(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022161930
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】チャイルドシート装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/26 20060101AFI20221014BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20221014BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221014BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20221014BHJP
B60R 22/10 20060101ALI20221014BHJP
B60R 22/26 20060101ALI20221014BHJP
【FI】
B60N2/26
G08B21/00 M
G08B25/04 K
G08B21/02
B60R22/10 105
B60R22/26
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123028
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2020192488の分割
【原出願日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201911166523.2
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520144059
【氏名又は名称】バンビーノ プレツィオーソ スウィツァーランド アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Bambino Prezioso Switzerland AG
【住所又は居所原語表記】Beim Bahnhof 5, 6312 Steinhausen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】李 如意
(72)【発明者】
【氏名】劉 祖建
(57)【要約】
【課題】本発明はチャイルドシート装置を提供する。
【解決手段】チャイルドシート装置は、チャイルドシート、トリガー構造及び駆動部を含む。チャイルドシートはバックルを含み、児童を乗せるためのものである。トリガー構造はオフ状態とオン状態を有する。バックルが係合した時に、駆動部は操作されて、オフ状態のトリガー構造をオン状態に変換させ、トリガー構造はバックルの係合と脱離によって異なる状態を切り換え、車内に児童がいるか否かをユーザーに注意を促すことができ、児童が車内に置き去りにされて、危険に遭うことを回避できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシート装置であって、
バックルを含み、児童を乗せるチャイルドシートと、
オフ状態とオン状態を有するトリガー構造と、
前記バックルが係合した時に操作されて、オフ状態の前記トリガー構造をオン状態に変換できる駆動部とを含むことを特徴とする、チャイルドシート装置。
【請求項2】
前記バックルは雄バックルと雌バックルを含み、前記雄バックルと前記雌バックルが係合した時に、前記駆動部が操作されて、オフ状態の前記トリガー構造をオン状態に変換できることを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート装置。
【請求項3】
前記駆動部と前記トリガー構造が前記バックルに設置され、前記雄バックルと前記雌バックルが係合されて、前記駆動部が前記トリガー構造をオフ状態からオン状態に変換することを実現し、
前記雄バックルと前記雌バックルが開錠されて、前記駆動部が前記トリガー構造をオン状態からオフ状態に変換することを実現することを特徴とする、請求項2に記載のチャイルドシート装置。
【請求項4】
前記雌バックルが収納溝を有し、前記雄バックルが前記収納溝に整合する延長部を有し、前記駆動部が滑動可能に前記収納溝に設置され、前記雄バックルと前記雌バックルが係合されると、前記延長部に動かされて、前記駆動部が前記トリガー構造に当接し、前記トリガー構造をオン状態にすることを特徴とする、請求項3に記載のチャイルドシート装置。
【請求項5】
前記収納溝内に弾性部が設置され、前記駆動部を常に前記延長部への方向に向かって動作させることを特徴とする、請求項4に記載のチャイルドシート装置。
【請求項6】
前記収納溝の溝壁に貫通孔が開設され、前記トリガー構造が凸部を有し、かつ前記凸部が前記貫通孔を通って前記収納溝に入り込み、前記駆動部が滑動する時に前記凸部に当接して、前記トリガー構造をオン状態にすることを実現することを特徴とする、請求項5に記載のチャイルドシート装置。
【請求項7】
前記凸部が第一斜面を有し、前記駆動部が前記第一斜面に整合する第二斜面を有することを特徴とする、請求項6に記載のチャイルドシート装置。
【請求項8】
前記チャイルドシート装置はさらに検出機構を含み、
前記検出機構は、警報機構と前記検出機構の両者の状態が予め設定された条件を満たすか否かを検出することを特徴とする、請求項7に記載のチャイルドシート装置。
【請求項9】
前記予め設定された条件が一定距離であり、前記検出機構は前記警報機構と前記検出機構との間の距離を検出することを特徴とする、請求項8に記載のチャイルドシート装置。
【請求項10】
前記検出機構は検出装置、実装板及び電源部を含み、前記電源部と前記検出装置が前記実装板上に設置されることを特徴とする、請求項8に記載のチャイルドシート装置。
【請求項11】
前記検出機構はさらに、前記電源部を充電するUSBインタフェースを含むことを特徴とする、請求項10に記載のチャイルドシート装置。
【請求項12】
前記トリガー構造が前記実装板に設置されたスイッチであり、前記スイッチがオンになると、前記電源部が前記検出装置へ電力を提供し、前記スイッチがオフになると、前記電源部が前記検出装置への電力提供が中断されることを特徴とする、請求項10に記載のチャイルドシート装置。
【請求項13】
前記収納溝の溝壁に貫通孔が開設され、前記トリガー構造が凸部を有し、かつ前記凸部が前記貫通孔を通って前記収納溝に入り込み、前記駆動部が滑動する時に前記凸部に当接して、前記トリガー構造をオン状態にすることを実現することを特徴とする、請求項4に記載のチャイルドシート装置。
【請求項14】
前記凸部が第一斜面を有し、前記駆動部が前記第一斜面に整合する第二斜面を有することを特徴とする、請求項13に記載のチャイルドシート装置。
【請求項15】
前記駆動部が導電体であり、前記雄バックルと前記雌バックルが係合された後、前記雄バックルと前記雌バックルとの間の回路を導通させることができることを特徴とする、請求項2に記載のチャイルドシート装置。
【請求項16】
前記チャイルドシート装置はさらに検出機構を含み、
前記検出機構は、警報機構と前記検出機構の両者の状態が予め設定された条件を満たすか否かを検出することを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート装置。
【請求項17】
前記予め設定された条件が一定距離であり、前記検出機構は前記警報機構と前記検出機構との間の距離を検出することを特徴とする、請求項16に記載のチャイルドシート装置。
【請求項18】
前記検出機構は検出装置、実装板及び電源部を含み、前記電源部と前記検出装置が前記実装板上に設置されることを特徴とする、請求項16に記載のチャイルドシート装置。
【請求項19】
前記検出機構はさらに、前記電源部を充電するUSBインタフェースを含むことを特徴とする、請求項18に記載のチャイルドシート装置。
【請求項20】
前記トリガー構造が前記実装板に設置されたスイッチであり、前記スイッチがオンになると、前記電源部が前記検出装置へ電力を提供し、前記スイッチがオフになると、前記電源部が前記検出装置への電力提供が中断されることを特徴とする、請求項18に記載のチャイルドシート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチャイルドシート技術分野に関し、より具体的にはトリガー構造を有するチャイルドシート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自家用車の数が増え続ける中、より多くの家庭が一家で出掛けるようになり、出かけるのが便利である一方、児童の安全確保の問題が一層深刻化している。交通事故による児童の死亡案件が増えている問題に対し、チャイルドシートが設計された。チャイルドシートは交通事故で児童が受ける被害を低減することができるが、不注意によって児童が車内に置き去りにされることが屡々発生し、児童を危険にさらし、深刻な場合は窒息死に至ることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はトリガー構造を有するチャイルドシート装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が提供するチャイルドシート装置は、チャイルドシート、トリガー構造及び駆動部を含む。チャイルドシートはバックルを含み、児童を乗せるためのものであり、トリガー構造はオフ状態とオン状態を有し、バックルが係合した時に、駆動部は操作されて、オフ状態の前記トリガー構造をオン状態に変換できる。
【0005】
以下の説明及び図面参照により、本発明がさらに明確に示されているが、これらの図面は本発明の実施例に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のチャイルドシート警報装置の部分的構成概略図。
【
図2】
図1が示すチャイルドシート警報装置におけるバックルの構成概略図。
【
図5】
図4が示すバックルであり、雄バックルが雌バックルから脱離した状態を示す図。
【
図9】
図8が示す検出機構の別の角度からの構成概略図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明するが、図面中の類似する部材番号は類似する部材を示すものである。
【0008】
図1~
図7を参照すると、本発明のチャイルドシート警報装置はチャイルドシート装置と警報機構20を含み、チャイルドシート装置はチャイルドシート10、検出機構30、トリガー構造40と駆動部50を含み、チャイルドシート10が児童を乗せるためのものであり、警報機構20が信号を受信し、かつ警報信号を出力するためのものであり、検出機構30が警報機構20と検出機構30の両者の状態が予め設定された条件を満たすか否かを検出するためのものである。トリガー構造40がオフ状態とオン状態を有し、トリガー構造40がオフ状態の時、検出機構30が非動作状態であり、トリガー構造40がオン状態の時、検出機構30が動作状態である。児童がチャイルドシート10に乗っている時に、駆動部50が操作されて、オフ状態のトリガー構造40がオン状態に変換し、検出機構30を動作状態にすることができる。検出機構30が警報機構20と検出機構30の両者の状態が予め設定された条件を満たすことを検出すると、警報機構20が警報信号を出力して警報を発する。
【0009】
ここで、予め設定された条件が一定距離であり、検出機構30は警報機構20と検出機構30との間の距離を検出する。例えば、一定距離が5メートルであり、検出機構30が警報機構20と検出機構30との間の距離が5メートルより大きいことを検出した場合、警報機構20が警報信号を出力して警報を発するが、これに限定されず、実際の状況に基づいて一定距離の値を設定してもよい。当然ながら、予め設定された条件が一定時間であってもよく、例えば、検出機構30は運転手が車から離れている時間が一定時間より大きいことを検出した時に、警報機構20が警報信号を出力して警報を発する。従って、予め設定された条件について限定しない。
【0010】
また、チャイルドシート10が圧力を受けること、またはチャイルドシート10のバックル60が係合されることに基づいて、チャイルドシート10に児童が乗っていることを確認する。具体的に、チャイルドシート警報装置はさらに、チャイルドシート10が受けている圧力を検知するためのセンサー装置(図示せず)を含み、検知結果が一定の圧力値より大きい場合、チャイルドシート10に児童が乗っていることが確認されたとする。なお、センサー装置に一般的な圧力センサー、重力センサーなどを用いることができる。本実施例において、
図2~
図4が示すように、チャイルドシート10のバックル60の係合に基づいて、チャイルドシート10に児童が乗っていることを判断するが、これに限定されない。具体的に、バックル60は雄バックル61と雌バックル63を含み、雄バックル61と雌バックル63が係合している場合、チャイルドシート10に児童が乗っていることが確認されたとする。
【0011】
図4~
図6が示すように、駆動部50とトリガー構造40がバックル60に設置され、雄バックル61と雌バックル63が係合されると、駆動部50がトリガー構造40をオフ状態からオン状態に変換させるが、雄バックル61と雌バックル63が開錠されると、駆動部50がトリガー構造40をオン状態からオフ状態に変換させる。具体的に、雌バックル63が収納溝631を有し、雄バックル61が収納溝631に整合する延長部611を有し、駆動部50が滑動可能に収納溝631に設置され、雄バックル61と雌バックル63が係合されると、延長部611に動かされて、駆動部50がトリガー構造40に当接し、トリガー構造40がオン状態になる。つまり、雄バックル61と雌バックル63が対向挿入されて係合した時、延長部611が収納溝631内に入り込んで駆動部50を移動させ、駆動部50がトリガー構造40に当接してトリガー構造40をオフ状態からオン状態に変換させる。トリガー構造40がオン状態になると、警報機構20と検出機構30が動作状態になる。さらに、収納溝631内に弾性部70が設置されており、駆動部50を常に延長部611への方向に向かって動作させるものであり、雄バックル61と雌バックル63が開錠された時、弾性部70が駆動部50を押し動かして延長部611への方向に向かって動作させ、即ち、駆動部50を押し動かしてトリガー構造40から離して、トリガー構造40をオン状態からオフ状態に変換する。さらに、収納溝631の溝壁に貫通孔632が開設されており、トリガー構造40が凸部41を有し、かつ凸部41が貫通孔632を通って収納溝631に入り込み、駆動部50が滑動する時に凸部41に当接することで、トリガー構造40のオン状態を実現する。駆動部50が引っ掛かりなく凸部41に当接できるよう、凸部41は第一斜面411を有し、駆動部50は第一斜面411に整合する第二斜面51を有する。駆動部50が移動する過程で第一斜面411と第二斜面51の作用を利用して、凸部41にスムーズに作用することで、トリガー構造40をオン状態にする。
【0012】
一実施例において、駆動部50が導電体であり、雄バックル61と雌バックル63が係合した後に雄バックル61と雌バックル63との間の回路を導通させることができる。具体的に、雄バックル61上に導電体が設置され、または導電体と雄バックル61が一体成形され、雌バックル63上に二本の非導通の導電線が設置されており、雄バックル61と雌バックル63が係合すると、導電体が雌バックル63上の二つの導電線を導通させて、検出装置31を起動させる。なお、
図3が示すように、雄バックル61は左雄バックル612と右雄バックル613を含み、導電体が左雄バックル612及び/または右雄バックル613に設置される何れの場合でも実現できるので、ここで省略する。
【0013】
図6と
図8~
図9を参照すると、検出機構30は検出装置31、実装板33と電源部35を含み、電源部35と検出装置31が実装板33上に設置される。電源部35は検出機構30に電力を提供するものであり、トリガー構造40がオフ状態において、電源部35が検出機構30に電力を提供するができず、トリガー構造40がオン状態において、検出機構30と電源部35が連通して電気が通り、動作状態になる。なお、検出機構30は一般的な距離検出用の装置であり、検出装置31は信号処理ユニットと発射ユニットを含むが、ここで詳細説明を省略とする。また、検出機構30はさらに、電源部35を充電するためのUSBインタフェース37を含む。本実施例において、トリガー構造40は実装板33に設置されたスイッチであり、スイッチがオンの場合、電源部35が検出装置31に電力を提供することができ、スイッチがオフの場合、電源部35から検出装置31への電力提供が中断され、駆動部50の当接と脱離によってスイッチのオンとオフが実現されるが、これに限定されない。
【0014】
図7を参照すると、警報機構20は独立した部材である。例えば、警報機構20がキーホルダー21を有し、警報機構20をユーザーの車の鍵に繋げることができるため、車の鍵と共に携帯してもよい。また、例えば、警報機構20をユーザーの移動端末に設けることも可能であり、警報機構20が携帯電話であって、携帯電話に対応するAPPをダインストールすることで検出機構30との信号受信及び警報機能を実現することができる。
【0015】
以下、
図1~
図9を合わせて、本発明のチャイルドシート警報装置の動作原理を詳しく説明する。
【0016】
児童がチャイルドシート10に乗った後、雄バックル61と雌バックル63が係合され、延長部611が収納溝631に入り込むとともに駆動部50を移動させ、駆動部50がトリガー構造40当接してトリガー構造40をオフ状態からオン状態に変換する。トリガー構造40がオン状において、回路が導通し、検出機構30と電源部35が連通し、電気が通って動作状態になると、警報機構20と検出機構30が動作状態になる。検出機構30が警報機構20と検出機構30の両者の状態が予め設定された条件を満たすことを検出した場合、警報機構20が警報信号を出力して警報を発し、児童が車内にいることをユーザーに知らせる。
【0017】
児童がチャイルドシート10から離れた後、雄バックル61と雌バックル63が開錠され、弾性部70が駆動部50を押し動かしてトリガー構造40から離すことで、トリガー構造40をオン状態からオフ状態に変換させ、回路が切断され、電源部35が検出機構30に電力を提供できなくなり、検出機構30と電源部35が電気切断の状態になり、検出機構30が非動作状態になる。
【0018】
従来技術と比べて、本発明のチャイルドシート警報装置は、チャイルドシート10に児童が乗っていることが確認された時に、駆動部50が操作され、トリガー構造40を駆動してオフ状態からオン状態に変換させると、検出機構30が触発されて動作状態になる。検出機構30が警報機構20と検出機構30の両者の状態が予め設定された条件を満たすことを検出すると、検出機構30が警報機構20に信号を送信し、警報機構20が信号を受信し、かつ警報信号を出力して警報を発し、児童が車内にいることをユーザーに知らせて、児童が車内に置き去りにされ、危険に遭うことを回避できる。
【0019】
以上は好ましい実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は以上の実施例に限定されず、本発明の本質に基づいて行われた修正、等価な組み合わせなどもその範囲に含まれるとすべきである。
【符号の説明】
【0020】
10 チャイルドシート
20 警報機構
21 キーホルダー
30 検出機構
31 検出装置
33 実装板
35 電源部
37 USBインタフェース
40 トリガー構造
41 凸部
411 第一斜面,
50 駆動部,
51 第二斜面,
60 バックル,
61 雄バックル,
611 延長部,
612 左雄バックル,
613 右雄バックル,
63 雌バックル,
631 収納溝,
632 貫通孔,
70 弾性部