(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161844
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像診断装置、超音波診断装置、医用画像処理方法及び医用画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20221014BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20221014BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B6/03 377
A61B6/03 360G
A61B5/055 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051511
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】202110381101.8
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザォウ スゥン
(72)【発明者】
【氏名】嶺 喜隆
(72)【発明者】
【氏名】シャオ チリン
(72)【発明者】
【氏名】ゴォ パンジェ
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA25
4C093DA02
4C093FD08
4C093FF37
4C093FF42
4C093FF46
4C096AA18
4C096AB36
4C096AD14
4C096DC33
4C096DC36
4C096DC37
4C601BB03
4C601EE11
4C601GA18
4C601GA25
4C601JC08
4C601JC21
4C601LL33
(57)【要約】
【課題】レジストレーションを短時間で行うこと。
【解決手段】本実施形態に係る医用画像処理装置は、第1取得部と、断面決定部と、第2取得部と、断面検出部と、断面取得部と、レジストレーション部と、を備える。前記第1取得部は、被検体の検査部位の第1ボリュームデータを取得する。前記断面決定部は、前記検査部位における断面を決定する。前記第2取得部は、前記被検体の前記検査部位の第2ボリュームデータを取得する。前記断面検出部は、前記第1ボリュームデータにおける前記断面を自動的に検出する。前記断面取得部は、前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得する。前記レジストレーション部は、前記第1ボリュームデータにおける前記断面と前記第2ボリュームデータにおける前記断面に基づいて、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとをレジストレーションする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の検査部位の第1ボリュームデータを取得する第1取得部と、
前記検査部位における断面を決定する断面決定部と、
前記被検体の前記検査部位の第2ボリュームデータを取得する第2取得部と、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面を自動的に検出する断面検出部と、
前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得する断面取得部と、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面と前記第2ボリュームデータにおける前記断面とに基づいて、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとをレジストレーションするレジストレーション部と、
を備える医用画像処理装置。
【請求項2】
前記断面決定部は、前記検査部位の複数の代表的な解剖面から1つの断面を選択して、前記検査部位における前記断面として決定する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記断面検出部は、前記第1ボリュームデータから同一の直線上に位置しない少なくとも3つの解剖点を自動的に検出し、前記少なくとも3つの解剖点の位置する断面を前記第1ボリュームデータにおける前記断面とする、
請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記レジストレーション部は、
レジストレーションアルゴリズムを用いて前記レジストレーションを行い、
前記少なくとも3つの解剖点の情報を用いて、前記レジストレーションアルゴリズムにおけるレジストレーションパラメータを初期化させ、
前記第1ボリュームデータ及び前記第2ボリュームデータにおける前記少なくとも3つの解剖点の近傍に位置する点に対して付加的な重みを付けるように、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとの類似度を算出し、前記レジストレーションを行うためのマトリックスを出力する、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記第1ボリュームデータにおける前記断面を表示する表示部をさらに備え、
前記断面取得部は、表示された前記第1ボリュームデータにおける前記断面に基づいて前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記第1ボリュームデータは三次元CTボリュームデータ又は三次元MRボリュームデータであり、
前記第2ボリュームデータは三次元USボリュームデータである、
請求項1~5のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の医用画像処理装置、
を備える医用画像診断装置。
【請求項8】
請求項6に記載の医用画像処理装置を備え、超音波プローブを用いて、前記第2ボリュームデータを取得する、
超音波診断装置。
【請求項9】
被検体の検査部位の第1ボリュームデータを取得し、
前記検査部位における断面を決定し、
前記被検体の前記検査部位の第2ボリュームデータを取得し、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面を自動的に検出し、
前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得し、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面と前記第2ボリュームデータにおける前記断面とに基づいて、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとをレジストレーションする、
ことを含む医用画像処理方法。
【請求項10】
被検体の検査部位の第1ボリュームデータを取得し、
前記検査部位における断面を決定し、
前記被検体の前記検査部位の第2ボリュームデータを取得し、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面を自動的に検出し、
前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得し、
前記第1ボリュームデータにおける前記断面と前記第2ボリュームデータにおける前記断面とに基づいて、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとをレジストレーションする、
処理をコンピュータに実行させる医用画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、医用画像診断装置、超音波診断装置、医用画像処理方法及び医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医学画像イメージング分野において、検査又は治療を行う際に、被検体の検査部位について、検査又は治療における該検査部位の三次元画像データと検査又は治療前に取得された三次元画像データとをレジストレーション(registration)する必要がある。即ち、位置合わせを行う必要がある。
【0003】
例えば、被検体の検査部位に対して診断や外科手術を行う前に、通常は、良好な解剖環境を有する三次元CT又はMRボリュームデータを取得するために、該被検体の検査部位に対してCT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影)又はMR(Magnetic Resonance;磁気共鳴)走査を予め行う。次に、被検体の検査部位に対して診断や外科手術を行う際に、リアルタイムな三次元USボリュームデータを取得するために、該被検体の検査部位に対して三次元US(Ultra-Sonic;超音波)走査を行う。その後、三次元CT又はMRボリュームデータと三次元USボリュームデータとをレジストレーションする。これにより、診断や外科手術を行う場合、検査部位のリアルタイムな三次元USボリュームデータの解剖面に対して、それに対応する鮮明度に優れた三次元CT又はMRボリュームデータにおける解剖面を高速に探し出すことができ、医師が正確に分析して判断しやく、正確な診断を行うか、或いは外科手術において正確な処理を行うことができる。
【0004】
ここで、三次元CT又はMRボリュームデータと三次元USボリュームデータとのレジストレーション方法について、外科手術を行う場合を例として説明する。検査部位の三次元CT又はMRボリュームデータを取得し、且つ手術において該検査部位の三次元USボリュームデータを取得した際に、検査部位に対して手術を行う際に取得した手術情報に基づいてレジストレーション基準である目標構造を決定し、三次元CT又はMRボリュームデータから該目標構造を人為的に探し出す。その後、USプローブを操作して、三次元CT又はMRボリュームデータから探し出した目標構造に類似した構造を三次元USボリュームデータから探し出し、探し出したこの2つの構造を基準として三次元CT又はMRボリュームデータと三次元USボリュームデータとのレジストレーションを行う。
【0005】
しかし、医師は人工的に三次元CT又はMRボリュームデータから目標構造を正確に探し出すことが困難であるため、通常、三次元CT又はMRボリュームデータから探し出した該目標構造と三次元USボリュームデータから探し出した類似構造との間には大きなずれが存在する。また、レジストレーション演算で用いられる初期変換パラメータは目標構造と類似構造に基づいて算出されたものであるので、該初期変換パラメータは正確なものではない。正確な初期変換パラメータを取得するために、目標構造及びその類似構造を常に探す必要があるので、レジストレーションに要する時間が長くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、レジストレーションを短時間で行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る医用画像処理装置は、第1取得部と、断面決定部と、第2取得部と、断面検出部と、断面取得部と、レジストレーション部と、を備える。前記第1取得部は、被検体の検査部位の第1ボリュームデータを取得する。前記断面決定部は、前記検査部位における断面を決定する。前記第2取得部は、前記被検体の前記検査部位の第2ボリュームデータを取得する。前記断面検出部は、前記第1ボリュームデータにおける前記断面を自動的に検出する。前記断面取得部は、前記第2ボリュームデータにおける前記断面を取得する。前記レジストレーション部は、前記第1ボリュームデータにおける前記断面と前記第2ボリュームデータにおける前記断面に基づいて、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとをレジストレーションする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のレジストレーション処理のフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1実施形態の心臓を検査対象とする場合のレジストレーション処理のフローチャートである。
【
図4】
図4は、心臓の三次元CTボリュームデータから4CH面を探し出す方法を説明するための模式図である。
【
図5A】
図5Aは、三次元CTボリュームデータから得られた4CH面を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、三次元USボリュームデータから得られた4CH面を示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の心臓を検査対象とする場合のレジストレーション処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係る超音波診断装置の処理回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る医用画像処理装置、医用画像診断装置、超音波診断装置、医用画像処理方法及び医用画像処理プログラムを説明する。なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、以下の実施形態に限定されるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用可能である。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る医用画像処理装置1の構成を示すブロック図である。例えば、
図1に示すように、医用画像処理装置1は、入力インターフェース102と、ディスプレイ103と、記憶回路150と、処理回路160とを有する。
【0012】
入力インターフェース102は、種々の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース102は、処理回路160に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路160に出力する。
【0013】
ディスプレイ103は、処理回路160に接続され、処理回路160から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ103は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。例えば、ディスプレイ103は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、種々の表示画像、処理回路160による種々の処理結果を表示する。ディスプレイ103は、表示部の一例である。
【0014】
記憶回路150は、処理回路160に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路150は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。また、記憶回路150は、処理回路160によって実行される各処理機能に対応するプログラムを記憶する。
【0015】
処理回路160は、入力インターフェース102を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用画像処理装置1が有する各構成要素を制御する。処理回路160は、本実施形態に係る医用画像処理装置として機能する。
【0016】
例えば、処理回路160は、プロセッサによって実現される。
図1に示すように、処理回路160は、三次元CTボリュームデータ取得機能11と、断面決定機能12と、三次元USボリュームデータ取得機能13と、断面検出機能14と、断面取得機能15と、レジストレーション機能16と、を実行する。ここで、
図1に示す処理回路160の構成要素である三次元CTボリュームデータ取得機能11、断面決定機能12、三次元USボリュームデータ取得機能13、断面検出機能14、断面取得機能15、レジストレーション機能16が実行する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で医用画像処理装置1の記憶回路150に記録されている。処理回路160は、各プログラムを記憶回路150から読み出し、実行することで各プログラムに対応する処理機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路160は、
図1の処理回路160内に示された各機能を有することとなる。
【0017】
次に、処理回路160が実行する三次元CTボリュームデータ取得機能11、断面決定機能12、三次元USボリュームデータ取得機能13、断面検出機能14、断面取得機能15、レジストレーション機能16の処理内容について説明する。
【0018】
三次元CTボリュームデータ取得機能11は、被検体の検査部位の三次元CTボリュームデータを取得する。ここで、被検体に対して検査又は治療を行う前に、検査部位の状况を全面的に知るために、通常は、検査部位に対して三次元走査を行うことにより、検査部位の、良好な解剖環境を有する明瞭な三次元CT(コンピュータ断層撮影)ボリュームデータ等を取得する必要がある。例えば、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、被検体の検査部位に対してCT走査を予め行うことによって三次元CTボリュームデータを取得する。具体的には、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、例えばメモリで構成され、X線CT装置により生成された被検体の検査部位の三次元CTボリュームデータを記憶することにより、被検体の検査部位の三次元CTボリュームデータを取得する。なお、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、第1取得部の一例であり、三次元CTボリュームデータは、第1ボリュームデータの一例である。
【0019】
ここで、該検査部位は、心臓、肝臓、前立腺などの一器官であってもよいが、肝臓を含む腹部などの1つの身体部位であってもよい。
【0020】
断面決定機能12は、被検体の検査部位における断面を決定する。該断面は、検査部位の複数の代表的な解剖面のうちの1つの断面である。通常、検査部位の代表的な解剖面は、複数存在する。検査部位が心臓である場合、その代表的な解剖面は、4CH(チャンバー)面、3CH面、及び2CH面などである。検査部位が腹部である場合、その代表的な解剖面は、肋間面(intercostal plane)、肋下面(subcostal plane)などである。そこで、断面決定機能12は、検査部位の複数の代表的な解剖面から1つの断面を選択して、検査部位における断面として決定する。なお、断面決定機能12は、断面決定部の一例である。
【0021】
三次元USボリュームデータ取得機能13は、被検体の検査部位の三次元USボリュームデータを取得する。例えば、被検体の検査部位に対して手術を行う時、検査部位に対してUS走査を行うことによって、手術を支援する場合がある。検査部位に対してUS(Ultra-Sonic;超音波)走査を行う場合、三次元USボリュームデータ取得機能13は、被検体の検査部位の三次元USボリュームデータを取得する。なお、三次元USボリュームデータ取得機能13は、第2取得部の一例であり、三次元USボリュームデータは、第2ボリュームデータの一例である。
【0022】
断面検出機能14は、三次元CTボリュームデータにおける、断面決定機能12により決定された断面を自動的に検出する。例えば、断面検出機能14は、三次元CTボリュームデータにおける複数の解剖点に基づいて、断面決定機能12により決定された断面を自動的に検出する。ここで、複数の解剖点を基に断面を検出する具体例については後述する。なお、断面検出機能14は、断面検出部の一例である。
【0023】
断面取得機能15は、三次元USボリュームデータにおける、断面決定機能12により決定された断面を取得する。例えば、断面決定機能12により決定された断面を断面検出機能14が三次元CTボリュームデータにおいて検出した場合、断面取得機能15は、該断面を参照して、三次元USボリュームデータから、該断面に類似した断面を探し出す(取得する)ことができる。断面取得機能15は、断面決定機能12により決定された断面を断面検出機能14が自動的に検出する前に、該断面を取得することもできる。この場合、医師は、自分の経験でUSプローブを平行移動させるか、或いは回転させることで、断面決定機能12により決定された断面を探し出し、断面取得機能15によって該断面を取得することができる。なお、断面取得機能15は、断面取得部の一例である。
【0024】
レジストレーション機能16は、三次元CTボリュームデータにおける、断面検出機能14により検出された断面と、三次元USボリュームデータにおける、断面取得機能15により取得された断面とに基づいて、検査部位の三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとをレジストレーションする。具体的には、レジストレーション機能16は、三次元CTボリュームデータにおける断面検出機能14により検出された断面の位置と三次元USボリュームデータにおける断面取得機能15により取得された断面の位置をレジストレーションの基準位置として、検査部位の三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとをレジストレーションする。なお、レジストレーション機能16は、レジストレーション部の一例である。
【0025】
また、処理回路160において、断面取得機能15は、断面検出機能14により自動的に検出された三次元CTボリュームデータにおける断面をディスプレイ103に表示させてもよい。断面取得機能15は、ディスプレイ103に表示された三次元CTボリュームデータにおける断面に基づいて、三次元USボリュームデータにおける対応断面を取得する。具体的には、医師(ユーザ)は、ディスプレイ103に表示された三次元CTボリュームデータにおける断面を参照して、被検体の検査部位に対してUS走査を行うことで、断面取得機能15は、三次元USボリュームデータ取得機能13により取得された三次元USボリュームデータにおける複数の断面から、三次元CTボリュームデータにおける断面と類似度が最も高い断面を対応断面として選択する。
【0026】
以下、
図2を参照して、検査部位の三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとのレジストレーションプロセスを説明する。
【0027】
図2のステップS1は、処理回路160が記憶回路150から三次元CTボリュームデータ取得機能11に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS1において、医師(ユーザ)が被検体の検査部位に対してCT走査を行うことで、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、被検体の検査部位の三次元CTボリュームデータを取得する。
【0028】
図2のステップS2は、処理回路160が記憶回路150から断面決定機能12に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS2において、検査部位の類型、例えば心臓、肝臓、前立腺、又は腹部などについて、断面決定機能12は、該検査部位における1つの代表的な解剖面を決定する。
【0029】
図2のステップS3は、処理回路160が記憶回路150から断面検出機能14に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS3において、断面検出機能14は、ステップS2にて決定された検査部位の代表的な解剖面について、ステップS1にて取得された三次元CTボリュームデータにおける複数の解剖点に基づいて、該解剖面を自動的に検出する。断面検出機能14は、検出した解剖面をディスプレイ103に表示させる。
【0030】
図2のステップS4は、処理回路160が記憶回路150から三次元USボリュームデータ取得機能13及び断面取得機能15に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS4において、医師が被検体の検査部位に対してUS走査を行うことで、三次元USボリュームデータ取得機能13は、検査部位の三次元USボリュームデータを取得する。そして、医師が経験で、或いはディスプレイ103に表示された解剖面を参照して、US走査を行うことによって、断面取得機能15は、ステップS3にて検出された解剖面に対応する解剖面(対応断面)を取得する。例えば、ステップS3にて検出された解剖面が患者(被検体)の心臓の4CH面である場合、該ステップS4において、心臓の三次元USボリュームデータにおける4CH面を取得する。
【0031】
図2のステップS5は、処理回路160が記憶回路150からレジストレーション機能16に対応するプログラムを呼び出して実行されるステップである。ステップS5において、レジストレーション機能16は、ステップS3にて検出された三次元CTボリュームデータにおける解剖面、及び、ステップS4にて取得された三次元USボリュームデータにおける解剖面を基準として、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとをレジストレーションする。
【0032】
図2に示す例では、まず、ステップS3において、断面検出機能14が三次元CTボリュームデータにおける断面を自動的に検出し、その後に、ステップS4において、断面取得機能15が三次元USボリュームデータにおける対応断面を取得するが、ステップS3とステップS4との処理の順番を逆にすることもできる。即ち、まず、ステップS4において、ステップS2にて決定された検査部位の代表的な解剖面について、医師が被検体の検査部位に対してUS走査を行うことで三次元USボリュームデータ取得機能13が検査部位の三次元USボリュームデータを取得すると共に、断面取得機能15が代表的な解剖面を取得し、その後、ステップS3において、断面検出機能14が、ステップS1にて取得された三次元CTボリュームデータから、対応する該解剖面を自動的に検出する。
【0033】
以下、
図3を参照して、心臓を例として、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとのレジストレーションプロセスを具体的に説明する。ここで、
図3のステップS101、S102~S103、S104~S106、S107、S108は、それぞれ、
図2のステップS1、S2、S3、S4、S5に相当する。
【0034】
医師(ユーザ)は、心臓に対する手術中に、心臓に対してUS走査を行いながら、US走査画像に対応するCT画像又はMR画像を参照することにより、病変部位を正確に判断する必要がある。本実施形態では、CT画像を参照することを例として説明する。
【0035】
例えば、医師は、患者(被検体)の心臓に対して手術を行う前に、予め患者の心臓に対してCT走査を行うことにより、患者の心臓の明瞭な三次元CTボリュームデータを得る必要がある。そこで、ステップS101において、医師が被検体の検査部位に対してCT走査を行うことで、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、患者の心臓の三次元CTボリュームデータを取得する。
【0036】
次に、医師は、患者の心臓に対して手術を行う際、US走査を行う前に、US検査類型、例えば心臓、前立腺、腹部などの類型から目標US検査類型を選択する必要がある。そこで、ステップS102において、断面決定機能12は、目標US検査類型を選択する。具体的には、断面決定機能12は、心臓、前立腺、腹部などの類型から目標US検査類型の選択を受け付ける画面をディスプレイ103に表示させる。例えば、本実施形態では、医師は、目標US検査類型として、心臓を選択する。
【0037】
次に、ステップS103において、医師が患者の心臓を選択した場合、断面決定機能12は、候補断面リストから目標断面を選択する。具体的には、断面決定機能12は、4CH面、3CH面、2CH面などの複数の代表的な解剖面のうちの1つの代表的な解剖面の選択を受け付ける候補断面リストをディスプレイ103に表示させる。本実施形態では、医師は、1つの代表的な解剖面として、候補断面リストから、心臓の収縮能を評価できる4CH面を選択する。この場合、断面決定機能12は、医師が選択した4CH面を目標断面として決定する。
【0038】
次に、4CH面を探し出すために、ステップS104において、断面検出機能14は、既存の画像分析アルゴリズムによって、患者の心臓の三次元CTボリュームデータにおける複数の解剖点として、少なくとも3つの解剖点を探し出す。具体的には、
図4に示すように、断面検出機能14は、当該三次元CTボリュームデータから僧帽弁点(Mitral Valve)M、心尖点(LV Apex)A及び房室結合点(junction points)Jを探し出す。僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jは、同一の直線上に位置しない3つの解剖点である。なお、本実施形態では、探し出す解剖点として、3つの解剖点を例に挙げているが、例えば、探し出す解剖点は3つ以上であってもよい。また、本実施形態では、断面(平面)から解剖点を探し出すことを例に挙げているが、例えば、曲面から解剖点を探し出してもよい。
【0039】
次に、ステップS105において、断面検出機能14は、僧帽弁点M及び心尖点Aの位置に基づいて長軸ベクトルV1を算出し、さらに長軸ベクトルV1及び房室結合点Jの位置に基づいて短軸ベクトルV2を算出する。
【0040】
次に、ステップS106において、断面検出機能14は、長軸ベクトルV1及び短軸ベクトルV2に基づいて、患者の心臓の三次元CTボリュームデータの断面を特定し、特定された断面を4CH面として検出する。そして、断面検出機能14は、検出した4CH面をディスプレイ103に表示させる。例えば、断面検出機能14は、検出した4CH面として、
図5Aに示すような4CH面をディスプレイ103に表示させる。
【0041】
次に、ステップS107において、医師が患者の心臓に対するUS走査を行うことで、三次元USボリュームデータ取得機能13は、当該患者の心臓の三次元USボリュームデータを取得する。そして、医師が、ディスプレイ103に表示された三次元CTボリュームデータにおける4CH面を参照して、US走査を行うことによって、断面取得機能15は、三次元USボリュームデータ取得機能13によって取得された三次元USボリュームデータから、三次元CTボリュームデータにおける4CH面に類似する断面をディスプレイ103に表示させる。例えば、断面取得機能15は、三次元CTボリュームデータにおける4CH面に類似する断面として、
図5Bに示すような断面をディスプレイ103に表示させる。これにより、医師は、三次元CTボリュームデータにおける4CH面に対応する断面(対応断面)を探し出すことで、断面取得機能15は、医師が探し出した断面を、三次元USボリュームデータにおける4CH面として取得する。
【0042】
最後に、ステップS108において、レジストレーション機能16は、三次元CTボリュームデータにおける4CH面、及び、三次元USボリュームデータにおける4CH面を基準として、三次元CTボリュームデータ及び三次元USボリュームデータをレジストレーションする。
【0043】
これにより、第1実施形態に係る医用画像処理装置1では、患者の心臓に対して手術を行う際に、超音波プローブ走査時に示された断面について、それに対応する明瞭なCT画像を速やかに探し出すことができ、速やかで正確に判断するように医師を支援することができ、手術効率を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、第1実施形態に係る医用画像処理装置1では、患者の心臓の三次元CTボリュームデータにおいて、同一の直線上に位置しない3つの解剖点である僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jに基づいて長軸ベクトルV1及び短軸ベクトルV2を特定し、そして長軸ベクトルV1及び短軸ベクトルV2に基づいて当該三次元CTボリュームデータにおける4CH面を特定している。ここで、同一の直線上に位置しない3つの解剖点である僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jに基づいて、直接、三次元CTボリュームデータにおける4CH面を特定すること、つまり、この3つの解剖点の位置する断面を三次元CTボリュームデータにおける4CH面として特定することもできる。
【0045】
また、第1実施形態に係る医用画像処理装置1では、自動的に検出された三次元CTボリュームデータにおける4CH面を参照して、三次元USボリュームデータから、該4CH面に類似した面を探し出して三次元USボリュームデータにおける4CH面としている。ここで、自動的に検出された三次元CTボリュームデータにおける4CH面を参照せずに、医師は自分の経験で三次元USボリュームデータにおける4CH面を探し出すこともできる。
【0046】
また、第1実施形態に係る医用画像処理装置1では、患者の心臓の三次元CTボリュームデータを予め取得し、その後に取得された該三次元CTボリュームデータと患者の心臓の三次元USボリュームデータとをレジストレーションするものを例として説明したが、これに限定されない。例えば、三次元MRボリュームデータも良好な解剖環境を有し、明瞭な三次元ボリュームデータであるため、患者の心臓の三次元MRボリュームデータを予め取得し、その後に取得された該三次元MRボリュームデータと心臓の三次元USボリュームデータとをレジストレーションすることもできる。
【0047】
(第2実施形態)
以下、
図6を用いて、医用画像処理装置1の第2実施形態について説明する。
図6においても、心臓を例として、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとのレジストレーションプロセスを説明する。
【0048】
なお、第2実施形態においては、第1実施形態と同一の部分についての説明を省略する。第2実施形態におけるステップS201~ステップS208は第1実施形態におけるステップS101~ステップS108と同一であるため、説明を省略する。第2実施形態に係る医用画像処理装置1では、レジストレーションアルゴリズムを用いて、点群のレジストレーションを行う。
【0049】
ステップS209において、レジストレーション機能16は、ステップS204にて探し出した僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jの情報を用いて、レジストレーションアルゴリズムにおけるレジストレーションパラメータを初期化させる。
【0050】
ステップS210において、レジストレーション機能16は、レジストレーションアルゴリズムを実行させ、三次元CTボリュームデータ及び三次元USボリュームデータにおける僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jの近傍に位置する点に対して付加的な重みを付けるように、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとの対応点の類似度を算出する。
【0051】
ステップS211において、レジストレーション機能16は、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとの間の変換マトリックスを出力し、該変換マトリックスを用いて三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとをさらにレジストレーションする。
【0052】
このように、第2実施形態に係る医用画像処理装置1では、三次元CTボリュームデータ及び三次元USボリュームデータにおける僧帽弁点M、心尖点A及び房室結合点Jの近傍に位置する点に対して付加的な重みを付ける。即ち、第2実施形態に係る医用画像処理装置1では、三次元CTボリュームデータ及び三次元USボリュームデータにおける3つの点の近傍に位置する点に対して他の点より高い重みを付ける。これにより、第2実施形態に係る医用画像処理装置1では、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとの対応点の類似度を算出し、レジストレーションアルゴリズムの精度をより高くすることで、三次元CTボリュームデータと三次元USボリュームデータとの間の精確なレジストレーションを図ることができる。
【0053】
第1実施形態及び第2実施形態に係る医用画像処理装置1は、上述した形態に限られるものではない。例えば、処理回路160は、医用画像処理装置1とは別に設置されたワークステーションでもよい。この場合、ワークステーションが、処理回路160と同様の処理回路を有し、上述した処理を実行する。
【0054】
また、例えば、医用画像処理装置1は、被検体の検査部位の三次元CTボリュームデータ又は三次元MRボリュームデータを生成する医用画像診断装置に組み込まれてもよい。医用画像診断装置は、例えば、X線CT装置、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置等を含む。例えば、医用画像処理装置1がX線CT装置に組み込まれている場合、X線CT装置の処理回路160において、三次元CTボリュームデータ取得機能11は、医用画像診断装置内で生成された三次元CTボリュームデータを取得し、三次元USボリュームデータ取得機能13は、超音波診断装置により生成された三次元USボリュームデータを取得する。
【0055】
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態に係る医用画像処理装置である処理回路160は、超音波診断装置に設けられてもよい。
【0056】
図7は、第3実施形態に係る超音波診断装置2の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、第3実施形態における超音波診断装置2は、超音波診断装置2の本体である装置本体200と、超音波プローブ201と、入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。超音波プローブ201、入力装置202、及びディスプレイ203は、装置本体200に接続される。
【0057】
超音波プローブ201は、複数の振動子(例えば、圧電振動子)を有し、これら複数の振動子は、後述する装置本体200が有する送受信回路210から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ201が有する複数の振動子は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ201は、振動子に設けられる整合層と、振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。また、超音波プローブ201には、当該超音波プローブ201の位置情報を取得するための磁気センサが取り付けられている。
【0058】
入力装置202は、操作者が操作可能な入力デバイスと、入力デバイスからの信号を入力する入力回路とを含む。入力デバイスは、トラッキングボール、スイッチ、マウス、キーボード、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパネル、表示画面とタッチパネルとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力デバイス、及び音声入力デバイス等により実現される。入力デバイスが操作者により操作される場合、入力回路は、当該操作に対応する信号を生成して処理回路に出力する。
【0059】
ディスプレイ203は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。ディスプレイ203は、超音波診断装置2の操作者が入力装置202を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体200において生成されたUS(超音波)画像データ等を表示したりする。ディスプレイ203は、表示部の一例である。
【0060】
装置本体200は、超音波プローブ201が受信した反射波信号に基づいてUS画像データを生成する装置であり、
図7に示すように、送受信回路210と、信号処理回路220と、画像生成回路230と、画像メモリ240と、記憶回路250と、処理回路260とを有する。送受信回路210、信号処理回路220、画像生成回路230、画像メモリ240、記憶回路250、及び処理回路260は、相互に通信可能に接続される。
【0061】
送受信回路210は、超音波プローブ201による超音波の送信を制御する。例えば、送受信回路210は、処理回路260の指示に基づいて、振動子ごとに所定の送信遅延時間が付与されたタイミングで超音波プローブ201に上述の駆動信号(駆動パルス)を印加する。これにより、送受信回路210は、超音波がビーム状に集束された超音波ビームを超音波プローブ201に送信させる。また、送受信回路210は、超音波プローブ201による反射波信号の受信を制御する。反射波信号は、上述のように、超音波プローブ201から送信された超音波が被検体Pの体内組織で反射された信号である。例えば、送受信回路210は、処理回路260の指示に基づいて、超音波プローブ201が受信した反射波信号に所定の遅延時間を与えて加算処理を行う。これにより、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
【0062】
信号処理回路220は、送受信回路210が受信した反射波信号に対して各種の信号処理を行う。例えば、信号処理回路220は、反射波信号に対して各種の信号処理を行うことによって、サンプル点(観測点)ごとの信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。また、信号処理回路220は、移動体のドプラ効果に基づく運動情報を走査領域内の各サンプル点で抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
【0063】
画像生成回路230は、信号処理回路220により各種の信号処理が行われたデータから、画像データ(US画像)を生成したり、US画像に対する各種の画像処理等を行ったりする。例えば、画像生成回路230は、二次元(two-dimensional;2D)のBモードデータから、反射波の強度を輝度で表した二次元US画像を生成する。また、画像生成回路230は、二次元のドプラデータから、血流情報が映像化された二次元US画像を生成する。
【0064】
ここで、画像生成回路230は、超音波プローブ201による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用のUS画像を生成する。例えば、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前のUS画像データであり、画像処理回路240が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用のUS画像データである。すなわち、画像生成回路230は、スキャンコンバート処理前の二次元US画像データから、表示用の二次元US画像データを生成する。更に、画像生成回路230は、信号処理回路220が生成した三次元(three-dimensional;3D)のBモードデータに対して座標変換を行うことで、三次元US画像を生成する。また、画像生成回路230は、信号処理回路120が生成した三次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、三次元US画像を生成する。更に、画像生成回路230は、ボリュームデータをディスプレイ203にて表示するための各種の二次元US画像を生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行う。
【0065】
画像生成回路230は、US画像や、各種の画像処理を行ったUS画像を、画像メモリ240に格納する。画像メモリ240及び記憶回路250は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。
【0066】
処理回路260は、超音波診断装置2の処理全体を制御する。具体的には、処理回路260は、入力装置202を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路250から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路210、信号処理回路220、画像生成回路230及び画像メモリ240の処理を制御する。処理回路260は、画像生成回路230により生成された表示用のUS画像、又は、画像メモリ240が記憶した表示用のUS画像をディスプレイ203にて表示するように制御する。
【0067】
例えば、処理回路260は、プロセッサによって実現される。
図8に示すように、処理回路260は、三次元CTボリュームデータ取得機能11、断面決定機能12、三次元USボリュームデータ取得機能13、断面検出機能14、断面取得機能15、レジストレーション機能16を実行する。処理回路260の三次元CTボリュームデータ取得機能11、断面決定機能12、三次元USボリュームデータ取得機能13、断面検出機能14、断面取得機能15、レジストレーション機能16は、それぞれ、
図1の処理回路160の三次元CTボリュームデータ取得機能11、断面決定機能12、三次元USボリュームデータ取得機能13、断面検出機能14、断面取得機能15、レジストレーション機能16に対応する。すなわち、超音波診断装置2は、
図1の処理回路160に対応する処理回路260を備え、超音波プローブ201を用いて、三次元USボリュームデータを取得する。
【0068】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは、
図1の記憶回路150、又は、
図7の記憶回路250に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、
図1の記憶回路150、又は、
図7の記憶回路250にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1、
図7における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0069】
上述した実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0070】
また、上記実施形態で説明した処理方法(医用画像処理方法)は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0071】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、レジストレーションを短時間で行うことができる。
【0072】
なお、幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、技術案に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
11 三次元CTボリュームデータ取得機能
12 断面決定機能
13 三次元USボリュームデータ取得機能
14 断面検出機能
15 断面取得機能
16 レジストレーション機能
160 処理回路