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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162100
(43)【公開日】2022-10-21
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221014BHJP
【FI】
B41J2/175 301
B41J2/175 111
B41J2/175 121
B41J2/175 171
B41J2/175 503
B41J2/175 315
B41J2/175 307
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133940
(22)【出願日】2022-08-25
(62)【分割の表示】P 2018067446の分割
【原出願日】2018-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(57)【要約】
【課題】タンク内の液面を検知するシステムで液体残量の誤検知の可能性を低くする。
【解決手段】複合機10は、インクの貯留室32、及び貯留室32の大気への連通口35を有するインクカートリッジ30と、貯留室32から開口109を通じて流入したインクが流通する内部空間107Aを有する接続管107と、インクの貯留室121、開口109より下方に位置しており内部空間107Aのインクが貯留室121へ流入する流入口126、及び貯留室121の大気への連通口124を有するタンク103と、貯留室121のインクを消費する記録部24と、液面センサ55とを備える。液面センサ55は、貯留室121内の液面が開口109と流入口126との間の所定位置P1になったことを検知する。所定位置P1と開口109との間の貯留室121の水平断面積は、内部空間107Aの水平断面積より大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する第1貯留室、及び上記第1貯留室を大気に連通させる第1大気連通部を有するカートリッジと、
上記カートリッジが接続可能であり、接続された上記カートリッジの上記第1貯留室から液体が流入する開口、及び上記開口を通じて流入する液体が流通する流路を有する管と、
液体を貯留する第2貯留室、上記管に接続された上記カートリッジの上記第1貯留室から上記流路を介して流通した液体が上記第2貯留室へ流入する流入口、及び上記第2貯留室を大気に連通させる第2大気連通部を有するタンクと、
上記タンクの上記第2貯留室から流出した液体を消費する消費部と、
上記第2貯留室に貯留された液体の液面の上下方向の位置が所定位置になったことを検知する検知部と、を備え、
上記管に接続された上記カートリッジの上記第1貯留室は上記第1大気連通部を通じて常に大気に連通されており、
上記第2貯留室の上端は、上記流路より上方にあり、
上記第2貯留室の下端は、上記流路より下方にあり、
上記開口は、上記流入口より上方にあり、
上記所定位置は、上記開口より下方且つ上記流入口より上方であり、
上記所定位置より上方且つ上記開口より下方において、上記第2貯留室の水平断面積は、上記流路の水平断面積より大きいシステム。
【請求項2】
上記第2貯留室において上記所定位置の液体の液面は1つである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記管は、鉛直方向に延びる鉛直部を有しており、
上記所定位置は、上記鉛直部の上端より下方且つ上記鉛直部の下端より上方である請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
上記第2貯留室は、
第1部分と、
上記第1部分より上方であって上記第1部分より水平断面積の小さい第2部分と、を有しており、
上記流入口は、上記第1部分と連通しており、
上記検知部は、上記第2部分に貯留された液体の液面を検知する請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
上記第2部分の上端は、上記管の上端より上方にある請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
上記第2貯留室は、上記第2部分より上方であって上記第2部分より水平断面積の大きい第3部分を有する請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
上記検知部は、
上記第2貯留室において、上記所定位置に設けられたプリズムと、
上記プリズムへ向けて光を照射する発光部と、を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
上記検知部は、
光を照射する発光部と、
上記第2貯留室に設けられており、上記第2貯留室に貯留された液体より比重が小さいフロートを有し、上記第2貯留室に貯留された液体の液面の上下方向の位置が上記所定位置になると、上記発光部によって照射された光の光路上の位置または上記光路から外れた位置の一方から他方へ移動する被検知部材と、を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
上記タンクは、上記第2貯留室に貯留された液体が流出する流出口を有しており、
上記流出口は、上記流入口より下方に位置する請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
上記管は、鉛直方向に延びており、
上記カートリッジは、上記鉛直方向に沿って上記管と接続される請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジとタンクとの間で液体が流通するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、カートリッジから水頭圧によってタンクへ液体を供給し、タンクから液体を消費するヘッド(消費部)へ液体を供給するシステムが開示されている。
特許文献1に開示されたシステムでは、カートリッジ内に設けられたセンサアームをセンサで検知することによって、カートリッジ内の液体残量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-238792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、カートリッジから水頭圧によってタンクに液体を供給するシステムでは、タンク内の液体残量を検知するものも知られている。タンク内の液体残量を検知する構成においては、例えば、タンク内の液体残量をセンサによって検知した場合に、その検知に対応させて、カートリッジ内の液体残量を検知する様なシステムが考えられる。しかしながら、この様なシステムでは、以下の問題が生じるおそれがある。
【0005】
上記システムにおいて、タンクからヘッドへ液体が供給されると、一時的に、タンク内の液面がカートリッジ内の液面より低くなる場合がある。そのため、例えば、カートリッジ内に液体が十分に残っているにもかかわらず、センサがタンク内の液面を検知することによって、カートリッジ内にタンクに供給可能な液体が残っていないと検知してしまう。
つまり、カートリッジ内の液体残量を誤検知してしまう。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンク内の液体残量を検知するシステムにおいて、液体残量の誤検知の可能性を低くすることができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るシステムは、液体を貯留する第1貯留室、及び上記第1貯留室を大気に連通させる第1大気連通部を有するカートリッジと、上記カートリッジが接続可能であり、接続された上記カートリッジの上記第1貯留室から液体が流入する開口、及び上記開口を通じて流入する液体が流通する流路を有する管と、液体を貯留する第2貯留室、上記管に接続された上記カートリッジの上記第1貯留室から上記流路を介して流通した液体が上記第2貯留室へ流入する流入口、及び上記第2貯留室を大気に連通させる第2大気連通部を有するタンクと、上記タンクの上記第2貯留室から流出した液体を消費する消費部と、上記第2貯留室に貯留された液体の液面の上下方向の位置が所定位置になったことを検知する検知部と、を備える。上記第2貯留室の上端は、上記流路より上方にある。上記第2貯留室の下端は、上記流路より下方にある。上記開口は、上記流入口より上方にある。上記所定位置は、上記開口より下方且つ上記流入口より上方である。上記所定位置より上方且つ上記開口より下方において、上記第2貯留室の水平断面積は、上記流路の水平断面積より大きい。
【0008】
上記構成では、検知部が液面を検知する所定位置は、管の開口より下方且つタンクの流入口より上方にある。つまり、所定位置は、流路と同じ高さにある。よって、第2貯留室からの液体の流出によって液面が所定位置となり検知部によって検知された状態では、液面は、第2貯留室と流路とに存在する。
【0009】
ここで、上記構成では、所定位置より上方且つ開口より下方において、第2貯留室の水平断面積は、流路の水平断面積より大きい。そのため、液面が第2貯留室と流路とに存在する状態では、第2貯留室の液面は下がりにくい。よって、液面が所定位置となり検知部によって検知された状態では、第1貯留室に第2貯留室へ供給可能な液体が残っていない可能性が高い。つまり、第1貯留室に液体が十分に残っている状態で、第1貯留室に第2貯留室へ供給可能な液体が残っていないと検知してしまうような誤検知の可能性を低くすることができる。
【0010】
(2) 上記管は、鉛直方向に延びる鉛直部を有している。上記所定位置は、上記鉛直部の上端より下方且つ上記鉛直部の下端より上方である。
【0011】
上記構成によれば、上下方向における所定位置周辺において流路の液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって流路の液面と第2貯留室の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【0012】
(3) 上記第2貯留室は、第1部分と、上記第1部分より上方であって上記第1部分より水平断面積の小さい第2部分と、を有している。上記流入口は、上記第1部分と連通している。上記検知部は、上記第2部分に貯留された液体の液面を検知する。
【0013】
上記構成によれば、カートリッジの第1貯留室からタンクの第2貯留室に供給可能な液体がなくなった後であっても、第2貯留室の第1部分に多くの液体が残る。そして、第1部分に残った液体を消費部へ供給することができる。
【0014】
また、上記構成によれば、所定位置は第1部分ではなく第2部分にあり、第2部分の水平断面積は第1部分の水平断面積より小さい。つまり、検知部は、水平断面積の小さい第2部分にある液面を検知する。そのため、所定位置が第1部分にある場合より、検知部による検知精度を高くすることができる。
【0015】
(4) 上記第2貯留室は、上記第2部分より上方であって上記第2部分より水平断面積の大きい第3部分を有する。
【0016】
上記構成によれば、第2貯留室が第3部分を有するため、第2貯留室に多くの液体を貯留することができる。
【0017】
(5) 例えば、上記検知部は、上記第2貯留室において、上記所定位置に設けられたプリズムと、上記プリズムへ向けて光を照射する発光部と、を備える。
【0018】
(6) 例えば、上記検知部は、光を照射する発光部と、上記第2貯留室に設けられており、上記第2貯留室に貯留された液体より比重が小さいフロートを有し、上記第2貯留室に貯留された液体の液面の上下方向の位置が上記所定位置になると、上記発光部によって照射された光の光路上の位置または上記光路から外れた位置の一方から他方へ移動する被検知部材と、を備える。
【0019】
(7) 上記タンクは、上記第2貯留室に貯留された液体が流出する流出口を有している。上記流出口は、上記流入口より下方に位置する。
【0020】
上記構成によれば、カートリッジの第1貯留室から流入口を通じてタンクの第2貯留室への液体が流入されなくなった後であっても、第2貯留室における流入口より下方且つ流出口より上方にある液体を消費部へ供給することができる。
【0021】
(8) 上記管は、鉛直方向に延びている。上記カートリッジは、上記鉛直方向に沿って上記管と接続される。
【0022】
上記構成によれば、流路の液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって流路の液面と第2貯留室の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、液体残量の誤検知の可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図2図2は、インクカートリッジ30とタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、インクカートリッジ30と、被検知部材55Cを有する液面センサ55を備えるタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図4図4は、インクカートリッジ30と、鉛直部107Bを有する接続管107を備えるタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図5図5は、インクカートリッジ30と、所定位置P1が第3部分163にあるタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図6図6は、インクカートリッジ30と、流入口126が第2部分162と連通されたタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図7図7(A)は、第1部分161及び第2部分162のみを有するタンク103を模式的に示す縦断面図であり、図7(B)は、直方体形状のタンク103を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、複合機10が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の給送トレイ15からシート12が給送される方向を後方として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向が定義される。図1図7において、紙面の奥へ向かう向きが右向きである。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
【0026】
[第1実施形態]
[複合機10の全体構成]
複合機10(システムの一例)は、インクジェット記録方式でシート12に画像を記録するプリンタ部11を有している。また、複合機10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの各種の機能を有していてもよい。図1に示されるように、プリンタ部11は、給送トレイ15と、排出トレイ16と、給送ローラ23と、搬送ローラ対25と、排出ローラ対27と、記録部24と、プラテン26とを有する。
【0027】
[給送トレイ15、排出トレイ16、給送ローラ23]
図1に示されるように、給送トレイ15は、各々が積層された複数のシート12を支持する。排出トレイ16は、給送トレイ15の上方に配置されている。排出トレイ16は、記録部24及びプラテン26の間から排出ローラ対27によって排出されたシート12を支持する。給送ローラ23は、不図示のモータによって駆動されることによって、給送トレイ15に支持されたシート12を搬送路17へ給送する。
【0028】
[搬送路17]
搬送路17は、ガイド部材18、19、記録部24、プラテン26等によって形成される空間を指す。ガイド部材18、19と、記録部24及びプラテン26とは、それぞれがプリンタ部11の内部において所定間隔で対向する。搬送路17は、給送トレイ15の後端部から上方に延びつつUターンし、記録部24に対面する位置を経由して排出トレイ16に至る経路である。搬送向きは、図1において一点鎖線の矢印で示されている。
【0029】
[搬送ローラ対25]
搬送ローラ対25は、搬送路17に配置されている。搬送ローラ対25は、互いに対向する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bを備える。搬送ローラ25Aは、不図示のモータによって駆動される。ピンチローラ25Bは、搬送ローラ25Aの回転に伴って連れ回る。シート12は、モータの正転駆動力が伝達されて正回転する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bに挟持されて、搬送向きに沿って搬送される。
【0030】
[排出ローラ対27]
排出ローラ対27は、搬送路17における搬送ローラ対25より搬送向きの下流に配置されている。排出ローラ対27は、互いに対向する排出ローラ27A及び拍車27Bを備える。排出ローラ27Aは、不図示のモータによって駆動される。拍車27Bは、排出ローラ27Aの回転に伴って連れ回る。シート12は、モータの正転駆動力が伝達されて正回転する排出ローラ27A及び拍車27Bに挟持されて、搬送向きに沿って搬送される。
【0031】
[記録部24、プラテン26]
記録部24(消費部の一例)及びプラテン26は、図1に示されるように、搬送向きにおける搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に配置されている。より詳細には、記録部24及びプラテン26は、搬送ローラ対25より搬送向きの下流で、且つ排出ローラ対27より搬送向きの上流に配置されている。また、記録部24及びプラテン26は、上下方向7において互いに対向して配置されている。
【0032】
記録部24は、キャリッジ22と、キャリッジ22に搭載された記録ヘッド21とを備える。キャリッジ22は、不図示のモータの駆動力が伝達されて左右方向9に往復移動する。記録ヘッド21の下面28には、複数のノズル29が形成されている。記録ヘッド21は、ピエゾ素子等の振動素子を振動させることによって、ノズル29からインク滴を吐出する。キャリッジ22が移動する過程において、プラテン26に支持されたシート12に対して記録ヘッド21がインク滴を選択的に吐出することによって、シート12に画像が記録される。
【0033】
キャリッジ22には、インクチューブ20及びフレキシブルフラットケーブル(不図示)が接続されている。インクチューブ20は、タンク103と記録ヘッド21とを接続する。より詳細には、インクチューブ20は、タンク103に装着された各インクカートリッジ30(カートリッジの一例)に貯留されたインク(液体の一例)を記録ヘッド21に供給する。インクチューブ20は、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のチューブが束ねられたものである。フレキシブルフラットケーブルは、複合機10の動作を制御する制御基板と記録ヘッド21とを電気的に接続する。
【0034】
[タンク103]
図2に示されるタンク103は、インクカートリッジ30から供給されたインクを貯留する。
【0035】
図2に示されるように、タンク103は、内部にインクを貯留する貯留室121(第2貯留室の一例)を有する箱形状である。タンク103は、後壁151と、前壁152と、上壁153と、下壁154と、段差壁156、157と、左右方向9に対向した一対の側壁155とで構成されている。
【0036】
前壁152は、第1前壁152Aと、第2前壁152Bと、第3前壁152Cとによって構成されている。第1前壁152Aは、上壁153の前端から下方へ延びている。第2前壁152Bは、第1前壁152Aより下方且つ前方に位置しており、下壁154から上方へ延びている。第3前壁152Cは、上下方向7における第1前壁152A及び第2前壁152Bの間であって、第1前壁152A及び第2前壁152Bより後方に位置している。段差壁156は、第1前壁152Aの下端と第3前壁152Cの上端とを繋いでいる。段差壁157は、第2前壁152Bの上端と第3前壁152Cの下端とを繋いでいる。
【0037】
タンク103を構成する壁のうち、少なくとも後壁151に形成された後述する液面センサ55のプリズム55Aを構成する部分は、液面センサ55の発光部55Bから出力させる光を透過する透光性を有する。
【0038】
貯留室121は、後壁151と、前壁152と、上壁153と、下壁154と、一対の側壁155とによって区画された空間であり、第1部分161と、第2部分162と、第3部分163とで構成されている。
【0039】
第1部分161は、貯留室121のうち、図2に示された破線131より下の部分である。第1部分161は、後壁151と、第2前壁152Bと、段差壁157と、下壁154と、一対の側壁155とによって区画されている。
【0040】
第2部分162は、貯留室121のうち、図2に示された破線130及び破線131の間の部分である。第2部分162は、後壁151と、第3前壁152Cと、一対の側壁155とによって区画されている。第2部分162は、第1部分161より上方に位置する。
【0041】
第3部分163は、貯留室121のうち、図2に示された破線130より上の部分である。第3部分163は、後壁151と、第1前壁152Aと、段差壁156と、上壁153と、一対の側壁155とによって区画されている。第3部分163は、第2部分162より上方に位置する。
【0042】
第3前壁152Cと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第2前壁152Bと後壁151との間の前後方向8の間隔より短い。よって、第2部分162の水平断面積(上下方向7に視たときに第3前壁152C、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮想面の面積)は、第1部分161の水平断面積(上下方向7に視たときに第2前壁152B、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮想面の面積)より小さい。
【0043】
第1前壁152Aと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第3前壁152Cと後壁151との間の前後方向8の間隔より長い。よって、第3部分163の水平断面積(上下方向7に視たときに第1前壁152A、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮想面の面積)は、第2部分162の水平断面積より大きい。
【0044】
第2前壁152Bと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第1前壁152Aと後壁151との間の前後方向8の間隔より長い。よって、第1部分161の水平断面積は、第3部分163の水平断面積より大きい。
【0045】
貯留室121の第1部分161は、流出口128を通じて、インクチューブ20に連通されている。流出口128は、貯留室121の下端を区画する下壁154付近に形成されている。流出口128は、接続管107より下方に位置する。貯留室121に貯留されたインクは、流出口128から流出して、インクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供給される。
【0046】
上壁153には連通口124(第2大気連通部の一例)が形成されている。連通口124は上壁153を貫通している。連通口124を通じて、貯留室121の第3部分163とタンク103の外部(大気)とが連通される。なお、連通口124は、半透膜によって閉塞されていてもよい。
【0047】
[接続管107]
図2に示されるように、段差壁157からは、接続管107(管の一例)が上方へ延びている。つまり、接続管107は、上下方向7に延びている。接続管107は、複合機10に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されている。
【0048】
接続管107は、円管状の樹脂からなるものである。接続管107の突出先端には開口109が形成されている。また、段差壁157に、流入口126が形成されている。流入口126は、開口109より下方にあり、流出口128より上方にある。流入口126によって、接続管107の内部空間107A(流路の一例)と貯留室121の第1部分161とが連通されている。
【0049】
開口109より下方、且つ、後述する所定位置P1より上方の所定範囲R1において、貯留室121の第1部分161の水平断面積は、内部空間107Aの水平断面積(上下方向7に視たときに接続管107の内側面で囲まれる仮想面の面積)より大きい。また、内部空間107Aは、上下方向7において、貯留室121の上端P2より下方にあり、且つ、貯留室121の下端P3より上方にある。
【0050】
[液面センサ55]
液面センサ55(検知部の一例)は、インクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズム55Aを利用して、貯留室121におけるインクの液面が所定位置P1になったことを検知するものである。
【0051】
所定位置P1は、上下方向7において、接続管107の開口109より下方、且つ、流入口126より上方の位置である。本実施形態において、所定位置P1は、上下方向7において、タンク103の貯留室121の第2部分162の位置である。すなわち、液面センサ55は、第2部分162に貯留されたインクの液面を検知するものである。
【0052】
液面センサ55は、プリズム55Aと、発光部55Bと、受光部(不図示)とを備える。貯留室121の第1部分161を区画する後壁151のうち、所定位置P1及びその近傍に亘る部分が、プリズム55Aを構成している。発光部55B及び受光部は、プリズム55Aの後方にプリズム55Aと対面して配置されている。発光部55Bは、プリズム55Aへ向けて光を照射する。受光部は、発光部55Bから照射されてプリズム55Aで反射した光を受け、受けた光の強度に基づいた信号を制御基板へ出力する。
【0053】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1より高いとき、発光部55Bから照射される光の光路上において、プリズム55Aにインクが接触する。このとき、発光部55Bからプリズム55Aへ照射された光は、プリズム55Aを透過して貯留室121に進入するため、受光部へ到達しない。このとき、受光部は、ローレベル信号を制御基板へ出力する。一方、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1以下のとき、発光部55Bから照射される光の光路上において、プリズム55Aにインクが接触しない。このとき、発光部55Bからプリズム55Aへ照射された光は、プリズム55Aで反射して受光部へ到達する。このとき、受光部は、ハイレベル信号を制御基板へ出力する。
【0054】
制御基板に実装されているコントローラは、液面センサ55からローレベル信号を受信した後にハイベル信号を受信したことに応じて、例えば、以下で詳述するインクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインクがタンク103に供給できなくなった旨の報知を行う。報知方法としては、例えば、複合機10が有するディスプレイなどを通じてユーザに報知する。つまり、コントローラは、タンク103の貯留室121に貯留されたインクの残量に基づいて、インクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインクがタンク103に供給できるか否かを判断する。
【0055】
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は、インクが貯留される容器である。インクカートリッジ30は、図2に示されるように、筐体31及びインク供給部34を有する。筐体31は、略直方体形状である。なお、異なる色のインクが貯留される各インクカートリッジ30の外形形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。筐体31は、後壁40と、前壁41と、上壁39と、下壁42と、左右方向に対向した一対の側壁37とで構成されている。筐体31の内部空間が、インクを貯留する貯留室32(第1貯留室の一例)である。
【0056】
インク供給部34は、下壁42の前端付近から下方へ突出している。インク供給部34は、円筒形状の部材である。インク供給部34の内部空間は、下壁42を貫通する流出口33を通じて貯留室32と連通している。インク供給部34の突出端は、インクカートリッジ30の外部に開口している。なお、各図には示されていないが、インク供給部34の突出端の開口は、シール部材やバルブなどによって閉じられており、使用に際して開放されるように構成されていてもよい。
【0057】
上壁39には連通口35(第1大気連通部の一例)が形成されている。連通口35は筐体31の上壁39を貫通している。連通口35を通じて、貯留室32とインクカートリッジ30の外部(大気)とが連通される。なお、連通口35は、半透膜によって閉塞されていてもよい。
【0058】
図2に示されるように、インクカートリッジ30は、上方からタンク103と接続される。詳細には、タンク103の接続管107が、インクカートリッジ30のインク供給部34の内部空間に下方から挿入されることによって、インクカートリッジ30のインク供給部34とタンク103の接続管107とが接続される。つまり、インクカートリッジ30は、上下方向7に沿って接続管107と接続される。
【0059】
インクカートリッジ30とタンク103とが接続された状態において、インクカートリッジ30の貯留室32から、タンク103の接続管107の開口109を通じて、接続管107の内部空間107Aへ、貯留室32に貯留されたインクが流入する。インクは内部空間107Aを下方へ向けて流通し、流入口126を通じて、タンク103の貯留室121の第1部分161へ流入する。以上のようにして、インクカートリッジ30とタンク103とが接続された状態において、接続管107の内部空間107Aを通じて、インクカートリッジ30の貯留室32と、タンク103の貯留室121との間でインクが流通可能になる。
【0060】
図2に示される複合機10の姿勢が使用姿勢である。複合機10は、使用姿勢において画像記録などの各種動作が実行される。以下、画像記録の実行によってインクカートリッジ30の貯留室32及びタンクの貯留室121に貯留されたインクが消費されて、液面センサ55による検知が実行される過程が説明される。
【0061】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態では、貯留室32と貯留室121との間でインクの流通が可能であるため、水頭差によって貯留室32にの液面と貯留室121の液面とが等しくなる。
【0062】
画像記録が実行されると、貯留室32、121に貯留されたインクが流出口128から記録ヘッド21へ流出する。このとき、貯留室32からのインクの流出量と、貯留室121からのインクの流出量とが等しいとは限らない。そのため、貯留室32、121の一方の液面が貯留室32、121の他方の液面よりも一時的に低くなることがある。しかし、時間が経過すると水頭差によって貯留室32の液面の高さと、貯留室121の液面の高さとは等しくなる。このようにして、画像記録の実行によるインクの消費によって、貯留室32、121の液面は下がっていく。そして、下がった液面は、接続管107の内部空間107Aと、貯留室121の第2部分162とに位置するようになる。このときの液面が、位置P6として図2に一点鎖線で示されている。
【0063】
液面が位置P6の状態で画像記録が実行されると、貯留室32、121に貯留されたインクが消費される。当該消費によって、貯留室121の第2部分162の液面が下がって所定位置P1に達すると、液面センサ55はハイレベル信号をコントローラへ出力する。
当該ハイレベル信号を受信したコントローラは、インクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインクがタンク103に供給できなくなった旨の報知を行う。
【0064】
ここで、所定位置P1より上方且つ開口109より下方である位置P6において、第2部分162の水平断面積は、内部空間107Aの水平断面積より大きい。そのため、第2部分162の液面は、内部空間107Aの液面よりも下がりにくい。換言すると、内部空間107Aの液面は、第2部分162の液面よりも下がりやすい。つまり、上述した画像記録において第2部分162の液面が所定位置P1に達した状態において、内部空間107Aの液面は所定位置P1より下方に位置する可能性が高い。すなわち、上述した報知が行われたとき、インクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインクはタンク103に供給できない状態となっている可能性が高い。
【0065】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、液面センサ55が液面を検知する所定位置P1は、接続管107の開口109より下方且つタンク103の流入口126より上方にある。つまり、所定位置P1は、接続管107の内部空間107Aと同じ高さにある。よって、貯留室121からのインクの流出によって液面が所定位置P1となり液面センサ55によって検知された状態では、液面は、貯留室121と内部空間107Aとに存在する。
【0066】
ここで、本実施形態では、所定位置P1より上方且つ開口109より下方において、貯留室121の水平断面積は、接続管107の内部空間107Aの水平断面積より大きい。
そのため、液面が貯留室121と内部空間107Aとに存在する状態では、貯留室121の液面は下がりにくい。よって、液面が所定位置P1となり液面センサ55によって検知された状態では、貯留室32に貯留室121へ供給可能なインクが残っていない可能性が高い。つまり、貯留室32にインクが十分に残っている状態で、貯留室32に貯留室121へ供給可能なインクが残っていないと検知してしまうような誤検知の可能性を低くすることができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、上下方向7における所定位置P1周辺において内部空間107Aが上下方向7に延びているため、内部空間107Aの液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって内部空間107Aの液面と貯留室121の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30の貯留室32からタンク103の貯留室121に供給可能なインクがなくなった後であっても、貯留室121の第1部分161に多くのインクが残る。そして、第1部分161に残ったインクを記録部24へ供給することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、所定位置P1は第1部分161ではなく第2部分162にあり、第2部分162の水平断面積は第1部分161の水平断面積より小さい。つまり、液面センサ55は、水平断面積の小さい第2部分162にある液面を検知する。そのため、所定位置P1が第1部分161にある場合より、液面センサ55による検知精度を高くすることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、貯留室121が第3部分163を有するため、貯留室121に多くのインクを貯留することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、流出口128が流入口126より下方に位置する。そのため、インクカートリッジ30の貯留室32から流入口126を通じてタンク103の貯留室121へのインクが流入されなくなった後であっても、貯留室121における流入口126より下方且つ流出口128より上方にあるインクを記録部24へ供給することができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、接続管107が上下方向7に延びているため、接続管107の内部空間107Aの液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって内部空間107Aの液面と貯留室121の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【0073】
[変形例]
上記実施形態では、液面センサ55は、プリズム55Aを利用するものであった。しかし、液面センサ55には、他の公知の構成が採用されてもよい。
【0074】
例えば、液面センサ55は、図3に示されるように構成されていてもよい。図3に示される液面センサ55は、貯留室121に配置された被検知部材55Cと、発光部55Bと、受光部(不図示)とを備える。
【0075】
被検知部材55Cは、フロート61とアーム62とを有する。フロート61は、貯留室121に貯留されたインクより比重が小さい。したがって、貯留室121内において、フロート61はインク中に存在する状態において浮力を生じさせる。アーム62は、フロート61から上方へ延びている。アーム62の先端部62Aは板状になっている。被検知部材55Cは、下部に形成された回動軸63を中心として回動可能に、タンク103によって支持されている。
【0076】
発光部55B及び受光部は、左右方向にタンク103を挟むように対向配置されている。発光部55Bは、受光部へ向けて光を照射する。受光部は、発光部55Bから照射された光を受け、受けた光の強度に基づいた信号を制御基板へ出力する。なお、発光部55Bと受光部との間の左右方向の距離を短くして発光部55Bから受光部へ光を確実に到達させるために、発光部55B及び受光部の間の部分におけるタンク103の左右方向の長さが、他の部分におけるタンク103の左右方向の長さより短く構成されていてもよい。
【0077】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1より高いとき、被検知部材55Cは、フロート61の浮力によって図3に実線で示された第1位置にある。このとき、被検知部材55Cのアーム62の先端部62Aは、左右方向において発光部55Bと受光部との間、つまり発光部55Bによって照射される光の光路上に位置する。そのため、発光部55Bから照射された光は、アーム62の先端部62Aに阻まれて、受光部へ到達しない。このとき、受光部は、ローレベル信号を制御基板へ出力する。
【0078】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1以下まで下がると、フロート61は液面と共に下降する。これにより、被検知部材55Cは、図3に破線で示された第2位置へ回動する。このとき、アーム62の先端部62Aは、左右方向において発光部55Bと受光部との間から退避した位置、つまり発光部55Bによって照射される光の光路から外れた位置にある。そのため、発光部55Bから照射された光は、受光部へ到達する。
このとき、受光部は、ハイレベル信号を制御基板へ出力する。
【0079】
また、例えば、液面センサ55として、貯留室121に挿入された電極棒が採用されてもよい。この場合、貯留室121に2本の電極棒が配置される。2本の電極棒は不図示の基板に実装されている。2本の電極の一方の下端は、所定位置P1よりも若干高い位置にある。2本の電極の他方の下端は、所定位置P1よりも下方に位置する。そして、2本の電極間にインクを通じて電流が流れるか否かに基づいて、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1以下であるか否かが検知される。
【0080】
タンク103の構成は、貯留室121の上端が接続管107の内部空間107Aより上方にあり、貯留室121の下端が接続管107の内部空間107Aより下方にあり、所定位置P1より上方且つ開口109より下方において貯留室121の水平断面積が内部空間107Aの水平断面積より大きいとの条件を満たす限り、図2に示されたようなものに限らず、以下で説明するような様々な構成であってもよい。
【0081】
上記実施形態において、タンク103の接続管107は、上下方向7に延びていたが、上下方向7以外に延びていてもよい。例えば、接続管107は、上下方向7に対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、上記実施形態において、インクカートリッジ30は、上下方向7に沿って接続管107と接続されたが、上下方向7以外(例えば前後方向8)に沿って接続管107と接続されてもよい。
【0082】
例えば、図4に示されるように、インクカートリッジ30が前方からタンク103と接続されるようにインクカートリッジ30及びタンク103が構成されている場合に、タンク103の接続管107は、上下方向7に延びる鉛直部107Bと、前後方向8に延びる水平部107Cとを備えていてもよい。接続管107が鉛直部107Bを備える構成の場合、所定位置P1は、鉛直部107Bの上端P4より下方であり、且つ、鉛直部107Bの下端P5より上方に位置する。図4に示される構成では、接続管107の一部が鉛直部107Bである一方、上記実施形態(図2に示される構成)では、接続管107の全部が鉛直部である。
【0083】
上記実施形態において、所定位置P1は第2部分162にあった。つまり、液面センサ55は第2部分162の液面を検知するものであった。よって、上記実施形態における液面センサ55のプリズム55Aや、上記変形例における液面センサ55の被検知部材55Cは、第2部分162に形成されていた。しかし、所定位置P1は、第2部分162以外にあってもよい。つまり、液面センサ55は、第2部分162以外の液面を検知するものであってもよい。
【0084】
例えば、図5に示されるように、第3部分163の下端が開口109より下方にあるようにタンク103が構成されている場合に、所定位置P1が第3部分163にあってもよい。つまり、液面センサ55は第3部分163の液面を検知するものであってもよい
【0085】
上記実施形態では、流入口126は、貯留室121の第1部分161と連通していたが、第1部分161以外と連通していてもよい。例えば、図6に示されるように、流入口126は、第2部分162と連通していてもよい。
【0086】
上記実施形態において、第1部分161の水平断面積が第2部分162の水平断面積より大きく、第3部分163の水平断面積が第2部分162の水平断面積より大きく、第1部分161の水平断面積が第3部分163の水平断面積より大きかった。しかし、第1部分161、第2部分162、及び第3部分163の各水平断面積の大小関係は、上記に限らず、例えば第2部分162の水平断面積が第1部分161や第3部分163の水平断面積より大きくてもよい。
【0087】
タンク103は、図2に示されるような第1部分161、第2部分162、及び第3部分163の全てを有する形状でなくてもよい。例えば、タンク103は、図7(A)に示されるように、第1部分161及び第2部分162のみを有しており第3部分163を有していない形状であってもよい。図7(A)に示される構成の場合、第2部分162は、後壁151と、第3前壁152Cと、上壁153と、一対の側壁155とによって区画されている。また、例えば、タンク103は、図7(B)に示されるように、単なる直方体形状であってもよい。
【0088】
上記実施形態では、連通口124は上壁153に形成されていた。しかし、連通口124は上壁153以外、例えば第1前壁152Aに形成されていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、連通口35は上壁39に形成されていた。しかし、連通口35は上壁39以外、例えば前壁41に形成されていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、インクが液体の一例として説明され、記録部24が消費部の一例として説明されているが、これに限らない。例えば、印刷時にインクに先立ってローラによって用紙などに前処理液を塗布する装置に本発明が適用された場合、前処理液が液体の一例であり、ローラが消費部の一例である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・複合機(システム)
24・・・記録部(消費部)
30・・・インクカートリッジ(カートリッジ)
32・・・貯留室(第1貯留室)
35・・・連通口(第1大気連通部)
55・・・液面センサ(検知部)
103・・・タンク
107・・・接続管(管)
107A・・・内部空間
109・・・開口
121・・・貯留室(第2貯留室)
124・・・連通口(第2大気連通部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-09-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する第1の内部空間と、
上記第1の内部空間と連通し、液体を貯留する第2の内部空間と、
液体を消費する消費部と、
上記消費部が液体を消費するとき、上記第1の内部空間を大気に連通させる第1大気連通部と、
上記消費部が液体を消費するとき、上記第2の内部空間を大気に連通させる第2大気連通部と、
上記第2の内部空間に貯留された液体の液面の上下方向の位置が所定位置になったことを検知する検知部と、を備え、
上記所定位置より上方において、上記第2の内部空間の水平断面積は、上記第1の内部空間の水平断面積より大きいシステム。
【請求項2】
上記第1の内部空間において上記所定位置の液体の液面は1つである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記第1の内部空間は、鉛直方向に延びる鉛直部を有しており、
上記所定位置は、上記鉛直部の上端より下方且つ上記鉛直部の下端より上方である請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
上記第2の内部空間は、
第1部分と、
上記第1部分より上方であって上記第1部分より水平断面積の小さい第2部分と、を有しており、
上記第1の内部空間は、上記第1部分と連通しており、
上記検知部は、上記第2部分に貯留された液体の液面を検知する請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
上記第2部分の上端は、上記第1の内部空間の上端より上方にある請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
上記第2の内部空間は、上記第2部分より上方であって上記第2部分より水平断面積の大きい第3部分を有する請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
上記検知部は、
上記第2の内部空間において、上記所定位置に設けられたプリズムと、
上記プリズムへ向けて光を照射する発光部と、を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
上記検知部は、
光を照射する発光部と、
上記第2の内部空間に設けられており、上記第2の内部空間に貯留された液体より比重が小さいフロートを有し、上記第2の内部空間に貯留された液体の液面の上下方向の位置が上記所定位置になると、上記発光部によって照射された光の光路上の位置または上記光路から外れた位置の一方から他方へ移動する被検知部材と、を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
上記第2の内部空間は、上記第2の内部空間に貯留された液体が流出する流出口と、上記第1の内部空間からの液体が流入する流入口を有するタンクに形成されており、
上記流出口は、上記流入口より下方に位置する請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
上記システムは、液体を貯留し、上記第1の内部空間と接続可能である貯留室を有する筐体を有し、
上記第1の内部空間は、鉛直方向に延びており、
上記筐体は、上記鉛直方向に沿って上記第1の内部空間と接続される請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の内部空間と第2の内部空間との間で液体が流通するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、カートリッジから水頭圧によってタンクへ液体を供給し、タ
ンクから液体を消費するヘッド(消費部)へ液体を供給するシステムが開示されている。
特許文献1に開示されたシステムでは、カートリッジ内に設けられたセンサアームをセン
サで検知することによって、カートリッジ内の液体残量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-238792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、カートリッジから水頭圧によってタンクに液体を供給するシステムでは、タン
ク内の液体残量を検知するものも知られている。タンク内の液体残量を検知する構成にお
いては、例えば、タンク内の液体残量をセンサによって検知した場合に、その検知に対応
させて、カートリッジ内の液体残量を検知する様なシステムが考えられる。しかしながら
、この様なシステムでは、以下の問題が生じるおそれがある。
【0005】
上記システムにおいて、タンクからヘッドへ液体が供給されると、一時的に、タンク内
の液面がカートリッジ内の液面より低くなる場合がある。そのため、例えば、カートリッ
ジ内に液体が十分に残っているにもかかわらず、センサがタンク内の液面を検知すること
によって、カートリッジ内にタンクに供給可能な液体が残っていないと検知してしまう。
つまり、カートリッジ内の液体残量を誤検知してしまう。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンク内の液体残量
を検知するシステムにおいて、液体残量の誤検知の可能性を低くすることができるシステ
ムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るシステムは、液体を貯留する第1の内部空間と、上記第1の内部空間と連通し、液体を貯留する第2の内部空間と、液体を消費する消費部と、上記消費部が液体を消費するとき、上記第1の内部空間を大気に連通させる第1大気連通部と、上記消費部が液体を消費するとき、上記第2の内部空間を大気に連通させる第2大気連通部と、上記第2の内部空間に貯留された液体の液面の上下方向の位置が所定位置になったことを検知する検知部と、を備え、上記所定位置より上方において、上記第2の内部空間の水平断面積は、上記第1の内部空間の水平断面積より大きい
【0008】
上記構成では、検知部が液面を検知する所定位置は、第1の内部空間と同じ高さにある。よって、第1の内部空間からの液体の流出によって液面が所定位置となり検知部によって検知された状態では、液面は、第1の内部空間第2の内部空間とに存在する。
【0009】
ここで、上記構成では、所定位置より上方おいて、第2の内部空間の水平断面積は、第1の内部空間の水平断面積より大きい。そのため、液面が第2の内部空間と流路とに存在する状態では、第2の内部空間の液面は下がりにくい。よって、液面が所定位置となり検知部によって検知された状態では、第1の内部空間第2の内部空間へ供給可能な液体が残っていない可能性が高い。つまり、第1の内部空間に液体が十分に残っている状態で、第1の内部空間第2の内部空間へ供給可能な液体が残っていないと検知してしまうような誤検知の可能性を低くすることができる。
【0010】
(2) 上記第1の内部空間は、鉛直方向に延びる鉛直部を有している。上記所定位置は、上記鉛直部の上端より下方且つ上記鉛直部の下端より上方である。
【0011】
上記構成によれば、上下方向における所定位置周辺において第1の内部空間の液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって第1の内部空間の液面と第2の内部空間の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【0012】
(3) 上記第2の内部空間は、第1部分と、上記第1部分より上方であって上記第1部分より水平断面積の小さい第2部分と、を有している。第1の内部空間は、上記第1部分と連通している。上記検知部は、上記第2部分に貯留された液体の液面を検知する。
【0013】
上記構成によれば、第1の内部空間から第2の内部空間に供給可能な液体がなくなった後であっても、第2の内部空間の第1部分に多くの液体が残る。そして、第1部分に残った液体を消費部へ供給することができる。
【0014】
また、上記構成によれば、所定位置は第1部分ではなく第2部分にあり、第2部分の水
平断面積は第1部分の水平断面積より小さい。つまり、検知部は、水平断面積の小さい第
2部分にある液面を検知する。そのため、所定位置が第1部分にある場合より、検知部に
よる検知精度を高くすることができる。
【0015】
(4) 上記第2の内部空間は、上記第2部分より上方であって上記第2部分より水平断面積の大きい第3部分を有する。
【0016】
上記構成によれば、第2の内部空間が第3部分を有するため、第2の内部空間に多くの液体を貯留することができる。
【0017】
(5) 例えば、上記検知部は、上記第2の内部空間において、上記所定位置に設けられたプリズムと、上記プリズムへ向けて光を照射する発光部と、を備える。
【0018】
(6) 例えば、上記検知部は、光を照射する発光部と、上記第2の内部空間に設けられており、上記第2の内部空間に貯留された液体より比重が小さいフロートを有し、上記第2の内部空間に貯留された液体の液面の上下方向の位置が上記所定位置になると、上記発光部によって照射された光の光路上の位置または上記光路から外れた位置の一方から他方へ移動する被検知部材と、を備える。
【0019】
(7) 上記タンクは、上記第2の内部空間に貯留された液体が流出する流出口を有している。上記流出口は、上記流入口より下方に位置する。
【0020】
上記構成によれば、第1の内部空間から流入口を通じて第2の内部空間への液体が流入されなくなった後であっても、第2の内部空間における流入口より下方且つ流出口より上方にある液体を消費部へ供給することができる。
【0021】
(8) 上記第1の内部空間は、鉛直方向に延びている。筐体は、上記鉛直方向に沿って上記第1の内部空間と接続される。
【0022】
上記構成によれば、第1の内部空間の液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって第1の内部空間の液面と第2の内部空間の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、液体残量の誤検知の可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図2図2は、インクカートリッジ30とタンク103とが接続された状態を模式 的に示す縦断面図である。
図3図3は、インクカートリッジ30と、被検知部材55Cを有する液面センサ 55を備えるタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図4図4は、インクカートリッジ30と、鉛直部107Bを有する接続管107 を備えるタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図5図5は、インクカートリッジ30と、所定位置P1が第3部分163にある タンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図6図6は、インクカートリッジ30と、流入口126が第2部分162と連通 されたタンク103とが接続された状態を模式的に示す縦断面図である。
図7図7(A)は、第1部分161及び第2部分162のみを有するタンク10 3を模式的に示す縦断面図であり、図7(B)は、直方体形状のタンク103を模式 的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明
の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できる
ことは言うまでもない。また、複合機10が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1
姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義さ
れ、複合機10の給送トレイ15からシート12が給送される方向を後方として前後方向
8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向が定義される。図1図7において、
紙面の奥へ向かう向きが右向きである。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7
が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向が水平方向に相当する。前後方向8及び左
右方向9は、直交している。
【0026】
[第1実施形態]
[複合機10の全体構成]
複合機10(システムの一例)は、インクジェット記録方式でシート12に画像を記録
するプリンタ部11を有している。また、複合機10は、ファクシミリ機能、スキャン機
能、及びコピー機能などの各種の機能を有していてもよい。図1に示されるように、プリ
ンタ部11は、給送トレイ15と、排出トレイ16と、給送ローラ23と、搬送ローラ対
25と、排出ローラ対27と、記録部24と、プラテン26とを有する。
【0027】
[給送トレイ15、排出トレイ16、給送ローラ23]
図1に示されるように、給送トレイ15は、各々が積層された複数のシート12を支持
する。排出トレイ16は、給送トレイ15の上方に配置されている。排出トレイ16は、
記録部24及びプラテン26の間から排出ローラ対27によって排出されたシート12を
支持する。給送ローラ23は、不図示のモータによって駆動されることによって、給送ト
レイ15に支持されたシート12を搬送路17へ給送する。
【0028】
[搬送路17]
搬送路17は、ガイド部材18、19、記録部24、プラテン26等によって形成され
る空間を指す。ガイド部材18、19と、記録部24及びプラテン26とは、それぞれが
プリンタ部11の内部において所定間隔で対向する。搬送路17は、給送トレイ15の後
端部から上方に延びつつUターンし、記録部24に対面する位置を経由して排出トレイ1
6に至る経路である。搬送向きは、図1において一点鎖線の矢印で示されている。
【0029】
[搬送ローラ対25]
搬送ローラ対25は、搬送路17に配置されている。搬送ローラ対25は、互いに対向
する搬送ローラ25A及びピンチローラ25Bを備える。搬送ローラ25Aは、不図示の
モータによって駆動される。ピンチローラ25Bは、搬送ローラ25Aの回転に伴って連
れ回る。シート12は、モータの正転駆動力が伝達されて正回転する搬送ローラ25A及
びピンチローラ25Bに挟持されて、搬送向きに沿って搬送される。
【0030】
[排出ローラ対27]
排出ローラ対27は、搬送路17における搬送ローラ対25より搬送向きの下流に配置
されている。排出ローラ対27は、互いに対向する排出ローラ27A及び拍車27Bを備
える。排出ローラ27Aは、不図示のモータによって駆動される。拍車27Bは、排出ロ
ーラ27Aの回転に伴って連れ回る。シート12は、モータの正転駆動力が伝達されて正
回転する排出ローラ27A及び拍車27Bに挟持されて、搬送向きに沿って搬送される。
【0031】
[記録部24、プラテン26]
記録部24(消費部の一例)及びプラテン26は、図1に示されるように、搬送向きに
おける搬送ローラ対25及び排出ローラ対27の間に配置されている。より詳細には、記
録部24及びプラテン26は、搬送ローラ対25より搬送向きの下流で、且つ排出ローラ
対27より搬送向きの上流に配置されている。また、記録部24及びプラテン26は、上
下方向7において互いに対向して配置されている。
【0032】
記録部24は、キャリッジ22と、キャリッジ22に搭載された記録ヘッド21とを備
える。キャリッジ22は、不図示のモータの駆動力が伝達されて左右方向9に往復移動す
る。記録ヘッド21の下面28には、複数のノズル29が形成されている。記録ヘッド2
1は、ピエゾ素子等の振動素子を振動させることによって、ノズル29からインク滴を吐
出する。キャリッジ22が移動する過程において、プラテン26に支持されたシート12
に対して記録ヘッド21がインク滴を選択的に吐出することによって、シート12に画像
が記録される。
【0033】
キャリッジ22には、インクチューブ20及びフレキシブルフラットケーブル(不図示
)が接続されている。インクチューブ20は、タンク103と記録ヘッド21とを接続す
る。より詳細には、インクチューブ20は、タンク103に装着された各インクカートリ
ッジ30(カートリッジの一例)に貯留されたインク(液体の一例)を記録ヘッド21に
供給する。インクチューブ20は、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のイ
ンクが流通する4本のチューブが束ねられたものである。フレキシブルフラットケーブル
は、複合機10の動作を制御する制御基板と記録ヘッド21とを電気的に接続する。
【0034】
[タンク103]
図2に示されるタンク103は、インクカートリッジ30から供給されたインクを貯留
する。
【0035】
図2に示されるように、タンク103は、内部にインクを貯留する貯留室121(第2
貯留室の一例)を有する箱形状である。タンク103は、後壁151と、前壁152と、
上壁153と、下壁154と、段差壁156、157と、左右方向9に対向した一対の側
壁155とで構成されている。
【0036】
前壁152は、第1前壁152Aと、第2前壁152Bと、第3前壁152Cとによっ
て構成されている。第1前壁152Aは、上壁153の前端から下方へ延びている。第2
前壁152Bは、第1前壁152Aより下方且つ前方に位置しており、下壁154から上
方へ延びている。第3前壁152Cは、上下方向7における第1前壁152A及び第2前
壁152Bの間であって、第1前壁152A及び第2前壁152Bより後方に位置してい
る。段差壁156は、第1前壁152Aの下端と第3前壁152Cの上端とを繋いでいる
。段差壁157は、第2前壁152Bの上端と第3前壁152Cの下端とを繋いでいる。
【0037】
タンク103を構成する壁のうち、少なくとも後壁151に形成された後述する液面セ
ンサ55のプリズム55Aを構成する部分は、液面センサ55の発光部55Bから出力さ
せる光を透過する透光性を有する。
【0038】
貯留室121は、後壁151と、前壁152と、上壁153と、下壁154と、一対の
側壁155とによって区画された空間であり、第1部分161と、第2部分162と、第
3部分163とで構成されている。
【0039】
第1部分161は、貯留室121のうち、図2に示された破線131より下の部分であ
る。第1部分161は、後壁151と、第2前壁152Bと、段差壁157と、下壁15
4と、一対の側壁155とによって区画されている。
【0040】
第2部分162は、貯留室121のうち、図2に示された破線130及び破線131の
間の部分である。第2部分162は、後壁151と、第3前壁152Cと、一対の側壁1
55とによって区画されている。第2部分162は、第1部分161より上方に位置する
【0041】
第3部分163は、貯留室121のうち、図2に示された破線130より上の部分であ
る。第3部分163は、後壁151と、第1前壁152Aと、段差壁156と、上壁15
3と、一対の側壁155とによって区画されている。第3部分163は、第2部分162
より上方に位置する。
【0042】
第3前壁152Cと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第2前壁152Bと後壁
151との間の前後方向8の間隔より短い。よって、第2部分162の水平断面積(上下
方向7に視たときに第3前壁152C、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮
想面の面積)は、第1部分161の水平断面積(上下方向7に視たときに第2前壁152
B、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮想面の面積)より小さい。
【0043】
第1前壁152Aと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第3前壁152Cと後壁
151との間の前後方向8の間隔より長い。よって、第3部分163の水平断面積(上下
方向7に視たときに第1前壁152A、後壁151、及び一対の側壁155で囲まれる仮
想面の面積)は、第2部分162の水平断面積より大きい。
【0044】
第2前壁152Bと後壁151との間の前後方向8の間隔は、第1前壁152Aと後壁
151との間の前後方向8の間隔より長い。よって、第1部分161の水平断面積は、第
3部分163の水平断面積より大きい。
【0045】
貯留室121の第1部分161は、流出口128を通じて、インクチューブ20に連通
されている。流出口128は、貯留室121の下端を区画する下壁154付近に形成され
ている。流出口128は、接続管107より下方に位置する。貯留室121に貯留された
インクは、流出口128から流出して、インクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供
給される。
【0046】
上壁153には連通口124(第2大気連通部の一例)が形成されている。連通口12
4は上壁153を貫通している。連通口124を通じて、貯留室121の第3部分163
とタンク103の外部(大気)とが連通される。なお、連通口124は、半透膜によって
閉塞されていてもよい。
【0047】
[接続管107]
図2に示されるように、段差壁157からは、接続管107(管の一例)が上方へ延び
ている。つまり、接続管107は、上下方向7に延びている。接続管107は、複合機1
0に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されて
いる。
【0048】
接続管107は、円管状の樹脂からなるものである。接続管107の突出先端には開口
109が形成されている。また、段差壁157に、流入口126が形成されている。流入
口126は、開口109より下方にあり、流出口128より上方にある。流入口126に
よって、接続管107の内部空間107A(流路の一例)と貯留室121の第1部分16
1とが連通されている。
【0049】
開口109より下方、且つ、後述する所定位置P1より上方の所定範囲R1において、
貯留室121の第1部分161の水平断面積は、内部空間107Aの水平断面積(上下方
向7に視たときに接続管107の内側面で囲まれる仮想面の面積)より大きい。また、内
部空間107Aは、上下方向7において、貯留室121の上端P2より下方にあり、且つ
、貯留室121の下端P3より上方にある。
【0050】
[液面センサ55]
液面センサ55(検知部の一例)は、インクが接触しているか否かによって異なる反射
率を有するプリズム55Aを利用して、貯留室121におけるインクの液面が所定位置P
1になったことを検知するものである。
【0051】
所定位置P1は、上下方向7において、接続管107の開口109より下方、且つ、流
入口126より上方の位置である。本実施形態において、所定位置P1は、上下方向7に
おいて、タンク103の貯留室121の第2部分162の位置である。すなわち、液面セ
ンサ55は、第2部分162に貯留されたインクの液面を検知するものである。
【0052】
液面センサ55は、プリズム55Aと、発光部55Bと、受光部(不図示)とを備える
。貯留室121の第1部分161を区画する後壁151のうち、所定位置P1及びその近
傍に亘る部分が、プリズム55Aを構成している。発光部55B及び受光部は、プリズム
55Aの後方にプリズム55Aと対面して配置されている。発光部55Bは、プリズム5
5Aへ向けて光を照射する。受光部は、発光部55Bから照射されてプリズム55Aで反
射した光を受け、受けた光の強度に基づいた信号を制御基板へ出力する。
【0053】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1より高いとき、発光部55Bか
ら照射される光の光路上において、プリズム55Aにインクが接触する。このとき、発光
部55Bからプリズム55Aへ照射された光は、プリズム55Aを透過して貯留室121
に進入するため、受光部へ到達しない。このとき、受光部は、ローレベル信号を制御基板
へ出力する。一方、貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1以下のとき、
発光部55Bから照射される光の光路上において、プリズム55Aにインクが接触しない
。このとき、発光部55Bからプリズム55Aへ照射された光は、プリズム55Aで反射
して受光部へ到達する。このとき、受光部は、ハイレベル信号を制御基板へ出力する。
【0054】
制御基板に実装されているコントローラは、液面センサ55からローレベル信号を受信
した後にハイベル信号を受信したことに応じて、例えば、以下で詳述するインクカートリ
ッジ30の貯留室32に貯留されているインクがタンク103に供給できなくなった旨の
報知を行う。報知方法としては、例えば、複合機10が有するディスプレイなどを通じて
ユーザに報知する。つまり、コントローラは、タンク103の貯留室121に貯留された
インクの残量に基づいて、インクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインク
がタンク103に供給できるか否かを判断する。
【0055】
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は、インクが貯留される容器である。インクカートリッジ30
は、図2に示されるように、筐体31及びインク供給部34を有する。筐体31は、略直
方体形状である。なお、異なる色のインクが貯留される各インクカートリッジ30の外形
形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。筐体31は、後壁40と、前壁4
1と、上壁39と、下壁42と、左右方向に対向した一対の側壁37とで構成されている
。筐体31の内部空間が、インクを貯留する貯留室32(第1貯留室の一例)である。
【0056】
インク供給部34は、下壁42の前端付近から下方へ突出している。インク供給部34
は、円筒形状の部材である。インク供給部34の内部空間は、下壁42を貫通する流出口
33を通じて貯留室32と連通している。インク供給部34の突出端は、インクカートリ
ッジ30の外部に開口している。なお、各図には示されていないが、インク供給部34の
突出端の開口は、シール部材やバルブなどによって閉じられており、使用に際して開放さ
れるように構成されていてもよい。
【0057】
上壁39には連通口35(第1大気連通部の一例)が形成されている。連通口35は筐
体31の上壁39を貫通している。連通口35を通じて、貯留室32とインクカートリッ
ジ30の外部(大気)とが連通される。なお、連通口35は、半透膜によって閉塞されて
いてもよい。
【0058】
図2に示されるように、インクカートリッジ30は、上方からタンク103と接続され
る。詳細には、タンク103の接続管107が、インクカートリッジ30のインク供給部
34の内部空間に下方から挿入されることによって、インクカートリッジ30のインク供
給部34とタンク103の接続管107とが接続される。つまり、インクカートリッジ3
0は、上下方向7に沿って接続管107と接続される。
【0059】
インクカートリッジ30とタンク103とが接続された状態において、インクカートリ
ッジ30の貯留室32から、タンク103の接続管107の開口109を通じて、接続管
107の内部空間107Aへ、貯留室32に貯留されたインクが流入する。インクは内部
空間107Aを下方へ向けて流通し、流入口126を通じて、タンク103の貯留室12
1の第1部分161へ流入する。以上のようにして、インクカートリッジ30とタンク1
03とが接続された状態において、接続管107の内部空間107Aを通じて、インクカ
ートリッジ30の貯留室32と、タンク103の貯留室121との間でインクが流通可能
になる。
【0060】
図2に示される複合機10の姿勢が使用姿勢である。複合機10は、使用姿勢において
画像記録などの各種動作が実行される。以下、画像記録の実行によってインクカートリッ
ジ30の貯留室32及びタンクの貯留室121に貯留されたインクが消費されて、液面セ
ンサ55による検知が実行される過程が説明される。
【0061】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態では、貯留室3
2と貯留室121との間でインクの流通が可能であるため、水頭差によって貯留室32に
の液面と貯留室121の液面とが等しくなる。
【0062】
画像記録が実行されると、貯留室32、121に貯留されたインクが流出口128から
記録ヘッド21へ流出する。このとき、貯留室32からのインクの流出量と、貯留室12
1からのインクの流出量とが等しいとは限らない。そのため、貯留室32、121の一方
の液面が貯留室32、121の他方の液面よりも一時的に低くなることがある。しかし、
時間が経過すると水頭差によって貯留室32の液面の高さと、貯留室121の液面の高さ
とは等しくなる。このようにして、画像記録の実行によるインクの消費によって、貯留室
32、121の液面は下がっていく。そして、下がった液面は、接続管107の内部空間
107Aと、貯留室121の第2部分162とに位置するようになる。このときの液面が
、位置P6として図2に一点鎖線で示されている。
【0063】
液面が位置P6の状態で画像記録が実行されると、貯留室32、121に貯留されたイ
ンクが消費される。当該消費によって、貯留室121の第2部分162の液面が下がって
所定位置P1に達すると、液面センサ55はハイレベル信号をコントローラへ出力する。
当該ハイレベル信号を受信したコントローラは、インクカートリッジ30の貯留室32に
貯留されているインクがタンク103に供給できなくなった旨の報知を行う。
【0064】
ここで、所定位置P1より上方且つ開口109より下方である位置P6において、第2
部分162の水平断面積は、内部空間107Aの水平断面積より大きい。そのため、第2
部分162の液面は、内部空間107Aの液面よりも下がりにくい。換言すると、内部空
間107Aの液面は、第2部分162の液面よりも下がりやすい。つまり、上述した画像
記録において第2部分162の液面が所定位置P1に達した状態において、内部空間10
7Aの液面は所定位置P1より下方に位置する可能性が高い。すなわち、上述した報知が
行われたとき、インクカートリッジ30の貯留室32に貯留されているインクはタンク1
03に供給できない状態となっている可能性が高い。
【0065】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、液面センサ55が液面を検知する所定位置P1は、接続管107
の開口109より下方且つタンク103の流入口126より上方にある。つまり、所定位
置P1は、接続管107の内部空間107Aと同じ高さにある。よって、貯留室121か
らのインクの流出によって液面が所定位置P1となり液面センサ55によって検知された
状態では、液面は、貯留室121と内部空間107Aとに存在する。
【0066】
ここで、本実施形態では、所定位置P1より上方且つ開口109より下方において、貯
留室121の水平断面積は、接続管107の内部空間107Aの水平断面積より大きい。
そのため、液面が貯留室121と内部空間107Aとに存在する状態では、貯留室121
の液面は下がりにくい。よって、液面が所定位置P1となり液面センサ55によって検知
された状態では、貯留室32に貯留室121へ供給可能なインクが残っていない可能性が
高い。つまり、貯留室32にインクが十分に残っている状態で、貯留室32に貯留室12
1へ供給可能なインクが残っていないと検知してしまうような誤検知の可能性を低くする
ことができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、上下方向7における所定位置P1周辺において内部空間1
07Aが上下方向7に延びているため、内部空間107Aの液面の位置が変化し易くなる
。これにより、水頭差によって内部空間107Aの液面と貯留室121の液面とが等しく
なるまでの時間を短くすることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30の貯留室32からタンク103の
貯留室121に供給可能なインクがなくなった後であっても、貯留室121の第1部分1
61に多くのインクが残る。そして、第1部分161に残ったインクを記録部24へ供給
することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、所定位置P1は第1部分161ではなく第2部分162に
あり、第2部分162の水平断面積は第1部分161の水平断面積より小さい。つまり、
液面センサ55は、水平断面積の小さい第2部分162にある液面を検知する。そのため
、所定位置P1が第1部分161にある場合より、液面センサ55による検知精度を高く
することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、貯留室121が第3部分163を有するため、貯留室12
1に多くのインクを貯留することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、流出口128が流入口126より下方に位置する。そのた
め、インクカートリッジ30の貯留室32から流入口126を通じてタンク103の貯留
室121へのインクが流入されなくなった後であっても、貯留室121における流入口1
26より下方且つ流出口128より上方にあるインクを記録部24へ供給することができ
る。
【0072】
また、本実施形態によれば、接続管107が上下方向7に延びているため、接続管10
7の内部空間107Aの液面の位置が変化し易くなる。これにより、水頭差によって内部
空間107Aの液面と貯留室121の液面とが等しくなるまでの時間を短くすることがで
きる。
【0073】
[変形例]
上記実施形態では、液面センサ55は、プリズム55Aを利用するものであった。しか
し、液面センサ55には、他の公知の構成が採用されてもよい。
【0074】
例えば、液面センサ55は、図3に示されるように構成されていてもよい。図3に示さ
れる液面センサ55は、貯留室121に配置された被検知部材55Cと、発光部55Bと
、受光部(不図示)とを備える。
【0075】
被検知部材55Cは、フロート61とアーム62とを有する。フロート61は、貯留室
121に貯留されたインクより比重が小さい。したがって、貯留室121内において、フ
ロート61はインク中に存在する状態において浮力を生じさせる。アーム62は、フロー
ト61から上方へ延びている。アーム62の先端部62Aは板状になっている。被検知部
材55Cは、下部に形成された回動軸63を中心として回動可能に、タンク103によっ
て支持されている。
【0076】
発光部55B及び受光部は、左右方向にタンク103を挟むように対向配置されている
。発光部55Bは、受光部へ向けて光を照射する。受光部は、発光部55Bから照射され
た光を受け、受けた光の強度に基づいた信号を制御基板へ出力する。なお、発光部55B
と受光部との間の左右方向の距離を短くして発光部55Bから受光部へ光を確実に到達さ
せるために、発光部55B及び受光部の間の部分におけるタンク103の左右方向の長さ
が、他の部分におけるタンク103の左右方向の長さより短く構成されていてもよい。
【0077】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1より高いとき、被検知部材55
Cは、フロート61の浮力によって図3に実線で示された第1位置にある。このとき、被
検知部材55Cのアーム62の先端部62Aは、左右方向において発光部55Bと受光部
との間、つまり発光部55Bによって照射される光の光路上に位置する。そのため、発光
部55Bから照射された光は、アーム62の先端部62Aに阻まれて、受光部へ到達しな
い。このとき、受光部は、ローレベル信号を制御基板へ出力する。
【0078】
貯留室121に貯留されたインクの液面が所定位置P1以下まで下がると、フロート6
1は液面と共に下降する。これにより、被検知部材55Cは、図3に破線で示された第2
位置へ回動する。このとき、アーム62の先端部62Aは、左右方向において発光部55
Bと受光部との間から退避した位置、つまり発光部55Bによって照射される光の光路か
ら外れた位置にある。そのため、発光部55Bから照射された光は、受光部へ到達する。
このとき、受光部は、ハイレベル信号を制御基板へ出力する。
【0079】
また、例えば、液面センサ55として、貯留室121に挿入された電極棒が採用されて
もよい。この場合、貯留室121に2本の電極棒が配置される。2本の電極棒は不図示の
基板に実装されている。2本の電極の一方の下端は、所定位置P1よりも若干高い位置に
ある。2本の電極の他方の下端は、所定位置P1よりも下方に位置する。そして、2本の
電極間にインクを通じて電流が流れるか否かに基づいて、貯留室121に貯留されたイン
クの液面が所定位置P1以下であるか否かが検知される。
【0080】
タンク103の構成は、貯留室121の上端が接続管107の内部空間107Aより上
方にあり、貯留室121の下端が接続管107の内部空間107Aより下方にあり、所定
位置P1より上方且つ開口109より下方において貯留室121の水平断面積が内部空間
107Aの水平断面積より大きいとの条件を満たす限り、図2に示されたようなものに限
らず、以下で説明するような様々な構成であってもよい。
【0081】
上記実施形態において、タンク103の接続管107は、上下方向7に延びていたが、
上下方向7以外に延びていてもよい。例えば、接続管107は、上下方向7に対して傾斜
した方向に延びていてもよい。また、上記実施形態において、インクカートリッジ30は
、上下方向7に沿って接続管107と接続されたが、上下方向7以外(例えば前後方向8
)に沿って接続管107と接続されてもよい。
【0082】
例えば、図4に示されるように、インクカートリッジ30が前方からタンク103と接
続されるようにインクカートリッジ30及びタンク103が構成されている場合に、タン
ク103の接続管107は、上下方向7に延びる鉛直部107Bと、前後方向8に延びる
水平部107Cとを備えていてもよい。接続管107が鉛直部107Bを備える構成の場
合、所定位置P1は、鉛直部107Bの上端P4より下方であり、且つ、鉛直部107B
の下端P5より上方に位置する。図4に示される構成では、接続管107の一部が鉛直部
107Bである一方、上記実施形態(図2に示される構成)では、接続管107の全部が
鉛直部である。
【0083】
上記実施形態において、所定位置P1は第2部分162にあった。つまり、液面センサ
55は第2部分162の液面を検知するものであった。よって、上記実施形態における液
面センサ55のプリズム55Aや、上記変形例における液面センサ55の被検知部材55
Cは、第2部分162に形成されていた。しかし、所定位置P1は、第2部分162以外
にあってもよい。つまり、液面センサ55は、第2部分162以外の液面を検知するもの
であってもよい。
【0084】
例えば、図5に示されるように、第3部分163の下端が開口109より下方にあるよ
うにタンク103が構成されている場合に、所定位置P1が第3部分163にあってもよ
い。つまり、液面センサ55は第3部分163の液面を検知するものであってもよい
【0085】
上記実施形態では、流入口126は、貯留室121の第1部分161と連通していたが
、第1部分161以外と連通していてもよい。例えば、図6に示されるように、流入口1
26は、第2部分162と連通していてもよい。
【0086】
上記実施形態において、第1部分161の水平断面積が第2部分162の水平断面積よ
り大きく、第3部分163の水平断面積が第2部分162の水平断面積より大きく、第1
部分161の水平断面積が第3部分163の水平断面積より大きかった。しかし、第1部
分161、第2部分162、及び第3部分163の各水平断面積の大小関係は、上記に限
らず、例えば第2部分162の水平断面積が第1部分161や第3部分163の水平断面
積より大きくてもよい。
【0087】
タンク103は、図2に示されるような第1部分161、第2部分162、及び第3部
分163の全てを有する形状でなくてもよい。例えば、タンク103は、図7(A)に示
されるように、第1部分161及び第2部分162のみを有しており第3部分163を有
していない形状であってもよい。図7(A)に示される構成の場合、第2部分162は、
後壁151と、第3前壁152Cと、上壁153と、一対の側壁155とによって区画さ
れている。また、例えば、タンク103は、図7(B)に示されるように、単なる直方体
形状であってもよい。
【0088】
上記実施形態では、連通口124は上壁153に形成されていた。しかし、連通口12
4は上壁153以外、例えば第1前壁152Aに形成されていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、連通口35は上壁39に形成されていた。しかし、連通口35は上
壁39以外、例えば前壁41に形成されていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、インクが液体の一例として説明され、記録部24が消費部の一例と
して説明されているが、これに限らない。例えば、印刷時にインクに先立ってローラによ
って用紙などに前処理液を塗布する装置に本発明が適用された場合、前処理液が液体の一
例であり、ローラが消費部の一例である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・複合機(システム)
24・・・記録部(消費部)
30・・・インクカートリッジ(カートリッジ)
32・・・貯留室(第1貯留室)
35・・・連通口(第1大気連通部)
55・・・液面センサ(検知部)
103・・・タンク
107・・・接続管(管)
107A・・・内部空間
109・・・開口
121・・・貯留室(第2貯留室)
124・・・連通口(第2大気連通部)