(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161916
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】基準局表示システム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/43 20100101AFI20221014BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
G01S19/43
A01B69/00 301
A01B69/00 303M
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120280
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2019006580の分割
【原出願日】2019-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】赤嶺 志朗
(57)【要約】
【課題】走行領域の登録時と自律走行時で基準局の位置が異なっていた場合でも、自律走行時の基準局を設定すべき位置をオペレータが直感的に把握可能な基準局表示システムを提供する。
【解決手段】基準局表示システムは、基準局の位置に関する情報を表示部に表示する表示制御部を備える。基準局は、既知の位置に設置された基準局であって、自律走行する移動局としての作業車両の位置を特定するための測位補正情報の生成に用いられる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知の位置に設置された基準局であって、自律走行する移動局としての作業車両の位置を特定するための測位補正情報の生成に用いられる基準局の位置に関する情報を表示部に表示する表示制御部を備える、
基準局表示システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、少なくとも、前記基準局のうち前記作業車両に現在接続されている第1基準局の位置に関する情報を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の基準局表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、少なくとも、前記基準局のうち前記作業車両が自律走行を行う走行領域の登録時に用いた第2基準局の位置に関する情報を前記表示部に表示する、
請求項1又は2に記載の基準局表示システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記基準局のうち前記作業車両に現在接続されている第1基準局の位置に関する情報と、前記基準局のうち前記作業車両が自律走行を行う走行領域の登録時に用いた第2基準局の位置に関する情報と、を前記表示部に同時に表示する、
請求項1に記載の基準局表示システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記基準局のうち前記作業車両に現在接続されている第1基準局の位置と、前記基準局のうち前記作業車両が自律走行を行う走行領域の登録時に用いた第2基準局の位置と、が一致するか否かの判定結果を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の基準局表示システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記基準局の位置に関する情報として、前記表示部に表示される地図上に前記基準局の位置を表示する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の基準局表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、測位補正情報を生成する基準局を表示する基準局表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、走行経路に沿って作業車両を自律走行させる技術が知られている。作業車両を自律走行させるためには、予め、作業車両を走行させる走行領域を登録し、この走行領域に走行経路を作成する必要がある。ここで、自律走行時の作業車両の位置、及び、走行領域を登録するための位置は、GNSS技術等を用いて算出される。また、位置が既知の基準局で生成された測位補正情報を用いて位置を算出することで、位置精度を向上させることができる。
【0003】
特許文献1には、走行領域の登録時に用いた基準局の識別情報及び緯度経度と、作業車両の現在位置を取得するための基準局の識別情報及び緯度経度と、を無線通信端末に表示させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、基準局が異なれば測位補正情報も異なるため、自律走行時では、走行領域の登録時と同じ基準局を用いる必要がある。しかし、特許文献1のように双方の基準局に関する情報を文字で表示するだけでは、基準局が異なる場合に、どの位置に基準局を設定すれば良いか(どの位置に配置されている基準局を用いれば良いか)をオペレータは直感的に把握することができない。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、走行領域の登録時と自律走行時で基準局の位置が異なっていた場合でも、自律走行時の基準局を設定すべき位置をオペレータが直感的に把握可能な基準局表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る基準局表示システムは、基準局の位置に関する情報を表示部に表示する表示制御部を備える。前記基準局は、既知の位置に設置された基準局であって、自律走行する移動局としての作業車両の位置を特定するための測位補正情報の生成に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基準局表示システムに関する田植機の側面図。
【
図4】圃場を登録するために用いる基準局を決定する処理を示すフローチャート。
【
図5】圃場を登録するために用いる基準局を選択する画面が表示されている状態を示す図。
【
図6】接続可能な基準局が複数ある状況において、圃場登録のために用いる基準局を選択する画面が表示されている状態を示す図。
【
図7】自律走行に用いる基準局の設定に関する処理を示すフローチャート。
【
図8】自律走行に用いる基準局と圃場登録時の基準局が一致しない場合に無線通信端末に表示される画面を示す図。
【
図9】自律走行に用いる基準局と圃場登録時の基準局が一致している場合に無線通信端末に表示される画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基準局表示システム100に関する田植機1の側面図である。
図2は、田植機1の平面図である。
図3は、田植機1及び無線通信端末7のブロック図である。また、
図3には、基準局表示システム100と自律走行システム200が示されている。
【0010】
自律走行システム200は、本実施形態では、圃場において作業を行う作業車両として田植機1を使用し、オペレータが無線通信端末7等を用いて指示を行うことで、この田植機1に自律走行させつつ、田植機1に作業(苗の植付作業)を行わせるものである。なお、本発明における作業車両は、田植機1に限定されるものではなく、例えば、播種機、トラクタ、コンバイン等を使用することができる。
【0011】
自律走行とは、田植機1が備える制御部により走行に関する装置が制御されることで、予め定められた経路に沿うように少なくとも操舵が自律的に行われることを意味する。また、操舵に加え、車速又は作業機による作業等が自律的に行われる構成であってもよい。自律走行には、田植機1に人が乗っている場合と、田植機1に人が乗っていない場合が含まれる。
【0012】
図1及び
図2に示すように、田植機1は、車体部11と、前輪12と、後輪13と、植付部14と、を備えている。前輪12及び後輪13は、それぞれ、車体部11に対して左右1対で設けられている。
【0013】
車体部11は、ボンネット21を備えている。ボンネット21は、車体部11の前部に設けられている。ボンネット21の内部には、エンジン22が設けられている。
【0014】
エンジン22が発生させた動力は、ミッションケース23を介して前輪12及び後輪13に伝達される。この動力は、ミッションケース23と、車体部11の後部に配置されたPTO軸24と、を介して、植付部14にも伝達される。
【0015】
車体部11は、運転座席25と、複数の操作部材と、を更に備えている。運転座席25には、オペレータが座ることができる。運転座席25は、車体部11の前後方向において前輪12と後輪13の間に配置されている。複数の操作部材は、操舵ハンドル26と、変速操作ペダル27と、を有している。
【0016】
操舵ハンドル26を操作することにより、田植機1を操舵することができる。変速操作ペダル27を操作することにより、田植機1の走行速度(車速)を調節することができる。
【0017】
植付部14は、車体部11の後方に配置されている。植付部14は、昇降リンク機構31を介して車体部11に連結されている。昇降リンク機構31は、トップリンク31a及びロワーリンク31bを含む平行リンクにより構成されている。
【0018】
昇降リンク機構31において、ロワーリンク31bには、昇降装置の昇降シリンダ32が連結されている。前記昇降装置は、昇降シリンダ32を伸縮させることによって、植付部14を車体部11に対して上下に昇降させることができる。なお、昇降シリンダ32は、本実施形態においては油圧シリンダとしているが、電動シリンダとしてもよい。また、前記昇降装置は、シリンダ以外のアクチュエータにより植付部14を昇降させるものであってもよい。
【0019】
植付部14は、植付入力ケース部33と、複数の植付ユニット34と、苗載台35と、複数のフロート36と、予備苗台37と、を備えている。植付部14は、各植付ユニット34に対して苗を苗載台35から順次供給し、苗の植付けを連続的に行うことができる。
【0020】
各植付ユニット34は、植付伝動ケース部41と、回転ケース部42と、を有している。植付伝動ケース部41には、PTO軸24及び植付入力ケース部33を介して動力が伝達される。
【0021】
回転ケース部42は、植付伝動ケース部41に回転可能に取り付けられている。回転ケース部42は、植付伝動ケース部41の車幅方向の両側に配置されている。各回転ケース部42の一側には、2つの植付爪43が取り付けられている。
【0022】
2つの植付爪43は、田植機1の進行方向に並べられている。2つの植付爪43は、回転ケース部42の回転に伴い変位する。2つの植付爪43が変位することにより、1条分の苗の植付が行われる。
【0023】
苗載台35は、複数の植付ユニット34の前上方に配置されている。苗載台35は、苗マットを載置可能である。苗載台35は、当該苗載台35に載置された苗マットの苗を各植付ユニット34に対して供給できるように構成されている。
【0024】
具体的には、苗載台35は、車幅方向に往復するように横送り移動可能に(横方向にスライド可能に)構成されている。また、苗載台35は、当該苗載台35の往復移動端で苗マットを間欠的に下方に縦送り搬送可能に構成されている。
【0025】
フロート36は、植付部14の下部に揺動可能に設けられている。フロート36は、植付部14の植付姿勢を圃場表面に対して安定させるために、当該フロート36の下面を圃場表面に接触させることができる。
【0026】
予備苗台37は、車体部11に対して左右1対で設けられている。予備苗台37は、ボンネット21の車幅方向外側に配置されている。予備苗台37は、予備のマット苗を収容した苗箱を搭載可能である。
【0027】
左右1対の予備苗台37の上部同士は、上下方向及び車幅方向に延びる連結フレーム28によって連結されている。連結フレーム28の車幅方向の中央に、筐体29が設けられている。筐体29の内部には、測位アンテナ61と、慣性計測装置62と、通信アンテナ63と、が設けられている。
【0028】
測位アンテナ61は、衛星測位システム(GNSS)を構成する測位衛星からの電波を受信することができる。この電波に基づいて公知の測位計算が行われることにより、田植機1の位置を取得することができる。
【0029】
慣性計測装置62は、3つのジャイロセンサ(角速度センサ)と、3つの加速度センサと、を有している。慣性計測装置62が検出する田植機1の角速度及び加速度が補助的に用いられることによって、田植機1の測位結果の精度が高められる。
【0030】
通信アンテナ63は、
図3に示す無線通信端末7と無線通信を行うためのアンテナである。
【0031】
図3に示すように、制御部50は、図示しない演算装置、記憶装置、及び入出力部等を備える。記憶装置には、各種のプログラム及びデータ等が記憶されている。演算装置は、各種のプログラムを記憶装置から読み出して実行することができる。上記のハードウェアとソフトウェアの協働により、制御部50を、走行制御部51及び作業機制御部52として動作させることができる。制御部50は、1つのハードウェアであってもよいし、互いに通信可能な複数のハードウェアであってもよい。また、制御部50には、上記の慣性計測装置62に加え、位置取得部64と、通信処理部65と、車速センサ66と、舵角センサ67と、が接続されている。
【0032】
位置取得部64は、測位衛星から測位アンテナ61が受信した電波に基づいて、田植機1(移動局)の測位情報を取得する。より詳細には、位置取得部64は、電波を受信した測位衛星のそれぞれについて、測位衛星から測位アンテナ61までの擬似距離と、電波が測位アンテナ61に到達したときの搬送波位相と、を取得する。この擬似距離は、測位衛星の内部時計と、位置取得部64の内部時計と、を用いて計測された信号伝搬時間に光速を乗じることにより得られる。また、搬送波位相は、測位アンテナ61で受信された搬送波の位相と、位置取得部64の内部発振器が出力する位相と、の差を測定することにより得られる。
【0033】
加えて、位置取得部64は、位置が既知の基準局120に関して、測位衛星から基準局120までの擬似距離と、基準局120に到達したときの搬送波位相と、に基づいて生成された測位補正情報を取得する。位置取得部64は、
図3に示すように、基準局120と田植機1とが直接通信を行うことで、測位補正情報を取得する。なお、位置取得部64は、インターネット及び無線通信端末7等を介して測位補正情報を取得してもよい。
【0034】
位置取得部64は、田植機1で得られた観測値である測位情報と、基準局120で生成された測位補正情報と、を用いて、公知のGNSS-RTK法による計算を行うことにより、移動局としての田植機1と、基準局120と、の間の基線解を連続的に算出する。これにより、田植機1の位置である測位解がリアルタイムで求められる。GNSS-RTK法では、田植機1と基準局120の双方でGNSS衛星からの電波の搬送波位相を検出して測位計算に用いるので、通常の単独測位よりも著しく高い精度で、田植機1の位置を取得することができる。なお、GNSS-RTK法に代えて、例えばディファレンシャルGNSSを用いた測位演算が行われてもよい。
【0035】
通信処理部65は、通信アンテナ63に電気的に接続されている。この通信処理部65は、適宜の方式で変調処理又は復調処理を行って、無線通信端末7との間でデータの送受信を行うことができる。
【0036】
車速センサ66は、田植機1の車速を検出することができる。車速センサ66は、田植機1の適宜の位置、例えば前輪12の車軸に設けられる。この場合、車速センサ66は、前輪12の車軸の回転に応じたパルスを発生させる。車速センサ66で得られた検出結果のデータは、制御部50へ出力される。
【0037】
舵角センサ67は、前輪12の舵角を検出することができる。舵角センサ67は、田植機1の適宜の位置、例えば前輪12に設けられた図示しないキングピンに設けられる。なお、舵角センサ67は、操舵ハンドル26に設けられてもよい。舵角センサ67で得られた検出結果のデータは、制御部50へ出力される。
【0038】
走行制御部51は、田植機1の走行に関する自動制御を行うことができる。例えば、走行制御部51は、車速制御及び操舵制御を行うことができる。走行制御部51は、車速制御及び操舵制御の両方を同時に行ってもよいし、操舵制御のみを行うようにしてもよい。後者の場合、田植機1の車速は、オペレータが変速操作ペダル27を用いて操作する。
【0039】
車速制御では、予め定められた条件に基づいて田植機1の車速が調整される。車速制御は、具体的には、走行制御部51が、車速センサ66の検出結果により得られた現在の車速を目標の車速に近づける制御を行う。この制御は、ミッションケース23内の変速装置の変速比、及び、エンジン22の回転速度のうち、少なくとも一方を変更することにより実現される。なお、この車速制御は、田植機1が停止するように車速をゼロにする制御も含む。
【0040】
操舵制御とは、予め定められた条件に基づいて田植機1の舵角を調整する制御である。操舵制御は、具体的には、走行制御部51が、舵角センサ67の検出結果により得られた現在の舵角を目標の舵角に近づける制御を行う。この制御は、例えば、操舵ハンドル26の回転軸に設けられた操舵アクチュエータを駆動することにより実現される。なお、操舵制御に関しては、走行制御部51が、操舵ハンドル26の回動角度ではなく、田植機1の前輪12の操舵角を直接調整してもよい。
【0041】
作業機制御部52は、予め定められた条件に基づいて植付部14の動作(昇降動作又は植付作業等)を制御可能である。
【0042】
無線通信端末7は、タブレット端末であり、通信アンテナ71と、通信処理部72と、表示部73と、操作部74と、制御部80と、を備える。なお、無線通信端末7はタブレット端末に限るものではなく、スマートフォン又はノートパソコンであってもよい。無線通信端末7は、後述のように田植機1の自律走行に関する様々な処理を行うが、これらの処理の少なくとも一部を田植機1の制御部50が行うこともできる。逆に、田植機1の制御部50が行う自律走行に関する様々な処理の少なくとも一部を無線通信端末7が行うこともできる。
【0043】
通信アンテナ71は、田植機1と無線通信を行うための近距離通信用のアンテナと、携帯電話回線及びインターネットを利用した通信を行うための携帯通信用アンテナと、を含んで構成されている。通信処理部72は、通信アンテナ71に電気的に接続されている。通信処理部72は、適宜の方式で変調処理又は復調処理を行って、無線通信端末7又は他の機器との間でデータの送受信を行うことができる。従って、例えば制御部50又は制御部80に記憶される情報の一部を外部のサーバに記憶させることもできる。
【0044】
表示部73は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、画像を表示可能に構成されている。表示部73は、例えば、自律走行に関する情報、田植機1の設定に関する情報、各種センサの検出結果、及び警告情報等を表示することができる。操作部74は、タッチパネルと、ハードウェアキーと、を含んでいる。タッチパネルは、表示部73に重ねて配置されており、オペレータの指等による操作を検出可能である。ハードウェアキーは、無線通信端末7の筐体の側面又は表示部73の周囲等に配置されており、オペレータが押圧することで操作可能である。なお、無線通信端末7は、タッチパネルとハードウェアキーの何れか一方のみを備える構成であってもよい。
【0045】
制御部80は、図示しない演算装置、記憶装置、及び入出力部等を備える。記憶装置には、各種のプログラム及びデータ等が記憶されている。演算装置は、各種のプログラムを記憶装置から読み出して実行することができる。上記のハードウェアとソフトウェアの協働により、制御部80を、記憶部81、固定局情報取得部82、表示制御部83、基準局選択部84、基準局設定部85、領域登録部86、及び判定部87として動作させることができる。制御部80の各部が行う処理は後述する。
【0046】
次に、
図4及び
図5を参照して、圃場を登録する際に基準局の情報を表示する処理について説明する。
図4は、圃場を登録するために用いる基準局を決定する処理を示すフローチャートである。
図5は、圃場を登録するために用いる基準局を選択する画面が表示されている状態を示す図である。
【0047】
田植機1に自律走行を行わせるための事前設定として、自律走行を行う対象となる圃場(走行領域)を登録する必要がある。本実施形態では、田植機1を圃場の外周に沿って走行させた際の位置情報の推移に基づいて、圃場の位置及び形状を示すデータが作成されて無線通信端末7又は上述のサーバに登録される。上述したように、本実施形態では、単独測位ではなく基準局からの測位補正情報に基づいて、田植機1の位置を取得するため、圃場の登録に用いる基準局を決定する必要がある。
【0048】
また、基準局には、固定基準局と、可搬基準局と、が存在する。固定基準局は、設置位置が定められた基準局である。固定基準局は、例えば公共機関によって設置されており、設置位置及び通信範囲等の仕様が公開されている。可搬基準局は、地面等に対して固定することは可能であるが、一部又は全部を取り外して設置位置を変更することが可能に構成されている。なお、単に「基準局」と称した場合は、原則として、固定基準局と可搬基準局を含むものとする。
【0049】
初めに、制御部80(固定局情報取得部82)は、固定基準局の位置及び通信範囲を取得する(S101)。固定局情報取得部82は、固定基準局の情報が公開されている場合は、該当するデータベースにアクセスして、固定基準局の情報を取得する。なお、記憶部81又は上述のサーバ等に固定基準局の情報が記憶されている場合は、それにアクセスして固定基準局の情報を取得する。
【0050】
次に、制御部80は、位置取得部64が算出した田植機1の現在位置を取得する(S102)。ここで取得する田植機1の現在位置は、通信可能な固定基準局を特定するためであるため、高い位置精度は要求されない。従って、位置取得部64は、例えば単独測位により田植機1の位置を取得する。あるいは、無線通信端末7に測位アンテナが設けられている場合は、この測位アンテナが受信した電波を用いて単独測位を行って、現在位置を取得してもよい。
【0051】
次に、制御部80は、ステップS101で取得した固定基準局の位置及び通信範囲と、ステップS102で取得した現在位置と、に基づいて、現在位置が通信範囲に含まれる固定基準局を特定する(S103)。
【0052】
次に、制御部80(表示制御部83)は、固定基準局の位置及び通信範囲を地図上に表示する(S104)。具体的には、表示制御部83は、
図5に示す画像を表示部73に表示する制御を行う。表示制御部83には、現在位置アイコン101と、基準局アイコン103と、通信範囲円104と、が表示されている。現在位置アイコン101は、ステップS102で取得した現在位置を示す。基準局アイコン103は、ステップS101で取得した固定基準局の位置を示す。通信範囲円104は、ステップS101で取得した固定基準局の通信範囲を示す。本実施形態では、これらの位置及び領域を、文字ではなく地図上の位置でグラフィカルに示すため、オペレータが状況を直感的に把握し易い。
【0053】
また、現在位置と重なっている通信範囲円104(言い換えれば、現在位置で通信可能な基準局の通信範囲円104)は、他の通信範囲円104とは異なる態様で表示される。異なる態様とは、例えば、通信範囲内の色が異なる、輪郭の色が異なる、点滅の有無が異なる等である。また、可搬基準局の位置及び通信範囲等が予め登録されている場合は、可搬基準局についても位置及び通信範囲を表示してもよい。この場合、可搬基準局と固定基準局を表示する態様を異ならせてもよい。
【0054】
また、
図5に長方形等で示されているように、この地図には、圃場の情報が含まれている。圃場の情報は、例えば航空写真等に基づいて作成された情報である。なお、現時点では圃場の登録が行われていないので、圃場の厳密な位置及び形状は登録されていない。地図に圃場の情報を表示することで、登録対象の圃場が、どの固定基準局の通信範囲に含まれているかを直感的に把握できる。なお、地図には、圃場以外の情報が含まれていてもよい。
【0055】
次に、制御部80(基準局選択部84)は、圃場の登録に用いる基準局を自ら選択するか、オペレータの選択を受け付ける(S105)。登録対象の圃場の全体において田植機1が自律走行を行う可能性があるため、登録対象の圃場の全体において同じ基準局の通信範囲に含まれている必要がある。例えば、
図6に示す例では、現在位置は、基準局アイコン103a,103bで示す2つの基準局の通信範囲内である。また、通信範囲円104aには圃場の全体が含まれているが、通信範囲円104bには圃場の一部しか含まれていない。従って、このような状況では、基準局アイコン103aで示す基準局を選択する必要がある。具体的な処理としては、基準局選択部84は、登録対象の圃場の位置情報(地図に含まれる圃場情報)と、基準局の位置及び通信範囲と、を比較することで、登録対象の圃場の全体が通信範囲内となる基準局(選択基準局)を選択する。なお、
図5の表示に基づいて、オペレータが基準局(選択基準局)を選択し、基準局選択部84がその選択を受け付けてもよい。
【0056】
また、ステップS104において表示制御部83が表示した表示物(現在位置アイコン101、基準局アイコン103、及び通信範囲円104)の少なくとも1つは、表示の有無が切替可能である。
【0057】
その後、圃場の登録が行われる。具体的には、オペレータは、圃場の登録を行うよう無線通信端末7に指示した後に、田植機1を操縦して圃場の外周に沿って走行させる。その間において、位置取得部64は、ステップS105で選択された基準局から受信した測位補正情報及び測位アンテナ61が受信した測位情報を用いて田植機1の現在位置及びその変化を算出する。制御部80(領域登録部86)は、位置取得部64から取得した現在位置の変化に基づいて圃場の位置及び形状を示すデータを作成して、無線通信端末7又は上述のサーバに登録する。また、圃場の登録に用いられた基準局についても、圃場と関連付けて登録される。このとき、固定基準局と可搬基準局の何れを用いて圃場を登録したかについても併せて登録してもよい。圃場登録時の基準局が第2基準局に相当する。圃場の登録後、圃場内に、田植機1を自律走行させるための走行経路が作成される。
【0058】
次に、自律走行の開始時に基準局に関する情報を表示する処理について、
図7から
図9を参照して説明する。
図7は、自律走行に用いる基準局の設定に関する処理を示すフローチャートである。
図8及び
図9は、自律走行に用いる基準局の確認及び変更のための画面が表示されている状態を示す図である。以下の説明では、田植機1は、オペレータの指示又は他の条件に基づいて選択された基準局に接続されているものとする。
【0059】
初めに、制御部80(固定局情報取得部82)は、固定基準局の位置を取得する(S201)。固定基準局の位置の取得方法は、ステップS101と同じである。また、制御部80は、可搬基準局を用いて圃場を登録した場合は、その可搬基準局の位置を取得する(S202)。次に、制御部80は、現在接続中の基準局を特定する(S203)。なお、現在接続中の基準局が第1基準局に相当する。基準局から受信する測位補正情報には、基準局を特定するための情報(識別情報又は設置位置)が含まれているため、この情報に基づいて、現在接続中の基準局を特定できる。
【0060】
次に、制御部80(表示制御部83)は、地図上における基準局の位置を地図とともに表示部73に表示する(S204)。この地図にも、圃場の情報が含まれている。ここで表示される圃場の位置及び形状は、上記で登録した情報に基づくものである。また、自律走行の対象の圃場は、他とは異なる態様で表示されている(
図8及び
図9では、自律走行の対象の圃場にドットが付加されている)。また、表示制御部83は、
図8に示すように、現在接続中であることを特定する表示、及び、圃場登録時に用いたことを特定する表示を付加して基準局の位置を表示する。具体的には、表示制御部83は、現在接続中の基準局については、基準局アイコン106を太字で表示する。また、表示制御部83は、圃場登録時の基準局については、基準局アイコン106に丸印を付加する。なお、現在接続中の基準局が圃場登録時の基準局と一致している場合は、
図9に示すように、太字かつ丸印が付加された基準局アイコン106が表示される。このように、現在接続中の基準局を特定する表示と、圃場登録時の基準局を特定する表示と、は重複して適用可能であることが好ましい。本実施形態では、基準局の位置を、文字ではなく地図上の位置としてグラフィカルに示すため、オペレータが状況を直感的に把握し易い。
【0061】
ここで、可搬基準局を用いる場合は、例えば圃場Aで田植機1の自律走行を行う際は圃場Aの近傍に可搬基準局配置され、その後に圃場Bで田植機1の自律走行を行う際は圃場Bの近傍に可搬基準局を移動させて設置することがある。ここで、圃場Bの近傍に可搬型基準局を移動させることをオペレータが忘れた場合、現在接続中の基準局と圃場登録時の基準局とが一致しないため、可搬基準局を移動させる必要がある。しかし、可搬基準局の設置候補が複数ある場合、オペレータは、何れの可搬基準局を、何れの設置先に移動させればよいか適切に判断できない場合がある。特に、従来のように現在接続中の基準局の位置と、圃場登録時の基準局の位置と、が文字のみで記載されている場合、オペレータが判断に迷う可能性がある。この点、本実施形態のように、両者を地図上の位置として
図8のように表示することで、オペレータは、何れの可搬基準局を何れの設置先に移動させればよいかを直感的に判断できる。
【0062】
なお、本実施形態の表示制御部83は、画面内に存在する基準局を全て表示部73に表示する構成であるが、現在接続中の基準局及び圃場登録時の基準局のみを表示部73に表示する構成であってもよい。更には、最も重要なのは圃場登録時の基準局であるため、表示制御部83は、圃場登録時の基準局のみを表示部73に表示する構成であってもよい。
【0063】
また、基準局アイコン106を選択することで、詳細ウインドウ107が表示される。詳細ウインドウ107には、この基準局の識別情報及び位置(緯度経度)等が表示される。また、選択した基準局アイコン106が圃場登録時の基準局である場合、圃場登録日時が更に表示される。なお、詳細ウインドウ107に表示される情報は、常時表示される構成であってもよい。
【0064】
次に、制御部80(判定部87)は、現在接続中の基準局と圃場登録時の基準局とが一致するか否かを判定する(S205)。この判定は、圃場の登録時に登録した基準局に関する情報と、現在接続中の基準局から受信した情報と、を比較することで行われる。判定部87は、例えば、両者の基準局の識別情報を比較してもよいし、両者の基準局の設置位置を比較してもよい。
【0065】
現在接続中の基準局と圃場登録時の基準局とが一致しないと判定部87が判定した場合、制御部80(表示制御部83)は、その旨を示す警告メッセージをメッセージウインドウ108に表示する(S206、
図8)。更に、表示制御部83は、圃場登録時の基準局の詳細ウインドウ107に、接続切替ボタン107aを表示する(S206)。なお、この警告メッセージをメッセージウインドウ108以外の箇所に表示してもよいし、接続切替ボタン107aを詳細ウインドウ107以外に表示してもよい。
【0066】
ここで、接続先の基準局を固定基準局へ変更することは容易であるのに対し、例えば接続先の基準局を可搬基準局へ変更するには別の処理(例えば可搬基準局を移動させる処理、可変基準局を起動させる処理、又はその他設定等)が必要となることがある。従って、表示制御部83は、田植機1及び無線通信端末7の処理のみで基準局の変更が可能か否かを判定し、それが可能である場合にのみ接続切替ボタン107aを表示する構成であってもよい。更に、表示制御部83は、圃場登録時の基準局の位置に、使用可能な基準局が配置されていることを、接続切替ボタン107aを表示させる条件に加えてもよい。
【0067】
次に、制御部80(基準局設定部85)は、接続切替ボタン107aがオペレータに操作されたか否かを判定し(S207)、接続切替ボタン107aが操作されたと判定した場合、接続先の基準局を圃場登録時の基準局に変更する(S208)。この処理に伴い、現在接続中の基準局が圃場登録時の基準局と一致するため、制御部80(表示制御部83)は、その旨のメッセージをメッセージウインドウ108に表示する(S209、
図9)。なお、ステップS205において、現在接続中の基準局と圃場登録時の基準局が一致していると判定された場合も、ステップS209の処理が行われる。
【0068】
以上に説明したように、本実施形態の基準局表示システム100は、位置取得部64と、領域登録部86と、表示制御部83と、を備える。位置取得部64は、走行領域に作成された走行経路に沿って田植機1を自律走行させるための田植機1の位置を、第1基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得する。領域登録部86は、走行領域の形状を特定するために用いる位置を、第2基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得して走行経路を登録する。表示制御部83は、田植機1の自律走行に関する設定を行う際に、地図及び当該地図上における第2基準局の位置を表示部73に表示する制御を行う。
【0069】
これにより、第2基準局の位置を地図上に表示することができるので、第1基準局と第2基準局の位置が異なっていた場合でも、オペレータは、第1基準局を設定すべき位置を直感的に把握することができる。
【0070】
また、本実施形態の基準局表示システム100は、第1基準局と第2基準局の位置が一致しているか否かを判定する判定部87を備える。表示制御部83は、第1基準局の位置と第2基準局の位置が一致していないと判定部87が判定した場合、更に、第1基準局の位置と第2基準局の位置が一致していないことを示す警告メッセージを表示部73に表示する制御を行う。
【0071】
これにより、オペレータは、第1基準局の位置と第2基準局の位置が異なっているか否かを簡単に把握することができる。
【0072】
また、本実施形態の基準局表示システム100の表示制御部83は、田植機1を自律走行させるための設定を行う際に、更に、地図及び当該地図上における第1基準局の位置を表示部73に表示する制御を行う。
【0073】
これにより、オペレータは、第1基準局の位置と第2基準局の位置が異なっているか否かを簡単に把握することができる。また、第1基準局が可搬型である場合、オペレータは、第1基準局を何処に移動すべきかを簡単に把握することができる。
【0074】
また、本実施形態の基準局表示システム100は、第1基準局の位置と第2基準局の位置が一致しておらず、第2基準局の位置に基準局が存在しており、かつ、切替操作が行われたことを検出した場合に、第1基準局の位置が第2基準局の位置に一致するように切り替える処理を行う基準局設定部85を備えることが好ましい。
【0075】
これにより、簡単な処理で第1基準局の位置を第2基準局の位置に一致させることができる。
【0076】
また、本実施形態の基準局表示システム100は、固定局情報取得部82と、表示制御部83と、基準局選択部84と、位置取得部64と、領域登録部86と、を備える。固定局情報取得部82は、位置が固定された基準局である固定基準局の位置情報及び通信範囲を取得する。表示制御部83は、地図上における、固定基準局の位置及び固定基準局の通信範囲を、圃場が含まれた地図とともに表示部73に表示する制御を行う。基準局選択部84は、走行領域の登録対象の圃場が通信範囲内となる固定基準局を選択基準局として選択する又は当該選択基準局の選択を受け付ける。位置取得部64は、走行領域に作成された走行経路に沿って田植機1を自律走行させるための田植機1の位置を、選択基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得する。領域登録部86は、走行領域の形状を特定するために用いる位置を、選択基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得して走行経路を登録する。
【0077】
これにより、固定基準局の位置、通信範囲、及び圃場が地図上に表示されるので、オペレータは、走行領域として登録する圃場の全体で通信可能な固定基準局(即ち、選択基準局)を直感的に選択できる。また、基準局選択部が選択を行う場合であっても、オペレータは、適切な固定基準局が選択されているかを直感的に確認できる。
【0078】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0079】
上記実施形態では、基準局の位置等を無線通信端末7の表示部73に表示する構成であるが、別の装置(例えば田植機1に設けられた表示部又はオペレータが所持する別の端末等)に表示する構成であってもよい。
【0080】
上記実施形態では、自律走行で用いる基準局を確認する画面(
図8及び
図9)において、基準局の通信範囲を表示していないが、
図5等に示すように通信範囲を表示してもよい。
【0081】
上記実施形態では、自律走行の設定時において、オペレータの指示又は他の条件に基づいて選択された基準局に田植機1が接続されている。これに対し、圃場登録時の基準局が存在する場合は、自律走行の設定時において、この基準局に田植機1が自動的に接続される構成であってもよい。
【0082】
<発明の付記>
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の基準局表示システムが提供される。即ち、この基準局表示システムは、位置取得部と、領域登録部と、表示制御部と、を備える。前記位置取得部は、走行領域に作成された走行経路に沿って作業車両を自律走行させるための当該作業車両の位置を、第1基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得する。前記領域登録部は、前記走行領域の形状を特定するために用いる位置を、第2基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得して前記走行経路を登録する。前記表示制御部は、前記作業車両の自律走行に関する設定を行う際に、地図及び当該地図上における前記第2基準局の位置を表示部に表示する制御を行う。
【0083】
これにより、第2基準局の位置を地図上に表示することができるので、第1基準局と第2基準局の位置が異なっていた場合でも、オペレータは、第1基準局を設定すべき位置を直感的に把握することができる。
【0084】
前記の基準局表示システムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この基準局表示システムは、前記第1基準局と前記第2基準局の位置が一致しているか否かを判定する判定部を備える。前記表示制御部は、前記第1基準局の位置と前記第2基準局の位置が一致していないと前記判定部が判定した場合、更に、前記第1基準局の位置と前記第2基準局の位置が一致していないことを示す警告を前記表示部に表示する制御を行う。
【0085】
これにより、オペレータは、第1基準局の位置と第2基準局の位置が異なっているか否かを簡単に把握することができる。
【0086】
前記の基準局表示システムにおいては、前記表示制御部は、前記作業車両を自律走行させるための設定を行う際に、更に、地図及び当該地図上における前記第1基準局の位置を前記表示部に表示する制御を行うことが好ましい。
【0087】
これにより、オペレータは、第1基準局の位置と第2基準局の位置が異なっているか否かを簡単に把握することができる。また、第1基準局が可搬型である場合、オペレータは、第1基準局を何処に移動すべきかを簡単に把握することができる。
【0088】
前記の基準局表示システムにおいては、前記第1基準局の位置と前記第2基準局の位置が一致しておらず、前記第2基準局の位置に基準局が存在しており、かつ、切替操作が行われたことを検出した場合に、前記第1基準局の位置が前記第2基準局の位置に一致するように切り替える処理を行う基準局設定部を備えることが好ましい。
【0089】
これにより、簡単な処理で第1基準局の位置を第2基準局の位置に一致させることができる。
【0090】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の基準局表示システムが提供される。即ち、この基準局表示システムは、固定局情報取得部と、表示制御部と、基準局選択部と、位置取得部と、領域登録部と、を備える。前記固定局情報取得部は、位置が固定された基準局である固定基準局の位置情報及び通信範囲を取得する。前記表示制御部は、地図上における、前記固定基準局の位置及び前記固定基準局の通信範囲を、圃場が含まれた地図とともに表示部に表示する制御を行う。前記基準局選択部は、走行領域の登録対象の圃場が通信範囲内となる前記固定基準局を選択基準局として選択する又は当該選択基準局の選択を受け付ける。前記位置取得部は、前記走行領域に作成された走行経路に沿って作業車両を自律走行させるための当該作業車両の位置を、前記選択基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得する。前記領域登録部は、前記走行領域の形状を特定するために用いる位置を、前記選択基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得して前記走行経路を登録する。
【0091】
これにより、固定基準局の位置、通信範囲、及び圃場が地図上に表示されるので、オペレータは、走行領域として登録する圃場の全体で通信可能な固定基準局(即ち、選択基準局)を直感的に選択できる。また、基準局選択部が選択を行う場合であっても、オペレータは、適切な固定基準局が選択されているかを直感的に確認できる。
【符号の説明】
【0092】
1 田植機(作業車両)
7 無線通信端末
64 位置取得部
82 固定局情報取得部
83 表示制御部
84 基準局選択部
85 基準局設定部
86 領域登録部
87 判定部
100 基準局表示システム