記の実施例17を包含する実施例18によれば、レセプタクル104のそれぞれは、レセプタクル104内の圧力上昇に応答してリボン102から離れるように延伸できる少なくとも1つの円形の波形146を含む。
【0070】
円形の波形は、電気的事象が発生したときに、レセプタクル104内の容積をより大きく増加させることを可能にする。円形の波形はまた、レセプタクル104が複数のサイズ及び/又は形状の締め具106を収容することを可能にする。
【0071】
1つ又は複数の実施例では、円形の波形は、ベローズとして、又はベローズを形成するものとして説明されている。
【0072】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例19について説明する。上記の実施例1~18のいずれか1つを含む実施例19によれば、リボン102は、隣接するレセプタクル104の間でリボン102を横切って横方向に延伸する少なくとも1つの弱化領域134を含む。
【0073】
隣接するレセプタクル104の間に少なくとも1つの弱化領域134を有することにより、例えば、直線的な列をなす締め具106の上に設置された後、及び/又はレセプタクル104の間の間隔が、レセプタクル104が配置される締め具106の間隔と整合していない場合、設置時にレセプタクル104それ自体又はその一部が発火抑制装置100の残部から分離されることがある。
【0074】
1つ又は複数の実施例では、複数の弱化領域が、隣接するレセプタクル104の間でリボン102を横切って横方向に延伸する。
【0075】
隣接するレセプタクル104の間に、例えば、少なくとも1つの弱化領域134など複数の弱化領域を含めることによって、発火抑制装置100の設置時にリボン102の異なる長さを選択的に除去して、締め具106の様々な間隔に対応させることができる。
【0076】
1つ又は複数の実施例では、複数の弱化領域に加えて、又はその代わりに、技術者が弱化領域に沿って発火抑制装置100の隣接領域を分離すること、又は切断線に沿って発火抑制装置100を切断することを容易にするために、切断線を表す印が付けられている。
【0077】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図2及び図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例20について説明する。上記の実施例19を包含する実施例20によれば、少なくとも1つの弱化領域134は穿孔148を含む。
【0078】
穿孔148は、ハサミ又は他のカッターなどの工具を必要とせずに、発火抑制装置100の隣接部分の分離を容易にする。
【0079】
概して図1を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例21について説明する。上記の実施例19又は20を包含する実施例21によれば、少なくとも1つの弱化領域134は1つ又は複数のスコアライン150を含む。
【0080】
スコアラインを使うと、ハサミ又は他のカッターなどの工具を必要とせずに、発火抑制装置100の隣接部分の分離が容易になる。
【0081】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図4及び図5を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例22について説明する。上記の実施例1~21のいずれか1つを包含する実施例22によれば、各レセプタクル104は、基板部分152と、基板部分152に結合された同心リング136とを備える。
【0082】
同心リング136は、発火抑制装置100が設置されたときに、レセプタクル104を締め具106の周りに略円形の構成に維持するための構造体を提供する。更に、1つ又は複数の実施例では、同心リング136により、レセプタクル104を図4及び図9に示すように折り畳み形態に折り畳み、図5に示すように選択的に展開形態に展開するのが容易になる。
【0083】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図4及び図5を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例23について説明する。上記の実施例22を含む実施例23によれば、同心リング136は基板部分152よりも剛性である。
【0084】
同心リング136は、基板部分152よりも剛性であることにより、発火抑制装置100が設置されたときにレセプタクル104を締め具106の周りに略円形の構成に維持する構造体を提供する。
【0085】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図4及び図5を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例24について説明する。上記の実施例22又は23を包含する実施例24によれば、同心リング136の1つは、同心リング136の少なくとも1つの他の1つと直径が異なる。
【0086】
異なる直径を有することにより、同心リング136は、レセプタクル104の折り畳み及び拡張を容易にするだけでなく、締め具106の終端部に向かってレセプタクルを先細にすることも可能にする。
【0087】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図1を、特に、例えば、図6図8を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例25について説明する。上記の実施例1~24のいずれか1つを包含する実施例25によれば、航空機用燃料タンク108は、発火抑制装置100と、壁114と、壁114から航空機用燃料タンク108の内側に延伸する締め具106とを備える。締め具106のそれぞれは、発火抑制装置100のレセプタクル104のそれぞれの1つによって受け入れられる。
【0088】
限定ではなく例示のみを目的として、概して図10を、特に、例えば、図1図9を参照して、この段落の以下の部分で、本明細書に開示された主題の実施例26について説明する。上記の実施例25を含む実施例26によれば、航空機用燃料タンク108に発火抑制装置100を設置する方法200は、航空機用燃料タンク108の壁114から航空機用燃料タンク108の内側に延伸する締め具106のそれぞれを発火抑制装置100のレセプタクル104のそれぞれ1つの中に配置するステップ(ブロック202)を含む。方法200は、発火抑制装置100を壁114に結合するステップ(ブロック204)を更に含む。
【0089】
本明細書で開示された主題の実施例は、図11に示す航空機の製造及び保守点検方法1100並びに図12に示す航空機1102の文脈で説明することができる。生産開始前、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様及び設計(ブロック1104)、並びに材料調達(ブロック1106)を含むことができる。生産中に、航空機1102の構成要素及び部分組立品の製造(ブロック1108)及びシステム統合(ブロック1110)が行われることがある。その後、航空機1102は、認証及び搬送(ブロック1112)を経て就航中に到る(ブロック1114)ことができる。就航中、航空機1102は、定期的な整備及び保守点検(ブロック1116)が予定されている場合がある。定期的な整備及び保守点検には、航空機1102の1つ又は複数のシステムの修正、再構成、改修などを含んでもよい。
【0090】
例示的な方法1100のプロセスのそれぞれは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレーター(例えば、顧客)によって実施又は実行されてもよい。本説明の目的のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含むことができるが、これらに限定されず、第三者は、限定するものではないが、任意の数のベンダー、下請業者、及びサプライヤを含むことができるが、これらに限定されず、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事機関、就航業務組織などとすることができる。
【0091】
図12に示すように、例示的な方法1100によって生産された航空機1102は、複数の上位システム1120と内部1122とを有する機体1118を含むことができる。上位システム1120の例としては、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの1つ又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙の例を示しているが、本明細書で開示される原理は、自動車産業などの他産業に適用され得る。したがって、航空機1102に加えて、本明細書で開示される原理は、他のビークル、例えば、陸上用ビークル、海上用ビークル、宇宙用ビークルなどに適用され得る。
【0092】
本明細書で図示又は説明される装置(複数可)及び方法(複数可)を、製造及び保守点検方法1100の任意の1つ又は複数の段階で使用してもよい。例えば、構成要素及び部分組立品の製造(ブロック1108)に対応する構成要素又は部分組立品を、航空機1102の就航中(ブロック1114)に生産される構成要素又は部分組立品と同様の方法で製作又は製造してもよい。また、装置(複数可)、方法(複数可)、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数の実施例を、例えば、航空機1102の組立てを実質的に促進するか、又はコストを実質的に削減することにより、生産段階1108及び1110で利用してもよい。同様に、装置又は方法の実現又はそれらの組合せの1つ又は複数の実施例を、限定ではなく例として、航空機1102の就航中(ブロック1114)並びに/又は整備及び保守点検中(ブロック1116)に利用してもよい。
【0093】
本明細書に開示された装置及び方法の異なる例には、様々な構成要素、形態、及び機能が含まれる。当然のことながら、本明細書に開示される装置(複数可)及び方法(複数可)の様々な実施例は、本明細書に開示される装置(複数可)及び方法(複数可)の他の実施例の構成要素、形態、及び機能のいずれかを任意の組合せで含んでもよい。
【0094】
上記の説明及び関連する図面に示された教示の利益を有する当業者であれば、本明細書に説明された実施例の多くの変更を思いつくはずである。
【0095】
したがって、本明細書に開示される発明の主題は、例示された特定の実施例に限定されるものではないことを、また変更及び他の例を添付の特許請求の範囲内に含むことが意図されていることを理解すべきである。更に、上記の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組合せとの関連で、本明細書に開示された主題の実施例を説明しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の異なる組合せが代替的な実施態様によって提供されてもよいことを理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲における括弧内の参照番号は、単に例示の目的で提示されたもので、特許請求された主題の範囲を本明細書に提供されている特定の実施例に限定するものではない。
【符号の説明】
【0096】
100 発火抑制装置
101 表側
102 リボン
103 裏側
104 レセプタクル
106 締め具
108 航空機用燃料タンク
110 接着領域
114 壁
118 側面
120 接着縁部領域
122 接着交差領域
124 接着固定領域
126 第1の接着部分
128 第2の接着部分
130 接着中央領域
131 接着保持領域
132 裏側剥離シート
133 表側剥離シート
134 弱化領域
135 開口部
136 同心リング
146 円形の波形
148 穿孔
150 スコアライン
152 基板部分
154 裏面
1100 航空機の製造及び保守点検方法
1102 航空機
1118 機体
1120 上位システム
1122 内部
1124 推進システム
1126 電気システム
1128 油圧システム
1130 環境システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】