(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161920
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】描画装置
(51)【国際特許分類】
A45D 29/00 20060101AFI20221014BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
A45D29/00
B41J2/01 109
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121591
(22)【出願日】2022-07-29
(62)【分割の表示】P 2018116588の分割
【原出願日】2018-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2017138691
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(57)【要約】
【課題】描画対象を自動的に認識して、描画対象に応じた描画を行うことのできる描画装置を提供する。
【解決手段】描画可能領域21a内に配置されている描画対象の種類に応じた描画用データを生成するプロセッサ81である描画データ生成部815と、描画可能領域21a内に配置された描画対象にプロセッサ81である描画データ生成部815により生成された描画用データに基づいて描画を施す描画ヘッド41と、を備えた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類に応じた描画用データを生成するプロセッサと、
前記描画可能領域内に配置された前記描画対象に前記プロセッサにより生成された前記描画用データに基づいて描画を施す描画ヘッドと、
を備えた描画装置。
【請求項2】
前記描画対象は、指の爪及び前記指の爪以外の記録用媒体を含む請求項1に記載の描画装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記指の爪及び前記記録用媒体の輪郭を検出することで描画可能領域内に配置されている前記描画対象の種類を検出する請求項2に記載の描画装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記描画対象として前記指の爪が検出された場合は、当該指の爪に応じた描画用データを生成し、
前記描画対象として前記記録用媒体が検出された場合は、検出された記録用媒体に応じた描画用データを生成し、
前記描画対象として前記指の爪及び前記記録用媒体が共に検出された場合は、検出された指の爪及び記録用媒体に応じた描画用データを生成する請求項2に記載の描画装置。
【請求項5】
前記描画可能領域内には、前記指を固定する指固定部と前記記録用媒体を配置する媒体載置部とが設けられ、
前記指固定部に固定された前記指の爪の表面の高さ位置と、前記媒体載置部に載置された前記記録用媒体の表面の高さ位置とが面一となるように構成されている請求項2に記載の描画装置。
【請求項6】
前記描画可能領域内には、保持部材配置部が設けられ、
前記保持部材配置部には、前記指を保持する指保持部材と前記記録用媒体を保持する媒体保持部材とが、選択的に着脱可能となっており、
前記プロセッサは、
前記保持部材配置部に前記指の爪が保持された前記指保持部材が装着された場合は、当該指の爪に応じた描画用データを生成し、
前記保持部材配置部に前記記録用媒体が保持された前記媒体保持部材が装着された場合は、当該記録用媒体に応じた描画用データを生成する請求項2に記載の描画装置。
【請求項7】
前記媒体保持部材に保持される前記記録用媒体は、ネイルシール及び転写用シートを含んでおり、
前記プロセッサは、
前記記録用媒体がネイルシールである場合には、正像印刷用の描画用データを生成し、
前記記録用媒体が転写用シートである場合には、反転像印刷用の描画用データを生成する請求項6に記載の描画装置。
【請求項8】
前記記録用媒体に対応する描画用データは、前記爪に描画する画像データと任意の文字データとを含んでいる請求項2に記載の描画装置。
【請求項9】
前記任意の文字データは、前記描画ヘッドが当該描画用データに基づいて描画を施した時間情報を含んでいる請求項8に記載の描画装置。
【請求項10】
描画装置の描画方法であって、
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類を検出し、
前記検出された前記描画対象の種類に応じた描画用データを生成し、
描画可能領域内において検出された前記描画対象に生成された前記描画用データに基づいて描画を施す、
描画方法。
【請求項11】
描画ヘッドを備えた描画装置のコンピュータに、
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類を検出させ、
前記検出された前記描画対象の種類に応じた描画用データを生成させ、
描画可能領域内において前記検出された前記描画対象に生成された前記描画用データに基づいて前記描画対象に描画させるように前記描画ヘッドを制御する、
処理を実行させる読み取り可能なプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画装置、描画方法及びプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、指の爪等にネイルデザインを描画する描画装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
こうした描画装置では、爪を所定の位置にセットして、ユーザが選択したネイルデザイン等を当該爪に描画する。
このような装置によれば、ネイルサロン等を利用しなくても爪にネイルデザインを施すことが可能となる。
【0003】
ところで、ユーザとしては爪に描画したネイルデザインをシートやカード等の記録用媒体にも印刷して自らのコレクションや今後の参考のためにとっておきたいとの要望がある。
そこで、爪に描画する描画装置において紙等の記録用媒体にも印刷できるモードを備えることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、爪に描画した後に別途紙等の記録用媒体をセットして印刷を行うことは時間もかかり面倒である。
また、爪に対してのみ描画すればよく、特に記録用媒体に記録を残す必要がない場合や、これとは逆に、爪に描画する前に記録用媒体だけに描画して仕上がり具合を確認したい場合、爪と記録用媒体の両方に同時に描画したい場合というように、ユーザの求める状況は様々である。
また、例えばタトゥーシート等の転写用のシートやネイルシール等、爪ではない記録用媒体に描画したい場合もある。
この点、その都度、どのような対象に描画を行うかをユーザが設定することは手間がかかる。また、各描画対象に応じた描画設定をユーザが行うことは煩雑であるとの問題がある。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、描画対象を自動的に認識して、描画対象に応じた描画を行うことのできる描画装置、描画方法及びプログラムを記録した記録媒体を提供することを利点とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の描画装置は、
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類に応じた描画用データを生成するプロセッサと、
前記描画可能領域内に配置された前記描画対象に前記プロセッサにより生成された前記描画用データに基づいて描画を施す描画ヘッドと、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、描画対象を自動的に認識して、描画対象に応じた描画を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態における描画装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】描画装置から筐体を取り外して内部構成を示した要部斜視図である。
【
図3】(a)は、描画可能領域を示す模式的平面図であり、(b)は、描画可能領域の模式的正面図であり、(c)は、描画可能領域を示す模式的側面図である。
【
図4】第1の実施形態における描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【
図5】第1の実施形態における描画装置の描画処理を示すフローチャートである。
【
図6】(a)は、爪のみが描画可能領域にセットされている場合における描画後の爪の一例を示す平面図であり、(b)は、爪と記録用媒体が描画可能領域にセットされている場合における描画後の爪と記録用媒体の一例を示す平面図であり、(c)は、記録用媒体のみが描画可能領域にセットされている場合における描画後の記録用媒体の一例を示す平面図である。
【
図7】第2の実施形態における描画装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図8】(a)は、保持部材配置部に指保持部材が装着された場合の模式的平面図であり、(b)は、保持部材配置部に指保持部材が装着された場合の模式的正面図であり、(c)は、保持部材配置部に指保持部材が装着された場合の模式的側面図である。
【
図9】(a)は、保持部材配置部37に媒体保持部材60が装着された場合の模式的平面図であり、(b)は、保持部材配置部37に媒体保持部材60が装着された場合の模式的正面図であり、(c)は、保持部材配置部37に媒体保持部材60が装着された場合の模式的側面図である。
【
図10】第2の実施形態における描画装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【
図11】第2の実施形態における描画装置の描画処理を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態における描画装置の描画処理を示すフローチャートである。
【
図13】(a)は、記録用媒体であるネイルシールと記録用媒体としてのメモ媒体が描画可能領域にセットされている場合における描画可能領域一例を示す平面図であり、(b)は、描画後のネイルシール及びメモ媒体の一例を示す平面図である。
【
図14】(a)は、記録用媒体であるタトゥーシートと記録用媒体としてのメモ媒体が描画可能領域にセットされている場合における描画可能領域一例を示す平面図であり、(b)は、描画後のトゥーシート及びメモ媒体の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
図1から
図6(a)~
図6(c)を参照しつつ、本発明に係る描画装置、描画方法及びプログラムを記録した記録媒体の第1の実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、描画装置が手の指の爪を描画対象としてこれに描画する描画装置を例に説明するが、本発明における描画装置の描画対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪等を描画対象としてもよい。
さらに、本実施形態における描画装置は、後述するように、爪のみでなく、紙等の記録
用媒体も描画対象とするものである。
【0011】
図1は、本実施形態における描画装置の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態における描画装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体11を有している。
筐体11の上面(天板)には操作部12が設置されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部12には、例えば、描画装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
【0012】
また、筐体11の上面(天板)には表示部13が設置されている。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部13には、例えば、各種の指示等や、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部13の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部12として機能する。
【0013】
さらに、筐体11の前面側(
図1において手前側)には、描画装置1による描画時に描画対象を挿入し、描画部40による描画が可能な描画可能位置にセットするための開口部15が形成されている。
本実施形態では、後述するように、描画対象となる爪Tに対応する指(これを「印刷指U1」という。)と、紙等の記録用媒体Pとが描画対象として描画可能位置にセットされるようになっており、開口部15は、これら印刷指U1や記録用媒体Pを装置内外に抜き差しする際に干渉しない程度の幅等を有する大きさに形成されている。
【0014】
図2は、
図1に示す描画装置1から筐体11を外して描画装置1の内部構成を示した要部斜視図である。
図2に示すように、筐体11の内部には、印刷指U1の爪Tや記録用媒体Pが装置内に挿入されたときにこれらを保持する描画対象保持部2と、印刷指U1の爪Tや記録用媒体Pに描画を施す描画部40と、印刷指U1及びその爪Tや記録用媒体Pを撮影する撮影部50等が設けられている。
【0015】
描画対象保持部2は、描画装置1の幅方向(
図1及び
図2においてX方向)に延在するテーブル状の部材であり、描画対象を載置する上面板21とこの上面板21の幅方向の端部を支持する一対の脚部22とを有している。
描画対象保持部2が筐体11内に収容された状態において、描画対象保持部2の上面板21は、描画装置1の上下方向(
図1において上下方向)におけるほぼ中央部に配置され、開口部15内において上下に空間を区分する仕切りとしても機能する。
すなわち、開口部15内において上面板21よりも上は、描画対象(すなわち、印刷指U1の爪T及び記録用媒体P)を受け入れる空間となり、開口部15内において上面板21よりも下は、例えば描画対象ではない指(これを非印刷指(図示せず)という。)等を退避させる空間となる。
【0016】
図3(a)は、上面板21の要部構成を模式的に示す平面図であり、
図3(b)は、上面板21の模式的正面図であり、
図3(c)は、上面板21を示す模式的側面図である。
図3(a)~
図3(c)に示すように、上面板21のうち、後述する描画部40の描画ヘッド41によって描画を行うことができる領域(これを「描画可能領域21a」という。)における幅方向(
図1及び
図2においてX方向)のほぼ中央部には、描画対象である爪Tの指である印刷指U1が挿入され固定される指固定部3が設けられている。
【0017】
図2等に示すように、指固定部3は装置手前側に開口する箱状の部材であり、指固定部3内部には印刷指U1を固定する指固定部材31が配置されている。指固定部材31は、印刷指U1を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。なお、指固定部材31は、印刷指U1を下側から支持し得るものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、ばね等の弾性部材によって下方から付勢されていてもよい。また、例えば、指固定部材31は、内圧を変化させることにより膨縮可能に構成されており、膨張状態において印刷指U1を押し上げ、その位置を固定する構成としてもよい。
指固定部3の天面奥側は上側に開口する窓部33となっている。窓部33からは指固定部3内に挿入された印刷指U1の爪Tが露出するようになっている。
また、指固定部3の天面手前側は印刷指U1の上方向の位置を規制する指押え34となっている。印刷指U1及びその爪Tは、下側から指固定部材31によって支持され、印刷指U1の上側が指押え34によって押さえられることで所定の位置に位置決めされる。
【0018】
描画可能領域21a内であって、指固定部3の側部(
図2において装置幅方向Xの側部)には、記録用媒体Pを載置する媒体載置部35が設けられている。
本実施形態では、指固定部3の両側部に媒体載置部35が設けられる場合を図示しているが、媒体載置部35は描画可能領域21a内に配置されていればよく、その配置や大きさ等は特に限定されない。
例えば、媒体載置部35は描画可能領域21a内であって、指固定部3が設けられている部分以外の領域に広く指固定部3を囲むように一繋がりに設けられていてもよい。
また、指固定部3の右側部又は左側部のいずれか一方のみに媒体載置部35が設けられていてもよい。さらに、各種の記録用媒体Pのサイズや種類等に対応して、大きさや深さ等の異なる複数の媒体載置部35が用意されていてもよい。
【0019】
ここで、記録用媒体Pは、例えばシート状の紙やカード状の紙、プラスチック等の合成樹脂で形成されたシートやカード、フィルム等である。
なお、記録用媒体Pはここに例示したものに限定されず、本実施形態におけるインクジェット方式の描画ヘッド41により描画することの可能な媒体であればどのようなものでも適用可能である。
【0020】
媒体載置部35には、記録用媒体Pを載置すべき位置を示すラインや、四つの角部を示す指標等が付されていてもよい。
また、媒体載置部35は、載置が予定されている記録用媒体Pの表面の色との間でコントラストが大きくなるような色で形成されていてもよい。例えば記録用媒体Pの表面が白色等の薄い色である場合には、媒体載置部35の表面は黒色等の濃い色であることが好ましい。
後述するように、本実施形態では媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されているか否か、また、載置されている記録用媒体Pの種類や大きさ等を、撮影部50により撮影された画像から識別するようになっている。このため、画像認識にて記録用媒体Pの有無や種類、置かれている位置等を把握しやすいように、上記のように、媒体載置部35と記録用媒体Pとの色のコントラストを明確にしたり、識別しやすい指標等を設けることが好ましい。
【0021】
図3(b)及び
図3(c)において一点鎖線で示すように、媒体載置部35は、指固定
部3において位置決めされた爪Tの表面の高さ位置と、媒体載置部35に載置された記録用媒体Pの表面の高さ位置とがほぼ面一となるように高さや深さが構成されている。
このように構成することにより、爪Tと記録用媒体Pとの両方に描画を施す場合にも、描画対象と描画ヘッド41との距離(間隔)を一定に保つことができ、描画ヘッド41の高さ方向の位置調整(インクの吐出制御等)を行わなくても、爪Tと記録用媒体Pとの両方に仕上がりよく描画することができる。
なお、記録用媒体Pによって厚みに差がある場合もあるため、厚い媒体用、薄い媒体用というように、高さの異なる複数種類の媒体載置部35を用意してもよい。この場合、厚みのある記録用媒体Pを載置する媒体載置部35については、載置が予定される記録用媒体Pの形状に沿った凹部形状となっていてもよい。
【0022】
描画部40は、描画部本体である描画ヘッド41、描画ヘッド41を支持するユニット支持部材42、描画ヘッド41をX方向(
図1等におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド41をY方向(
図1等におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。本実施形態では、X方向移動モータ46とY方向移動モータ48等により、描画ヘッド41を移動させるヘッド移動部49(
図4参照)が構成されている。
【0023】
本実施形態の描画ヘッド41は、インクジェット方式で描画を行うインクジェットヘッドである。
描画ヘッド41は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シ
アン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象(爪Tの表面)に対向する面(本実施形態では、
図1及び
図2における下面)に設けられた図示しないインク吐出部とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク吐出部は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えており、描画ヘッド41は、インクを微滴化し、インク吐出部から描画対象(爪Tや記録用媒体P)の被描画面に対して直接にインクを吹き付けて描画を行う。なお、描画ヘッド41は、上記3色のインクを吐出させるものに限定されない。その他のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク吐出部を備えていてもよい。
【0024】
また、ユニット支持部材42は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材42に取り付けられている描画ヘッド41が、X方向(
図2におけるX方向、描画装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、ユニット支持部材42に取り付けられている描画ヘッド41が、Y方向(
図2におけるY方向、描画装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、描画ヘッド41をX方向及びY方向に駆動するXY駆動部としてのヘッド移動部49が構成されている。
【0025】
描画部40における描画ヘッド41、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48
は、後述する制御装置80の描画制御部816(
図4参照)に接続され、該描画制御部816によって制御される。
【0026】
また、撮影部50は、撮像装置51と、照明装置52とを備えている。
この撮影部50は、指固定部3内に挿入されて窓部33から見える印刷指U1の爪Tを照明装置52によって照明する。そして、撮像装置51によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を得るものである。
また、本実施形態では、撮影部50は、撮像装置51と照明装置52とを動作させて、媒体載置部35を撮影し、媒体載置部35やこれに載置された記録用媒体Pの画像を得る。
なお、本実施形態では、撮像装置51及び照明装置52は、描画部40のユニット支持部材42の天面部421における下側の面であって描画ヘッド41の側方(
図2において描画ヘッド41の右側)に固定配置されている。これにより、撮像装置51等は、ヘッド移動部49により描画ヘッド41と同様の範囲で移動可能となっている。
なお、撮像装置51及び照明装置52の位置は図示例に限定されない。
【0027】
撮像装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
撮像装置51は、爪Tを撮影して爪画像(印刷指U1を含む爪Tの画像)を取得し、この爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部812が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)や爪Tの湾曲形状(爪Tの曲率)、爪Tの垂直位置等の爪情報を検出する。
また本実施形態では、撮像装置51は、記録用媒体Pを撮影して媒体画像(媒体載置部35に載置された記録用媒体P)をも取得する。そして、この媒体画像に基づいて、後述する媒体情報検出部813が、記録用媒体Pの輪郭(記録用媒体Pの形状)や記録用媒体Pの垂直位置等の媒体情報を検出する。
【0028】
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
本実施形態では、撮像装置51の手前側と奥側とに撮像装置51を挟むように2つの照明装置52が配置されている。照明装置52は、下方に向けて光を照射して、撮像装置51の下方の撮影範囲を照明する。なお、照明装置52を設ける数や、その配置等は図示例に限定されない。
【0029】
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(
図4参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
なお、撮影部50によって撮影された爪画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。また、記録用媒体Pについて取得された媒体画像の画像データについても記憶部82に記憶されるようにしてもよい。
【0030】
制御装置80は、例えば筐体11天面の下面側等に配置された図示しない基板等に設置されている。
図4は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、
図4に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
【0031】
記憶部82には、描画装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭、爪の幅、爪の面積等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、媒体画像から記録用
媒体Pの有無や記録用媒体Pの種類等を検出するための媒体情報検出プログラム、描画用データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、描画装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの傾斜角度等)が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823等が設けられている。
【0032】
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、媒体情報検出部813、描画データ生成部815、描画制御部816、表示制御部817等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、媒体情報検出部813、描画データ生成部815、描画制御部816、表示制御部817等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
【0033】
撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して撮像装置51により、指固定部3に固定された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像(以下「爪画像」という。)を撮影させるものである。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
【0034】
爪情報検出部812は、撮像装置51によって撮影された指固定部3に固定された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置のXY座標等)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)等である。
また、本実施形態では、指固定部3に印刷指U1(印刷指U1の爪T)が固定されているか否か、すなわち爪Tの有無も爪情報に含むものとする。
【0035】
媒体情報検出部813は、撮像装置51によって撮影された媒体載置部35に載置された記録用媒体Pの画像に基づいて、記録用媒体Pについての媒体情報を検出するものである。
ここで、媒体情報とは、例えば、記録用媒体Pの種類(形状や大きさ、厚み等)等である。
また、本実施形態では、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されているか否か、すなわち記録用媒体Pの有無や、記録用媒体Pの載置されている位置、載置されている方向、向き等も媒体情報に含むものとする。
前述のように、本実施形態では、媒体載置部35は、記録用媒体Pとのコントラストが分かりやすい色で形成されていたり、記録用媒体Pを識別するための指標等が設けられるようになっている。
このため、例えば、背景となる媒体載置部35と明らかに色の異なる部分があれば、その輪郭・形状を画像から抽出し記録用媒体Pの載置されている領域を特定することができる。
また、例えば媒体載置部35に記録用媒体Pの輪郭を現すような指標を設けた場合には、当該指標のうち、一部が画像から検出できない場合には、当該指標の上に記録用媒体Pが載ることによって覆われていると判断することができ、この場合にも記録用媒体Pの有無や輪郭形状を検出することができる。
さらに、媒体載置部35ではなく、記録用媒体Pの側に、その種類等を識別するためのマーク等を付しておいてもよい。この場合には、撮影部50により取得された媒体画像からこのマークを検出することで、当該記録用媒体Pの形状、大きさ、厚み等、記録用媒体Pの種類に関する情報を取得することができる。また、媒体情報検出部813は媒体情報として記録用媒体Pの紙質(例えば普通紙かインクジェット専用紙か等)や紙の色等を取得してもよい。
媒体情報検出部813により検出された媒体情報は記憶部82等に記憶されてもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、
図4に示すように、爪情報検出部812と媒体情報検出部813とにより、描画可能領域21a内に配置されている描画対象(爪T及び記録用媒体P)の種類を検出する描画対象検出部814が構成される。
また、前述のように、本実施形態の描画対象検出部814は、描画対象(すなわち、爪T及び記録用媒体P)の有無も検出するようになっている。
【0037】
描画データ生成部815は、描画対象検出部814により検出された描画対象(すなわち、爪Tや記録用媒体P)に応じた描画用データを生成する。
まず、描画データ生成部815は、描画対象検出部814である爪情報検出部812により爪情報が検出されると、当該検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド41により印刷指U1の爪Tに描画を施すための爪領域描画用データを生成する。
具体的には、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出されたユーザの爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。
また、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出された爪情報に応じて、適宜曲面補正等の爪Tの立体形状を考慮した補正を行う。
これにより、描画ヘッド41によって爪Tに描画されるネイルデザインの爪領域描画用データが生成される。
【0038】
また、描画データ生成部815は、描画対象検出部814である媒体情報検出部813により媒体情報が検出されると、当該検出された媒体情報に基づいて、描画ヘッド41により記録用媒体Pに描画を施すための媒体領域描画用データを生成する。
具体的には、まず、描画対象が爪Tと記録用媒体Pとの両方である場合には、描画データ生成部815は、爪情報検出部812により検出されたユーザの爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。なお、曲面である爪Tに描画する場合とは異なり、記録用媒体Pに描画するための媒体領域描画用データの生成においては、描画対象が爪Tである場合特有の補正(例えば曲面補正)等は行わない。
さらに、記録用媒体Pも描画対象となっている場合には、描画時のタイムスタンプや、ユーザ等によって入力された文字情報等のテキスト描画データを、記録用媒体P中の爪Tの画像を描画する位置とは異なる(爪Tの画像と重なり合わない)所定の位置に配置されるように合成する。
これにより、描画ヘッド41によって記録用媒体Pに描画されるネイルデザインの媒体領域描画用データが生成される。
【0039】
他方、描画対象検出部814(すなわち、爪情報検出部812及び媒体情報検出部813)による検出の結果、描画対象が記録用媒体Pのみである場合には、描画データ生成部815は、記憶部82等に記憶されているモデル爪の形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することによりモデル爪の形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。なお、この場合にも曲面である爪に描画する場合とは異なり、記録用媒体Pに描画するための媒体領域描画用データの生成においては、描画対象が爪である場合特有の補正(例えば曲面補正)等は行わない。
さらに、記録用媒体Pに描画する場合には、描画時のタイムスタンプや、ユーザ等によって入力された文字情報等のテキスト描画データを、記録用媒体P中の爪の画像を描画する位置とは異なる(爪の画像と重なり合わない)所定の位置に配置されるように合成する。
これにより、描画ヘッド41によって記録用媒体Pに描画されるネイルデザインの媒体領域描画用データが生成される。
なお、媒体情報検出部813が検出する媒体情報が記録用媒体Pの紙質や色等の情報を含む場合には、描画データ生成部815は、媒体領域描画用データの生成において、各記録用媒体Pの紙質や色に応じた濃度や色調等の調整を行ってもよい。
【0040】
描画制御部816は、描画データ生成部815によって生成された描画用データに基づいて描画部40に制御信号を出力し、爪Tに対してこの描画用データにしたがった描画を施すように描画部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、描画ヘッド41等を制御する制御部である。
本実施形態では、描画データ生成部815により、爪Tに描画するための爪領域描画用データと記録用媒体Pに描画するための媒体領域描画用データとが生成される可能性があり、描画制御部816は、各描画用データに基づいて描画部40を制御する。
爪Tが配置される指固定部3及び記録用媒体Pが載置される媒体載置部35はいずれも描画ヘッド41の描画可能領域21a内に位置しているため、いずれにおいても適切に描画動作を行うことができる。
【0041】
なお、爪Tに対する描画と記録用媒体Pに対する描画の両方を行う場合、2つの描画動作は同時並行的(すなわち、例えば指固定部3と媒体載置部35との間で描画ヘッド41を往復動作させながら描画を行う等)に行われてもよいし、まず、爪Tに対する描画か記録用媒体Pに対する描画のいずれか一方を行い、これが完了してから、他方の描画対象に対する描画動作を行ってもよい。
また、爪Tに描画する場合と記録用媒体Pに描画する場合とで具体的な描画制御の手法を変えてもよい。記録用媒体Pは爪Tのように表面が湾曲していないため、爪Tに対して曲面に対応した描画制御を行っている場合には、記録用媒体Pに描画する際にこうした特殊な制御を行わない方が仕上がりがよくなることも考えられる。
【0042】
表示制御部817は、表示部13を制御して表示部13に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部817、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影して取得した爪画像、各種の指示画面、操作画面等を表示部13に表示させるようになっている。
【0043】
次に、
図5及び
図6(a)~
図6(c)を参照しつつ、本実施形態における描画装置1の作用について説明する。
本実施形態では、描画装置1で爪Tへの描画を行う場合、ユーザが操作部12等から描画開始の指示が入力することで装置に描画開始が指示されると(ステップS1)、制御部81は、表示部13等にネイルデザイン選択画面を表示させて、描画するネイルデザインを選択させる。ユーザが所望のネイルデザインを選択し入力することで、描画するネイルデザインが選択される(ステップS2)。
制御部81は、指固定部3に印刷指U1が挿入されたか否かを判断する(ステップS3)。具体的には撮影部50により指固定部3内を撮影させて画像を取得し、この画像を分析することで指固定部3内に印刷指U1及びその爪Tがあるか否かを判断する。
指固定部3に印刷指U1が挿入されている場合(ステップS3;YES)には、制御部81は、撮影部50を制御して爪情報を検出するための爪画像を撮影し、当該画像を取得する(ステップS4)。
【0044】
爪画像が取得されると、爪情報検出部812が爪画像から爪の形状等の爪情報を取得する(ステップS5)。そして描画データ生成部は選択されたネイルデザインをユーザの爪Tにフィッティングさせ、ユーザ爪フィッティングデータを生成する(ステップS6)。
また、制御部81は、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されているか否かを判断する(ステップS7)。そして、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されていない場合(ステップS7;NO)には、ステップS6において生成したユーザ爪フィッティングデータに基づいて爪領域描画用データを生成し(ステップS8)、生成された爪領域描画用データに基づいて爪Tに対して描画処理を行う(ステップS9)。
図6(a)は、爪Tのみがセットされ、爪Tへの描画のみが行われた場合の描画例を示す図である。この場合には、ユーザの爪TにネイルデザインPdの描画が行われる。
【0045】
他方、ステップS3において指固定部3に印刷指U1が挿入されていない場合(ステップS3;NO)には、制御部81は、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されているか否かを判断する(ステップS10)。そして、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されていない場合(ステップS10;NO)には、何も描画せずにそのまま処理を終了する(ステップS11)。なお、この場合、印刷指U1か記録用媒体Pを所定位置にセットするよう促すメッセージ等を表示部13に表示させる等によりユーザに注意喚起を行ってもよい。
他方、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されている場合(ステップS10;YES)には、選択されたネイルデザインをモデル爪Tmにフィッティングさせ、モデル爪フィッティングデータを生成する(ステップS12)。
そして、描画時のタイムスタンプ等の文字情報の描画データであるテキスト描画データを生成する(ステップS13)。
さらに、モデル爪フィッティングデータとテキスト描画データとに基づいて媒体領域描画用データを生成し(ステップS14)、生成された媒体領域描画用データに基づいて記録用媒体Pに対して描画処理を行う(ステップS15)。
【0046】
図6(c)は、記録用媒体Pのみがセットされ、記録用媒体Pへの描画のみが行われた場合の描画例を示す図である。この場合には、媒体載置部35にセットされている記録用媒体Pにネイルデザインの描画が行われる。
記録用媒体Pに描画される内容は、例えば
図6(c)に示すように、ネイルデザインPdがモデル爪Tmにフィッティングされた画像と、描画が行われた日時を示すタイムスタンプPsと、ユーザが操作部12等から入力したコメント等のテキスト情報Pt等である。なお、テキスト情報は、ユーザが入力したものに限定されず、ネイルデザインのデータに対応付けられている種別番号やコメント等(例えば「春用デザインNo.1」等)のデータでもよい。
【0047】
また、ステップS7において、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されている場合(ステップS7;YES)には、描画データ生成部815は、描画時のタイムスタンプ等の文字情報の描画テータであるテキスト描画データを生成する(ステップS16)。
そして、ステップS6において生成されたユーザ爪フィッティングデータに基づいて爪領域描画用データを生成するとともに、ユーザ爪フィッティングデータとテキスト描画データとに基づいて媒体領域描画用データを生成する(ステップS17)。なお、この媒体領域描画用データについては、ユーザ爪フィッティングデータに基づくが、曲面補正等、爪特有の補正は行わない。
さらに、爪領域描画用データと媒体領域描画用データとを合成して合成描画用データを生成し(ステップS18)、生成された合成描画用データに基づいて爪T及び記録用媒体Pに対して描画処理を行う(ステップS19)。
【0048】
図6(b)は、爪Tが指固定部3にセットされ、記録用媒体Pが媒体載置部35にセッ
トされ、ユーザの爪Tと記録用媒体Pとの両方に対して描画が行われた場合の描画例を示す図である。この場合には、指固定部3にセットされている爪Tと媒体載置部35にセッ
トされている記録用媒体Pとにネイルデザインの描画が行われる。
この場合、ユーザの爪Tには、
図6(a)に示す爪Tのみが描画対象となる場合と同様の描画が行われる。また、記録用媒体Pに描画される内容は、例えば
図6(c)に示す記録用媒体Pのみが描画対象となる場合と同様に、描画が行われた日時を示すタイムスタンプPsと、ユーザが操作部12等から入力したコメント等のテキスト情報Pt等が描画されるとともに、ユーザの爪TにネイルデザインPdがフィッティングされた画像が描画される。
なお、
図6(a)~
図6(c)では、爪にネイルデザインを施した画像に爪だけでなく指部分の画像も含まれている場合を例示しているが、爪について描画される画像はこれに限定されず、指部分を含まない爪のみの画像としてもよい。
また、
図6(b)及び
図6(c)に示す記録用媒体Pに描画される内容やそのレイアウト等は図示例に限定されない。描画内容やレイアウト等はユーザによって自由に設定できるようにしてもよい。
このように、ユーザは何ら設定等を行うことなく、セットされている描画対象に対して適切な画像が描画される。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、描画可能領域21a内に描画対象が配置されているか否か、配置されている場合その種類が何であるか等を描画対象検出部814である爪情報検出部812と媒体情報検出部813とが検出する。そして検出結果に応じた描画用データを生成してこれに基づいて描画を行う。
このため、ユーザが予め描画対象についての設定等を行わなくても、描画したい対象を装置にセットするだけで自動的に描く描画対象に応じた適切な描画処理を行うことができる。
【0050】
特に、本実施形態では、描画対象として印刷指U1の爪Tと紙等の記録用媒体Pを想定しており、爪Tや記録用媒体Pの配置の有無や配置されている場所、描画すべき範囲等は描画対象検出部814がそれぞれの輪郭を検出することで自動的に取得するようになっている。これにより、爪Tへのネイルプリントと、爪Tに描画したデザインを残しておくための紙等への描画を、特別な設定等をしなくても、簡易に手間を掛けずに行うことができる。また、爪Tにネイルプリントを行う際に紙等への描画も行うことができるため、後日改めて設定・描画処理等を行う必要がない。
【0051】
また、本実施形態では、印刷指U1の爪Tを指固定部3に固定した場合に位置決めされる爪Tの表面の高さ位置と、媒体載置部35に載置された記録用媒体Pの表面の高さ位置とがほぼ面一となるように構成されている。
このため、爪Tに描画する場合と記録用媒体Pに描画する場合とで描画部40の描画ヘッド41の高さ方向の位置を調整したりする必要がなく、いずれに対しても適切な高さ位置から描画を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、記録用媒体Pに描画するための媒体描画用データは、爪Tに描画する画像データ(すなわち、爪Tに描画されるネイルデザインのデータ)と任意の文字データとを含んでいる。
このため、爪Tに施したデザインについて、コメントやメモをともに記録用媒体Pに記録させておくことができ、後日の参考にする際に有意義なコレクションとして記録を残しておくことができる。
任意の文字データは、描画部40が描画用データに基づいて描画を施した時間情報(時刻情報)を含んでいる。このため、描画を行った記録を時刻も含めて正確に残すことができ、メモとしての役割を適切に果たすことができる。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、
図7から
図14を参照しつつ、本発明に係る描画装置、描画方法及びプログラムを記録した記録媒体の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、描画装置による描画対象等が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0054】
図7は、本実施形態に係る描画装置の要部斜視図である。なお、
図7では内部構成を見やすくするため、筐体の図示を省略している。
図7に示すように、描画装置200は、第1の実施形態と同様に描画対象保持部2を備えている。
【0055】
本実施形態の描画対象保持部2の上面板21のうち、描画可能領域21a内には、第1の実施形態と同様の媒体載置部35が設けられている。媒体載置部35には、第1の実施形態と同様に、爪Tに印刷したネイルデザインや、当該ネイルデザインを印刷した日付やコメント等を残しておくためのメモ媒体等としての記録用媒体Pが載置されている。
また、本実施形態において、上面板21における幅方向(
図7、
図8(a)及び
図9(a)においてX方向)のほぼ中央部には、保持部材配置部37が設けられている。
保持部材配置部37は、装置前面側に開いたほぼコ字状の切欠き部である。
保持部材配置部37の内側の両側面には、装置の前後方向(
図7におけるY方向)に延在するガイドレール38が設けられている。
【0056】
保持部材配置部37には、印刷指U1を保持する指保持部材30と記録用媒体Sを保持する媒体保持部材60とが、選択的に着脱可能となっている。すなわち、
図7に示すように、保持部材配置部37には、指保持部材30、媒体保持部材60のいずれかを装着可能となっている。
【0057】
図7等に示すように、指保持部材30は、装置手前側に開口するほぼ箱状の部材であり、指保持部材30の内部底面は印刷指U1を載置する指載置部31aとなっている。指載置部31aは、印刷指U1を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。なお、指載置部31aは、印刷指U1を下側から支持し得るものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、ばね等の弾性部材によって下方から付勢されていてもよい。
第1の実施形態の指固定部3と同様に、指保持部材30の天面奥側は上側に開口する窓部33となっている。窓部33からは指保持部材30内に挿入された印刷指U1の爪Tが露出するようになっている。
また、指保持部材30の天面手前側は印刷指U1の上方向の位置を規制する指押え34となっている。印刷指U1及びその爪Tは、下側から指載置部31aによって支持され、印刷指U1の上側が指押え34によって押さえられることで所定の位置に位置決めされる。
指保持部材30の両側面であって、指保持部材30を保持部材配置部37に装着した際に保持部材配置部37におけるガイドレール38に対応する位置には、ガイド部36が装置の前後方向(
図7におけるY方向)に延在して設けられている。
ガイド部36は、指保持部材30を保持部材配置部37に対して着脱する際にガイドレール38に係止され、Y方向(
図7参照)に沿う移動をガイドされるようになっている。
【0058】
媒体保持部材60は、ほぼ箱状の部材であり、媒体保持部材60の上面は、記録用媒体Sが載置され、これを保持する媒体保持部61となっている。
媒体保持部材60の両側面であって、媒体保持部材60を保持部材配置部37に装着した際に保持部材配置部37におけるガイドレール38に対応する位置には、指保持部材3
0と同様に、ガイド部66が装置の前後方向(
図7におけるY方向)に延在して設けられている。
ガイド部66は、媒体保持部材60を保持部材配置部37に対して着脱する際にガイドレール38に係止され、Y方向(
図7参照)に沿う移動をガイドされるようになっている。
【0059】
また、本実施形態では、指保持部材30及び媒体保持部材60の奥側(すなわち、
図7におけるY方向の奥側)の外側面には、例えばバーコード等の部材識別部(図示せず)が設けられている。
上面板21の裏面側等であって、指保持部材30や媒体保持部材60が保持部材配置部37に装着された際に、この部材識別部に対応する位置には、部材識別部を読み取ることが可能な保持部材検出部25(
図7、
図10等参照)が設けられている。
本実施形態において、保持部材検出部25が部材識別部を読み取ることにより、保持部材配置部37に装着されたものが、印刷指U1の爪Tを保持する指保持部材30であるのか、ネイルシールや転写用シート(例えばタトゥーシート等)等の記録用媒体Sを保持する媒体保持部材60であるのかを検出することができるようになっている。
【0060】
なお、指保持部材30や媒体保持部材60は、それぞれ1種類ずつに限定されない。
例えば、指保持部材30として、大・中・小等、指の太さ等に応じた複数種類の指保持部材30が用意され、適宜最適なものを選択して使用できるようにしてもよい。
また、例えば媒体保持部材60として、記録用媒体S(Sn又はSt)の厚み等に応じた媒体保持部61の高さの異なる媒体保持部材60が用意され、適宜最適なものを選択して使用できるようにしてもよい。
この場合には、各指保持部材30や媒体保持部材60にそれぞれ異なる部材識別部を付しておき、保持部材検出部25が部材識別部を読み取ることにより、保持部材配置部37に装着されたものが、いずれの指保持部材30又は媒体保持部材60であるかを検出できるようにしてもよい。
【0061】
図8(a)~(c)及び
図9(a)~(c)は、描画可能領域を示す模式図であり、
図8(a)は保持部材配置部37に指保持部材30が装着された場合の模式的平面図であり、
図8(b)は模式的正面図であり、
図8(c)は模式的側面図である。また、
図9(a)は保持部材配置部37に媒体保持部材60が装着された場合の模式的平面図であり、
図9(b)は模式的正面図であり、
図9(c)は模式的側面図である。
図8(a)~(c)及び
図9(a)~(c)に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、印刷指U1の爪Tを指保持部材30に保持した場合に位置決めされる爪Tの表面の高さ位置、及びネイルシールや転写用シート(例えばタトゥーシート等)等の記録用媒体Sを媒体保持部材60に保持した場合に位置決めされる記録用媒体Sの表面の高さ位置と、媒体載置部35に載置された記録用媒体P(メモ媒体等)の表面の高さ位置とがほぼ面一となるように構成されている。
このため、描画対象が爪Tである場合、記録用媒体S(Sn又はSt)である場合、記録用媒体Pである場合のいずれの場合にも、描画部40の描画ヘッド41の高さ方向の位置を調整したりする必要がなく、いずれに対しても適切な高さ位置から描画を行うことができる。
【0062】
図10は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
図10に示すように、本実施形態の描画装置200は、保持部材検出部25を備えている。
保持部材検出部25は、前述のように、保持部材配置部37に装着された指保持部材30や媒体保持部材60の部材識別部を読み取るものであり、例えばバーコードを読み取るバーコードリーダである。なお、部材識別部はバーコードで構成されたものに限定されず、その他の識別標識で構成されたものでもよい。部材識別部がバーコード以外で構成されている場合には、保持部材検出部25も当該部材識別部を読み取ることのできる各種のリーダやセンサ等で構成される。
保持部材配置部37に装着された保持部材の種類(すなわち、指保持部材30又は媒体保持部材60)を保持部材検出部25によって自動的に検出可能とすることで、ユーザがその都度入力しなくても描画対象を正しく設定することができる。
【0063】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、プロセッサ(CPU)等により構成される制御部81を備えている。
例えば、制御部81には、第1の実施形態と同様、爪情報検出部812と媒体情報検出部813とで構成される描画対象検出部814が設けられている。
本実施形態において、媒体情報検出部813は、媒体載置部35に記録用媒体Pが載置されているか否か、載置されている場合には、配置されている位置やその範囲(サイズ)等を検出する。
媒体情報検出部813が記録用媒体Pの配置位置や範囲(サイズ)等を検出する手法は特に限定されない。例えば、ユーザによって操作部12等から入力され、設定された情報に基づいて検出してもよい。また、撮影部50の撮像装置51によって媒体載置部35を撮影することが可能である場合には、当該撮影画像を解析することで媒体載置部35に載置される記録用媒体Pに関する情報を取得してもよい。さらに、媒体情報検出部813が検出する記録用媒体Pに関する情報はその位置や範囲に限定されない。例えば、記録用媒体Pに対する描画条件を左右する紙質等(例えば、普通紙であるか、インクジェット対応紙であるか等)についても検出可能としてもよい。この場合、記録用媒体Pにより適した描画条件で描画することも可能となる。なお、記録用媒体Pのサイズや紙質等の各種条件が定型化している場合には、記録用媒体Pの表面等に製品番号等を付しておき、媒体情報検出部813はこれを読み取ることで、当該製品番号等に対応付けられた記録用媒体Pに関する各種情報を取得してもよい。
【0064】
また、本実施形態では、保持部材配置部37に媒体保持部材60が装着された場合に、媒体情報検出部813が媒体保持部材60に保持された記録用媒体Sの種類や配置位置や範囲(サイズ)、形状等を検出する。
この場合でも、媒体情報検出部813が記録用媒体Sの種類や配置位置や範囲(サイズ)、形状等を検出する手法は特に限定されない。例えば、ユーザによって操作部12等から入力され、設定された情報に基づいて検出してもよい。
記録用媒体Sの種類とは、例えば、ネイルデザインの正像が描画されるネイルシール等の記録用媒体Snであるか、ネイルデザインの反転像が描画される転写用シート(例えばタトゥーシート)等の記録用媒体Stであるか等である。
また、媒体情報検出部813は、撮影部50の撮像装置51によって媒体保持部材60に保持された記録用媒体Sを撮影された撮影画像を解析することで媒体保持部材60に保持され記録用媒体Sに関する情報を取得してもよい。記録用媒体Sのサイズや紙質等の各種条件が定型化している場合には、記録用媒体Sの表面等に製品番号等を付しておき、媒体情報検出部813はこれを読み取ることで、当該製品番号等に対応付けられた記録用媒体Sに関する各種情報を取得してもよい。例えば、記録用媒体Sの種類やサイズ等の各種条件が定型化している場合には、記録用媒体Sの表面等に製品番号等を付しておき、媒体情報検出部813はこれを読み取ることで、当該製品番号等に対応付けられた記録用媒体Sに関する各種情報を取得してもよい。
なお、本実施形態では、記録用媒体Sの種類(すなわち、ネイルシール等の記録用媒体Snかタトゥーシート等の記録用媒体Stであるか)は、予めユーザが操作部12等から入力・設定し、媒体情報検出部813は、当該入力情報に基づいて記録用媒体Sの種類を検出するものとする。
【0065】
また、爪描画データ生成部818は、第1の実施形態における描画データ生成部815が爪Tについて行ったのと同様に、爪情報検出部812によって検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド41により印刷指U1の爪Tに描画を施すための爪領域描画用データを生成する。なお、爪領域描画用データを生成する具体的な手法は第1の実施形態においてしましたものと同様であるため、その説明を省略する。
これにより、描画ヘッド41によって爪Tに描画されるネイルデザインの爪領域描画用データが生成される。
【0066】
また、媒体描画データ生成部819は、描画対象が爪T以外のものである場合に、各描画対象(すなわち、記録用媒体Sn、Stや記録用媒体P)に応じた描画用データを生成するものである。
具体的には、媒体描画データ生成部819は、描画対象の位置や形状に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等を行うとともに、紙質等に応じた描画データを生成する。なお、描画対象が爪T以外のものである場合には、爪Tのように立体形状ではないため、曲面補正等は行わない。なお、媒体保持部材60に保持され記録用媒体Sが、平面的なネイルシールではなく、爪Tと同様の曲面形状を有するネイルチップ等である場合には、爪Tが描画対象である場合と同様に曲面補正等を行い、爪領域描画用データと同様の描画用データを生成してもよい。
【0067】
また、本実施形態における媒体描画データ生成部819は、描画対象がネイルシール等の記録用媒体Snである場合には、正像描画用データを生成し、タトゥーシート等の転写用シートである記録用媒体Stである場合には、反転像描画用データを生成するというように、描画対象検出部814により検出された記録用媒体Sの種類に応じて、描画用データを生成する。
これにより、描画ヘッド41によって記録用媒体Sn、Stや記録用媒体Pに描画されるネイルデザインの描画用データが生成される。
【0068】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
次に、
図11及び
図12を参照しつつ、本実施形態の作用について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、描画開始指示が入力されると(ステップS21)、ユーザがネイルデザインを選択する(ステップS22)。制御部(プロセッサ)81は、保持部材配置部37に指保持部材30が配置されているか否かを判断する(ステップS23)。
保持部材配置部37に指保持部材30が配置されている場合(ステップS23;YES)には、制御部(プロセッサ)81は、指保持部材30に保持されている印刷指U1の爪Tに応じた爪領域描画用データを生成し、これに基づいて描画部40に爪Tに対する描画処理を行わせる。なお、ステップS24からステップS29は、第1の実施形態の
図5におけるステップS4からステップS9と同様であるため、その説明を省略する。
【0070】
保持部材配置部37に指保持部材30が配置されていない場合(ステップS23;NO)には、制御部(プロセッサ)81は、次に保持部材配置部37に媒体保持部材60が配置されているか否かを判断する(ステップS30)。保持部材配置部37に媒体保持部材60が配置されている場合(ステップS30;YES)には、制御部(プロセッサ)81は、撮影部50を動作させて、媒体保持部材60に保持されている記録用媒体Sの画像を取得する(ステップS31)。そして、媒体情報検出部813としての制御部(プロセッサ)81が媒体画像から記録用媒体Sの形状等の媒体情報を取得する(ステップS32)。さらに、選択されているネイルデザインを媒体の形状にフィッティングさせ、媒体フィッティングデータを生成する(ステップS33)。
【0071】
また、媒体情報検出部813としての制御部(プロセッサ)81は、ユーザによってネイルシールモードが選択されているか否かを判断する(ステップS34)。ネイルシールモードが選択されている場合(ステップS34;YES)には、さらに、制御部(プロセッサ)81は、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されているか否かを判断する(ステップS35)。媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されていない場合、すなわち、描画対象が媒体保持部材60に保持された記録用媒体Snのみである場合(ステップS35;NO)には、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、媒体フィッティングデータに基づいて正像の描画用データを生成する(ステップS36)。そして、制御部(プロセッサ)81は、描画部40を動作させて生成された正像の描画用データに基づいてネイルシール(記録用媒体Sn)に対する描画処理を行わせる(ステップS37)。
【0072】
他方、ユーザによってネイルシールモードが選択されていない場合、すなわち、タトゥーシート等を生成する転写シートモードが選択されている場合(ステップS34;NO)には、制御部(プロセッサ)81は、さらに、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されているか否かを判断する(ステップS38)。そして、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されていない場合、すなわち、描画対象が媒体保持部材60に保持された記録用媒体Stのみである場合(ステップS38;NO)には、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、媒体フィッティングデータに基づいて反転像の描画用データを生成する(ステップS39)。そして、制御部(プロセッサ)81は、描画部40を動作させて生成された反転像の描画用データに基づいてタトゥーシート等の転写用シート(記録用媒体St)に対する描画処理を行わせる(ステップS40)。
【0073】
また、保持部材配置部37に媒体保持部材60も配置されていない場合(ステップS30;NO)には、制御部(プロセッサ)81は、次に媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されているか否かを判断する(ステップS41)。
そして、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されていない場合(ステップS41;NO)には、制御部(プロセッサ)81は、描画装置200に描画対象が何も設定されていないと判断して、何も描画処理を行わずに(ステップS42)処理を終了する。なお、この場合、印刷指U1、記録用媒体P,Sといったいずれかの描画対象をセットするよう促すメッセージ等を表示部13に表示させる等によりユーザに注意喚起を行ってもよいことは第1の実施形態と同様である。
【0074】
他方、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されている場合(ステップS41;YES)には、制御部(プロセッサ)81は、選択されているネイルデザインを予め用意されているモデル爪Tmの形状にフィッティングさせ、モデル爪フィッティングデータを生成する(ステップS43)。
そして、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、モデル爪フィッティングデータに基づいてメモ媒体描画用データを生成する(ステップS44)。
また、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、描画時のタイムスタンプ等の文字情報の描画データであるテキスト描画データを生成する(ステップS45)。
そして、制御部(プロセッサ)81は、生成されたメモ媒体描画用データとテキスト描画データとに基づいて、メモ媒体である記録用媒体Pに対する描画処理を行わせる(ステップS46)。
【0075】
他方、保持部材配置部37に指保持部材30が配置されている場合(ステップS23;YES)であって、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されている場合
(ステップS27;YES)には、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、指保持部材30に保持されているユーザの爪Tにネイルデザインをフィッティングさせたユーザ爪フィッティングデータに基づいてメモ媒体描画用データを生成する(ステップS47)。
さらに、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、描画時のタイムスタンプ等の文字情報の描画データであるテキスト描画データを生成する(ステップS49)。
そして、制御部(プロセッサ)81は、生成されたメモ媒体描画用データとテキスト描画データとに基づいて、メモ媒体である記録用媒体Pに対する描画処理を行わせる(ステップS50)。
【0076】
また、保持部材配置部37に媒体保持部材60が配置されている場合(ステップS23;YES)であって、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されている場合(ステップS27;YES)には、ネイルシールモードが選択されている場合もネイルシールモードが選択されていない場合(すなわち、転写シートモードが選択されている場合)も、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、媒体フィッティングデータに基づいて正像の描画用データを生成する(ステップS48)。なお、転写シートモードが選択されている場合、実際に転写用シート(記録用媒体St)に描画されたのと同じ反転像をメモ媒体(記録用媒体P)にも残したい場合には、反転像の描画用データを生成するとしてもよい。
さらに、媒体描画データ生成部819としての制御部(プロセッサ)81は、描画時のタイムスタンプ等の文字情報の描画データであるテキスト描画データを生成する(ステップS49)。
そして、制御部(プロセッサ)81は、生成されたメモ媒体描画用データとテキスト描画データとに基づいて、メモ媒体である記録用媒体Pに対する描画処理を行わせる(ステップS50)。
【0077】
図13(a)は、保持部材配置部37に記録用媒体Snであるネイルシールが保持された媒体保持部材60が配置され、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されている場合の描画可能領域21aの平面図である。また、
図13(b)は、
図13(a)に示す状態で描画が行われた場合の描画例を示す図である。
この場合には、
図13(b)に示すように、媒体保持部材60に保持されたネイルシール(記録用媒体Sn)にネイルデザインが描画されるとともに、媒体載置部35にセットされているメモ媒体(記録用媒体P)にもネイルデザインの描画が行われる。この場合、メモ媒体(記録用媒体P)には、ネイルシール(記録用媒体Sn)にフィッティングされたネイルデザインの正画像が描画される。また、描画が行われた日時を示すタイムスタンプPsや、ユーザが操作部12等から入力したコメント等のテキスト情報Pt等も、ネイルデザインの正画像とともにメモ媒体(記録用媒体P)に描画される。
【0078】
また、
図14(a)は、保持部材配置部37に記録用媒体Stである転写用シートが保持された媒体保持部材60が配置され、媒体載置部35にメモ媒体等の記録用媒体Pが載置されている場合の描画可能領域21aの平面図である。また、
図14(b)は、
図14(a)に示す状態で描画が行われた場合の描画例を示す図である。
この場合には、
図14(b)に示すように、媒体保持部材60に保持された転写用シート(記録用媒体St)にネイルデザインが描画されるとともに、媒体載置部35にセットされているメモ媒体(記録用媒体P)にもネイルデザインの描画が行われる。この場合、転写用シート(記録用媒体St)に描画されたのと同じ反転像をメモ媒体(記録用媒体P)にも描画すると、記録として残しておくメモ媒体としては後日イメージを捉えにくく、好ましくない。このため、メモ媒体(記録用媒体P)には、
図14(b)に示すように、転写用シート(記録用媒体St)にフィッティングされたネイルデザインの正画像が描画されることが好ましい。また、描画が行われた日時を示すタイムスタンプPsや、ユーザが操作部12等から入力したコメント等のテキスト情報Pt等も、ネイルデザインの正画像とともにメモ媒体(記録用媒体P)に描画される。
【0079】
このように、本実施形態によれば、ユーザが設定しなくても、自動的に描画対象に応じた描画を行うことができる。
【0080】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0081】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態において、描画可能領域21a内には、保持部材配置部37が設けられ、保持部材配置部37には、印刷指U1を保持する指保持部材30と記録用媒体Sを保持する媒体保持部材60とが、選択的に着脱可能となっており、制御部(プロセッサ)81は、保持部配置部37に印刷指U1の爪Tが保持された指保持部材30が装着された場合は、当該印刷指U1の爪Tに応じた描画用データを生成し、保持部配置部37に記録用媒体Sが保持された媒体保持部材60が装着された場合は、当該記録用媒体Sに応じた描画用データを生成するようになっている。
これにより、爪Tにネイルプリントを行う場合のみでなく、ネイルシール等を描画対象とすることができ、1台の装置を各種の用途に広く活用することができる。
また、自分の爪Tに直接ネイルプリントを施すことには抵抗のあるユーザも、ネイルシール等によって気軽にネイルデザインを楽しむことが可能となる。
そして、このように、各種の描画対象に描画できるようにした場合にも、自動的に各種の描画対象を識別して各描画対象にあった描画を行うため、ユーザに手間を掛けずに、簡易にネイルプリントを楽しむことができる。
【0082】
また、本実施形態では、媒体保持部材60に保持される記録用媒体Sは、ネイルシール(記録用媒体Sn)及び転写用シート(記録用媒体St)を含んでおり、制御部(プロセッサ)81は、記録用媒体Snがネイルシールである場合には、正像印刷用の描画用データを生成し、記録用媒体Stが転写用シートである場合には、反転像印刷用の描画用データを生成するようになっている。
これにより、爪Tに印刷するのと同じ正像を描画するネイルシール等の記録用媒体Snを描画対象とする場合のみならず、画像を反転させて描画する転写用シート等の記録用媒体Stについても描画対象とする場合ことができ、1台の装置を各種の用途に広く活用することができる。
そして、このように、各種の描画対象に描画できるようにした場合にも、本実施形態の描画装置200は、ユーザが自ら設定等を行わなくても、自動的に各種の描画対象を識別して各描画対象にあった描画を行う。このため、ユーザに手間を掛けずに、簡易にネイルプリントを楽しむことができる。
【0083】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0084】
例えば、上記各実施形態では、特に記載しなかったが、第1の実施形態における指固定部3や、第2の実施形態における指保持部材の奥側等に、爪Tの先が載置される爪載置部等を設けて、爪Tの先をこの爪載置部に載置させるようにしてもよい。
このようにした場合には、より確実に爪Tの高さ位置を規定することができ、記録用媒体Pとの表面高さもより正確に合わせることができる。
【0085】
また、上記各実施形態では、印刷指U1を1本ずつ挿入して描画を行う場合を示したが、複数の指を同時に保持、固定することのできる指固定部(第1の実施形態における指固定部)や指保持部材(第2の実施形態における指保持部材)を設けて、複数の印刷指U1に対して同時に描画を行うことができるようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態では、描画対象検出部814(爪情報検出部812、媒体情報検出部813)が、撮影部50により取得した画像を分析することで描画対象の有無や種類を判断する場合を例示したが、描画対象の有無や種類を判断する手法はこれに限定されない。
例えば、第1の実施形態における指固定部3、第2の実施形態における指保持部材、媒体載置部35等に、印刷指U1や記録用媒体P,S(SnやSt)の有無を検出する接触センサ等の検出手段を設けて、これにより描画対象の有無等を検出してもよい。
また特に記録用媒体P,S(Sn又はSt)については規格の大きさ等を予め設定しておけば、例えば撮影部50によって取得された画像等から描画対象検出部814が記録用媒体P,S(Sn又はSt)の載置の有無のみを検出し、載置されている場合には所定の範囲内に描画を行うとすることで適切な範囲に描画することも可能である。
【0087】
また、上記第2の実施形態では、描画対象がネイルシール等の記録用媒体Snである場合に、ネイルシールの形状にネイルデザインを合わせ込んで、ネイルシール等の記録用媒体Snへの描画用データやメモ用媒体等の記録用媒体Pへの描画用データを生成するとしたが、ネイルデザインを合わせ込む対象はネイルシールの形状に限定されない。
例えば、メモ用媒体等の記録用媒体Pへの描画用データにおいては、ネイルデザインをユーザの爪Tやモデル爪Tm等の形状に合せ込んで描画用データを生成してもよい。
また、ネイルシール等の記録用媒体Snへの描画用データについても、ユーザの爪T等の形状に合せ込んで描画用データを生成し、ユーザの爪Tの輪郭を薄く描画してもよい。このようにすることで、ネイルシール等の記録用媒体Snがユーザの爪Tよりも大きい場合等、大きさや形状が合わない場合に、描画後、ネイルシール等の記録用媒体Snを、ユーザが容易に自分の爪Tにあった形状にカットして使用することができる。
【0088】
また、上記第2の実施形態では、保持部材配置部37の側にガイドレール38を設け、指保持部材30及び媒体保持部材60の側にこれに係止されるガイド部36,66が設けられている例を示したが、指保持部材30及び媒体保持部材60を安定してY方向にスライド移動させる構成はこれに限定されず他の構成であってもよい。
【0089】
また、上記第2の実施形態では、保持部材配置部37に装着された保持部材が指保持部材30であるか媒体保持部材60であるかを、部材識別部を読み取ることによって検出する保持部材検出部25を設ける例を示したが、部材識別部及びこれを読み取る保持部材検出部25を設けることは必須ではない。
例えば撮影部50によって取得される画像の解析のみによって保持部材配置部37に装着された保持部材の種類を検出してもよい。
このようにすれば、保持部材検出部25を備えない分、装置コストを抑えることができる。
【0090】
また、上記第2の実施形態では、指保持部材30、媒体保持部材60及び媒体載置部35が単に印刷指U1や記録用媒体P,Sn又はStを載置、保持するものとしたが、印刷指U1や記録用媒体P,Sn又はStをセットする部分は、本実施形態で示した構成に限定されず、例えば、印刷指U1や記録用媒体P,Sn又はStを積極的に固定、保持する機構等を備えていてもよい。
【0091】
また、上記各実施形態では、描画装置1,200の描画ヘッド41として、インクジェ
ット方式の描画ヘッド41を備える構成としたが、描画ヘッド41の構成はこれに限定されない。
例えば、爪Tの表面にペン先を付けて描画を行う描画用のペンを保持するペンホルダを備え、ペンを用いて描画を行うようにしてもよい。また、本実施形態のようなインクジェット方式の描画ヘッドと描画用のペンを保持するペンホルダとを両方備えて、複数の描画手段を用いて描画を行う構成としてもよい。
【0092】
また、描画装置1,200に、描画後にインクを乾燥させるためのヒータやファンを備える乾燥部が設けられていてもよい。
【0093】
また、上記各実施形態では単体の描画装置1,200に全ての機能を持たせる場合を例示したが、例えば、描画装置と、スマートフォン等の外部の端末装置とを連携させて、描画制御を行う制御装置や操作部等については外部の端末装置側で担い、描画装置側は描画処理に必要な描画ヘッド41等のみを有するシステムとして構成してもよい。
この場合には、描画装置の構成を簡易化することができ、また、記録用媒体Pに描画されるテキスト情報Pt等を端末装置側のキーボード等を用いて入力することも可能となり便宜である。
また、ネイルデザインのデータについても描画装置の記憶部82に記憶させず、端末装置側の記憶部や端末装置の記憶部等に保存させてもよい。さらに、端末装置が各種ネットワークを介してアクセス可能な外部サーバ等に保存されたデザインデータ等を利用可能となれば、描画装置において描画可能なネイルデザインの数を飛躍的に増やすことが可能となる。
【0094】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類に応じた描画用データを生成するプロセッサと、
前記描画可能領域内に配置された前記描画対象に前記プロセッサにより生成された前記描画用データに基づいて描画を施す描画ヘッドと、
を備えた描画装置。
<請求項2>
前記描画対象は、指の爪及び前記指の爪以外の記録用媒体を含む請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記プロセッサは、前記指の爪及び前記記録用媒体の輪郭を検出することで描画可能領域内に配置されている前記描画対象の種類を検出する請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記プロセッサは、
前記描画対象として前記指の爪が検出された場合は、当該指の爪に応じた描画用データを生成し、
前記描画対象として前記記録用媒体が検出された場合は、検出された記録用媒体に応じた描画用データを生成し、
前記描画対象として前記指の爪及び前記記録用媒体が共に検出された場合は、検出された指の爪及び記録用媒体に応じた描画用データを生成する請求項2に記載の描画装置。
<請求項5>
前記描画可能領域内には、前記指を固定する指固定部と前記記録用媒体を配置する媒体載置部とが設けられ、
前記指固定部に固定された前記指の爪の表面の高さ位置と、前記媒体載置部に載置された前記記録用媒体の表面の高さ位置とが面一となるように構成されている請求項2に記載の描画装置。
<請求項6>
前記描画可能領域内には、保持部材配置部が設けられ、
前記保持部材配置部には、前記指を保持する指保持部材と前記記録用媒体を保持する媒体保持部材とが、選択的に着脱可能となっており、
前記プロセッサは、
前記保持部材配置部に前記指の爪が保持された前記指保持部材が装着された場合は、当該指の爪に応じた描画用データを生成し、
前記保持部材配置部に前記記録用媒体が保持された前記媒体保持部材が装着された場合は、当該記録用媒体に応じた描画用データを生成する請求項2に記載の描画装置。
<請求項7>
前記媒体保持部材に保持される前記記録用媒体は、ネイルシール及び転写用シートを含んでおり、
前記プロセッサは、
前記記録用媒体がネイルシールである場合には、正像印刷用の描画用データを生成し、
前記記録用媒体が転写用シートである場合には、反転像印刷用の描画用データを生成する請求項6に記載の描画装置。
<請求項8>
前記記録用媒体に対応する描画用データは、前記爪に描画する画像データと任意の文字データとを含んでいる請求項2に記載の描画装置。
<請求項9>
前記任意の文字データは、前記描画ヘッドが当該描画用データに基づいて描画を施した時間情報を含んでいる請求項8に記載の描画装置。
<請求項10>
描画装置の描画方法であって、
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類を検出し、
前記検出された前記描画対象の種類に応じた描画用データを生成し、
描画可能領域内において検出された前記描画対象に生成された前記描画用データに基づいて描画を施す、
描画方法。
<請求項11>
描画ヘッドを備えた描画装置のコンピュータに、
描画可能領域内に配置されている描画対象の種類を検出させ、
前記検出された前記描画対象の種類に応じた描画用データを生成させ、
描画可能領域内において前記検出された前記描画対象に生成された前記描画用データに基づいて前記描画対象に描画させるように前記描画ヘッドを制御する、
処理を実行させる読み取り可能なプログラムを記録した記録媒体。
【符号の説明】
【0095】
1 描画装置
3 指固定部
21 上面板
21a 描画可能領域
30 指保持部材
35 媒体載置部
40 描画部
41 描画ヘッド
50 撮影部
60 媒体保持部材
81 制御部
82 記憶部
812 爪情報検出部
813 媒体情報検出部
814 描画対象検出部
815 描画データ生成部
816 描画制御部
P 記録用媒体
S 記録用媒体
T 爪
U1 印刷指
【手続補正書】
【提出日】2022-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画対象を直接的または間接的に保持するための保持部材が着脱可能に構成された装着部と、
前記保持部材に設けられた識別情報を読み取ることにより、前記保持部材の種類を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記保持部材の種類に対応させた描画用データに基づいて前記描画対象に描画を施す描画ヘッドと、
を備えることを特徴とする描画装置。
【請求項2】
前記装着部は、前記保持部材が所定の方向からスライド挿入されるように構成されており、
前記検出部は、前記保持部材が前記装着部にスライド挿入されるときに先頭になる面に設けられた識別情報を読み取ることにより、前記装着部に装着された保持部材の種類を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記識別情報の読み取り面が、前記保持部材が前記装着部にスライド挿入されてくる方向を向くように、配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記保持部材が前記装着部にスライド挿入されるときの突き当り位置付近に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
【請求項5】
前記装着部は、前記描画対象としての爪に対応する指を保持するための指保持部材と、前記描画対象としてのシート状の記録用媒体を保持するための媒体保持部材とを、選択的に着脱可能に構成されており、
前記保持部材の種類として、少なくとも前記指保持部材と前記媒体保持部材とを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、描画装置に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、描画対象の種類を認識して、描画対象の種類に応じた描画を行うことのできる描画装置を提供することを利点とするものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る描画装置は、描画対象を直接的または間接的に保持するための保持部材が着脱可能に構成された装着部と、前記保持部材に設けられた識別情報を読み取ることにより、前記保持部材の種類を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記保持部材の種類に対応させた描画用データに基づいて前記描画対象に描画を施す描画ヘッドと、を備えることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によれば、描画対象の種類を認識して、描画対象の種類に応じた描画を行うことができる。