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特開2022-161842方法、情報処理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161842
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】方法、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221014BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20221014BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221014BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
H04N7/18 H
H04M9/00 D
G08B25/00 510M
G08B25/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051139
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2021065886
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518386575
【氏名又は名称】株式会社Archaic
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】横山 淳
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5K038
【Fターム(参考)】
5C054CE14
5C054DA09
5C054FA04
5C054FC00
5C054FC12
5C054FE13
5C054FE16
5C054FE28
5C054HA18
5C054HA22
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087DD03
5C087DD05
5C087DD23
5C087DD24
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF24
5C087GG02
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG66
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD15
5K038DD21
5K038GG02
5K038GG03
(57)【要約】
【課題】訪問者が好ましい訪問者であるか不審者であるかどうかをより確実に判断するようにできること。
【解決手段】本開示に係る方法は、プロセッサが、訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析することと、前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得することと、前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示することと、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサが、
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析することと、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得することと、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記撮像画像における前記被写体の顔に相当する部分を解析し、
前記被写体の顔に相当する部分の解析結果に基づいて、前記訪問者の情報を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮像画像における前記被写体の服装に相当する部分を解析し、
前記被写体の服装に相当する部分の解析結果に基づいて、前記服装に対応する属性に関する情報を取得し、
前記撮像画像と、前記服装に対応する属性に対する評価の情報とを合わせて表示する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記訪問者の情報は、訪問者データベースに格納され、
前記訪問者データベースに所定の条件を満たす情報が格納されていない場合に、
前記被写体の服装に相当する部分の解析結果に基づいて、前記服装に対応する属性に関する情報のみを取得する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記表示部に表示される前記撮像画像に含まれる被写体である訪問者に関する評価の情報を入力させるための情報をさらに出力する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記訪問者の情報は、一の集合居住領域に含まれる複数の家庭の各々により入力される情報である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記訪問者の情報は、一の集合居住領域の管理者、警備会社または公的機関により提供される情報を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、
を備える情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、
として機能させるプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
防犯やセキュリティの観点から、カメラで撮像された画像を解析して不審者か否かを検出している技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ビデオカメラにより撮影された映像にうつる監視対象の不審行動をリアルタイムで判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-128877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば集合住宅のエントランスに訪問者が訪ねてきた場合、インターフォン(intercom)において映し出される映像だけでは、訪問者が好ましい訪問者であるか不審者であるかどうかを判定することが困難である。
【0005】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、訪問者が好ましい訪問者であるか不審者であるかどうかをより確実に判断することが可能な方法、情報処理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、プロセッサが、訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析することと、前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得することと、前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示することと、を含む方法が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、を備える情報処理システムが提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、訪問者が好ましい訪問者であるか不審者であるかどうかをより確実に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステム1の構成例を示す図である。
図2】同実施形態に係るサーバ10の構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】同実施形態に係る訪問者情報取得部102による処理の条件の一例を図である。
図5】同実施形態に係る表示制御部103による表示装置への表示態様の例を示す図である。
図6】同実施形態に係るサーバ10による情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係るシステム1の構成例を示す図である。図示するように、本実施形態に係るシステム1は、クラウドサーバ10(以下、サーバ10と称する)と、表示装置20と、監視装置30とを備える。サーバ10と表示装置20と監視装置30とはネットワークを介して通信可能に接続されている。かかるシステム1に対して、表示装置20を備える居室の居住者HRが使用するスマートフォン等のユーザ端末21は、サーバ10等と通信することができる。なお、本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。また、本実施形態ではサーバ10が後述する主機能を有する構成であるが、かかる主機能の一部または全部はインターフォン(表示装置)20が有する構成であってもよい。すなわち、本実施形態に係るシステム1は、サーバ10または表示装置20のいずれかのみで構成されていてもよいし、サーバ10と表示装置20とが共同で構成するものであってもよい。
【0013】
本実施形態においてネットワークNWはインターネットを想定している。ネットワークNWは、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0014】
サーバ10は、例えば、マンションやビルの訪問者VRに関する情報を管理し、またはかかる管理された情報に基づき居住者HRの表示装置20に対して訪問者VRに関する情報を出力する処理を行うためのコンピュータである。かかるサーバ10は、例えば、マンションやビルの管理者、または当該管理者に対してサービスを提供する組織により管理されてもよい。
【0015】
また、例えば、サーバ10は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウドコンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
表示装置20は、例えば、居住者HRの居室に設けられる表示用の端末である。いわゆる一般的なインターフォンと同様に、例えばマンションやビルのエントランスに設けられるインターフォンや監視装置30と通信可能に設けられ、監視装置30により取得される訪問者VRの顔を含む撮像画像を表示させ、訪問者VRと通話等をすることができる。また、本実施形態に係る表示装置20は、サーバ10により処理されて出力される訪問者VRに関する情報を表示させることができる。例えば、表示装置20は、プロセッサ、ディスプレイ、マイクまたはスピーカー等の一般的なインターフォンが備え得るものであってもよいし、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。また、居住者HRが所有するスマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等のユーザ端末21が、表示装置20の機能を発揮してもよい。
【0017】
監視装置30は、カメラ等の撮像装置や、マイク等の収音装置等を備え得る装置である。例えば、監視装置30は、マンションやビルのエントランス等に設けられるインターフォンであってもよいし、防犯カメラ(CCTV)等であってもよい。
【0018】
本実施形態に係るシステム1の概要について説明する。マンション等に訪問した訪問者VRを監視装置30が撮像し、得られた撮像画像はサーバ10に送信される。サーバ10は、かかる撮像画像を解析して訪問者VRを特定し、訪問者データベースを紹介して訪問者VRの情報を取得する。訪問者VRの情報は、詳細は後述するが、例えば、訪問者VRの訪問回数、訪問者VRの評価(レート)、訪問者VRの属性(例えば宅配業者、営業、個別の友人等)、訪問者VRに関するテキスト情報等を含みうる。かかる訪問者VRの情報は、同じマンションに居住する他の居住者により、例えばユーザ端末21を介して登録されうる情報である。居住者HRの居室の表示装置20には、撮像画像P1とともに、上記の訪問者VRに関する情報P2が表示されうる。これにより、例えば訪問者VRが居住者HRの知らない人物であったとしても、居住者HRは訪問者VRを招くべきかどうかの判断をすることができ、セキュリティが向上しうる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係るサーバ10の構成を示すブロック図である。図示のように、サーバ10は、制御部11を備える。
【0020】
プロセッサ11aは、制御部11の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、プログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。このプロセッサ11aは、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ11cに格納されてメモリ11bに展開されたプログラムを実行して各処理を行う。
【0021】
メモリ11bは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。このメモリ11bは、プロセッサ11aの作業領域として使用される一方、制御部11の起動時に実行されるブートローダ、及び各種の設定情報等が格納される。
【0022】
ストレージ11cは、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。例えば、ストレージ11cには、情報等を表示するためのプログラムが格納されていてもよい。
【0023】
送受信部11dは、制御部11をインターネット網等のネットワークに接続するものであって、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信、LTE、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0024】
入出力部11eは、入出力機器が接続されるインターフェースであって、例えばインターフォン(表示装置)20と接続可能に設けられてもよい。
【0025】
バス11fは、接続したプロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信部11d及び入出力部11eの間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0026】
表示装置20は、表示部の一例であり、映像や画像が表示される。表示装置20は、例えばインターフォン(intercom)、モニタ、タブレット、モバイル端末等のディスプレイ、タッチパネル等の装置であり得る。また、表示装置20は、プロジェクタと投影面とにより構成されるものであってもよい。表示装置20のハードウェア構成は、例えば、図2に示すサーバ10と同様の構成であってもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ10は、解析部101、訪問者情報取得部102、表示制御部103、評価情報入力部104および訪問者DB(データベース)105を備える。解析部101、訪問者情報取得部102、表示制御部103および評価情報入力部104は、制御部11がストレージ13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行することにより実現され得る。また、訪問者DB105は、メモリ12およびストレージ13が提供する記憶領域の一部として実現され得る。なお、訪問者DB105は、サーバ10以外の一または複数のサーバが提供する外部の記憶領域の一部として実現されてもよい。
【0028】
解析部101は、訪問者VRである被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する機能を有する。撮像画像は、監視装置30により撮像される画像である。サーバ10は、監視装置30から撮像画像を取得する。解析部101は、例えば公知の画像解析の手法を用いて、撮像画像に写る被写体の解析を行う。被写体の解析は、例えば、訪問者VRの顔や訪問者VRの服装の解析を含みうる。解析部101から撮像画像の解析結果が出力されうる。
【0029】
訪問者情報取得部102は、撮像画像の解析結果に基づいて、被写体に対する訪問者を特定し、特定された訪問者の情報を取得する。被写体に対する訪問者の特定の処理は、例えば、訪問者VRの個人情報(顔、名前等)、および/または訪問者VRの属性(職業、年齢、性別等)の特定の処理を含みうる。
【0030】
訪問者DB105は、訪問者VRの顔、服装等、解析結果に基づき特定される情報と、訪問者VRの識別情報、属性等の情報とを紐づいて格納するデータベースである。例えば、訪問者DB105に格納される訪問者データは、訪問者VRの顔や服装等の画像情報(またはその解析結果)、訪問者VRの訪問回数、訪問者VRに関する属性、訪問者VRの評価等に関する情報を含みうる。かかる訪問者DB105に格納される情報は、一の集合居住領域において共有される情報である。つまり、訪問者VRの情報は、一の集合居住領域に居住する居住者HRが共通して得ることができる情報である。一の集合居住領域については後述する。
【0031】
訪問者VRの評価に関する情報は、例えば、後述する評価情報入力部104により入力される、居住者HRによる訪問者に対するコメント(例えば、「感じのよい宅配人である」等)、評価点等を含みうる。なお、訪問者VRの属性に関する情報は、属性に関する情報(例えば、属性が警察官である場合は、「最近警察官のふりをした犯罪が多発しているので、本物の警察官であるかどうか確認しましょう」等)を含んでもよい。訪問者データは、具体的な訪問者VRに紐づいてない(例えば、訪問者VRの顔に関する情報が紐づいていない)データであってもよい。例えば、訪問者データは、宅配業者や警察官などの属性と、かかる属性に紐づく服装に関する情報とを含むものであってもよい。これにより、例えば訪問者DB105に訪問者データが格納されていない場合(つまり初めて認識される訪問者VRである場合)であっても、訪問者VRの職業等について推定でき、かかる属性に基づく情報を居住者HRに提示することができる。
【0032】
訪問者情報取得部102は、撮像画像の解析結果をクエリとして、訪問者DB105を照会し、解析結果に対応する訪問者データ(訪問者の情報)を取得しうる。例えば、撮像画像の解析結果は、撮像画像に写る被写体の顔や服装等の解析結果を含みうる。撮像画像の解析結果が被写体の顔の解析結果であれば、かかる顔に相当するデータを有する訪問者データが特定される。また、撮像画像の解析結果が被写体の服装の解析結果であれば、かかる服装に相当するデータ(例えば、訪問者が宅配業者や警察官などの業務に対応する属性を有するデータ)を有する訪問者データが特定されうる。
【0033】
なお、撮像画像の解析結果として解析結果特定された顔に対応するデータを有する訪問者データが存在しない場合、訪問者情報取得部102は、服装に対応する部分の解析結果に基づいて、服装に対応する属性に関する訪問者データ(情報)を特定してもよい。また、訪問者DB105に蓄積されている訪問者データの数が所定の条件を満たさない(例えば、機械学習による訪問者の顔の解析の精度が所定の閾値に到達しないなど)場合は、訪問者情報取得部102は、服装に対応する部分の解析結果のみに基づいて、服装に対応する属性に関する訪問者データ(情報)を特定してもよい。これにより、訪問者DB105に訪問者データが十分に集積されていなくても、訪問者VRを特定することができる(図4のテーブル1001参照)。また、訪問者データに含まれる訪問者VRの評価に関する情報の評価の程度に応じて、訪問者情報取得部102は、撮像画像の解析方法を変更してもよい。例えば、訪問者VRの顔の解析結果がポジティブであれば、訪問者情報取得部102は、服装に相当する部分の解析結果を用いなくてもよい。一方で、訪問者VRの顔の解析結果がネガティブであるか、訪問者DB105に蓄積されていない場合には、服装に相当する部分の解析結果を用いてもよい(図4のテーブル1002参照)。
【0034】
表示制御部103は、撮像画像と、訪問者VRに対する評価の情報とを合わせて表示装置20に表示する機能を有する。図5は、本実施形態に係る表示制御部103による表示装置への表示態様の例を示す図である。図5に示すように、例えば、表示装置20の画面1101に示す例では、訪問者VRが宅配業者である場合の撮像画像と、宅配業者の訪問回数と、スコア(訪問者に対する評価に関する情報の一例)と、コメント(訪問者に対する評価に関する情報の一例)が表示されている。かかる訪問者VRの特定は、例えば、画面1101にうつる撮像画像のうち顔領域F1と服装領域C1とを特定して解析することにより行われうる。表示制御部103は、訪問者情報取得部102により取得された訪問者データに基づいて、上述した情報を表示しうる。なお、画面1101に表示される訪問者VRに関する情報は特に限定されない。
【0035】
また、画面1102に示す例では、訪問者VRが警察官である場合の撮像画像と、警察官に関するコメントが表示されている。ここでは、訪問者DB105にかかる顔領域F2に対応する顔のデータが存在しないため、警察官の顔に基づく訪問者の特定が行われていないとする。この場合は、例えば、訪問者情報取得部102は、訪問者VRの顔が特定できない場合、服装領域C2の解析により警察官の属性を有する訪問者データを特定して取得する。そして、かかる訪問者に対する評価に関する情報として、不審な警察官であることを示す情報を表示制御部103は表示する制御をしてもよい。一方で、訪問者VRの顔が特定できた場合は、服装の解析の結果属性が警察官であると判定されても、かかる顔に対応する訪問者データが取得されうる。これにより、同じ属性を有する訪問者データであっても、顔が特定できた場合と特定できなかった場合のそれぞれで、異なる評価を表示させることができる。
【0036】
評価情報入力部104は、表示装置20に表示される撮像画像に含まれる被写体である訪問者に関する評価の情報を入力させるための出力をする機能を有する。訪問者に関する評価の情報を入力させるための表示は、例えば、表示装置20にされてもよいし、居住者HRが有するスマートフォン等のユーザ端末21に表示されてもよい。かかる訪問者に関する情報は、例えば、一の集合居住領域に含まれる複数の家庭の各々により入力される情報でありうる。ここで、一の集合居住領域とは、例えば、マンションやアパート等の一の集合住宅により構成される領域や、一の自治会に含まれる個別住宅の集合により構成される領域であってもよい。また、一の集合居住領域とは、任意の行政区画(例えば番地、字、番、丁目、同一町名、行政区、市町村など)に含まれる住宅の集合により構成される領域であってもよい。例えば、訪問者に関する情報は、一のマンションの居住者により入力される情報でありうる。
【0037】
例えば、居住者HRが訪問者VRを対応した後に、ユーザ端末21を介して、訪問者VRに対するコメントやスコアを入力する。評価情報入力部104は、ユーザ端末21に表示させた入力画面を介して、ユーザ端末21から訪問者VRに関する情報を取得する。そして、評価情報入力部104は、取得した情報を訪問者DB105に記録する。訪問者DB105に格納されている訪問者データは、かかる入力情報に基づき更新される。かかる他の居住者による評価が蓄積されていくことで、訪問者VRに関する評価が共有できる。なお、他の居住者により入力されたコメント等は、別の居住者により評価されてもよい。これにより、コメントの信頼性を向上させることができる。
【0038】
なお、評価情報入力部104は、入力されたコメントのテキスト情報を変換し、要約した情報を取得してもよい。また、評価情報入力部104は、入力されたコメントのテキスト情報の解析を行い、コメントがポジティブであるかネガティブであるかどうかの判定を行ってもよい。かかる要約への変換やテキスト解析の技術は、適宜公知の技術であってもよい。
【0039】
また、評価情報入力部104は、居住者HRだけではなく、マンションの管理会社、警備会社、公的機関等により提供される情報を取得してもよい。例えば、評価情報入力部104は、マンションの地域に関する不審者情報や犯罪情報、防犯情報等を、対応する訪問者や服装に紐づく属性に紐づけて入力してもよい。かかる入力情報は適宜処理されて訪問者DB105に格納された訪問者データへ反映される。
【0040】
図6は、本実施形態に係るサーバ10による情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、訪問者VRがマンションのエントランスにおいて居住者HRをインターフォンで呼び出す際に、監視装置30が訪問者VRを被写体として撮像し、生成される撮像画像をサーバ10が取得する(ステップS101)。
【0041】
次に、解析部101は、取得した撮像画像を解析し(ステップS103)、訪問者情報取得部102は、かかる解析結果に基づいて訪問者情報を訪問者DB105から取得する(ステップS105)。
【0042】
次に、表示制御部103は、取得した訪問者情報に含まれるコメントやスコア等の評価に関する情報を表示装置20に表示させる(ステップS107)。
【0043】
本実施形態に係るシステム1によれば、居住者HRは、図4に示すように、訪問者に関する情報を得ることができる。これにより、居住者HRは訪問者VRに対応するかどうか、エントランスを開錠するかどうかを判断することができる。
【0044】
また、居住者HRは、訪問者への対応後、表示装置20やユーザ端末21を介してコメントやスコアを入力することができる。別の居住者は、再訪の際にそのコメントやスコアを見ることができる。このように、同じマンションの住人間で評価を共有することで、防犯だけではなく、悪質な営業訪問など様々なトラブルを引き起こす可能性のある来訪者の訪問を回避することができる。
【0045】
なお、例えば評価情報入力部104は、マンションの居住者HRの居住歴や管理組合の参加の程度等の指標に基づいて、入力されたコメントの信頼性の重みを調整する機能を有してもよい。例えば、マンションに引っ越したばかりの居住者HRにより入力されるコメントは、他の居住者に対して表示されなかったり、優先度が低く(例えばコメントの一覧の下の方に)表示されたりしてもよい。また、マンションに引っ越したばかりの居住者HRによるコメント等への評価の重みも低く調整されてもよい。
【0046】
また、例えば評価情報入力部104は、訪問者VRに対するコメントや評価について統計処理を行い、その処理の結果から、マンションの訪問者VRの属性や傾向を評価してもよい。例えば、あるマンションについては不審者や営業訪問等が多い等、マンションごとの評価が可能になったり、悪質な訪問者に対する対策を取ることが可能となる。
【0047】
また、表示制御部103は、例えばマンションの管理者や訪問業者の端末等に対して、マンションの訪問者VRに関する評価やコメント等の情報を出力してもよい。これにより、マンションの管理や訪問営業に対するフィードバックを業者にかけることができる。
【0048】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
プロセッサが、
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析することと、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得することと、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示することと、
を含む方法。
(項目2)
前記撮像画像における前記被写体の顔に相当する部分を解析し、
前記被写体の顔に相当する部分の解析結果に基づいて、前記訪問者の情報を取得することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記撮像画像における前記被写体の服装に相当する部分を解析し、
前記被写体の服装に相当する部分の解析結果に基づいて、前記服装に対応する属性に関する情報を取得し、
前記撮像画像と、前記服装に対応する属性に対する評価の情報とを合わせて表示する、
項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記訪問者の情報は、訪問者データベースに格納され、
前記訪問者データベースに所定の条件を満たす情報が格納されていない場合に、
前記被写体の服装に相当する部分の解析結果に基づいて、前記服装に対応する属性に関する情報のみを取得する、
項目3に記載の方法。
(項目5)
前記表示部に表示される前記撮像画像に含まれる被写体である訪問者に関する評価の情報を入力させるための情報をさらに出力する、項目1~4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記訪問者の情報は、一の集合居住領域に含まれる複数の家庭の各々により入力される情報である、項目1~5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記訪問者の情報は、一の集合居住領域の管理者、警備会社または公的機関により提供される情報を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、
を備える情報処理システム。
(項目9)
コンピュータを、
訪問者である被写体を撮像して得られる撮像画像を解析する解析部と、
前記撮像画像の解析結果に基づいて、前記被写体に対応する前記訪問者を特定し、特定された前記訪問者の情報を取得する訪問者情報取得部と、
前記訪問者の情報は、前記訪問者に対する評価の情報を含み、
前記撮像画像と、前記訪問者に対する評価の情報とを合わせて表示部に表示する表示制御部と、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0049】
1 システム
10 サーバ
20 表示装置
21 ユーザ端末
30 監視装置
101 解析部
102 訪問者情報取得部
103 表示制御部
104 評価情報入力部
105 訪問者DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6