(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162075
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/22 20120101AFI20221014BHJP
【FI】
G06Q20/22
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133308
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2020075519の分割
【原出願日】2020-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 好一
(57)【要約】
【課題】複数のコード決済ブランドへの対応処理を効率よく行うことができる情報処理装置及びその制御プログラムを提供する。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、取得手段、受付手段、及び通知手段を備える。前記取得手段は、決済コードを取得する。前記受付手段は、コード決済事業者の指定を受け付ける。前記通知手段は、前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済コードを取得する取得手段と、
コード決済事業者の指定を受け付ける受付手段と、
前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する通知手段と、を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致する場合、その一致したコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る処理手段と、
前記決済結果を出力する出力手段と、をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コード決済事業者を指定するための画面を表示する表示手段、をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、1以上の前記コード決済事業者を表示する、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、前記取得手段で取得した前記決済コードのコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
決済コードを取得する取得手段、
コード決済事業者の指定を受け付ける受付手段、
前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する通知手段、として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コード決済に関しては、複数のコード決済事業者による複数のブランドが展開されている。ただし、決済コードのコード体系はブランド毎に異なっている。このため、決済装置の担当者は、決済に利用されるブランドに応じた決済プログラムの起動操作をする必要がある。一方、決済装置は、起動操作に基づき、決済に利用されるブランドに応じた決済アプリケーションプログラムを起動する。そして決済装置は、提示される決済コードを読み取り、読み取った決済コードに基づき決済処理を実行する。
このように、担当者には、決済に利用されるブランドに応じた煩雑な操作が要求される。また、決済装置には、決済に利用されるブランドに応じた決済プログラムが要求される。このため、複数のブランドへの対応処理の効率が低下する懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数のコード決済ブランドへの対応処理を効率よく行うことができる情報処理装置及びその制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る情報処理装置は、取得手段、受付手段、及び通知手段を備える。取得手段は、決済コードを取得する。受付手段は、コード決済事業者の指定を受け付ける。通知手段は、取得手段で取得した決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る決済システムの概略構成を示す模式図。
【
図2】コード決済ブランドテーブルの一例を示す模式図。
【
図3】同決済システムに適用される統一決済コードのフォーマットの一例を示す模式図。
【
図4】決済装置におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図5】決済装置において表示されるコード決済ブランド指定画面の一例を示す模式図。
【
図6】決済装置において表示されるコード決済ブランド確認画面の一例を示す模式図。
【
図7】決済装置において表示される通知画像の一例を示す模式図。
【
図8】第2実施形態において、決済装置におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図9】第2実施形態において、決済装置において表示される通知画像の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る決済システムSの概略構成を示す模式図である。
決済システムSは、決済装置1、コードリーダ2、各コード決済ブランドの決済サーバ3及びPOS(point of sale)サーバ4を含む。決済サーバ3は、第1の通信インターフェース17に、POSサーバ4は、第2の通信インターフェース18にそれぞれ接続されている。決済サーバ3は、店舗の外部にあるため、その通信ネットワークは、例えばインターネット、イントラネット、WAN(Wide Area Network)等である。通信ネットワークは、電話通信網又は移動体通信網を含んでもよい。あるいは通信ネットワークは、これらの組み合わせであってもよい。POSサーバ4は、店舗の内部にあるため、その通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)でよい。決済装置1は、情報処理装置であり、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができる。決済装置1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、機器インターフェース14、入力デバイス15、出力デバイス16、第1の通信インターフェース17、第2の通信インターフェース18及びシステム伝送路19を備える。
【0008】
プロセッサ11は、コンピュータの中枢部分に相当し、決済処理に関する演算を行う。プロセッサ11は、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13の少なくとも一方に記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェア等のプログラムに基づいて、決済処理を実現するべく制御を実行する。プロセッサ11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0009】
メインメモリ12は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であるROM(read-only memory)、及び一時的に使用するデータを記憶するRAM(random-access memory)を含む。ROMは、プロセッサ11が実行するプログラムの一部又は全部を記憶し、さらに、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値等を記憶する。RAMは、プロセッサ11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータ、及びプロセッサ11での処理によって生成されたデータを記憶しておくワークエリアである。
【0010】
補助記憶デバイス13は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)である。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が実行するプログラムの一部又は全部を記憶し、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって生成されたデータ、及び各種の設定値等を記憶する。
【0011】
メインメモリ12及び補助記憶デバイス13の少なくとも一方に記憶されるプログラムは、決済処理のためのプログラムを含む。例えば、決済装置1は、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13の少なくとも一方に上記のプログラムが記憶された状態で、コード決済事業者へ譲渡される。或いは、上記のプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体により、コード決済事業者等へと譲渡されてもよい。この場合、担当者による操作の下に、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムがメインメモリ12及び補助記憶デバイス13の少なくとも一方に書き込まれる。上記のプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリ等のようなリムーバブルな記憶媒体である。或いは、ネットワーク等を介して上記のプログラムをダウンロードし、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13の少なくとも一方に書き込んでもよい。
【0012】
機器インターフェース14は、コードリーダ2等の各機器と接続する。例えば、機器インターフェース14は、コードリーダ2により読み取られた商品コード、請求コード、又は決済コード等の各種コードを取得する。
【0013】
コードリーダ2は、商品コード、請求コード、及び決済コード等の各種コードを読み取り、読み取ったコードを出力する。例えば、コードリーダ2は、例えば一次元コード又は二次元コードのコード体系で商品に記録又は添付された商品コードを光学的に読み取り、読み取った決済コードを決済装置1の機器インターフェース14へ出力する。コードリーダ2は、例えば一次元コード又は二次元コードのコード体系で請求書等に記録された請求コードを光学的に読み取り、読み取った請求コードを決済装置1の機器インターフェース14へ出力する。コードリーダ2は、例えば一次元コード又は二次元コードのコード体系でスマートフォン等の通信端末のディスプレイに表示された決済コードを光学的に読み取り、読み取った決済コードを決済装置1の機器インターフェース14へ出力する。
【0014】
入力デバイス15は、キーボード、テンキー、決済装置の担当者用タッチパネル、及び決済コードを利用するユーザ用タッチパネル等を備える。また、出力デバイス16は、担当者用ディスプレイ、ユーザ用ディスプレイ、及びスピーカ等を備える。例えば、担当者用タッチパネルと担当者用ディスプレイにより担当者用タッチパネルディスプレイを構成するようにしてもよい。同様に、ユーザ用タッチパネルとユーザ用ディスプレイによりユーザ用タッチパネルディスプレイを構成するようにしてもよい。入力デバイス15は、担当者又はユーザからの指示入力を受け付けプロセッサ11へ通知する。出力デバイス16は、担当者又はユーザに対して各種情報を表示する。
【0015】
第1の通信インターフェース17及び第2の通信インターフェース18は、外部サーバ等の外部機器と接続する。第1の通信インターフェース17は、各コード決済ブランドの決済サーバ3と通信し、決済に関する情報を送受信する。第2の通信インターフェース18は、POSサーバ4と通信し、POSサーバ4へ商品コードを送信し、POSサーバ4から商品コードに対応する商品データを受信する。POSサーバ4は、各商品に対応する商品データを記憶し、1商品に対応する商品データは、商品コード、商品名、商品単価、及び割引額等の情報を含む。例えば、第1の通信インターフェース17又は第2の通信インターフェース18は、請求処理サーバと通信し、請求処理サーバへ請求コードを送信し、請求処理サーバから請求コードに対応する請求データを受信してもよい。請求処理サーバは、各請求に対応する請求データを記憶し、請求データは、請求コード、商品内容、請求金額等の情報を含む。
【0016】
かかる構成の決済装置1は、メインメモリ12の揮発性メモリ領域の一部を、コード決済ブランドテーブル121として使用する。
【0017】
図2は、コード決済ブランドテーブル121の一例を示す模式図である。
図2に示すように、コード決済ブランドテーブル121は、決済コード統一事業に加盟するコード決済事業者のブランド名と、そのコード決済事業者のブランドに識別子として割り当てられる事業者識別コード(
図3を参照)とを関連付けて記憶するためのデータ構造となっている。決済コード統一事業とは、決済コードのコード体系をブランドに関わらず統一させる事業である。コード決済ブランドテーブル121に、どのコード決済事業者のブランド名と事業者識別コードとを設定するかは、決済装置1を導入する販売店等のコード決済利用事業者によって決定される。
図2では、コード決済事業者のブランドを5つ示しているが、ブランド数は限定されない。
【0018】
図3は、決済コード統一事業で用いられる決済コードのフォーマット100の一例を示す模式図である。決済コード統一事業に加盟する全てのコード決済事業者は、フォーマット100の決済コードを使用する。以下では、フォーマット100の決済コードを統一決済コードと称する。統一決済コードは、決済コード統一事業に加盟するコード決済事業者間でフォーマットの統一が図られた決済コードである。
図3に示すように、統一決済コードは、決済ID情報領域及び自由領域を含む。決済ID情報領域は事業者識別コード部及びトークン部を含む。事業者識別コード部は、統一決済コードであることを識別する固定識別コード、及びコード決済事業者を識別する事業者識別コードを含む。
【0019】
図4は、決済装置1におけるプロセッサ11の要部制御手順を示す流れ図である。
以下、この流れ図を用いて、決済システムSの主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0020】
決済装置1は、支払い金額又は請求金額等に関する情報を取得し、取得した情報に基づく決済を実行する。例えば、決済装置1のプロセッサ11は、コードリーダ2からの1又は複数の商品コードを取得し、POSサーバ4からの1又は複数の商品コード対応する商品データを受け取り、商品データに基づき支払い金額を算出し、決済を待つ。
【0021】
ユーザは、担当者に統一決済コードを利用したい旨を伝える。担当者は、決済装置1の入力デバイス15の決済画面から統一コード決済モードを選択又は指定する。そうすると、プロセッサ11は、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0022】
プロセッサ11は、ACT1として統一コード決済モードが選択又は指定されたか否かを確認する。統一コード決済モードが選択又は指定された場合、プロセッサ11は、ACT1においてYESと判定し、統一コード決済プログラムを起動する。そしてプロセッサ11は、ACT2へと進む。
【0023】
プロセッサ11は、ACT2として出力デバイス16にコード決済ブランド指定画面200(
図5を参照)を表示させる。
【0024】
図5は、決済装置1の出力デバイス16において表示されるコード決済ブランド指定画面200の一例を示す模式図である。
図5に示すように、コード決済ブランド指定画面200には、受け入れコード決済事業者のブランド名と、「指定」ボタン201乃至205の画像と、ブランドを指定することを促すテキストデータとが表示される。ユーザは、所望のコード決済ブランドに対応する「指定」ボタン201乃至205のいずれか1つにタッチする。なお、
図5に表示されているテキストデータの内容及び画像は一例である。
【0025】
図4の説明に戻る。
プロセッサ11は、ACT3としてコード決済ブランド指定画面200の「指定」ボタン201乃至205のいずれか1つがタッチされるのを待ち受ける。「指定」ボタン201乃至205のいずれか1つがタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。
【0026】
プロセッサ11は、ACT4として出力デバイス16にコード決済ブランド確認画面300(
図6を参照)を表示させる。
【0027】
図6は、決済装置1の出力デバイス16において表示されるコード決済ブランド確認画面300の一例を示す模式図である。
図6に示すように、コード決済ブランド確認画面300には、ユーザが指定したコード決済ブランドと、このコード決済ブランドによる決済可否を確認するテキストデータと、「確認」ボタン301及び「取消」ボタン302の画像とが表示される。ユーザは、コード決済ブランド確認画面300を確認すると、「確認」ボタン301にタッチする。ユーザは、指定したコード決済ブランドを取消す場合には、「取消」ボタン302にタッチする。なお、
図6に表示されているテキストデータの内容及び画像は一例である。
【0028】
図4の説明に戻る。
プロセッサ11は、ACT5としてコード決済ブランド確認画面300の「確認」ボタン301がタッチされるか「取消」ボタン302がタッチされるのを待ち受ける。「確認」ボタン301がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT5においてYESと判定し、ACT6へと進む。「取消」ボタン302がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT5においてNOと判定し、ACT3に戻る。
【0029】
ユーザは、スマートフォン等の通信端末のディスプレイに指定したコード決済ブランドの統一決済コードを提示する。担当者は、コードリーダ2の読み取り部を統一決済コードが表示されたディスプレイに翳す。コードリーダ2は、読み取り部を介して、表示された統一決済コードを読み取り、読み取った統一決済コードを機器インターフェース14へ出力する。機器インターフェース14は、統一決済コードを受け取りプロセッサ11に出力する。
【0030】
プロセッサ11は、ACT6として統一決済コードを取得したか否かを確認する。統一決済コードを取得した場合、プロセッサ11は、ACT6においてYESと判定し、ACT7へと進む。
【0031】
プロセッサ11は、ACT7として統一決済コードから、統一決済コードであることを識別する固定識別コードを検知したか否かを確認する。固定識別コードを検知した場合、プロセッサ11は、ACT7においてYESと判定し、ACT8へと進む。またプロセッサ11は、ACT8として統一決済コードから、コード決済事業者を識別する事業者識別コードを検知したか否かを確認する。事業者識別コードを検知した場合、プロセッサ11は、ACT8においてYESと判定し、ACT9へと進む。なお、プロセッサ11は、ACT6乃至8においてNOと判定すると、ACT6に戻る。したがってプロセッサ11は、再び統一決済コードを取得する。
【0032】
プロセッサ11は、ACT9としてACT8で検知した事業者識別コードと、ACT3でユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードとが一致するか否かを確認する。具体的には、プロセッサ11は、コード決済ブランドテーブル121からユーザが指定したコード決済ブランド名と関連付けて記憶されている事業者識別コードを調べる。この事業者識別コードと検知した統一決済コードに含まれる事業者識別コードとが一致する場合、プロセッサ11は、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。
【0033】
プロセッサ11は、ACT10としてユーザが指定したコード決済ブランドの決済サーバ3に対して決済を行うように第1の通信インターフェース17を制御する。この制御により、第1の通信インターフェース17から決済サーバ3に対して決済要求コマンドが出力される。決済要求コマンドは、決済サーバ3で受信される。
【0034】
決済要求コマンドの送信を制御した決済装置1のプロセッサ11は、ACT11として応答コマンドを待ち受ける。応答コマンドには、決済結果が含まれる。決済結果は、例えばコード決済ブランド名、決済金額等の情報である。決済サーバ3から応答コマンドを受信した場合、プロセッサ11は、ACT11においてYESと判定し、ACT12へと進む。プロセッサ11は、ACT12として出力デバイス16に決済結果を出力する。
【0035】
ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと検知した統一決済コードに含まれる事業者識別コードとが一致しない場合、プロセッサ11は、ACT9においてNOと判定し、ACT13へと進む。
【0036】
プロセッサ11は、ACT13として出力デバイス16に通知画像400(
図7を参照)を表示させる。
【0037】
図7は、決済装置1の出力デバイス16において表示される通知画像400の一例を示す模式図である。
図7に示すように、通知画像400は、コード決済ブランド指定画面200に重ねて表示される。通知画像400には、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと検知した事業者識別コードとが一致しないことを知らせるテキストデータと、「確認」ボタン401の画像とが表示される。ユーザは、通知画像400を確認すると、「確認」ボタン401にタッチする。なお、
図7に表示されているテキストデータの内容及び画像は一例である。
【0038】
図4の説明に戻る。
プロセッサ11は、ACT14として通知画像400の「確認」ボタン401がタッチされるのを待ち受ける。「確認」ボタン401がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT14においてYESと判定し、出力デバイス16から通知画像400を消去させる。そしてプロセッサ11は、ACT3に戻る。以上で、プロセッサ11は、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0039】
以上の説明から明らかなように、情報処理装置の一例である決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT1の処理を実行することによって、取得手段を構成する。すなわち決済装置1は、決済コードを取得する。
【0040】
決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT3の処理を実行することによって、受付手段を構成する。すなわち決済装置1は、コード決済事業者の指定を受け付ける。
【0041】
決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT9及びACT13の処理を実行することによって、通知手段を構成する。すなわち決済装置1は、取得手段で取得した決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する。
【0042】
決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT9乃至ACT11の処理を実行することによって、処理手段を構成する。すなわち決済装置1は、取得手段で取得した決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致する場合、その一致したコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る。
【0043】
決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT12の処理を実行することによって、出力手段を構成する。すなわち決済装置1は、決済結果を出力する。
【0044】
決済装置1は、プロセッサ11が
図4のACT4の処理を実行することによって、表示手段を構成する。すなわち決済装置1は、コード決済事業者を指定するための画面を表示する。
【0045】
このように本実施形態によれば、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと、ユーザが提示した統一決済コードに含まれる事業者識別コードが一致しない場合には、通知される。したがって、ユーザが指定した以外のコード決済ブランドの統一決済コードを提示してしまった場合に、ユーザ及び担当者はそのことを容易に知ることができる。
【0046】
また、通知後に、コード決済事業者を指定するためのコード決済ブランド指定画面200が再度表示される。ユーザは、通知前に指定したコード決済事業者又は指定した以外のコード決済事業者を指定することができる。したがって、複数のコード決済事業者に登録しているユーザは、所望のコード決済ブランドを適宜指定可能である。複数のコード決済事業者に対応可能であるため、担当者は、ブランドに応じた処理負荷が軽減され、決済装置1は、ブランドに応じたコード決済プログラムの処理負荷が軽減される。
【0047】
その上、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと、ユーザが提示した統一決済コードに含まれる事業者識別コードが一致する場合には、その一致したコード決済事業者のサーバすなわち決済サーバ3に対して決済を要求し、決済結果を受け取り、決済結果が出力される。したがって、コード決済処理を円滑に行うことができ、効率的である。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと検知した統一決済コードに含まれる事業者識別コードとが一致しない場合、出力デバイス16に通知画像400を表示させることを説明した。
第2実施形態では、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと検知した統一決済コードに含まれる事業者識別コードとが一致しない場合、出力デバイス16に通知画像500(
図9を参照)を表示させる。すなわち検知した統一決済コードのコード決済事業者を使用して決済を行うか否かをユーザに問い合わせる。なお、第1実施形態の説明で用いた
図1乃至
図3、
図5及び
図6は、第2実施形態でも共通であるので、ここでの説明は省略する。
【0049】
図8は、第2実施形態において、決済装置1におけるプロセッサ11の要部制御手順を示す流れ図である。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0050】
プロセッサ11は、ACT21乃至ACT32として、第1実施形態のACT1乃至ACT12と同様の処理を実行する。そして、プロセッサ11は、ACT33として出力デバイス16に通知画像500を表示させる。
【0051】
図9は、決済装置1の出力デバイス16において表示される通知画像500の一例を示す模式図である。
図9に示すように、通知画像500は、コード決済ブランド指定画面200に重ねて表示される。通知画像500には、検知したコード決済ブランドと、このコード決済ブランドによる決済可否を問い合わせるテキストデータと、「使用する」ボタン501及び「使用しない」ボタン502の画像とが表示される。ユーザは、通知画像500に表示されたコード決済ブランドを使用する場合、「使用する」ボタン501にタッチする。ユーザは、通知画像500に表示されたコード決済ブランドを使用しない場合には、「使用しない」ボタン502にタッチする。なお、
図9に表示されているテキストデータの内容及び画像は一例である。
【0052】
図8の説明に戻る。
プロセッサ11は、ACT34として通知画像500の「使用する」ボタン501がタッチされるか「使用しない」ボタン502がタッチされるのを待ち受ける。「使用する」ボタン501がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT34においてYESと判定し、出力デバイス16からコード決済ブランド指定画面200及び通知画像500を消去させる。そしてプロセッサ11は、ACT30へと進む。「使用しない」ボタン502がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT34においてNOと判定し、出力デバイス16から通知画像500を消去させる。そしてACT3に戻る。以上で、プロセッサ11は、
図8の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0053】
このように第2実施形態では、ユーザが指定したコード決済ブランドの事業者識別コードと、ユーザが提示した統一決済コードに含まれる事業者識別コードが一致しない場合であっても、ユーザが提示した統一決済コードを優先する場合には、その統一決済コードのコード決済事業者のサーバすなわち決済サーバ3に対して決済を要求する処理に移行できる。したがって、ブランドを指定する操作からやり直す必要が無いので、複数のコード決済ブランドへの対応処理を効率よく行うことができる
【0054】
以上、情報処理装置及びその制御プログラムの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0055】
前記実施形態では、通知は通知画像400、500を表示させる場合を例示した。例えば音声、通知音等によって通知してもよい。
【0056】
前記実施形態では、ユーザが所望のコード決済ブランドを指定する場合を説明した。コード決済ブランドの指定は、ユーザでなく担当者が行ってもよい。
【0057】
前記実施形態では、決済装置1を情報処理装置の一態様として説明した。決済装置1は、前記実施形態で説明したものに限定されるものではない。例えばPOSサーバ4としての機能をさらに備えた決済装置1を情報処理装置としてもよい。換言すれば、決済装置1としての機能を備えたPOSサーバ4を情報処理装置としてもよい。
【0058】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
S…決済システム、1…決済装置、2…コードリーダ、3…各コード決済ブランドの決済サーバ、4…POSサーバ、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…機器インターフェース、15…入力デバイス、16…出力デバイス、17…第1の通信インターフェース、18…第2の通信インターフェース、19…システム伝送路、100…統一決済コードのフォーマット、121…コード決済ブランドテーブル。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコード決済事業者間でコード体系を統一させた統一決済コードを取得する取得手段と、
前記複数のコード決済事業者の中からいずれか1つのコード決済事業者の指定を受け付ける第1の受付手段と、
前記取得手段で取得した前記統一決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記第1の受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、前記取得手段で取得した前記統一決済コードを決済に使用するか否かの指定を受け付ける第2の受付手段と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段で取得した前記統一決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記第1の受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致する場合、その一致したコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る第1の処理手段、
をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の受付手段により前記統一決済コードを決済に使用する指定を受け付けた場合、当該統一決済コードで識別されるコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る第2の処理手段、
をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の受付手段により前記統一決済コードを決済に使用しない指定を受け付けた場合、前記複数のコード決済事業者の中からいずれか1つのコード決済事業者の指定を再度受け付ける第3の受付手段、
をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の受付手段は、前記取得手段で取得した前記統一決済コードを決済に使用する場合に入力する第1のボタンと、前記取得手段で取得した前記統一決済コードを決済に使用しない場合に入力する第2のボタンとを配置した通知画像をディスプレイに表示させて、前記統一決済コードを決済に使用するか否かの指定を受け付ける、請求項1乃至4のうちいずれか一記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のコード決済事業者間でコード体系を統一させた統一決済コードを取得する取得手段、
前記複数のコード決済事業者の中からいずれか1つのコード決済事業者の指定を受け付ける第1の受付手段、及び
前記取得手段で取得した前記統一決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記第1の受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、前記取得手段で取得した前記統一決済コードを決済に使用するか否かの指定を受け付ける第2の受付手段、
として機能させるための制御プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
一実施形態に係る情報処理装置は、取得手段、第1の受付手段、及び第2の受付手段を備える。取得手段は、複数のコード決済事業者間でコード体系を統一させた統一決済コードを取得する。第1の受付手段は、複数のコード決済事業者の中からいずれか1つのコード決済事業者の指定を受け付ける。第2の受付手段は、取得手段で取得した統一決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、第1の受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、取得手段で取得した統一決済コードを決済に使用するか否かの指定を受け付ける。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
図8の説明に戻る。
プロセッサ11は、ACT34として通知画像500の「使用する」ボタン501がタッチされるか「使用しない」ボタン502がタッチされるのを待ち受ける。「使用する」ボタン501がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT34においてYESと判定し、出力デバイス16からコード決済ブランド指定画面200及び通知画像500を消去させる。そしてプロセッサ11は、ACT30へと進む。「使用しない」ボタン502がタッチされた場合、プロセッサ11は、ACT34においてNOと判定し、出力デバイス16から通知画像500を消去させる。そして
ACT23に戻る。以上で、プロセッサ11は、
図8の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]決済コードを取得する取得手段と、コード決済事業者の指定を受け付ける受付手段と、前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する通知手段と、を具備する情報処理装置。
[2]前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致する場合、その一致したコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る処理手段と、前記決済結果を出力する出力手段と、をさらに具備する付記[1]記載の情報処理装置。
[3]前記コード決済事業者を指定するための画面を表示する表示手段、をさらに具備する付記[1]記載の情報処理装置。
[4]前記表示手段は、1以上の前記コード決済事業者を表示する、付記[3]記載の情報処理装置。
[5]前記処理手段は、前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、前記取得手段で取得した前記決済コードのコード決済事業者のサーバに対して決済を要求し、決済結果を受け取る、付記[2]記載の情報処理装置。
[6]コンピュータを、決済コードを取得する取得手段、コード決済事業者の指定を受け付ける受付手段、前記取得手段で取得した前記決済コードに含まれる事業者識別コードで識別されるコード決済事業者が、前記受付手段で指定を受け付けたコード決済事業者と一致しない場合、通知する通知手段、として機能させるための制御プログラム。